JP7030320B2 - 板状部材移動案内装置及びパネルゲート - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1(特開2016-113765号公報)には、建築物の天井に設置される上部ハンガーレール1と、床に設置される下部埋め込みレール7と、前記上部ハンガーレール1に走行自在に装填されるレール用ランナー10、20と、前記レール用ランナー10に吊設される中間走行ポール4と、前記レール用ランナー20に吊設される走行ポール3と、前記中間走行ポール4と前記走行ポール3間に張設されるスクリーンシート8から構成され、断面逆凹形状に形成された上部ハンガーレール1のレール片W上を、レール用ランナー10、20ーに設けられた一対のローラー11、11が走行する横引スクリーン装置が開示されている。
また、特許文献2(特開平9-4344号公報)には、ガイドレールに装架する回動車のリード框を上下2段に区設し、上部リード框の回動車に吊架する第2支柱と下部リード框の回動車に吊架する第1支柱をガイドレールの走行方向に交互に吊架し、かつ上部回動車の吊架支柱と下部回動車の第1支柱との間にフリーの支柱を取付けた横引シャッター装置が開示されている。
さらに、特許文献3(特開2009-215840号公報)には、建物の開口上縁部の長手方向に沿って取付具を介して互いに並行に配設された第一および第二固定レールと、該第一および第二固定レールに転動自在に支持されたローラーとを有する内扉および外扉とからなる引き戸装置が開示されている。
特許文献2(特開平9-4344号公報)の横引シャッター装置においても、角型パイプ状のガイドレールの内側に設けられた断面コの字状のリード框(上部リード框と下部リード框)の内側を、支柱(第2支柱と第1支柱)を吊架する回動車が移動するため、特許文献4の横引シャッター装置と同様に、床面にガイドレールを設けて支柱が傾かないようにしないと回動車が移動できない。
特許文献3の引き戸装置においては、扉(内扉、外扉)を吊り下げるローラー支持部に取り付けられた第一ローラーと第二ローラーが、断面逆T字状の第一、第二固定レール上を走行するため、扉が傾いた状態ではローラー(第一ローラー、第二ローラー)が走行できず、第一、第二固定レールが湾曲した場合は、ローラーが走行できない。
また、特許文献1~3の横引スクリーン装置等では、いずれも、角型パイプ状のガイドレールの内側を、ポール等を吊り下げるローラーが走行するため、構造が複雑になるという大きな問題がある。
図1は、本発明の板状部材移動案内装置の斜視図、図2は、図1に示す板状部材移動案内装置の一部分解斜視図、図3は、図1に示す板状部材移動案内装置の正面図、図4は、図1に示す板状部材移動案内装置の平面図、図5は、図1に示す板状部材移動案内装置の右側面図、図6は、図4のX-X断面図である。
図中、1は移動体、2はフレーム、2a(2a1、2a2)はフレーム本体、2b(2b1、2b2)は端部、2cはリング部、2dは穴、3(3a、3b)はボールベアリング、4(4a、4b)は割りピン、5はパイプ、6は支持板、7は梁、10は板状部材移動案内装置、11は板状部材、12は結合具、12a(12a1、12a2)は結合板、12bはボルト、12cはナットである。
図に示すように移動体1は、C字状のフレーム2、一対のボールベアリング3(3a、3b)、割りピン4(4a、4b)を備えている。
フレーム2は、断面が円形のフレーム本体2a(2a1、2a2)、端部2b(2b1、2b2)、端部2bと対向する位置にあるリング部2cから構成され、リング部2cには穴2dが形成されている。
リング部2cは、穴2dを有し、結合具9が取り付けられる。
本実施形態においては、フレーム2は、鉄等の金属の鋳物に亜鉛メッキ等を施した一体物となっているが、フレーム本体2aを金属棒とし、この金属棒を曲げ加工して金属製のリング部2cに溶接等で固定したものをフレーム2としてもよい。
また、フレーム2のC字状は、図に示すような円弧形状に限定するものではなく、五角形、六角形、八角形等の多角形の一頂点が離れているものであってもよい。
ボールベアリング3は、本発明の回転体となるもので、一方のボールベアリング3aが、本発明の第1の回転体となって、フレーム本体2a1の端部2b1にはめ込まれ、他方のボールベアリング3bが、本発明の第2の回転体となって、フレーム本体2a1の端部2b2にはめ込まれている。この場合、端部2bの外径は、フレーム本体2aの外径より若干小さく、端部2bが段付き部となり、ボールベアリング3がフレーム本体2a側に移動しないようになっている。
割りピン4は、ボールベアリング3の脱落を防止するもので、一方の割りピン4aが、端部2b1の先端部に設けられたピン穴に挿入され、他方の割りピン4bが、端部2b2の先端部に設けられたピン穴に挿入されている。
本実施形態では、フレーム2の端部2bが段付き部とし、端部2bに先端部に割りピン4を挿入して、ボールベアリング3が軸方向へ移動しないようにしているが、スナップリング等によりボールベアリング3が軸方向へ移動しないようにしてもよい。
なお、本発明の回転体は、ボールベアリング3に限定されるものでなく、ローラーベアリング、スリーブベアリング等であってもよく、その形状もボールベアリング3のような円筒状の回転体に限定されるものではなく、円錐台状の回転体、あるいは、太鼓状の回転体であってもよい。
パイプ5は、本発明の案内部材となるもので、金属製の長尺状の円管であり、図1に示すようにフレーム2の内側にパイプ5が位置し、ボールベアリング3a、3bがパイプ5の外周面に跨った状態となっている。
支持板6は、本発明の吊り下げ部材となるもので、金属製の板からなり、パイプ5の長手方向に沿ってその外周面に支持板6の一端が接合され、支持板6の他端が梁等に固定される。
板状部材11は、パネル、シート、仕切り板、パーテーション等であり、移動体1に懸架されて、パイプ5に沿って移動する。
結合具12は、図2に示すように、一対の結合板12a(12a1、12a2)、ボルト12b、ナット12cで構成され、結合板12aの下端は、板状部材11の上面中央に接合されている。
この結合具12は、移動体1と板状部材11を結合するもので、移動体1のフレーム2のリング部2cを結合板12a1、12a2の間に入れて、ボルト12bを結合板12a1、12a2の穴と穴2dに通し、ナット12cをボルト12bのネジ部に螺合させることにより、移動体1と板状部材11が結合され、移動体1に板状部材11が懸架される。
図7に示すように天井等に掛け渡された梁7には、複数の支持板6が一定の間隔で固定され、各支持板6の下端はパイプ5の外周面に溶接等で接合され、これによりパイプ5が梁7に吊り下げ固定される。
これにより、支持板6で梁7から吊り下げられたパイプ5上を移動体1のボールベアリング3a、3bが転がり、板状部材11を懸架した移動体1がパイプ5上を移動することとなり、パイプ5が湾曲していても移動体1はパイプ5上を移動することができる。
図8は、本発明における移動体の他の例を示したものの正面図、図9は、図8に示す移動体におけるボールベアリングの保持部材の分解斜視図である。
図中、21は移動体、22はフレーム、22a(22a1、22a2)はフレーム本体、22cはリング部、22dは穴、23(23a、23b)はボールベアリング、24(24A、24B)は保持部材、24a(24a1、24a2)は保持板、24b(24b1、24b2)はベアリング軸、24cは穴、25(25a、25b)はボルトである。
図に示すように移動体21は、C字状のフレーム22、一対のボールベアリング23(23a、23b)、保持部材24(24A、24B)、ボルト25(25a、25b)等を備えている。
フレーム22は、断面が円形のフレーム本体22a(22a1、22a2)、リング部22c等から構成され、リング部22cには穴22dが形成されているが、図1のフレーム2と異なり、その端部は端部2bのような段付きではなく、この段付きでないフレーム本体22aの端部にボルト25のネジ部が螺合するネジ穴(図示せず)が設けられている。
リング部22cは、図1のリング部2cと同様に本発明の取付部となるもので、穴22dに懸架器具のフック等が引っ掛けられ、リング部22cに懸架器具が取り付けられる。
フレーム22は、フレーム2と同様に、鉄等の金属の鋳物に亜鉛メッキ等を施した一体物、あるいは、金属棒を曲げ加工したもの等からなっている。
保持部材24は、図9に示すように、保持板24aと、保持板24の一方の端部に取り付けられたベアリング軸24b、保持板24の他方の端部に設けられた穴24cより構成される。
ボールベアリング23は、移動体1のフレーム2に取り付けられているボールベアリング3と同じものであるが、その取付部分がボールベアリング3とは異なり、保持部材24のベアリング軸24bにはめ込まれ、ボールベアリング3と同様に割りピン(図示せず)等により脱落が防止される。
そして、一方の保持部材24Aにおいて、ボールベアリング23aがベアリング軸24b1にはめ込まれ、ボルト25aが穴24cに通され、ボルト25aのネジ部がフレーム本体22a1の端部に設けられたネジ穴に螺合されて保持板24a1がフレーム本体22a1の端面に固定され、これにより、ボールベアリング23aがフレーム本体22a1に取り付けられる。
同様に、他方の保持部材24Bにおいて、ボールベアリング23bがベアリング軸24b2にはめ込まれ、ボルト25bが穴24cに通され、ボルト25bのネジ部がフレーム本体22a2の端部に設けられたネジ穴に螺合されて保持板24a2がフレーム本体22a2の端面に固定され、これにより、ボールベアリング23bがフレーム本体22a2に取り付けられる。
このようにして一対のボールベアリング23a、23bがフレーム22に取り付けられた移動体21は、移動体1と同様に、ボールベアリング23a、23bが、支持板6で吊り下げられたパイプ5の外周面に跨った状態で転がり、これにより、移動体21がパイプ5上を移動することとなる。
図10は、板状部材移動案内装置10における各部の大きさ、位置関係等を説明するための説明図であり、図において、A1、A2のボールベアリング3の回転軸、dはボールベアリング3aとボールベアリング3bの間隔、d1は両ベアリングの下端の間隔、d2は両ベアリングの上端の間隔、D1はフレーム2の内径、D2はパイプ5の外径、D3はパイプ5の長手方向と直角方向の支持板6の幅である。
図10に示すように、フレーム2の内径D1は、パイプ5の外径D2より大きく、ボールベアリング3aとボールベアリング3bは互いに向き合っており、両ベアリングの間隔dの最小値となるd1は、支持板6の幅D3より大きく、両ベアリングは、支持板6の幅D3以上に離間している。
また、ボールベアリング3aの回転軸A1とボールベアリング3bの回転軸A2は交差し、両ベアリングの下端の間隔d1は上端の間隔d2より小さいことから、両ベアリングの間隔dは、フレーム2の内側(下側)から外側(上側)にかけて広がっている(大きくなっている)。
さらに、間隔dの最小値d1は、パイプ5の外径D2より小さく、間隔dは、パイプ5の外径D2より小さくなっている。
これにより、板状部材移動案内装置10において、パイプ5上をボールベアリング3a、3bが転がり、移動体1が、支持板6に衝突したり接触したりすることなく、パイプ5上を移動することができる。
なお、図8に示す移動体21においては、移動体1に比べて、フレーム22の内径がフレーム2の内径D1より大きくなっている他は、各部の大きさ、位置関係等は、移動体1と同じとなっている。
図11は、板状部材移動案内装置10において、移動体1が支持板6を通過する際、移動体1がパイプ5の円周方向にどの程度傾くことができかを説明するための説明図であり、同図(a)は、移動体1がパイプ5の円周方向に傾かない場合、同図(b)は、移動体1がパイプ5の円周方向の左側に傾いた場合、同図(c)は、移動体1がパイプ5の円周方向の右側に傾いた場合を示している。
ここで、支持板6の中心を通る鉛直方向(上下方向)の軸をY0とし、移動体1は左右対称であるからその対称軸をY1とし、ボールベアリング3a、3bの回転軸A1、A2と直交する鉛直方向の軸をY2a、Y2bとする。
移動体1がパイプ5の円周方向に傾かない場合、移動体1の対称軸Y1は軸Y0と一致し、ボールベアリング3a、3bは、対称軸Y1に対して角度θだけ傾いており、図11(a)において、θは約26度である。
移動体1がパイプ5の円周方向の左側と右側に傾いた場合、フレーム2の端部2b1、2b2が支持板6に接触する直前における対称軸Y1の軸Y0に対する角度をαとすると、図11(b)、(c)において、αは約13度である。
これより板状部材移動案内装置10の各部の大きさや位置関係が図10に示すような場合において、ボールベアリング3が対称軸Y1に対して角度θだけ傾いていると、移動体1は、パイプ5の円周方向にα傾いても支持板6に接触せずに移動することができ、αはθの約1/2である。
ボールベアリング3の対称軸Y1に対する傾き角度θは、通常10度以上に設定するが、角度θが大きくなると、ボールベアリング3に対するスラスト荷重が大きくなり、ボールベアリング3の回転抵抗が大きくなって回転しにくくなるとともに、耐久性も悪くなることから、40度以下とするのが望ましい。
このようにボールベアリング3の対称軸Y1に対する傾き角度θを10度以上40度以下に設定すると、移動体1は、左右に5度以上20度以下の範囲でパイプ5の円周方向に傾いても、支持板6に接触せずに移動することができる。
以上より、板状部材移動案内装置10においては、ボールベアリング3が移動体1の対称軸Y1に対して傾いていること、すなわち、ボールベアリング3の回転軸A1、A2が交差し、両ベアリングの間隔が、フレーム2の内側(下側)から外側(上側)にかけて広がっていることから、ボールベアリング3が傾いている分だけ、移動体1がパイプ5の円周方向に傾いても、支持板6に衝突したり接触したりすることなく、移動体1が支持板6を通過することができる。
図12は、本発明のパネルゲートの斜視図であり、図において、30はパネルゲート、31は走行棒、32(32a、32b)はパネルである。
パネルゲート30は、移動体1、パイプ5、支持板6、梁7、結合具12、走行棒31、パネル32(32a、32b)等から構成される。
パネルゲート30においては、パネルゲート30を設置する場所に立設された支柱(図示せず)に梁7が架設され、梁7には、複数の支持板6の上端が接合され、各支持板6の下端はパイプ5の外周面に溶接等で接合され、これによりパイプ5が梁7に吊り下げ固定されている。
走行棒31は、本発明の連結部材となるもので、長尺状の角パイプ等からなり、その上面には結合具12が取り付けられ、結合具12に移動体1が結合され、これにより移動体1に走行棒31が懸架される。
走行棒31の両側には、パネル32(32a、32b)が、蝶番等(図示せず)により回動自在に取り付けられ、パネル32aとパネル32bも蝶番等(図示せず)により回動自在に結合され、これにより、複数のパネル32が走行棒31により折畳み可能に連結される。
このようにして複数のパネル32を折畳み可能に連結した走行棒31を懸架した移動体1が、パイプ5を跨ぐように配置される。
そして、移動体1をパイプ5に沿って移動させることにより、パネル32が移動し、ゲートの開閉が行われる。
2 フレーム
2a、2a1、2a2 フレーム本体
2b、2b1、2b2 端部
2c リング部
2d 穴
3、3a、3b ボールベアリング
4、4a、4b 割りピン
5 パイプ
6 支持板
7 梁
10 板状部材移動案内装置
11 板状部材
12 結合具
12a、12a1、12a2 結合板
12b ボルト
12c ナット
21 移動体
22 フレーム
22a、22a1、22a2 フレーム本体
22c リング部
22d 穴
23、23a、23b ボールベアリング
24、24A、24B 保持部材
24a、24a1、24a2 保持板
24b、24b1、24b2 ベアリング軸
24c 穴
25、25a、25b ボルト
30 パネルゲート
31 走行棒
32、32a、32b パネル
A1、A2 回転軸
Claims (4)
- 板状部材を懸架した移動体が、吊り下げ部材で吊り下げられた案内部材に沿って移動する板状部材移動案内装置であって、
前記案内部材は、少なくとも上部が断面円弧状のパイプであり、
前記移動体は、前記板状部材を懸架するC字状のフレームと、該フレームに取り付けられ前記パイプ上を転がる一対の回転体を備え、
前記回転体は、円筒状の回転体、円錐台状の回転体、太鼓状の回転体のいずれかであり、
前記一対の回転体は、第1の回転体と第2の回転体からなり、
前記第1の回転体と前記第2の回転体とは、向き合って少なくとも前記パイプの長手方向と直角方向の前記吊り下げ部材の幅以上に離間し、
前記第1の回転体の回転軸と前記第2の回転体の回転軸は交差し、
前記第1の回転体と前記第2の回転体の間隔の最小値は前記パイプの外径より小さく、該間隔は前記フレームの内側から外側にかけて広がっていること
を特徴とする板状部材移動案内装置。 - 前記パイプは、断面円形のパイプであり、
前記第1の回転体は前記フレームの一方の端部に取り付けられ、前記第2の回転体は前記フレームの他方の端部に取り付けられていること
を特徴とする請求項1記載の板状部材移動案内装置。 - 吊り下げ部材で吊り下げられた少なくとも上部が断面円弧状のパイプと、
複数のパネルを折り畳み可能に連結した連結部材と、
前記連結部材を懸架するC字状のフレームと、該フレームに取り付けられ前記パイプ上を転がる一対の回転体を有する移動体を備え、
前記回転体は、円筒状の回転体、円錐台状の回転体、太鼓状の回転体のいずれかであり、
前記一対の回転体は、第1の回転体と第2の回転体からなり、
前記第1の回転体と前記第2の回転体とは、向き合って少なくとも前記パイプの長手方向と直角方向の前記吊り下げ部材の幅以上に離間し、
前記第1の回転体の回転軸と前記第2の回転体の回転軸は交差し、
前記第1の回転体と前記第2の回転体の間隔の最小値は前記パイプの外径より小さく、該間隔は前記フレームの内側から外側にかけて広がっていること
を特徴とするパネルゲート。 - 前記パイプは、断面円形のパイプであり、
前記第1の回転体は前記フレームの一方の端部に取り付けられ、前記第2の回転体は前記フレームの他方の端部に取り付けられていること
を特徴とする請求項3記載のパネルゲート。
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