JP7029406B2 - 有機電界発光素子パネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は有機電界発光素子パネルの製造方法に関し、特には耐光性に優れた有機電界発光素子パネルの製造方法に関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELと記す)を利用した有機電界発光素子は、2枚の電極間に有機発光機能層を挟持した自発光型の素子であり、フィルム基板上に形成することによってフレキシブルに屈曲する発光パネルを実現することができる。このような構成の有機電界発光素子パネルは、有機発光機能層の劣化を防止するために、有機電界発光素子の支持体としてガスバリア性フィルムを用いている(下記特許文献1,2参照)。
特開2011-156752号公報 特開2014-94572号公報
近年、以上のような有機電界発光素子パネルに対し、屋外環境への設置が求められている。しかしながら、有機電界発光素子パネルは、光透過性を有する光取り出し面側からの屋外光(特に紫外線)の侵入によって有機発光機能層が劣化する。このため、屋外環境下に設置した状態においての経時的な使用によって、輝度が低下したり駆動電圧が上昇する問題があった。
そこで本発明は、ガスバリア性と共に耐光性を有することにより、屋外環境への設置も可能な有機電界発光素子パネルの製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、ガスバリア性を有する透明支持基板を準備し、前記透明支持基板の一主面上に有機電界発光素子を形成する工程と、前記有機電界発光素子を覆う状態で前記透明支持基板の一主面上に封止構造体を形成する工程と、ガスバリア性を有する透明バリア性基板を準備し、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程とを有し、前記有機電界発光素子を形成する工程の後、前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程の前に、前記透明支持基板側から前記有機電界発光素子に対して発光パターンを形成するためのパターン露光を行ない、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程では、前記透明バリア性基板および前記接着層の少なくとも一方を紫外線非透過性を有するものとし、前記透明支持基板、前記接着層、および前記透明バリア性基板の少なくとも何れか1つが紫外線非透過性を有する有機電界発光素子パネルの製造方法である。
また、他の本発明は、ガスバリア性を有する透明支持基板を準備し、前記透明支持基板の一主面上に有機電界発光素子を形成する工程と、前記有機電界発光素子を覆う状態で前記透明支持基板の一主面上に封止構造体を形成する工程と、ガスバリア性を有する透明バリア性基板を準備し、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程とを有し、前記封止構造体を形成する工程では、前記透明支持基板の一主面上に前記有機電界発光素子を囲んで光硬化性の接着剤層を形成し、前記光硬化性の接着剤層で囲まれた部分に前記有機電界発光素子を封止する状態で樹脂層を充填し、 前記透明支持基板との間に前記有機電界発光素子を挟持する状態で前記光硬化性の接着剤層および前記樹脂層を介して前記透明支持基板の一主面上に封止フィルムを設けて前記有機電界発光素子を封止し、前記封止構造体を形成する工程の後、前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程の前に、前記透明支持基板側から前記光硬化性の接着剤層を硬化させるための光照射を行ない、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程では、前記透明バリア性基板および前記接着層の少なくとも一方を紫外線非透過性を有するものとし、前記透明支持基板、前記接着層、および前記透明バリア性基板の少なくとも何れか1つが紫外線非透過性を有する有機電界発光素子パネルの製造方法である。
このような本発明によれば、ガスバリア性と共に耐光性をも有することにより、有機電界発光素子パネルを屋外環境に設置することが可能となる。
第1実施形態の有機電界発光素子パネルの概略構成図である。 第1実施形態の有機電界発光素子パネルに用いる透明支持基板の概略断面図である。 第1実施形態の有機電界発光素子パネルに用いる透明バリア性基板の概略断面図である。 第1実施形態の有機電界発光素子パネルの製造工程図である。 第2実施形態の有機電界発光素子パネルの概略構成図である。 第2実施形態の有機電界発光素子パネルの製造工程図である。
以下、本発明の各実施の形態を、有機電界発光素子パネルの構成、および有機電界発光素子パネルの製造方法の順に、図面に基づいて詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
―有機電界発光素子パネルの構成―
図1は、第1実施形態の有機電界発光素子パネル1の概略を示す断面構成図である。この図に示す有機電界発光素子パネル1は、ガスバリア性を有する透明支持基板10と、透明支持基板10の一主面上に設けられた有機電界発光素子ELと、有機電界発光素子ELを覆う封止構造体20とを備えている。
また特に、有機電界発光素子パネル1は、透明支持基板10の他主面上に、接着層11を介してガスバリア性を有する透明バリア性基板12を備えている。そして透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12の少なくとも何れか1つが紫外線非透過性を有する。
なお、ここでいう「ガスバリア性」とは、JIS K 7129-1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(60±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10-3g/(m・24h)以下であり、JIS K 7126-1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10-3ml/m・24h・atm以下(1atmとは、1.01325×10Paである)であることをいう。
このような有機電界発光素子パネル1は、有機電界発光素子ELで発生させた発光光Hが、透明支持基板10および透明バリア性基板12を透過し、透明バリア性基板12側から取り出されるボトムエミッション構成である。また有機電界発光素子パネル1は、可撓性を有するものであり、フレキシブルに屈曲する照明装置または表示装置として用いられる。
ここで上記各構成要素の紫外線非透過性は、材料そのものが紫外線非透過性を有するものであるか、または紫外線吸収剤Gを含有することによって付与された紫外線非透過性であってもよい。各構成要素に含有させる紫外線吸収剤Gが特に限定されることはなく、下記に示す一般的な紫外線吸収剤Gを用いることができる。また以降に説明するように、複数の構成要素が紫外線吸収剤Gを含有する場合、各構成要素に含有させる紫外線吸収剤Gが同一である必要はない。
紫外線吸収剤Gの具体例としては、テレフタリジンジカンファスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、ベンジルイリデンマロネートポリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、メチレン-ビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾール四スルホン酸二ナトリウム、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエートやメトキシケイヒ酸オクチル等が例示される。これらの紫外線吸収剤Gは、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
ここで、紫外線吸収剤Gは、紫外線の照射によって化学的に変化して着色する。このため、紫外線吸収剤Gは、透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12を構成するできるだけ多くの構成要素に対して所定量を分配して含有させることが好ましい。これにより透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12中における紫外線吸収剤Gの分散密度を低く抑え、紫外線吸収剤Gの化学的な変化による着色が、有機電界発光素子ELの発光光Hの取り出しに影響を与えることを防止できる。なお、上述した所定量とは、例えば有機電界発光素子パネル1を屋外環境下に設置した場合に、有機電界発光素子パネル1の信頼性を確保するべき補償期間内において、外光中の紫外線の有機電界発光素子ELへの透過を防止できる程度の量であることとする。
以下、有機電界発光素子パネル1の各構成要素の詳細を、透明支持基板10、接着層11、透明バリア性基板12、有機電界発光素子EL、および封止構造体20を構成する各層の順に説明する。
<透明支持基板10>
図2は有機電界発光素子パネル1に用いる透明支持基板10の概略断面図である。この図に示すように、透明支持基板10は、有機電界発光素子ELを支持するための基板である。有機電界発光素子パネル1が可撓性を有する場合、透明支持基板10は、可撓性を有するフィルム状のものが好ましく用いられる。
この透明支持基板10は、基材10aの一主面上に、塗布膜10b、蒸着膜10c、および塗布膜10dをこの順に設けた3層構造のガスバリア層を設けたことにより、ガスバリア性を有する構成である。有機電界発光素子パネル1は、透明支持基板10のガスバリア層側に、有機電界発光素子ELを設けている。またここでの図示は省略したが、透明支持基板10は、基材10aの他主面上にもガスバリア層を有していてもよい。
なお、透明支持基板10のガスバリア層は、上述した3層構造に限定されることはない。しかしながら、ガスバリア層は、例えば無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が好ましく、さらにガスバリア層の強度をより向上させるために、無機層と有機層とからなる積層構造とすることが好ましい。無機層と有機層との積層順は特に制限されないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。また、透明支持基板10が紫外線非透過性を有する場合、ガスバリア層は、塗布膜10b,10dを用いて構成されていることが好ましく、これにより、塗布膜10b,10dに対して紫外線吸収剤Gを含有させることができる。
次に、透明支持基板10の構成要素を、基材10a、塗布膜10b,10d、蒸着膜10cの順に説明する。
[基材10a]
基材10aは、有機電界発光素子ELで発生させた発光光Hに対する光透過性を有する。このような基材10aとしては、樹脂材料からなるフィルム基板を挙げることができるが、可撓性を有する厚さであればガラスまたは石英であってもよい。ただし、有機電界発光素子ELを構成する有機発光機能層が、光照射によって一部を変質させた発光パターンPを有するものである場合、基材10aは有機発光機能層のパターン露光に用いる露光光(例えば紫外線)に対する光透過性を有することとする。このパターン露光については、以降の製造方法において詳細に説明する。
本発明において、基材10aを構成する樹脂材料は、従来公知の樹脂材料が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)あるいはアペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
また透明支持基板10が紫外線非透過性を有する場合、基材10aを構成する樹脂材料は、ポリエチレンナフタレート(PEN)のような紫外線非透過性を有するものであることが好ましい。また基材10aは、樹脂材に紫外線吸収剤Gを含有することによって紫外線非透過性を有する構成であってもよい。ただし、有機電界発光素子ELを構成する有機発光機能層が、光照射によって一部を変質させた発光パターンPを有するものである場合、基材10aは、紫外線非透過性を備えていないこととする。
このような基材10aは、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造することができる。また、未延伸の支持体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、支持体の流れ(縦軸)方向、または支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2~10倍が好ましい。
また、紫外線吸収剤Gを含有する基材10aを作製する場合、溶融させた基材10aの材料樹脂に紫外線吸収剤Gを分散させればよい。
なお、以上のような基材10aは、その一主面側が、次に説明するガスバリア層との密着性を確保するための前処理(例えばコロナ処理)が施されたものであったりアンカーコート剤層で覆われたものであってもよい。また基材10aは、その一主面側が、平滑層やその他の層で覆われたものであってもよい。
[塗布膜10b,10d]
塗布膜10b,10dは、ガスバリア層を構成する層であって、例えばポリシラザン含有液を用いた塗布成膜によって形成された層である。また塗布膜10b,10dは、上述した紫外線吸収剤Gを含有してもよい。ただし、有機電界発光素子ELを構成する有機発光機能層が、光照射によって一部を変質させた発光パターンPを有するものである場合、塗布膜10b,10dは、紫外線吸収剤Gを含有しないこととする。
以上のような塗布膜10b,10dは、次のようにして形成される。まず、ポリシラザン化合物を含有するポリシラザン含有液を基材10a上に塗布する。塗布法は、任意の適切な方法であればよく、乾燥後の膜厚が所望の膜厚となるように塗布を行う。この際、塗布膜10b,10dが紫外線吸収剤Gを含有するものであれば、紫外線吸収剤Gを分散させたポリシラザン含有液を用いればよい。
次に、基材10a上に塗布したポリシラザン含有液の液膜を乾燥させ、ポリシラザン含有膜を形成する。この際、パリシラザン含有液の液膜中の溶媒および水分を除去するために、例えば基材10aに対して影響を及ぼすこととのない条件範囲での段階的な乾燥を実施する。これにより、ポリシラザン含有膜中の水分率を検出限界以下とすることが好ましい。
その後、ポリシラザン含有膜に対して改質処理を施すことにより、ポリシラザン含有膜中のポリシラザン化合物を酸化ケイ素化合物または酸化窒化ケイ素化合物に転化させた塗布膜10b,10dを形成する。このような改質処理は、公知の方法から選択することができるが、基材10aへの影響を抑えるためには、低温での転化が可能なプラズマ処理、オゾン処理、または紫外線照射処理を適用することが好ましい。ただし、ポリシラザン含有膜が、紫外線吸収剤Gを含有している場合であれば、紫外線吸収剤Gの化学変化の防止と改質処理による転化の効率を考慮してプラズマ処理またはオゾン処理による改質処理を実施することが好ましい。
[蒸着膜10c]
蒸着膜10cは、ガスバリア層を構成する層であって、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD(化学的気相蒸着)法、レーザーCVD法、熱CVD法などの蒸着法によって形成された層である。
具体的には、SixNy、SixOy、SIOC、SiON、SiOCN、SiC、MgO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、Ta、ZrN、TiC、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、DLC(Diamond Like Carbon)、さらにはこれらの複合積層膜等が挙げられる。
<接着層11>
図1に戻り、接着層11は、透明支持基板10の有機電界発光素子ELが形成された面とは逆側の他主面上に、透明バリア性基板12を貼り合わせるための層である。この接着層11は、光透過性を有する層であって、接着剤を用いて構成され、さらに必要に応じた添加物が含有されていてもよい。添加物としては、例えば紫外線吸収剤Gおよび水蒸気透過度を下げるためのフィラー、さらにはその他の必要に応じた添加物である。
接着層11を構成する接着剤は、硬化性樹脂であれば特に制約されない。硬化性樹脂としては、熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂のいずれか、あるいは両者を使用することができる。接着剤の代表例としては、光硬化型の液体接着剤、熱硬化型の液体接着剤等が挙げられる。具体的には例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマー等の反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型シール剤、2-シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系等の熱および化学硬化型(二液混合)等の接着剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等が挙げられる。
また接着剤としては、耐湿性、耐水性に優れ、揮発成分が少なく、硬化時の収縮が少ない樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂においては、紫外線等を透過させるために、有機電界発光素子ELの構成物品に制約が生じるが、熱硬化型樹脂では、そのような制約がないため、より好ましい。また接着層11が、紫外線吸収剤Gを含有している場合であれば、紫外線吸収剤Gの化学変化による劣化を考慮して、熱硬化型樹脂で有ることが好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等の熱硬化型樹脂が挙げられる。難燃性の観点からは、特に熱硬化型のエポキシ系接着剤が好ましい。
接着層33を構成する接着剤に添加されるフィラーは、接着剤の水蒸気透過度を下げるためのものであり、例えばソーダガラス、無アルカリガラス或いはシリカ、二酸化チタン、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等の金属酸化物等が挙げられる。
接着層11が、紫外線吸収剤Gやフィラー等の添加物を含有する場合、硬化前の接着剤に対してこれらの添加物を分散させればよい。ただし、接着剤として例えば液体接着剤を用いる場合、液体接着剤の塗布は、貼合安定性、貼合部内への気泡混入防止、可撓性部材の平面性保持等の観点から、1×10-2Pa以上、10Pa以下の減圧下で行うことが好ましい。
<透明バリア性基板12>
図3は有機電界発光素子パネルに用いる透明バリア性基板の概略断面図である。この図に示す透明バリア性基板12は、有機電界発光素子パネル1が可撓性を有する場合、可撓性を有するフィルム状のものが好ましく用いられる。このような透明バリア性基板12は、基材12aの一主面上に、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dをこの順に設けた3層構造のガスバリア層を設けたことにより、ガスバリア性を有する構成である。基材12aおよびガスバリア層は、透明支持基板10を構成する基材10aおよびガスバリア層と同様であるが、同一である必要はない。
また、透明バリア性基板12の基材12aは、紫外線非透過性を有する材料からなるか、または紫外線吸収剤Gを含有することが好ましい。さらにガスバリア層を構成する塗布膜12b,12dは、紫外線吸収剤Gを含有することが好ましい。
このような透明バリア性基板12は、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dの3層構造のガスバリア層側において透明支持基板10に貼り合わせられていてもよいし、基材12a側において透明支持基板10に貼り合わせられていてもよい。また透明バリア性基板12は、透明支持基板10と同様に、基材12aの両側にガスバリア層を設けたものであってもよい。
<有機電界発光素子EL>
再び図1に戻り、有機電界発光素子ELは、透明支持基板10側から順に、透明電極、有機発光機能層、および対向電極を積層した構成である。このような構成の有機電界発光素子ELは、透明電極と対向電極とで有機発光機能層を挟持した部分が発光領域となる。この発光領域で発生した発光光Hは、透明バリア性基板12から取り出される。これらの各部材の構成が限定されることはないが、以下に一例を説明する。
[透明電極および対向電極]
透明電極および対向電極は、有機発光機能層に対して何れか一方が陽極として用いられ、何れか他方が陰極として用いられる。それぞれが、陰極または陽極として適する仕事関数を有する材料を用いて構成される。
このうち透明支持基板10側に設けられる透明電極は、光透過性に優れた導電性材料を用いて構成されることが好ましく、例えば薄銀(Ag)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する電極材料により構成されている。また透明電極は、導電性材料で構成された層の他に、必要に応じて下地層を備えたものであってもよい。例えば薄銀を用いた透明電極であれば、窒素や硫黄を含有する有機材料を用いた下地層を有し、この上部に薄銀層を設けた構成とすることにより、光透過性と導電性とを兼ね備えた透明電極とすることができる。
[有機発光機能層]
有機発光機能層は、少なくとも有機発光材料を用いて構成された発光層を有する。この有機発光機能層は、透明電極と対向電極の何れか一方を陽極とし、何れか他方を陰極とし、陽極から供給される正孔と陰極から供給される電子とを、内部の発光層内で再結合させることによって発光を生じる。
このような有機発光機能層は、発光層を有していればよく、その構成が限定されることはないが、一例として陽極側から順に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を積層した構成とすることができる。なお、有機電界発光素子ELは、中間層を介して複数の有機発光機能層を積層させたものであってもよい。この場合、各有機発光機能層は、それぞれが必要に応じた層構成であればよい。また中間層は、中間電極であってもよい。
また有機発光機能層を構成する各層の何れかは、光照射によって一部を変質させた構成であってもよい。この場合、透明電極と対向電極とで有機発光機能層を挟持した部分のうち、光照射による変質のない部分が発光パターンPとなる。
<封止構造体20>
封止構造体20は、有機電界発光素子ELを覆って透明支持基板10の一主面上に設けられた絶縁性封止層21と、その上部の接着層22と、接着層22上の封止フィルム23とを備えている。これらの部材は、以下のような構成である。
[絶縁性封止層21]
絶縁性封止層21は、無機材料で構成された膜が好ましく用いられ、例えば絶縁性の無機蒸着膜が用いられる。このような絶縁性の無機蒸着膜としては、透明支持基板10や透明バリア性基板12のガスバリア層を構成する蒸着膜と同様のものであってよく、同様にして成膜される。
絶縁性封止層21の膜厚は特に制限されない。ただし、絶縁性封止層21が例えば絶縁性の無機蒸着膜により構成される場合、無機蒸着膜の形成のし易さの観点から、膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは300nm以下である。
[接着層22]
接着層22は、透明支持基板10の有機電界発光素子ELが形成された面に、封止フィルム23を貼り合わせるための層である。この接着層22は、有機電界発光素子ELを完全に覆う状態で絶縁性封止層21上に設けられ、透明支持基板10と封止フィルム23との間に充填されている。このような接着層22は、透明支持基板10と透明バリア性基板12との間の接着層11と同様のものが用いられ、そのうち熱硬化型樹脂が好ましく用いられる。ただし、紫外線吸収剤Gが含有されている必要はない。
[封止フィルム23]
封止フィルム23は、例えば樹脂フィルム23aの一主面側に金属箔23bを設けた構造のものが好ましく用いられる。このような封止フィルム23は、樹脂フィルム23aと金属箔23bとをラミネート加工によって積層させたものであり、金属箔23b側を有機電界発光素子EL側に向けた状態で、接着層22によって貼り合わせられている。
(樹脂フィルム23a)
樹脂フィルム23aは、可撓性を有する材料で有ればよく、樹脂材料からなるフィルム基板やガラスまたは石英であってもよい。樹脂フィルム23aを構成する樹脂材料は、光透過性を有している必要はないが、透明支持基板10を構成する基材10aを構成する樹脂基材と同様のものを用いることができる。またこの樹脂フィルム23aは、紫外線非透過性を有している必要はない。
(金属箔23b)
金属箔23bは、金属の種類に特に限定はなく、例えば銅(Cu)箔、アルミニウム(Al)箔、金(Au)箔、黄銅箔、ニッケル(Ni)箔、チタン(Ti)箔、銅合金箔、ステンレス箔、スズ(Sn)箔、高ニッケル合金箔等が挙げられる。これらの各種の金属箔の中で特に好ましい金属箔としてはAl箔が挙げられる。
金属箔23bの厚さは6~50μmが好ましい。6μm未満の場合は、金属箔23bに用いる材料によっては使用時にピンホールが空き、必要とするバリア性(透湿度、酸素透過率)が得られなくなる場合がある。50μmを越えた場合は、金属箔23bに用いる材料によってはコストが高くなったり、有機光電変換素子が厚くなったりフィルムのメリットが少なくなる場合がある。
―有機電界発光素子パネルの製造方法―
図4は、第1実施形態の有機電界発光素子パネル1の製造方法を説明するための断面工程図である。次にこの図に基づいて第1実施形態の有機電界発光素子パネル1の製造方法を説明する。
先ず図4Aに示すように、ガスバリア性を有する透明支持基板10を準備する。ここでは、透明支持基板10は、紫外線非透過性を備えていないものであることとする。
そして準備した透明支持基板10が、図2を用いて説明したように、基材10a上にガスバリア層を備えたものであれば、例えば透明支持基板10におけるガスバリア層側の上部に、有機電界発光素子ELを形成する。有機電界発光素子ELの形成方法は、公知の任意の方法を適用することが可能であるため、その説明を省略する。次いで、有機電界発光素子ELを覆う状態で、透明支持基板10の一主面側に絶縁性封止層21を任意の蒸着成膜法によって形成する。
次に図4Bに示すように、樹脂フィルム23a上に金属箔23bをラミネートした封止フィルム23を作製し、金属箔23b上に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤に対して有機電界発光素子ELを覆って設けられた絶縁性封止層21を対向させるように透明支持基板10を配置し、透明支持基板10と封止フィルム23と接着剤を介して貼り合わせる。この状態で接着剤を硬化させて接着層22とし、透明支持基板10と封止フィルム23との間に充填された接着層22中に有機電界発光素子ELを封止する。
その後図4Cに示すように、透明支持基板10側から露光光H1(例えば紫外線)を照射するパターン露光により、有機電界発光素子LEをパターニングして発光パターンPを形成する。この際、必要に応じて露光マスクを用いたパターン露光を実施する。
この際、透明支持基板10として、紫外線非透過性を備えていないものを用いることにより、露光光H1として紫外線を用いた有機電界発光素子ELのパターン露光が可能である。
次いで図4Dに示すように、ガスバリア性を有する紫外線非透過性の透明バリア性基板12を準備し、準備した透明バリア性基板12の何れか一方の面上、または透明支持基板10の有機電界発光素子ELが設けられていない面上に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤を介して透明支持基板10と透明バリア性基板12とを貼り合わせ、接着剤を硬化させて接着層11とする。これにより、図1を用いて説明した有機電界発光素子パネル1を完成させる。
―第1実施形態の効果―
以上説明した構成の有機電界発光素子パネル1によれば、有機電界発光素子ELで発生した発光光Hを取り出す側を、ガスバリア性を有する透明支持基板10と透明バリア性基板12との積層構造とした。これにより、有機電界発光素子ELに対するガスバリア性の向上を図ることができる。
しかも、透明支持基板10、透明バリア性基板12、およびこれらの間に挟持された接着層11のうちの少なくとも何れか1つが紫外線非透過性を有する構成であるため、有機電界発光素子パネル1の発光面側からの紫外線を含む外光の侵入を抑えることができる。これにより、紫外線による有機電界発光素子ELの劣化、具体的には屋外環境下での経時的な使用による輝度の低下、駆動電圧の上昇、および特に大型の有機電界発光素子パネルにおいては紫外線の入射分布によって発生する輝度ムラの発生を防止することが可能である。
以上の結果、有機電界発光素子パネル1の耐光性の向上を図ることが可能になり、有機電界発光素子パネル1を屋外環境に設置した場合の長期信頼性が確保され、屋外環境への設置を実現することが可能となる。
また上述した有機電界発光素子パネル1の製造手順は、透明バリア性基板12を貼り合わせる前に、有機電界発光素子ELのパターン露光を行う構成である。これにより、透明バリア性基板12を構成する部材や接着層11に紫外線吸収剤Gが含有されている場合であっても、この紫外線吸収剤Gに対して有機電界発光素子ELをパターニングする際の露光光H1が影響を及ぼすことはない。したがって、有機電界発光素子ELに発光パターンPが形成された構成でありながらも、紫外線吸収剤Gにおける紫外線吸収の効果が維持され耐光性に優れた有機電界発光素子パネル1を得ることができる。
なお、有機電界発光素子ELのパターニングを実施しない場合であれば、透明支持基板10は、紫外線非透過性を有するものであってよく、紫外線吸収剤Gを含有していてもよい。これにより、より多くの層に対して紫外線吸収剤Gを含有させた構成とすることができるため、紫外線吸収剤Gの分散密度が低く抑えられ、紫外線吸収剤Gの化学変化による着色が、有機電界発光素子ELの発光光Hの取り出しに影響を与えることを防止できる。
≪第2実施形態≫
―有機電界発光素子パネルの構成―
図5は、第2実施形態の有機電界発光素子パネル2の概略を示す断面構成図である。この図に示す有機電界発光素子パネル2が、第2実施形態の有機電界発光素子パネル1と異なるところは、封止構造体20’の構造にあり、他の構成は同様である。このため以下においては、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して封止構造体20’の説明を行い、重複する構成の説明は省略する。
<封止構造体20’>
封止構造体20’は、有機電界発光素子ELを覆って透明支持基板10の一主面上に設けられた絶縁性封止層21と、有機電界発光素子ELを囲む接着剤層31と、有機電界発光素子ELを覆う樹脂層32と、その上部の封止フィルム23とを備えている。このうち絶縁性封止層21および封止フィルム23は、第1実施形態と同様のものである。したがって、以下においては接着剤層31と樹脂層32の構成を説明する。
[接着剤層31]
接着剤層31は、光硬化性の接着剤によって構成され、絶縁性封止層21で覆われた透明支持基板10の一主面上に、有機電界発光素子ELを囲むダム状に設けられた層である。このような接着剤層31は、有機電界発光素子ELを超える高さを有して設けられている。この接着剤層31を構成する光硬化性の接着剤は、第1実施形態において接着層11を構成する硬化型樹脂として例示した材料のうち、光硬化型のものを、ダム状が形成できる程度に高粘度にして用いられる。
接着剤層31の形成は、ある程度の粘度を有する光硬化性樹脂を、ディスペンサーを用いて有機電界発光素子ELを囲むダム状に供給し、封止フィルム23を貼り合わせた後に光照射によって硬化させることによってなされる。
[樹脂層32]
樹脂層32は、接着剤層31で囲まれた部分に、有機電界発光素子を封止する状態で充填された層である。このような樹脂層32は、第1実施形態において接着層11を構成する硬化型樹脂として例示した材料が用いられる。
樹脂層32の形成は、接着剤層31によって形成されたダム状の内部に、有機電界発光素子ELを覆う状態で液体または粘度の低い接着剤を充填し、その後、光照射さらには加熱によって液体接着剤を硬化させることによってなされる。
―有機電界発光素子パネルの製造方法―
図6は、第2実施形態の有機電界発光素子パネルの製造方法を説明するための断面工程図である。次にこの図に基づいて第2実施形態の有機電界発光素子パネルの製造方法を説明する。
先ず図6Aに示すように、透明支持基板10を準備し、透明支持基板10の一主面上に有機電界発光素子ELを形成し、これを覆って絶縁性封止層21を形成するまでを、第1実施形態と同様に行う。透明支持基板10は、紫外線非透過性を備えていないものであることとする。
次いで、ある程度の粘度を有する光硬化性樹脂を、ディスペンサーを用いて有機電界発光素子ELを囲むように供給し、樹脂ダム31aを形成する。その後、樹脂ダム31aで囲まれた部分に、有機電界発光素子ELを覆う高さで充填剤を充填し、充填剤の種類に合わせた適切な処理によって充填剤を硬化させて樹脂層32を形成する。
次に図6Bに示すように、樹脂フィルム23a上に金属箔23bをラミネートした封止フィルム23を作製し、金属箔23bを樹脂層32側に対向させる状態で、透明支持基板10と封止フィルム23とを貼り合わせる。
次に図6Cに示すように、透明支持基板10側からの光H2の照射によって、光硬化性樹脂からなる樹脂ダム31aを硬化させる。この際、必要に応じてマスクを用いた光照射を実施する。これにより、透明支持基板10と封止フィルム23との間に有機電界発光素子ELを封止する。
次いで図6Dに示すように、紫外線非透過性の透明バリア性基板12を準備し、準備した透明バリア性基板12の何れか一方の面上、または透明支持基板10の有機電界発光素子ELが設けられていない面上に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤を介して透明支持基板10と透明バリア性基板12とを貼り合わせ、接着剤を硬化させて接着層11とする。これにより、図5を用いて説明した有機電界発光素子パネル2を完成させる。
―第2実施形態の効果―
以上説明した有機電界発光素子パネル2も、有機電界発光素子ELで発生した発光光Hを取り出す側を、透明支持基板10、透明バリア性基板12、およびこれらの間に挟持された接着層11とし、このうちの少なくとも何れか1つが紫外線非透過性を有する構成である。このため、第1実施形態と同様に、有機電界発光素子パネル2の耐光性の向上を図ることが可能になり、有機電界発光素子パネル2を屋外環境に設置した場合の長期信頼性が確保され、屋外環境への設置を実現することが可能となる。
また上述した有機電界発光素子パネル2の製造手順は、透明バリア性基板12を貼り合わせる前に、光硬化性樹脂からなる樹脂ダム31aを硬化させる構成である。これにより、透明バリア性基板12を構成する部材や接着層11に紫外線吸収剤Gが含有されている場合であっても、この紫外線吸収剤Gに対して樹脂ダム31aを硬化させるための光H2の照射が影響を及ぼすことはない。したがって、紫外線吸収剤Gにおける紫外線吸収の効果が維持され耐光性に優れた有機電界発光素子パネル2を得ることができる。
以下、図1~図4を参照した実施例により本発明の有機電界発光素子パネルを具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
≪実施例1≫
実施例1では、透明バリア性基板12を構成する基材12aが紫外線非透過性材料からなる有機電界発光素子パネル1を、以下のようにして作製した。
<透明支持基板10の作製>
[基材10aの準備]
先ず、図2を参照し、透明支持基板10用の基材10aとして、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、極高透明品PET Type K)を用意した。
[塗布膜10bの形成]
下記ポリシラザン含有液を、乾燥後の平均膜厚が300nmとなるように基材10aの一主面上に塗布し、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間加熱処理して乾燥させた。次いで、温度25℃、湿度10%RH(露点温度-8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行うことにより、基材10a上にポリシラザンを含有する塗布膜10bを形成した。
(ポリシラザン含有液)
ポリシラザン含有液として、パーヒドロポリシラザン(アクアミカ NN120-10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)の10質量%ジブチルエーテル溶液を用いた。
その後、塗布膜10bを形成した基材10aを、エキシマ照射装置MECL-M-1-200(株式会社エム・ディ・コム製)の稼動ステージ上に固定し、下記の改質処理条件で改質処理を行い、ポリシラザンを含有する塗布膜10bの表面に改質処理を施した。
(改質処理条件)
照射波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
エキシマランプ光強度:130mW/cm2(波長172nm)
試料と光源の距離:1mm
ステージ加熱温度:70℃
照射装置内の酸素濃度:0.5%
エキシマランプ照射時間:5秒
[蒸着膜10cの形成]
次に、プラズマCVD法により、塗布膜10bの上部に、二酸化ケイ素(SiO)からなる蒸着膜10cを膜厚500nmで形成した。
[塗布膜10dの形成]
その後、蒸着膜10c上に、塗布膜10bの形成と同様の手順で、表面に改質処理が施された膜厚300nmのポリシラザンを含有する塗布膜10dを形成し、基材10aの一主面上に、塗布膜10b、蒸着膜10c、および塗布膜10dをこの順に設けた3層構造のガスバリア層を設けた透明支持基板10を作製した。
<有機電界発光素子ELの作製>
次に、図4Aを参照し、透明支持基板10においてガスバリア層で覆われた一主面上に、次のように有機電界発光素子ELを形成した。
[下地層の形成]
先ず、透明支持基板10において、上記ガスバリア層で覆われた一主面上に、公知の蒸着法により、下記化合物R-1を厚さ25nmで蒸着して下地層(不図示)を形成した。
Figure 0007029406000001
[透明電極の形成]
次いで、下地層上に、公知の蒸着法により、銀を10nmの厚さで蒸着し、陽極となる透明電極を形成した。
[有機発光機能層の形成]
次に、透明電極上に、次のようにして有機発光機能層を形成した。
先ず、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。そして、真空蒸着装置内に、透明電極までが形成された透明支持基板10を所定状態で固定した。その後、真空蒸着装置の内部を真空度1×10-4Paまで減圧した状態で、順次に各るつぼを通電によって加熱し、以下の各層を透明電極上に順に蒸着した。
(正孔注入層の形成)
その後、先ず下記化合物M-4を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚15nmの正孔注入層を形成した。
Figure 0007029406000002
(第1正孔輸送層の形成)
次いで、下記化合物M-2を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚40nmの第1正孔輸送層を形成した。
Figure 0007029406000003
(第2正孔輸送層の形成)
次いで、4,4’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚40nmの第2正孔輸送層を形成した。
(蛍光発光層の形成)
次いで、下記化合物BD-1および化合物H-1を、化合物BD-1が5%の濃度、化合物H-1が95%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、層厚15nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
Figure 0007029406000004
(リン光発光層の形成)
次いで、下記化合物GD-1、化合物RD-1、および化合物H-2を、化合物GD-1が17%の濃度、化合物RD-1が0.8%の濃度、化合物H-2が82.2%の濃度となるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、層厚15nmの黄色を呈するリン光発光層を形成した。
Figure 0007029406000005
(電子輸送層の形成)
その後、下記化合物E-1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚30nmの電子輸送層を形成した。
Figure 0007029406000006
(電子注入層の形成)
更に、LiFを蒸着し、層厚1.5nmの電子注入層を形成した。
(対向電極の形成)
そして、アルミニウムを蒸着し、層厚110nmの陰極となる対向電極を形成した。以上により、透明支持基板10のガスバリア層上に、下地層を介して有機電界発光素子ELを作製した。
<封止構造体20の作製>
[絶縁性封止層21の形成]
次に、プラズマCVD法により、透明支持基板10の一主面上に、有機電界発光素子ELを覆う状態で、膜厚500nmの窒化ケイ素(SixNy)からなる絶縁性封止層21を形成した。
[封止フィルム23の貼り合わせ]
次いで図4Bを参照し、先ず膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる樹脂フィルム23aを用意し、この一主面上に金属箔23bとして30μm厚のアルミニウム箔をラミネートして封止フィルム23を作製した。
次いで、封止フィルム23の金属箔23bの面上に、接着剤としてエポキシ系熱硬化型接着剤(巴川製紙所社製エレファンCS)を塗布して接着層22を形成し、接着層22に対して、透明支持基板10の有機電界発光素子ELの形成面を対向して配置した。
その後図4Cに示すように、接着層22を介して、透明支持基板10と封止フィルム23とを真空プレスした。この真空プレスは、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下のグローブボックス内で、80℃、0.04MPa荷重下、減圧(1×10-3MPa以下)吸引を20秒、プレスを20秒の条件で実施した。次いで、グローブボックス内において、110℃のホットプレート上で封止フィルム23側を30分間加熱して接着層22を熱硬化させ、有機電界発光素子ELを封止する封止構造体20を作製した。なお、ここでは有機電界発光素子ELのパターニングは省略した。
<透明バリア性基板12の作製>
図3を参照し、透明バリア性基板12用の基材12aとして、厚さ70μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用意した。ポリエチレンナフタレートフィルムは、紫外線非透過性を有する材料である。これ以外は、透明支持基板10の作製と同様の手順を実施した。これにより、紫外線非透過性を有する基材12aの一主面上に、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dをこの順に設けた3層構造のガスバリア層を設けた透明バリア性基板12を作製した。
<透明バリア性基板の貼り合わせ>
次いで図4Dを参照し、透明バリア性基板12のガスバリア層形成面上に、エポキシ系熱硬化型接着剤(巴川製紙所社製エレファンCS)を塗布して接着層11を形成した。接着層11の形成は、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下のグローブボックス内で実施し、次の貼り合わせを実施するまで0℃以下の冷凍庫で保管した。
その後、有機電界発光素子ELが形成された透明支持基板10の他主面側に、接着層11を介して透明バリア性基板12を対向配置させた。
そして図1に示すように、接着層11を介して、透明支持基板10と透明バリア性基板12とを酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下のグローブボックス内で貼り合わせて真空プレスした。この真空プレスは、80℃、0.04MPa荷重下、減圧(1×10-3MPa以下)吸引を20秒、プレスを20秒の条件で実施した。次いで、グローブボックス内において、110℃のホットプレート上で透明バリア性基板12側を30分間加熱して接着層11を熱硬化させ、有機電界発光素子パネル1を完成させた。
≪実施例2≫
実施例2では、透明バリア性基板12を構成する基材12aが紫外線吸収剤Gを含有することにより、透明バリア性基板12が紫外線非透過性を有する有機電界発光素子パネル1を作製した。
ここでは、実施例1で説明した有機電界発光素子パネルの作製手順において、透明バリア性基板12を構成する基材12aを紫外線透過性のものに変更し、この基材12aに対して紫外線吸収剤Gを含有させたことのみが実施例1の手順と異なる。したがって、ここでは透明バリア性基板12の作製のみを説明する。
<透明バリア性基板12の作製>
ポリエチレンテレフタレートフィルムの原料チップを溶解させる溶解炉に、紫外線吸収剤Gとして0.1~6質量%のテレフタリジンジカンファスルホン酸を投入した。そして、紫外線吸収剤Gを含有する厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを作製し、透明バリア性基板12用の基材12aとした。この基材12aは、紫外線透過性であるポリエチレンテレフタレートに、紫外線吸収剤Gが分散されたもとなった。
この基材12aの一主面上に、実施例1と同様の手順によって、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dをこの順に形成した。これにより、紫外線吸収剤Gを含有する基材12aの一主面上に、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dをこの順に設けた3層構造のガスバリア層を設けた透明バリア性基板12を作製した。
≪実施例3≫
実施例3では、透明支持基板10と透明バリア性基板12とを貼り合わせる接着層11に紫外線吸収剤Gを含有させた有機電界発光素子パネル1を作製した。ここでは、実施例1で説明した有機電界発光素子パネルの作製手順において、透明バリア性基板12を構成する基材12aを紫外線透過性のものに変更し、接着層11に紫外線吸収剤Gを含有させたことのみが実施例1の手順と異なる。したがって、ここでは透明バリア性基板12の作製と透明バリア性基板12の貼り合わせのみを説明する。
<透明バリア性基板12の作製>
透明バリア性基板12の基材12aとして、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、極高透明品PET Type K)を準備した。ポリエチレンテレフタレートは、紫外線透過性である。この基材12aの一主面上に、実施例1と同様の手順によって、塗布膜12b、蒸着膜12c、および塗布膜12dの3層構造のガスバリア層を形成し、透明バリア性基板12を作製した。この透明バリア性基板12は、紫外線透過性である。
<透明バリア性基板の貼り合わせ>
以下の接着剤を調整した。エポキシ系熱硬化型接着剤(巴川製紙所社製エレファンCS)70質量%、フィラーとしてのタルク10質量%、有機系部材とフィラーとの密着性向上するための機能性ポリマー10質量%、低分子成分剤10質量%を含有する接着剤を作製した。このうち、機能性ポリマーや低分子成分剤に紫外線吸収剤Gとしてテレフタリジンジカンファスルホン酸を2質量%含有させることにより、紫外線吸収剤Gを含有する接着剤とした。
次いで図4Dを参照し、透明バリア性基板12のガスバリア層形成面上に、作製した接着剤を塗布して紫外線吸収剤Gを含有する接着層11を形成した。接着剤の塗布は実施例1と同様の手順で実施した。
その後は、実施例1と同様の手順を実施することにより、有機電界発光素子ELが形成された透明支持基板10の他主面側に、紫外線吸収剤Gを含有する接着層11を介して透明バリア性基板12を貼り合わせ、接着層11を熱硬化させて有機電界発光素子パネル1を完成させた。
≪実施例4≫
実施例4では、透明支持基板10のガスバリア層を構成する塗布膜10b,10dが紫外線吸収剤Gを含有することにより、透明支持基板10が紫外線非透過性を有する有機電界発光素子パネル1を作製した。
ここでは、実施例1で説明した有機電界発光素子パネルの作製手順において、塗布膜10b,10dの形成に用いたポリシラザン含有液に紫外線吸収剤Gを含有させたこと、さらに透明バリア性基板12を構成する基材12aを紫外線透過性のものに変更したことのみが実施例1の手順とは異なる。
すなわち、透明支持基板10の作製において基材10aの一主面上に塗布膜10b,10dを形成する際には、実施例1で用いたポリシラザン含有液に対し、紫外線吸収剤Gとしてテレフタリジンジカンファスルホン酸を2質量%含有させたものを用いた。
また透明バリア性基板12を構成する基材12aとしては、実施例3と同様の厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
≪実施例5≫
実施例5では、透明バリア性基板12のガスバリア層を構成する塗布膜12b,12dが紫外線吸収剤Gを含有することにより、透明バリア性基板12が紫外線非透過性を有する有機電界発光素子パネル1を作製した。
ここでは実施例1で説明した有機電界発光素子パネルの作製手順において、透明バリア性基板12を構成する基材12aを紫外線透過性のものに変更し、透明バリア性基板12の塗布膜12b,12dの形成に用いたポリシラザン含有液に紫外線吸収剤Gを含有させたことのみが実施例1の手順とは異なる。
すなわち、透明バリア性基板12を構成する基材12aとしては、実施例3と同様の厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
そして、透明バリア性基板12の作製において基材12aの一主面上に塗布膜12b,12dを形成する際には、実施例1で用いたポリシラザン含有液に対し、紫外線吸収剤Gとしてテレフタリジンジカンファスルホン酸を2質量%含有させたものを用いた。
≪比較例≫
比較例では、透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12の何れも紫外線透過性である有機電界発光素子パネルを作製した。ここでは実施例1で説明した有機電界発光素子パネルの作製手順において、透明バリア性基板12を構成する基材12aを紫外線透過性のものに変更したことのみが実施例1の手順とは異なる。透明バリア性基板12を構成する基材12aとしては、実施例3と同様の厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
≪評価結果≫
次に、実施例1~実施例5、および比較例で作製した各有機電界発光素子パネルに対し、以下のように耐光性試験を実施した前後での評価結果を示す。
各有機電界発光素子パネルに対して、初期輝度が3000cd/mとなるように電流を印可し、その際の駆動電圧を初期電圧として測定した。その後、有機電界発光素子パネルに対し、耐光性試験として、JISD0205に従い、ブラックパネル温度65℃、55%環境で、500時間のカーボンアーク試験を実施した。
また試験実施後に、各有機電界発光素子パネルに対して、初期輝度および初期電圧が得られた際の値の電流を印加し、その際の輝度および電圧を測定し、初期輝度に対する輝度低下率および初期電圧に対する電圧差(電圧上昇幅)を算出した。また、各有機電界発光素子パネルの光取り出し面を顕微鏡で観察することにより、発光ムラおよび非点灯時の外観検査を実施した。以上の結果を、下記表1に示す。
Figure 0007029406000007
表1に示すように、透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12の何れかを構成する部材が紫外線非透過性を有する実施例1~実施例5の有機電界発光素子パネルは、このような構成となっていない比較例の有機電界発光素子パネルと比較して、耐光性試験後においての輝度低下率および電圧差が小さく抑えられている。この結果、透明支持基板10、接着層11、および透明バリア性基板12の何れかを構成する部材が紫外線非透過性を有する構成とすることによって、有機電界発光素子パネルの耐光性の向上が図られることが確認された。
なお、実機テストとして、本実施例1~実施例5で作製した有機電界発光素子パネルを屋外へ放置して屋外環境テストを実施し、同様の評価を行った。この結果も良好であった。この屋外環境テストにおいては、雨やほこりなどの輝度特性評価への影響を防ぐため、各有機電界発光素子パネルを0.7mmのガラス(旭硝子製AK-7)の下に設置した。実施期間は、4月~6月の3か月であり、その間の積算照度は16.4MJ/mであった。この積算照度は、5年保管環境を考慮した際の5%程度であるため、参考程度であるが、上述した耐光性試験の前後の評価結果も含め、本発明を適用することにより、屋外で使用しても発光特性が変化しないUV耐性のある有機電界発光素子パネルを提供することが可能であることが確認された。
1,2…有機電界発光素子パネル
10…透明支持基板
10a…基材
10b,10d…塗布層(ガスバリア層)
10c…蒸着層(ガスバリア層)
11…接着層
12…透明バリア性基板
12a…基材
12b,12d…塗布膜(ガスバリア層)
12c…蒸着膜(ガスバリア層)
20,20’…封止構造体
21…絶縁性封止層
22…接着層
23…封止フィルム
23a…樹脂フィルム
23b…金属箔
31…光硬化性の接着剤層
32…樹脂層
EL…有機電界発光素子
G…紫外線吸収剤
P…発光パターン

Claims (2)

  1. ガスバリア性を有する透明支持基板を準備し、前記透明支持基板の一主面上に有機電界発光素子を形成する工程と、
    前記有機電界発光素子を覆う状態で前記透明支持基板の一主面上に封止構造体を形成する工程と、
    ガスバリア性を有する透明バリア性基板を準備し、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程とを有し、
    前記有機電界発光素子を形成する工程の後、前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程の前に、前記透明支持基板側から前記有機電界発光素子に対して発光パターンを形成するためのパターン露光を行ない、
    前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程では、前記透明バリア性基板および前記接着層の少なくとも一方を紫外線非透過性を有するものとし、
    前記透明支持基板、前記接着層、および前記透明バリア性基板の少なくとも何れか1つが紫外線非透過性有する
    有機電界発光素子パネルの製造方法。
  2. ガスバリア性を有する透明支持基板を準備し、前記透明支持基板の一主面上に有機電界発光素子を形成する工程と、
    前記有機電界発光素子を覆う状態で前記透明支持基板の一主面上に封止構造体を形成する工程と、
    ガスバリア性を有する透明バリア性基板を準備し、前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程とを有し、
    前記封止構造体を形成する工程では、
    前記透明支持基板の一主面上に前記有機電界発光素子を囲んで光硬化性の接着剤層を形成し、
    前記光硬化性の接着剤層で囲まれた部分に前記有機電界発光素子を封止する状態で樹脂層を充填し、
    前記透明支持基板との間に前記有機電界発光素子を挟持する状態で前記光硬化性の接着剤層および前記樹脂層を介して前記透明支持基板の一主面上に封止フィルムを設けて前記有機電界発光素子を封止し、
    前記封止構造体を形成する工程の後、前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程の前に、前記透明支持基板側から前記光硬化性の接着剤層を硬化させるための光照射を行ない、
    前記透明支持基板の他主面上に接着層を介して前記透明バリア性基板を貼り合わせる工程では、前記透明バリア性基板および前記接着層の少なくとも一方を紫外線非透過性を有するものとし、
    前記透明支持基板、前記接着層、および前記透明バリア性基板の少なくとも何れか1つが紫外線非透過性有する
    有機電界発光素子パネルの製造方法。
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