JP7029348B2 - エンジン制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路から吸気通路へ排気を還流させるエンジン制御システムに関する。
従来、この種のシステムにおいて、インタークーラと、インタークーラをバイパスするバイパス通路と、排気還流装置から還流される排気の凝縮水におけるpHを推定するpH推定手段と、を備えるシステムがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムでは、推定したpHに基づいて、凝縮水がインタークーラを腐食させるpHであると判定した場合に、インタークーラへの吸気の流れを遮断して、バイパス通路にのみ吸気が流れるように制御している。
特開2008-196368号公報
ところで、pHが互いに同じ凝縮水であっても、凝縮水に含まれる酸性成分の相違によって腐食速度(腐食し易さ)が異なる点に本願発明者は着目した。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、凝縮水に含まれる各酸性成分の腐食速度に応じて、装置とバイパス通路とを適切に切り替えて排気を流通させることのできるエンジン制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、エンジン制御システム(10)であって、
吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
前記排気通路から前記吸気通路へ還流される排気を冷却するEGRクーラ(32)と、
前記EGRクーラをバイパスして、前記排気通路から前記吸気通路へ前記排気を還流させるバイパス通路(33)と、
前記排気が前記EGRクーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記排気が前記EGRクーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(34)と、
前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度に、前記各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水の補正pHを算出する第2算出部(40b)と、
前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記EGRクーラを腐食させる所定pHである場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記補正pHが前記所定pHでない場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40c)と、
を備える。
上記構成によれば、EGRクーラにより、排気通路から吸気通路へ還流される排気が冷却される。このため、排気を還流させた場合に、燃料の燃焼温度をより低下させることができ、NOxの生成を抑制することができる。バイパス通路は、EGRクーラをバイパスして、排気通路から吸気通路へ排気を還流させる。そして、切替弁により、排気がEGRクーラを流通してバイパス通路を流通しない第1状態と、排気がEGRクーラを流通せずバイパス通路を流通する第2状態とに切り替えられる。このため、排気の凝縮水がEGRクーラを腐食するおそれがある場合に、切替弁により第2状態に切り替えることにより、排気がEGRクーラを流通しないようにすることができる。
ここで、pHが互いに同じ凝縮水であっても、凝縮水に含まれる酸性成分の相違によって腐食速度が異なる点に本願発明者は着目した。この点、第1算出部は、排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度に、各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度を算出する。第2算出部は、各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、凝縮水の補正pHを算出する。
このため、単に凝縮水のpHを算出するのではなく、酸性成分の相違による腐食速度の相違を反映した補正pHを算出することができる。そして、制御部は、補正pHがEGRクーラを腐食させる所定pHである場合に切替弁により第2状態に切り替え、補正pHが所定pHでない場合に切替弁により第1状態に切り替える。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の腐食速度に応じて、EGRクーラとバイパス通路とを適切に切り替えて排気を流通させることができる。
凝縮水は酸性成分として、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸等を含んでいる。硝酸は、主にNOxから生成されるため、エンジンの運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合に多くなる。硫酸は、燃料に含まれる硫黄に起因して生成される。酢酸及び蟻酸は、燃料が燃焼した時に残った炭化水素に起因して生成されるため、エンジンの運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合に多くなる。
本願発明者は、各酸性成分によるpHが同じであっても、酸性成分の相違によって腐食速度が異なることを見出した。具体的には、各酸性成分によるpHが同じ場合、腐食速度の高い順に、蟻酸、酢酸、硫酸、硝酸となる。一方、硝酸及び硫酸は強酸であり、酢酸及び蟻酸は弱酸である。このため、エンジンの運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合は、凝縮水のpHは小さいものの、腐食速度は比較的低い。これに対して、エンジンの運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合は、凝縮水のpHはそれほど小さくないものの、腐食速度は比較的高い。
この点、第2の手段では、前記制御部は、前記エンジンの運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合に、前記切替弁により前記第1状態に切り替え、前記エンジンの運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合に、前記切替弁により前記第2状態に切り替える。したがって、凝縮水のpHは小さいものの、腐食速度は比較的低い場合に、EGRクーラに排気を流通させることができる。その結果、EGRクーラの使用機会を増やすことができ、NOxの生成を抑制することができる。また、凝縮水のpHはそれほど小さくないものの、腐食速度が比較的高い場合に、EGRクーラに排気を流通させないようにすることができる。
具体的には、第3の手段では、前記第1算出部は、硫酸が前記EGRクーラを腐食する腐食速度に対する、硫酸以外の前記各酸性成分が前記EGRクーラを腐食する腐食速度の比を前記係数とする。このため、硫酸の腐食速度を基準として、凝縮水がEGRクーラを腐食させるか否か判定することができる。
また、第4の手段では、前記第1算出部は、硝酸が前記EGRクーラを腐食する腐食速度に対する、硝酸以外の前記各酸性成分が前記EGRクーラを腐食する腐食速度の比を前記係数とする。このため、硝酸の腐食速度を基準として、凝縮水がEGRクーラを腐食させるか否か判定することができる。
第5の手段では、前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記吸気通路との間において、前記排気の還流量を制御するEGR制御弁(35)と、前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記EGR制御弁との間において、前記凝縮水を貯留する貯留部(36)と、前記貯留部に貯留された前記凝縮水を排出させる排出弁(38)と、を備え、前記制御部は、前記エンジンの運転状態に基づいて前記排気の還流を停止可能であると判定したことを条件として、前記EGR制御弁により前記排気の還流を停止させ、且つ前記排出弁により前記凝縮水を排出させる。
上記構成によれば、EGR制御弁により、EGRクーラ及びバイパス通路と吸気通路との間において、排気の還流量が制御される。貯留部により、EGRクーラ及びバイパス通路とEGR制御弁との間において、排気の凝縮水が貯留される。このため、排気の凝縮水がEGR制御弁、ひいては吸気通路へ流れ込むことを抑制することができる。
そして、制御部は、エンジンの運転状態に基づいて排気の還流を停止可能であると判定したことを条件として、EGR制御弁により排気の還流を停止させ、且つ排出弁により凝縮水を排出させる。このため、エンジンの運転状態に基づいて排気の還流を停止可能でないと判定した場合は、排気の還流停止及び凝縮水の排出が行われない。一方、エンジンの運転状態に基づいて排気の還流を停止可能であると判定した場合は、排気の還流停止及び凝縮水の排出が行われる。しかも、排気の還流停止により、貯留部に作用する排気圧力が上昇するため、貯留部に貯留された凝縮水を円滑に排出することができる。
第6の手段では、前記制御部は、前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記所定pHであることをさらに条件として、前記EGR制御弁により前記排気の還流を停止させ、且つ前記排出弁により前記凝縮水を排出させる。
上記構成によれば、排気の還流停止及び凝縮水の排出を行う際に、補正pHがEGRクーラを腐食させる所定pHであることがさらに条件とされる。このため、補正pHがEGRクーラを腐食させる所定pHでない場合、すなわち排気の還流停止及び凝縮水の排出を行う必要がない場合には、これらを行わないようにすることができる。
第7の手段では、第5又は第6の手段において、前記吸気通路には、吸気量を調節する吸気量調節弁(14)が設けられており、電気により駆動して前記吸気量調節弁へ吸気を送る電動過給機(121)を備え、前記制御部は、前記エンジンが停止された後に、前記吸気量調節弁及び前記EGR制御弁を開き、前記電動過給機により前記吸気量調節弁へ吸気を送らせる。
第8の手段では、第1~第4のいずれか1つの手段において、前記吸気通路には、吸気量を調節する吸気量調節弁が設けられており、電気により駆動して前記吸気量調節弁へ吸気を送る電動過給機と、前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記吸気通路との間において、前記排気の還流量を制御するEGR制御弁と、を備え、前記制御部は、前記エンジンが停止された後に、前記吸気量調節弁及び前記EGR制御弁を開き、前記電動過給機により前記吸気量調節弁へ吸気を送らせる。
エンジンを停止させた後に、吸気通路内や、EGRクーラ内、バイパス通路内に排気が残っていると、排気から凝縮水が生じるおそれがある。そして、凝縮水に含まれる酸性成分により、吸気通路や、EGRクーラ、バイパス通路等が腐食されるおそれがある。
この点、第7又は第8の手段によれば、制御部は、エンジンが停止された後に、吸気量調節弁及びEGR制御弁を開き、電動過給機により吸気量調節弁へ吸気を送らせる。このため、吸気通路内や、EGRクーラ内、バイパス通路内に残った排気を排気通路へ排出させることができ、凝縮水が生じることを抑制することができる。
エンジンが停止されて排気の流通が停止すると、排気を浄化する触媒の温度が低下して不活性化する。このため、電動過給機の駆動により排気通路へ排出された排気が、触媒で十分に浄化されないおそれがある。
この点、第9の手段では、第7又は第8の手段において、前記排気通路には、排気を浄化する触媒と、電気により駆動して前記触媒を加熱する電気ヒータとが設けられており、前記制御部は、前記エンジンが停止される際に、前記電気ヒータにより前記触媒を加熱させる。このため、電気ヒータにより触媒を加熱して、触媒を活性化することができる。したがって、電動過給機の駆動により排気通路へ排出された排気を、触媒で十分に浄化することができる。
第10の手段は、エンジン制御システム(10)であって、
吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
前記排気通路から前記吸気通路へ還流される排気を冷却するEGRクーラ(32)と、
前記EGRクーラをバイパスして、前記排気通路から前記吸気通路へ前記排気を還流させるバイパス通路(33)と、
前記排気が前記EGRクーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記排気が前記EGRクーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(34)と、
前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度を、前記各酸性成分の腐食速度に応じて補正して各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水が前記EGRクーラを腐食させると判定した場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記凝縮水が前記EGRクーラを腐食させないと判定した場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40b,40c)と、
を備える。
上記構成によれば、第1の手段に準じた作用効果を奏することができる。
第11の手段は、エンジン制御システム(10)であって、
吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
前記吸気通路を流通する吸気を冷却するインタークーラ(13)と、
前記インタークーラをバイパスして前記吸気を流通させるバイパス通路(61)と、
前記排気通路から前記吸気通路における前記インタークーラ及び前記バイパス通路の上流へ排気を還流させる排気還流装置(50)と、
前記吸気が前記インタークーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記吸気が前記インタークーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(64)と、
前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度に、前記各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水の補正pHを算出する第2算出部(40b)と、
前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記インタークーラを腐食させる所定pHである場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記補正pHが前記所定pHでない場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40c)と、
を備える。
上記構成によれば、排気の凝縮水がインタークーラを腐食するおそれがある場合に、切替弁により第2状態に切り替えることにより、排気を含む吸気がインタークーラを流通しないようにすることができる。そして、制御部は、補正pHがインタークーラを腐食させる所定pHである場合に切替弁により第2状態に切り替え、補正pHが所定pHでない場合に切替弁により第1状態に切り替える。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の腐食速度に応じて、インタークーラとバイパス通路とを適切に切り替えて排気を含む吸気を流通させることができる。
排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度は、燃料の燃焼状態、すなわち燃料の噴射量やエンジン回転速度、エンジンの暖機状態等、エンジンの運転状態により変化する。
この点、第12の手段では、前記第1算出部は、前記エンジンの運転状態に基づいて、前記凝縮水に含まれる前記各酸性成分の前記濃度を算出する。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度を、精度よく算出することができる。
第1実施形態のエンジン制御システムを示す模式図。 EGRクーラの冷却水経路を示す模式図。 凝縮水の移動態様を示す模式図。 各酸性成分のpHと腐食速度との関係を示すグラフ。 各酸性成分における水素イオン濃度と腐食速度との関係を示すグラフ。 バイパス制御の手順を示すフローチャート。 従来技術におけるエンジンの運転状態と切替弁の切替状態との関係を示すマップ。 エンジンの運転状態と切替弁の切替状態との関係を示すマップ。 第2実施形態のエンジン制御システムを示す模式図。 凝縮水排出制御の手順を示すフローチャート。 EGRカット可能な運転状態を示すマップ。 燃料カット後の貯留部の圧力変化を示すタイムチャート。 第3実施形態のエンジン制御システムを示す模式図。 掃気制御の手順を示すフローチャート。 第4実施形態のエンジン制御システムを示す模式図。
(第1実施形態)
以下、車両に搭載されるエンジン制御システムに具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1において、実線の矢印は吸気及び排気の流れを示し、破線の矢印は制御信号及び検出信号を示す。
同図に示すように、エンジン制御システム10は、エンジン11として直列4気筒のディーゼルエンジンを備える。エンジン11の各気筒16は、吸気マニホールド15及び排気マニホールド18に接続されている。エンジン11の各気筒16には、燃料噴射弁17がそれぞれ設けられている。コモンレール20には、不図示の燃料ポンプにより燃料が高圧状態で供給される。コモンレール20は、各燃料噴射弁17に対して高圧の燃料を供給する。
吸気マニホールド15に接続された吸気通路12には、エンジン11への流入空気を浄化するエアクリーナ(図示略)と、ターボチャージャ21のコンプレッサと、吸気を冷却するインタークーラ13(以下、「IC13」という)と、吸気量を調節するスロットルバルブ14と、が設けられている。
吸気通路12におけるスロットルバルブ14(吸気量調節弁)の上流には、エアフロメータ42が取り付けられている。エアフロメータ42は、吸気の流量(以下、(吸気量)という)を検出し、吸気量に対応する信号をECU40へ出力する。吸気マニホールド15(エンジン11)には、吸気温を検出する吸気温センサ41が取り付けられている。吸気温センサ41は、検出した吸気温に対応する信号をECU40へ出力する。エンジン11には、回転速度センサ43,水温センサ44が取り付けられている。回転速度センサ43は、エンジン11の回転速度を検出し、回転速度に対応する信号をECU40へ出力する。水温センサ44は、エンジン11などの冷却を行う冷却水の温度(以下、「冷却水温」という)を検出し、冷却水温に対応する信号をECU40へ出力する。
一方、排気マニホールド18に接続された排気通路19には、ターボチャージャ21のタービンと、触媒(図示略)とが設けられている。触媒は、例えば酸化触媒やDPF(Diesel Particulate Filter)などである。
エンジン制御システム10は、排気マニホールド18(排気通路19におけるタービン)の上流から、吸気通路12におけるIC13の下流へ排気を還流させるEGR装置30(高圧ループEGR装置)を備えている。EGR装置30は、EGR通路31、EGRクーラ32、バイパス通路33、切替弁34、及びEGR弁35を有している。EGRクーラ32は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミなどによって構成されている。これに対して、バイパス通路33は耐食性の高い材料で構成されている。
EGR通路31は、排気通路19におけるタービンの上流位置と、吸気通路12におけるIC13の下流位置とを接続する通路である。EGR通路31には、EGRガス(還流される排気)を冷却するEGRクーラ32、及びEGRガス量(排気の還流量)を制御するEGR弁35(EGR制御弁)が設けられている。すなわち、EGR弁35は、EGRクーラ32及びバイパス通路33と吸気通路12との間において、排気の還流量を制御する。
切替弁34は、三方弁などによって構成されており、EGR通路31におけるEGRクーラ32の下流とバイパス通路33との接続部に設けられている。切替弁34は、排気がEGRクーラ32を流通してバイパス通路33を流通しない第1状態と、排気がEGRクーラを流通せずバイパス通路33を流通する第2状態とを切り替える。切替弁34の状態は、ECU40により制御される。なお、切替弁34は、EGR通路31におけるEGRクーラ32の上流とバイパス通路33との接続部に設けられていてもよい。
エンジン制御システム10の各要素は、ECU(Electronic Control Unit)40により制御される。ECU40は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、及び入出力インターフェースなどを備えるマイクロコンピュータとして構成されている。ECU40は、吸気温センサ41、エアフロメータ42、回転速度センサ43、及び水温センサ44等から出力される信号に基づいて、燃料噴射制御、排気還流量制御等を実行する。本実施形態では、ECU40は、排気の凝縮水がEGRクーラ32を腐食させるか否かに応じて、切替弁34により上記第2状態と上記第1状態とに切り替えるバイパス制御を実行する。ECU40は、バイパス制御において、第1算出部40a、第2算出部40b、及び制御部40cの機能を実現する。
図2は、EGRクーラ32の冷却水経路を示す模式図である。EGRクーラ32には、冷却水の流入管32a及び流出管32bが接続されている。流入管32aからEGRクーラ32へ冷却水が流入し、EGRクーラ32から流出管32bへ冷却水が流出する。EGRクーラ32において、冷却水と排気とで熱交換が行われることにより、排気が冷却される。
EGRクーラ32において排気が冷却されると、排気に含まれる水蒸気が結露して凝縮水が生じることがある。凝縮水に排気から酸性成分が溶け込むと、凝縮水のpHが小さくなり(酸性が強くなり)、凝縮水により各装置が腐食されるおそれがある。
図3は、凝縮水Wの移動態様を示す模式図である。同図に示すように、EGRクーラ32で凝縮水Wが生じると、凝縮水Wは排気の流れに沿って、切替弁34、EGR通路31、EGR弁35、吸気マニホールド15へと移動する。また、エンジン11の停止後に、EGR通路31内や吸気通路12内に残った排気からも凝縮水Wが生じる。そして、凝縮水Wの酸性が強いと、凝縮水Wが付着した部分が腐食されるおそれがある。
凝縮水Wは酸性成分として、硝酸(HNO3)、硫酸(H2SO4)、酢酸(CH3COOH)、蟻酸(HCOOH)等を含んでいる。硝酸及び硫酸は強酸であり、酢酸及び蟻酸は弱酸である。このため、凝縮水Wが硝酸及び硫酸を多く含む場合はpHが小さくなり易く、凝縮水Wが酢酸及び蟻酸を多く含む場合はpHはそれほど小さくならない。そして、従来技術では、凝縮水WのpHが3よりも小さい場合に、インタークーラ(アルミ製)が凝縮水Wにより腐食されると判定している。
ここで、本願発明者は、各酸性成分によるpHが同じであっても、酸性成分の相違によって腐食速度が異なることを見出した。図4は、各酸性成分のpHと腐食速度との関係を示すグラフである。同図に示すように、各酸性成分によるpHが同じ場合、腐食速度の高い順に、蟻酸、酢酸、硫酸、硝酸となる。このため、凝縮水のpHが硝酸や硫酸によって3になっている場合は、腐食速度が0に近く、EGRクーラ32等が腐食される可能性は低い。しかし、凝縮水のpHが酢酸や蟻酸によって3になっている場合は、腐食速度が0.1程度であり、EGRクーラ32等が腐食される可能性がある。
したがって、本実施形態では、ECU40は、排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度を、各酸性成分の腐食速度に応じて補正して各補正水素イオン濃度を算出する。そして、ECU40は、各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させると判定した場合に切替弁34により上記第2状態に切り替え、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させないと判定した場合に切替弁34により上記第1状態に切り替える。
次に、総補正水素イオン濃度に基づいて、排気の凝縮水がEGRクーラ32を腐食させるか否か判定する方法について説明する。凝縮水のpHは、燃料の燃焼状態(燃料の噴射量やエンジン回転速度)、ガス温度、燃料性状などによって変化する。すなわち、凝縮水のpHは、エンジン11の運転状態(暖機状態を含む)、排気の成分などにより影響を受ける。詳しくは、凝縮水のpHは、硝酸イオンの濃度[NO3-]、硫酸イオンの濃度[(SO4)2-]、酢酸イオンの濃度[CH3COO-]、及び蟻酸イオンの濃度[HCOO-]と相関がある。具体的には、凝縮水のpHは、以下の式で表される。[H+]は、水素イオン濃度(mol/L)である。
pH=-log[H+]
=-log{a×[NO3-]+b×[CH3COO-]
+c×[HCOO-]+d×[(SO4)2-]}
上記a~dは、各イオンの影響度に相当し、例えば「a≒1」、「b≒0.037」、「c≒0.008」、「d≒2」となる。各イオンの影響度は、各酸性成分の電離度と各酸性成分から生じる水素イオンの数との積である。すなわち、a×[NO3-]、b×[CH3COO-]、c×[HCOO-]、及びd×[(SO4)2-]は、各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度[H+]である。これより、凝縮水のpHは、[NO3-]及び[(SO4)2-]の影響を大きく受けると言える。
本実施形態では、酸性成分の相違による腐食速度の相違を考慮して、ECU40は、排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度[H+]に、各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度[H+]cを算出する。
図5は、各酸性成分における水素イオン濃度[H+]と腐食速度との関係を示すグラフである。各酸性成分における水素イオン濃度[H+]に腐食速度は比例している。そして、同一の水素イオン濃度、例えば[H+]0では、腐食速度の高い順に、蟻酸、酢酸、硫酸、硝酸となっている。
ここでは、硫酸の腐食速度(基準)に対する、硝酸,酢酸,蟻酸の腐食速度の比を、それぞれ係数α,β,γとする。係数α=[H+]1/[H+]0、係数β=[H+]2/[H+]0、係数γ=[H+]3/[H+]0である。このため、各酸性成分の各補正水素イオン濃度[H+]cは、以下のようになる。硝酸[H+]c=α×硝酸[H+]、酢酸[H+]c=β×酢酸[H+]、蟻酸[H+]c=γ×蟻酸[H+]である。
そして、ECU40は、各補正水素イオン濃度[H+]cを足した総補正水素イオン濃度[H+]tcを算出する。総補正水素イオン濃度[H+]tcは、以下の式で表される。なお、硫酸[H+]c=硫酸[H+]である。
[H+]tc=硫酸[H+]c+硝酸[H+]c+酢酸[H+]c+、蟻酸[H+]c
=硫酸[H+]c+α×硝酸[H+]+β×酢酸[H+]+γ×蟻酸[H+]
さらに、ECU40は、総補正水素イオン濃度[H+]tcに基づいて、凝縮水の補正pHcを算出する。凝縮水の補正pHc(補正pH)は、以下の式で表される。
pHc=-log[H+]tc
そして、ECU40は、補正pHcがEGRクーラ32を腐食させる所定pHである場合に切替弁34により上記第2状態に切り替え、補正pHcが所定pHでない場合に切替弁34により第1状態に切り替える。3よりも小さいpHの値が所定pHに相当する。
次に、図6のフローチャートを参照して、バイパス制御の手順を説明する。この一連の処理は、ECU40により実行される。
まず、切替弁34によりバイパス通路33を閉じさせる(S10)。具体的には、切替弁34により、排気がEGRクーラ32を流通してバイパス通路33を流通しない第1状態に切り替えさせる。エンジン11の運転状態を取得する(S11)。具体的には、吸気温センサ41、エアフロメータ42、回転速度センサ43、及び水温センサ44からの信号に基づいて、エンジン11の運転状態を取得する。
続いて、エンジン11の運転状態に基づいて、各酸性成分の濃度を算出する(S12)。具体的には、予め実験等により、エンジン11の運転状態と各酸性成分の濃度との関係を取得し、それぞれマップとして記憶しておく。そして、これらのマップを参照して、エンジン11の運転状態に対応する各酸性成分の濃度を算出する。なお、硫酸イオンの濃度は、燃料の性状に影響されるため、例えば標準的な燃料を用いてエンジン11の運転状態と各酸性成分の濃度との関係を取得する。
続いて、各酸性成分の濃度に基づいて、各酸性成分の[H+]を算出する(S13)。上述したように、各酸性成分の濃度に各イオンの影響度に相当する上記a~dを掛けて、a×[NO3-]、b×[CH3COO-]、c×[HCOO-]、及びd×[(SO4)2-]を算出する。
続いて、各酸性成分の[H+]を補正して、各酸性成分の補正[H+]cを算出する(S14)。上述したように、各酸性成分の水素イオン濃度[H+]に、各酸性成分の腐食速度に応じた係数α~γを掛けて、硝酸[H+]c=α×硝酸[H+]、酢酸[H+]c=β×酢酸[H+]、蟻酸[H+]c=γ×蟻酸[H+]を算出する。なお、硫酸[H+]c=硫酸[H+]である。
続いて、各酸性成分の補正[H+]cを足して、総補正[H+]tcを算出する(S15)。上述したように、[H+]tc=硫酸[H+]c+硝酸[H+]c+酢酸[H+]c+蟻酸[H+]cの式により、総補正[H+]tcを算出する。
続いて、総補正[H+]tcに基づいて、補正pHcを算出する(S16)上述したように、pHc=-log[H+]tcの式により、補正pHcを算出する。
続いて、補正pHcが閾値pHrよりも小さいか否か判定する(S17)。例えば、閾値pHr=3である。すなわち、補正pHcが、EGRクーラ32を腐食させる所定pHであるか否か判定する。この判定において、補正pHcが閾値pHrよりも小さくないと判定した場合(S17:NO)、S11の処理から再度実行する。
一方、S17の判定において、補正pHcが閾値pHrよりも小さいと判定した場合(S17:YES)、切替弁34によりバイパス通路33を開かせる(S18)。具体的には、切替弁34により、排気がEGRクーラ32を流通せずバイパス通路33を流通する第2状態に切り替えさせる。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S13及びS14の処理が第1算出部40aとしての処理に相当し、S15及びS16の処理が第2算出部40bとしての処理に相当し、S10,S17,及びS18の処理が制御部40cとしての処理に相当する。要するに、ECU40(制御部)は、各補正水素イオン濃度[H+]cを足した総補正水素イオン濃度[H+]tcに基づいて、排気の凝縮水がEGRクーラ32を腐食させると判定した場合に切替弁34により第2状態に切り替え、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させないと判定した場合に切替弁34により第1状態に切り替えている。このため、S10,S15~S18の処理は、制御部40cとしての処理に相当する。
エンジン制御システム10において、硝酸は主にNOxから生成されるため、エンジン11の運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合に多くなる。すなわち、排気中のNOxが増加したことに起因して、NO3-が増加する。一方、酢酸及び蟻酸は、燃料が燃焼した時に残った炭化水素に起因して生成されるため、エンジン11の運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合に多くなる。すなわち、排気中の未燃炭化水素が増加したことに起因して、CH3COO-やHCOO-が増加する。このため、エンジン11の回転速度にかかわらず、高負荷の運転状態でpHは小さくなる。
図7は、従来技術におけるエンジン11の運転状態と切替弁34の切替状態との関係を示すマップである。同図に示すように、エンジン11の回転速度にかかわらず、燃料噴射量が多い(高負荷の)運転状態でpHは小さくなる。このため、従来技術では、エンジン11の回転速度にかかわらず、燃料噴射量が多い運転状態で第2状態に切り替えられ、燃料噴射量が多くない(中負荷及び低負荷の)運転状態で第1状態に切り替えられる。
ここで、硝酸及び硫酸は強酸であり、酢酸及び蟻酸は弱酸である。このため、エンジン11の運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合は、凝縮水のpHは小さい。しかし、上述したように、硝酸の補正水素イオン濃度(硝酸[H+]c)、及び硫酸の補正水素イオン濃度(硫酸[H+]c)はそれほど小さくなく、腐食速度は比較的低い。これに対して、エンジン11の運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合は、凝縮水のpHはそれほど小さくない。しかし、酢酸の補正水素イオン濃度(酢酸[H+]c)、及び蟻酸の補正水素イオン濃度(蟻酸[H+]c)は小さくなり、腐食速度は比較的高い。
図8は、本実施形態におけるエンジン11の運転状態と切替弁34の切替状態との関係を示すマップである。同図に示すように、エンジン11の回転速度が低く且つ燃料噴射量が多い運転状態で補正pHcは小さくなる。一方、エンジン11の回転速度が高く且つ燃料噴射量が多い運転状態では、補正pHcはpHほど小さくなっていない。このため、本実施形態では、エンジン11の運転状態が、低回転速度且つ燃料噴射量が多い運転状態で第2状態に切り替えられ、高回転速度且つ燃料噴射量が多い運転状態、及び燃料噴射量が多くない(中負荷及び低負荷の)運転状態で第1状態に切り替えられる。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・ECU40は、排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度[H+]に、各酸性成分の腐食速度に応じた係数α~γを掛けて各補正水素イオン濃度[H+]cを算出する。ECU40は、各補正水素イオン濃度[H+]cを足した総補正水素イオン濃度[H+]tcに基づいて、凝縮水の補正pHc(補正pH)を算出する。このため、単に凝縮水のpHを算出するのではなく、酸性成分の相違による腐食速度の相違を反映した補正pHcを算出することができる。そして、ECU40は、補正pHcがEGRクーラ32を腐食させる所定pHである場合に切替弁34により第2状態に切り替え、補正pHcが所定pHでない場合に切替弁34により第1状態に切り替える。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の腐食速度に応じて、EGRクーラ32とバイパス通路33とを適切に切り替えて排気を流通させることができる。
・ECU40は、エンジン11の運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合に、切替弁34により第1状態に切り替え、エンジン11の運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合に、切替弁34により第2状態に切り替える。したがって、凝縮水のpHは小さいものの、腐食速度は比較的低い場合に、EGRクーラ32に排気を流通させることができる。その結果、EGRクーラ32の使用機会を増やすことができ、NOxの生成を抑制することができる。特に、エンジン11の運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合は、NOxの生成量が比較的多いため、NOxの生成を抑制する効果が高くなる。また、凝縮水のpHはそれほど小さくないものの、腐食速度が比較的高い場合に、EGRクーラ32に排気を流通させないようにすることができる。
・ECU40は、硫酸がEGRクーラ32を腐食する腐食速度に対する、硫酸以外の各酸性成分がEGRクーラ32を腐食する腐食速度の比を係数α~γとする。このため、硫酸の腐食速度を基準として、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させるか否か判定することができる。
・ECU40は、エンジン11の運転状態に基づいて、凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度を算出する。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度を、精度よく算出することができる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態の構成に加えて、図9に示すように、貯留部36、排出弁38、ウエストゲートバルブ(以下、「W/Gバルブ」という)21c等を備えた第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
EGR通路31において、EGRクーラ32及びバイパス通路33とEGR弁35との間には、排気の凝縮水を貯留する貯留部36が設けられている。貯留部36の底部には、排出通路37の第1端が接続されている。排出通路37の第2端は、排気通路19における触媒22の上流に接続されている。排出通路37には、排出通路37を開閉する排出弁38が設けられている。すなわち、排出弁38は、貯留部36に凝縮水を貯留させるとともに、貯留部36に貯留された凝縮水を排出させる。排出弁38の開閉状態は、ECU40により制御される。
貯留部36には、貯留部に貯留された凝縮水の水位を検出する水位センサ45が取り付けられている。水位センサ45は、検出した水位に対応する信号をECU40へ出力する。EGR通路31には、貯留部36の圧力を検出する圧力センサ46が取り付けられている。圧力センサ46は、検出した圧力に対応する信号をECU40へ出力する。
ターボチャージャ21は、タービン21aに供給される排気を分流させる分流通路21bを有している。分流通路21bには、分流通路21bを開閉するW/Gバルブ21cが設けられている。W/Gバルブ21cの開閉状態は、ECU40により制御される。
そして、本実施形態では、ECU40は、上述したバイパス制御に加えて、貯留部36に貯留された凝縮水を排出する凝縮水排出制御を実行する。バイパス制御と凝縮水排出制御とは、それぞれ独立して実行される。このため、凝縮水排出制御の実行中において、切替弁34は上記第1状態及び上記第2状態のいずれに切り替えていてもよい。
図10は、凝縮水排出制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU40により実行される。
まず、エンジン11の運転状態を取得する(S20)。S20の処理は、図6のS11の処理と同一である。
続いて、エンジン11の運転状態がEGRカット可能な運転状態であるか否か判定する(S21)。具体的には、エンジン11の運転状態が排気の還流を行わない運転状態、例えば図11に示すように、高負荷状態である場合に、EGRカット可能な運転状態であると判定する。また、燃料噴射弁17により燃料を噴射させない燃料カット中である場合も、EGRカット可能な運転状態であると判定する。この判定において、エンジン11の運転状態がEGRカット可能な運転状態でないと判定した場合(S21:NO)、S20の処理から再度実行する。
一方、S21の判定において、エンジン11の運転状態がEGRカット可能な運転状態であると判定した場合(S21:YES)、凝縮水の貯留量Vを検出する(S22)。具体的には、水位センサ45からの信号に基づいて、凝縮水の貯留量Vを検出する。
続いて、凝縮水の貯留量Vが所定貯留量V0以上であるか否か判定する(S23)。所定貯留量V0は、貯留部36の凝縮水が一杯の状態若しくは一杯に近い状態の貯留量である。この判定において、凝縮水の貯留量Vが所定貯留量V0以上でないと判定した場合(S23:NO)、S20の処理から再度実行する。
一方、S23の判定において、凝縮水の貯留量Vが所定貯留量V0以上であると判定した場合(S23:YES)、凝縮水の補正pHcを算出する(S24)。S24の処理は、図6のS11~S16の処理と同一である。
続いて、凝縮水の補正pHcが閾値pHrよりも小さいか否か判定する(S25)。S25の処理は、図6のS17の処理と同一である。この判定において、凝縮水の補正pHcが閾値pHrよりも小さくないと判定した場合(S25:NO)、S20の処理から再度実行する。
一方、S25の判定において、凝縮水の補正pHcが閾値pHrよりも小さいと判定した場合(S25:YES)、EGR弁35を閉じ(S26)、W/Gバルブ21cを閉じ(S27)、排出弁38を開く(S28)。
続いて、凝縮水の貯留量Vが下限貯留量V1以下であるか否か判定する(S29)。下限貯留量V1は、貯留部36の凝縮水が十分に減った状態の貯留量である。この判定において、凝縮水の貯留量Vが下限貯留量V1以下でないと判定した場合(S29:NO)、S26の処理から再度実行する。
一方、S29の判定において、凝縮水の貯留量Vが下限貯留量V1以下であると判定した場合(S29:YES)、排出弁38を閉じ(S30、)EGR弁35の開度を増加させ(S31)、W/Gバルブ21cの開度を増加させる(S32)。具体的には、EGR弁35の開度及びW/Gバルブ21cの開度を、エンジン11の運転状態に応じた開度に調節する。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S21~S28の処理が、制御部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と異なる利点のみを述べる。
・EGR弁35により、EGRクーラ32及びバイパス通路33と吸気通路12との間において、排気の還流量が制御される。貯留部36により、EGRクーラ32及びバイパス通路33とEGR弁35との間において、排気の凝縮水が貯留される。このため、排気の凝縮水がEGR弁35、ひいては吸気通路12へ流れ込むことを抑制することができる。
・ECU40は、エンジン11の運転状態に基づいて排気の還流を停止可能であると判定したことを条件として、EGR弁35により排気の還流を停止させ、且つ排出弁38により凝縮水を排出させる。このため、エンジン11の運転状態に基づいて排気の還流を停止可能でないと判定した場合は、排気の還流停止及び凝縮水の排出が行われない。一方、エンジン11の運転状態に基づいて排気の還流を停止可能であると判定した場合は、排気の還流停止及び凝縮水の排出が行われる。しかも、排気の還流停止により、貯留部36に作用する排気圧力が上昇するため、貯留部36に貯留された凝縮水を円滑に排出することができる。さらに、W/Gバルブ21cも閉じられるため、貯留部36に作用する排気圧力をさらに上昇させることができる。
・排気の還流停止及び凝縮水の排出を行う際に、補正pHcがEGRクーラ32を腐食させる所定pHであることがさらに条件とされる。このため、補正pHcがEGRクーラ32を腐食させる所定pHでない場合、すなわち排気の還流停止及び凝縮水の排出を行う必要がない場合には、これらを行わないようにすることができる。
なお、上記第2実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・図10のS24及びS25の処理を省略することもできる。すなわち、排出弁38を開いて凝縮水を排出する条件のうち、補正pHcが閾値pHrよりも小さい(補正pHcが所定pHである)という条件を省略することもできる。
・図12は、燃料カット後の貯留部36の圧力変化を示すタイムチャートである。同図に示すように、時刻t1まで、EGR弁35の開度がエンジン11の運転状態に応じた開度に調節されており、貯留部36の圧力は圧力P0になっている。時刻t1において、燃料カットが開始されると、排気の圧力が低下する。このため、図10のS26及びS27の処理を実行しない場合は、破線で示すように貯留部36の圧力が低下する。一方、S26及びS27の処理を実行した場合は、実線で示すように貯留部36の圧力が一旦上昇する。このため、貯留部36に作用する排気圧力を上昇させることができる。
ここで、排出弁38を開いた場合に、貯留部36の凝縮水を円滑に排出することのできる最低圧力が圧力P1であるとする。S26及びS27の処理を実行しない場合は、時刻t1~t2まで、貯留部36の凝縮水を円滑に排出することができる。一方、S26及びS27の処理を実行した場合は、時刻t1~t3まで、貯留部36の凝縮水を円滑に排出することができる。そこで、図10のS21の判定において、燃料カット中であることでEGRカット可能な運転状態であると判定した場合、S29の処理を以下のように変更してもよい。すなわち、ECU40は、貯留部36の圧力が圧力P1よりも低いか否か判定する。こうした構成によっても、第2実施形態に準じた作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
以下、第1実施形態のバイパス制御に加えて、エンジン11の停止後に残留する排気を掃気する掃気制御を実行する第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図13に示すように、エンジン制御システム10は、上記ターボチャージャ21に代えて、電動過給機121を備えている。電動過給機121は、電動ターボチャージャやスーパーチャージャにより構成され、電気により駆動してスロットルバルブ14へ吸気を送る。電動過給機121は、タービン121aに供給される排気を分流させる分流通路121bを有している。分流通路121bには、分流通路121bを開閉するW/Gバルブ121cが設けられている。W/Gバルブ121cの開閉状態は、ECU40により制御される。
触媒22には、電気ヒータ23が取り付けられている。電気ヒータ23は、電気により駆動して触媒22を加熱する。電気ヒータ23は、温度を検出する温度センサ(図示略)を有している。電気ヒータ23の駆動状態は、ECU40により制御される。温度センサは、検出した温度に対応する信号をECU40へ出力する。
図14は、掃気制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、エンジン11が停止された後にECU40により実行される。なお、エンジン11は、運転者がイグニションキー等の操作により手動で停止させてもよいし、所定の自動停止条件が成立した場合にECU40が自動的に停止させてもよい。
S40及びS41の処理は、図6のS11~S17の処理と同一である。S41の判定において、凝縮水の補正pHcが閾値pHrよりも小さくないと判定した場合(S41:NO)、この一連の処理を終了する(END)。
一方、S41の判定において、凝縮水の補正pHcが閾値pHrよりも小さいと判定した場合(S41:YES)、電気ヒータ23の温度Tを取得する(S42)。具体的には、電気ヒータ23からの信号に基づいて、電気ヒータ23の温度Tを取得する。
続いて、電気ヒータ23の温度Tが所定温度Thよりも低いか否か判定する(S43)。所定温度Thは、触媒22が活性化する温度である。この判定において、電気ヒータ23の温度Tが所定温度Thよりも低くないと判定した場合(S43:NO)、S45の処理へ進む。
一方、S43の判定において、電気ヒータ23の温度Tが所定温度Thよりも低いと判定した場合(S43:YES)、電気ヒータ23に通電する(S44)。
続いて、スロットルバルブ14を開き(S45)、EGR弁35を開き(S46)、電動過給機121を作動させる(S47)。そして、EGR装置30、EGR通路31、ターボチャージャ21、及び排気通路19等の容量に相当する吸気を送るまで、電動過給機121を作動させる。
続いて、電気ヒータ23の通電を停止し(S48)、電動過給機121を停止させる(S49)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S42~S47の処理が、制御部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と異なる利点のみを述べる。
・エンジン11を停止させた後に、吸気通路12内や、EGRクーラ32内、バイパス通路33内に排気が残っていると、排気から凝縮水が生じるおそれがある。そして、凝縮水に含まれる酸性成分により、吸気通路12や、EGRクーラ32、バイパス通路33等が腐食されるおそれがある。この点、ECU40は、エンジン11が停止された後に、スロットルバルブ14及びEGR弁35を開き、電動過給機121によりスロットルバルブ14へ吸気を送らせる。このため、吸気通路12内や、EGRクーラ32内、バイパス通路33内に残った排気を排気通路19へ排出させることができ、凝縮水が生じることを抑制することができる。
・エンジン11が停止されて排気の流通が停止すると、排気を浄化する触媒22の温度が低下して不活性化する。このため、電動過給機121の駆動により排気通路19へ排出された排気が、触媒22で十分に浄化されないおそれがある。この点、排気通路19には、排気を浄化する触媒22と、電気により駆動して触媒22を加熱する電気ヒータ23とが設けられており、ECU40は、エンジン11が停止される際に、電気ヒータ23により触媒22を加熱させる。このため、電気ヒータ23により触媒22を加熱して、触媒22を活性化することができる。したがって、電動過給機121の駆動により排気通路19へ排出された排気を、触媒22で十分に浄化することができる。
なお、上記第2実施形態に、第3実施形態を適用してもよい。
(第4実施形態)
以下、第2実施形態の構成に加えて、図15に示すように、EGR装置50(低圧ループEGR装置)、バイパス通路61、切替弁64等を備えた第4実施形態について説明する。本実施形態では、第1,第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1,第2実施形態と同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
同図に示すように、EGR装置50(排気還流装置)は、EGR通路51、EGRクーラ52、及びEGR弁55を有している。EGRクーラ52は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミなどによって構成されている。EGR通路51は、排気通路19における触媒22の下流位置と、吸気通路12におけるターボチャージャ21のコンプレッサ21dの上流位置とを接続する通路である。EGR通路51には、EGRガスを冷却するEGRクーラ52、及びEGRガス量を制御するEGR弁55が設けられている。すなわち、EGR装置50は、排気通路19から吸気通路12におけるIC13及びバイパス通路61の上流へ排気を還流させる。
吸気通路12には、IC13をバイパスするバイパス通路61が設けられている。バイパス通路61は、切替弁64を介して吸気通路12に接続されている。バイパス通路61は、耐食性の高い材料(SUSなど)で構成されている。切替弁64は、三方弁などによって構成されており、吸気が流れる通路を、IC13が設けられた吸気通路12と、IC13をバイパスするバイパス通路33とのいずれかに切り替える。すなわち、切替弁64は、吸気がIC13を流通してバイパス通路61を流通しない第1状態と、吸気がIC13を流通せずバイパス通路61を流通する第2状態とを切り替える。切替弁64の状態は、ECU40により制御される。なお、切替弁64は、吸気通路12におけるIC13の下流とバイパス通路61との接続部に設けられていてもよい。
そして、本実施形態では、ECU40は、上述したEGRクーラ32に対するバイパス制御及び凝縮水排出制御に加えて、IC13に対するバイパス制御を実行する。EGRクーラ32に対するバイパス制御と、凝縮水排出制御と、IC13に対するバイパス制御とは、それぞれ独立して実行される。ECU40は、EGRクーラ32が対象の場合と同様にIC13を対象として、IC13に対するバイパス制御を、図6のS10~S18の処理と同様に実行する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1,第2実施形態と異なる利点のみを述べる。
・排気の凝縮水がIC13を腐食するおそれがある場合に、切替弁64により第2状態に切り替えることにより、排気を含む吸気がIC13を流通しないようにすることができる。そして、ECU40は、補正pHcがIC13を腐食させる所定pHである場合に切替弁64により第2状態に切り替え、補正pHcが所定pHでない場合に切替弁64により第1状態に切り替える。したがって、凝縮水に含まれる各酸性成分の腐食速度に応じて、IC13とバイパス通路61とを適切に切り替えて排気を含む吸気を流通させることができる。
なお、EGR装置30、貯留部36、排出通路37、排出弁38等を省略し、ECU40は、EGRクーラ32に対するバイパス制御及び凝縮水排出制御を省略して、IC13に対するバイパス制御を実行してもよい。
また、上記各実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・ECU40(第1算出部)は、硝酸がEGRクーラ32を腐食する腐食速度に対する、硝酸以外の各酸性成分がEGRクーラ32を腐食する腐食速度の比を、各酸性成分の腐食速度に応じた係数としてもよい。こうした構成によれば、硝酸の腐食速度を基準として、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させるか否か判定することができる。
・寒冷地では、冬期に融雪剤が用いられ、融雪剤には塩酸(HCl)が含まれることがある。この場合、吸気に塩酸が含まれることで、凝縮水に塩酸が含まれることがある。これに対して、酸性成分として塩酸を考慮し、ECU40は冬期には塩酸により水素イオンが生じると推定して、バイパス制御を実行してもよい。
・エンジン11の暖機完了前は冷却水温が低く、EGRクーラ32で凝縮水が生じ易い。このため、冷却水温が所定温度よりも低い場合には、凝縮水の補正pHc(又はpH)にかかわらず、切替弁34により第2状態に切り替えてもよい。
・ECU40(制御部)は、補正pHcを算出せず、総補正水素イオン濃度[H+]tcが、EGRクーラ32を腐食させる所定水素イオン濃度よりも大きい場合に切替弁34により第2状態に切り替えさせ、上記所定水素イオン濃度よりも大きくない場合に切替弁34により第1状態に切り替えさせてもよい。すなわち、総補正水素イオン濃度[H+]tcに基づいて、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させると判定した場合に切替弁34により第2状態に切り替え、凝縮水がEGRクーラ32を腐食させないと判定した場合に切替弁34により第1状態に切り替えてもよい。
・上記各実施形態は、直列4気筒のエンジン11への適用に限定はされず、4気筒以外の気筒数で構成されたエンジンや、気筒がV型に配列されたエンジンに対しても適用することができる。さらに、上記各実施形態は、直噴タイプの燃料噴射弁17によって構成されたエンジン11への適用に限定はされず、ポート噴射タイプの燃料噴射弁によって構成されたエンジン(例えばガソリンエンジン等)に対しても適用することができる。要するに、排気通路から吸気通路へ排気を還流させるエンジンであれば、上記各実施形態を適用することができる。
10…エンジン制御システム、11…エンジン、12…吸気通路、13…インタークーラ、19…排気通路、30…EGR装置、31…EGR通路、32…EGRクーラ、33…バイパス通路、34…切替弁、35…EGR弁、40…ECU、40a…第1算出部、40b…第2算出部、40c…制御部、61…バイパス通路、64…切替弁。

Claims (12)

  1. 吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
    前記排気通路から前記吸気通路へ還流される排気を冷却するEGRクーラ(32)と、
    前記EGRクーラをバイパスして、前記排気通路から前記吸気通路へ前記排気を還流させるバイパス通路(33)と、
    前記排気が前記EGRクーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記排気が前記EGRクーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(34)と、
    前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度に、前記各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
    前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水の補正pHを算出する第2算出部(40b)と、
    前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記EGRクーラを腐食させる所定pHである場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記補正pHが前記所定pHでない場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40c)と、
    を備えるエンジン制御システム(10)。
  2. 前記制御部は、前記エンジンの運転状態が高回転速度且つ高負荷である場合に、前記切替弁により前記第1状態に切り替え、前記エンジンの運転状態が低回転速度且つ高負荷である場合に、前記切替弁により前記第2状態に切り替える、請求項1に記載のエンジン制御システム。
  3. 前記第1算出部は、硫酸が前記EGRクーラを腐食する腐食速度に対する、硫酸以外の前記各酸性成分が前記EGRクーラを腐食する腐食速度の比を前記係数とする、請求項1又は2に記載のエンジン制御システム。
  4. 前記第1算出部は、硝酸が前記EGRクーラを腐食する腐食速度に対する、硝酸以外の前記各酸性成分が前記EGRクーラを腐食する腐食速度の比を前記係数とする、請求項1又は2に記載のエンジン制御システム。
  5. 前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記吸気通路との間において、前記排気の還流量を制御するEGR制御弁(35)と、
    前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記EGR制御弁との間において、前記凝縮水を貯留する貯留部(36)と、
    前記貯留部に貯留された前記凝縮水を排出させる排出弁(38)と、
    を備え、
    前記制御部は、前記エンジンの運転状態に基づいて前記排気の還流を停止可能であると判定したことを条件として、前記EGR制御弁により前記排気の還流を停止させ、且つ前記排出弁により前記凝縮水を排出させる、請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジン制御システム。
  6. 前記制御部は、前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記所定pHであることをさらに条件として、前記EGR制御弁により前記排気の還流を停止させ、且つ前記排出弁により前記凝縮水を排出させる、請求項5に記載のエンジン制御システム。
  7. 前記吸気通路には、吸気量を調節する吸気量調節弁(14)が設けられており、
    電気により駆動して前記吸気量調節弁へ吸気を送る電動過給機(121)を備え、
    前記制御部は、前記エンジンが停止された後に、前記吸気量調節弁及び前記EGR制御弁を開き、前記電動過給機により前記吸気量調節弁へ吸気を送らせる、請求項5又は6に記載のエンジン制御システム。
  8. 前記吸気通路には、吸気量を調節する吸気量調節弁が設けられており、
    電気により駆動して前記吸気量調節弁へ吸気を送る電動過給機と、
    前記EGRクーラ及び前記バイパス通路と前記吸気通路との間において、前記排気の還流量を制御するEGR制御弁と、を備え、
    前記制御部は、前記エンジンが停止された後に、前記吸気量調節弁及び前記EGR制御弁を開き、前記電動過給機により前記吸気量調節弁へ吸気を送らせる、請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジン制御システム。
  9. 前記排気通路には、前記排気を浄化する触媒(22)と、電気により駆動して前記触媒を加熱する電気ヒータ(23)とが設けられており、
    前記制御部は、前記エンジンが停止される際に、前記電気ヒータにより前記触媒を加熱させる、請求項7又は8に記載のエンジン制御システム。
  10. 吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
    前記排気通路から前記吸気通路へ還流される排気を冷却するEGRクーラ(32)と、
    前記EGRクーラをバイパスして、前記排気通路から前記吸気通路へ前記排気を還流させるバイパス通路(33)と、
    前記排気が前記EGRクーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記排気が前記EGRクーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(34)と、
    前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度を、前記各酸性成分の腐食速度に応じて補正して各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
    前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水が前記EGRクーラを腐食させると判定した場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記凝縮水が前記EGRクーラを腐食させないと判定した場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40b,40c)と、
    を備えるエンジン制御システム(10)。
  11. 吸気通路(12)及び排気通路(19)を有するエンジン(11)と、
    前記吸気通路を流通する吸気を冷却するインタークーラ(13)と、
    前記インタークーラをバイパスして前記吸気を流通させるバイパス通路(61)と、
    前記排気通路から前記吸気通路における前記インタークーラ及び前記バイパス通路の上流へ排気を還流させる排気還流装置(50)と、
    前記吸気が前記インタークーラを流通して前記バイパス通路を流通しない第1状態と、前記吸気が前記インタークーラを流通せず前記バイパス通路を流通する第2状態とを切り替える切替弁(64)と、
    前記排気の凝縮水に含まれる各酸性成分の濃度から算出した各水素イオン濃度に、前記各酸性成分の腐食速度に応じた係数を掛けて各補正水素イオン濃度を算出する第1算出部(40a)と、
    前記第1算出部により算出された前記各補正水素イオン濃度を足した総補正水素イオン濃度に基づいて、前記凝縮水の補正pHを算出する第2算出部(40b)と、
    前記第2算出部により算出された前記補正pHが前記インタークーラを腐食させる所定pHである場合に前記切替弁により前記第2状態に切り替え、前記補正pHが前記所定pHでない場合に前記切替弁により前記第1状態に切り替える制御部(40c)と、
    を備えるエンジン制御システム(10)。
  12. 前記第1算出部は、前記エンジンの運転状態に基づいて、前記凝縮水に含まれる前記各酸性成分の前記濃度を算出する、請求項1~11のいずれか1項に記載のエンジン制御システム。
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