JP7028097B2 - 固体電解質層 - Google Patents

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Description

本開示は、リチウムイオン伝導性が良好な固体電解質層に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
全固体電池の構成として、例えば、特許文献1には、正極層及び負極層、並びに上記正極層及び上記負極層の間に配置された固体電解質層を含む全固体電池であって、上記固体電解質層は、その外周部に絶縁体を備え、上記絶縁体は、上記絶縁体の内周部の少なくとも一部に空隙部を有し、上記空隙部の少なくとも一部に固体電解質が充填されている、構成が開示されている。特許文献1は、正極層と負極層との短絡を防止しつつ、電極層及び固体電解質層の少なくとも中央部を加圧することが可能な構成の全固体電池を得ることを目的としている。
また例えば、特許文献2には、正極と、負極と、該正極と負極とに挟まれた固体電解質層とを備えた全固体リチウム二次電池であって、上記正極及び/又は上記負極が、多孔質樹脂基材と該多孔質樹脂基材の表面に形成された金属被膜とからなるシート状の三次元網状多孔体を集電体とし、該三次元網状多孔体の気孔中に少なくとも活物質及び固体電解質を充填してなる電極である全固体リチウム二次電池が開示されている。
特開2015-050149号公報 特開2015-092433号公報
例えば、全固体電池の固体電解質層を固体電解質粒子のみで構成した場合、粒子間に割れが発生して短絡が生じやすい場合がある。そこで、上記短絡を抑制するため、微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子を含有(充填)させた固体電解質層が検討されている。上記固体電解質層は、例えば、固体電解質粒子および溶媒(分散媒)を含有するスラリーを、微多孔性フィルムの空隙に充填することにより作製することができる。しかしながら、上記の方法で作製された固体電解質層はリチウムイオン伝導性を十分に良好にすることができない場合がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされた発明であり、リチウムイオン伝導性が良好な固体電解質層を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するため、本開示においては、全固体電池に用いられる固体電解質層であって、空隙を有する微多孔性フィルムを有し、上記微多孔性フィルムの上記空隙に、固体電解質粒子と、上記固体電解質粒子よりも平均粒径(D50)が小さく、電子伝導性を有さない微粒子とが含有されている、固体電解質層を提供する。
本開示によれば、微多孔性フィルムの空隙に、固体電解質粒子および微粒子が含有されていることにより、リチウムイオン伝導性が良好な固体電解質層とすることができる。
本開示における固体電解質層は、リチウムイオン伝導性が良好であるといった効果を奏する。
本開示における固体電解質層および全固体電池を例示する概略断面図である。
以下、本開示における固体電解質層の詳細を説明する。
図1(a)、(b)は本開示における固体電解質層および全固体電池の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示す固体電解質層1は、空隙を有する微多孔性フィルムを有し、微多孔性フィルムの空隙に、固体電解質粒子と、固体電解質粒子よりも平均粒径(D50)が小さく、電子伝導性を有さない微粒子とが含有されている。また、図1(a)に示す固体電解質層1は、例えば図1(b)に示す全固体電池10に用いられる。全固体電池10において、固体電解質層1は、正極2と負極3との間に配置される。
本開示によれば、微多孔性フィルムの空隙に、固体電解質粒子および微粒子が含有されていることにより、リチウムイオン伝導性が良好な固体電解質層とすることができる。
微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子を含有させた固体電解質層は、例えば固体電解質粒子および溶媒を含有するスラリーを、微多孔性フィルムの空隙に充填することにより作製することができる。しかしながら、上述した方法で作製された固体電解質層は、スラリーの乾燥後(溶媒の除去後)に空隙が残ってしまったり、空隙中の固体電解質粒子間に隙間が生じてしまう場合がある。そのため、上記固体電解質層は、リチウムイオン伝導性が低くなってしまう。また、固体電解質層の抵抗が大きくなってしまう。
これに対し、本開示においては、スラリーに代えて、例えば、固体電解質粒子および微粒子を含有する混合紛体を微多孔性フィルムの空隙に充填して固体電解質層を得ることができる。上記混合紛体は、紛体流動性が高いため、例えば溶媒を用いずに空隙へ充填することができる。そのため、微多孔性フィルムに残存する空隙を少なくしたり、空隙中の固体電解質粒子間の隙間を少なくすることができる。その結果、リチウムイオン伝導性が良好な固体電解質層とすることができる。また、固体電解質層の抵抗を小さくすることができる。
ここで、固体電解質粒子および微粒子を含有する混合紛体の紛体流動性が高い理由は以下のように推測される。粒径の小さい微粒子が、粒径の大きな固体電解質粒子の表面に存在することで、微粒子がころ(ローラー)として機能するためであると推測される。
本開示による固体電解質層は、微多孔性フィルム、固体電解質粒子および微粒子を有することにより、絶縁性を向上させながら、抵抗を小さくすることができるといった利点を有する。以下、本開示における固体電解質層の構成について説明する。
1.微粒子
微粒子は、電子伝導性を有さない。電子伝導性を有しないとは、全固体電池の短絡が生じない程度であればよいが、例えば、常温(25℃)における電子伝導度が1.0×10-6S/cm以下であることが好ましい。微粒子は、リチウムイオン伝導性を有していてもよく、有していなくてもよいが、後者がより好ましい。微粒子の常温(25℃)におけるリチウムイオン伝導度は、例えば、1.0×10-8S/cm以下であってもよい。
微粒子に用いられる材料としては、電子伝導性を有しない材料であれば特に限定されず、例えば、絶縁性酸化物を挙げることができる。絶縁性酸化物は、例えば、Si、Al、およびTiの少なくとも1種を含有することが好ましい。絶縁性酸化物は、具体的には、SiO、Al、TiOを挙げることができる。微粒子は、一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。微粒子の形状は、例えば、真球、楕円球等の球状を挙げることができる。
微粒子は、固体電解質粒子よりも小さい平均粒径(D50)を有する。固体電解質粒子の平均粒径(D50)をXとし、微粒子の平均粒径(D50)をYとしたとき、固体電解質粒子の平均粒径Xに対する微粒子の平均粒径Xの比率(Y/X)は、例えば、0.1以下であり、0.05以下であってもよい。また、上記比率(Y/X)は、例えば、0.01以上であってもよい。
微粒子の平均粒径(D50)は、例えば、1nm以上であってもよく、10nm以上であってもよい。また、微粒子の平均粒径(D50)は、例えば、100nm以下であってもよく、50nm以下であってもよい。微粒子の平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。
固体電解質粒子の含有量を100重量%とした場合、上記固体電解質粒子の含有量に対する、微粒子の含有量は、0重量%より大きく、例えば、0.1重量%以上であってもよく、0.5重量%以上であってもよい。また、上記微粒子の含有量は、例えば、5重量%以下であり、1重量%以下であってもよい。すなわち、本開示においては、固体電解質に対して、微粒子の含有量が、0重量%<微粒子の含有量≦5重量%の範囲であってもよい。
2.固体電解質粒子
固体電解質粒子に用いられる固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。また、酸化物固体電解質としては、例えば、Li元素、Y元素(Yは、Nb、B、Al、Si、P、Ti、Zr、Mo、W、Sの少なくとも一種である)、および、O元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、窒化物固体電解質としては、例えばLiNが挙げられ、ハロゲン化物固体電解質としては、例えばLiCl、LiI、LiBrが挙げられる。
本開示においては、中でも、硫化物固体電解質であることが好ましい。また、固体電解質が硫化物固体電解質である場合、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを含有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS 3-構造、SiS 4-構造、GeS 4-構造、AlS 3-構造、BS 3-構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。化学安定性の高い硫化物固体電解質とすることができるからである。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば、0.01μm以上であり、0.1μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。また、固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば、50μm以下であり、30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。固体電解質粒子の形状としては、例えば、真球状や楕円球状等の球状の他、板状や扁平形状等が挙げられる。
3.微多孔性フィルム
微多孔性フィルムは、空隙を有するフィルム状の部材である。また、微多孔性フィルムは、その空隙に固体電解質粒子および微粒子を保持する部材である。
微多孔性フィルムに用いられる材料としては、絶縁性を有していればよく、例えば、樹脂材料を挙げることができる。具体的な樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を挙げることができる。微多孔性フィルムは、例えば、単一の樹脂層であってもよく、複数の樹脂層の積層体であってもよい。また、微多孔性フィルムとしては、例えば、電池のセパレータ(多孔質シート)として市販されている多孔質のフィルム材料を用いることができる。
微多孔性フィルムの空隙の平均孔径は固体電解質粒子および微粒子を空隙内に保持することができる程度であれば特に限定されない。また、微多孔性フィルムの空隙率は、特に限定されないが、例えば、20体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、35体積%以上であってもよい。また、上記空隙率は、例えば、90体積%以下であってもよく、80体積%以下であってもよく、70体積%以下であってもよい。空隙率は、例えば、水銀圧入法より多孔体の細孔分布を測定する水銀ポロシメータ(mercury porosimeter)を用いて測定することができる。微多孔性フィルムの厚さは、固体電解質層が用いられる全固体電池により適宜調整され、特に限定されないが、例えば、10μm以上、50μm以下であってもよい。
4.固体電解質層
固体電解質層は、上述した微粒子、固体電解質粒子および微多孔性フィルムを有する。固体電解質層中の固体電解質粒子および微粒子の割合(体積%)は、例えば、50体積%以上であってもよく、70体積%以上であってもよく、80体積%以上であってもよく、90体積%以上であってもよい。固体電解質層中の固体電解質粒子および微粒子の割合は、多いことがより好ましい。
また、固体電解質および微粒子が含有(充填)された固体電解質層の空隙率は、例えば、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましく、3体積%以下であることがさらに好ましい。言い換えると、上記固体電解質層における固体電解質および微粒子の充填率は、例えば、90体積%以上であることが好ましく、95体積%以上であることが好ましく、97体積%以上であることがさらに好ましい。本開示においては、微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子および微粒子を充填させることで、空隙率の低い(充填率の高い)固体電解質層とすることができる。
固体電解質層は、例えば、固体電解質粒子および微粒子を含有する混合紛体を微多孔性フィルムの空隙に充填することにより製造することができる。すなわち、本開示においては、固体電解質粒子および電子伝導性を有しない微粒子を含有する混合紛体を、微多孔性フィルムの空隙に充填する充填工程を有する固体電解質層の製造方法を提供することもできる。
混合紛体は、溶媒(分散媒)を有していてもよく、有していなくてもよいが、後者がより好ましい。溶媒を除去することによる空隙、隙間の発生を抑制することができるからである。混合紛体に用いられる固体電解質粒子、微粒子の種類、含有量については、上述した「1.微粒子」および「2.固体電解質粒子」の項ですでに説明したため、ここでの説明は省略する。微多孔性フィルムの空隙に混合紛体を充填する方法としては、例えば、微多孔性フィルム上に混合紛体を堆積させてプレスする方法を挙げることができる。混合紛体の堆積量、プレス時の圧力等の条件については、微多孔性フィルムの種類、混合紛体に用いられる固体電解質粒子および微粒子の種類に合わせて適宜調製することができる。
固体電解質層は、全固体電池に用いられ、正極および負極の間に配置される。全固体電池における正極は、正極活物質を含有する正極活物質層を少なくとも有する。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していてもよい。正極活物質としては、例えばLiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等を挙げることができる。固体電解質としては、例えば、上述した「2.固体電解質粒子」の項で説明した固体電解質を挙げることができる。電化材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。また、正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、正極は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体を有する。
全固体電池における負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を少なくとも有する。負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していてもよい。負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。固体電解質としては、上述した「2.固体電解質粒子」の項で説明した固体電解質を挙げることができる。導電助材、結着材については、上述した正極活物質層の項で説明した材料と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、負極は、通常、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。
全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。全固体電池は、リチウム全固体電池であることが好ましい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
本開示を実施例および比較例を挙げて、さらに具体的に説明する。
[実施例1]
(正極の作製)
活物質(LiNbOコートLiNi1/3Mn1/3Co1/3)と硫化物固体電解質(LiPS)とを重量比率75:25で秤量し、活物質100重量部に対してPVdF系バインダーが4重量部、導電助材(アセチレンブラック)が6重量部となるよう秤量した。これらと酪酸ブチル溶媒とを固形分70重量%となるよう調合し、攪拌機で混練することにより正極ペーストを得た。次に、正極ペーストをアプリケーターによるブレードコート法により、厚さ15μmのアルミニウム箔上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。以上の工程により、正極を得た。
(負極の作製)
活物質(Si)と硫化物固体電解質(LiPS)とを重量比率50:50で秤量し、活物質100重量部に対してPVdF系バインダーが6重量部、導電助材(アセチレンブラック)が6重量部となるよう秤量した。これらと酪酸ブチル溶媒とを固形分70重量%となるよう調合し、攪拌機で混練することにより負極ペーストを得た。次に、負極ペーストをアプリケーターによるブレートコート法により、厚さ15μmの銅箔上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。以上の工程により、負極を得た。
(固体電解質層の作製)
平均粒径(D50)1μmの固体電解質粒子(LiPS)に対し、平均粒径(D50)10nmの微粒子(シリカ)を添加し混合し、混合紛体を調製した。微粒子の添加量は、固体電解質粒子100重量%に対し、0.5重量%とした。次に、微多孔性フィルムとして、ポリエチレン(PE)製の多孔質フィルムセパレータ(厚さ:30μm)を準備した。上記微多孔性フィルムの上に、上記混合紛体を堆積させプレスすることにより、微多孔性フィルムの空隙に、固体電解質粒子および微粒子を充填させて固体電解質層を得た。
(評価用電池の作製)
図2に示すように、正極2、固体電解質層1および負極3をこの順に重ねて、1ton/cmでプレスした。その後、プレスした積層体を端子付きのアルミラミネートフィルムで密閉して評価用電池を得た。
[実施例2]
固体電解質層を作製する際に、平均粒径(D50)50nmの微粒子(シリカ)を使用した以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[実施例3]
固体電解質層を作製する際に、平均粒径(D50)100nmの微粒子(シリカ)を使用した以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[実施例4]
固体電解質層を作製する際に、微粒子(シリカ)の添加量を1重量%とした以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[実施例5]
固体電解質層を作製する際に、微粒子(シリカ)の添加量を5重量%とした以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[比較例1]
固体電解質層を作製する際に、平均粒径(D50)1000nm(1μm)のシリカ粒子を使用した以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[比較例2]
固体電解質層を作製する際に、微粒子(シリカ)を混合しない以外は実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[比較例3]
固体電解質層を下記の工程で作製した以外は実施例1と同様にして全固体電池を得た。
均粒径(D50)1μmの固体電解質粒子(LiPS)を酪酸ブチルに分散させ、スラリーを作製した。次に、微多孔性フィルムの上に上記スラリーを染み込ませ、乾燥することで空隙に固体電解質粒子を充填させた。以上の工程により、固体電解質層を得た。
[電池特性評価]
作製した評価用電池に、下記に示す(i)~(vii)の条件で充放電を実施した。
(i)充電:4.1V、C/3、CCCV充電、(ii)休止:10分間、(iii)放電:3.0V、C/3、CCCV放電、(iv)休止:10分間、(v)充電:3.9V、C/3、CCCV充電、(vi)休止:10分間、(vii)放電:3.0V、3C、CC放電、10sec。(vii)の放電時の値から、IV抵抗を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0007028097000001
実施例1~5および比較例2の結果から、微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子、および固体電解質粒子よりも平均粒径の小さい微粒子(シリカ)を含有させた固体電解質層を用いた場合、微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子のみを含有させた固体電解質層を用いた場合に比べてIV抵抗を低減できることが確認された。実施例1~5におけるIV抵抗の低減効果は、固体電解質層のリチウムイオン伝導性が向上したためである可能性が極めて高い。また、比較例1の結果から、微粒子(シリカ)の代わりに、固体電解質粒子と同程度の平均粒径のシリカ粒子を用いた場合、IV抵抗は大きくなってしまうことが確認された。また、比較例3の結果から、スラリーを用いて微多孔性フィルムの空隙に固体電解質粒子を含有させた場合、実施例1~5に比べてIV抵抗が大きくなることが確認された。
実施例1、2、3の結果から、固体電解質粒子の平均粒径(D50)Xに対する、微粒子の平均粒径(D50)Yの比率(Y/X)を、0.1以下とすることで、IV抵抗を低減できることが確認された。また、実施例1、4、5の結果から、固体電解質に対して微粒子の添加量を0<微粒子の添加量≦5重量%とすることでIV抵抗を低減できること確認された。
また、実施例1~5では、微多孔性フィルムの空隙および隙間に固体電解質粒子を充填しやすくするために、紛体流動性を向上させる目的で微粒子としてシリカの微粒子を用いたが、上述したように、紛体流動性が向上する原理は粒径の小さな粒子が粒径の大きな固体電解質粒子の表面に存在することで、小さな粒子がころ(ローラー)として機能するためであると推測される。そのため微粒子の材料としては、シリカ以外の電子伝導性を有さない材料であっても同様の効果が発揮される可能性が高い。
1 … 固体電解質層
2 … 正極
3 … 負極
10 … 全固体電池

Claims (1)

  1. 全固体電池に用いられる固体電解質層であって、
    空隙を有する微多孔性フィルムを有し、前記微多孔性フィルムの前記空隙に、固体電解質粒子と、前記固体電解質粒子よりも平均粒径(D50)が小さく、電子伝導性を有さない微粒子とが含有されており、
    前記固体電解質粒子に用いられる固体電解質が、硫化物固体電解質である、固体電解質層。
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