JP6885327B2 - 固体電池 - Google Patents

固体電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6885327B2
JP6885327B2 JP2017253733A JP2017253733A JP6885327B2 JP 6885327 B2 JP6885327 B2 JP 6885327B2 JP 2017253733 A JP2017253733 A JP 2017253733A JP 2017253733 A JP2017253733 A JP 2017253733A JP 6885327 B2 JP6885327 B2 JP 6885327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
solid electrolyte
material layer
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017253733A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019121455A (ja
Inventor
長瀬 浩
浩 長瀬
浩二 川本
浩二 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017253733A priority Critical patent/JP6885327B2/ja
Publication of JP2019121455A publication Critical patent/JP2019121455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6885327B2 publication Critical patent/JP6885327B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本開示は、固体電池に関する。
固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
例えば、特許文献1には、固体電解質層、正極活物質層、負極活物質層の各層に、粒径の異なる2種類の固体電解質粒子を添加することが開示されている。また、特許文献2には、硫黄、導電材、バインダーおよびイオン液体もしくは溶媒和イオン液体を含有するリチウム硫黄固体電池用正極材が開示されている。
また、特許文献3には、リチウム塩を含有した高分子、或いはイオン液体からなり、正極部材および負極部材の接合部に介在される介在層を備え、負極活物質が特定の負極活物質を含有する非水電解質電池が開示されている。
特開2013−157084号公報 特開2017−168435号公報 特表2012−014892号公報
固体電池に用いられる活物質層は、イオン伝導パスを確保するため、活物質に加えて、固体電解質を含有する場合が多い。また、固体電解質の中でも、硫化物固体電解質は比較的柔らかい材料であり、プレスにより塑性変形が生じやすい。
例えば、硫化物固体電解質のみをプレスして固体電解質層を形成する場合、硫化物固体電解質は塑性変形するため、空隙が少ない固体電解質層が得られる。これに対して、活物質および硫化物固体電解質をプレスして活物質層を形成する場合、硫化物固体電解質は塑性変形し、硬い活物質を囲むように配置されるものの、例えば活物質が密集した部分では、空隙が生じやすい。その結果、イオン伝導パスが少なくなり、活物質層のイオン伝導度が低下する。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好なイオン伝導性を有する活物質層を備える固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に配置された固体電解質層とを有する固体電池であって、上記正極活物質層および上記負極活物質層の少なくとも一方は、活物質と、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物固体電解質と、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体と、を含有し、上記ルイス塩基に対する上記Li塩のモル比は、0.8以上、1.5以下であり、上記硫化物固体電解質に対する上記溶媒和イオン液体の割合は、0.5体積%以上、20体積%以下である、固体電池を提供する。
本開示によれば、活物質層が、特定のLi塩濃度を有する溶媒和イオン液体を、特定量含有するため、良好なイオン伝導性を有する活物質層を備える固体電池とすることができる。
本開示は、良好なイオン伝導性を有する活物質層を備える固体電池を提供することができるという効果を奏する。
本開示の固体電池を例示する概略断面図である。 正極活物質層および固体電解質層のSEM画像である。 実施例1〜5および比較例1〜3で得られた活物質層に対するイオン伝導度測定の結果である。 実施例4、6〜9および比較例1、4で得られた活物質層に対するイオン伝導度測定の結果である。
以下、本開示の固体電池について、詳細に説明する。
図1は、本開示の固体電池の一例を示す概略断面図である。図1に示す固体電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に配置された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、を有する。正極活物質層1および負極活物質層2の少なくとも一方は、活物質と、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物固体電解質と、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体とを含有する。ルイス塩基に対するLi塩のモル比、および、硫化物固体電解質に対する溶媒和イオン液体の割合が特定の範囲内にある。
本開示によれば、活物質層が、特定のLi塩濃度を有する溶媒和イオン液体を、特定量含有するため、良好なイオン伝導性を有する活物質層を備える固体電池とすることができる。上述したように、活物質および硫化物固体電解質をプレスして活物質層を形成する場合、硫化物固体電解質は塑性変形し、硬い活物質を囲むように配置されるものの、例えば活物質が密集した部分では、空隙が生じやすい。その結果、イオン伝導パスが少なくなり、活物質層としてのイオン伝導度が低下する。
これに対して、本開示においては、特定のLi塩濃度を有する溶媒和イオン液体を、特定量用いることで、活物質層の空隙に溶媒和イオン液体を充填できる。その結果、良好なイオン伝導性を有する活物質層とすることができる。また、一般的なイオン液体および電解液は硫化物固体電解質と反応しやすいため、活物質層におけるイオン伝導が阻害される場合がある。これに対して、溶媒和イオン液体は、化学的安定性が非常に高いため、硫化物固体電解質と反応せず、活物質層におけるイオン伝導が阻害されにくいという利点がある。
以下、本開示の固体電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。正極活物質層は、正極活物質と、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物固体電解質と、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体と、を含有することが好ましい。
(1)正極活物質
正極活物質は、特に限定されないが、典型的には酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
正極活物質の表面は、コート層で被覆されていてもよい。コート層により、正極活物質と固体電解質(特に硫化物固体電解質)とが反応することを抑制できる。コート層としては、例えば、LiNbO、LiPO、LiPON等のLi含有酸化物が挙げられる。コート層の平均厚さは、例えば1nm以上である。一方、コート層の平均厚さは、例えば20nm以下であり、10nm以下であってもよい。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。
正極活物質層に含まれる正極活物質の割合は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよい。一方、正極活物質層に含まれる正極活物質の割合は、例えば95重量%以下である。
(2)硫化物固体電解質
正極活物質層は、硫化物固体電解質を含有することが好ましい。硫化物固体電解質は、Li元素と、P元素、S元素とを含有することが好ましい。また、硫化物固体電解質は、Cl元素、Br元素およびI元素の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、硫化物固体電解質は、Ge元素、Si元素、Sn元素の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、硫化物固体電解質は、O元素をさらに含有していてもよい。
硫化物固体電解質は、Li元素、P元素およびS元素を含有するイオン伝導体を含有していてもよい。イオン伝導体は、PS 3−をアニオン構造の主体として含有することが好ましい。「PS 3−をアニオン構造の主体とする」とは、PS 3−の割合が、イオン伝導体における全アニオン構造の中で最も多いことをいう。全アニオン構造におけるPS 3−の割合は、例えば60mol%以上であり、70mol%以上であってもよく、80mol%以上であってもよく、90mol%以上であってもよい。PS 3−の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPSにより決定することができる。また、イオン伝導体のS元素の一部は、O元素に置換されていてもよい。
硫化物固体電解質が、上記イオン伝導体を含有する場合、さらにLiXを含有していてもよい。LiXとしては、例えば、LiCl、LiBrおよびLiIが挙げられる。また、LiXの少なくとも一部は、LiX成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在することが好ましい。硫化物固体電解質におけるLiXの割合は、例えば1mol%以上であり、10mol%以上であってもよい。一方、上記LiXの割合は、例えば50mol%以下であり、35mol%以下であってもよい。硫化物固体電解質は、xLiX・(100−x)(0.75LiS・0.25P)(xは、0≦x≦50を満たす)で表される組成を有していてもよい。
また、硫化物固体電解質は、アニオン構造として、PS 3−と、GeS 4−、SiS 4−、SnS 4−の少なくとも一種とを有していてもよい。
硫化物固体電解質は、非晶質であってもよく、結晶質であってもよい。前者の一例としては、硫化物ガラスが挙げられ、後者の一例としては、結晶化硫化物ガラス(ガラスセラミックス)が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、いわゆるLGPS型結晶相を有していてもよい。
硫化物固体電解質の形状としては、例えば粒子状が挙げられる。硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば200μm以下であり、100μm以下であってもよい。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計による測定から算出できる。また、硫化物固体電解質は、イオン伝導性が高いことが好ましく、25℃におけるイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であり、1×10−3S/cm以上であってもよい。
正極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば10重量%以上であり、20重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよい。一方、正極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば、60重量%以下である。また、正極活物質層に含まれる正極活物質および硫化物固体電解質の合計の割合は、例えば、80重量%以上であり、90重量%以上であってもよい。
(3)溶媒和イオン液体
正極活物質層は、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体を含有することが好ましい。Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体では、Li塩のLiイオンにルイス塩基が配位(溶媒和)することで錯カチオンとなり、Li塩のアニオンが溶媒和イオン液体のアニオンとなる。溶媒和イオン液体の融点は、80℃以下であってもよく、60℃以下であってもよい。一方、溶媒和イオン液体の融点は、例えば0℃以上である。特に、溶媒和イオン液体は、25℃において液体であることが好ましい。また、錯カチオンは、Liイオンおよびルイス塩基を、例えば、Liイオン:ルイス塩基=1:1のモル比で有することが好ましい。
Li塩は、1分子中に1個のLiイオンを含有することが好ましい。また、Li塩のアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(FSI)アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオン等に代表されるイミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン等に代表されるホスフェートアニオン、テトラフルオロボレート(TFB)アニオン、トリフレートアニオンが挙げられる。
ルイス塩基としては、例えばグライムが挙げられる。グライムとしては、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル(G2、ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3、トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4、テトラグライム)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルが挙げられる。
ルイス塩基に対するLi塩のモル比は、例えば、0.8以上であり、1以上であってもよい。一方、ルイス塩基に対するLi塩のモル比は、例えば、1.5以下であり、1.25以下であってもよい。
硫化物固体電解質に対する溶媒和イオン液体の割合は、例えば、0.5体積%以上であり、1体積%以上であってもよく、5体積%以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質に対する溶媒和イオン液体の割合は、例えば、20体積%以下であり、15体積%以下であってもよく、10体積%以下であってもよい。
正極活物質層に含まれる溶媒和イオン液体の割合は、例えば10重量%未満であり、9重量%以下であってもよく、8重量%以下であってもよく、6重量%以下であってもよい。
(4)正極活物質
正極活物質層は、導電材をさらに含有していてもよい。導電材の添加により、正極活物質層の電子伝導性を向上させることができる。導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバーが挙げられる。また、正極活物質層は、バインダーをさらに含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有バインダー、ブタジエンゴム等のゴム系バインダー、アクリル系バインダーが挙げられる。
正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。正極活物質層の形成方法としては、例えば、正極活物質、硫化物固体電解質、溶媒和イオン液体および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
2.負極活物質層
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。負極活物質層は、負極活物質と、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物固体電解質と、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体と、を含有することが好ましい。
負極活物質は、特に限定されないが、例えばカーボン活物質、金属活物質および酸化物活物質が挙げられる。カーボン活物質としては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボンが挙げられる。一方、金属活物質としては、例えば、Li、In、Al、SiおよびSn等の単体、および、これらの元素の少なくとも一種を含む合金が挙げられる。また、酸化物活物質としては、例えば、LiTiOが挙げられる。
負極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。負極活物質層に含まれる負極活物質の割合は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層に含まれる負極活物質の割合は、例えば95重量%以下である。
硫化物固体電解質および溶媒和イオン液体に関する事項については、上記「1.正極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、負極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合、負極活物質層に含まれる溶媒和イオン液体の割合、負極活物質層に含まれる負極活物質および硫化物固体電解質の合計の割合等に関する好ましい範囲についても、上述した正極活物質層における好ましい範囲と同様であるので、ここでの記載は省略する。さらに、負極活物質層は、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよいが、これらに関する事項についても、上述した内容と同様である。
負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。負極活物質層の形成方法としては、例えば、例えば、負極活物質、硫化物固体電解質、溶媒和イオン液体および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
3.固体電解質層
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に配置される層である。固体電解質層は、固体電解質を少なくとも含有し、必要に応じてバインダーを含有していてもよい。固体電解質層は、硫化物固体電解質を含有することが好ましい。硫化物固体電解質およびバインダーについては、上記「1.正極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質を圧縮成形する方法が挙げられる。
4.その他の部材
本開示の固体電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボンが挙げられる。なお、正極集電体および負極集電体の厚さ、形状については、電池の用途に応じて適宜選択することが好ましい。また、本開示に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができ、例えばSUS製電池ケースが挙げられる。
5.固体電池
本開示の固体電池は、通常、リチウム電池である。また、本開示の固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本開示の固体電池は、単層電池であってもよく、積層電池であってもよい。積層電池は、モノポーラ型積層電池(並列接続型の積層電池)であってもよく、バイポーラ型積層電池(直列接続型の積層電池)であってもよい。固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(硫化物固体電解質の合成)
LiS(フルウチ化学製)、P(アルドリッチ製)およびLiI(日宝化学製)を、30LiI・70(0.75LiS・0.25P)のモル比となるように秤量し、メノウ乳鉢で5分間混合した。得られた混合物に脱水ヘプタン(関東化学工業製)を入れ、遊星型ボールミルを用い40時間メカニカルミリングした。その後、乾燥によりヘプタンを除去し、硫化物固体電解質を得た。
(イオン液体の調製)
テトラグライム(キシダ化学製)1molに対して、Li塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、LiTFSI)を1.5molの割合で混合し、イオン液体(溶媒和イオン液体)を得た。
(負極スラリーの作製)
負極活物質(シリコン、高純度化学製)1.0g、導電材(VGCF、昭和電工製)0.04g、硫化物固体電解質およびイオン液体(溶媒和イオン液体)を含有し、硫化物固体電解質に対するイオン液体(溶媒和イオン液体)が10体積%である組成物(組成物Aと称する)0.776g、バインダー(PVDF、クレハ製)0.02g、分散媒(酪酸ブチル、ナカライテスク製)2.4gを秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH−50)で処理し、負極スラリーを得た。
(イオン伝導度測定セルの作製)
1cmのセラミックス製の型に、硫化物固体電解質0.065gを添加し、1ton/cmでプレスし、第一固体電解質層を形成した。得られた第一固体電解質層の上に、負極スラリー0.020gを塗工し、100℃で30分間乾燥させた。その後、1ton/cmでプレスし、負極活物質層を形成した。得られた負極活物質層の上に、硫化物固体電解質0.065gを添加し、1ton/cmでプレスし、第二固体電解質層を形成した。これにより、第一固体電解質層、負極活物質層および第二固体電解質層をこの順に有するイオン伝導度測定セルを得た。
また、ブランク用セルを作製した。1cmのセラミックス製の型に、硫化物固体電解質0.065gを添加し、1ton/cmでプレスし、第一固体電解質層を形成した。得られた第一固体電解質層の上に、硫化物固体電解質0.065gを添加し、1ton/cmでプレスし、第二固体電解質層を形成した。これにより、負極活物質層を有しないブランク用セルを得た。
[実施例2〜5]
テトラグライム1molに対して、LiTFSIを、それぞれ1.25mol、1.15mol、1mol、0.8molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[実施例6〜9]
組成物Aに含まれるイオン液体の割合を、硫化物固体電解質に対して、それぞれ0.5体積%、1体積%、5体積%、20体積%に変更したこと以外は、実施例4と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[実施例10]
テトラグライムの代わりに、トリグライムを用いたこと以外は、実施例4と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例1]
組成物Aに含まれるイオン液体の割合を0にしたこと以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例2、3]
テトラグライム1molに対して、LiTFSIを、それぞれ2mol、0.6molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例4]
組成物Aに含まれるイオン液体の割合を、硫化物固体電解質に対して33体積%に変更したこと以外は、実施例4と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例5]
テトラグライムの代わりに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)を用い、EMITFSI1molに対して、LiTFSIを0.2molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例6]
テトラグライムの代わりに、ジメチルカーボネート(DMC)を用い、DMC1molに対して、LiTFSIを0.1molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[実施例11]
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3、日亜化学工業製)を準備し、表面にコート層(LiNbO層)を形成した。コート層を有する正極活物質1.5g、導電材(VGCF、昭和電工製)0.023g、硫化物固体電解質およびイオン液体(溶媒和イオン液体)を含有し、硫化物固体電解質に対するイオン液体(溶媒和イオン液体)が10体積%である組成物(組成物Bと称する)0.239g、バインダー(PVDF、クレハ製)0.011g、分散媒(酪酸ブチル、ナカライテスク製)0.8gを秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH−50)で処理し、正極スラリーを得た。負極スラリーの代わりに、得られた正極スラリーを用いたこと以外は、実施例4と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[比較例7]
組成物Bに含まれるイオン液体の割合を0にしたこと以外は、実施例11と同様にしてイオン伝導度測定セルを得た。
[評価]
(SEM観察)
比較例7で得られた正極活物質層(プレス後)に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面観察を行った。その結果を図2(a)に示す。図2(a)に示すように、活物質および硫化物固体電解質をプレスして活物質層を形成すると、空隙が生じることが確認された。なお、図2(b)に示すように、硫化物固体電解質のみをプレスすると、空隙はほとんど生じなかった。
(イオン伝導度測定)
実施例1〜11および比較例1〜7で得られたイオン伝導度測定セルに対して、交流インピーダンス法によるイオン伝導度測定を行った。測定には、ソーラトロン(東陽テクニカ製)を用い、印加電圧10mV、測定周波数域0.1〜1MHz、25℃の条件で、インピーダンス測定を行った。得られた抵抗値と、ブランク用セルの抵抗値とを用いて、活物質層の抵抗値を求めた。さらに、活物質層の抵抗値および活物質層の厚さに基づいて、活物質層のイオン伝導度を算出した。その結果を表1、図3および図4に示す。
Figure 0006885327
表1および図3に示すように、実施例1〜5は、比較例1〜3に比べて、イオン伝導度が高くなった。比較例2、3のイオン伝導度が、比較例1よりも低くなる理由は、イオン液体自体のイオン伝導性が低いためであると推測される。このように、ルイス塩基に対するLi塩のモル比が0.8以上、1.5以下であることが、活物質層のイオン伝導度の向上に寄与することが確認された。
また、表1および図4に示すように、実施例4、6〜9は、比較例1、4に比べて、イオン伝導度が高くなった。硫化物固体電解質に対するイオン液体の割合が多すぎると、イオン液体が過剰となり、硫化物固体電解質の割合が相対的に低下することで、活物質層のイオン伝導性が低下すると推測される。このように、硫化物固体電解質に対する溶媒和イオン液体の割合が0.5体積%以上、20体積%以下であることが、活物質層のイオン伝導度の向上に寄与することが確認された。
また、図4には、活物質を含有させなかったこと以外は、同様にして作製したイオン伝導度測定セルに対するイオン伝導度測定の結果を記載した。活物質を含有させなかった場合、イオン液体のイオン伝導性が、硫化物固体電解質のイオン伝導性よりも低いため、イオン液体の割合が大きくなるほど、層のイオン伝導度は低下した。これに対して、活物質を含有させた場合、イオン液体は、活物質層の空隙を充填するように配置されることで、活物質層のイオン伝導度が向上した。
また、表1に示すように、比較例5、6は、イオン伝導度が顕著に低かった。その理由は、EMITFSIおよびDMCが、硫化物固体電解質と反応したためであると推測される。また、実施例11は、比較例7に比べて、イオン伝導度が高くなり、正極活物質層においても同様の効果が得られることが確認された。
1…正極活物質層
2…負極活物質層
3…固体電解質層
4…正極集電体
5…負極集電体
10…固体電池

Claims (1)

  1. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に配置された固体電解質層とを有する固体電池であって、
    前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも一方は、活物質と、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物固体電解質と、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体と、を含有し、
    前記ルイス塩基に対する前記Li塩のモル比は、0.8以上、1.5以下であり、
    前記硫化物固体電解質に対する前記溶媒和イオン液体の割合は、0.5体積%以上、20体積%以下である、固体電池。
JP2017253733A 2017-12-28 2017-12-28 固体電池 Active JP6885327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017253733A JP6885327B2 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 固体電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017253733A JP6885327B2 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 固体電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019121455A JP2019121455A (ja) 2019-07-22
JP6885327B2 true JP6885327B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=67306444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017253733A Active JP6885327B2 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 固体電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6885327B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220038423A (ko) * 2019-08-22 2022-03-28 니뽄 도쿠슈 도교 가부시키가이샤 축전 디바이스용 전극 및 축전 디바이스
WO2023162834A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 電池
JP2023138134A (ja) 2022-03-18 2023-09-29 トヨタ自動車株式会社 電解質材料及び二次電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5720589B2 (ja) * 2012-01-26 2015-05-20 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
JP6281808B2 (ja) * 2012-11-07 2018-02-21 国立大学法人横浜国立大学 二次電池
JP2016134302A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウムイオン二次電池
JP6385486B2 (ja) * 2016-03-11 2018-09-05 東京電力ホールディングス株式会社 固体電池用正極材およびその製造方法、ならびに、固体電池用正極材を用いた全固体リチウム硫黄電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019121455A (ja) 2019-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109390622B (zh) 锂固体电池
JP6946836B2 (ja) リチウム固体電池、およびリチウム固体電池の製造方法
US10333138B2 (en) Cathode additive for rechargeable sodium batteries
JP5521899B2 (ja) 硫化物固体電解質材料およびリチウム固体電池
US11462767B2 (en) Electrochemical device electrode. method for producing electrochemical device electrode and electrochemical device
KR102329654B1 (ko) 전극용 조성물, 전극, 그 제조 방법 및 전지
JP2012079471A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法及び非水電解質二次電池
US20210135275A1 (en) Member for electrochemical devices, and electrochemical device
JP6885327B2 (ja) 固体電池
DE102019111559A1 (de) Silizium-anodenmaterialien
JP6891804B2 (ja) 固体電池
Bencherifi et al. Phosphonium ionic liquid-based electrolyte for high voltage Li-ion batteries: Effect of ionic liquid ratio
JP6222372B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP5780322B2 (ja) 硫化物固体電解質材料およびリチウム固体電池
WO2018030150A1 (ja) 固体電電解質、全固体電池
JP6375842B2 (ja) 安定化リチウム粉末及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
TW201932419A (zh) 經磷酸錳塗覆之鋰鎳氧化物材料
JP7256150B2 (ja) 全固体電池
JP6972965B2 (ja) 全固体電池
JP5857910B2 (ja) 負極活物質および非水系金属イオン電池
JP2020113444A (ja) 全固体電池用の正極活物質層
JP2020194739A (ja) リチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池の製造方法
JP2023114598A (ja) 負極層
JP2016207477A (ja) イオン伝導性材料とそれを用いた全固体電池及びその製造方法
JPWO2019177055A1 (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210413

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210426

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6885327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151