JP7027072B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7027072B2
JP7027072B2 JP2017168134A JP2017168134A JP7027072B2 JP 7027072 B2 JP7027072 B2 JP 7027072B2 JP 2017168134 A JP2017168134 A JP 2017168134A JP 2017168134 A JP2017168134 A JP 2017168134A JP 7027072 B2 JP7027072 B2 JP 7027072B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
resin composition
ptfe
producing
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017168134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019044066A (ja
Inventor
寛史 阿部
仁 中村
厚志 佐藤
孝典 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2017168134A priority Critical patent/JP7027072B2/ja
Publication of JP2019044066A publication Critical patent/JP2019044066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7027072B2 publication Critical patent/JP7027072B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散させ、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性などを付与した熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、撥水性、撥油性、電気特性、耐熱性、電気絶縁性、低誘電特性、低摩擦特性、非粘着性、耐候性などに優れた材料であり、電子機器、摺動材、自動車、厨房用品などに利用されている。このような特性を有するポリテトラフルオロエチレンは、マイクロパウダーとして、各種の樹脂材料やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに添加されて製品特性を向上させる目的に用いられている。
例えば、ポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダー(PTFE粒子)は、通常、乳化重合法により、水、重合開始剤、含フッ素乳化剤、パラフィンワックスなどの安定剤の存在下で、テトラフルオロエチレン(TFE)モノマーを重合させてポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有する水性分散体として得た後、濃縮、凝集、乾燥などを経て、製造されるものである(例えば、特許文献1参照)。
このPTFE粒子を熱可塑性樹脂などの樹脂材料に添加する方法としては、例えば、直接混ぜ込む方法の他に、水や油性溶剤中に分散してPTFE等分散体として混合する方法などが知られている。PTFE粒子を凝集やボイド等の欠陥なく均一に熱可塑性樹脂に分散し、熱可塑性樹脂本来の性能を維持した混合物を得るためには、1μm以下の小さな平均一次粒子径を有する乳化重合より得られるマイクロパウダー(ファインパウダー)を用いる必要がある。
従来において、ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーを含有した熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、
1)その融点以上の温度で焼成されている数平均分子量が150万以上で平均粒径2~800μmのポリテトラフルオロエチレン粉末などからなる芯部とフィブリル化しない低分子量ポリテトラフルオロエチレンからなる殻部とからなる平均粒径0.05~1μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子が、マトリックスとしてのポリフェニレンサルファイドに組成物中含量が40~80重量%となるように充填されてなるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、
2)ポリカーボネート樹脂(A)25~90重量部と熱可塑性ポリエステル樹脂(B)75~10重量部の合計量100重量部に対して、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)が、ポリテトラフルオロエチレン成分が0.0001~20重量部になるように配合された熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、
3)熱可塑性樹脂(A)と、粒子径が10μm以下でかつ示差走査熱量計(DSC法)によって測定された分子量が100万未満であるポリテトラフルオロエチレン粒子と、ガラス転移温度が50℃以上80℃以下でかつ分子量が100万未満の有機重合体とを含有し、ポリテトラフルオロエチレン粒子の含量が全量中40質量%~80質量%である摺動性改質剤とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、摺動性改質剤が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してポリテトラフルオロエチレン粒子が0.5質量部~50質量部となる範囲で含有されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献2~4の熱可塑性樹脂組成物に用いられるPTFEは、乳化重合より得られたマイクロパウダーで数平均分子量が高く、容易にフィブリル化する。そのため、成形性や、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性などが十分でないなどの課題があり、また、その製造に際しては、工程作業が煩雑となり、また溶融混練時に凝集体を形成してメッシュ詰まりなどトラブルの原因となるなどの課題がある。また、上記特許文献3及び4の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の近接技術を示すものであるが、これらの技術は、熱可塑性樹脂組成物を得るために、PTFEと有機重合体との混合粉体を予め調整する必要があり、製造設備投資やエネルギーの面でコストが高くなるといった不経済性がある。さらに、有機重合体と混合することで、熱可塑性樹脂組成物中におけるPTFEの分散性を確保しているとはいえ、混合粉体を得る過程でPTFEが乾燥凝集を起こすため、最終的に熱可塑性樹脂組成物中において、PTFEのミクロな凝集体を形成する点で、課題があるものであり、更なる改善が望まれているのが現状である。
特開2012-92323号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平6-145520号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2000-290486号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006-183019号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状等について、これを解消しようとするものであり、
熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダー(PTFE粒子)を凝集なく均一に分散させ、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性、高摺動性、防汚性、耐熱性、難燃性、耐擦過性などを付与した熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について鋭意検討した結果、少なくとも、熱可塑性樹脂100質量部に対して、特定物性となるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を特定量含有することにより、上記目的の熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂100質量部と、該熱可塑性樹脂100質量部に対して、SEM観察による平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下であるPTFE粒子が0.1~60質量部となるように水に分散された水分散体とを混合し、水分散体に含まれる水の揮発と熱可塑性樹脂の溶融混練を連続的に行うことを特徴とする。
前記熱可塑性樹脂組成物は、ペレット断面のPTFE粒子凝集物の1000倍の観察による3視野中の10μm以上の白い凝集体が2個未満であることが好ましい。
本発明の繊維材料の製造方法は、上記熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物を溶融紡糸して繊維材料を製造することを特徴とする。繊維の径は1000μm以下であることが好ましい。また、繊維材料は、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂を芯とした芯鞘構造を有することが好ましい。
本発明のフィルム材料の製造方法は、上記熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物を溶融押出成形してフィルム材料を製造することを特徴とする。フィルム材料の厚みは、1000μm以下であることが好ましい。また、フィルム材料は、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂の層を有することが好ましい。
本発明によれば、熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散でき、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性、高摺動性、防汚性、耐熱性、難燃性、耐擦過性などを付与した熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも、熱可塑性樹脂100質量部に対して、SEM観察による平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を、0.1~60質量部を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂であればよく、繊維材料化、フィルム化などと成形性の点から、特に、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、含ハロゲン系樹脂からなる選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物、以下同様)が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィンポリマー、ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-3-メチル-1-ペンテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン重合体、エチレン-プロピレンのブロック又はランダム共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のα-オレフィン共重合体、ポリフルオロオレフィン、さらにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、ビニル基含有芳香族炭化水素単独、および、ビニル基含有芳香族炭化水素と、他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、(メタ)アクリロニトリル等)との共重合体が挙げられ、例えば、ポリスチレン(PS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン(MBS)樹脂、耐熱ABS樹脂、アクリロニトリル-アクリレート-スチレン(AAS)樹脂、スチレン-無水マレイン酸(SMA)樹脂、メタクリレート-スチレン(MS)樹脂、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)樹脂、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン(AES)樹脂、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレン(SBBS)樹脂、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(MABS)樹脂等の熱可塑性樹脂、並びに、これらのブタジエンあるいはイソプレンの二重結合を水素添加したスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)樹脂、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)樹脂、スチレン-エチレン-プロピレン(SEP)樹脂、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS)樹脂等の水素添加スチレン系エラストマー樹脂の少なくとも1種が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;及び、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2-オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステルなどの少なくとも1種が挙げられる。
ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどの少なくとも1種が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネートなどの少なくとも1種が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ε-カプロラクタム(ナイロン6)、ウンデカンラクタム(ナイロン11)、ラウリルラクタム(ナイロン12)、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸、9-アミノノナン酸、α-ピロリドン、α-ピペリドン等の重合物;ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、ノナンメチレンジアミン、メチルペンタジアミン、ウンデカンメチレンジアミン、ドデカンメチレンジアミン、メタキシレンジアミン等のジアミンと、アジビン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸等のジカルボン酸等のカルボン酸化合物とを共重合させて得られる共重合体、または、これらの重合体または共重合体の混合物等の少なくとも1種が挙げられる。また、デュポン社製の「ケブラー」、「ノーメックス」、帝人社製の「トワロン」、「コーネックス」などのアラミド系樹脂が挙げられる。
含ハロゲン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-シクロヘキシルマレイミド共重合体等の少なくとも1種が挙げられる。
また、用いることができる他の熱可塑性樹脂を挙げると、例えば、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン、液晶ポリマー等の少なくとも1種が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を用いることができる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ナイロン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等のエラストマーであってもよく、これらを併用してもよい。
本発明に用いる好ましい熱可塑性樹脂としては、繊維材料化、フィルム化等と成形性を高度に両立する点から、特に、上記ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、含ハロゲン樹脂などが挙げられる。
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察による平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC(示差走査熱量測定)法による数平均分子量が20万以下であるものが用いられる。
PTFE粒子を凝集やボイド等の欠陥なく均一に熱可塑性樹脂に分散せしめ、熱可塑性樹脂本来の性能を維持した混合物を得るためには、1μm以下の小さな平均一次粒子径を有する乳化重合より得られるファインパウダーを用いる必要がある。しかしながら、乳化重合より得られたファインパウダーは数平均分子量が高く、容易にフィブリル化する。そのため、工程作業が煩雑となり、また溶融混錬時に凝集体を形成してメッシュ詰まりなどトラブルの原因となる。
本発明では、用いるPTFE粒子は、SEM観察による平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下であることを特徴とする。
本発明(後述する実施例等を含む)において、SEM観察による平均一次粒子径とは、最小構成単位となるPTFE粒子の長手方向の距離を示す。
また、本発明(後述する実施例等を含む)において、DSC法による数平均分子量は、昇温速度10℃/minで350℃まで昇温させ、10℃/minで冷却したときの結晶化熱と下記式(I)より算出した値をいう。
Mn=2.1×1010×ΔHc-5.16 ………(I)
Mn:数平均分子量、ΔHc:DSC結晶化熱(cal/g)
用いるPTFE粒子は、上記平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下のものであれば、粉体であっても、水分散体であってもよい。好ましくは、溶融混練時にPTFEを分散させるための剪断によるPTFE粒子のフィブリル化による凝集を抑制するために、水溶媒に上記特性のPTFE粒子が微細に分散された水分散体を用いることが望ましい。
上記平均一次粒子径が1μm超過のもの、また、DSC(示差走査熱量測定)法による数平均分子量が20万超過のものであると、熱可塑性樹脂中へPTFE粒子を均一に分散できず、成形性に劣り、本発明の効果を発揮できないものとなる。
具体的に用いることができるPTFE粒子は、上記平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下のものであれば、特に限定されず、上記特性を有する製造物、市販品などが挙げられ、例えば、旭硝子社製のL170JE、L172JE、L173JE、喜多村社製のKTL-500F、スリーエムジャパン社製のTF-9201Z、TF-9207Z、三井・デュポンフロロケミカル社製のTLP10F-1、ソルベイ社製のアルゴフロンシリーズなどが挙げられる。
上記特性のPTFE粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1~60質量部であり、好ましくは、1~34質量部であり、特に好ましくは、3~18質量部が望ましい。
このPTFE粒子の含有量が0.1質量部未満であると、本発明の効果を発揮することができず、一方、60質量部超過では、熱可塑性樹脂組成物の強度が著しく低下するなど、熱可塑性樹脂本来の樹脂特性を発現できなくなる。また、溶融混錬時に溶融しないPTFEの比率が上がるため、溶融粘度が上昇して混錬ができなくなる恐れがあり、好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、また、熱可塑性樹脂組成物の用途により、必要に応じて、その他の添加剤を適宜量含有させることができる。
用いることができる添加剤としては、例えば、着色剤、相溶剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤等の少なくとも1種(各単独又は2種以上の併用、以下同様)が挙げられる。
着色剤としては、例えば、無機顔料(白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物及び硫化物等)、有機顔料(アゾ顔料及び多環式顔料等)及び染料(アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系及びアニリン系等)等の少なくとも1種が挙げられる。
用いる相溶剤は、熱可塑性樹樹脂へのPTFEの分散を補助するものであり、用いることでより効率的に混練を行うことが可能となる。具体的には、三菱ケミカル社製のメタブレンA-3000、A-3750、A-3800、P-531A、P-530A、P-551A、P-550A、P-501A、P-570A、P-700、P-710、P-1050、P-1500、P-1901、TP-003、三洋化成社製のユーメックス1001、1010、100TS、CA620、5200、5500、出光興産社製エルモーデュS400、S600、S901などが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等]及び多環フェノール[1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)及びアミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
難燃剤としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤及びリン含有難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等)、サリチレート(フェニルサリチレート等)及びアクリレート(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’1-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。
充填剤としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク及びクレー等)及び有機充填剤(尿素及びステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル類(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ビスブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ビスイソノリル、フタル酸ビスイソデシル、、フタル酸ビスノルマルオクチル等)、マレイン酸エステル類(マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)等)、フマル酸エステル類(フマル酸ジブチル、フマル酸ビス(2-エチルヘキシル)等)等が挙げられる。可塑剤は相分離を引き起こさない範囲で、任意のものを選択することができ、エラストマー類を可塑剤として用いることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂、上記特性のPTFE粒子、必要により相溶剤などの添加剤を溶融混合することにより得ることができる。溶融混合する方法としては、通常、ペレット状又は粉体状の熱可塑性樹脂、並びに、上記特性のPTFE粒子、または、PTFE粒子が微細に分散された水分散体などの各成分を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。また、原料供給部、溶融混練部、揮発分除去部(ベント部)及び吐出部を備える熱可塑性樹脂溶融混練装置などの各形式の熱可塑性樹脂溶融混練装置を用いることができる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、1)溶融混合した後、必要により相溶剤などの添加剤を一括投入して溶融混練する方法、2)水溶媒へPTFE粒子が微細に分散された水分散体と熱可塑性樹脂を混合し、水分散体に含まれる水の揮発と熱可塑性樹脂の溶融混練を連続的に行う方法などが挙げられる。
好ましくは、上記2)の方法が望ましい。上記2)の方法では、乾燥状態で溶融混錬した場合と比較して、溶融混錬時の分散が容易となり、PTFE粒子がより均一に分散した熱可塑性樹脂組成物を得ることが可能となる。通常、水分散体は乳化重合後のPTFE粒子をそのまま含有しており数平均分子量が20万を超える場合がある。そのため、溶融混練時のPTFE粒子のフィブリル化による凝集を抑制するためには、好ましくは、PTFE粒子の数平均分子量を20万以下にコントロールした乳化重合プロセスを経て得た水分散体、または放射線等で処理して数平均分子量を20万以下に下げたPTFE粒子を水へ分散して得られる水分散体が望ましいものとなる。
本発明では、上記1)、2)の溶融混練方法などにより、上記特性のPTFE粒子を熱可塑性樹脂へ均一に分散することによって、熱可塑性樹脂本来の性能を損ねることなく、PTFEの性能を付与することができる。また、後述するように、繊維材料やフィルム材料などに成形した際に、粗大粒子が存在しないため、繊維の断裂やフィルムの欠陥などなく成形が可能となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、中空成形、カレンダー成形、圧縮成形、真空成形、発泡成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形でき、また、ペレット状、板状、繊維状、ストランド状、フィルム又はシート状、パイプ状、中空状、箱状等の形状に成形することができる。
このようにして得られた本発明の成形品は、熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散でき、熱可塑性樹脂本来の性能を損なわないので、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性、高摺動性、防汚性、耐熱性、難燃性、耐擦過性などを付与した熱可塑性樹脂組成物の成形品が得られるものとなり、特に薄厚の成形品や細長の成形品、繊維材料やフィルム材料の場合、格別の効果を有するものとなる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物から繊維材料を製造する場合には、公知の紡糸・延伸技術を使用することができる。例えば、溶融紡糸して作製される繊維材料(糸)、溶融紡糸した糸や押出機から吐出されたストランドを、一旦巻き取ってから延伸する方法や、溶融紡糸した糸や押出機から吐出されたストランドを一旦巻き取ることなく連続して延伸する方法が利用される。
繊維材料の用途により変動するものであるが、好ましくは、PTFEの機能を効果的に発現させるための繊維比表面積確保の点から、繊維の直径は1000μm以下、より好ましくは、1~100μmのものが望ましい。
また、芯鞘の繊維では、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂を芯とし、鞘部分を本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた芯鞘構造を有するものでは、PTFEの効果を発現させたい繊維表面だけに、本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物を配置し、熱可塑性樹脂の構成比を上げることで、より強度を強くし、比較的高価であるPTFEの使用量を抑制してコストを下げることも有効である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物からフィルム材料を製造する場合には、公知のフィルム成形技術を使用することができる。例えば、押出機にTダイを配置してフラットフィルムを押し出す方法(溶融押出成形法)や、さらにこのフィルムを一軸または二軸方向に延伸して延伸フィルムを得る方法や、押出機にサーキュラーダイを配置して円筒状フィルムをインフレートするインフレーション法などの方法が利用される。
更に、二軸押出機で本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する場合には、その二軸押出機から直接、前記の製糸工程または製膜工程を実施するようにしても良い。
フィルム材料の用途により変動するものであるが、好ましくは、含有されるPTFEの機能を効果的に利用するための経済性の点から、フィルムの厚みは1000μm以下、より好ましくは、1~300μmのものが望ましい。
また、多層構造のフィルム材料では、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂の層を有し、少なくとも、その表面の層を本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた層を有するフィルムでは、PTFEの効果を発現させたいフィルム表面だけに、本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物を配置し、熱可塑性樹脂の構成比を上げることで、より強度を強くし、比較的高価であるPTFEの使用量を抑制してコストを下げることも有効である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体の用途は、コネクター、コイルをはじめとして、各種端子板、プリント基板、半導体、液晶、有機EL、アンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電機・電子部品用途に適している他、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、スイッチ基板、他極ロッド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品用途、VTR部品、テレビ部品、音響部品、DVD等の音声・映像機器部品、照明部品、パソコン等の電子機器筐体に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、携帯電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品などに代表される機械関連部品:顕微鏡、カメラ等に代表される光学機器、精密機械関連部品などに好適に使用される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、フィルム材料の用途として特に好適であり、自動車電装部品用フィルム、医療機器用フィルム、電気・電子機器部材用フィルム等に好適に使用される。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、繊維材料の用途として特に好適であり、長繊維、短繊維、モノフィラメント、捲縮加工糸等のいずれでも良く、用途としても、繊維だけでなく織物や編物、フェルトなどの多様な繊維材料の形態にでき、更に、ベアリングをはじめとする様々な摺動部品のオイルレス化やメンテナンスフリーに役立つものとなる。
このように構成される本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散でき、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性、高摺動性、防汚性、耐熱性、難燃性、耐擦過性などを付与した熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料などが得られるものとなる。
以下に、本発明について、更に実施例、比較例を参照して詳しく説明する。なお、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1~6及び比較例1~7〕
下記表1に示す配合処方(熱可塑性樹脂、各数平均分子量及び一次粒子径のPTFE粒子、相溶剤、配合単位:質量部)、押出機として東芝機械社製TEM-26SS型を用いて混練押出温度260℃にて、熱可塑性樹脂組成物(ペレット:φ2×4mm)を得た。
PTFE粒子量が多い配合処方では、分散させる剪断をより必要とするようなことがあるため、配合処方に応じてバレルの長さ、及びスクリューの回転数を適宜変更した。
また、PTFE水分散体2(MPT-W5)は、下記の調製法により得たものを使用した。
〔PTFE水分散体2(MPT-W5)の調製方法〕
イオン交換水100質量部に、フッ素系界面活性剤17.6質量部を溶解させた液に、数平均分子量2.5万、一次粒子径0.22μmのPTFEマイクロパウダー176質量部を混合し攪拌し、次いで、ビーズミルを用いて所望の粒度分布が得られるまで分散した。分散後、10μmのフィルターで濾過をし、実施例2に供するPTFE水分散体2(MPT-W5)を調製した。
得られた熱可塑性樹脂組成物について、下記各評価方法により、ペレット外観、ペレット強度、成形板滑り性、紡糸性(繊維径50μm、繊維径20μm)、フィルム製膜性(フィルム厚50μm、フィルム厚25μm)について評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
(ペレット外観の評価方法)
得られた熱可塑性樹脂組成物(ペレット)断面のPTFE凝集物をキーエンス社製VHX-1000(1000倍)により観察することで、PTFEの分散状態を評価した。分散状態は、3視野中の凝集物の量を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:5μm未満の白い凝集体が3個以下。
△:5μm以上の白い凝集体が4個以上、かつ、10μm以上の白い凝集体が2個未満。
×:10μm以上の白い凝集体が2個以上。
(ペレット強度の評価方法)
得られた熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を鋼板で挟み込み、φ2mmの径が1mmになるまで圧縮し、ペレットの状態を観察して、ペレット強度を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:変形しているのみ。
△:変形して亀裂が生じている。
×:割れて複数の破片となっている。
(成形板滑り性の評価方法)
得られた熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を用いて、JIS K 7218 A法により測定し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:摩擦係数がPTFEを含有しないブランク樹脂の80%未満。
△:摩擦係数がPTFEを含有しないブランク樹脂の80%以上100%未満。
×:摩擦係数がPTFEを含有しないブランク樹脂と同等かそれよりも悪い。
〔紡糸性(繊維径50μm、繊維径20μm)及びフィルム製膜性(フィルム厚50μm、フィルム厚25μm)の評価方法〕
得られた熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を用いて、東洋精機製作所社製押出成形機ラボプラストミルで、混練押出温度260℃にて適切なダイスを選択し、紡糸及び製膜を行った。繊維径及びフィルム厚は、押出後の巻き取り速度を調整することで狙いの寸法を得た。その巻き取り工程において、紡糸性と製膜性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:押出後に巻き取りすることができる。
△:押出後の巻き取りで頻繁に糸またはフィルムが切れる。
×:押出不可、または押出後に巻き取れないほど糸またはフィルムが良く切れる。
Figure 0007027072000001
Figure 0007027072000002
上記表1及び表2から明らかなように、本発明の範囲内である実施例1~6は、本発明の範囲外である比較例1~7に較べて、熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散でき、成形性、高摺動性等に優れることが判った。
比較例を個別的にみると、比較例1はPTFE粒子を含有しない場合であり、比較例2、3及び7は、平均一次粒子径又は数平均分子量が本発明の範囲外となるものであり、比較例4~6は、PTFE粒子の含有量が本発明の範囲外となるものであり、これらの場合には、本発明の効果が発揮できない(成形不可を含む)ものであった。
なお、実施例5においては、フィブリル化により押出圧力の上昇が確認された。また、ペレット外観評価において、5μm以上の凝集体が確認されたにも関わらず、その他の評価が良好であった。これは、PTFEのフィブリル化が成形できる限界のレベル手前まで進行したため、熱可塑性樹脂組成物中において、PTFE繊維のネットワークが形成されたためと思料される。
熱可塑性樹脂中へポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を凝集なく均一に分散でき、成形性に優れ、PTFE特有の機能である、撥水性、撥油性、電気特性、高摺動性、防汚性、耐熱性、難燃性、耐擦過性などを付与した各種端子板、プリント基板、半導体、液晶、有機EL、アンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電機・電子部品用途などに好適な熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料が得られる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂100質量部と、該熱可塑性樹脂100質量部に対して、SEM観察による平均一次粒子径が1μm以下であり、DSC法による数平均分子量が20万以下であるPTFE粒子が0.1~60質量部となるように水に分散された水分散体とを混合し、水分散体に含まれる水の揮発と熱可塑性樹脂の溶融混練を連続的に行うことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は、ペレット断面のPTFE粒子凝集物の1000倍の観察による3視野中の10μm以上の白い凝集体が2個未満であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物を溶融紡糸して繊維材料を製造することを特徴とする繊維材料の製造方法。
  4. 前記繊維材料は、繊維の径が1000μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の繊維材料の製造方法。
  5. 前記繊維材料は、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂を芯とした芯鞘構造を有する請求項3又は4に記載の繊維材料の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物を溶融押出成形してフィルム材料を製造することを特徴とするフィルム材料の製造方法。
  7. フィルムの厚みが1000μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のフィルム材料の製造方法。
  8. 前記フィルム材料は、PTFE粒子を含有しない熱可塑性樹脂の層を有する請求項6又は7に記載のフィルム材料の製造方法
JP2017168134A 2017-09-01 2017-09-01 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法 Active JP7027072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017168134A JP7027072B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017168134A JP7027072B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019044066A JP2019044066A (ja) 2019-03-22
JP7027072B2 true JP7027072B2 (ja) 2022-03-01

Family

ID=65815421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017168134A Active JP7027072B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7027072B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7078441B2 (ja) * 2018-04-05 2022-05-31 三菱鉛筆株式会社 ポリテトラフルオロエチレン水性分散体
JP7261657B2 (ja) * 2019-05-20 2023-04-20 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ミリ波レーダー部材用熱可塑性樹脂組成物、成形体並びに樹脂組成物の製造方法
US20220325037A1 (en) * 2019-05-20 2022-10-13 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Thermoplastic resin composition for millimeter-wave radar member, molded article, and method for producing resin composition
CN112492765B (zh) * 2020-11-17 2022-08-16 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种微波复合介质基片制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004277674A (ja) 2003-03-19 2004-10-07 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP2005306934A (ja) 2004-04-19 2005-11-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物、及びそのマスターバッチ
JP2016066036A (ja) 2014-09-18 2016-04-28 グンゼ株式会社 画像形成装置用ベルト
WO2016143548A1 (ja) 2015-03-09 2016-09-15 株式会社クレハ フッ化ビニリデン系樹脂組成物、樹脂成形体、樹脂フィルム、及び保護シート
WO2017038737A1 (ja) 2015-08-31 2017-03-09 三菱瓦斯化学株式会社 難燃ポリカーボネート樹脂組成物、それを用いたシート及びフィルム、ならびにそれらの製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0226919A (ja) * 1988-07-15 1990-01-29 Toray Ind Inc 低摩擦特性と防汚性に優れた繊維
JPH04323257A (ja) * 1991-04-22 1992-11-12 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004277674A (ja) 2003-03-19 2004-10-07 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP2005306934A (ja) 2004-04-19 2005-11-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物、及びそのマスターバッチ
JP2016066036A (ja) 2014-09-18 2016-04-28 グンゼ株式会社 画像形成装置用ベルト
WO2016143548A1 (ja) 2015-03-09 2016-09-15 株式会社クレハ フッ化ビニリデン系樹脂組成物、樹脂成形体、樹脂フィルム、及び保護シート
WO2017038737A1 (ja) 2015-08-31 2017-03-09 三菱瓦斯化学株式会社 難燃ポリカーボネート樹脂組成物、それを用いたシート及びフィルム、ならびにそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019044066A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7027072B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた繊維材料、フィルム材料の各製造方法
JP2019527251A (ja) 正温度係数を有する導電性成形体
EP3268415B1 (en) Process for the preparation of composite articles having enhanced electrical properties
JP5410949B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物及び薄肉成形体
US9424959B2 (en) Conductive full vulcanized thermoplastic elastomer and its preparation method
CN104769016A (zh) 聚烯烃和有机聚硅氧烷的共混物的生产
CN104136504A (zh) 导电性树脂组合物的制造方法和导电性树脂组合物
WO2016010127A1 (ja) フィルム及びその製造方法
JP5503071B1 (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、成形品及び難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法
JP6079922B2 (ja) 耐熱性シートおよびその製造方法
US20090197083A1 (en) Heat-resistant resin composition and insulated wire insulated therewith
JP6121927B2 (ja) 再生熱可塑性樹脂組成物
JP2009073989A (ja) フライアッシュを含有する樹脂組成物
JP5151096B2 (ja) ポリ乳酸樹脂を含む樹脂組成物、絶縁材、それを用いた電線/ケーブルならびに電子又は電気機器
Maou et al. Synergistic effects of metal stearate, calcium carbonate, and recycled polyethylene on thermo-mechanical behavior of polyvinylchloride
WO2006126755A1 (en) Polyester resin composition for covering material of cable and cable using the same
JP2008112669A (ja) 被覆ワイヤーおよびその製造方法
JP2015013913A (ja) 微多孔質膜、その製造方法および電池用セパレータ
JPH11323031A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物
JP6582701B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP6961920B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品
JP2005268082A (ja) 絶縁電線被覆材
JP7139336B2 (ja) 樹脂繊維およびその製造方法
JP6837336B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
WO2021039400A1 (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210617

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211122

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211122

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211130

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20211207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7027072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150