JP7026573B2 - ホーンアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、導波管部とホーン部とにより構成されるホーンアンテナに関するものである。
従来から、マイクロ波帯やミリ波帯の高周波信号を用いた無線通信において、導波管を伝搬する電磁波を放射するホーンアンテナが知られている。一般的なホーンアンテナは内部が中空の金属からなるホーン部を備え、アンテナ開口面に近付くほどホーン部の径が拡がる構造を有するため、ホーンアンテナの小型化や軽量化には適していない。一方、このような問題を克服するために、誘電体を用いて導波管及びホーン部を構成したホーンアンテナが提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。この種のホーンアンテナでは、内部が空気の構造に比べ、誘電体の誘電率に応じて導波管部とホーン部の両方の小型化が可能であり、その結果として軽量化も期待することができる。
特許第5669043号公報 特許第5616927号公報 特開平6-53711号公報 特許第4243013号公報
ホーンアンテナの設計に際し、導波管部に入力された高周波信号がホーン部から放射空間に至る導波路のインピーダンスの整合をとることが重要となる。しかしながら、誘電体を用いたホーンアンテナは、誘電率の差に起因して放射空間とのインピーダンス不整合が生じることにより、反射特性が劣化するという問題がある。従って、従来のホーンアンテナでは、誘電体を用いることによる小型軽量化と良好な反射特性の実現とを両立することは困難であった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、誘電体を用いて導波管部及びホーン部を構成する場合において、導波路におけるインピーダンス不整合による反射特性の劣化を有効に防止しつつ、小型化及び軽量化に適したホーンアンテナを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明のホーンアンテナは、第1誘電体部材(11)と前記第1誘電体部材の少なくとも一部を取り囲む第1金属部材(12)とにより構成され、前記第1金属部材によって軸線方向(X)に延びる第1導波路が画定される導波管部(10)と、前記軸線方向における前記導波管部の端部に接続されたホーン部(20)であって、第2誘電体部材(21)と前記第2誘電体部材の少なくとも一部を取り囲む第2金属部材(22)とにより構成され、前記第2金属部材によって前記第1導波路と接続される第2導波路が画定され、前記第2導波路が前記第1導波路から離れるにしたがって拡径するホーン部とを備えて構成され、前記第1誘電体部材の一部に複数の空隙(30)を設けたことを特徴としている。
本発明のホーンアンテナによれば、ホーンアンテナに入力された高周波信号は、導波管部及びホーン部の第1及び第2金属部材により画定される導波路を伝搬し、その際の反射特性は導波路の内部の第1及び第2誘電体部材の誘電率に依存する。このとき、導波管部の第1誘電体部材における複数の空隙が存在する領域では、誘電体の誘電率に比べて見かけの誘電率を下げることができ反射特性の向上に効果がある。そして、複数の空隙が存在する領域の境界で多重反射を生じ、それが電磁界の共振現象を引き起こすことで特定の周波数帯域(減衰極)の近傍では反射が十分に小さくなる。
本発明において、導波管部の第1金属部材には、複数の柱状導体部を配列したポスト壁を設けることができる。同様に、ホーン部の第2金属部材には、複数の柱状導体部を配列したポスト壁を設けることができる。例えば、誘電体シート積層技術を適用する場合には、ホーンアンテナの作製に用いる多層の誘電体シートにポスト壁を容易に形成することができる。
本発明において、導波管部の第1誘電体部材は多様な手法で形成することができる。例えば、第1誘電体部材として、複数の誘電体層が積層された積層体を用いてもよい。また例えば、第1誘電体部材として、一体的に形成された誘電体ブロックを用いてもよい。
本発明において、導波管部の第1導波路を、複数の空隙を含む第1の領域と、前記複数の空隙を含まない第2の領域とに区分することができる。この場合、第1の領域の一端を第2導波路に接続しつつ、第1の領域を第2の領域と第2導波路との間に配置することが望ましい。これにより、第1の領域では見かけの誘電率が下がり、その両端の境界で生じる多重反射により減衰極の近傍で反射を極めて小さくすることができる。
本発明において、複数の空隙は多様な構造で形成することができる。複数の空隙の典型的な構造としては、第1誘電体部材を貫く複数の貫通孔に空気が充填された構造を挙げることができる。
本発明によれば、誘電体を用いて導波管部及びホーン部を構成して小型軽量化を実現しつつ、導波管部を構成する第1誘電体部材の一部に複数の空隙を設けることで、見かけの誘電率を低下させ、インピーダンス不整合に起因する反射特性の劣化を有効に防止して高性能のホーンアンテナを実現することができる。
第1の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。 図1のホーンアンテナの金属部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図である。 図1のホーンアンテナをY方向から見たA-A断面(図2)における断面図である。 導波管部10の領域A1における複数の空気ビア30の配列に関する変形例を示す図である。 第2の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。 図5のホーンアンテナのポスト壁12a以外の金属部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図である。 図5のホーンアンテナをY方向から見たB-B断面(図6)における断面図である。 第3の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。 図8のホーンアンテナの誘電体部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図である。 図8のホーンアンテナの誘電体部材を除去した状態をY方向の一方から見た側面図である。 誘電体シートを積層して形成した誘電体ブロックに関し、複数の空気ビアを形成する場合の2通りの模式的な断面構造を示す図である。 第2の構造例に係るホーンアンテナを用いた電磁界シミュレーションにより、所定の周波数範囲における反射特性を示す図である。 図12との対比のため、誘電体部材11に複数の空気ビア30を設けない構造のホーンアンテナの反射特性を示す比較例である。 図12との対比のため、ホーン部20を接続せずに導波管部10のみによる反射特性を示す比較例である。 第2の構造例に係るホーンアンテナを用いた電磁界シミュレーションにより、複数の空気ビア30のX方向の列数を変化させた場合の反射特性を示す図である。 図15の条件から複数の空気ビア30のX方向の列数を14列に増加させた場合の反射特性を示す図である。 図15の条件から複数の空気ビア30のX方向の列数を21列に増加させた場合の反射特性を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態は、本発明を具体化したホーンアンテナについて説明を行う。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
以下、図1~図4を用いて、本発明を適用したホーンアンテナの第1の構造例について説明する。なお、図1~図3においては、説明の便宜のため、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向をそれぞれ矢印にて示している。図1は、第1の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。また、図2は、図1のホーンアンテナの後述の金属部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図であり、図3は、図1のホーンアンテナをY方向から見たA-A断面(図2)における断面図である。
図1に示すように、第1の構造例に係るホーンアンテナは、入力された高周波信号を伝送する導波管部10と、導波管部10を伝送された信号を空間に放射するホーン部20とにより構成される。図2及び図3に示すように、導波管部10は、矩形断面を有する誘電体部材11(本発明の第1誘電体部材)の一部(上下面及び側面)を導電材料からなる金属部材12(本発明の第1金属部材)で取り囲んだ構造を有する。同様に、ホーン部20は、導波管部10の位置から離れるに従って拡径する矩形断面を有する誘電体部材21(本発明の第2誘電体部材)の一部(上下面及び側面)を導電材料からなる金属部材22(本発明の第2金属部材)で取り囲んだ構造を有する。
導波管部10とホーン部20とは、所定位置の境界面P1で互いの端部同士が接続されている。導波管部10の金属部材12は、入力面P2から境界面P1まで軸線方向であるX方向に延びる導波路(本発明の第1導波路)を画定し、ホーン部20の金属部材22は、境界面P1からアンテナ開口面P3までX方向に延びる導波路(本発明の第2導波路)を画定する。導波管部10の入力面P2とホーン部20のアンテナ開口面P3は、金属部材12、22で覆われず、誘電体部材11、21が露出している。
図2及び図3に示すように、X方向においては、導波管部10及びホーン部20はそれぞれ所定の長さで形成される。また、Y方向及びZ方向において、導波管部10が所定の幅(Y方向)及び高さ(Z方向)の矩形断面に形成され、導波路の連続性からホーン部20も境界面P1の位置では同じサイズの矩形断面に形成される。一方、ホーン部20は導波管部10から離れるに従いZ方向のみ拡径しており、アンテナ開口面P3の位置で高さ(Z方向)が境界面P1の位置に比べて大きくなっている。ただし、図1~図3は一例であって、ホーン部20はアンテナ開口面P3の側でY方向又はZ方向のいずれか一方が拡径してもよいし、Y方向とZ方向の両方が拡径してもよい。なお、導波管部10及びホーン部20のサイズは、金属部材12、22が非常に薄いため、誘電体部材11、21のサイズと概ね一致する。本実施形態のホーンアンテナの設計に際し、導波管部10及びホーン部20の各サイズは、伝送信号の周波数やモード等に応じて適宜に設定される。
導波管部10は、境界面P1の側の領域A1(本発明の第1の領域)と、境界面P1に対向する入力面P2の側の領域A2(本発明の第2の領域)とに区分される。このうち、領域A1は、誘電体部材11にZ方向に貫く複数の貫通孔に空気が充填された複数の空隙(以下、「複数の空気ビア」という)30を有しているのに対し、領域A2は空気ビア30を有していない。図2及び図3に示すように、領域A1の複数の空気ビア30は、互いに同一径の複数の円柱状ビアからなり、X方向及びY方向に等間隔で配列されている。本実施形態において、複数の空気ビア30の役割は、導波路の一部である領域A1の見かけの誘電率を低下させ、これにより所望の周波数帯域で反射特性を向上させることにある。
領域A1において、空気ビア30が存在しない位置(隣接する空気ビア30の間)では、誘電体部材11の誘電材料が有する所定の誘電率(比誘電率εで表す)を有するが、空気ビア30の形成位置では空気の誘電率(比誘電率1)を有する。この場合、領域A1の特性に関し、領域A1における複数の空気ビア30の体積占有率に応じて変化する見かけの誘電率(比誘電率1~εの範囲内)を想定することができる。すなわち、導波管部10の領域A2とホーン部20は誘電材料に応じた高い誘電率を有するとしても、導波管部10の領域A1では両側に比べて見かけの誘電率が低下することになる。
ここで、導波管部10からホーン部20に至る導波路を伝送する信号は、2つの領域A1、A2の間の境界、及び、領域A1とホーン部20との間の境界面P1とで、誘電率の違いによる多重反射を生じることになる。この場合、伝送信号の周波数や領域A1の構造に応じて多重反射の影響が異なるが、特定の周波数の近傍では多重反射の影響で反射特性が向上することが確認された。換言すれば、伝送信号の所望の周波数について反射特性が最適となるように、領域A1のサイズや複数の空気ビア30の配置、形状等に基づいて調整することが可能である。この点については後述する。
本実施形態において、複数の空気ビア30の配置、形状等は、図1~図3の構造には限定されることなく、多様な変更が可能である。例えば、複数の空気ビア30は、図2に比べて、より小さい直径としてもよいし、より大きい直径としてもよい。また、隣接する空気ビア30の間隔は、図2に比べ、より狭くしてもよいし、より広くしてもよい。この場合、領域A1には、直径及び間隔がそれぞれ異なる複数の空気ビア30を配列することができる。さらに、複数の空気ビア30は、図2に比べ、より高密度に配置して体積占有率を増やしてもよいし、より低密度に配置して体積占有率を減らしてもよい。
図4は、領域A1における複数の空気ビア30の配列に関する変形例を示している。複数の空気ビア30は、図2のようにX方向及びY方向で位置が揃った配列には限られず、例えば、図4(a)のように千鳥配置としてもよい。また、複数の空気ビア30を有する領域A1は、ホーン部20に隣接する配置に限られず、例えば、図4(b)のように領域A1の両側に空気ビア30を有していない領域A2を配置してもよい。また、領域A1の外形は自在に形成でき、例えば、図4(c)のように領域A1の形状がXY面内でテーパ状となるように形成してもよい。また、図4(d)のように、領域A1自体が2以上の領域に跨った配置(領域A2も同様)としてもよい。以上のように、本実施形態では、導波管部10の誘電体部材11の一部に複数の空隙である複数の空気ビア30を設けた多様な構造を採用することが可能である。
また、各々の空気ビア30は円柱ビアには限られず、四角柱ビアなどの多様な断面形状のビアを用いることができる。この場合、複数の空気ビア30において、それぞれの断面形状が異なるビアが混在してもよい。さらに、各々の空気ビア30のZ方向の形状については、図3のように誘電体部材11をZ方向に貫く複数の貫通孔を用いる場合に限られず、誘電体部材11においてZ方向の上下が閉じた構造の複数のキャビティを形成してもよい。
次に、図5~図7を用いて、本発明を適用したホーンアンテナの第2の構造例について説明する。図5は、第2の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。また、図6は、図5のホーンアンテナのポスト壁12a以外の金属部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図であり、図7は、図5のホーンアンテナのY方向の一方から見たB-B断面(図6)における断面図である。なお、図5~図7におけるX、Y、Zの各方向は図1~図3と共通である。
第2の構造例に係るホーンアンテナは、第1の構造例と同様、導波管部10とホーン部20とにより構成される。第2の構造例において、第1の構造例と異なる点は、導波管部10の金属部材12のXZ平面に沿った両側の側面にポスト壁12aを形成した点である。ポスト壁12aは、誘電体部材11をZ方向に貫く複数の貫通孔に導電材料が充填された複数の柱状導体部を配列したものであり、所謂ポスト壁導波路を構成する。なお、ポスト壁12aをポスト壁導波路として機能させるには、隣接する柱状導体部の間隔を伝送信号の波長よりも小さく設定する必要がある。
また、第2の構造例において、図5ではポスト壁12aの外部の誘電体部材11は図示されないが、ポスト壁12aを形成するために誘電体部材11のY方向の幅が、第1構造例における幅に比べて大きくなっている(図6参照)。よって、ポスト壁12aは、誘電体部材11を含む積層基板の内部に配置され、その側面が誘電体で覆われる構造になっている。図5~図7から明らかなように、それ以外の構造については、複数の空気ビア30の配置やホーン部20の構造を含めて第1の構造例と共通であり、ホーンアンテナの作用効果についても第1の構造例と概ね共通であるため、説明を省略する。
次に、図8~図10を用いて、本発明を適用したホーンアンテナの第3の構造例について説明する。図8は、第3の構造例に係るホーンアンテナの全体構造を示す斜視図である。また、図9は、図8のホーンアンテナの誘電体部材を除去した状態でZ方向の上方から見た上面図であり、図10は、図8のホーンアンテナの誘電体部材を除去した状態でY方向の一方から見た側面図である。なお、図8~図10におけるX、Y、Zの各方向は図1~図3、図5~図7と共通である。
第3の構造例に係るホーンアンテナは、第2の構造例と比べて、導波管部10の構造は同様であるが、ホーン部20の構造に違いがある。具体的には、導波管部10に第2の構造例と同様のポスト壁12aが形成されることに加え、ホーン部20の金属部材22にもポスト壁22aが形成されている。なお、図9及び図10では、誘電体部材11を除去しているため図示されないが、第2の構造例と同様、複数の空気ビア30が設けられている。ポスト壁22aは、誘電体部材11をZ方向に貫く複数の貫通孔に導電材料が充填された複数の柱状導体部を配列したものであるが、ホーン部20の外形により、アンテナ開口面P3に近付くほどポスト壁22aのサイズがZ方向に拡がり、かつ位置がY方向に拡がっている。よって、導波管部10のポスト壁12aとは異なり、境界面P1及びアンテナ開口面P3以外の4面に階段状のポスト壁22a及び導体層22bが配置される。なお、ポスト壁22aのうち隣接する柱状導体部の間隔を伝送信号の波長よりも小さく設定する必要がある点は、第2の構造例と同様である。
また、第3の構造例では、導波管部10のポスト壁12a及びホーン部20のポスト壁22aを一体的に形成するために、両方の誘電体部材11、21を含む全体が1つの積層基板の内部に配置される。よって、ポスト壁12a、22aは、誘電体部材11、21を含む積層基板の内部に配置され、それぞれの側面が誘電体で覆われる構造になっている。また、ホーン部20の金属部材22のうち上面と下面は、積層基板のうちの高さが異なる複数の導体層22bにより階段状に構成される。それ以外の構造については、第2の構造例と共通であり、ホーンアンテナの作用効果についても第1及び第2の構造例と概ね共通であるため、説明を省略する。
以下、上述の第1、第2、第3の構造例に係るホーンアンテナの作製方法の概要について説明する。まず、第1及び第2の構造例に係るホーンアンテナの作製に際しては、導波管部10とホーン部20とを別々に形成する。そして、第1の構造例の導波管部10を形成するには、誘電体シート積層技術を用いる第1の手法と、誘電体粉末をプレス成形する第2の手法がある。第1の手法を採用する場合は、所定サイズの誘電体シートに複数の空気ビア30となる複数の貫通孔を形成し、この過程を同様の誘電体シートに繰り返すことで、多層の誘電体シートを積層した誘電体ブロックを得る。一方、第2の手法を採用する場合は、プレス成形して得られた誘電体ブロックに対し、複数の空気ビア30となる複数の貫通孔を形成する。
次いで、複数の空気ビア30を有する誘電体ブロックのうち、図1の境界面P1及び入力面P2に面していない4面を取り囲む金属部材12を形成する。具体的には、金属部材12を構成する4面に導電ペーストを塗布する。この場合、導電ペーストに代え、板状の薄い導電板を誘電体ブロックの4面に接着剤等を用いて貼り付けてもよい。その後、誘電体ブロックを所定の温度で焼成することにより、誘電体部材11と金属部材12とからなる導波管部10が形成される。なお、誘電体部材11と金属部材12のそれぞれの材料に応じて、焼成工程を先行して行ってもよい。
ここで、誘電体シートを積層して形成した誘電体ブロックを用いる際、複数の空気ビア30となる複数の貫通孔に導電ペーストが入り込む可能性がある。この対策として、最下層及び最上層には複数の空気ビア30となる複数の貫通孔を形成しない誘電体シートを積層してもよい。具体的には、誘電体シートを積層して形成した誘電体ブロックに関し、図11(a)には、全ての層Lを貫く複数の空気ビア30(貫通孔)を形成する場合の模式的な断面構造を示し、図11(b)には、最下層La及び最上層Lbを除く各層Lを貫く複数の空気ビア30(キャビティ)を形成した場合の模式的な断面構造を示している。図11(a)、(b)において複数の空気ビア30がXY面内で同じ配置であるときは、図11(a)に比べて図11(b)の構造の方が、複数の空気ビア30の体積占有率は若干小さくなる。
一方、第2の構造例の導波管部10を形成するには、前述の誘電体シート積層技術を用いる第1の手法で誘電体ブロックを形成しつつ、各シートの積層時に複数の空気ビア30及びポスト壁12aとなる複数の貫通孔をそれぞれ形成する。なお、図11(a)、(b)を選択し得る点は、第1の構造例と同様である。このうち、ポスト壁12aとなる各貫通孔に導電材料を充填した後、誘電体ブロックのうち上面側と下面側(境界面P1、入力面P2、両側の側面を除く)の2面に導電ペーストを塗布するか、あるいは前述の導電板を接着材等で貼り付ける。なお、誘電体ブロックの前述の焼成工程については第1の構造例と同様である。以上により、誘電体部材11と金属部材12とからなる導波管部10が形成される。
次に、第1及び第2の構造例のホーン部20についても、誘電体シート積層技術を用いる第1の手法と、誘電体粉末をプレス成形する第2の手法とを採用することができる。この場合、ホーン部20の誘電体部材21を形成するには、所定方向に拡径したホーン形状を有するので、前述の第1の手法で多層の誘電体シートを積層した後に研磨等で成形するか、あるいは前述の第2の手法で金型等を用いたプレス成形によりホーン形状を有する誘電体ブロックを得られる。その後、この誘電体ブロックのうち、図1の境界面P1及びアンテナ開口面P3に面していない4面を取り囲む金属部材22を形成する。この場合の金属部材22の形成方法及び焼成工程については、前述の通りである。
最後に、第1又は第2の構造例において、前述のように形成した導波管部10とホーン部20とを接続面P1で接着剤等を用いて接合する。これにより、第1又は第2の構造例に係るホーンアンテナが完成する。
次に、第3の構造例に係るホーンアンテナの作製に際しては、導波管部10とホーン部20とを一体的に形成する。具体的には、誘電体シート積層技術を用いて多層の誘電体シートを積層し、各シートの積層時に複数の空気ビア30及びポスト壁12a、22aとなる複数の貫通孔を形成する。また、誘電体ブロックへの導電ペーストの塗布は、導波管部10については第2の構造例と同様である。一方、ホーン部20については階段状に形成される複数の導体層22b(図8)を順次積層する際に、それぞれ導電ペーストを塗布する必要がある。なお、誘電体ブロックの前述の焼成工程については第1及び第2の構造例と同様である。以上により、誘電体部材11及び金属部材12からなる導波管部10と、誘電体部材21及び金属部材22からなるホーン部20とが一体的に形成され、第3の構造例に係るホーンアンテナが完成する。
次に、本実施形態のホーンアンテナの作用効果を検証するために、電磁界シミュレーションにより得られた反射特性について説明する。図12は、第2の構造例に係るホーンアンテナを用いた電磁界シミュレーションにより、所定の周波数範囲における反射特性(反射係数であるSパラメータS11の変化)をグラフにして示す図である。また、図12との対比のため、図13は、誘電体部材11に複数の空気ビア30を設けない構造のホーンアンテナの反射特性を示す比較例であり、図14は、ホーン部20を接続せずに導波管部10のみによる反射特性を示す比較例である。
表1には、上記電磁界シミュレーションの条件である各設定値を示している。表1に示す設定値のうち、導波管部10とホーン部20のサイズ及び複数の空気ビア30のサイズ、配置等については、概ね図5~図7の構造に合致している。なお、表1のX、Y、Z方向の各サイズは導波管部10及びホーン部20の内寸(誘電体部材11、21のサイズ)であるが、金属部材12、22の導体厚みは0.01mmと薄いものとする。また、ホーン部20はE面ホーンであるとし、誘電体部材11、21の比誘電率は6とし、金属部材12、22(ポスト壁12a、22aを含む)の材質には銅を用いるものとする。
Figure 0007026573000001
図12に示す反射特性によれば、周波数27GHzの近傍に減衰極が発生しており、反射係数S11が十分に小さくなることがわかる。これに対し、図13及び図14に示す反射特性によれば、反射係数S11が最も小さい周波数帯域でも-10dBを下回ることはない。本実施形態のホーンアンテナの構造によれば、例えば、図5に示すように、導波管部10及びホーン部20からなる導波路を進行する高周波信号が、誘電率の異なる部分(境界面P1、領域A1、A2の境界等)で反射を繰り返すことで多重反射が生じる。すなわち、既に説明したように、複数の空気ビア30の配置を反映して領域A1の見かけの誘電率が領域A2及びホーン部20の誘電体部材21の誘電率に比べて低いため、少なくとも領域A1の両端で反射を生じることになる。そして、このような多重反射は電磁界の共振現象を引き起こし、その結果として特定の周波数帯域で減衰極を発生させるため、その周波数帯域での反射特性が向上するものである。従って、本実施形態のホーンアンテナでは、反射特性の減衰極に近い周波数帯域に用いることで、インピーダンス不整合による反射が極めて小さい低損失のホーンアンテナを実現することができる。
本実施形態のホーンアンテナにおける所望の使用周波数は、複数の空気ビア30の配置及び形状に基づいて調整することができる。図15は、第2の構造例に係るホーンアンテナを用いた電磁界シミュレーションにより、複数の空気ビア30のX方向の列数(図2参照)を変化させた場合の反射特性を比較して示している。ここでは、Y方向には7本の空気ビア30を配列しつつ、X方向の列数を4列、6列、8列、10列、12列と変化させるものとし、それ以外の条件については概ね表1で示した通りである。図15から明らかなように、複数の空気ビア30の列数が増加するほど、減衰極に対応する周波数が減少する関係にある。よって、図15の結果を踏まえつつ、複数の空気ビア30の適切な配置を定めることにより、本実施形態のホーンアンテナの使用周波数を任意に調整することができる。
また、図16及び図17は、本実施形態のホーンアンテナに関し、図15の条件から複数の空気ビア30のX方向の列数を更に増加させた場合の反射特性を示している。複数の空気ビア30のX方向の列数は、図16においては14列とし、図17においては21列としている。まず、図16の場合は2つの減衰極(26GHz近傍と29GHz近傍)が生じているので、2周波共用のホーンアンテナに応用することができる。また、図17の場合は3つの減衰極(27GHz近傍、24GHz近傍、30GHz近傍)が生じているので、3周波共用のホーンアンテナに応用することができる。以上のように、複数の空気ビア30の配置を適切に調整することで、本実施形態のホーンアンテナを複数の周波数帯域で共用させることも可能である。
なお、図12~図17では、第2の構造例を用いた電磁界シミュレーションの結果を説明したが、第1の構造例や第3の構造例を用いる場合あっても、概ね同様の作用効果を得ることができる。また、図12~図17では、複数の空気ビア30のX方向の列数を変えて調整を行っているが、複数の空気ビア30を有する領域A1のX方向のサイズを変えて調整を行ってもよい。さらに、複数の空気ビア30の個々のサイズ、形状、間隔や、複数の空気ビア30の体積占有率などについても反射特性に影響を与える要素であり、適切に調整することにより、本実施形態のホーンアンテナの使用周波数を任意に調整することができ、ひいては、2周波又は3周波共用のホーンアンテナに応用することができる。
以上説明したように、本実施形態のホーンアンテナの構造を採用することにより、導波管部10及びホーン部20により構成される導波路では、誘電体部材11、21の誘電率に比べ、複数の空気ビア30が存在する領域A1の見かけの誘電率が低下するため、入力された高周波信号の放射特性の向上に有効である。この場合、複数の空気ビア30が面する境界部では誘電率の違いによる多重反射の影響で反射特性に減衰極を発生させるので、複数の空気ビア30の形状と配置を適切に設定すれば、所望の周波数における反射係数を十分に小さくすることができる。本実施形態のホーンアンテナは、誘電体を用いて導波管部10及びホーン部20を構成しているため、小型化及び軽量化を犠牲にすることなく、ホーンアンテナの性能向上を実現することが可能である。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。例えば、本実施形態では、ホーンアンテナの形態として第1、第2、第3の構造例を提示したが、これ以外にも本発明を適用可能な多様な形態に対して広く本発明を適用することができる。さらに、その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
10…導波管部
11…誘電体部材
12…金属部材
20…ホーン部
21…誘電体部材
22…金属部材
30…空気ビア

Claims (8)

  1. 第1誘電体部材と前記第1誘電体部材の少なくとも一部を取り囲む第1金属部材とにより構成され、前記第1金属部材によって軸線方向に延びる第1導波路が画定される導波管部と、
    前記軸線方向における前記導波管部の端部に接続されたホーン部であって、第2誘電体部材と前記第2誘電体部材の少なくとも一部を取り囲む第2金属部材とにより構成され、前記第2金属部材によって前記第1導波路と接続される第2導波路が画定され、前記第2導波路が前記第1導波路から離れるにしたがって拡径するホーン部と、
    を備え、
    前記第1誘電体部材の一部に複数の空隙を設けたことを特徴とするホーンアンテナ。
  2. 前記第1金属部材は、複数の柱状導体部が配列されてなるポスト壁を有することを特徴とする請求項1に記載のホーンアンテナ。
  3. 前記第2金属部材は、複数の柱状導体部が配列されてなるポスト壁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のホーンアンテナ。
  4. 前記第1誘電体部材は、複数の誘電体層が積層された積層体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のホーンアンテナ。
  5. 前記第1誘電体部材は、一体的に形成された誘電体ブロックであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のホーンアンテナ。
  6. 前記第1導波路は、前記複数の空隙を含む第1の領域と、前記複数の空隙を含まない第2の領域とに区分され、
    前記第1の領域は前記第2導波路に接続されるとともに、前記第1の領域は前記第2の領域と前記第2導波路との間に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のホーンアンテナ。
  7. 前記複数の空隙は、前記第1誘電体部材を貫く複数の貫通孔に空気が充填された構造を有することを特徴とする請求項6に記載のホーンアンテナ。
  8. 前記複数の空隙は、互いに同一径の複数の円柱状のビアからなることを特徴とする請求項7に記載のホーンアンテナ。
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