JP7025004B2 - ヘルメット用シールド - Google Patents

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Description

本発明は、人息による曇りを防止できるようにしたヘルメット用シールドに関する。
自動二輪車乗用時に着用するヘルメットとして、フルフェースタイプとジェットタイプとがある。
フルフェースタイプのヘルメットのブレスガード取付構造は、特許文献1に開示されているように、周縁がトリムによって縁取られた前部開口部を有する本体の前記トリムの内側に沿ってデフロスタを取り付け、本体の前部開口部を開閉自在なシールドで覆うとともに、同前部開口部の下部周縁から内方へ延在するブレスガードを設けている(請求項1)。
また、ジェットタイプのヘルメットのシールドは特許文献2に開示されているように、顎部を開放した帽体の前面開口部を該帽体の左右両側部を支点として回動するシールドで覆い、且つそのシールドの軸支部に帽体の左右両側部に亘って装着者の顎部を覆うチンガードアームが回動・係止自在に取り付けている。
特許第2992969号公報 特許第2501415号公報
前記前者従来技術は、ブレスガードによって、人の吐く息がシールドに流れるのを阻止して、シールドが曇るのを防止できるようにしているが、チンガードアームが存在しないと、ブレスガードを取り付けるのが困難になっており、また、トリム及びデフロスタ等の多数の部品を必要としている。
ジェットタイプのヘルメットはシールドにブレスガードを設ける技術はなく、前記後者従来技術においても、シールドの下部にチンガードアームを備えていてもブレスガードはなく、シールドの曇り防止を行うことが困難になっている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたヘルメット用シールドを提供することを目的とする。
本発明は、シールド自体に口鼻対向凹部を形成してブレスガードとすることにより、人息の流れを簡単かつ確実に規制できるようにしたヘルメット用シールドを提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、頭部aを覆うヘルメット本体3に回動自在に装着されていて顔面a1前方のヘルメット本体3の開口部3Aを覆うシールドであって、
シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでをその周囲部位より前方向に突出する膨出部5を形成して膨出部5のシールド内面4B側に口鼻対向凹部5Bを形成していることを特徴とする。
第2に、前記シールド内面4Bの口鼻対向凹部5Bの外周部6は正面視略山形状であって、口鼻対向凹部5Bの下部は下方に開放されていることを特徴とする。
第3に、前記シールド内面4Bに口鼻対向凹部5Bの外周に顔面a1側に突出したガード部材7が取り付けられていることを特徴とする。
第4に、前記ガード部材7の取付部7aは、口鼻対向凹部5Bの外周部6又は口鼻対向凹部5Bの外周部6に隣接した周囲部位内面に取り付けられていることを特徴とする。
第5に、頭部aを覆うヘルメット本体3に回動自在に装着されていて顔面a1前方のヘルメット本体3の開口部3Aを覆うシールドであって、
シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでのシールド内面4Bに、顔面a1側に突出した正面視略山形状のガード部材7を取り付けて、ガード部材7で包囲される口鼻対向凹部5Bを形成していることを特徴とする。
また、本発明にかかるヘルメット用シールドの最も好ましい形態は、頭部aを覆うヘルメット本体3に回動自在に装着されていて顔面a1前方のヘルメット本体3の開口部3A
を覆うシールドであって、シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでをその周囲部位より前方向に突出する膨出部5を形成して膨出部5のシールド内面4B側に口鼻対向凹部5Bを形成しており、前記シールド内面4Bの口鼻対向凹部5Bの外周部6は正面視略山形状であって、口鼻対向凹部5Bの下部は下方に開放されており、前記シールド内面4Bに口鼻対向凹部5Bの外周部6の略山形状に沿って前記顔面a1側に突出したガード部材7が取り付けられており、前記シールド4を前記ヘルメット本体3の上方へ退避させた際に当該ヘルメット本体3の上部と非干渉なものとされていることを特徴とする。
本発明によれば、シールド自体に形成した口鼻対向凹部がブレスガードになっており、人息の流れを簡単かつ確実に規制できる。
即ち、請求項1に係る発明は、シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでをその周囲部位より前方向に突出する膨出部5を形成して、シールド内面4Bに口鼻対向凹部5Bを形成しているので、人息を口鼻対向凹部5Bに収容してシールド内面4B上部へ流れるのを規制し、簡単かつ確実に曇り止めができる。
請求項2に係る発明は、口鼻対向凹部5Bは外周部6が正面視略山形状でかつ下方に開放されているので、口鼻対向凹部5Bに収容した人息を下方へ容易に排出することができる。
請求項3に係る発明は、口鼻対向凹部5Bの外周に顔面a1側に突出したガード部材7が取り付けられているので、口鼻対向凹部5Bに収容した人息が漏れ出てきても、シールド内面4Bから遠くに離すことができ、シールド内面4Bを曇らせることをより抑制することができる。また、シールド下縁4Dからの風の巻き込みが軽減できる。
請求項4に係る発明は、ガード部材7を口鼻対向凹部5Bの外周部6に案内されて適正位置に取り付けることができる。
請求項5に係る発明は、シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでのシールド内面4Bに、顔面a1側に突出した正面視略山形状のガード部材7を取り付けて、ガード部材7で包囲される口鼻対向凹部5Bを形成しているので、人息を口鼻対向凹部5Bに収容してシールド内面4B上部へ流れるのを規制し、簡単かつ確実に曇り止めができる。
本発明の第1実施形態を示す断面側面図である。 同外形斜視図である。 シールドの平面図である。 本発明の第2実施形態を示す要部の断面図である。 本発明の第3実施形態を示す要部の断面図である。 本発明の第4実施形態を示す要部の断面図である。 本発明の第5実施形態を示す要部の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~3に示す第1実施形態において、ジェットタイプヘルメット1は、頭部aを覆うヘルメット本体3と、このヘルメット本体3に回動自在に装着されていて顔面a1前方のヘルメット本体3の開口部3Aを覆うシールド4とを備えている。
ジェットタイプはヘルメット本体3にチンガードアームが存在しないので、開口部3Aはヘルメット本体3の略全前面に形成されており、シールド4は顔面a1の略全前面を覆うことができ、覆い位置からヘルメット本体3の上方へ退避させることができる。
シールド4は側面視(図1)が大径曲率の略円弧形状であり、平面視(図3)が小径曲率の略円弧形状であり、左右側部にヘルメット本体3に回動自在にかつ着脱自在に装着される装着部4Cを有している。
シールド4のシールド前面部4Aには、頭部aの前面側の口a2及び鼻穴a3に対向した対向部位からシールド下縁4Dまで膨出部5を形成している。この膨出部5はその周囲部位より前方向に突出しており、従って、膨出部5のシールド内面4B側には口a2及び鼻穴a3に対向する口鼻対向凹部5Bが形成されている。
シールド4は全域が略同一肉厚であって、前方突出の膨出部5を表面に形成することは、裏面に口鼻対向凹部5Bが同時に形成される。シールド4は硬質ポリカーボネイト等の合成樹脂を真空成形にて成形されるので、膨出部5及び口鼻対向凹部5Bは金型を加工することにより容易に形成することができる。
前記口鼻対向凹部5Bはシールド内面4Bから2~20mmの段差をもっていることが好ましく、口鼻対向凹部5Bの外周部6は図2に示すような正面視略山形状であって、口鼻対向凹部5Bの下部は下方に開放されていて、人息が流出できかつ外気が流入可能になっている。
前記シールド内面4Bに口鼻対向凹部5Bの外周に顔面a1側に突出したガード部材7が取り付けられている。このガード部材7はゴム、軟質樹脂等で形成されており、正面視が口鼻対向凹部5Bの外周部6と同様な正面視略山形状であって、取付部7aと突出部7bとで断面が略L字形状になっている。
ガード部材7の取付部7aは突出部7bより口鼻対向凹部5B側に位置し、シールド内面4Bにおける口鼻対向凹部5Bの外周部6に隣接した周囲部位内面に接着剤又は両面接着テープ等を介して取り付けられている。このガード部材7は口鼻対向凹部5Bと相まって、人息がシールド内面4B側へ流出するのを強力に規制するブレスガードを構成する。
前記ガード部材7の突出部7bは、先端が顔面a1に近接することが好ましく、例えば、シールド内面4Bから2~15mmの突出量をもっており、突出部7bの幅(突出量)は中央上部が幅広で左右下部が幅狭になっている。このガード部材7の突出部7bは、シールド4をヘルメット本体3の上方へ退避させるときに、ヘルメット本体3の上部と干渉しない突出量とされている。
図4は本発明の第2実施形態を示しており、ガード部材7の取り付け構造が前記第1実施形態と異なり、突出部7bが取付部7aより口鼻対向凹部5B側に位置しており、その内面(下面)が断面円弧形状で、口鼻対向凹部5Bの外周部6と円弧状に円滑に接続するように形成されている。
図5は本発明の第3実施形態を示しており、ガード部材7の取り付け構造が前記第1実施形態と異なり、ガード部材7の取付部7aは口鼻対向凹部5Bの外周部6に接着されている。従って、断面において、取付部7aは口鼻対向凹部5Bの外周部6に、断面において円弧状に添接する形状になっている。ガード部材7の突出部7bは取付部7aの延長で円弧形状、又は直線形状に形成されている。
図6は本発明の第4実施形態を示しており、口鼻対向凹部5Bの外周部6のみでブレスガードを構成している。この外周部6は断面において前記第1実施形態より小径曲率の円弧であり、その内面はシールド内面4Bの口鼻対向凹部5B側の縁より僅かに上方に位置し、人息がシールド内面4Bへ流れるのを外周部6単独で規制できるようにしている。
図7は本発明の第5実施形態を示しており、シールド前面部4Aは膨出部5のない円滑な球面形状であり、シールド前面部4Aの口a2及び鼻穴a3に対向する部位からシールド下縁4Dまでのシールド内面4Bに、顔面a1側に突出した正面視略山形状のガード部材7を取り付けている。このガード部材7を取り付けることにより、シールド内面4Bにはガード部材7で包囲される口鼻対向凹部5Bを形成している。
前記第1~3実施形態では、膨出部5で口鼻対向凹部5Bを形成した上でさらにガード部材7が形成する口鼻対向凹部5Bを重合して深い口鼻対向凹部5Bを形成しているが、この第5実施形態ではシールド内面4Bにガード部材7のみで口鼻対向凹部5Bを形成している。
ガード部材7単独の口鼻対向凹部5Bは、前記第4実施形態と同様に、人息がシールド内面4Bへ流れるのをガード部材7単独で規制でき、また、シールド下縁4Dからシールド1内への風の巻き込みが軽減できる。
ヘルメット用シールド1は、人がヘルメット本体3を頭部aに被り、シールド1を下げて開口部3Aを覆う状態にしたとき、人が口a2又は鼻穴a3から吐く息は、前方の口鼻対向凹部5Bに収集され、口鼻対向凹部5Bの外周部6がシールド内面4Bで区画された凹みであることにより、人息がシールド内面4B側へ流れるのが規制される。
口鼻対向凹部5Bの外周部6に設けられたガード部材7は前記外周部6と相まって、人息が口鼻対向凹部5Bから流出してもシールド内面4Bから離れた顔面a1側へ案内し、シールド内面4Bへ流れるのを効果的に規制する。また、シールド下縁4Dからシールド1内への風の巻き込みが軽減でき、顔面a1への影響を抑制できる。
前記口鼻対向凹部5Bの外周部6もガード部材7も、人息を捕らえて拡散するのを規制する仕切り壁であり、巻き込み風が顔面a1の目へ至るのを規制する仕切り壁にもなっている。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、ガード部材7はシールド1のシールド内面4Bに一体成形してもよい。
ガード部材7は、取付部7aが全長略均一幅を有し、突出部7bも全長略均一幅に形成してもよい。
シールド内面4Bの口鼻対向凹部5Bの外周部6は、正面視逆U字形状に形成してもよい。
シールド1はジェットタイプ用として例示したが、チンガードアームを有するフルフェースタイプのヘルメットのシールドに適用してもよい。
1 シールド
3 ヘルメット本体
3A 開口部
4 シールド
4A シールド前面部
4B シールド内面
4C 装着部
4D シールド下縁
5 膨出部
5B 口鼻対向凹部
6 外周部
7 ガード部材
7a 取付部
7b 突出部
a 頭部
a1 顔面
a2 口
a3 鼻穴

Claims (2)

  1. 頭部(a)を覆うヘルメット本体(3)に回動自在に装着されていて顔面(a1)前方のヘルメット本体(3)の開口部(3A)を覆うシールドであって、
    シールド前面部(4A)の口(a2)及び鼻穴(a3)に対向する部位からシールド下縁(4D)までをその周囲部位より前方向に突出する膨出部(5)を形成して膨出部(5)のシールド内面(4B)側に口鼻対向凹部(5B)を形成しており、
    前記シールド内面(4B)の口鼻対向凹部(5B)の外周部(6)は正面視略山形状であって、口鼻対向凹部(5B)の下部は下方に開放されており、
    前記シールド内面(4B)に口鼻対向凹部(5B)の外周部(6)の略山形状に沿って前記顔面(a1)側に突出したガード部材(7)が取り付けられており、
    前記シールド(4)を前記ヘルメット本体(3)の上方へ退避させた際に当該ヘルメット本体(3)の上部と非干渉なものとされていることを特徴とするヘルメット用シールド。
  2. 前記ガード部材(7)の取付部(7a)は、口鼻対向凹部(5B)の外周部(6)又は口鼻対向凹部(5B)の外周部(6)に隣接した周囲部位内面に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載のヘルメット用シールド。
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