JP7024460B2 - 接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦攪拌による接合方法に関する。
摩擦攪拌接合に用いられる回転ツールとして、ショルダ部と、ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを備えたものが知られている。当該回転ツールは、ショルダ部の下端面を金属部材に押し込んだ状態で摩擦攪拌接合を行うというものである。ショルダ部を金属部材に押し込むことにより塑性流動材を押えてバリの発生を抑制することができる。しかし、接合の高さ位置が変化すると欠陥が発生しやすく、凹溝が大きくなるとともにバリが多く発生するという問題がある。
一方、攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて二つの金属部材を接合する摩擦攪拌接合方法であって、金属部材同士の突合部に回転した攪拌ピンを挿入し、攪拌ピンのみを金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行う本接合工程を含むことを特徴とする摩擦攪拌接合方法が知られている(特許文献1)。当該従来技術によれば、攪拌ピンの外周面には螺旋溝が刻設されており、攪拌ピンのみを被接合部材に接触させつつ基端部を露出させた状態で摩擦攪拌接合を行うため、接合の高さ位置が変化しても欠陥の発生を抑制することができるとともに、摩擦攪拌装置への負荷も軽減することができる。しかし、ショルダ部で塑性流動材を押えないため、金属部材の表面の凹溝が大きくなるとともに、接合表面粗さが大きくなるという問題がある。また、凹溝の脇に膨出部(接合前に比べて金属部材の表面が膨らむ部位)が形成されるという問題がある。
他方、特許文献2には、ショルダ部と、ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを備えた回転ツールが記載されている。ショルダ部及び攪拌ピンの外周面にはそれぞれテーパー面が形成されている。ショルダ部のテーパー面には、平面視渦巻き状の溝が形成されている。当該溝の断面形状は半円状になっている。テーパー面を設けることにより、金属部材の厚さや接合の高さ位置が変化しても安定して接合することができる。また、当該溝に塑性流動材が入り込むことにより、塑性流動材の流れを制御して好適な塑性化領域を形成できるというものである。
特開2013-39613号公報 特許第4210148号公報
しかし、特許文献2の従来技術であると、塑性流動材がテーパー面の溝の内部に入り込んでしまうため、溝が機能しなくなるという問題がある。また、当該溝に塑性流動材が入り込むと、塑性流動材が溝に付着した状態で摩擦攪拌されるため、被接合金属部材と付着物とが擦れ合って接合品質が低下するという問題がある。さらに、被接合金属部材の表面が粗くなり、バリが多くなるとともに、金属部材の表面の凹溝も大きくなるという問題がある。
このような観点から、本発明は、金属部材の表面の凹溝を小さくすることができるとともに、接合表面粗さを小さくすることができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために第一の本発明は、表面の高さが変化する金属部材同士を突き合わせて高さが変化する突合せ部を形成する突合せ工程と、高さが変化する前記突合せ部に対して、基端側ピンと先端側ピンとを備える摩擦攪拌用の回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、前記基端側ピンのテーパー角度は、135~160°であり、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には、平面視して螺旋状であり側面視すると階段状の段差部が形成されており、前記段差部は、段差底面と段差側面とで構成され、前記段差底面と前記段差側面とでなす段差角度は85~120°になっており、前記接合工程では、前記基端側ピンと前記先端側ピンとを前記金属部材に接触させた状態で、前記基端側ピンの外周面で前記金属部材の表面を押さえながら、前記突合せ部を摩擦攪拌することを特徴とする接合方法である。
かかる接合方法によれば、テーパー角度の大きい基端側ピンの外周面で金属部材を押えることができるため、接合表面の凹溝を小さくすることができるとともに、凹溝の脇に形成される膨出部を無くすか若しくは小さくすることができる。階段状の段差部は浅く、かつ、出口が広いため、基端側ピンで金属部材を押えても基端側ピンの外周面に塑性流動材が付着し難い。このため、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。また、先端側ピンを備えることにより深い位置まで容易に挿入することができる。
また、前記接合工程では、高さが変化する前記突合せ部に対する前記先端側ピンの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行うことが好ましい。また、前記接合工程では、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の深さがほぼ一定になるように、高さが変化する前記突合せ部に対する前記先端側ピンの挿入深さを調節することが好ましい。かかる接合方法によれば、接合部の接合強度をほぼ一定に保つことができる。さらに、前記接合工程では、前記基端側ピンの前記外周面の高さ方向の中央部が前記金属部材の表面と接触するように挿入することが好ましい。
前記課題を解決するために第二の本発明は、少なくとも表面の高さが変化する一方の金属部材の表面に、高さが変化する他方の金属部材の裏面を重ね合わせて高さが変化する重合部を形成する重ね合せ工程と、他方の前記金属部材の表面から基端側ピンと先端側ピンとを備える摩擦攪拌用の回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、前記基端側ピンのテーパー角度は、135~160°であり、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には、平面視して螺旋状であり側面視すると階段状の段差部が形成されており、前記段差部は、段差底面と段差側面とで構成され、前記段差底面と前記段差側面とでなす段差角度は85~120°になっており、前記接合工程では、前記回転ツールの前記基端側ピンを他方の前記金属部材のみに接触させつつ、前記回転ツールの前記先端側ピンを一方の前記金属部材と他方の前記金属部材の両方または他方の前記金属部材のみに接触させた状態で、前記基端側ピンの外周面で他方の前記金属部材の表面を押さえながら、前記重合部を摩擦攪拌することを特徴とする接合方法である。
かかる接合方法によっても前記第一の本発明と同様に、テーパー角度の大きい基端側ピンの外周面で金属部材を押えることができるため、接合表面の凹溝を小さくすることができるとともに、凹溝の脇に形成される膨出部を無くすか若しくは小さくすることができる。階段状の段差部は浅く、かつ、出口が広いため、基端側ピンで金属部材を押えても基端側ピンの外周面に塑性流動材が付着し難い。このため、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。また、先端側ピンを備えることにより深い位置まで容易に挿入することができる。
また、前記接合工程では、高さが変化する前記重合部に対する前記先端側ピンの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行うことが好ましい。また、前記接合工程では、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の深さがほぼ一定になるように、高さが変化する前記重合部に対する前記先端側ピンの挿入深さを調節することが好ましい。かかる接合方法によれば、接合部の接合強度をほぼ一定に保つことができる。さらに、前記接合工程では、前記基端側ピンの前記外周面の高さ方向の中央部が他方の前記金属部材の表面と接触するように挿入することが好ましい。
また、前記先端側ピンの外周面には螺旋溝が刻設されており、前記螺旋溝は、螺旋底面と螺旋側面とを備えて構成されており、前記螺旋底面と前記螺旋側面とで構成される螺旋角度が45°~90°になっているものが好ましい。
また、前記回転ツールは、前記先端側ピンの先端部に前記回転ツールの回転軸に垂直な平坦面と、当該平坦面から突出する突起部とを備え、前記接合工程では、前記回転ツールの前記基端側ピンを他方の前記金属部材のみに接触させつつ、前記先端側ピンの前記突起部を前記重合部に達するようにして摩擦攪拌を行うことが好ましい。かかる接合方法によれば、突起部で掻き上げられた金属が平坦面で堰き止められて下方に流動するので、攪拌効率が高くなり、接合強度を高めることができる。
本発明に係る接合方法によれば、金属部材の表面の凹溝を小さくすることができるとともに、接合表面粗さを小さくすることができる。
本発明の実施形態に係る接合方法に用いる回転ツールを示す側面図である。 回転ツールの拡大断面図である。 回転ツールの第一変形例を示す断面図である。 回転ツールの第二変形例を示す断面図である。 回転ツールの第三変形例を示す断面図である。 (a)および(b)は第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。 (a)は第一実施形態に係る接合方法の接合工程を示す斜視図、(b)は断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の接合工程を示す断面図である。 従来の回転ツールを示す概念図である。 従来の回転ツールを示す概念図である。 (a)および(b)は第一実施形態に係る接合方法の接合工程の変形例を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の接合工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る接合方法の接合工程を示す断面図である。 (a)は第二実施形態に係る接合方法の接合工程の第一変形例を示す断面図、(b)は第二変形例を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の接合工程の第三変形例を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の接合工程の第四変形例を示す断面図である。 回転ツールの第四変形例を示す側面図である。 第四変形例に係る回転ツールを用いて行う接合工程を示す断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。まずは、本実施形態に係る接合方法で用いる回転ツールについて説明する。回転ツールは、摩擦攪拌接合に用いられるツールである。図1に示すように、回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、基軸部F1と、基端側ピンF2と、先端側ピンF3とで主に構成されている。基軸部F1は、円柱状を呈し、摩擦攪拌装置の主軸に接続される部位である。
基端側ピンF2は、基軸部F1に連続し、先端に向けて先細りになっている。基端側ピンF2は、円錐台形状を呈する。基端側ピンF2のテーパー角度Aは適宜設定すればよいが、例えば、135~160°になっている。テーパー角度Aが135°未満であるか、又は、160°を超えると摩擦攪拌後の接合表面粗さが大きくなる。テーパー角度Aは、後記する先端側ピンF3のテーパー角度Bよりも大きくなっている。図2に示すように、基端側ピンF2の外周面には、階段状の段差部F21が高さ方向の全体に亘って形成されている。段差部F21は、右回り又は左回りで螺旋状に形成されている。つまり、段差部F21は、平面視して螺旋状であり、側面視すると階段状になっている。本実施形態では、回転ツールを右回転させるため、段差部F21は基端側から先端側に向けて左回りに設定している。
なお、回転ツールを左回転させる場合は、段差部F21を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、段差部F21によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。段差部F21は、段差底面F21aと、段差側面F21bとで構成されている。隣り合う段差部F21の各頂点F21c,F21cの距離X1(水平方向距離)は、後記する段差角度C及び段差側面F21bの高さY1に応じて適宜設定される。
段差側面F21bの高さY1は適宜設定すればよいが、例えば、0.1~0.4mmで設定されている。高さY1が0.1mm未満であると接合表面粗さが大きくなる。一方、高さY1が0.4mmを超えると接合表面粗さが大きくなる傾向があるとともに、有効段差部数(被接合金属部材と接触している段差部F21の数)も減少する。
段差底面F21aと段差側面F21bとでなす段差角度Cは適宜設定すればよいが、例えば、85~120°で設定されている。段差底面F21aは、本実施形態では水平面と平行になっている。段差底面F21aは、ツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して-5°~15°内の範囲で傾斜していてもよい(マイナスは水平面に対して下方、プラスは水平面に対して上方)。距離X1、段差側面F21bの高さY1、段差角度C及び水平面に対する段差底面F21aの角度は、摩擦攪拌を行う際に、塑性流動材が段差部F21の内部に滞留して付着することなく外部に抜けるとともに、段差底面F21aで塑性流動材を押えて接合表面粗さを小さくすることができるように適宜設定する。
図1に示すように、先端側ピンF3は、基端側ピンF2に連続して形成されている。先端側ピンF3は円錐台形状を呈する。先端側ピンF3の先端は平坦面になっている。先端側ピンF3のテーパー角度Bは、基端側ピンF2のテーパー角度よりも小さくなっている。図2に示すように、先端側ピンF3の外周面には、螺旋溝F31が刻設されている。螺旋溝F31は、右回り、左回りのどちらでもよいが、本実施形態では回転ツールFを右回転させるため、基端側から先端側に向けて左回りに刻設されている。
なお、回転ツールを左回転させる場合は、螺旋溝F31を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、螺旋溝F31によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。螺旋溝F31は、螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成されている。隣り合う螺旋溝F31の頂点F31c,F31cの距離(水平方向距離)を長さX2とする。螺旋側面F31bの高さを高さY2とする。螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成される螺旋角度Dは例えば、45~90°で形成されている。螺旋溝F31は、被接合金属部材と接触することにより摩擦熱を上昇させるとともに、塑性流動材を先端側に導く役割を備えている。
回転ツールFは、適宜設計変更が可能である。図3は、本発明の回転ツールの第一変形例を示す側面図である。図3に示すように、第一変形例に係る回転ツールFAでは、段差部F21の段差底面F21aと段差側面F21bとのなす段差角度Cが85°になっている。段差底面F21aは、水平面と平行である。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、段差角度Cは、摩擦攪拌中に段差部F21内に塑性流動材が滞留して付着することなく外部に抜ける範囲で鋭角としてもよい。
図4は、本発明の回転ツールの第二変形例を示す側面図である。図4に示すように、第二変形例に係る回転ツールFBでは、段差部F21の段差角度Cが115°になっている。段差底面F21aは水平面と平行になっている。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、段差部F21として機能する範囲で段差角度Cが鈍角となってもよい。
図5は、本発明の回転ツールの第三変形例を示す側面図である。図5に示すように、第三変形例に係る回転ツールFCでは、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して10°上方に傾斜している。段差側面F21bは、鉛直面と平行になっている。このように、摩擦攪拌中に塑性流動材を押さえることができる範囲で、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面よりも上方に傾斜するように形成されていてもよい。上記の回転ツールの第一~第三変形例によっても、本実施形態と同等の効果を奏することができる。
[第一実施形態]
次に、第一実施形態に係る接合方法について説明する。図6の(a),(b)に示すように、本実施形態では、金属部材1,1の端面1a,1a同士を突き合わせて形成された突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する。金属部材1は、金属製の部材であって、突き合わされる部分が同等の形状になっている。また、金属部材1,1は同等の材料で形成されている。金属部材1の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
図6の(a)に示すように、金属部材1は、直方体を呈する本体部2と、本体部2の上に形成され断面台形状を呈する凸部3とで構成されている。凸部3の表面3aは、本体部2の表面2a,2bよりも上方に位置している。凸部3の第一表面3bは、傾斜しており本体部2の表面2aと凸部3の表面3aとを連結している。また、凸部3の第二表面3cは、傾斜しており本体部2の表面2bと凸部3の表面3aとを連結している。
本実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、接合工程を行う。図6の(a)に示すように、突合せ工程は、金属部材1,1の端面1a,1a同士を突き合わせる工程である。突合せ工程では、金属部材1,1の各表面同士が面一になるように突き合わせる。
図6の(b)に示すように、突合せ工程によって端面1a,1aが面接触して突合せ部Jが形成される。突合せ部Jはその高さ位置が変化するように形成される。つまり、突合せ部Jは、摩擦攪拌の始点(挿入位置)の高さ(標高)を基準高さとすると、始点から終点に至るまでに基準高さと高さの異なる区間が存在している。本実施形態では、突合せ部Jは、第一平部Jaと、第一傾斜部Jbと、第二平部Jcと、第二傾斜部Jdと、第三平部Jeとで構成されている。
図7の(a)に示すように、接合工程は、回転ツールFを用いて突合せ部Jに対して摩擦攪拌接合を行う工程である。回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアーム(図示せず)に取り付けて摩擦攪拌を行う。このような摩擦攪拌装置によれば、鉛直軸に対する回転ツールFの回転中心軸の角度を容易に変更することができる。
図7の(b)にも示すように、接合工程では、基端側ピンF2と先端側ピンF3とを金属部材1,1に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行う。摩擦攪拌する突合せ部Jの第一平部Jaの端部に、回転した回転ツールFの基端側ピンF2の外周面で金属部材1,1の表面2a,2a、第一表面3b,3b、表面3a,3a、第二表面3c,3cおよび表面2b,2bを順次押えながら摩擦攪拌接合を行う。回転ツールFは、突合せ部Jに沿って相対移動させる。図8にも示すように、回転ツールFの挿入深さは、少なくとも基端側ピンF2の一部が金属部材1の表面2a・・・と接触するように設定する。本実施形態では、基端側ピンF2の外周面の高さ方向の中央部あたりが金属部材1の表面2a・・・と接触するように挿入深さを設定している。また、回転ツールFの回転中心軸が表面2a・・・に対して垂直となる(表面2a・・・に対して直交する)状態で摩擦攪拌を行う。接合工程によって基端側ピンF2および先端側ピンF3の周囲の金属部材1,1が摩擦攪拌され金属部材1,1が接合される。回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。
図7の(b)に示すように、本実施形態に係る接合工程では、突合せ部Jに対する基端側ピンF2と先端側ピンF3の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う。本実施形態に係る接合工程では、金属部材1,1が固定された架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させつつ傾斜させることにより摩擦攪拌を行う。
これにより、第一平部Jaの塑性化領域Wの深さZa、第一傾斜部Jbの塑性化領域Wの深さZb(第一表面3bと直交する線上における塑性化領域Wの深さ)及び第二平部Jcの塑性化領域Wの深さZcをほぼ同等にすることができる。なお、基端側ピンF2と先端側ピンF3の「挿入深さ」とは、回転ツールFの回転中心軸上における金属部材1の表面から先端側ピンF3の先端までの距離を意味する。
なお、本実施形態に係る接合工程では、架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させたが、回転ツールFの高さ位置を固定して傾斜させつつ、架台を上下動させることにより摩擦攪拌を行ってもよい。
以上説明した第一実施形態に係る接合方法によれば、前記構成の回転ツールFを使用しているので、以下のような作用効果を得られる。図9に示すように、従来の回転ツール200であると、ショルダ部で被接合金属部材210の表面を押えないため凹溝(被接合金属部材の表面と塑性化領域の表面とで構成される凹溝)が大きくなるとともに、接合表面粗さが大きくなるという問題がある。また、凹溝の脇に膨出部(接合前に比べて被接合金属部材の表面が膨らむ部位)が形成されるという問題がある。一方、図10の回転ツール201のように、回転ツール201のテーパー角度βを回転ツール200のテーパー角度αよりも大きくすると、回転ツール200に比べて被接合金属部材210の表面を押えることはできるため、凹溝は小さくなり、膨出部も小さくなる。しかし、下向きの塑性流動が強くなるため、塑性化領域の下部にキッシングボンドが形成されやすくなる。
これに対し、本実施形態の回転ツールFは、基端側ピンF2と、基端側ピンF2のテーパー角度Aよりもテーパー角度が小さい先端側ピンF3を備えた構成になっている。これにより、金属部材1,1に回転ツールFを挿入しやすくなる。また、先端側ピンF3のテーパー角度Bが小さいため、金属部材1,1の深い位置まで回転ツールFを容易に挿入することができる。また、先端側ピンF3のテーパー角度Bが小さいため、回転ツール201に比べて下向きの塑性流動を抑えることができる。このため、塑性化領域Wの下部にキッシングボンドが形成されるのを防ぐことができる。一方、基端側ピンF2のテーパー角度Aは大きいため、従来の回転ツールに比べ、被接合金属部材の厚さや接合の高さ位置が変化しても安定して接合することができる。
また、基端側ピンF2の外周面で塑性流動材を押えることができるため、接合表面に形成される凹溝を小さくすることができるとともに、凹溝の脇に形成される膨出部を無くすか若しくは小さくすることができる。また、階段状の段差部F21は浅く、かつ、出口が広いため、塑性流動材を段差底面F21aで押さえつつ塑性流動材が段差部F21の外部に抜けやすくなっている。そのため、基端側ピンF2で塑性流動材を押えても基端側ピンF2の外周面に塑性流動材が付着し難い。よって、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。
また、高さが変化する突合せ部Jに対する回転ツールFの先端側ピンF3の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行っているので、塑性化領域Wの深さを一定にすることができる。したがって、突合せ部Jの高さが変化しても接合部の接合強度を一定にすることできる。特に、本実施形態では、回転ツールFの回転中心軸が傾斜した第一表面3bおよび第二表面3cに対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行っているので、容易に塑性化領域Wの深さを一定にすることができる。
さらに、本実施形態では、回転ツールFを、先端に回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けているので、簡単な制御で、回転ツールFの回転中心軸が接合面に対して垂直となる状態にすることができる。
〔第一変形例〕
次に、本実施形態の変形例について説明する。図11の(a)は本実施形態に係る接合方法の第一変形例における突合せ部の縦断面図であり、(b)は第二変形例における突合せ部の縦断面図である。図11の(a)に示す第一変形例では、突合せ部J1の高さが変化するとともに金属部材1,1の表面が曲面になっている点で前記した実施形態と相違する。
本実施形態の第一変形例の接合工程は、回転ツールFを用いて突合せ部J1に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本実施形態の第一変形例に係る接合工程では、突合せ部J1に対する基端側ピンF2および先端側ピンF3の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う。また、回転ツールFの回転中心軸が金属部材1,1の表面(接合面)に対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行う。
〔第二変形例〕
図11の(b)に示す本実施形態の第二変形例では、突合せ部J2の高さが変化するとともに、上り傾斜(上り勾配)と下り傾斜(下り勾配)とが交互に連続する点で前記した実施形態と相違する。
本実施形態の第二変形例の接合工程は、回転ツールFを用いて突合せ部J2に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本実施形態の第二変形例に係る接合工程では、突合せ部J2に対する回転ツールFの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ、回転ツールFの回転中心軸が金属部材1,1の表面(接合面)に対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行う。
本実施形態の第一変形例及び第二変形例に係る接合方法のように、金属部材1,1の表面が曲面である場合や、上り傾斜と下り傾斜とが連続する場合においても、前記した実施形態と略同等の効果を奏することができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図12に示すように、本実施形態では、金属部材101,101同士を重ね合わせて形成された重合部J11を摩擦攪拌によって接合する。金属部材101,101は、金属製の板状部材であって、同等の形状になっている。
金属部材101,101は同等の材料で形成されている。金属部材101の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
図12に示すように、金属部材101は、第一平坦部102と、傾斜部103と、第二平坦部104とで構成されている。第一平坦部102、傾斜部103及び第二平坦部104は、一定の厚さになっており、いずれも板状を呈する。第二平坦部104は、第一平坦部102よりも高い位置に形成されている。傾斜部103は、第一平坦部102の一端側と第二平坦部104の他端側とを連結している。
金属部材101,101は、本実施形態では、一定の厚さになっており、表面101a及び裏面101bともに高さが変化するように形成されている。なお、下側に配置される金属部材101は、一定の厚さになっていなくてもよく、下側に配置される金属部材101の少なくとも表面101a及び上側に配置される金属部材101の少なくとも裏面101bの高さが異なるように形成されており、かつ、両者が面接触するように形成されていればよい。
本実施形態に係る接合方法では、重ね合せ工程と、接合工程を行う。図12に示すように、重ね合せ工程は、下側の金属部材101の表面101aに、上側の金属部材101の裏面101bを重ね合わせる工程である。本実施形態では、下側の金属部材101の表面101aと、上側の金属部材101の裏面101bとが同じ形状であるため、重ね合せ工程によって下側の金属部材101の表面101aと上側の金属部材101の裏面101bとが面接触して重合部J11が形成される。
重合部J11(金属部材101,101の境界面)はその高さ位置が変化するように形成される。つまり、重合部J11における摩擦攪拌の始点(挿入位置)の高さ(標高)を基準高さとすると、始点から終点に至るまでに基準高さと高さの異なる区間が存在している。本実施形態では、重合部J11は、第一平重合部J12と、傾斜重合部J13と、第二平重合部J14とで構成されている。また、本実施形態では、上側の金属部材101は同等の板厚になっているため、重合部J11及び上側の金属部材101の表面101aの高さがともに変化する。
図13に示すように、接合工程は、回転ツールFを用いて重合部J11に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。接合工程では、上側の金属部材101の表面101aから右回転させた回転ツールFの基端側ピンF2の外周面で金属部材101の表面101aを押えながら摩擦攪拌接合を行う。回転ツールFの挿入深さは、少なくとも摩擦攪拌によって形成される塑性化領域Wが重合部J11に達するように設定すればよいが、本実施形態では、先端側ピンF3の先端が、下側の金属部材101に接触する程度に設定している。回転ツールFの挿入深さは、少なくとも基端側ピンF2の一部が金属部材101の表面101aと接触するように設定する。つまり、先端側ピンF3は、上側の金属部材101と下側の金属部材101の両方に接触した状態で摩擦攪拌接合を行っている。本実施形態では、基端側ピンF2の外周面の高さ方向の中央部あたりが上側の金属部材101の表面101aと接触するように挿入深さを設定している。
また、回転ツールFの回転中心軸が表面101aに対して垂直となる(表面101aに対して直交する)状態で摩擦攪拌を行う。接合工程によって基端側ピンF2および先端側ピンF3の周囲の金属部材101,101が摩擦攪拌され金属部材101,101が接合される。回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。
図13に示すように、本実施形態に係る接合工程では、重合部J11に対する回転ツールFの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う。本実施形態に係る接合工程では、金属部材101,101が固定された架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させつつ傾斜させることにより摩擦攪拌を行う。
これにより、第一平重合部J12の塑性化領域Wの深さZa、傾斜重合部J13の塑性化領域Wの深さZb(傾斜部103と直交する線上における塑性化領域Wの深さ)及び第二平重合部J14の塑性化領域Wの深さZcをほぼ同等にすることができる。回転ツールFの「挿入深さ」とは、回転ツールFの回転中心軸上における金属部材101の表面101aから先端側ピンF3の先端までの距離を意味する。
なお、本実施形態に係る接合工程では、架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させたが、回転ツールFの高さ位置を固定して傾斜させつつ、架台を上下動させることにより摩擦攪拌を行ってもよい。
以上説明した第二実施形態に係る接合方法によれば、第一実施形態と同様に、テーパー角度の大きい基端側ピンF2の外周面で金属部材101を押えることができるため、表面101aの凹溝を小さくすることができるとともに、凹溝の脇に形成される膨出部を無くすか若しくは小さくすることができる。階段状の段差部は浅く、かつ、出口が広いため、基端側ピンF2で金属部材101を押えても基端側ピンF2の外周面に塑性流動材が付着し難い。このため、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。
また、先端側ピンF3を備えることにより深い位置まで容易に挿入することができるので、高さが変化する重合部J11においても、先端側ピンF3を深い位置にある重合部J11まで容易に挿入することができる。したがって、重合部J11を確実に接合することができる。
さらに、高さが変化する重合部J11に対する回転ツールFの先端側ピンF3の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行っているので、塑性化領域Wの深さを一定にすることができる。したがって、重合部J11の高さが変化しても接合部の接合強度を一定にすることできる。特に、本実施形態では、傾斜部103においても回転ツールFの回転中心軸が表面101aに対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行っているので、容易に塑性化領域Wの深さを一定にすることができる。
また、接合工程において、先端側ピンF3の先端を下側の金属部材101に接触させて(入り込ませて)摩擦攪拌を行うことで、重合部J11をより確実に接合することができる。
〔第一変形例〕
次に、本実施形態の変形例について説明する。図14の(a)は第二実施形態の第一変形例に係る接合方法を示す縦断面図であり、(b)は第二実施形態の第二変形例に係る接合方法を示す縦断面図である。図14の(a)に示す第一変形例では、重合部J11が上り傾斜(上り勾配)と下り傾斜(下り勾配)とが交互に連続する点で前記した実施形態と相違する。
本実施形態の第一変形例の接合工程は、回転ツールFを用いて重合部J11に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本実施形態の第一変形例に係る接合工程では、重合部J11に対する回転ツールFの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ、摩擦攪拌を行う。さらに、回転ツールFの回転中心軸が金属部材101の表面101aに対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行う。
〔第二変形例〕
図14の(b)に示す本実施形態の第二変形例では、重合部J11の高さが変化するとともに金属部材101,101が上下方向に湾曲している点で前記した実施形態と相違する。
本実施形態の第二変形例の接合工程は、回転ツールFを用いて重合部J11に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本実施形態の第二変形例に係る接合工程では、重合部J11に対する回転ツールFの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う。さらに、回転ツールFの回転中心軸が金属部材101の表面101aに対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行う。
本実施形態の第一変形例及び第二変形例に係る接合方法のように、金属部材101の表面101aが上り傾斜と下り傾斜とが連続する場合や、表面101aが曲面である場合においても、前記した実施形態と略同等の効果を奏することができる。
〔第三変形例〕
図15は、本実施形態の第三変形例における接合方法を示す断面図である。図15に示すように、本実施形態の第三変形例では、回転ツールFの基端側ピンF2および先端側ピンF3を上側の金属部材101のみに接触させる点で前記した第二実施形態と相違する。第三変形例の接合工程では、基端側ピンF2および先端側ピンF3を上側の金属部材101のみに接触させつつ、摩擦攪拌によって形成された塑性化領域Wが下側の金属部材101に達する程度に回転ツールFの挿入深さを設定する。
本実施形態の第三変形例の接合工程においても、高さが変化する重合部J11(上側の金属部材101)に対する先端側ピンF3の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う。このような場合は、先端側ピンF3と上側の金属部材101との摩擦によって生じた摩擦熱で、下側の金属部材101も塑性流動化されることにより、重合部J11が接合される。
また、前記した第二実施形態及び第二実施形態の第一変形例および第二変形例においても、第三変形例のように回転ツールFの基端側ピンF2および先端側ピンF3を上側の金属部材のみに接触させた状態で接合工程を行ってもよい。
〔第四変形例〕
図16は、本実施形態の第四変形例に係る接合方法を示す断面図である。図16に示すように、本実施形態の第四変形例では、下側に配置される金属部材111の厚さが変動している点で、第二実施形態と相違している。具体的には、下側の金属部材111は、異なる厚さで形成された板状部材である。下側の金属部材111は、薄肉部112と、薄肉部112よりも厚く形成された厚肉部114と、薄肉部112と厚肉部114との間に形成された傾斜部113とで構成されている。傾斜部113は、断面台形状を呈する。傾斜部113の表面は、薄肉部112の表面及び厚肉部114の表面に連続しており、薄肉部112から厚肉部114に向けて上り傾斜になっている。これにより、下側の金属部材111の表面111aは、高さが変化するように形成されている。下側の金属部材111の裏面111bは、高さ変化がなく平坦になっている。下側の金属部材111の表面111aと、上側に配置される金属部材101の裏面101bが面接触するようになっている。
本実施形態の第四変形例の重ね合せ工程では、下側の金属部材111の表面111aに、上側の金属部材101の裏面101bを重ね合わせて重合部J11を形成する。重合部J11は、その高さ位置が変化するように形成される。つまり、重合部J11は、第一平重合部J12と、傾斜重合部J13と、第二平重合部J14とで構成されている。
接合工程では、第一平重合部J12及び第二平重合部J14においては、第二実施形態と同様に回転ツールFの回転中心軸が鉛直軸に対して平行になるように摩擦攪拌を行う。一方、傾斜重合部J13においては、回転ツールFの回転中心軸を鉛直軸に対して傾斜させ、回転ツールFの回転中心軸が金属部材101の表面101aに対して垂直となる状態で摩擦攪拌を行う。このような本実施形態の第四変形例によれば、第二実施形態と略同等の効果を奏することができる。
次に、第二実施形態にて用いる回転ツールFの変形例について説明する。かかる回転ツールFは、前記変形例FA~FCの他に、図17に示すような構成の第四変形例としてもよい。図17に示すように、第四変形例に係る回転ツールFDの先端側ピンF3は、その先端部に、回転ツールFDの回転軸に垂直な平坦面F33と、当該平坦面F33から突出する突起部F4とを備えている。平坦面F33は、平坦な円形形状を呈している。突起部F4は、平坦面F33の中心位置から下方に突出する部位である。突起部F4の形状は特に制限されないが、本実施形態では、円柱状になっている。突起部F4の側面と、平坦面F33とで段差部が形成されている。なお、その他の構成については、図1に示した回転ツールFと同等であるので同じ符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、接合工程では、回転ツールFDの先端の突起部F4を重合部J11に達するように、重合部J11よりも深く挿入する。これにより、突起部F4に沿って摩擦攪拌されて突起部F4に巻き上げられた塑性流動材は平坦面F33で押えられる。これにより、突起部F4の周辺部をより確実に摩擦攪拌することができるとともに重合部J11の酸化被膜が確実に分断される。これにより、重合部J11の接合強度を高めることができる。突起部F4のみを重合部J11よりも深く挿入するように設定することで、先端側ピンF3の平坦面F33を重合部J11よりも深く挿入する場合に比べて塑性化領域Wの幅を小さくすることができる。
なお、前記接合工程では、突起部F4が重合部J11よりも深く挿入するように設定しているが、平坦面F33が重合部J11よりも深く挿入するように設定してもよい。
以上本発明の第一実施形態、第二実施形態及び変形例について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、接合工程を行う前に、小型の回転ツールを用いて金属部材同士の側方から摩擦攪拌を行うか、若しくは溶接により仮接合工程を行ってもよい。これにより、接合工程を行う際の突合せ部Jおよび重合部J11の目開きを防ぐことができる。
また、接合工程を行う際に、重合部の両端にタブ材を配置してもよい。当該タブ材のそれぞれの表面に摩擦攪拌の開始位置及び終了位置を設定することができる。接合工程が終了したらタブ材は切除すればよい。これにより、接合工程の作業性を高めることができる。また、タブ材を設けて接合工程を行うことで金属部材同士の側面をきれいに仕上げることができる。
1 金属部材
2a 表面
2b 表面
3a 表面
3b 第一表面
3c 第二表面
101 金属部材
101a 表面
101b 裏面
111 金属部材
111a 表面
111b 裏面
A テーパー角度
B テーパー角度
F 回転ツール
F2 基端側ピン
F21 段差部
F3 先端側ピン
F33 平坦面
F4 突起部
FA 回転ツール
FB 回転ツール
FC 回転ツール
FD 回転ツール
J 突合せ部
J11 重合部
W 塑性化領域

Claims (10)

  1. 表面の高さが変化する金属部材同士を突き合わせて高さが変化する突合せ部を形成する突合せ工程と、
    高さが変化する前記突合せ部に対して、基端側ピンと先端側ピンとを備える摩擦攪拌用の回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、
    前記基端側ピンのテーパー角度は、135~160°であり、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、
    前記基端側ピンの外周面には、平面視して螺旋状であり側面視すると階段状の段差部が形成されており、前記段差部は、段差底面と段差側面とで構成され、前記段差底面と前記段差側面とでなす段差角度は85~120°になっており、
    前記接合工程では、前記基端側ピンと前記先端側ピンとを前記金属部材に接触させた状態で、前記基端側ピンの外周面で前記金属部材の表面を押さえながら、前記突合せ部を摩擦攪拌する
    ことを特徴とする接合方法。
  2. 前記接合工程では、高さが変化する前記突合せ部に対する前記先端側ピンの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記接合工程では、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の深さがほぼ一定になるように、高さが変化する前記突合せ部に対する前記先端側ピンの挿入深さを調節する
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  4. 前記接合工程では、前記基端側ピンの前記外周面の高さ方向の中央部が前記金属部材の表面と接触するように挿入する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の接合方法。
  5. 少なくとも表面の高さが変化する一方の金属部材の表面に、高さが変化する他方の金属部材の裏面を重ね合わせて高さが変化する重合部を形成する重ね合せ工程と、
    他方の前記金属部材の表面から基端側ピンと先端側ピンとを備える摩擦攪拌用の回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、
    前記基端側ピンのテーパー角度は、135~160°であり、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、
    前記基端側ピンの外周面には、平面視して螺旋状であり側面視すると階段状の段差部が形成されており、前記段差部は、段差底面と段差側面とで構成され、前記段差底面と前記段差側面とでなす段差角度は85~120°になっており、
    前記接合工程では、前記回転ツールの前記基端側ピンを他方の前記金属部材のみに接触させつつ、前記回転ツールの前記先端側ピンを一方の前記金属部材と他方の前記金属部材の両方または他方の前記金属部材のみに接触させた状態で、前記基端側ピンの外周面で他方の前記金属部材の表面を押さえながら、前記重合部を摩擦攪拌する
    ことを特徴とする接合方法。
  6. 前記接合工程では、高さが変化する前記重合部に対する前記先端側ピンの挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  7. 前記接合工程では、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の深さがほぼ一定になるように、高さが変化する前記重合部に対する前記先端側ピンの挿入深さを調節する
    ことを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  8. 前記回転ツールは、前記先端側ピンの先端部に前記回転ツールの回転軸に垂直な平坦面と、当該平坦面から突出する突起部とを備え、
    前記接合工程では、前記回転ツールの前記基端側ピンを他方の前記金属部材のみに接触させつつ、前記先端側ピンの前記突起部を前記重合部に達するようにして摩擦攪拌を行う ことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
  9. 前記接合工程では、前記基端側ピンの前記外周面の高さ方向の中央部が他方の前記金属部材の表面と接触するように挿入する
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の接合方法。
  10. 前記先端側ピンの外周面には螺旋溝が刻設されており、
    前記螺旋溝は、螺旋底面と螺旋側面とを備えて構成されており、前記螺旋底面と前記螺旋側面とで構成される螺旋角度が45°~90°になっている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の接合方法。
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