JP7140061B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器の製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、複数の孔部が並設された押出多孔管と、当該押出多孔管の開口部を封止する封止体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法が開示されている。図13は、従来の熱交換器の製造方法を示す断面図である。
従来の熱交換器の製造方法では、アルミニウム合金製の押出多孔管101の端面101aと、蓋体102の外周に形成された段差部103とを突き合わせて突合せ部J10を形成した後、突合せ部J10に対して回転ツールGを用いて摩擦攪拌接合を行うというものである。段差部103は、段差底面103aと、段差側面103bとで構成されている。突合せ部J10は、押出多孔管101の端面101aと、蓋体102の段差底面103aとを突き合わせて構成されている。回転ツールGは、ショルダ部G1と、ショルダ部G1から垂下する攪拌ピンG2とを備えている。摩擦攪拌工程では、回転させた攪拌ピンG2の回転中心軸Zを突合せ部J10に重ね合わせて相対移動させるというものである。
特開2016-74016号公報
ここで、押出多孔管101のように比較的単純な形状のものは、1000系アルミニウム合金の展伸材で形成し、蓋体102は、例えば、4000系アルミニウム合金の鋳造材で形成するというような場合がある。このように、アルミニウム合金の材種の異なる部材同士を接合して、熱交換器を製造する場合がある。このような場合は、蓋体102の方が押出多孔管よりも硬度が高くなることが一般的であるため、図13のように摩擦攪拌接合を行うと、攪拌ピンG2が押出多孔管101側から受ける材料抵抗に比べて、蓋体102側から受ける材料抵抗が大きくなる。そのため、回転ツールGの攪拌ピンG2によって異なる材種をバランスよく攪拌することが困難となり、接合後の塑性化領域に空洞欠陥が発生し接合強度が低下するという問題がある。
また、図13に示すように、攪拌ピンG2を突合せ部J10に挿入する際、所定の深さとなるまで鉛直方向に攪拌ピンG2を押入するため、摩擦攪拌の開始位置における摩擦熱が過大となる。これにより、当該開始位置において、蓋体102側の金属が押出多孔管101側に混入しやすくなり、接合不良の一因となるという問題がある。
一方、攪拌ピンG2を突合せ部J10から引き抜いて離脱させる際、鉛直方向に攪拌ピンG2を引き抜くため、摩擦攪拌の終了位置における摩擦熱が過大となる。これにより、当該終了位置において、蓋体102側の金属が押出多孔管101側に混入しやすくなり、接合不良の一因となるという問題がある。
このような観点から、本発明は、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、回転する前記先端側ピンを前記設定移動ルートよりもさらに前記押出多孔管側に設定した開始位置に挿入した後、前記回転ツールの回転中心軸を前記設定移動ルートと重複する位置まで移動させつつ前記所定の深さとなるまで前記先端側ピンを徐々に押入することを特徴とする。
また、本発明は、内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、前記設定移動ルート上に設定した開始位置から前記先端側ピンを挿入し、進行方向に移動させつつ所定の高さとなるまで徐々に前記先端側ピンを押入することを特徴とする。
かかる製造方法によれば、蓋体と押出多孔管との摩擦熱によって突合せ部の主として押出多孔管側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、突合せ部において蓋体と押出多孔管とを接合することができる。また、先端側ピンの外周面を蓋体にわずかに接触させるに留めるため、蓋体から押出多孔管への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部においては主として押出多孔管側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、基端側ピンの外周面を押出多孔管の外周面に接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。また、回転ツールを移動させながら所定の深さとなるまで先端側ピンを徐々に押入することにより、局所的に摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルート上において、蓋体の第一アルミニウム合金が押出多孔管側に混入するのを防ぐことができる。
また、前記本接合工程では、所定の回転速度で前記回転ツールを回転させて摩擦攪拌を行い、前記本接合工程において前記先端側ピンを挿入するとき、前記所定の回転速度よりも高い速度で前記先端側ピンを回転させた状態で挿入し、徐々に回転速度を下げながら前記設定移動ルートまで移動させることが好ましい。
かかる製造方法によれば、より好適に摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、本発明は、内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、前記設定移動ルートよりもさらに前記押出多孔管側に終了位置を設定し、前記突合せ部に対する摩擦攪拌接合の後、前記回転ツールを前記終了位置に移動させつつ前記先端側ピンを徐々に引き抜いて前記終了位置で前記押出多孔管から前記回転ツールを離脱させることを特徴とする。
また、本発明は、内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、前記設定移動ルート上に終了位置を設定し、前記突合せ部に対する摩擦攪拌接合の後、前記回転ツールを前記終了位置に移動させつつ前記先端側ピンを徐々に引き抜いて前記終了位置で前記押出多孔管から前記回転ツールを離脱させることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、蓋体と押出多孔管との摩擦熱によって突合せ部の主として押出多孔管側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、突合せ部において蓋体と押出多孔管とを接合することができる。また、先端側ピンの外周面を蓋体にわずかに接触させるに留めるため、蓋体から押出多孔管への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部においては主として押出多孔管側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、基端側ピンの外周面を押出多孔管の外周面に接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。また、回転ツールを移動させながら先端側ピンを徐々に引き抜くことにより、局所的に摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルート上において、蓋体の第一アルミニウム合金が押出多孔管側に混入するのを防ぐことができる。
また、前記本接合工程では、所定の回転速度で前記先端側ピンを回転させて前記突合せ部の摩擦攪拌接合を行い、前記本接合工程において前記先端側ピンを引き抜くとき、前記所定の回転速度よりも徐々に回転速度を上げながら前記終了位置まで移動させることが好ましい。
かかる製造方法によれば、より好適に摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、前記突合せ工程では、前記蓋体の外周面よりも前記押出多孔管の外周面の方が外側となるように、前記押出多孔管と前記蓋体とを形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、接合部の金属不足を防ぐことができる。
また、前記回転ツールの回転方向及び進行方向を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、突合せ部側の摩擦攪拌が促進され、より好適に接合することができる。
また、前記本接合工程では、前記先端側ピンの先端が前記蓋体の段差側面を突き抜けた状態で前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌することが好ましい。
かかる製造方法によれば、蓋体と押出多孔管とをより好適に接合することができる。
また、前記第一アルミニウム合金は鋳造材からなり、前記第二アルミニウム合金は展伸材からなることが好ましい。
本発明に係る熱交換器の製造方法によれば、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す側面図である。 回転ツールの拡大断面図である。 回転ツールの第一変形例を示す断面図である。 回転ツールの第二変形例を示す断面図である。 回転ツールの第三変形例を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器を示す分解斜視図である。 第一実施形態に係る熱交換器の製造方法の突合せ工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る熱交換器の製造方法の本接合工程の開始位置を示す模式図である。 第一実施形態に係る熱交換器の製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る熱交換器の製造方法の本接合工程の終了位置を示す模式図である。 本発明の第二実施形態に係る熱交換器の製造方法の本接合工程の開始位置を示す模式図である。 本発明の第二実施形態に係る熱交換器の製造方法の本接合工程の終了位置を示す模式図である。 従来の熱交換器の製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。まずは、本実施形態に係る接合方法で用いる回転ツールについて説明する。回転ツールは、摩擦攪拌接合に用いられるツールである。図1に示すように、回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、基軸部F1と、基端側ピンF2と、先端側ピンF3とで主に構成されている。基軸部F1は、円柱状を呈し、摩擦攪拌装置の主軸に接続される部位である。
基端側ピンF2は、基軸部F1に連続し、先端に向けて先細りになっている。基端側ピンF2は、円錐台形状を呈する。基端側ピンF2のテーパー角度Aは適宜設定すればよいが、例えば、135~160°になっている。テーパー角度Aが135°未満であるか、又は、160°を超えると摩擦攪拌後の接合表面粗さが大きくなる。テーパー角度Aは、後記する先端側ピンF3のテーパー角度Bよりも大きくなっている。図2に示すように、基端側ピンF2の外周面には、階段状のピン段差部F21が高さ方向の全体に亘って形成されている。ピン段差部F21は、右回り又は左回りで螺旋状に形成されている。つまり、ピン段差部F21は、平面視して螺旋状であり、側面視すると階段状になっている。回転ツールFを右回転させる場合は、ピン段差部F21は基端側から先端側に向けて左回りに設定している。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、ピン段差部F21を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、ピン段差部F21によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。ピン段差部F21は、段差底面F21aと、段差側面F21bとで構成されている。隣り合うピン段差部F21の各頂点F21c,F21cの距離X1(水平方向距離)は、後記する段差角度C及び段差側面F21bの高さY1に応じて適宜設定される。
段差側面F21bの高さY1は適宜設定すればよいが、例えば、0.1~0.4mmで設定されている。高さY1が0.1mm未満であると接合表面粗さが大きくなる。一方、高さY1が0.4mmを超えると接合表面粗さが大きくなる傾向があるとともに、有効段差部数(被接合金属部材と接触しているピン段差部F21の数)も減少する。
段差底面F21aと段差側面F21bとでなす段差角度Cは適宜設定すればよいが、例えば、85~120°で設定されている。段差底面F21aは、本実施形態では水平面と平行になっている。段差底面F21aは、ツールの回転中心軸から外周方向に向かって水平面に対して-5°~15°内の範囲で傾斜していてもよい(マイナスは水平面に対して下方、プラスは水平面に対して上方)。距離X1、段差側面F21bの高さY1、段差角度C及び水平面に対する段差底面F21aの角度は、摩擦攪拌を行う際に、塑性流動材がピン段差部F21の内部に滞留して付着することなく外部に抜けるとともに、段差底面F21aで塑性流動材を押えて接合表面粗さを小さくすることができるように適宜設定する。
図1に示すように、先端側ピンF3は、基端側ピンF2に連続して形成されている。先端側ピンF3は円錐台形状を呈する。先端側ピンF3の先端は回転中心軸に対して垂直な平坦面F4になっている。先端側ピンF3のテーパー角度Bは、基端側ピンF2のテーパー角度Aよりも小さくなっている。図2に示すように、先端側ピンF3の外周面には、螺旋溝F31が刻設されている。螺旋溝F31は、右回り、左回りのどちらでもよいが、回転ツールFを右回転させる場合は、基端側から先端側に向けて左回りに刻設する。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F31を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、螺旋溝F31によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。螺旋溝F31は、螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成されている。隣り合う螺旋溝F31の頂点F31c,F31cの距離(水平方向距離)を長さX2とする。螺旋側面F31bの高さを高さY2とする。螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成される螺旋角度Dは例えば、45~90°で形成されている。螺旋溝F31は、被接合金属部材と接触することにより摩擦熱を上昇させるとともに、塑性流動材を先端側に導く役割を備えている。
回転ツールFは、適宜設計変更が可能である。図3は、本発明の回転ツールの第一変形例を示す側面図である。図3に示すように、第一変形例に係る回転ツールFAでは、ピン段差部F21の段差底面F21aと段差側面F21bとのなす段差角度Cが85°になっている。段差底面F21aは、水平面と平行である。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、段差角度Cは、摩擦攪拌中にピン段差部F21内に塑性流動材が滞留して付着することなく外部に抜ける範囲で鋭角としてもよい。
図4は、本発明の回転ツールの第二変形例を示す側面図である。図4に示すように、第二変形例に係る回転ツールFBでは、ピン段差部F21の段差角度Cが115°になっている。段差底面F21aは水平面と平行になっている。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、ピン段差部F21として機能する範囲で段差角度Cが鈍角となってもよい。
図5は、本発明の回転ツールの第三変形例を示す側面図である。図5に示すように、第三変形例に係る回転ツールFCでは、段差底面F21aがツールの回転中心軸から外周方向に向かって水平面に対して10°上方に傾斜している。段差側面F21bは、鉛直面と平行になっている。このように、摩擦攪拌中に塑性流動材を押さえることができる範囲で、段差底面F21aがツールの回転中心軸から外周方向に向かって水平面よりも上方に傾斜するように形成されていてもよい。上記の回転ツールの第一~第三変形例によっても、下記の実施形態と同等の効果を奏することができる。回転ツールF,FA,FB,FCは、例えば、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けてもよい。
[第一実施形態]
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第一実施形態に係る熱交換器1は、図6に示すように、押出多孔管2と、押出多孔管2の両端に配置された蓋体3,3とで構成されている。熱交換器1は、内部に流体を流通させて、配置される発熱体を冷却する機器である。押出多孔管2と蓋体3,3とは摩擦攪拌接合で一体化される。
押出多孔管2は、本体部11と、複数のフィン12とで主に構成されている。押出多孔管2は、本実施形態では第二アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第二アルミニウム合金は、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。押出多孔管2は、第二アルミニウム合金で形成された押出形材である。
本体部11は、筒状を呈する。本体部11の側部11a,11bは外側(本体部11の幅方向外側)に凸となるように湾曲している。本体部11の基板部11c,11dは平坦になっており、平行に対向している。つまり、本体部11の断面は長丸形状になっている。フィン12は、基板部11c,11dに対して垂直になっている。フィン12は、本体部11の押し出し方向に延設され、それぞれ平行に形成されている。隣り合うフィン12の間には、流体が流通する断面矩形の孔部13が形成されている。
押出多孔管2の両端の開口部には、フィン12が形成されていない嵌合部14が形成されている。嵌合部14は、後記する蓋体3の周壁部22が挿入される部位である。嵌合部14は、フィン12の両端を切削することにより形成されている。押出多孔管2の形状は、上記した形状に限定されるものではない。例えば、押出多孔管2の断面(押出方向に対して垂直な断面)が、円形、楕円形又は角形であってもよい。
蓋体3,3は、押出多孔管2の両端の開口部を封止する部材である。蓋体3,3は、それぞれ同形状になっている。蓋体3は、底部21と、周壁部22とを有する。底部21は、長丸形状を呈する板状部材である。底部21の外形は、押出多孔管2の開口部を封止するように、押出多孔管2の本体部11の外形と概ね同形状になっている。周壁部22は、底部21の周縁部から垂直に立ち上がる部位である。周壁部22は、底部21の形状に沿って長丸の枠状に形成されている。底部21と周壁部22とで凹状のヘッダー流路24が形成されている。
蓋体3の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、本実施形態では第一アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第一アルミニウム合金は、第二アルミニウム合金よりも硬度の高い材料である。第一アルミニウム合金は、例えば、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
図7にも示すように、周壁部22の外周縁には、段差側面23aと、段差側面23aから立ち上がる段差傾斜面23bとで構成された周壁段差部23が形成されている。周壁段差部23は、周方向全体にわたって形成されている。段差側面23aは、押し出し方向と平行になっている。段差傾斜面23bは、段差側面23aから外側(本体部11の幅方向外側)に向かうにつれて底部21に近接するように傾斜している。換言すると、段差傾斜面23bは、外側に向かうにつれて本体部11から離間するように傾斜している。段差傾斜面23bの傾斜角度βは、一定の傾斜角度になっている。鉛直面に対する段差傾斜面23bの傾斜角度β(図7参照)は、回転中心軸Zに対する先端側ピンF3の傾斜角度α(図1参照)と同一になっている。
押出多孔管2の外周面11fと周壁部22の外周面22bとは面一でもよいが、本実施形態では、蓋体3は、後記する突合せ工程を行った後、周壁部22の外周面22bよりも、押出多孔管2の外周面11fが外側となるように設定している。換言すると、段差傾斜面23bの高さ寸法よりも、押出多孔管2の端面11eの高さ(厚さ)寸法の方が大きくなるように設定している。
次に、本実施形態に係る熱交換器の製造方法について説明する。本実施形態に係る熱交換器の製造方法では、準備工程と、突合せ工程と、本接合工程とを行う。
準備工程は、押出多孔管2及び蓋体3を準備する工程である。押出多孔管2及び蓋体3は、製造方法については特に制限されないが、押出多孔管2は、例えば、押出成形で成形する。蓋体3は、例えば、ダイキャストにより成形する。
突合せ工程は、図7に示すように、押出多孔管2に蓋体3を突き合わせる工程である。突合せ工程では、蓋体3の周壁部22に、押出多孔管2の嵌合部14を嵌め合わせる。これにより、蓋体3の段差傾斜面23bと押出多孔管2の端面11eとが突き合わされて突合せ部J1が形成されるとともに、蓋体3の段差側面23aと押出多孔管2の内周面11gとが重ね合わされて突合せ部J2が形成される。周壁部22の端面22aと、フィン12の端面12aとは接触するか、わずかな隙間をあけて対向する。突合せ部J1,J2は、周方向にわたって形成される。突合せ部J1には断面V字状の隙間が形成される。
本接合工程は、図8及び図9に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。まず、突合せ部J1に対して蓋体3から離間する位置に「設定移動ルートL1」(一点鎖線)を設定する。設定移動ルートL1は、後記する本接合工程において、突合せ部J1を接合するために必要な回転ツールFの移動ルートである。設定移動ルートL1については追って詳述する。
図8に示すように、本接合工程では、開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、設定移動ルートL1上の中間点S1から一周廻って中間点S2までの本区間と、中間点S2から終了位置EP1までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌接合する。中間点S1,S2は、設定移動ルートL1上に設定されている。開始位置SP1は、押出多孔管2の本体部11において、設定移動ルートL1に対して蓋体3から離間する位置に設定されている。本実施形態では、開始位置SP1と中間点S1とを結ぶ線分と、設定移動ルートL1とのなす角度が鈍角となる位置に開始位置SP1を設定している。
本接合工程の押入区間では、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う。押入区間では、本体部11の外周面11fに対して回転中心軸Zを垂直にしつつ、右回転させた回転ツールF(先端側ピンF3)を開始位置SP1に挿入し、中間点S1まで相対移動させる。この際、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように先端側ピンF3を徐々に押し入れていく。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1に移動させながら徐々に下降させていく。回転ツールFが中間点S1に達したら、そのまま本区間に移行する。
本区間では、図9に示すように回転ツールFを設定移動ルートL1に沿って一周させる。本区間においては、中間点S1に達した際に、先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとを平行としつつ、先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとがわずかに接触するように設定する。また、基端側ピンF2の外周面と、押出多孔管2の外周面11fとが接触しつつ、先端側ピンF3の平坦面F4が段差側面23aを突き抜けるように挿入深さを設定する。回転ツールFの回転中心軸Zと、本体部11の外周面11fとが垂直となるように設定し、これらを維持した状態で、突合せ部J1に沿って回転ツールFを相対移動させる。
先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとの接触代(オフセット量)Nは、例えば、0<N≦1.0mmの間で設定し、好ましくは0<N≦0.85mmの間で設定し、より好ましくは0<N≦0.65mmの間で設定する。
設定移動ルートL1は、図9に示すように、平坦面F4の中心が通過する軌跡を示している。つまり、設定移動ルートL1は、突合せ部J1の周方向において、段差傾斜面23bと先端側ピンF3の外周面とを平行にしつつ両者がわずかに接触するように設定されている。本区間においては、回転ツールFを上方から見た場合に、平坦面F4の中心が、設定移動ルートL1と重なるように回転ツールFを移動させる。なお、先端側ピンF3の「所定の深さ」は、適宜設定すればよいが、本実施形態では回転ツールFの平坦面F4が、段差側面23aを突き抜ける位置まで挿入する。これにより、突合せ部J2も確実に接合することができる。
先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとが接触しないように設定すると、突合せ部J1の接合強度が低くなる。一方、先端側ピンF3の段差傾斜面23bの接触代Nが1.0mmを超えると蓋体3の第一アルミニウム合金が、押出多孔管2側に大量に混入して接合不良となるおそれがある。
図10に示すように、回転ツールFを一周させて先端側ピンF3が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、中間点S2から終了位置EP1に向かうまでの間に先端側ピンF3を徐々に引き抜いて(上昇させて)、終了位置EP1で押出多孔管2から先端側ピンF3を離脱させる。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを終了位置EP1に移動させながら徐々に引抜いていく。終了位置EP1は、終了位置EP1と中間点S2とが結ぶ線分と設定移動ルートL1とでなす角度が鈍角となる位置に設定する。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。なお、前記したように押出多孔管2と一端側の蓋体3との摩擦攪拌接合が終了したら、同じ要領で押出多孔管2と他端側の蓋体3との摩擦攪拌接合を行う。
以上説明した本実施形態における熱交換器の製造方法によれば、押出多孔管2と先端側ピンF3との摩擦熱によって突合せ部J1の主として押出多孔管2側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、突合せ部J1において押出多孔管2の端面11eと蓋体3の段差傾斜面23bとを接合することができる。
また、先端側ピンF3の外周面を段差傾斜面23bにわずかに接触させるに留めるため、蓋体3から押出多孔管2への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部J1においては主として押出多孔管2側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。つまり、本接合工程では、先端側ピンF3の回転中心軸Zに対して一方側と他方側で、先端側ピンF3が受ける材料抵抗の不均衡を極力少なくすることができる。また、先端側ピンF3の外周面と蓋体3の段差傾斜面23bとを平行に設定しているため、塑性流動材がバランス良く摩擦攪拌され、接合強度の低下を抑制することができる。
また、基端側ピンF2の外周面を押出多孔管2の外周面11fに接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。また、基端側ピンF2の外周面で塑性流動材を押えることができるため、接合表面(周壁部22の外周面22b及び押出多孔管2の外周面11f)に形成される段差凹溝を小さくすることができるとともに、段差凹溝の脇に形成される膨出部を無くすか若しくは小さくすることができる。また、基端側ピンF2の階段状のピン段差部F21は浅く、かつ、出口が広いため、塑性流動材を段差底面F21aで押えつつ塑性流動材がピン段差部F21の外部に抜けやすくなっている。そのため、基端側ピンF2で塑性流動材を押えても基端側ピンF2の外周面に塑性流動材が付着し難い。よって、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。
また、本接合工程の押入区間では、開始位置SP1から設定移動ルートL1と重複する位置まで回転ツールFを移動させつつ所定の深さとなるまで先端側ピンF3を徐々に押入することにより、設定移動ルートL1上で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。
同様に、本接合工程の離脱区間では、設定移動ルートL1から終了位置EP1まで回転ツールFを移動させつつ所定の深さから先端側ピンF3を徐々に引き抜いて離脱させることにより、設定移動ルートL1上で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。
これらにより、設定移動ルートL1上で摩擦熱が過大となり、蓋体3から押出多孔管2へ第一アルミニウム合金が過剰に混入して接合不良となるのを防ぐことができる。
また、本接合工程において、開始位置SP1及び終了位置EP1の位置は適宜設定すればよいが、開始位置SP1と設定移動ルートL1とのなす角度、終了位置EP1と設定移動ルートL1とのなす角度が鈍角となるように設定することにより、中間点S1,S2で回転ツールFの移動速度が低下することなくスムーズに本区間又は離脱区間に移行することができる。これにより、設定移動ルートL1上で回転ツールFが停止又は移動速度が低下することにより、摩擦熱が過大となることを防ぐことができる。なお、上方から見て回転ツールFの軌跡が円弧を描くように開始位置SP1から設定移動ルートL1に回転ツールFを移動させてもよい。同様に、上方から見て回転ツールFの軌跡が円弧を描くように設定移動ルートL1から終了位置EP1に回転ツールFを移動させてもよい。
また、本実施形態の本接合工程では、回転ツールFの回転方向及び進行方向は適宜設定すればよいが、回転ツールFの移動軌跡に形成される塑性化領域W1のうち、蓋体3側(突合せ部J1側)がシアー側となり、押出多孔管2側がフロー側となるように回転ツールFの回転方向及び進行方向を設定した。蓋体3側がシアー側となるように設定することで、突合せ部J1の周囲における先端側ピンF3による攪拌作用が高まり、突合せ部J1における温度上昇が期待でき、突合せ部J1において蓋体3と押出多孔管2とをより確実に接合することができる。
なお、シアー側(Advancing side)とは、被接合部に対する回転ツールの外周の相対速度が、回転ツールの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側を意味する。一方、フロー側(Retreating side)とは、回転ツールの移動方向の反対方向に回転ツールが回動することで、被接合部に対する回転ツールの相対速度が低速になる側を言う。
また、蓋体3の第一アルミニウム合金は、押出多孔管2の第二アルミニウム合金よりも硬度の高い材料になっている。これにより、熱交換器1の耐久性を高めることができる。また、蓋体3の第一アルミニウム合金をアルミニウム合金鋳造材とし、押出多孔管2の第二アルミニウム合金をアルミニウム合金展伸材とすることが好ましい。第一アルミニウム合金を例えば、JISH5302 ADC12等のAl-Si-Cu系アルミニウム合金鋳造材とすることにより、蓋体3の鋳造性、強度、被削性等を高めることができる。また、第二アルミニウム合金を例えば、JIS A1000系又はA6000系とすることにより、押出多孔管2の加工性、熱伝導性を高めることができる。
また、本接合工程においては、突合せ部J1の全周を摩擦攪拌接合できるため、熱交換器の気密性及び水密性を高めることができる。また、本接合工程の終端部分において、回転ツールFが中間点S1を完全に通過してから終了位置EP1に向かうようにする。つまり、本接合工程によって形成された塑性化領域W1の各端部同士をオーバーラップさせることにより、より気密性及び水密性を高めることができる。
また、本接合工程では、回転ツールFの先端側ピンF3の基端側を露出した状態で摩擦攪拌を行うため、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。また、本実施形態では、突合せ工程を行った後、周壁部22の外周面22bよりも、押出多孔管2の外周面11fが外側となるように設定している。これにより、摩擦攪拌される押出多孔管2の第二アルミニウム合金を突合せ部J1に流入させることができ、突合せ部J1の金属不足を防ぐことができる。
また、蓋体3にヘッダー流路24を備えることにより、孔部13に流入又は流出する流体を集約することができる。
なお、本接合工程では、回転ツールFの回転速度を一定としてもよいが、可変させてもよい。本接合工程の押入区間において、開始位置SP1における回転ツールFの回転速度をV1とし、本区間における回転ツールFの回転速度をV2とすると、V1>V2としてもよい。回転速度のV2は、設定移動ルートL1における予め設定された一定の回転速度である。つまり、開始位置SP1では、回転速度を高く設定しておき、押入区間内で徐々に回転速度を低減させながら本区間に移行してもよい。
また、第一本接合工程の離脱区間において、本区間における回転ツールFの回転速度をV2、終了位置EP1において離脱させるときの回転ツールFの回転速度をV3とすると、V3>V2としてもよい。つまり、離脱区間に移行したら、終了位置EP1に向けて徐々に回転速度を上げながら押出多孔管2から回転ツールFを離脱させてもよい。回転ツールFを押出多孔管2に押し入れる際又は押出多孔管2から離脱させる際に、前記のように設定することで、押入区間又は離脱区間時における少ない押圧力を、回転速度で補うことができるため、摩擦攪拌を好適に行うことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る熱交換器の製造方法について説明する。第二実施形態では、図11,12に示すように、本接合工程における開始位置SP1、中間点S1,S2及び終了位置EP1の位置をいずれも設定移動ルートL1上に設定する点で第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
第二実施形態に係る熱交換器の製造では、準備工程と、突合せ工程と、本接合工程とを行う。準備工程及び突合せ工程は、第一実施形態と同一である。
本接合工程では、図11に示すように、開始位置SP1を設定移動ルートL1上に設定する。本接合工程では、開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、設定移動ルートL1上の中間点S1から一周廻って中間点S2までの本区間と、中間点S2から終了位置EP1までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌する。
押入区間では、図11に示すように、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う。押入区間では、押出多孔管2の外周面11fに対して回転中心軸Zを垂直となるようにしつつ、右回転させた先端側ピンF3を開始位置SP1に挿入し、中間点S1まで相対移動させる。この際、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように先端側ピンF3を徐々に押し入れていく。
また、押入区間においては、回転ツールFを移動させつつ、中間点S1に達した際に、先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとが平行となるように設定しつつ、先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとがわずかに接触するように設定する。また、基端側ピンF2の外周面と押出多孔管2の外周面11fとが接触するように設定する。そして、その状態を維持したまま本区間の摩擦攪拌接合に移行する。先端側ピンF3の外周面と段差傾斜面23bとの接触代(オフセット量)N及び設定移動ルートL1の設定は第一実施形態と同一である。
図12に示すように、回転ツールFを一周させて先端側ピンF3が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、図12に示すように、中間点S2から終了位置EP1に向かうまでの間に先端側ピンF3を徐々に引き抜いて(上方に移動させて)、設定移動ルートL1上に設定された終了位置EP1で押出多孔管2から先端側ピンF3を離脱させる。
以上説明した第二実施形態に係る熱交換器の製造方法によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。第二実施形態のように本接合工程における開始位置SP1、終了位置EP1は、設定移動ルートL1上に設定してもよい。
1 熱交換器
2 押出多孔管
3 蓋体
F 回転ツール
F2 基端側ピン
F3 先端側ピン
F4 平坦面
J1 突合せ部
SP1 開始位置
EP1 終了位置
W1 塑性化領域

Claims (12)

  1. 内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、
    前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、
    前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、
    前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、
    回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、回転する前記先端側ピンを前記設定移動ルートよりもさらに前記押出多孔管側に設定した開始位置に挿入した後、前記回転ツールの回転中心軸を前記設定移動ルートと重複する位置まで移動させつつ前記所定の深さとなるまで前記先端側ピンを徐々に押入することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記回転ツールを回転させて摩擦攪拌を行い、
    前記本接合工程において前記先端側ピンを挿入するとき、前記所定の回転速度よりも高い速度で前記先端側ピンを回転させた状態で挿入し、徐々に回転速度を下げながら前記設定移動ルートまで移動させることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  3. 内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、
    前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、
    前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、
    前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、
    回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、前記設定移動ルート上に設定した開始位置から前記先端側ピンを挿入し、進行方向に移動させつつ所定の高さとなるまで徐々に前記先端側ピンを押入することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  4. 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記回転ツールを回転させて摩擦攪拌を行い、
    前記本接合工程において前記先端側ピンを挿入するとき、前記所定の回転速度よりも高い速度で前記先端側ピンを回転させた状態で挿入し、徐々に回転速度を下げながら前記設定移動ルートまで移動させることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器の製造方法。
  5. 内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、
    前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、
    前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、
    前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、
    回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、前記設定移動ルートよりもさらに前記押出多孔管側に終了位置を設定し、前記突合せ部に対する摩擦攪拌接合の後、前記回転ツールを前記終了位置に移動させつつ前記先端側ピンを徐々に引き抜いて前記終了位置で前記押出多孔管から前記回転ツールを離脱させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  6. 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記先端側ピンを回転させて摩擦攪拌を行い、
    前記本接合工程において前記先端側ピンを離脱させるとき、前記所定の回転速度よりも徐々に回転速度を上げながら終了位置まで移動させることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器の製造方法。
  7. 内部にフィンを有する押出多孔管と、前記押出多孔管の開口部を封止する蓋体とで構成され、前記押出多孔管と前記蓋体とを摩擦攪拌で接合する熱交換器の製造方法であって、
    前記蓋体は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有し、前記周壁部の外周縁に、段差側面と、当該段差側面から外側に向かうにつれて前記底部側に近接するように傾斜する段差傾斜面と、を有する周壁段差部を形成し、
    前記押出多孔管は、端部に前記フィンが形成されておらず前記周壁部が嵌め合わされる嵌合部を有し、
    前記押出多孔管は第二アルミニウム合金で形成されており、前記蓋体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記押出多孔管の前記嵌合部に前記蓋体の前記周壁部を挿入することにより、前記押出多孔管の内周面と前記蓋体の段差側面とを重ね合わせるとともに、前記押出多孔管の端面と前記蓋体の前記段差傾斜面とを突き合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する突合せ工程と、
    回転する前記回転ツールの先端側ピンを前記押出多孔管の外周面に挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記蓋体の段差傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記押出多孔管の外周面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記押出多孔管側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、前記設定移動ルート上に終了位置を設定し、前記突合せ部に対する摩擦攪拌接合の後、前記回転ツールを前記終了位置に移動させつつ前記先端側ピンを徐々に引き抜いて前記終了位置で前記押出多孔管から前記回転ツールを離脱させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  8. 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記先端側ピンを回転させて前記突合せ部の摩擦攪拌接合を行い、
    前記本接合工程において前記先端側ピンを引き抜くとき、前記所定の回転速度よりも徐々に回転速度を上げながら前記終了位置まで移動させることを特徴とする請求項7に記載の熱交換器の製造方法。
  9. 前記突合せ工程では、前記蓋体の外周面よりも前記押出多孔管の外周面の方が外側となるように、前記押出多孔管と前記蓋体とを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
  10. 前記回転ツールの回転方向及び進行方向を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
  11. 前記本接合工程では、前記先端側ピンの先端が前記蓋体の段差側面を突き抜けた状態で前記押出多孔管の外周面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
  12. 前記第一アルミニウム合金は鋳造材からなり、前記第二アルミニウム合金は展伸材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
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