JP7226254B2 - 液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第一実施形態に係る液冷ジャケット1は、図6に示すように、ジャケット本体2と封止体3とで構成されている。液冷ジャケット1は、内部に流体を流通させて、配置される発熱体を冷却する機器である。ジャケット本体2と封止体3とは摩擦攪拌接合で一体化される。以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面を意味する。
同様に、本接合工程の離脱区間では、設定移動ルートL1から終了位置EP1まで回転ツールFを移動させつつ所定の深さから先端側ピンF3を徐々に上昇させて離脱させることにより、設定移動ルートL1上で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。
本接合工程では、図11のように、回転ツールFの回転中心軸Zを鉛直面に対して傾斜角度γで傾斜させてもよい。変形例の本接合工程では、基端側ピンF2の外周面を周壁部11の第二傾斜面11cにわずかに接触させつつ、回転ツールFの回転中心軸Zの鉛直面に対する傾斜角度をγとし、第一傾斜面11bの鉛直面に対する傾斜角度をβとし、第二傾斜面11cの鉛直面に対する傾斜角度をβ’とし、先端側ピンF3の外周面の回転中心軸Zに対する傾斜角度をαとし、基端側ピンF2の外周面の回転中心軸Zに対する傾斜角度をα’とすると、γ=α-β且つγ=α’-β’にした状態で接合を行うことが好ましい。
次に、本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。第二実施形態では、図12に示すように、本接合工程における開始位置SP1及び終了位置EP1の位置が第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
2 ジャケット本体
3 封止体
3c 側面
10 底部
11 周壁部
11a 端面
11b 第一傾斜面
11c 第二傾斜面
11d 側面
11e 端部
11f 端部
F 回転ツール
F2 基端側ピン
F3 先端側ピン
J1 第一突合せ部
W1 塑性化領域
Claims (8)
- 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、
前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状のピン段差部が形成されており、
前記周壁部の端面の外周縁に、前記周壁部の側面に向かうにつれて前記底部側に傾斜する第一傾斜面と、前記第一傾斜面の外側の端部から前記周壁部の側面に向かうにつれてさらに前記底部側に傾斜する第二傾斜面と、を形成するとともに、前記封止体を前記周壁部に載置した際に、前記第一傾斜面の外側の端部よりも前記封止体の側面が周方向に亘って外側に位置するように前記封止体を形成する準備工程と、
前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを突き合わせて第一突合せ部を形成する載置工程と、
回転する前記回転ツールの前記先端側ピンを前記封止体の側面から挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記周壁部の端面の前記第一傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記第一突合せ部よりも封止体の表面側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の廻りに一周させて前記第一突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
前記本接合工程において、回転する前記先端側ピンを前記設定移動ルートよりもさらに封止体の表面側に設定した開始位置に挿入した後、前記回転ツールの回転中心軸を前記設定移動ルートと重複する位置まで移動させつつ前記所定の深さとなるまで前記先端側ピンを徐々に押入することを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。 - 前記本接合工程では、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面の前記第二傾斜面にわずかに接触させつつ、前記回転ツールの回転中心軸の鉛直面に対する傾斜角度をγとし、前記第一傾斜面の鉛直面に対する傾斜角度をβとし、前記第二傾斜面の鉛直面に対する傾斜角度をβ’とし、前記先端側ピンの外周面の前記回転中心軸に対する傾斜角度をαとし、前記基端側ピンの外周面の前記回転中心軸に対する傾斜角度をα’とすると、γ=α-β且つγ=α’-β’にした状態で接合を行うことを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケットの製造方法。
- 前記本接合工程の前記所定の深さは、前記先端側ピンが前記周壁部の端面の前記第一傾斜面の内側の端部にわずかに接触する位置に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
- 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記回転ツールを回転させて摩擦攪拌を行い、
前記本接合工程において前記先端側ピンを挿入するとき、前記所定の回転速度よりも高い速度で前記先端側ピンを回転させた状態で挿入し、徐々に回転速度を下げながら前記設定移動ルートまで移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液冷ジャケットの製造方法。 - 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、
前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きくなっており、前記基端側ピンの外周面には階段状のピン段差部が形成されており、
前記周壁部の端面の外周縁に、前記周壁部の側面に向かうにつれて前記底部側に傾斜する第一傾斜面と、前記第一傾斜面の外側の端部から前記周壁部の側面に向かうにつれてさらに前記底部側に傾斜する第二傾斜面と、を形成するとともに、前記封止体を前記周壁部に載置した際に、前記第一傾斜面の外側の端部よりも前記封止体の側面が周方向に亘って外側に位置するように前記封止体を形成する準備工程と、
前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを突き合わせて第一突合せ部を形成する載置工程と、
回転する前記回転ツールの前記先端側ピンを前記封止体の側面から挿入し、前記先端側ピンの外周面を前記周壁部の端面の前記第一傾斜面にわずかに接触させつつ、前記基端側ピンの外周面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記第一突合せ部よりも封止体の表面側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の廻りに一周させて前記第一突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
前記本接合工程において前記設定移動ルート上に設定した開始位置から前記先端側ピンを挿入し、進行方向に移動させつつ前記所定の深さとなるまで徐々に前記先端側ピンを押入することを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。 - 前記本接合工程では、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面の前記第二傾斜面にわずかに接触させつつ、前記回転ツールの回転中心軸の鉛直面に対する傾斜角度をγとし、前記第一傾斜面の鉛直面に対する傾斜角度をβとし、前記第二傾斜面の鉛直面に対する傾斜角度をβ’とし、前記先端側ピンの外周面の前記回転中心軸に対する傾斜角度をαとし、前記基端側ピンの外周面の前記回転中心軸に対する傾斜角度をα’とすると、γ=α-β且つγ=α’-β’にした状態で接合を行うことを特徴とする請求項5に記載の液冷ジャケットの製造方法。
- 前記本接合工程の前記所定の深さは、前記先端側ピンが前記周壁部の端面の前記第一傾斜面の内側の端部にわずかに接触する位置に設定することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の液冷ジャケットの製造方法。
- 前記本接合工程では、所定の回転速度で前記回転ツールを回転させて摩擦攪拌を行い、
前記本接合工程において前記先端側ピンを挿入するとき、前記所定の回転速度よりも高い速度で前記先端側ピンを回転させた状態で挿入し、徐々に回転速度を下げながら前記設定移動ルートまで移動させることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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