JP7024435B2 - プラズマ洗浄装置及びプラズマ洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄対象物をプラズマ洗浄するプラズマ洗浄装置及びプラズマ洗浄方法に関する。
従来、電子回路基板を有する樹脂製の容器状部材に対して、基板やケーブルの配線部分を保護するために、容器状部材内に封止用樹脂を充填した製品が知られている。こうした製品において、封止用樹脂が容器状内面に密着しないと、その隙間から水分等が侵入し、腐食や短絡等の障害を起こすことがある。そのため、上記のような製品の製造工程において、封止用樹脂との密着性を高めるために、プラズマ照射による容器状内面の表面改質(濡れ性向上)が必要とされる。
例えば、特許文献1には、洗浄対象物としての基板を平面上に設置し、照射ノズルからプラズマを発生させ、基板の洗浄すべき部分に照射して、表面改質を行うプラズマ洗浄方法が開示されている。
特開2000-117213号公報
ところで、洗浄対象物が、上記特許文献1に記載されるような薄板形状の基板単体ではなく、底部を有する有底筒状体をなす上記容器状部材である場合、プラズマガンから照射されるプラズマ気流は、容器状部材の底部内面に対して直交する。底部内面に向けて照射されたガスは、底部内面において広い面積に当たるため、この部位での洗浄は容易であった。しかし、容器状部材の縁内面に対しては、プラズマ気流と洗浄面とが平行であり、プラズマガスが当たる面積が相対的に小さいため、洗浄効率が悪いという問題が生じていた。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、容器状部材に対して、内面の表面改質処理を効率的に行うことが可能なプラズマ洗浄方法及び装置を提供することにある。
本発明のプラズマ洗浄装置は、プラズマガン(1)と、保持部(21)と、回転機構部(30)と、移動機構部(40)と、制御部(50)と、を備える。円筒管状のプラズマガンは、プラズマ発生装置側に固定され、プラズマガスを照射する。保持部は、容器状の洗浄対象物(10)の内面(13)とプラズマガスの照射方向とが交差するように、洗浄対象物を照射方向に対して傾斜した状態に保持する。回転機構部は、洗浄対象物を、回転中心軸(C)回りに回転させる。
移動機構部は、洗浄対象物を、プラズマガンに接近または離間する方向である第1軸方向及び、第1軸方向と直交する平面上にある第2軸方向に移動可能である。制御部は、保持部に保持された洗浄対象物の回転時に、プラズマガスが内面に当たる接触点(P1,P2,P3)とプラズマガンとの距離(H)が第1軸方向で一定となるように、かつ、回転中心軸から接触点までの距離(r1,r2,r3)の変化に対応して第2軸方向で回転動作に追従するように、移動機構部を制御する。
本発明の構成によれば、内面と照射方向とが交差するするため、プラズマガスが内面に当たる面積を大きくできる。さらに、洗浄対象物を回転させつつ、2軸方向で追従させるように洗浄対称物を移動させながら洗浄する。このため、洗浄対象面である内面とプラズマガンとの距離的対応が回転時に保たれ、均一かつ効率的な洗浄が可能となる。
本発明の第1実施形態によるプラズマ洗浄装置を示す概略斜視図である。 プラズマ洗浄装置を示す概略側面図であり、特に傾斜用アッセンブリを示す図である。 プラズマ洗浄装置を示す概略側面図であり、洗浄時に傾斜した状態を示す図である。 プラズマ洗浄装置のシステム構成を示すブロック図である。 ワークを示す斜視図である。 ワークを示す平面図である。 プラズマ洗浄工程を説明するフローチャートである。 洗浄時のワークと照射管の位置関係を模式的に示す断面図である。 回転角度ごとの、X軸方向およびZ軸方向移動量の変化をグラフに示す図である。 効果を説明するためのマップである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
[構成]
本発明の第1実施形態の構成について、図1~図4を参照しつつ説明する。図1~図3において、Z軸方向は重力方向と一致しており、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ互いに直交する。X-Y平面はZ軸方向と直交する水平面である。以下の説明において、Z軸方向の一方側を「上側」とし、Z軸方向の他方側を「下側」として説明する。なお、図1では、後述する保持部21およびワーク10は省略して示している。また、図2では、見える線の一部を省略し簡略化して示している。Z軸方向は、「プラズマガンに接近または離間する第1軸方向」に相当し、X軸方向は、「第1軸方向と直交する平面上にある第2軸方向」に相当する。
本実施形態のプラズマ洗浄装置101は、洗浄対象物としてのワーク10に、プラズマガスを照射して洗浄する装置である。図1に示すように、プラズマ洗浄装置101は、プラズマ照射管1、傾斜用アッセンブリ20、回転機構部30、移動機構部40、及び制御部50(図4参照)等を備えている。
プラズマガンとしてのプラズマ照射管1は、図示しないプラズマガス発生装置に固定され、その先端からプラズマガスを吹き出す。本実施形態では、プラズマ照射管1の下端から、下方のワーク10へ向けてプラズマガスが照射される。
図2に示すように、傾斜用アッセンブリ20は、保持部21、保持部取付台22、フレーム部材23を有し、これらがワーク側(上側)から順に配されている。さらに、傾斜用アッセンブリ20は、傾斜軸部24、エアシリンダ25、ピストン26、ストッパ27、第1プーリー28、第2プーリー29、タイミングベルト31、θ軸部32、θ軸用モータ33、及び軸受部34等を備えている。傾斜用アッセンブリ20は、保持部21に保持されたワーク10を、プラズマ照射管1によるプラズマ照射方向に対して傾斜した状態とするための機構であり、「傾斜機構部」に相当する。
さらに、本実施形態では、第1プーリー28、第2プーリー29、タイミングベルト31、θ軸部32、θ軸用モータ33、及び軸受部34により、回転機構部30が構成されている。回転機構部30は、ワーク10を回転中心軸C回りに回転させる。
保持部21は、保持部取付台22にねじにより取り付けられている。保持部21の、保持部取付台22と反対側である上側には、ワーク10を収容する枠部35が形成されている。洗浄時、ワーク10は、この枠部35に置かれ、例えば図示しない保持用ばねを介して枠部35の内壁面に押し付けられるようにして固定される。
フレーム部材23は、上底部36、第1アーム部37、及び第2アーム部38を有する。以下、構成を説明するにあたり、図2に示す傾斜していない状態を基準として説明する。上底部36は、X-Y平面に延びて形成されている。上底部36において、X軸方向の略中央には、Y軸方向に延びる傾斜軸部24が設けられている。
第1アーム部37は、上底部36のX軸方向の一方側(図2では右側)端部から、X軸方向の一方かつ下方に向けてなだらかに湾曲して延びて形成されている。第2アーム部38は、上底部36のX軸方向の他方側(図2では左側)端部から、X軸方向の他方かつ下方に向けてなだらかに湾曲して延びて形成されている。上底部36と各アーム部37,38とで囲まれた領域に、収容部39が形成される。
θ軸用モータ33は、第1アーム部37の下側に配置されている。θ軸部32は、フレーム部材23のX方向の略中央を貫通して保持部21まで挿入されている。θ軸部32の周囲には軸受部34が設けられている。軸受部34は、収容部39内に位置する。θ軸用モータ33の回転は、第1プーリー28、タイミングベルト31、及び第2プーリー29を介してθ軸部32に伝達される。すなわち、θ軸用モータ33を回転駆動することで、ワーク10を保持した保持部21が回転するようになっている。本実施形態では、ワーク10の中心が回転中心軸Cと一致する。
エアシリンダ25は、傾斜用アッセンブリ20を傾斜させるためのアクチュエータであり、第2アーム部38の下方に位置する。エアシリンダ25は、内部にピストン26を有し、このピストン26の上端部と、第2アーム部38の下端部とが連結部材61にて連結されている。エアシリンダ25の下部は、若干の回動が許容された状態で支持部材62に支持されている。
図3に示すように、エアシリンダ25が支持部材62に対して反時計回りに回動し、エアシリンダ25内のピストン26が延びると、フレーム部材23は、傾斜軸部24を中心に図3において時計回りに回転し所定角度に傾斜する。図3では時計回りに約15度傾斜した状態を示している。ストッパ27は、棒状の部材であり、連結部材61の上方に設けられている。傾斜用アッセンブリ20が傾斜する際、連結部材61がストッパ27に当接することで、所定角度以上の過度に傾斜することが防止される。
再び図1を参照する。移動機構部40は、上記傾斜用アッセンブリ20を、XYZ各軸方向へ移動可能とする機構である。図1に示すように、移動機構部40は、X軸部41、Y軸部42、Z軸部43、X軸用モータ44、Y軸用モータ45、及びZ軸用モータ46を有している。X軸部41は、傾斜用アッセンブリ20の下方に位置し、X軸方向に延びて形成されるレール部材である。Y軸部42は、X軸部41の下方に位置し、Y軸方向に延びて形成されるレール部材である。Z軸部43は、傾斜用アッセンブリ20のX軸方向の他方側に位置し、Z軸方向に延びて形成されるレール部材である。
すなわち、本実施形態のプラズマ洗浄装置101では、ワーク10が保持された保持部21を、傾斜した状態に維持しつつθ軸部32を中心に回転させながら、X軸、Y軸、及びZ軸の各方向へ、各軸部41,42,43に沿って移動させることが可能である。
制御部50は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を中心とするマイクロコンピュータで構成されている。図4に示すように、制御部50は、各モータ33,44,45,46、エアシリンダ25、及びプラズマ照射管1と電気的に接続しており、各モータ33,44,45,46及びエアシリンダ25の駆動、さらにプラズマ照射管1によるプラズマ照射を制御する。なお、各モータ33,44,45,46はサーボモータで構成されている。
次に、ワーク10について説明する。図5、図6に示すように、洗浄対象物としてのワーク10は、樹脂製の容器状部材であり有底筒状の回転体である。なお、ワーク10は簡略化して示しているが、実際には、図示しないコネクタ部などを有している。ワーク10は、矩形状の底部11と、底部に連続する側壁部12とを有し、底部11の反対側が開口した容器状の部材である。側壁部12は、底部11と90度の角度をなしている。長辺Lの長さは短辺Sの長さの概ね2倍程度であり、深さDは、短辺Sより小さく概ね2分の1程度である。このワーク10の形状は一例である。
ワーク10は、例えば車両に搭載され、製品として完成した際には複数の温度センサを一括処理する回路基板を有する。回路基板が組み付けられたワーク10内には、基板やケーブルの配線部分を保護するために、封止用樹脂が開口縁から充填される。この樹脂との密着性を高めるため、樹脂封止工程の前に、ワーク10の内面に対して上記洗浄装置により洗浄を行う。洗浄対象となる面は、底部11及び側壁部12の内面の両方であるが、本実施形態では、ワーク10を傾斜させて側壁部12の内面13を洗浄する形態について説明する。
[作用]
次に、本実施形態のプラズマ洗浄装置101による洗浄処理について、図7~図9を参照して説明する。図7に示すように、まず、ステップ1(以下、ステップをSと省略する)で、ワーク10が保持部21に取り付けられ、S2で設備が起動される。次に、S3で、傾斜用アッセンブリ20のエアシリンダ25が駆動されて、ワーク10が所定角度の傾斜状態とされる。
図8に示すように、プラズマガスが重力方向下向きに照射される場合、「照射方向に対して傾斜した状態」とは、本実施形態の場合には、ワーク10の回転中心軸Cが重力方向から傾いており、底部11も水平状態から傾いている状態である。照射方向に延びる直線を照射軸Iとすると、照射軸Iと回転中心軸Cとは交差しており、そのなす角度が傾斜角φである。
次に、S4で、ワーク10の側壁部12の内面13がプラズマ照射管1の先端に対向する位置、すなわち洗浄位置へ保持部21(傾斜用アッセンブリ20)が移動される。次に、S5で、洗浄が開始され、プラズマ照射管1からワーク10へプラズマが照射される。このとき、ワーク10は、傾斜用アッセンブリ20により、θ軸部32回りに回転されるとともに、回転角度に応じて適宜X軸方向とZ軸方向へ移動される。また、プラズマ気流と側壁部12の内面13とは交差する。
このプラズマ照射時に、制御部50が実行する制御について詳述する。図6に示すように、プラズマガスが側壁部12の内面13に当たる接触点を、回転角度ごとに適宜接触点P1、P2、P3とする。ワーク10を回転させるとき、側壁部12において、回転中心軸Cから接触点P1、P2、P3までの距離r1、r2、r3は回転角度ごとに異なる。図6においてワーク10は時計回りに回転する。接触点P1を回転開始時、すなわち回転角度0度とする。接触点P2のとき、回転角度は約55度であり、接触点P3のとき、回転角度は90度である。距離r1が最も小さく、距離r2が最も大きく、距離r3が距離r1と距離r2の間である(r1<r3<r2)。
制御部50は、各接触点P1、P2、P3とプラズマ照射管1とのZ軸方向距離H(図8参照)が一定となるようにZ軸用モータ46を駆動制御し、ワーク10のプラズマ照射管1に対するZ軸方向位置が調整される。
図9に示すように、接触点P1から接触点P2まで回転するときには、接触点P2の方が接触点P1よりも相対的にZ軸方向位置が高くなるため、これに併せてワーク10のZ軸移動量を徐々に大きくする。そして、接触点P2からP3まで回転するときには、接触点P3の方が接触点P2よりも相対的にZ軸方向位置が低くなるため、これに併せてワーク10のZ軸移動量を徐々に小さくする。こうした制御により、Z軸方向距離Hが一定に保たれる。
また、制御部50は、回転中心軸Cから接触点P1、P2、P3までの距離r1,r2,r3の変化に対応して、X軸方向でワーク10の回転動作に追従するようにX軸用モータ44を駆動制御する。回転中心軸Cから接触点P1、P2、P3までの距離r1、r2、r3は回転角度ごとに異なる。仮に、ワーク10のX軸方向位置が固定であると、XZ平面内でプラズマ照射管1と接触点との対応が取れなくなる。
しかし、本実施形態では、予め設備側の要求により設定される適切な接触点位置にプラズマガスが当たるように、ワーク10のX軸方向位置が調整される。適切な接触点位置の設定は、照射管の径や、装置側の要請による洗浄対象部位とプラズマガスとの離間距離等により異なる。本実施形態では、ワーク10の回転動作に追従して、図9に示すように、X軸方向移動量が制御されることで、適切な位置にプラズマガスが照射される。なお、図9では、回転角度は180度までを図示しているが、ワーク10は対称形であるため、180度~360度の範囲でも同様である。
再び、図7を参照する。上記詳述したS5でのプラズマ照射が終了すると、次に、S6で、保持部(傾斜用アッセンブリ20)が洗浄位置からワーク脱着位置へ戻される。次に、S7で設備が停止され、S8で、ワーク10が保持部21から取り外され、本処理は終了となる。
次のワークを洗浄する場合は、上記フローチャートに示す洗浄処理工程が繰り返される。なお、同様の形状のワークを続けて洗浄する場合には、傾斜用アッセンブリ20が既に設定角度に傾斜している場合は、S3においてその傾斜角度を維持するようにする。また、S6とS7の間に、傾斜用アッセンブリ20の角度を基準の0度に戻る処理を入れても良い。この場合、傾斜用アッセンブリ20のエアシリンダ25が駆動されて、ワーク10(傾斜用アッセンブリ20)が平坦な状態に戻される。
[効果]
ワーク10は角型の容器であり、洗浄時にはワーク10自体が照射方向に対して傾斜している。このため、ワーク10を固定させたままθ軸部32を中心に回転させると、固定されているプラズマ照射管1と接触点PとのZ軸方向距離H、および回転中心軸Cから接触点P1、P2、P3との距離r1、r2、r3は回転角度に応じて変化する。回転させながら照射する過程で、Z軸方向距離Hが変化したり、距離rが適切な位置にないと、洗浄対象面を十分に洗浄できなかったり、洗浄ムラが生じたりする虞がある。
その点、本実施形態では、ワーク10を回転させつつ、X軸とZ軸の2軸方向で追従させつつワーク10を移動させながら洗浄する。このため、洗浄対象面である内面13とプラズマ照射管1との距離的対応が回転時に保たれ、均一かつ効率的な洗浄が可能となる。
従来、容器状をなすワーク10の側壁部12の内面13に対して洗浄する際、プラズマ気流と洗浄面とが平行であり、プラズマガスが当たる面積が相対的に小さいため、洗浄効率が悪いという問題が生じていた。しかし、その点、本実施形態では、プラズマ気流と側壁部12の内面13とは平行ではなく交差することで、平行である場合と比較するとプラズマガスが当たる面積は相対的に大きくなる。このため、より短時間で広い領域を確実に洗浄することができる。
本出願人は、平行気流で洗浄する従来の装置による比較形態と、上記詳述した洗浄装置101による本実施形態とで、ワーク10の移動速度及び励起電力を変えて、ワーク10と封止樹脂との密着性に関する良品試験を行った。移動速度とは、プラズマ照射管1に対するワーク10の相対速度である。図10において、比較形態における良品製造の条件範囲を破線で示し、本実施形態における良品製造の条件範囲を実線で示している。良品の条件範囲は、破壊試験によりワーク10の内面と封止樹脂との密着が十分強固であると認定される範囲である。
図10に示すように、比較形態に対して、本実施形態では、良品の条件範囲が、移動速度はより速く、かつ励起電力はより低い領域となっている。一般に、洗浄工程において、ワーク10の移動速度は遅いほど、また、励起電力は高いほど、より高い洗浄効果が得られる。しかし、本実施形態では、相対的に励起電力が低く、かつ移動速度は遅くても良品が得られ、すなわち、低電力でのプラズマ効果を向上させており、洗浄効率化を図ることができる。
また、本実施形態では、固定されたプラズマ照射管1に対してワーク10を動かすようにしている。プラズマ照射管1の上方には、プラズマガスを生成して照射するための大きな装置があり、ケーブルも多くある。本実施形態では、照射管1は固定であり、ワーク10を回転させつつさらに2軸方向で追従制御する構成であるため、プラズマガス発生装置側のケーブルの断線等を防ぐことができ、装置の安全性を向上させることができる。
〈他の実施形態〉
上記実施形態では、プラズマ照射管1は重力方向下向きにプラズマガスを照射するものであり、重力上下方向がZ軸方向と一致しているものとしたが、重力上下方向と完全に一致していなくても良い。
上記実施形態でのワーク10の底部11は、断面が長方形状としたが、その他の形状であっても良い。また、底部11と側壁部12とに明確に分かれておらず、底部と側壁部との境界がはっきりせず、底部と側壁部とが連続的に接続されているお椀型等の容器であっても良い。その他、ワーク10は、容器状であれば良く、側壁部12と底部11との角度が90度でなくても良いし、対称形状でなくても良い。なお、ワーク10が対称形状でない場合には、洗浄の途中で傾斜用アッセンブリ20の傾斜角φを変更して、回転動作に追従させるようにしても良い。
上記実施形態において、洗浄時、ワーク10を何周か回転させるようにしても良い。また、ある部位では移動速度を低速にして洗浄時間を長くし、他の部位では移動速度を高速にして洗浄時間を短くするなど、ワーク10の形状や洗浄時間の制約等に併せて適宜変更可能である。
上記実施形態における保持部21の構成や、ワーク10を回転させる機構は一例であり、その他の構成であっても良い。
上記実施形態において、プラズマ洗浄装置101は傾斜用アッセンブリ20を有しているものとしたが、有していなくても良い。ワーク10の内面13と照射方向とが交差すれば良く、例えば、ワーク10が傾斜状態となるように、保持部21がもともと所定角度に傾斜している構成としても良い。
上記実施形態の傾斜用アッセンブリ20は、エアシリンダ25、ピストン26等で構成したが、ワーク10を傾斜させることができる機構であれば良く、その他の機械的構成としても良い。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・プラズマ照射管(プラズマガン)
10 ・・・ワーク(洗浄対象物)
13 ・・・内面
20 ・・・傾斜用アッセンブリ
21 ・・・保持部
30 ・・・回転機構部
40 ・・・移動機構部
50 ・・・制御部

Claims (6)

  1. プラズマ発生装置側に固定され、プラズマガスを照射する円筒管状のプラズマガン(1)と、
    容器状の洗浄対象物(10)の内面(13)と前記プラズマガスの照射方向とが交差するように、前記洗浄対象物を前記照射方向に対して傾斜した状態に保持する保持部(21)と、
    前記洗浄対象物を、回転中心軸(C)回りに回転させる回転機構部(30)と、
    前記洗浄対象物を、前記プラズマガンに接近または離間する方向である第1軸方向及び、前記第1軸方向と直交する平面上にある第2軸方向に移動可能な移動機構部(40)と、
    前記保持部に保持された前記洗浄対象物の回転時に、前記プラズマガスが前記内面に当たる接触点(P1,P2,P3)と前記プラズマガンとの距離(H)が前記第1軸方向で一定となるように、かつ、前記回転中心軸から前記接触点までの距離(r1,r2,r3)の変化に対応して前記第2軸方向で回転動作に追従するように、前記移動機構部を制御する制御部(50)と、
    を備えるプラズマ洗浄装置。
  2. 前記保持部を傾斜させる傾斜機構部(40)をさらに備える請求項1に記載のプラズマ洗浄装置。
  3. 前記洗浄対象物は、矩形状をなす底部(11)と、前記底部に連続する側壁部(12)とを有し、
    前記保持部は、前記側壁部の前記内面と前記プラズマガスの前記照射方向とが交差するように前記洗浄対象物を保持する請求項1または請求項2に記載のプラズマ洗浄装置。
  4. 前記保持部は、前記底部の中心が前記回転中心軸と一致するように前記洗浄対象物を保持する請求項3に記載のプラズマ洗浄装置。
  5. 前記プラズマガンは、重力上下方向の下方へ前記プラズマガスを照射するものであり、
    前記第1軸方向は重力方向であり、前記第2軸方向は水平方向である請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載のプラズマ洗浄装置。
  6. プラズマ発生装置側に固定された円筒管状のプラズマガン(1)により、容器状の洗浄対象物(10)の内面(13)にプラズマガスを照射して洗浄するプラズマ洗浄方法であって、
    前記洗浄対象物の前記内面と前記プラズマガスの照射方向とが交差するように、前記洗浄対象物を、前記照射方向に対して傾斜した状態で回転中心軸(C)回りに回転させ、
    前記洗浄対象物の回転時に、前記プラズマガスが前記内面に当たる接触点(P1,P2,P3)と前記プラズマガンとの距離(H)が前記プラズマガンに接近または離間する方向である第1軸方向で一定となるように、かつ、前記回転中心軸から前記接触点までの距離(r1,r2,r3)の変化に対応して前記第1軸方向と直交する平面上にある第2軸方向で回転動作に追従するようにしたプラズマ洗浄方法。
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