JP7023841B2 - マーカー分子に基づいて個体を化学療法により処置すべきであると同定する方法および関連する使用 - Google Patents

マーカー分子に基づいて個体を化学療法により処置すべきであると同定する方法および関連する使用 Download PDF

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Description

本発明は、マーカー分子サイトケラチン-19フラグメント(cytokeratin-19 fragments)(CYFRA 21-1)および癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)(CEA)に基づいて、非小細胞肺癌を伴う個体を化学療法により処置すべきであると同定する方法、ならびに化学療法により処置すべき個体を同定するためのそれらのマーカー分子の使用に関する。
肺癌は世界的に最も一般的な癌であり、2012年には約180万の新たな症例および160万人の死亡があった。肺癌に対する処置は、その癌の個々の細胞タイプ、それの拡散している範囲、およびその者のパフォーマンス状態に依存する。一般的処置には対症処置、外科処置、化学療法および放射線療法が含まれる。肺癌の標的療法が進行肺癌について重要性を増している。療法が成功した後、患者を再発について注意深くモニターする必要がある。非小細胞肺癌(NSCLC)における予後因子には、肺の症状の存否、腫瘍サイズ、細胞タイプ(組織学)、拡散の程度(ステージ)、および多数のリンパ節への転移、ならびに脈管浸潤が含まれる。現在、NSCLCについて最良の予後はステージIA疾患の完全な外科的切除で達成され、最大70%の5年生存率をもつ。しかし、ある患者には化学療法がさらに有益な可能性がある。
初期NSCLCにおいて患者の予後およびアジュバント化学療法決定のために受入れられている治療基準は、腫瘍サイズである。しかし、小さな腫瘍を伴うある患者ですらアジュバント化学療法を必要とする可能性があり、これに対し、他方ではより大きなステージIIの腫瘍をもつ患者が外科処置だけで治癒する可能性がある(Morgensztern D et al., 2015, J Clin Oncol 33 (suppl): Abstr 7520)。よって、臨床治療基準の採用では、ある患者は処置不十分であり、他の患者は過剰処置である可能性がある。
Morgensztern D et al., 2015, J Clin Oncol 33 (suppl): Abstr 7520
したがって、肺癌を伴う個体を化学療法により処置すべきであると同定するのに適した方法に対するニーズが依然としてある。
意外にも、あるサブグループの肺癌患者、すなわち非小細胞肺癌サブタイプ扁平上皮癌(SCC-NSCLC)ステージIまたはIIを伴うと診断された者には、マーカーであるサイトケラチン-19フラグメント(CYFRA 21-1)および癌胎児性抗原(CEA)のレベルが上昇していれば(高リスクグループ)化学療法が実際にきわめて有益であり、これに対しそれらのレベルが上昇していない者(低リスクグループ)には化学療法が有益ではないことが見出された。
現在、ステージIまたはIIのSCC-NSCLCを伴う患者が再発のリスクを低下させるためにアジュバント化学療法(AC)を受けるべきであるかどうかを判断するための血液バイオマーカーに基づく治療基準はない。これまでの刊行物に、腫瘍マーカー指数(Tumor-Marker-Index)(TMI)はすべてのNSCLC患者においてACが有益な可能性がある高リスクグループを判定できると示唆されている(Muley T, 2010, Tumor Biology 31, Suppl. 1: S87)。本実施例に示すように、異なるNSCLC組織学的サブタイプを区別することが重要である。Cyfra21-1とCEAのマーカー組合わせは、ステージ情報(ステージIまたはII)と一緒に、SCC-NSCLCにおける無再発生存率(relapse-free survival)(RFS)を確立するが、非小細胞肺癌サブタイプ腺癌においては化学療法による追加の有益性はない;すなわち、そのサブグループについてはそれらのマーカーは予測性がない。本発明の革新的知見は、SCC組織学の注目、Tステージの追加、およびステージIとIIの両方への適用性である;これらはすべて、腫瘍マーカー指数のみに基づく前記の方法とは異なる。
本発明者らは、現在の治療基準、すなわちTステージのみでは、SCC-NSCLC患者(参照:図1A)および腺癌NSCLC患者(参照:図3A)において予後判定性または予測性がないことを示すことができた。図2Aに示すように、腫瘍ステージのみではSCC-NSCLCにおける異なる予後グループを識別できず、Tステージ単独ではどのグループの患者が化学療法を受けるべきであるかを予測することもできない;両グループ(T1-2,N0およびT3,N0またはT1-2,N1と呼ぶ)において、RFSは化学療法でわずかに改善されるにすぎない(参照:図2A)。それは、現在の臨床基準がSCC-NSCLCにおける化学療法のための患者選択に最適ではないことを意味する。
本開示のマーカー組合わせ(Cyfra21-1とCEA)に基づいて、SCC-NSCLCステージIまたはIIを伴う個体を、再発または無再発生存率について異なるリスク/確率をもつ2つの予後グループに分類できた(参照:図1B)。図2Bに示すように、低リスクグループ(それぞれ、実線および破線)は外科処置後に化学療法を必要としないが、高リスクグループ(点線点破線)はアジュバント化学療法から明らかに有意の恩恵を受けるであろう。実線(化学療法を受けた低リスク患者)と破線(化学療法を受けなかった低リスク患者)の間に有意差がない;すなわち、アジュバント化学療法は低リスク患者においてはRFSを変化させないが、点線(化学療法を受けた高リスク患者)と点破線(化学療法を受けなかった高リスク患者)の間には大きな差があり、これは高リスク患者においてはアジュバント化学療法の追加でRFSが有意に改善されたことを示す。
SCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断された上記グループの個体と対照的に、非小細胞肺癌サブタイプ腺癌を伴うと診断された個体は化学療法からの追加の有益性を示さない;すなわち、これらのマーカーはそのサブグループについては予測性がない。図3Bに示すように、低リスクグループ(それぞれ、実線および破線)も高リスクグループ(点線点破線)もアジュバント化学療法から有意の恩恵を受けないであろう。実線(化学療法を受けた低リスク患者)と破線(化学療法を受けなかった低リスク患者)の間に有意差がなく、点線(化学療法を受けた高リスク患者)と点破線(化学療法を受けなかった高リスク患者)の間にも有意差がない;すなわち、アジュバント化学療法はいずれのリスクグループにおいてもRFSを変化させない。
要約すると、本方法における重要な利点は、それが非小細胞肺癌サブタイプ扁平上皮癌(SCC-NSCLC)についての外科処置後に化学療法を受けるべきである個体(高リスクグループ)と受けるべきではない個体(低リスクグループ)を同定できるという事実である。
図1は、SCC-NSCLCステージIおよびIIと診断された患者の無再発生存率を示す。 図2は、SCC-NSCLC患者のサブグループの化学療法による処置に応じた無再発生存率の比較を示す。 図3は、腺-NSCLC患者のサブグループの化学療法による処置に応じた無再発生存率の比較を示す。
したがって、第1側面において、本発明は、非小細胞肺癌サブタイプ扁平上皮癌(non-small cell lung carcinoma subtype squamous cell carcinoma)(SCC-NSCLC)ステージIまたはIIを伴う個体を化学療法により処置すべきであると同定する方法であって、下記を含む方法に関する:
a)その個体から得た試料においてマーカー分子サイトケラチン-19フラグメント(CYFRA 21-1)および癌胎児性抗原(CEA)の量または濃度を測定する;
b)工程(a)で測定したマーカー分子の量または濃度の重み付け計算により合成値(combined value)を求める;
c)工程(b)で得たマーカーについての合成値を基準集団において確立した合成値のカットオフ値と比較することによって、その対象を化学療法により処置すべきであると同定する;その際、カットオフ値を超える合成値はその個体を化学療法により処置すべきであることの指標となる。
肺癌(lung cancer)は肺の癌(carcinoma of the lung)または肺癌(pulmonary carcinoma)としても知られ、肺の組織における無制御な細胞増殖を特徴とする悪性の肺腫瘍である。処置せずに放置すると、この増殖は転移プロセスにより肺を越えて近辺組織または他の身体部分へ拡散する可能性がある。肺において開始する癌(原発性肺癌として知られる)の大部分は上皮細胞に由来する癌である。主な4つの組織学的タイプの肺癌は、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌および小細胞癌(small cell carcinoma)(SCLC)である。最初の3つのサブタイプは一般に非小細胞癌(non-small-cell carcinoma)(NSCLC)と呼ばれ、肺癌のおおよそ80%を占める。肺腫瘍の診断は一般にイメージング法および生検試料の分析に基づく。2004年の世界保健機構(World Health Organization)(WHO)肺腫瘍分類方式が肺癌分類の基礎であった。これは、肺癌の不均一性の認識、ある神経内分泌腫瘍のルーティン診断のための診断用の免疫組織化学的染色(immunohistochemical staining)(IHC)法の導入、ならびに新たな記載事項、たとえば胎児性腺癌、嚢胞性粘液性腫瘍および大細胞神経内分泌癌の認識を含めた多数の進展を取り入れた。
2011年に、国際肺癌学会(International Association for the Study of Lung Cancer)(IASLC)、米国胸部学会(American Thoracic Society)(ATS)および欧州呼吸器学会(European Respiratory Society)(ERS)を代表する学際的専門家パネルが分類方式の大改訂を提唱した。これらの変更は主に腺癌の分類および扁平上皮癌からのそれの区別に影響を及ぼしている。癌学者および病理学者による腫瘍の分類のための現在の国際基準は、“WHO Classification of Tomours of the Lung, Pleura, Thymus and Heart”(Travis et al, 2015, WHO Classification of Tomours, Volume 7, fourth edition)により提示されている。本発明に関して疑問がある場合、上記基準を適用すべきである。
扁平上皮肺癌は、予備細胞(reserve cell)、すなわち肺の主要な気道である気管支において傷害または損傷を受けた細胞に置き換わった丸い細胞から形成される非小細胞肺癌のタイプである。扁平上皮腫瘍は、通常は肺の中心部分または主気道枝の1つに起きる。これらの腫瘍は、増殖して大きなサイズになれば肺内に空洞を形成する可能性がある。すべての肺癌の25~30パーセントを占める扁平上皮肺癌は、骨、副腎、肝臓、小腸、または脳に拡散する可能性がある。進行期のこのタイプの肺癌についての予後は不良である。しかし、限局性肺癌を伴い、それがその初期に同定および摘出された者についての5年生存率は、35~40パーセントの高さに及ぶ可能性がある。これらの5年生存率は30歳未満の患者については80パーセントに近づく。このタイプの癌はほぼ常に喫煙により起きる。二次リスク因子には年齢、家族歴、ならびに受動喫煙、無機物および金属の粉塵、アスベスト、またはラドンの被曝が含まれる。
扁平上皮癌の組織診は、腫瘍細胞によるケラチン産生および/または細胞内デスモソーム(接着斑)(desmosome)(“細胞間架橋”と呼ばれる)が存在した際に断定される。主に紡錘状である(多形細胞癌(pleomorphic carcinoma)の紡錘細胞バリアント)か、あるいは末梢柵状配列(palisading)の特徴的パターンをもつある腫瘍も、扁平上皮癌として分類できる。歴史的に、大部分の扁平上皮癌(60~80パーセント)は気管気管支樹(tracheobronchial tree)の中心側部分に扁平上皮化生(squamous metaplasia)、異形成(dysplasia)、非浸潤癌シーケンス(carcinoma in situ sequence)(非浸潤扁平上皮癌(squamous carcinoma in situ))により発生した。少数例が末梢に起き、気管支拡張空洞(bronchiectatic cavity)または瘢痕を伴う可能性がある。中心および末梢扁平上皮癌は広範な中心壊死を示し、結果的に空洞を形成する可能性がある。中心の十分に分化した扁平上皮癌の小部分は外向発育性の(exophytic)気管支内乳頭状病変として起きる可能性がある。この異例の変異型の末梢扁平上皮癌を伴う患者は、一般に持続性の咳、反復喀血、または気道閉塞による再発性肺感染症を呈する。
腺癌は現在の系列中で最も一般的なタイプの肺癌であり、肺癌の症例のおおよそ半分を占める。それは全身の粘液分泌腺に形成されるタイプの肺癌である。腺癌は通常は肺の外側部分にみられ、他のタイプの肺癌より遅い速度で増殖する傾向があり、肺癌が肺の外へ拡散する前にみられる傾向がより大きい。それは主に現在または過去の喫煙者に起きるが、非喫煙者にみられる最も一般的なタイプの肺癌でもある。それは男性より女性に一般的であり、他のタイプの肺癌より若者に起きる可能性がより大きい。腺癌の発生率の増大は1960年代の低タールフィルターたばこの導入が原因であると考えられる;ただし、そのような因果関係は証明されていない。
現在、NSCLCについての腫瘍病期分類は“The Revised International System for Staging Lung Cancer(肺癌の病期分類のための国際方式改訂版)”に基づく。肺癌は5,000人を超える患者の臨床データベースからの情報を考慮に入れて類別され、2010年にAmerican Joint Committee on Cancer(米国癌合同委員会)(AJCC)およびUnion Internationale Contre le Cancer(国際対癌連合)により採用された。
T(原発腫瘍)の分類は下記のとおりである:
- T1=サイズ≦3cmの腫瘍
- T2=サイズ>3~7cmの腫瘍
- T3=サイズ>7cmの腫瘍、または同一葉内に多数の腫瘍結節
- T4=同一肺の、ただし異なる葉内に多数の腫瘍結節
N/M(転移)の分類は下記のとおりである:
- N0=所属リンパ節転移なし
- N1=同側の気管支周囲および/または同側肺門リンパ節および肺内リンパ節への転移;直接浸潤による波及を含む
- N2=同側の縦隔および/または気管支分岐部(subcarinal)のリンパ節への転移
- N3=対側縦隔リンパ節、対側肺門リンパ節、同側もしくは対側の前斜角筋(scalene)リンパ節、または鎖骨上リンパ節への転移
- M0=遠隔転移なし
- M1=遠隔転移がある
腫瘍ステージI~IVは上記のTNMカテゴリーに従って下記のように分類される:
Figure 0007023841000001
さらに病期判定についてのより詳細な情報は“Lung” in: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 253-70から得ることができる。
本発明の方法は、SCC-NSCLCステージIまたはIIを伴う個体に関する。SCC-NSCLCステージIまたはIIの診断は適格な医師がなしうる範囲のものである。追加の手段として、SCC-NSCLCの診断および病期判定についての詳細を本明細書に示す。
本明細書に詳述するように、SCC-NSCLCステージIまたはIIを伴う個体の集団をマーカー類Cyfra21-1およびCEAのレベルに基づいて高リスクグループ(高い再発リスク)と低リスクグループ(低い再発リスク)に分類できる(参照:図1B)。実施例(たとえば、図2B)に示すように、高リスクグループの個体にのみ化学療法が有益である。
化学療法により処置すべき個体を同定するために、個体から得た試料においてマーカー分子Cyfra21-1およびCEAの量または濃度を測定する。
Cyfra21-1はサイトケラチンファミリーに属する。サイトケラチンは、細胞骨格の主成分である上皮中間径フィラメント(epithelial intermediary filament)のサブユニットを形成する構造タンパク質である。40から70キロダルトン(kD)までの範囲の分子量をもつ20種類のサイトケラチンポリペプチドがこれまでに同定されている。細胞により合成されるサイトケラチンのタイプは増殖および分化の速度によっても影響を受ける。それらはその特異的な分布パターンのため腫瘍病理における識別マーカーとしての使用にきわめて適切である。CYFRA21-1は、上皮細胞の細胞骨格の一部であるサイトケラチン19のフラグメントであり、上皮起源の腫瘍に過剰発現した状態で見出すことができる。無傷のサイトケラチンポリペプチドは貧溶性であるが、血清中に可溶性フラグメントを検出できる(Bodenmueller et al., 1994, Int. J. Biol. Markers 9: 75-81)。CYFRA21-1は、非小細胞肺癌(NSCLC)についての十分に確立されたマーカーである。CYFRA21-1の主な適用は、非小細胞肺癌(NSCLC)の経過モニタリングである(Sturgeon, 2001, Clinical Chemistry 48: 1151-1159)。一次診断において、高いCYFRA21-1血清レベルは、非小細胞肺癌を伴う患者における進行した腫瘍ステージおよび予後不良の指標である(van der Gaast et al., 1994, Br. J. Cancer 69: 525-528)。正常な数値またはわずかに増大しているにすぎない数値が腫瘍の存在を除外するものではない。療法の成功は、CYFRA21-1血清レベルが正常範囲に急速に低下することにより証明される。一定のCYFRA21-1値またはCYFRA21-1のわずかな低下もしくはごく低速での低下は、不完全な腫瘍除去または多重腫瘍の存在の指標であり、それに対応する療法および予後結果を伴う。
CEAは、約45~60%の不定炭水化物成分を含むモノマー糖タンパク質(おおよそ180.000ダルトンの分子量)である。CEAは、AFPと同様に胚芽期および胎児期に産生される癌胎児性抗原(carcinofetal antigen)のグループに属する。CEA遺伝子ファミリは、2サブグループの約17の活性遺伝子からなる。第1グループにはCEAおよび非特異的的交差反応性抗原(Non-specific Cross-reacting Antigen)(NCA)が含まれる;第2グループには妊娠特異的糖タンパク質(Pregnancy-Specific Glycoprotein)(PSG)が含まれる。CEAは主に胎児消化管および胎児血清中にみられる。それは健康な成人の腸、膵臓および肝臓組織にもわずかな量で生じる。CEAの形成は生後には抑制され、したがって健康な成人では血清CEA値をほとんど測定できない。高いCEA濃度は結腸直腸腺癌の症例に頻繁にみられる(Fateh-Modhadam, A. et al. (eds.), Tumormarker und ihr sinnvoller Einsatz, Juergen Hartmann Verlag GmbH, Marloffstein-Rathsberg (1993), ISBN-3-926725-07-9)。軽度ないし中等度のCEA上昇(稀に>10ng/mL)が腸、膵臓、肝臓および肺の良性疾患(たとえば、肝硬変、慢性肝炎、膵臓炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、肺気腫)の20~50%に起きる(Fateh-Moghadam, A., et al., 前掲)。喫煙者も高いCEA値をもつ。CEA判定の主な適用は結腸直腸癌を伴う患者の療法管理および追跡である。CEA判定は一般集団における癌スクリーニングには推奨されない。正常範囲内のCEA濃度は悪性疾患の存在を除外しない。
個体を化学療法により処置すべきであると同定するために、その個体から試料を得る。本発明に従った個体は、ヒト、またはいずれかの非ヒト動物、特に哺乳類であってもよい。よって、本明細書に記載する方法および使用は、ヒトおよび動物の両方の疾患に適用できる。明らかに、特に関係のある非ヒト哺乳類には、家畜、ペット、および商業的価値のある動物(たとえば、ウマなどの家畜)または個人的価値のある動物(たとえば、イヌ、ネコなどのペット)が含まれる。本方法は、診断法が共通に用いられるヒト対象について特に好ましい。したがって、特に好ましい態様において対象はヒトである。
試料は、本発明に従ってマーカーを測定できるいかなる試料であってもよく、インビトロでの評価の目的で得られた生体試料を表わす。それは、その個体に特異的に関連づけることができる物質を含み、それからその個体についての特異的な情報を決定、計算または推論することができる。試料は、全部または一部が患者からの生体物質で構成されていてもよい(たとえば、肺生検から得られた固形組織試料)。試料は、その個体についての情報を提供する試料について検査を実施できる様式で患者に接触した物質であってもよい(たとえば、気管支洗浄液)。試料は好ましくはいずれかの体液を含むことができる。検査試料の例には、血液、血清、血漿、尿、唾液、および肺に由来する体液(たとえば、上皮被覆液(epithelial lining fluid))、たとえば気管支鏡検査または肺洗浄により得られたものが含まれる。試料を個体から採取して直ちに使用するか、あるいは工程a)の前に処理することができる。処理には精製(たとえば、遠心分離などの分離)、濃縮、希釈、細胞構成要素の溶解、凍結、酸性化、保存などを含めることができる。好ましい試料は全血、血清、血漿、または肺からの上皮被覆液であり、血漿、血清または全血が最も好都合なタイプの試料である
一般に、血液関連の試料は本発明に関して使用するのに好ましい検査試料である。このために、血液試料を静脈から、通常は肘の内側または手の甲から採取することができる。特に、乳児または幼児には、皮膚を穿刺して出血させるランセットと呼ばれる鋭利な器具を使用できる。血液を、たとえばピペット内に、またはスライドガラスもしくは試験片上に採集することができる。したがって、本発明の好ましい態様において、個体から得られる試料は血液試料、特に血清、血漿および全血からなる群から選択されるものである。
本発明の好ましい態様において、個体の試料は診断後、ただし療法前に採取される。療法は個体のマーカーレベルに影響を及ぼす可能性がある。したがって、療法前の状態を表わすマーカーレベルはむしろ影響を受けておらず、個体が化学療法から受ける有益性をより良く反映するはずである。受け入れられているNSCLCステージIおよびIIの標準処置は外科処置、特にSCC-NSCLCの外科的切除である。一般的な例には、部分葉切除(sublobar resection)より好ましい全葉またはより大きな部分の切除が含まれる。したがって、好ましくは療法前に、特に外科処置の前、殊にSCC-NSCLCの外科的切除の前に、個体の試料を採取することができる。療法の21日前から直前までの範囲、特に療法の14日前から直前までの範囲、特に療法の7日前から療法直前までの範囲に試料を採取することができる。好ましい態様において、療法は外科処置である;この場合、21日前から外科処置のための麻酔の誘導の直前までの範囲に(すなわち、薬物(組合わせ)の投与前に、全身麻酔状態にする麻酔薬の開始時に)、特に14日前から外科処置のための麻酔の誘導の直前までの範囲に、特に7日前から外科処置のための麻酔の誘導の直前までの範囲に、試料を採取することができる。
本発明によれば、化学療法で処置すべき高リスク個体を同定するために、マーカーの量または濃度を決定する。ある物質の量は、要素体の集合(ensemble of elementary entities)、たとえば原子、分子、電子、および他の粒子のサイズの尺度となる基準規定量(standards-defined quantity)である。それは時には化学量と呼ばれる。国際単位系(International System of Units)(SI)は、存在する要素体の数に比例するように物質の量を規定する。物質の量についてのSI単位はモルである。それは単位記号molをもつ。物質の濃度は、構成成分の量を混合物の総体積で割ったものである。幾つかのタイプの数学的記述を区別することができる:質量濃度、モル濃度、個数濃度、および体積濃度。濃度という用語はあらゆる種類の化学物質混合物に適用できるが、最も多くの場合、それは溶液中の溶質および溶媒を表わす。モル(量)濃度には、規定濃度および浸透圧濃度などの変形がある。
マーカー分子(特に、Cyfra21-1およびCEA)を測定するための多様な方法が当技術分野で知られており、それらをいずれも使用できる。
好ましくは、マーカー(単数または複数)は特異的結合剤の使用により液体試料から特異的に測定される。
特異的結合剤は、たとえばマーカーの受容体、またはマーカーに対する抗体、またはマーカータンパク質に関係する核酸に相補的な核酸(たとえば、マーカーのmRNAまたはその関連部分に相補的な核酸)である。好ましくは、マーカー分子(単数または複数)はタンパク質レベルで測定される。
マーカーポリペプチドの結合パートナーとしてのタンパク質の決定は、タンパク質またはポリペプチドと特異的に相互作用するタンパク質を同定および入手するための多数の既知方法のいずれか、たとえばU.S. Pat. No. 5,283,17369およびU.S. Pat. No. 5,468,614に記載される酵母ツーハイブリッドスクリーニングシステム(yeast two-hybrid screening system)またはそれと同等な方法を用いて実施できる。特異的結合剤は、好ましくはそれの対応するターゲット分子に対して少なくとも10l/molの親和性をもつ。特異的結合剤は、それのターゲット分子に対して好ましくは10l/molの親和性、またはよりさらに好ましくは10l/molの親和性をもつ。当業者に認識されるように、特異的という用語は、試料中に存在する他の生体分子が、マーカーに対して特異的な結合剤に有意には結合しないことを示すために用いられる。好ましくは、ターゲット分子以外の生体分子への結合のレベルは、それぞれターゲット分子に対する親和性のわずか10%以下、より好ましくはわずか5%以下の結合親和性になる。好ましい特異的結合剤は、前記の親和性および特異性についての最小基準を両方とも満たすであろう。
特異的結合剤は、好ましくはマーカー、特にCyfra21-1またはCEAと反応性の抗体である。抗体という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、そのような抗体の抗原結合フラグメント、一本鎖抗体、および抗体の結合ドメインを含む遺伝子構築体を表わす。
用語“抗体”には、Cyfra21-1またはCEAポリペプチドを特異的に結合する分子であるポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、そのフラグメント、たとえばF(ab’)およびFabフラグメント、ならびに天然または組換え作製されたいずれかの結合パートナーが含まれる。特異的結合剤の前記基準を保有する抗体フラグメントはいずれも使用できる。抗体は現在の技術水準の方法、たとえばTijssen (Tijssen, P., Practice and theory of enzyme immunoassays, Elsevier Science Publishers B.V., Amsterdam (1990), この書籍全体、特にpages 43-78頁)に記載される方法により作製される。さらに、当業者には抗体の特異的単離のために使用できるイムノソルベントに基づく方法が周知である。これらは、ポリクローナル抗体の品質、よってイムノアッセイにおけるそれらの性能を、増強できることを意味する(Tijssen, P., 前掲, pages 108-115)。
本発明の開示内容を達成するために、ヤギにおいて産生されたポリクローナル抗体を使用できる。しかし、明らかに、異なる種、たとえばラット、ウサギまたはモルモットに由来するポリクローナル抗体、ならびにモノクローナル抗体も使用できる。モノクローナル抗体は一定の特性をもつものを必要な任意の量で作製できるので、それらは臨床用のアッセイ法をルーティンに開発するための理想的なツールである。
測定のために、個体から得た試料を結合剤-マーカー-複合体の形成に適切な条件下で当該マーカーに特異的な結合剤と共にインキュベートする。当業者は何ら発明的努力なしにそのような適切なインキュベーション条件を容易に同定できるので、そのような条件を詳述する必要はない。結合剤-マーカー-複合体の量を測定し、本発明の方法および使用に用いる。当業者に認識されるように、特異的結合剤-マーカー-複合体の量を測定するための多数の方法があり、すべて関連のテキストに詳細に記載されている(参照:たとえばTijssen P., 前掲、またはDiamandis, E.P. and Christopoulos, T.K. (eds.), Immunoassay, Academic Press, Boston(1996))。
特に、マーカー類(Cyfra21-1およびCEA)に対するモノクローナル抗体を定量(マーカーの量または濃度を決定する)イムノアッセイに用いる。
好ましくは、当該マーカーをサンドイッチタイプのアッセイフォーマットで検出する。そのようなアッセイにおいて、一方で第1の特異的結合剤を当該マーカーの捕獲のために用い、他方で直接または間接的に検出できるように標識された第2の特異的結合剤(たとえば、第2抗体)を用いる。第2の特異的結合剤は、検出可能なレポーター部分または標識、たとえば酵素、色素、放射性核種、発光基、蛍光基またはビオチンなどを含むことができる。そのような信号が洗浄後に支持体上に残存する結合剤の量に直接関係するかまたは比例する限り、いかなるレポーター部分または標識も本明細書に開示する方法について使用できる。固体支持体に結合したままの第2結合剤の量を、次いで特異的な検出可能なレポーター部分または標識に適切な方法を用いて決定する。放射性基については、シンチレーション計数法またはオートラジオグラフィー法が一般に適切である。多様なカップリング法を用いて抗体-酵素コンジュゲートを調製することができる(総説については、たとえばScouten, W. H., Methods in Enzymology 135:30-65, 1987を参照)。分光法は色素(たとえば、比色測定用の酵素反応生成物を含む)、発光基および蛍光基を検出するために使用できる。ビオチンは、種々のレポーター基(一般的に放射性もしくは蛍光性の基または酵素)に結合したアビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出できる。酵素レポーター基は、一般に基質の添加(一般に特定の期間)、続いて反応生成物の分光分析、分光光度分析または他の分析法により検出できる。周知の手法を用いて試料中の抗原のレベルを決定するために、標準品および基準添加物を使用できる。
前記のように、Cyfra21-1レベルを測定するための多様な方法がある。“CYFRA21-1”のためのアッセイ法は、循環中に存在するサイトケラチン19の可溶性フラグメントを特異的に測定する。CYFRA21-1の測定は、一般に2種類のモノクローナル抗体に基づく(Bodenmueller et al., 1994, Int. J. Biol. Markers 9: 75-81)。Cyfra21-1を測定するための市販製品には、Enzymum-Test CYFRA 21-1(Boehringer Mannheim,ドイツ、マンハイム)、サイトケラチン19フラグメント(CYFRA 21-1)イムノラジオメトリーアッセイキット(Cisbo Assays,フランス、コドレ)、サイトケラチンフラグメント抗原21-1のためのELISAキット(Wuhan USCN Business Co.,Ltd.,中国)およびARCHITECT Cyfra21-1アッセイ(Abbott,ドイツ、ヴィースバーデン)が含まれる。Roche Diagnostics,GermanyからのCYFRA21-1アッセイでは、2種類の特異的モノクローナル抗体(KS 19.1およびBM 19.21)を用いて、おおよそ30,000ダルトンの分子量をもつサイトケラチン19の可溶性フラグメントを測定する。好ましくは、CYFRA21-1は、Roche製品番号11820966160を用いてElecsys(登録商標)分析計で製造業者の指示に従って測定される。
CEAレベルの測定についても、多様なアッセイ法がある。CEAを測定するための市販製品には、ADVIA Centaur(登録商標) CEAイムノアッセイ(Siemens Healthcare,ドイツ、エアランゲン)およびARCHITECT CEAアッセイ(Abbott,ドイツ、ヴィースバーデン)が含まれる。好ましくは、CEAは“Elecsys(登録商標) CEA”(マテリアルNo:11731629160,Roche Diagnostics,Ltd,スイス、ロートクロイツ)を用いて測定され、それはCEAの定量測定のための電気化学発光イムノアッセイ(electro-chemiluminescence immunoassay)(ECLIA)である。
マーカーのレベルを測定するための工程は、下記のように実施できる:試料ならびに場合によりキャリブレーターおよび/または対照を、作用剤がマーカーに結合できる条件下で結合剤(それをたとえば固相に固定化することができる)と接触させることができる。結合しなかった結合剤を分離工程(たとえば、1以上の洗浄工程)で除去することができる。結合した結合剤を検出するために第2の作用剤(たとえば、標識した作用剤)を添加してそれに結合させ、定量することができる。結合しなかった第2の作用剤は除去することができる。マーカーの量に比例する第2結合剤の量を、たとえば標識に基づいて定量できる。定量は、たとえば各アッセイについて測定値を各キャリブレーターの濃度に対してプロットすることにより構築した検量曲線に基づいて実施できる。次いで試料中のマーカーの濃度または量を検量曲線から読み取ることができる。
マーカーの量または濃度を決定した(工程a)後、工程(a)で測定したマーカー分子の量または濃度の重み付け計算によりCyfra21-1およびCEAの数値を合わせて合成値を求め(工程b)、工程(b)で得られた合成値を基準集団において確立した合成値のカットオフ値と比較する(工程c)。“合成値を基準集団において確立した合成値のカットオフ値と比較する”という表現は、いずれにしろ当業者に明らかなことをさらに説明するために用いているにすぎない。本発明によれば、外部対照を基準集団として用いる。外部対照について、個体に由来する試料中のマーカーの数値を、特定の状態をもつことが分かっている個体の集団(特に、SCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断された高リスクグループまたは低リスクグループの患者)において得た各数値と比較する。好ましくは、基準グループは、療法、特に外科処置の前のCyfraおよびCEAの数値が分かっているSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴う患者から構成される。基準集団の患者をサブグループに小分割し、その一方は化学療法を受け、他方は化学療法を受けない。化学療法からの有益性、たとえば無再発生存率が分かるはずである。たとえば、患者試料におけるマーカーレベル(量または濃度)を、高リスク患者または低リスク患者と関連することが分かっているレベルと比較することができる。通常は試料のマーカーレベルは直接または間接的に診断と相関し、たとえばそのマーカーレベルを用いてその個体が化学療法を受けるべきであるかどうかを判定する。その際そのマーカーについて確立された適切な対照値または基準値を選択することは当業者が容易になしうる範囲のものである。代表的な集団を実施例に挙げる。そのような対照が、1態様においてSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴う高リスクおよび低リスクグループに適切に分類される、年齢がマッチした基準集団から得られることは、当業者に認識されるであろう。同様に当業者に明らかなように、対照において確立した絶対マーカー値は使用するアッセイ法に依存するであろう。好ましくは、適切な基準集団からの十分に特性判定された100以上の個体からの試料を対照(基準)値の確立のために用いる。同様に好ましくは、基準集団は少なくとも20、30、50、100、200、500または1000の個体から構成されるように選択できる。好ましくは、基準集団はSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断されており、非小細胞癌サブタイプ腺癌を伴うと診断された個体を含まない。
基準グループまたは基準集団において測定したCyfra21-1およびCEAについての数値は、たとえば中央値またはカットオフ値を確立するために用いられる。そのような中央値またはカットオフ値を超える数値は、化学療法による処置のための指標とみなされる。一態様において、中央値または固定したカットオフ値を確立する。そのような中央値またはカットオフ値は目的とする診断疑問にマッチするように選択される。好ましくは、カットオフは基準集団の中央値である。
化学療法のために選択したい患者数に応じて適切な中央値またはカットオフ値を選択できる。化学療法のために選択した患者数が多いほど、化学療法が有益だったであろう患者の化学療法を否定するリスクは低下する。他方で、それは化学療法が有益ではない患者を処置するリスクを増大させる。選択した患者数がより低い場合については逆が成り立つ。
本発明の場合、2種類のマーカー、すなわちCEAおよびCyfra21-1を本発明の方法に使用する。したがって、CEAの量/濃度およびCyfra21-1の量/濃度を用いて合成値を計算する。この合成値を、同じ数学的方法を用いて得た基準の合成値と比較する。好ましい態様において、合成値は試料中のマーカー分子の量または濃度の重み付け計算により得られる。これは、マーカーのうちの1つに他方より高い重みを与えることを意味する。CEAのレベル(量または濃度)([CEA])およびCyfra21.1のレベル(量または濃度)([Cyfra21.1])に基づいて計算した合成値Cは、たとえば下記の方程式により得ることができる:
C=a[CEA]+b[Cyfra21.1]
式中のaおよびbは重み因子(weighting factor)を表わす。好ましくは、重み因子は基準集団を分析することにより得られたものである。適切な方法を実施例に記載する。
たとえば、基準グループの各試料についてCyfra21-1とCEAの合成値を決定し、その後、合成値の中央値または適切なカットオフをコックス比例ハザード回帰(Cox’s proportional hazards regression)により計算することができる。適切なコホートにおいて、適切な転帰測定値(たとえば、無再発生存率)を従属変数として用い、Cyfra21-1およびCEAを独立変数として用いて、コックス比例ハザード回帰モデルを計算することができる。
CyfraおよびCEAについてのコックス比例ハザード回帰モデルにより得られる回帰係数を、次いでコホート内の各患者についての合成値Cを計算するための重み因子aおよびbとして使用できる。これらの合成C値について、カットオフ、たとえばそのコホートにおけるCの中央値を計算することができる。
カットオフを超えるC値を伴う患者は高リスク患者とみなされ、カットオフ以下の患者は低リスク患者とみなされるであろう。次いでリスクグループを例証の目的でカプラン-マイヤー曲線(Kaplan-Meier curve)により比較することができる。
コックス比例ハザード回帰(Cox, David R 1972 Journal of the Royal Statistical Society., Breslow, N. E. 1975 International Statistical Review)は、生存率分析において生存率分布と共変量の関係を調べるための代表的方法である。コックスモデルは通常は下記に示すハザードモデル式により記載される。このモデルは、Xにより表示される一組の説明変数(explanatory variable)の明細が与えられた個体について時間tにおけるハザードについての表示を与える。Xは、個体のハザードを予測するためにモデリングしようとしている予測変数(predictor variable)の集合を提示する。コックスモデル式は時間tにおけるハザードが2つの量の積であることを述べている。h0(t)はベースラインハザード関数と呼ばれる。第2量はβの線形和(linear sum)に対する指数表示eであり、その和はp個の説明変数Xについてである(Gail, M. et al 1996 Statistics for Biology and Health)。
Figure 0007023841000002
患者分類にはカプラン-マイヤー(KM)生存曲線を伴うことができる。KM曲線は、寿命データから生存関数を推定するために用いられるノンパラメトリック統計である
(Kaplan, E. L.; Meier, P 1958 J. Amer. Statist. Assn)。KM曲線は平滑関数ではなく、むしろ段階的推定値である。X軸は生存期間の系列時間を示す。特定集団からのメンバーが寿命超過時間tをもつであろう累積確率がY軸上にある。ある区間についての累積確率は、その区間の生存率をその区間に掛けることにより計算される(Rich JT et al 2010 Otolaryngol Head Neck Surg)。実施例の結果を示すためにKM曲線を用いた(参照:図1~3)。医療統計において、KM曲線は患者をカテゴリーにグループ分けするために一般的に適用される:たとえば遺伝子Aプロフィールをもつもの、および遺伝子Bプロフィールをもつもの。そのグラフにおいて、遺伝子Bをもつ患者は遺伝子Aをもつものより早く死亡する。2年後、遺伝子Aの患者の約80%が生存しているが、遺伝子Bをもつ患者は半数未満である。本発明においては、患者を高い再発リスクと低い再発リスクにグループ分けするためにKM曲線を用いる。
カプラン-マイヤー推定量(estimator)を得るためには、各患者(または各対象)について少なくとも2ピースのデータが必要である:最終観察時の状態(事象発生(event occurrence)または右方打切り(right-censored))、および事象発生までの時間(または打切りまでの時間)。2以上のグループ間の生存関数を比較する予定の場合、第3ピースのデータが必要である:各対象のグループ割付け。S(t)を特定集団からのメンバーが寿命超過時間tをもつ確率であるとする。この集団からのサイズNのサンプルについて、Nのサンプルメンバーの死亡までの観察時間を
Figure 0007023841000003
とする。各tに対応するのがn、すなわち時間t直前に“リスクをもつ”数であり、dは時間tにおける死亡数である。
カプラン-マイヤー推定量はS(t)のノンパラメトリック最大尤度推定値であり、その際、最大値は事象発生時間tにブレイクポイントをもつ一組のすべての断片的な一定の生存曲線にわたって求められる。それは
Figure 0007023841000004
の形の積である。打切りがない場合、nは時間t直前の生存者数である。打切りがある場合、nは生存者数から損失(打切り症例)を差し引いたものである。観察を続けているのは、(観察)死亡の“リスクをもつ”生存症例(まだ打切られていない症例)のみである。時に用いられる別の定義、すなわち
Figure 0007023841000005
がある。これら2つの定義は観察した事象時間においてのみ異なる。後者の定義は右方連続(right-continuous)であり、これに対し前者の定義は左方連続(left-continuous)である。
Tを失敗時間を測定するランダム変数とし、F(t)をそれの累積分布関数とする。
Figure 0007023841000006
であることに注目されたい。結論として、推定値をF(t)の右方連続推定値と適合させるためには右方連続定義が好ましい可能性がある。
カプラン-マイヤー推定量は統計量であり、それの分散を概算するために幾つかの推定量を用いる。最も一般的であるそのような推定量のひとつはグリーンウッドの式(Greenwood’s formula)である:
Figure 0007023841000007
ある場合には異なるカプラン-マイヤーを比較したい可能性がある。これはログランク検定またはコックス比例ハザード検定(Cox proportional hazard test)を含めた幾つかの方法により行なうことができる。
前記の統計学的方法は高リスク患者を同定するための統計学的方法の例にすぎない。当業者は、一般的なデータを解析し、次いで適切なカットオフを得るための適切な方法を知っているであろう。前記に詳述したように、カットオフを超える数値をもつ個体を高リスクと同定する。
高リスクと同定された、したがって化学療法で処置すべき個体は、低リスクと同定された個体より再発(relapse)のリスクが高い。再発は過去の病的状態、本発明においては肺腺癌の、再発現(recurrence)である。寛解後にその状態の徴候および症状が戻る。癌の再発現は、処置の後に癌を検出できない期間の後に癌が戻ることと定義される。同じ癌が、最初にそれが見出された同じ場所またはきわめて近接した場所に再び出現する。
SCC-NSCLCについての標準治療は外科処置、特に切除である。“切除”は損傷を受けた臓器または構造体の一部または全部の外科的除去、特に腫瘍の除去である。肺切除は肺の全部または一部の外科的除去である。切除のタイプは腫瘍の位置、サイズ、およびタイプ、ならびに診断前の患者の全般的健康状態および肺機能に基づくであろう。肺には右側に3つの肺葉があり、左側に2つの肺葉がある。通常は癌の手術は肺葉の除去を伴い、それは葉切除(lobectomy)と呼ばれる。楔切除(wedge resection)または区域切除(segmentectomy)は肺の肺葉より小さい領域、通常は腫瘍およびそれの周囲の健全な肺組織の小領域の除去を表わす。これは初期癌について、時には癌が疑われるけれども証明されてはいない肺片を除去するために用いられる処置である。葉切除においては、外科医は肺葉を除去する。これはすべての癌性組織を除去して癌が復活する機会を低減する最良の機会であるので、これは肺癌について実施される通常の手術である。肺切除(pneumonectomy)は肺全体の除去である。この選択肢は、腫瘍が特別に大きいか、または肺の到達困難な位置もしくは中心位置にある場合に考慮される。肺切除は著しい機能喪失を生じる可能性はあるが、多くの者は片肺のみでかなり良好な生活をしている。現在、切除は主に葉切除であり、肺切除、二葉切除(bilobectomy)(右肺または左肺の除去)および楔切除がこれに続く。
本発明に従って、高リスク患者を化学療法で処置すべきである。“化学療法”は癌の薬物治療である。それは通常は全身性であり、それが患者の全身を循環して影響を及ぼすことを意味する。薬物は血流に入り、異常な細胞を死滅させ、あるいはそれらの分裂を停止させる。それらは最も多くの場合、静脈内(IV)注射により、カテーテルを通して静脈内へ、または経口投与的に投与される。癌のタイプ、ステージおよび位置により、患者の化学療法の具体的な医薬(単数または複数)、強さおよび頻度が決定されるであろう。それを外科処置または放射線療法と併用できる。化学療法は、腫瘍を縮小させるために外科処置(時には放射線療法と共に)の前に(ネオアジュバント療法)、残存している可能性のある癌細胞を死滅させるために外科処置(時には放射線療法と共に)の後に(アジュバント療法)、またはより進行した癌もしくは外科処置に対して十分なほど健康ではないある者についての主処置(時には放射線療法と共に)として、適用することができる。それは通常は、処置期間(通常は1~3日間)、続いて身体に回復する時間を与える休止期間を伴うサイクルで投与される。ただし、ある化学療法薬は毎日投与される。サイクルは一般に約3~4週間継続する。化学療法薬の例にはシスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、パクリタキセル(paclitaxel) (Taxol(登録商標))、アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリタキセル, Abraxane(登録商標))、ドセタキセル(docetaxel) (Taxotere(登録商標))、ゲムシタビン(gemcitabine) (Gemzar(登録商標))、ビノレルビン(vinorelbine) (Navelbine(登録商標))、イリノテカン(irinotecan) (Camptosar(登録商標))、エトポシド(etoposide) (VP-16(登録商標))、ビンブラスチン(vinblastine)またはペメトレキセド(pemetrexed) (Alimta(登録商標))が含まれる。最も多くの場合、NSCLCの処置には2種類の化学療法薬を併用する。第3薬物の追加はさほど有益性を追加せず、より大きな副作用を引き起こすことが研究により示された。併用化学療法に十分には耐えられない可能性のある者、たとえば全般的健康状態が乏しい者または高齢者には、時に単剤化学療法が用いられる。併用する場合、それはシスプラチンまたはカルボプラチンに1種類の他の薬物を加えたものが含まれる。時にはこれらの薬物を含まない組合わせ、たとえばゲムシタビンとビノレルビンまたはパクリタキセルを採用することができる。進行肺癌を伴い、一定の基準を満たす個体には、標的療法薬、たとえばビバシズマブ(bevacizumab) (Avastin(登録商標))またはセツキシマブ(cetuximab) (Erbitux(登録商標))を処置に加えることもできる。現在好ましいアジュバント化学療法薬には、シスプラチンまたはカルボプラチンを、しばしばビノレルビン、ドセタキセル、エトポシドまたはペルメトレキセドと組み合わせたものが含まれる。本発明において、化学療法は好ましくはアジュバント化学療法である。より好ましくは、その個体を外科処置後に、特にSCC-NSCLCの外科的切除後に、化学療法で処置すべきである。
肺癌のさらなる処置は放射線療法である。放射線療法はしばしば化学療法と共に施され、NSCLCを伴う外科処置に適さない者において治癒の目的で採用できる。この形の強力放射線療法(high-intensity radiotherapy)は根治的放射線療法(radical radiotherapy)と呼ばれる。この手法の改良法は連続過分割加速放射線療法(continuous hyperfractionated accelerated radiotherapy)(CHART)であり、その場合、高線量の放射線療法を短期間に施す。術後胸部放射線療法は一般に治癒目的でのNSCLC外科処置後には採用すべきではない。癌の増殖によって短い気管支区画が遮断されていれば、通路を開けるために小線源療法(brachytherapy)(局所放射線療法)を気道の内側に直接施すことができる。外部ビーム放射線療法と比較して、小線源療法は処置時間を短縮し、ヘルスケアスタッフに対する放射線被曝を低減することができる。しかし、小線源療法についてのエビデンスは、たとえば外部ビーム放射線療法についてのものより少ない。本発明においては、化学療法、特にアジュバント化学療法を放射線療法と併用できる。
第2側面において、本発明は化学療法により処置すべき個体の同定のためのマーカー組合わせとしてのCYFRA 21-1およびCEAの使用に関するものであり、その際、基準集団または基準グループにおいて確立した合成値のカットオフ値を超える、個体から得た試料におけるマーカー組合わせの合成値の検出は、化学療法による処置の指標であり、合成値は試料中のマーカー分子の量または濃度の重み付け計算により得られ、その個体はSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断されている。
本発明による使用はさらに、本発明の方法に特定されたものとして定めることができる。特に、本開示の第2側面において用いる用語に関して、それは本開示の第1側面において用いる用語、例および具体的態様を表わし、それらは本開示の第2側面にも適用できる。
一般に、本明細書に記載する特定の方法、プロトコルおよび薬剤は変更できるので、本開示はそれらに限定されない。さらに、本明細書中で用いる用語は特定の態様を記載するためのものにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書および特許請求の範囲で用いる単数形“a”、“an”および“the”には、内容からそうではないと明示されない限り複数表記が含まれる。同様に、“含む(comprise)”、“含有する(contain)”および“包含する(encompass)”という語は、排他的ではなく包括的に解釈すべきである。
別に規定しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語およびいずれかの頭字語は本開示の分野の専門家が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。特定の方法および物質を本明細書に記載するが、本明細書に記載するものと同様または均等な方法および物質はいずれも本明細書に提示する実施に使用できる。
本開示をさらに下記の実施例により説明するが、それらの実施例は説明の目的で含まれるにすぎず、具体的に指示しない限り開示内容の範囲を限定するためのものではない。
図面
図1は、SCC-NSCLCステージIおよびIIと診断された患者の無再発生存率を示す。図1Aでは、現在の基準に従って患者を小分割した;すなわち、患者をT1-2,N0(化学療法は推奨されない;実線により示す)およびT3,N0またはT1-2,N1(アジュバント化学療法により処置すべきである;破線により示す)と分類した。これらの線は2つのサブグループの外科処置後の時間に応じた無再発生存率を示す。図1Bでは、患者を患者のマーカー類Cyfra21-1およびCEAのレベルに基づいて分類し、無再発生存率を時間依存的にモニターした。高いマーカーレベルを伴う患者は高い再発リスクをもつことが認められ(破線により示す)、これに対し低いマーカーレベルを伴う患者は低い再発リスクをもつことが認められた(実線により示す)。
図2は、SCC-NSCLC患者のサブグループの化学療法による処置に応じた無再発生存率の比較を示す。図1Aに特定した患者のサブグループ(受け入れられている治療基準に従って分類)および図1Bに特定した患者のサブグループ(本発明に従ってCyfra21-1およびCEAレベルに基づいて分類)を、時間依存的な無再発生存率を決定することによりアジュバント化学療法の有効性について査定した。図2Aに示すように、現在の治療基準、すなわちTステージのみでは、化学療法は無再発生存率を有意には改善しない。図2Bに示すように、低リスクグループ(実線および破線)では化学療法は無再発生存率にプラスの影響を及ぼさないが、高リスクグループ(点線点破線)では無再発生存率が化学療法によって増大し、これは本発明に従って同定したこのサブグループの患者には明らかに有意にアジュバント化学療法が有益であることを証明する。
図3は、腺-NSCLC患者のサブグループの化学療法による処置に応じた無再発生存率の比較を示す。図1Aに特定した患者のサブグループ(受け入れられている治療基準に従って分類)および図1Bに特定した患者のサブグループ(本発明に従ってCyfra21-1およびCEAレベルに基づいて分類)を、時間依存的な無再発生存率を決定することによりアジュバント化学療法の有効性について査定した。図3Aに示すように、現在の治療基準、すなわちTステージのみでは、無再発生存率は無変化のままである。図3Bに示すように、同様に実線(化学療法を受けた低リスク患者)と破線(化学療法を受けなかった低リスク患者)の間に有意差がなく、同様に点線(化学療法を受けた高リスク患者)と点破線(化学療法を受けなかった高リスク患者)の間にも有意差がない;すなわち、アジュバント化学療法はいずれのリスクグループにおいても無再発生存率を変化させない。
実施例1:基準集団における重み因子およびカットオフ値の規定
実施例1は、Cyfra21-1およびCEAの組合わせに対する重み因子ならびに合成値Cについてのカットオフ値の組合わせを適切な基準集団において求める方法を記載する。
適切な基準集団は、Cyfra21-1およびCEAのベースライン(外科処置前)レベルが分かっているSCC-NSCLC患者から構成されるべきであり、患者の一部は化学療法を受けており、かつ適切な転帰測定値(たとえば、無再発生存率)を入手できなければならない。
適切なコホートにおいて、従属変数としての適切な転帰測定値(たとえば、無再発生存率)を用い、Cyfra21-1およびCEAならびに場合により独立変数としてのTステージを用いて、コックス比例ハザード回帰モデルを計算することができる。
Cyfra21-1、CEAおよび場合によりTステージについてのコックス比例ハザード回帰モデルによって得られる回帰係数を、次いでコホート内の各患者について合成値Cを計算するための重み因子として使用できる。これらの合成値Cに基づいて、たとえばそのコホートにおけるC値の中央値を計算することによりカットオフを規定することができる。
カットオフを超えるC値をもつ患者は高リスク患者とみなされ、カットオフ以下のC値をもつ患者は低リスク患者とみなされる。合成値を計算するための重み因子、およびカットオフを確立すれば、これらの結果を化学療法のための新規患者の選択に採用できる。
実施例2:ステージIおよびIIのSCC-NSCLCを伴う患者の種々のサブグループにおける化学療法の有効性の判定
ステージIおよびIIのSCC-NSCLCを伴う88人の患者の集団を、それらの腫瘍ステージおよびマーカーレベルに応じて患者サブグループを同定するために用いた。それは、すべてのサブグループを化学療法により処置すべきであるか否かを明らかにするための試みであった。
すべての患者が腫瘍の切除を受けたが、これらの患者のうち21人はさらに化学療法を受けた。切除前に採集した血清試料においてCyfra21-1およびCEAの濃度を測定した。
化学療法についての患者を選択するために臨床実施において現在最も多く採用されている基準は腫瘍サイズに基づく。このコホートにおいて化学療法についての患者を選択するためのステージの適切性を評価するために、ステージT1-2,N0をもつ患者を低リスクとみなし、ステージT3,N0またはT1-2,N1をもつ患者を高リスクとみなした。ステージに従った高リスクグループおよび低リスクグループにおいて、化学療法を受けた患者または受けなかった患者についての無再発生存率の差を査定した(表1)。
Figure 0007023841000008
HR 低リスクグループ:化学療法 対 化学療法なし=2.373(p=0.3905)
HR 高リスクグループ:化学療法 対 化学療法なし=2.161(p=0.2211)
化学療法についての患者を選択するためのCyfra21-1およびCEAの適性を評価するために、次いでこの集団について、無再発生存率を従属変数として用い、Cyfra21-1およびCEAを独立変数として用いて、コックス比例ハザード回帰モデルを確立した。
次いで各患者について合成値Cを次式により計算した:
C=b log2(Cyfra21-1)+b log2(CEA)
式中のb、bはコックス比例ハザード回帰モデルから誘導した回帰係数であり、log2(…)は底2に対する対数を表わす。前記コホートにおいて、bは0.459であり、bは0.017であった。
こうして、集団中の各患者に合成値Cを割付けた。次いでこれらのC値の中央値をカットオフとして定めた(前記コホートにおいて、中央値は0.960であった)。このカットオフを超える合成値Cをもつすべての患者を高リスク患者とみなし、カットオフ以下の患者を低リスク患者とみなした。
化学療法を受けた高リスクグループの患者は、化学療法を受けなかった高リスクグループの患者と比較して有意に長い無再発生存率をもっていたことが観察された。しかし、低リスクグループでは、化学療法を受けた患者または受けなかった患者の間に無再発生存率に有意差を観察できなかった。これは、高リスクグループのすべての患者が化学療法を受けるべきであり、それに対し低リスクグループからの患者は化学療法を受けるべきではないことを示唆する。
高リスクグループまたは低リスクグループにおいて化学療法を受けた患者または受けなかった患者の間の無再発生存率における差は、ハザード比、ならびに1、2および3年後の無再発生存の割合により推定された。
ハザード比は、第2のコックス比例ハザード回帰モデルにより、2値因子である化学療法の有無を独立変数とし、無再発生存率を従属変数として計算された。このコックス比例ハザード回帰モデルは、高リスクグループと低リスクグループにおいて別個に計算された。結果を表2に示す。
Figure 0007023841000009
HR 低リスクグループ:化学療法 対 化学療法なし=0.876(p=0.8468)
HR 高リスクグループ:化学療法 対 化学療法なし=3.984(p=0.0627)
実施例3:化学療法により処置すべき患者の同定
新たな患者について、この患者からの適切な試料からCyfra21-1およびCEAを測定し、規定の重み因子に基づいてこの患者の合成値Cを計算する。その患者について合成値Cが予め定めたカットオフを超えれば、この患者を化学療法のために選択する。
重み因子、および合成値Cについてのカットオフは、そのような重み因子およびそのようなカットオフ値を独立して確立したければ、実施例1に記載したようにいずれか適切なコホートから誘導でき、あるいは実施例2に挙げた重み因子およびカットオフ値を使用できる。

Claims (12)

  1. 非小細胞肺癌サブタイプ扁平上皮癌(SCC-NSCLC)ステージIまたはIIを伴う個体を化学療法により処置すべきであると同定するための指標を提供する方法であって、下記を含む方法:
    a)その個体から得た試料においてマーカー分子サイトケラチン-19フラグメント(CYFRA 21-1)および癌胎児性抗原(CEA)の量または濃度を測定する;
    b)工程(a)で測定したマーカー分子の量または濃度の重み付け計算により合成値を求める;
    c)工程(b)で得たマーカーについての合成値を基準集団において確立した合成値のカットオフ値と比較することによって、その個体を化学療法により処置すべきであると同定するための指標が提供される;その際、カットオフ値を超える合成値はその個体を化学療法により処置すべきであることの指標となる。
  2. 個体の試料は療法前に採取されたものであり、前記療法は外科処置である、請求項1に記載の方法。
  3. 療法がSCC-NSCLCの外科的切除である、請求項2に記載の方法。
  4. 基準集団がSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断されており、かつ非小細胞肺癌サブタイプ腺癌を伴うと診断された個体を含まない、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 試料が血液試料、特に血清、血漿および全血からなる群から選択されるものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. マーカー分子(単数または複数)をタンパク質レベルで測定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 化学療法がアジュバント化学療法である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 化学療法が、SCC-NSCLCの外科的切除後に、化学療法で処置するものである、請求項7に記載の方法。
  9. 個体がヒトである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. カットオフ値が基準集団の中央値である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 化学療法により処置すべき個体の同定のためのマーカー組合わせとしてのCYFRA 21-1およびCEAの使用であって、その際、基準集団において確立した合成値のカットオフ値を超える、個体から得た試料におけるマーカー組合わせの合成値の検出は、化学療法による処置の指標であり、合成値は試料中のマーカー分子の量または濃度の重み付け計算により得られ、その個体はSCC-NSCLCステージIまたはIIを伴うと診断されている、使用
  12. 使用がさらに請求項2~10のいずれか1項の記載に従って定められる、請求項11に記載の使用。
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