JP7022662B2 - トラッキングローラ及びその射出成形方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電子転写方式の画像形成装置に備わる感光ドラムと現像ローラ間の距離を一定に保つために使用されるトラッキングローラ、及びそのトラッキングローラを射出成形する方法に関する。
電子転写方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置に備わる現像ローラは、感光ドラムと一定の距離を保持して対向させなければならない。このため、現像ローラの同軸上にトラッキングローラを設け、トラッキングローラを感光ドラム表面に接触させて一定の距離を保持する構造が採用されている(例えば、特許文献1、2)。
この種のトラッキングローラ100は、図5、図6に示すように、感光ドラムDの外周に接触する外周面101と、現像ローラRの軸部r1に嵌る内周面102とを一体に有する単一の環状体からなる。感光ドラムDは、露光装置(図示省略)によって静電潜像を形成可能な外周面を有する。現像ローラRは、現像剤を感光ドラムの現像領域に搬送可能な外周面と、現像ローラRの回転中心となる軸部r1とを有する。軸部r1は、感光ドラムDの回転軸と平行な向きに設けられる。現像ローラRは、軸部r1に取り付けられたギアGに伝達される駆動力によって回転させられる。トラッキングローラ100は、内周面102と軸部r1との嵌合によって現像ローラRと同軸に配置される。軸部r1は、トラッキングローラ100の外周面101を感光ドラムDの外周面に押し付ける方向に付勢されている。トラッキングローラ100は、感光ドラムDと現像ローラRとの間の距離を一定に保持すると共に、感光ドラムDに接触する状態で回転可能になっている。
電子転写方式の画像形成装置では、感光ドラムDの外周面が、帯電ローラ(図示省略)の電圧印加によって一様にマイナス帯電させられる。帯電された感光ドラムDの外周面上には、画像情報に基づいて制御される露光装置の露光によって静電潜像が形成される。現像ローラRには予め現像バイアスが印加されている。感光ドラムD上の前述の潜像は、造影剤を保持する状態で回転駆動される現像ローラRとの対向位置を通過する際にトナーで現像され、トナー像として可視化される。感光ドラムD上のトナー像は、転写手段(図示省略)によって記録紙に転写される。
トラッキングローラ100は、図7、図8に示すように、径方向に沿った円環状の平坦面103を軸方向の両側に有する。これら両側の平坦面103は、円筒面状の外周面101に連続する。内周面102は、外周面101と同心の円筒面状である。内周面102と平坦面103との間は、面取り形状の隅部104になっている。すなわち、外周面101の軸方向一方側と内周面102の軸方向一方側との間に連続する第一及び第二の側面は、それぞれ平坦面103及び隅部104によって構成されている。
このようなトラッキングローラ100の製造方法として、合成樹脂の射出成形によってトラッキングローラ100の全体を一体に成形する射出成形方法が採用されている。この射出成形では、図9に示すように、軸方向に分割された金型M1,M2が用いられる。パーティングラインPLは、図7に示す外周面及び内周面の幅の中央位置に設定されている。図9、図10に示すように、一方の金型M1には、平坦面103を形成する金型部分に多点ピンポイントゲートgが設けられている。それら各ピンポイントゲートgから合成樹脂を射出することによって、図7に示すトラッキングローラ100の全体が一体に成形されている。このため、図8に示すように、一方の平坦面103は、ピンポイントゲートgに対応の位置に型開き時の切断部位(ゲート痕)105を有する。
特開平10-301392号公報 特開2008-112092号公報
しかしながら、図7、図8に示すトラッキングローラ100が前述のように射出成形される際、図9、図10に示すように、各ピンポイントゲートgから合成樹脂は、外周面101を転写する金型部分に直接流れる。このため、外周面101において、ウエルドwが発生する。そのウエルドwが凸または凹みになるため、外周面101の真円度が悪くなり、その外周面101を形成する肉部の肉厚差も大きくなる。これにより、図5に示す感光ドラムDと現像ローラR間の距離を一定に保つ精度が低下し、画像に濃淡差が出て画像不良となる懸念がある。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、精度の良い外周面を有するトラッキングローラにすることである。
上記の課題を達成するため、この発明は、感光ドラムに接触する外周面と、現像ローラの軸部に嵌る内周面とを一体に有するトラッキングローラにおいて、
前記外周面の軸方向一方側と前記内周面の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びる第一溝部と、前記外周面の軸方向他方側と前記内周面の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びる第二溝部とをさらに一体に有し、前記第一溝部と前記第二溝部が、互いに軸方向に対向する位置にあり、これら第一溝部と第二溝部間の肉厚が、0.3mm以上1.5mm以下であり、前記外周面の全面が、前記第一溝部に対して前記内周面側に配置されたピンポイントゲートから射出された合成樹脂によって成形されている構成を採用した。
上記構成によれば、外周面の軸方向一方側と内周面の軸方向一方側間に位置する第一溝部と、外周面の軸方向他方側と内周面の軸方向他方側間に位置する第二溝部とが軸方向に対向し、これら溝部間の肉厚が薄い形状の場合、第一溝部に対して前記内周面側にピンポイントゲートを配置して合成樹脂を射出すると、射出された合成樹脂は、外周面側に充填されにくくなり、先ず、厚肉部となる内周面側に充填される。内周面側に充填された合成樹脂は、ウエルドが無くなった状態で第一溝部と第二溝部間を通って、ディスクゲートの様に外周面側に充填されることになる。すなわち、各ピンポイントゲートから流れた合成樹脂は、外周面側においてウエルドを形成するような合流を生じず、外周面上にウエルドが発生しなくなる。外周面上にウエルドが発生しないため、精度の良い外周面を有するトラッキングローラになる。ここで、第一溝部と第二溝部間の肉厚が0.3mm未満の場合、強度不足となる。一方、第一溝部と第二溝部間の肉厚が1.5mmを超える場合、合成樹脂が内周面側に充填された後に溝部間を通ってディスクゲートの様に外周面側へ流れる効果が得られない。
例えば、前記ピンポイントゲートの総数が3以上7以下である。
例えば、前記外周面の直径が8mm以上20mm以下であり、前記内周面と前記第一溝部間、前記内周面と前記第二溝部間、前記外周面と前記第一溝部間、並びに前記外周面と前記第二溝部間の各間の最小間隔が、それぞれ0.5mm以上である。
例えば、前記外周面の真円度が、0μm以上10μm以下である。ただし真円度が0μmになることは皆無であるため、現実的には5μm以上10μm以下である。ここで、真円度は、日本工業規格(JIS B0621:1984)で規定された真円度のことをいう。
この発明を製造方法として考えると、感光ドラムに接触する外周面と、現像ローラの回転軸に嵌る内周面とを一体に有するトラッキングローラの射出成形方法において、前記外周面の軸方向一方側と前記内周面の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びる第一溝部と、前記外周面の軸方向他方側と前記内周面の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びる第二溝部とをさらに一体に有し、前記第一溝部と前記第二溝部が、互いに軸方向に対向する位置にあり、これら第一溝部と第二溝部間の肉厚が、0.3mm以上1.5mm以下であるように前記トラッキングローラを成形する金型を用い、前記第一溝部に対して前記内周面側を成形する金型部分に配置されたピンポイントゲートから合成樹脂を射出することによって前記外周面の全面を成形するトラッキングローラの射出成形方法に相当する。
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、射出成形の際に外周面上にウエルドが発生しないため、精度の良い外周面を有するトラッキングローラにすることができ、ひいては、感光ドラムと現像ローラ間の距離が精度よく一定に保たれるので、画像不良の発生を防止することができる。
この発明の実施形態に係るトラッキングローラを示す断面図 図1のトラッキングローラの左側面図 図1のトラッキングローラの射出成形に用いる金型を示す断面図 図3のIV-IV線の断面図 画像形成装置の感光ドラム周辺の要部を示す部分側面図 図5の現像ローラの分解斜視図 従来のトラッキングローラを示す断面図 図7のトラッキングローラの左側面図 図7のトラッキングローラの射出成形に用いる金型を示す断面図 図9のX-X線の断面図
この発明の一例としての実施形態に係るトラッキングローラを添付図面に基づいて説明する。
図1に示すトラッキングローラ1は、図5に示す従来例に代えて感光ドラムDと現像ローラR間の距離を一定に保つために使用されるものである(以下、感光ドラムD及び現像ローラRについては適宜に図5を参照のこと。)。
ここで、軸方向とは、現像ローラRと同軸上にあるトラッキングローラ1の回転中心線に沿った方向のことをいう。また、その回転中心線に対して直角な方向のことを「径方向」という。また、その回転中心線周りの円周方向のことを「周方向」という。軸方向は、図1において左右方向に相当し、径方向は、図1において上下方向に相当する。
図1、図2に示すように、トラッキングローラ1は、感光ドラムDに接触する外周面2と、現像ローラRの軸部r1に嵌る内周面3と、両側面4,5とを一体に有する環状体からなる。
トラッキングローラ1の外周面2は、周方向全周に連続する円筒面状に成形されている。外周面2の直径Dは、トラッキングローラ1の外径に相当する。外周面2の直径Dは、例えば、8mm以上20mm以下である。
トラッキングローラ1の内周面3は、外周面2と同心の円筒面状に成形されている。内周面3は、トラッキングローラ1の内径を規定する部位となっている。
トラッキングローラ1の第一の側面4及び第二の側面5は、それぞれ周方向全周に延びる溝部6,9と、対応の溝部6,9と内周面3との間に連続する対応の内方の溝肩部7,10と、対応の溝部6,9と外周面2との間に連続する対応の外方の溝肩部8,11とを有する。
第一溝部6は、外周面2の軸方向一方側(図1中左側)と内周面3の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びている。第一溝部6は、径方向に沿った溝底面と、軸方向に沿った平行一対の溝側面とで構成されている。第一溝部6は、周方向全周で一定の形状を有する。
第二溝部9は、外周面2の軸方向他方側(図1中右側)と内周面3の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びている。第二溝部9は、径方向に沿った溝底面と、軸方向に沿った外方の溝側面と、外方の溝側面と向き合う内方の溝側面とで構成されている。第二溝部9は、周方向全周で第一溝部6と軸方向に対向する。
これら第一溝部6と第二溝部9間の肉厚tは、0.3mm以上1.5mm以下である。その肉厚tは、軸方向に対向する第一溝部6の溝底部分と第二溝部9の溝底部分間での軸方向の厚さに相当する。なお、第一溝部6と第二溝部9は、互いの溝幅の少なくとも一部分において軸方向に対向する位置関係にあればよい。
内方の溝肩部7,10は、それぞれ対応の第一溝部6又は第二溝部9に連続しかつ径方向に沿った平坦面と、内周面3に連続する隅部とを有する。その平坦面は、内方の溝肩部7,10の径方向長さにおける大部分の範囲に存在する。その隅部は、C面取りの場合を例示したが、R面取りにしてもよい。
外方の溝肩部8,11は、それぞれ外周面2と対応の第一溝部6又は第二溝部9間の全域で径方向に沿った平坦面を有する。この平坦面は、周方向全周で同一の径方向長さを有する。
内周面3と第一溝部6間の最小肉厚tは、0.5mm以上に設定されている。内周面3と第二溝部9間の最小肉厚tは、内周面3と第一溝部6間の最小肉厚tと同一に設定されている。これら最小肉厚tは、内周面3と対応の第一溝部6又は第二溝部9間で最小となる径方向の厚さに相当する。
外周面2と第一溝部6間の最小肉厚tは、0.5mm以上に設定されている。外周面2と第二溝部9間の最小肉厚tは、外周面2と第一溝部6間の最小肉厚tと同一に設定されている。この最小肉厚tは、外周面2と対応の第一溝部6又は第二溝部9間で最小となる径方向の厚さに相当する。
また、最小肉厚t≦最小肉厚tに設定されている。このため、トラッキングローラ1のうち、第一溝部6及び第二溝部9に対して内周面3側の環状部分は、第一溝部6及び第二溝部9に対して外周面2側の環状部分に比して径方向に等しいか厚い厚肉部となっている。
外周面2の全面は、第一の内方の溝肩部7上に配置されたピンポイントゲート(図1中にゲート位置を三角マークで示す。)から射出された合成樹脂によって成形されている。このため、第一の内方の溝肩部7は、図2に示すように、ピンポイントゲートに対応の位置に型開き時の切断部位(ゲート痕)12を有する。図示では、ピンポイントゲートの総数を5として周方向に等配した例を示したが、ピンポイントゲートの総数は、例えば、3以上7以下である。トラッキングローラ1は、第一の内方の溝肩部7のみに切断部位(ゲート痕)12を有する。
トラッキングローラ1を形成する前述の合成樹脂として、例えば、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
図3、図4に、トラッキングローラ1の射出成形に用いる金型20、30と、射出成形時の樹脂流動の様子を示す。図1、図3を対比すれば明らかなように、パーティングラインPLは、外周面2及び内周面3を軸方向に二等分する位置上に設定されている。固定側金型20は、多点配置されたピンポイントゲート21と、第一溝部6の形状を転写する第一のコア22と、外周面2の軸方向一方側の形状を転写する外方円周面23と、内周面3の軸方向一方側の形状を転写する内方円周面24とを有する。
ピンポイントゲート21は、固定側金型20と可動側金型30を開閉する方向(軸方向に相当)に開口し、その開口形状を円形としたゲート(溶融樹脂を金型のキャビティに注入する絞り孔)であり、ピンゲートとも呼ばれる。通常、ピンポイントゲート21の内径は、1mm前後である。各ピンポイントゲート21は、固定側金型20のうち、内方の溝肩部7を形成するキャビティ(すなわち、外方円周面23と内方円周面24とを繋ぐ側面領域)に配置されている。
可動側金型30は、多点配置されたエジェクタピン31と、第二溝部9の形状を転写するコア32と、外周面2の軸方向他方側の形状を転写する外方円周面33と、内周面3の軸方向他方側の形状を転写する内方円周面34とを有する。
第一の内方の溝肩部7上に配置されたピンポイントゲート21から射出される合成樹脂40は、第一溝部6と第二溝部9間の肉厚tが薄いため(すなわち、コア22,32間の隙間が狭いため)、外周面2側(すなわちコア22,32に対して外方円周面23,33側のキャビティ)への樹脂の流れが遅くなる。このため、射出された合成樹脂40は、外周面2側(外方円周面23,33側のキャビティ)に充填されにくくなり、先ず、厚肉部となる内周面3側(すなわち、コア22,32に対して内方円周面24,34側のキャビティ)に充填される。内周面3側(内方円周面24,34側のキャビティ)に充填された合成樹脂40は、図3、図4に示すように、ウエルドが無くなった状態で第一溝部6と第二溝部9間(コア22,32間の隙間)を通って、ディスクゲートの様に外周面2側(外方円周面23,33側のキャビティ)に充填され、外周面2の全面が成形されることになる。すなわち、各ピンポイントゲート21から流れた合成樹脂40は、外周面2側(外方円周面23,33側のキャビティ)においてウエルドを形成するような合流を生じず、外周面2上にウエルドが発生しなくなる。外周面2上にウエルドが発生しないため、精度の良い外周面2を有するトラッキングローラ1になる。
ここで、図1~図4に示す実施形態において第一溝部6と第二溝部9間の肉厚t(コア22,32間の距離)を様々に変化させた試験結果を表1に示す。
Figure 0007022662000001
表1に示すように、第一溝部6と第二溝部9間の肉厚tが0.3mm未満の場合、第一溝部6と第二溝部9間が薄くなり過ぎ、当該部位の強度が不足した。
第一溝部6と第二溝部9間の肉厚t(コア22,32間の距離)が0.3mm以上、1.5mm以下の場合、トラッキングローラ1の強度不足が問題化せず、外周面2や外周面2と溝部6,9間の肉部においてウエルドが発生しなかった。このため、トラッキングローラ1における外周面2の真円度が、0μm以上10μm以下となり、外周面2を形成する部位の肉厚差が、0μm以上10μm以下となった。これに対し、第一溝部6及び第二溝部9を無くした点でのみ相違する比較例(図7~図10に示す従来のトラッキングローラ100相当)では、外周面101の真円度が、約30μmとなり、外周面101を形成する部位での肉厚差が約20μmとなった。これら真円度、肉厚差の各値は、外周面の直径(最大直径)上での測定値である。その真円度は、日本工業規格(JIS B0621:1984)で規定されるように、円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさのことをいい、円形形体を二つの同心の幾何学的円で挟んだとき、同心二円の間隔が最小となる場合の二円の半径の差で表される。
第一溝部6と第二溝部9間の肉厚t(コア22,32間の距離)が1.5mmを超えると、外周面2上にウエルドが発生した。これは、合成樹脂40が内周面3側(内方円周面24,34側のキャビティ)に充填された後に第一溝部6と第二溝部9間(コア22,32間の隙間)を通ってディスクゲートの様に外周面2側(外方円周面23,33側のキャビティ)へ流れる効果が得られなかったためである。
このように、実施形態によれば、外周面2の軸方向一方側と内周面3の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びる第一溝部6と、外周面2の軸方向他方側と内周面3の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びる第二溝部9とをさらに一体に有し、第一溝部6と第二溝部9が互いに軸方向に対向する位置にあり、これら第一溝部6と第二溝部9間の肉厚tが0.3mm以上1.5mm以下であり、外周面2の全面が、第一溝部6に対して内周面3側に配置されたピンポイントゲート21から射出された合成樹脂40によって成形されるので、射出成形の際に外周面2上にウエルドが発生しない。このため、実施形態に係るトラッキングローラ1及びその射出成形方法によれば、精度の良い外周面2を有するトラッキングローラ1にすることができ、ひいては、感光ドラムDと現像ローラR間の距離が精度よく一定に保たれるので、画像不良の発生を防止することができる。すなわち、外周面2の形状が良くなると、ウエルドの影響(外周面上のウエルドによる凹凸の影響)によって感光ドラムDと現像ローラR間の距離が変化することが防止されるため、画像の濃淡が出にくくなる。また、外周面2の真円度が良くなると、感光ドラムDと現像ローラR間の距離が回転位置に応じて変化することが防止されるため、1回転における画像の濃淡が出にくくなる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 トラッキングローラ
2 外周面
3 内周面
6 第一溝部
7 内方の溝肩部
9 第二溝部
20,30 金型
21 ピンポイントゲート
22,32 コア
23,33 外方円周面
24,34 内方円周面
40 合成樹脂

Claims (5)

  1. 感光ドラム(D)に接触する外周面(2)と、現像ローラ(R)の軸部(r1)に嵌る内周面(3)とを一体に有するトラッキングローラにおいて、
    前記外周面(2)の軸方向一方側と前記内周面(3)の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びる第一溝部(6)と、前記外周面(2)の軸方向他方側と前記内周面(3)の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びる第二溝部(9)とをさらに一体に有し、前記第一溝部(6)と前記第二溝部(9)が、互いに軸方向に対向する位置にあり、これら第一溝部(6)と第二溝部(9)間の肉厚(t)が、0.3mm以上1.5mm以下であり、前記外周面(2)の全面が、前記第一溝部(6)に対して前記内周面(3)側に配置されたピンポイントゲート(21)から射出された合成樹脂(40)によって成形されていることを特徴とするトラッキングローラ。
  2. 前記ピンポイントゲート(21)の総数が3以上7以下である請求項1に記載のトラッキングローラ。
  3. 前記外周面(2)の直径(D)が8mm以上20mm以下であり、前記内周面(3)と前記第一溝部(6)間、前記内周面(3)と前記第二溝部(9)間、前記外周面(2)と前記第一溝部(6)間、並びに前記外周面(2)と前記第二溝部(9)間の各間の最小肉厚(t,t)が、それぞれ0.5mm以上である請求項1又は2に記載のトラッキングローラ。
  4. 前記外周面(2)の真円度が、0μm以上10μm以下である請求項3に記載のトラッキングローラ。
  5. 感光ドラム(D)に接触する外周面(2)と、現像ローラ(R)の軸部(r1)に嵌る内周面(3)とを一体に有するトラッキングローラの射出成形方法において、
    前記外周面(2)の軸方向一方側と前記内周面(3)の軸方向一方側との間の位置で周方向全周に延びる第一溝部(6)と、前記外周面(2)の軸方向他方側と前記内周面(3)の軸方向他方側との間の位置で周方向全周に延びる第二溝部(9)とをさらに一体に有し、前記第一溝部(6)と前記第二溝部(9)が、互いに軸方向に対向する位置にあり、これら第一溝部(6)と第二溝部(9)間の肉厚(t)が、0.3mm以上1.5mm以下であるように前記トラッキングローラ(1)を成形する金型(20,30)を用い、前記第一溝部(6)に対して前記内周面(3)側を成形する金型部分に配置されたピンポイントゲート(21)から合成樹脂(40)を射出することによって前記外周面(2)の全面を成形することを特徴とするトラッキングローラの射出成形方法。
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