JP7022638B2 - 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

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本発明は、電動送風機およびそれを用いた電気掃除機に関する。
本技術分野の背景技術として、例えば、特開2002-138996号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、「送風効率を向上させる電動送風機及びそれを備えた電気掃除機を提供することを目的に、遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周部に設けられ複数のディフューザベーンを有するディフューザとを具備する電動送風機において、前記各ディフューザベーン間に形成される空気流路出口近傍に、前記ディフューザベーンの高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を有する中間羽根を設けることを特徴とした電動送風機」が示されている。
特許文献1は、「遠心羽根車からの空気流れをディフューザで効率よく動圧を静圧として回復させ、ディフューザ側からリターン側にかけての曲り部の損失低減を図ることで、送風機効率の向上が実現できる」と、記載されている。
特開2002-138996号公報
近年の電動送風機では、ディフューザ翼を有するディフューザを備えること、羽根車を高速回転にすることで、小型高効率化を図っている。しかし、小型化を優先するとディフューザ翼の長さが短くなり、ディフューザ内での流れの減速ができず、ディフューザ性能が低下する。さらに、ディフューザ下流からリターンガイドにかけての曲がり流路の面積が狭くなり、この曲がり流路での流れ損失が増加するという恐れがある。
また、ディフューザ翼を有するディフューザでは、電動送風機の最高効率は向上するが、最高効率点を得る風量より低い風量では、ディフューザ翼と隣接翼で形成される重なり部で生じる2次流れにより、失速や剥離が生じ送風機効率が低下する恐れがある。
さらに、掃除機では、低風量側での効率向上は、集塵袋に塵埃がたまった場合でも吸引力を保つことにつながる。
特許文献1に記載のように、ディフューザ翼間に形成される空気流路出口近傍に、ディフューザ翼の高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を有する中間羽根を設けた構成は、曲り部(曲がり流路)の損失低減に有効であると考えられる。しかし、ディフューザ内部で生じる2次流れはディフューザ上流から生じるため(特に、最高効率点を得る風量より低い風量の場合はディフューザ上流側で生じやすい)、ディフューザ性能が低下し、曲がり流路の損失低減効果が小さくなる恐れがある。また、上流から発生する2次流れの影響により、ディフューザ重なり部での静圧回復量が小さくなる可能性がある。
本発明の目的は、遠心羽根車からの流れをディフューザ内で生じる2次流れを抑制し、効率よく減速させることでディフューザ静圧上昇を高めディフューザ性能を向上させること、および、ディフューザ下流からリターンガイドにかけての曲がり流路の損失低減を図り、最高効率点を含む、低い風量から高い風量の広い流量範囲で、送風機効率を向上させる電動送風機およびそれを備えた電気掃除機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、例えば、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は上記課題を解決する手段を多数含んでいるが、その一例を挙げるならば、遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周部に設けられ複数のディフューザ翼を有するディフューザとを備えた電動送風機において、前記各ディフューザ翼間に、前記ディフューザ翼の高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を持つ翼部を有し、前記翼部の高さ方向寸法は流れ方向に変化していることを特徴とする。
本発明によれば、遠心羽根車からの流れをディフューザ内で生じる2次流れを抑制し、効率よく減速させることでディフューザ静圧上昇を高めディフューザ性能を向上させること、および、ディフューザからリターンガイドにかけての曲がり流路の損失低減を図り、最高効率点を含む、低い風量から高い風量の広い流量範囲で、送風機効率を向上させる電動送風機およびそれを備えた電気掃除機を提供することが可能である。
掃除機本体の模式的な横断面図である。 掃除機用電動送風機の断面図である。 実施例1のディフューザの形状図である。 ディフューザ翼間に設置した翼部の重なり部中央線上の断面図である。 ディフューザ翼と翼部の断面図(A-A断面)である。 ディフューザ翼間に設置した翼部の有無による電動送風機効率の実験結果である。 ディフューザ翼間に設置した翼部の有無による流体解析結果の模式図であり,ディフューザ翼圧力面上の限界流線の可視化結果である。 実施例2のディフューザの形状図である。
以下、本発明の実施例1から実施例2を図に基づいて詳説する。
以下、本発明の一実施例を、図面を用いて説明する。
まず、図1を用いて、電気掃除機全体について説明する。図1に模式的に示した電気掃除機本体100の上から見た横断面図において、電気掃除機本体100の構成を説明する。電気掃除機本体100のホース継ぎ手101を装着する側を電気掃除機本体100の前側とすると、電気掃除機本体100の前端に、着脱自在なホース継ぎ手101を備える。
電気掃除機本体100の前側に、紙パック103を保持するための集塵室102を備え、電気掃除機本体100の後側に、電動送風機106を収納するためのモータ室105を備え、集塵室102とモータ室105との間に、集塵室102内の塵埃がモータ室105へ流入するのを抑制するためのフィルタ部104を備える。集塵室102とモータ室105とは、フィルタ部104を介して連通する。集塵室102には、着脱自在な紙パック103を備える。紙パック103の開口がホース継ぎ手101に連通する。紙パック103内に塵埃が堆積していくと、紙パック103が膨らみ、紙パック103の開口と反対側に底部がフィルタ部104に当接するようになる。モータ室105に、吸引力を発生する電動送風機106を備える。電動送風機106の前側の両端とモータ室105の前側の内壁面との間に、電動送風機106の振動が電気掃除機本体100に伝達するのを抑制するための防振ゴム107(防振部材)を備える。防振部材は、防振ゴムの代わりにバネであってもよい。電動送風機106は、前端に、空気を吸い込むための送風機入口108を備え、後側の側方に、空気を排出するための送風機出口109を備える。そして、送風機入口108がフィルタ部104に対して開口している。モータ室105の側方に、電源コードを巻きつけて収納するためのコードリール110を備える。電動送風機106の後側両側方に、車輪を備える。尚、図示しないが、ホース継ぎ手101には、ホースが接続され、ホースには、操作管が接続され、操作管には、延長管が接続され、延長管には、吸込具が接続される。電気掃除機本体100において、ホース継ぎ手101が存在する側(上流側)が、電気掃除機本体100の前側であり、反対側が電気掃除機本体100の後側である。電気掃除機本体100を上から見て、電気掃除機本体100の前後方向に直行する方向が、電気掃除機本体100の左右方向である。側方とは、電気掃除機本体100の左右方向の中心よりも、左側または右側に寄った側をいう。
次に、電気掃除機本体100内の空気流れを説明する。ホース継ぎ手101から流入した空気は、集塵室102に入る。図1では集塵手段として紙パック103が示されているが、パックの素材は問わない。また、サイクロン方式の場合は、サイクロン室(サイクロン式集塵ケース)が紙パック103の代わりに収まる。紙パック103で大部分の塵埃を取り除かれた空気は、さらにフィルタ部104を通過するが、ここで細かな塵埃も取り除かれる。その後、空気流れはモータ室105に流入する。電動送風機106は、モータ室105に防振ゴム107を介して懸架されており、送風機入口108から流入した空気は昇圧された後、送風機出口109から排気される。
次に、図2を用いて、電動送風機106について説明する。電動送風機106は、空気を吸い込むための送風機201と送風機201を駆動するための電動機202から構成されている。
電動機202は、ハウジング203およびエンドブラケット204からなる電動機外殻に、回転軸205が支持され、回転軸205にはロータ206が取り付けられる。ロータ206の外周には固定部のステータ207が配置される。回転部のロータ206への電気の供給は、ブラシ208とそれに接触するコンミテータ209により伝えられている。
送風機201は、回転軸205に直結された遠心の羽根車210と、羽根車210の外周側に設置される環状のディフューザ211と、ディフューザ211に対して仕切り板212を挟んで対面に配置されるリターンガイド213が、ファンケーシング214内に収められる構成となっている。羽根車210は、目玉部215において、ファンケーシング214側に具備されたシール材216と概略接触しており、漏れを防ぐ構造を有している。電動機202が駆動して回転軸205が回転することによって、羽根車210が回転する。ディフューザ211は、樹脂で構成されるのが好ましい。ディフューザ211は、仕切り板212と一体に、射出成型によって製作されてもよい。羽根車210は、略円板状のバブと、円環状のシュラウドと、バブとシュラウドとの間に形成され周方向に複数配置された羽根とを備える。
図1の送風機入口108に相当する電動送風機入口217を通過した空気は、ひとまず目玉部215近傍を通過した後、羽根車210で昇圧および増速される。その後、ディフューザ211を通過した流れはファンケーシング214の内面に当たって略180゜転向し、リターンガイド213へと流入するが、この過程において流れは減速されて、その分、圧力が上昇する。リターンガイド213を通過した流れの全部または一部は、モータのハウジング203内に流入し、ロータ206,ステータ207,ブラシ208,コンミテータ209などを冷却してから排気される。回転軸205の軸方向が、電気掃除機本体100の前後方向に略一致する。回転軸205を基準として、軸方向に直行する方向が半径方向である。送風機201の存在する側が、電動送風機106の前側で、電動機202が存在する側が、電動送風機106の後側である。
本発明が対象とする掃除機用電動送風機の羽根車外径はおおよそφ30mm~φ120mmの範囲にあり、羽根出口高さはおおよそ6~12mmの範囲にあり、羽根の板厚はおおよそ0.5~1.5mmの範囲にあり、羽根枚数はおおよそ6~9枚の範囲にあり、入力はおおよそ300W~1500Wの範囲にあり、最高回転数はおおよそ毎分35,000~150,000回転の範囲にある。
なお、図1にはコード付きの掃除機を示しているが、電池を搭載した電源コードを持たないコードレス掃除機でも良い。コードレス掃除機の際は、希土類系のボンド磁石からなるロータコアを搭載し、希土類系のボンド磁石としては、例えば、サマリウム鉄窒素磁石や、ネオジム磁石等を用いることができる。
次に、図3を用いて、ディフューザ211の形状について説明する。図3は、ディフューザ211を軸方向前側から見た正面図である。図3のディフューザ211は、ディフューザ入口径309からディフューザ出口径310にかけて翼厚みが異なる複数のディフューザ翼301が周方向に均等間隔に配置されている。つまり、軸方向からみると、ディフューザ翼301は、内周側に位置する前縁から外周側に位置する後縁に向かって、翼厚みが次第に大きくなった後に次第に小さくなる(一旦厚くなった後に窄まる)形状を有する。ここで示したディフューザ211の寸法は、一例として、ディフューザ入口径309が約92mm、ディフューザ出口径310が約125mm、羽根枚数が15枚である。ディフューザ翼301の配置間隔は、等間隔配置である。ディフューザ211は、ディフューザ翼301の凸面側である圧力面306と隣接するディフューザ翼301の凹面側である負圧面305から形成され、ディフューザ翼301の前縁部で定義される入口スロート302と隣接するディフューザ翼301の後縁部で定義される出口部303で囲まれた重なり部304を持つ。重なり部304では、ディフューザ翼301の圧力面306の一部(後縁部を除いた部分)と隣接するディフューザ翼301の負圧面305の一部(前縁部を除いた部分)とがほぼ対向する。また、ディフューザ内部の流れは、羽根車から出た流れ311が、入口スロート302までの半開部および重なり部304を通り、流れが減速される。ディフューザ出口の流れは、ファンケーシング214と仕切り板212との隙間から構成される曲がり流路308で曲げられ、(図3の紙面の奥行き方向へ向かう曲がり流路の流れ312が曲げられる)、リターンガイド213を通り、電動機202へ流れる。なお、ディフューザ翼301の高さは、前縁から後縁にかけてほぼ均一であってもよいし、前縁から後縁にかけて高くなってもよい。
また、重なり部304の入口側には、翼部313が設置されている。翼部313は、入口スロート302および出口部303のように隣接翼に接する円の中心を通る重なり部304の中心線307近傍かつ、重なり部304の入口スロート302から重なり部304の略半分までの位置に設置されている。また、翼部313の前縁は重なり部304の流れ方向の1/4程度に設置されており、翼部313の流れ方向の長さは、重なり部の略1/2程度である。なお、翼部の流れ方向長さは略1/2以下でもよい。
また、翼通過周波数騒音の低減を目的とし、隣り合う翼間を連結する角穴を設けてもよい。これにより、性能向上と翼通過周波数騒音の低減が図れる。つまり、ディフューザ翼301の最大翼厚さ位置313の近傍に、ディフューザ翼301の負圧面305から圧力面306へ貫通する角穴を設けてもよい。角穴の代わりに、丸穴であってもよい。ただし、この角穴や丸穴は、必須ではない。
次に、図4を用いて、図3に示したディフューザ211の形状の子午面形状および翼部313について説明する。図4は、図3に示した中心線307を通る翼部の断面模式図である。図4では図3のディフューザ翼301を401,翼部313を402として説明する。図4のディフューザ翼401にはディフューザ入口径309側に存在するディフューザ翼の前縁403と、ディフューザ外周部に存在する後縁404を示す。また、ディフューザ翼401のハブ面405およびシュラウド面406からなる子午面形状はディフューザ翼401の外周側(後縁側)に向かうにつれ、回転軸方向のリターンガイド側に緩やかに傾斜している。なお、この子午面形状の傾斜は曲がり流路308に向かうにつれ軸方向の流れを発生させるため、曲がり流路308での曲がり損失低減が可能である。
また、翼部402はディフューザ翼401と同様にハブ面405からシュラウド側406に向かうように伸びて設置されている。翼部402の端部407は流れ方向にハブ面405からの高さが異なっている。具体的には、翼部402の端部407は、翼部402の入口側ではハブ面405からシュラウド側406と、流れ方向に傾斜し、流れ方向に最大位置を持っており、その後、流れ方向下流に向かうにつれ端部の高さが減少する。また、翼部402の最大高さHはディフューザ入口高さbの略1/2であり、翼部402の最大高さHの流れ方向位置は、ディフューザ翼401の流れ方向長さの1/2、かつディフューザ前縁403側(ディフューザ入口側)に存在する。なお、図4中の端部407の流れ方向の高さ変化は、円弧状の曲線を示しているが、複数の直線および円弧または曲線でもよく、高さ方向に複数の変曲点を持っていてもよい。また、翼部313は翼形状ではなく、凸形状でもよい。
次に、図5を用いて、図3に示した翼部313の高さ方向の板厚の変化について説明する。図5は、図3に示したA-Aを通る断面模式図である。図5にはディフューザ翼501の間に翼部502が設置され、翼部502の板厚はハブ面503よりシュラウド側504の方が小さく、シュラウド側の端部507の先端半径は約0.5 mm以上1 mm以内で形成されている。なお、シュラウド側の端部の板厚および先端半径を小さくすることで、翼部502に流れが衝突する際に生じる衝突損失の低減が可能となる。また、翼部502の高さ方向の抜き勾配角度505はディフューザ翼の抜き勾配角度506より大きい。なお、この抜き勾配は大きいほど樹脂製形時に生じるヒケの抑制や型への樹脂残りの低減が可能となり、性能向上と量産性の両立を図ることができる。
ここで、図6にディフューザ300の翼部313を備えた本実施例の送風機と、ディフューザ翼301のみの送風機を、個々に電動機と組み合わせて実験した電動送風機効率の比較を示す。なお、図6は横軸に無次元風量を、縦軸に電動送風機効率の実験結果を示す。ここで、図6の電動送風機効率の定義は吸込体積流量と圧縮性係数と送風機圧力との積を,電動送風機の入力で除したものである。図6から翼部を持つディフューザを搭載した実施例の送風機は、ディフューザ翼のみの送風機に比べて、ディフューザ翼のみの最高効率風量における、効率向上と最高効率点風量より低い風量の電動送風機効率向上ができていることがわかる。すなわち、本実施例のディフューザ300の翼部313を搭載することで、広い運転範囲で効率を高く維持できることがわかる。
ここで、図6の効率変化の考察を述べる。図7の流体解析結果を基に、図6の両者のディフューザ翼の圧力面306における限界流線の可視化結果の模式図を示す。なお、流体解析の解析風量はディフューザ翼301のみのディフューザ(翼部313がない)の最高効率点風量を100%Qとした際の90%Qである。図7(a)はディフューザ翼301のみのディフューザ(翼部313がない)の場合、図7(b)は本実施例である翼部313を有するディフューザ翼圧力面の流れ場の可視化結果を示す。
まず、ディフューザ翼301のみのディフューザ(図7(a))の壁面近傍では、ハブ面およびシュラウド面において、ディフューザ翼301にて形成される重なり部304の入口スロート302付近から、ディフューザ翼の曲率により、圧力面306に向かう2次流れが生じる。特に、図4に示したようにディフューザ子午面形状が軸方向に傾斜している場合は、ハブ面での2次流れが強く、負圧面側かつシュラウド側に流れが偏りやすい。このため、ディフューザ重なり部の速度の速い流れ(ディフューザ翼の負圧面側、かつシュラウド側を流れる)は、ディフューザ外周に存在するファンケーシングにより曲げられる際に、ディフューザ翼の負圧面側から曲がり流路のディフューザ翼圧力面側に衝突する。曲がり流路のディフューザ翼圧力面に衝突した場所では、よどみ点が生じ高圧力領域が形成される。この高圧力領域により、ハブ側の流れは曲がり流路のファンケーシング側を通ることができず、曲がり流路の内側を流れる。このため、ディフューザ出口流れはハブ側で急に曲げられ、曲がり損失が増加する。前記流れの特徴は、最高効率点風量より低い風量で生じやすい。
一方、図7に示した本実施例である翼部313を有するディフューザは、ハブ面で生じる2次流れが生じる領域において、翼部313の端部に流れが衝突することで、圧力が増加(よどみ点による圧力増加)し2次流れが緩和できる。また、2次流れは翼部313の高さを乗り越えずに翼部に沿うように流れる。また、速度の速い流れは、シュラウド側とハブ側の負圧面側を流れる。このシュラウド側負圧面の流れは、翼部なしに比べて速度が低下しており、ファンケーシングに衝突する際のシュラウド側圧力面の流れの方が速くなるために、曲がり流路のディフューザ翼圧力面のよどみ点が抑制できる。このため、ハブ側の流れは、図7(b)のディフューザ翼圧力面上の限界流線に示すように、曲がり流路のファンケーシング側を流れることができ、曲がり流路の曲率半径が大きくなることで、曲がり損失が低減できる。この曲がり損失の低減効果により、図6に示したように翼部を持つディフューザを搭載した実施例の送風機は、ディフューザ翼のみの送風機に比べて、ディフューザ翼のみの送風機の最高効率風量の効率向上と、最高効率点風量より低い風量での電動送風機効率が向上でき、広い運転範囲で効率を高く維持できることができる。
以上説明した本実施の形態例の電動送風機106によれば、遠心羽根車からの流れをディフューザ内で生じる2次流れを抑制し、効率よく減速させることでディフューザ静圧上昇を高めディフューザ性能を向上させること、および、ディフューザからリターンガイドにかけての曲がり流路の損失低減を図り、最高効率点を含む、低い風量から高い風量の広い流量範囲で、送風機効率を向上させる電動送風機およびそれを備えた電気掃除機を提供することができる。
次に、実施例2の送風機について図8を用いて説明する。実施例1と基本的な構成は同じであるので同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。ここでは、図2中の送風機201のうち、ディフューザに注目して記載し、以下に説明する。
図8は、図3のディフューザと同じように、ディフューザを軸方向前側から見た正面図を示す。
図8のディフューザ800は、ディフューザ入口径809からディフューザ出口径810にかけて翼厚みが異なる複数のディフューザ翼801が周方向に均等間隔に配置されている。ディフューザ800は、ディフューザ翼801の凸面側である圧力面806と隣接するディフューザ翼801の凹面側である負圧面805から形成され、ディフューザ翼801の前縁部で定義される入口スロート802と隣接するディフューザ翼801の後縁部で定義される出口部803で囲まれた重なり部804を持つ。また、ディフューザ内部の流れは、羽根車から出た流れ811が、入口スロート802までの半開部および重なり部804を通り、流れが減速されて、ディフューザ出口でファンケーシング214と仕切り板212との隙間から構成される曲がり流路808で、図8の紙面の奥行き方向へ向かう曲がり流路の流れ812が曲げられて、リターンガイド213を通り、電動機202へ流れる。なお、ディフューザ翼801の高さは、前縁から後縁にかけてほぼ均一であってもよいし、前縁から後縁にかけて高くなってもよい。
図8の重なり部804の入口側には、翼部813が設置されている。翼部813は、入口スロート802および出口部803のように隣接翼に接する円の中心を通る重なり部804の中心線807近傍かつ、重なり部804の入口スロート802から重なり部804の略1/2の位置に設置されている。また、翼部813の前縁は重なり部804の流れ方向の1/4程度に設置されており、翼部813の流れ方向の長さは、重なり部の約1/2程度である。なお、翼部の流れ方向長さは略1/2以下でもよい。また、図8中の端部の流れ方向の高さ変化は、図4に示したように円弧状の曲線でもよく、複数の直線および円弧または曲線でもよく、高さ方向に複数の変曲点を持っていてもよい。また、翼部813は翼形状ではなく、凸形状でもよい。
また、翼部813の下流には曲がり流路にかけて、凹部814を持つ。なお、凹部814は、複数の溝部でも、軸方向に流路面積が増加する構成でもよい。翼部813と軸方向に流路面積が増加する構成のスロート幅方向の位置は、重なり部804の中心線807に近接するような同一線上でもよく、ディフューザ翼801の負圧面805または圧力面806に偏っていてもよい。
図8に示した本実施例の送風機を搭載することで、図6に示したように、ディフューザ翼のみの送風機に比べて、ディフューザ翼のみの送風機の最高効率風量の効率向上と、最高効率点風量より低い風量域の電動送風機効率が向上できる。すなわち、ディフューザ800の翼部813および凹部814を搭載することで、広い運転範囲で効率を高く維持できる。
以上説明した本実施の形態例の電動送風機によれば、遠心羽根車からの流れをディフューザ内で生じる2次流れを抑制し、効率よく減速させることでディフューザ静圧上昇を高めディフューザ性能を向上させること、および、ディフューザ側からリターンガイド側にかけての曲り部の損失低減を図り、低い風量から高い風量の広い流量範囲で、送風効率を向上させる電動送風機およびそれを備えた電気掃除機を提供することができる。
100 電気掃除機本体
101 ホース継ぎ手
102 集塵室
103 紙パック
104 フィルタ部
105 モータ室
106 電動送風機
107 防振ゴム
108 送風機入口
109 送風機出口
110 コードリール
111 車輪
201 送風機
202 電動機
203 ハウジング
204 エンドブラケット
205 回転軸
206 ロータ
207 ステータ
208 ブラシ
209 コンミテータ
210 羽根車
211,300,800 ディフューザ
212,408 仕切り板
213 リターンガイド
214,406 ファンケーシング
215 目玉部
216 シール材
217 電動送風機入口
301,401,501,801 ディフューザ翼
302,802 入口スロート
303,803 出口スロート
304、804 重なり部
305,805 負圧面
306,806 圧力面
307,807 重なり部中央線
308,808 曲がり流路
309,809 ディフューザ入口径
310,810 ディフューザ出口径
311,811 羽根車から出た流れ
312,812 曲がり流路の流れ
313,402,502,813 翼部または凸部
403 ディフューザ翼前縁
404 ディフューザ翼後縁
405,503 ディフューザハブ面
406,504 ディフューザシュラウド面
407,507 翼部および凸部の端部
505 ディフューザ翼の軸方向高さの抜き勾配角度
506 翼部または凸部の軸方向高さの抜き勾配角度

Claims (7)

  1. 遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周部に設けられ複数のディフューザ翼を有するディフューザとを備えた電動送風機において、前記各ディフューザ翼間に、前記ディフューザ翼の高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を持つ翼部又は凸部を有し、
    前記各ディフューザ翼間に、第一のディフューザ翼の前縁部から前記第一のディフューザ翼に隣接する第二のディフューザ翼に垂直な平面からなる入り口スロートと、前記第二のディフューザ翼の後縁部から前記第一のディフューザ翼に垂直な平面からなる出口部とで囲まれた重なり部を有し、前記翼部又は凸部の全体は、重なり部に設置され、前記翼部又は凸部の高さ方向寸法は流れ方向に変化していることを特徴とする電動送風機。
  2. 遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周部に設けられ複数のディフューザ翼を有するディフューザとを備えた電動送風機において、前記各ディフューザ翼間に、前記ディフューザ翼の高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を持つ翼部又は凸部を有し、
    前記各ディフューザ翼間に、第一のディフューザ翼の前縁部から前記第一のディフューザ翼に隣接する第二のディフューザ翼に垂直な平面からなる入り口スロートと、前記第二のディフューザ翼の後縁部から前記第一のディフューザ翼に垂直な平面からなる出口部とで囲まれた重なり部を有し、前記翼部又は凸部の全体は、重なり部に設置され、前記翼部又は前記凸部の高さ方向寸法は流れ方向に最大高さ後に小さくなることを特徴とする電動送風機。
  3. 遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周部に設けられ複数のディフューザ翼を有するディフューザとを備えた電動送風機において、前記各ディフューザ翼間に、前記ディフューザ翼の高さ方向寸法よりも小さな高さ方向寸法を持つ翼部又は凸部を有し、
    前記各ディフューザ翼間に、第一のディフューザ翼の前縁部から前記第一のディフューザ翼に隣接する第二のディフューザ翼に垂直な平面からなる入り口スロートと、前記第二のディフューザ翼の後縁部から前記第一のディフューザ翼に垂直な平面からなる出口部とで囲まれた重なり部を有し、前記翼部又は凸部の全体は、重なり部に設置され、前記翼部又は前記凸部の高さ方向寸法は流れ方向に変曲点を持つことを特徴とする電動送風機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動送風機において、
    前記翼部又は前記凸部の最大高さが前記ディフューザ翼の入口高さの略1/2であることを特徴とする電動送風機。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動送風機において、
    前記翼部又は前記凸部の回転軸方向の抜き勾配角度が前記ディフューザ翼の抜き勾配角度より大きいことを特徴とする電動送風機。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動送風機において、
    前記翼部又は前記凸部の下流に、回転軸方向に流路面積が広がる凹部を持つことを特徴とする電動送風機。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動送風機を用いた電気掃除機。
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