JP7022322B2 - 高炉原料の装入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉱石原料の還元率の維持、向上を図るための高炉原料の装入方法に関するものである。
近年、CO排出量削減の観点から、高炉プロセスにおける還元材比低減の要請が強まっている。このため、焼結鉱やペレットの被還元性を向上するとともに、これらの鉱石原料とコークスの高炉内における分布(装入物分布)を制御することによって、還元効率を向上させ、還元材比を低減させる技術開発が進められてきた。
また、溶銑コスト低減の観点から、高炉プロセスの主要な還元材であるコークスの使用量はできるだけ削減することが望ましく、羽口からの微粉炭多量吹込み等によって、溶銑1(ton)製造あたりに必要なコークス量(コークス比)を低減させる技術開発が進められてきた。
高炉に装入された鉱石原料は炉内を降下するに従い、昇温・還元され、最終的には溶融して滴下する。この固体から液体へ変化する過程で、鉱石は軟化し鉱石粒子同士が融着して鉱石融着層を形成するため、通気性が著しく低下する。高炉内において、鉱石融着層が存在する領域を一般に融着帯と呼ぶ。
高炉融着帯では、ガスが鉱石融着層にはほとんど流れず、コークス層へ偏流する。鉱石原料とコークスとを高炉炉頂部から交互に装入する方法において、融着帯でのコークス層へのガス流通経路を確保するためには、装入1チャージあたりのコークス量を一定以上に設定する必要がある。一方、装入1チャージあたりのコークス量が一定の条件下では、コークス比の低減に伴い、装入1チャージ当たりの鉱石量が増加するため、鉱石層の厚みが増加する。
鉱石層に下部から還元ガスが吹き込まれると、鉱石層での還元反応の進行に伴いCOおよびHガスが消費されるため、鉱石層の上部ほど還元力が低下する。その結果、鉱石層上部ほど、還元率は低下する。鉱石層の厚みが増加すると、この現象が助長されるため、鉱石層全体の還元率が減少する。
非特許文献1には、鉱石原料の高温性状試験において、鉱石層内の通気抵抗の上昇は還元率が低位である鉱石層の上層から生じることが記載されている。これは、鉱石層の上層の還元率を向上することで、鉱石の融着現象を遅延させ、融着体における通気性を改善できることを示唆している。
鉱石層全体の還元率及び鉱石層上層の還元率を向上させる手段の一つとして、還元力が高い鉱石原料層の下層に被還元性、または高温性状に劣る鉱石原料を装入し、還元力が低くなる鉱石原料層の上層に被還元性、または高温性状に優れた鉱石原料を装入する方法が知られている。
特許文献1には、鉱石原料層を被還元性の異なる複数の層とし、被還元率の優れた鉱石原料を上層部に装入することを特徴とする高炉操業方法が開示されている。特許文献2には、1200℃までの被還元性が高い鉱石原料を鉱石原料層の上層に装入することを特徴とする鉱石原料装入方法が開示されている。特許文献3には、高炉に装入する焼結鉱を、その高温性状により2種類に分け、高温性状に劣る焼結鉱を下層に装入し、その上部に高温性状に優れる焼結鉱を装入することを特徴とする高炉への焼結鉱装入方法が開示されている。
特許文献4には、焼結鉱に対する塊鉱石の平均粒径の粒径比Yと、焼結鉱に対する塊鉱石の真密度比Xとの関係を、所定の関係の範囲になるように、塊鉱石の粒径を調整することにより、塊鉱石を高炉の径方向中心~中間部で、かつ鉱石原料層の下部に装入する高炉操業方法が開示されている。
特開平8-109407号公報 特開平10-298620号公報 特開2002-309306号公報 特開2013-256696号公報
鉄と鋼, Vol.102(2016)No.2,61-67 鉄と鋼, Vol.80(1994)
現在主流のすり鉢状の堆積形状では、高炉内に装入された原料のうち、細粒はその場にとどまり、粗粒は炉中心側に転がる傾向があるため、炉半径方向において粒度偏析が生じる。炉下部から流通する還元ガスの流量は、通気抵抗の低い箇所ほど多くなる。このため、細粒が多い炉壁側よりも粗粒が多い炉中心側の還元ガスの流量が多くなる。これを考慮すると、被還元性の低い鉱石の鉱石層高さ方向の混合位置に関する考え方は、高炉内の半径方向位置に応じて変化すると考えられる。
特許文献1乃至3では、被還元性の低い鉱石に関する高炉内の半径方向位置と鉱石層高さ方向の位置との関係については、何ら考慮されていない。特許文献4では、被還元性の低い鉱石に関する高炉内の半径方向位置と鉱石層高さ方向の位置との関係について考慮されているが、鉱石層高さ方向の位置について「下部」とだけ記載されており、その具体的な位置については検討されていない。さらに、特許文献4では、被還元性の低い塊鉱石等を鉱石層の下部に装入することは記載されているが、被還元性に優れる焼結鉱を下部層に配置すること、この下部層の中に被還元性の低い塊鉱石を分散配置することは開示されていない。
本願発明は、被還元性の低い鉱石原料の混合位置に関する高炉内の半径方向位置と鉱石層高さ方向の位置との関係性を、鉱石原料の還元効率の向上及び融着帯の通気抵抗低減の観点から具体的に規定し、この関係性に基づく原料装入を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明に係る高炉原料の装入方法は、(1)鉱石原料とコークスとを交互に層状に装入する高炉原料の装入方法であって、前記鉱石原料は、1200℃での被還元性に劣る低被還元性鉱石原料と、1200℃での被還元性に優れる高被還元性鉱石原料とからなり、鉱石層を層厚方向に上層、中層及び下層に領域分けしたときに、炉内の炉半径方向における炉中間領域に堆積される鉱石層については、中下層を高被還元性鉱石原料に低被還元性鉱石原料が分散配置された混合層とし、上層を低被還元性鉱石原料が存在しない高被還元性鉱石原料のみからなる非混合層とする第1の層構造を指向した装入を行うことを特徴とする。
(2)前記炉中間領域における中下層のみに前記低被還元性鉱石原料を分散配置したときに前記混合層中の前記低被還元性鉱石原料の質量比率が50%以下となる場合は、炉内の炉半径方向における前記炉中間領域を除いた他の領域に堆積される鉱石層においては、前記高被還元性鉱石原料のみからなる第2の層構造を指向した装入を行うことを特徴とする上記(1)に記載の高炉原料の装入方法。
(3)前記炉中間領域における中下層のみに前記低被還元性鉱石原料を分散配置したときに前記混合層中の前記低被還元性鉱石原料の質量比率が50%超となる場合は、炉内の炉半径方向における前記炉中間領域を除いた他の領域に堆積される鉱石層においても、前記第1の層構造を指向した装入を行うことを特徴とする上記(1)に記載の高炉原料の装入方法。
(4)炉内の炉半径方向における各位置を、炉中心から各位置までの距離を炉半径で除した無次元半径で表したときに、前記炉中間領域における炉中心側の端部位置は無次元半径が0.4であり、前記炉中間領域における炉壁側の端部位置は無次元半径が0.7であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の高炉原料の装入方法。
本願発明によれば、被還元性の低い鉱石原料の混合位置に関して、鉱石原料の還元効率の向上及び融着帯の通気抵抗低減の観点から高炉内の半径方向位置と鉱石層高さ方向位置との関係性を規定し、この関係性に基づく層構造を指向した原料装入が行うことができる。
低被還元性鉱石原料の配置が互いに異なる第1鉱石層A,第2鉱石層B及び第3鉱石層Cの概略図である。 第1鉱石層A,第2鉱石層B及び第3鉱石層C其々の1200℃における平均還元率を、炉壁側領域,炉中間領域及び炉中心側領域の其々について解析した棒グラフである。 第1鉱石層A,第2鉱石層B及び第3鉱石層C其々の1200℃における上端の還元率を、炉壁側領域,炉中間領域及び炉中心側領域の其々について解析した棒グラフである。 本願発明の知見に従って堆積させた鉱石層の層構造の模式図である。 炉頂装入装置の一部における概略図である。
本発明者等は、被還元性の低い鉱石原料の混合位置に関する高炉内の半径方向位置と鉱石層高さ方向位置との関係性について、1次元非定常の反応速度解析を用いて詳細に検討した。本明細書において被還元性とは、高炉内の融着帯に相当する1200℃での被還元性をいう。1200℃での被還元性は、高炉を模擬した測定試験条件下においては、その測定方法によって大きくは変動しないので、測定方法は限定しないが、例えば、特開平10-298620号公報記載の方法を用いることができる。すなわち、CO、COを容積比1:1で混合したガスで1000℃でウスタイトまで還元した後、7℃/minで1200℃まで昇温しながらCOとNを容積比3:7で混合したガスで、還元した後の還元率を1200℃での被還元性とすれば良い。
鉱石原料のうち、1200℃での被還元性に劣るものを低被還元性鉱石原料と称し、1200℃での被還元性に優れるものを高被還元性鉱石原料と称す。例えば、特開平10-298620号公報記載の方法により測定された還元率が60%以上のものを高被還元性鉱石原料とし、60%未満のものを低被還元性鉱石原料とすることができるが、低被還元性と高被還元性とを分類するための1200℃での被還元性の閾値はこれに限定されない。すなわち、低被還元性と高被還元性とを分類するための1200℃での被還元性の閾値は、高炉に装入される鉱石原料中の低被還元性鉱石原料の質量比率が33%以下となるように定めればよい。この33%との質量比率は、後述する反応解析で用いた値(高被還元性鉱石原料:低被還元性鉱石原料=2:1)と同じであるが、これは、実際の高炉操業において、一般的に被還元性の高いとされる焼結鉱と、一般的に被還元性が低いとされる塊鉱石及びペレットの比率が2:1程度であることに基づく。高炉操業においては、原料の需給状況およびコストの観点から使用される原料の種類とその質量比率が先に決定され、それらの制約の中で原料の配置を検討することが多い。本発明は、そのような使用原料の制約の中で、相対的に被還元性の劣る鉱石原料の混合位置を規定するものである。なお、低被還元性と高被還元性とを分類するための1200℃での被還元性の閾値は、高炉に装入される鉱石原料中の低被還元性鉱石原料の質量比率が33%程度となるように定める必要は無く、鉱石原料のうち、塊鉱石と焼結鉱、または、ペレットと焼結鉱とのように、その還元性状が大きく異なるものを分類できるように定めることが好ましい。
以下、反応速度解析の詳細を説明する。鉱石原料の還元反応速度は、3界面未反応核モデルに基づくものであり、本実施形態では非特許文献2の431~439頁に記載された解析方法を用いて解析した。鉱石原料として焼結鉱を仮定し、モデル計算に用いたのと同様の化学組成を有する焼結鉱について別途行った還元試験の結果を再現できるよう反応速度パラメータを調整した。このベースの焼結鉱(以下、高被還元性鉱石原料と称する)に対し、1200(℃)での還元率が5(%)低くなるように反応速度パラメータを調整することにより、低被還元性鉱石原料を模擬した。
昇温条件やCO/(CO+CO)、H/(H+HO)の温度依存性については、表1に示す実際の高炉操業時の条件を適用した。
Figure 0007022322000001
ボッシュガスに溶融還元由来のCOガスを加えた混合ガスを想定し、混合ガスのガス流量は、10461(Nm3/min)とし、ガス組成は、体積比率で、N:48(%)、CO+CO:44(%)、H+HO:8(%)とした。平均ガス流速は、前記の混合ガスの流量を炉腹断面積で除した値とした。
図1に今回比較した低被還元性鉱石原料の混合位置が互いに異なる鉱石層の層構造を示す。鉱石層の層厚を360(mm)とし、高被還元性鉱石原料及び低被還元性鉱石原料の割合を「高被還元性鉱石原料(質量%):低被還元性鉱石原料(質量%)=2:1」とした。鉱石層を層厚方向に均等に三分割して、上層、中層及び下層に領域分けするとともに、下層に低被還元性鉱石原料のみを単独で配置した第1鉱石層A(言い換えると、1/3下層偏在)、中層及び下層に高被還元性鉱石原料をベースとして低被還元性鉱石原料を分散させた第2鉱石層B(言い換えると、2/3下層混合)、鉱石層の全体に高被還元性鉱石原料をベースとして低被還元性鉱石原料を分散させた第3鉱石層C(言い換えると、全体混合)のそれぞれについて、平均還元率(%)及び最上端の還元率(%)を解析し、互いに比較した。第2鉱石層Bでは、2/3下層における高被還元性鉱石原料及び低被還元性鉱石原料の割合は「高被還元性鉱石原料(質量%):低被還元性鉱石原料(質量%)=1:1」となる。
以下の説明において、鉱石層のうち低被還元性鉱石原料が混合される領域を混合層、低被還元性鉱石原料が混合されない領域を非混合層と称する場合がある。2/3下層混合では中層及び下層が混合層に相当し、全体混合では鉱石層の全体が混合層に相当する。
焼結鉱粒径を、10,14,18(mm)の順に変化させ、これに伴い相対ガス流速を0.73,1.00,1.22の順に変化させた。これは、高炉内の炉径方向位置に応じて異なる、焼結鉱の粒径及びガス流速に対応させたものである。
すなわち、焼結鉱粒径:10(mm)、相対ガス流速:0.73なる条件は、炉壁側領域における条件を模擬しており、無次元半径位置で表せば例えば0.7~1.0である。焼結鉱粒径:14(mm)、相対ガス流速:1.00なる条件は、炉中間領域における条件を模擬しており、無次元半径位置で表せば例えば0.4~0.7である。焼結鉱粒径18(mm)、相対ガス流速1.22なる条件は、炉中心側領域の条件を模擬しており、無次元半径位置で表せば例えば0.0~0.4である。なお、無次元半径位置とは、炉内の炉半径方向における各位置を、炉中心から各位置までの距離を炉半径で除することにより表したものである。
本発明の第一の観点は鉱石原料の還元効率の向上であるから、まず、各鉱石層の全体の還元効率を検討すべく、各鉱石層の平均還元率を比較する。図2の棒グラフは、第1鉱石層A(1/3下層偏在)、第2鉱石層B(2/3下層混合)及び第3鉱石層C(全体混合)其々の1200(℃)における平均還元率を、炉壁側領域、炉中間領域及び炉中心側領域の其々について示したものである。ここで、平均還元率は、鉱石層全体の還元率の算術平均値である。低被還元性鉱石原料の鉱石層高さ方向の混合位置による平均還元率の差異を見ると、1/3下層偏在の平均還元率が相対的にやや低位であったものの、2/3下層混合と全体混合との比較にあっては、有意な差は見られなかった。また、低被還元性鉱石原料の炉半径方向位置による平均還元率は、炉中間領域が最も高位であり、次いで炉壁側領域、炉中心側領域の順であった。これは、炉径方向のO/Cが同程度の場合(中心コークス装入を行う場合にあっては、高炉中心部近傍を除く炉径方向のO/Cが同程度の場合)、炉中間領域の還元効率が高位となることを示唆している。
炉中間領域の平均還元率が高位であるとの知見に基づき、さらに、本発明の第二の観点である融着帯の通気抵抗低減の観点から、通気抵抗の上昇を生じる鉱石層の上層について、還元率を検討する。図3の棒グラフは、第1鉱石層A(1/3下層偏在)、第2鉱石層B(2/3下層混合)及び第3鉱石層C(全体混合)其々の1200(℃)における鉱石層上端の還元率を、炉壁側領域、炉中間領域及び炉中心側領域の其々について示したものである。ここで、鉱石層上端の還元率は、鉱石層最上部1mmの領域の還元率である。炉半径方向位置に依らず、第2鉱石層B(2/3下層混合)が最も還元率が高位であった。鉱石層高さ方向で最も還元率が低い位置(鉱石層の上端)における還元率を向上することで、FeOを含む融液の生成、ひいては鉱石原料の融着を遅延し、高炉融着帯の通気抵抗を軽減することができると考えられる。
平均還元率が高位であることを第一の観点とし、さらに融着帯の通気抵抗低減を第二の観点とすれば、これらの図2及び図3の解析結果から、炉半径方向の炉中間領域(無次元半径位置0.4~0.7)の鉱石層の下層2/3に低被還元性鉱石原料を混合し、上層1/3に高被還元性鉱石原料を配置することにより、還元率の向上及び融着帯の通気抵抗の低減を図ることができると考えられる。なお、炉中心側の鉱石層上端の還元率が高位であっても(特に2/3下層混合において42.5%程度であっても)、炉中心側領域の鉱石層の平均還元率は炉中間領域及び炉壁側領域に比して低位であるから、炉中心側領域に積極的に低被還元性鉱石原料を配置することは好ましくない。
すなわち、上述の解析結果を纏めると、
(1)高炉半径方向の位置に依らず、鉱石層の下層及び中層に低被還元性鉱石原料を混合することによって、平均還元率を維持しながら、鉱石層上端の還元率を向上することができる。
(2)半径方向のO/Cが同等、具体的には±0.1程度であれば、炉半径方向では、炉中間領域の平均還元率が高くなるため、低被還元性鉱石原料の配置に適する。
(3)炉半径方向の炉中間領域の鉱石層の下層2/3に低被還元性鉱石原料を混合することにより、還元率の向上による還元材比,コークス比の低減及び融着帯の通気抵抗の低減を図ることができる。
ここで、鉱石原料には、焼結鉱、塊鉱石、ペレットのうち少なくとも1種を用いることができる。したがって、例えば、高被還元性鉱石原料及び低被還元性鉱石原料が共に焼結鉱であってもよい。また、高被還元性鉱石原料が焼結鉱、低被還元性鉱石原料がペレットであってもよい。
本実施形態においては、2/3下層における高被還元性鉱石原料及び低被還元性鉱石原料の割合は「高被還元性鉱石原料(質量%):低被還元性鉱石原料(質量%)=1:1」としたが、その割合はこれに限定されないが、混合層において高被還元性鉱石原料が低被還元性鉱石原料と等量か、それよりも多く含まれていることが好ましい。
上述の知見にしたがって堆積させた鉱石層の層構造を図4に模式的に示す。ハッチングは、低被還元性鉱石原料が分散混合された混合層を示している。
ここで、鉱石原料中に占める低被還元性鉱石原料の割合が小さい場合には、炉半径方向の炉中間領域の鉱石層の下層2/3のみに低被還元性鉱石原料を分散配置するのが好ましい。例えば、炉中間領域における中下層のみに低被還元性鉱石原料を分散配置したときに混合層中の低被還元性鉱石原料の質量比率が50%以下となる場合は、炉内の炉半径方向における炉中間領域を除いた他の領域(炉中心側領域及び炉壁側領域)に堆積される鉱石層においては、高被還元性鉱石原料のみからなる第2の層構造を指向した装入を行うことが望ましい。
一方、鉱石原料中に占める低被還元性鉱石原料の割合が大きい場合には、炉中間領域の鉱石層の下層2/3のみに低被還元性鉱石原料を配置すると、混合層中の低被還元性鉱石原料の割合が高くなり好ましくない。これは、混合層中の低被還元性鉱石原料の割合が高くなるほど、鉱石層の平均還元率が低くなるためである。すなわち、炉内で局所的に還元負荷が高くなることを避けるため、炉径方向全体に亘って平均還元率が同程度であることが好ましいとの基本的な技術思想があるところ、炉中間領域の鉱石層の下層2/3のみに低被還元性鉱石原料を配置することによって炉中間領域の平均還元率が炉壁側領域や炉中心側領域に比して低くなることは好ましくない。
したがって、鉱石原料中に占める低被還元性鉱石原料の割合が大きい場合には、炉中間領域以外の領域においても、その下層2/3に低被還元性鉱石原料を分散配置するのが好ましい。炉中間領域に次いで平均還元率が高位であるのは炉壁側領域であること、炉壁側領域において2/3下層混合と全体混合との平均還元率の有意な差は見られなかったこと、炉壁側領域において全体混合に比して2/3下層混合の場合の鉱石層上端の還元率が高いこと、を考慮すれば、炉中間領域の下層2/3のみに低被還元性鉱石原料を分散配置したときに混合層中の低被還元性鉱石原料の割合が過剰になる場合は、炉中間領域に分散配置する低被還元性鉱石原料の一部を、炉壁側領域の下層2/3にも分散配置することができる。
また、上記と同様の理由から、炉中間領域に分散配置する低被還元性鉱石原料の一部を、さらに炉中心側領域の下層2/3に分散配置しても良い。すなわち、炉中間領域における中下層のみに低被還元性鉱石原料を分散配置したときに混合層中の低被還元性鉱石原料の質量比率が50%超となる場合は、炉内の炉半径方向における炉中間領域を除いた他の領域に堆積される鉱石層においても、炉中間領域と同様の層構造を指向した装入を行うことが望ましい。なお、炉中間領域の鉱石層の層構造は、特許請求の範囲に記載の第1の層構造に対応している。ここで、各領域の中下層に分散配置する低被還元性鉱石原料の質量比率は、特に限定しないが、各領域の平均還元率が同程度となるように定めるのが良い。例えば、各領域の混合層中の低被還元性鉱石原料の質量比率は、炉中間領域において50%、炉壁側領域において40%、炉中心側領域において30%などとすることができる。このように、炉中間領域を除いた他の領域の中下層にも低被還元性鉱石原料を分散配置することにより、炉径方向全体に亘って平均還元率が同程度となり、炉内のガス流れを安定化することができる。
ここで、層厚方向において混合層を三ブロックに均等に分割したときに、最も低被還元性鉱石原料が多いブロックにおける混合率(最大混合率)と、最も低被還元性鉱石原料が少ないブロックにおける混合率(最少混合率)との差が最大混合率の20%以内であるか、又は、各ブロックの混合率を平均化した平均混合率に対して各ブロックの混合率が-20%~+20%であることが望ましい。本明細書において層厚方向とは、鉱石層の傾斜角方向に対して直交する方向のことである。直交は、厳密な直交だけを意味するものではない。混合率は質量分率であり、平均混合率は混合率の算術平均値である。
つまり、混合層の中に低被還元性鉱石原料が分散した状態とは、混合層の全体に低被還元性鉱石原料が均一に分散した状態を一義的に指し示すものではなく、混合層の中で僅かに偏在している状態も含まれる。
上述の図4の層構造を指向した、高炉原料の装入方法について説明する。本実施形態では、低被還元性鉱石原料が一部に混合された高被還元性鉱石原料と、コークスとを交互に層状に装入する際に、所定の高炉装入物の分布制御が行われる。図5は、高炉の炉頂部に設けられる炉頂装入装置の一部における概略図である。炉頂装入装置は、鉱石原料の搬送方向上流から下流に向かって、鉱石槽11、鉱石ベルトコンベア12、サージホッパー13、装入ベルトコンベア14、炉頂バンカー15、旋回シュート16を配置することにより構成されている。炉頂バンカー15には、固定ホッパー15a及び集合ホッパー15bが含まれる。
高炉装入物の分布制御には、公知の方法を用いることができる。すなわち、高炉炉内半径方向の制御は、旋回シュート16の傾動角、回転数を制御することにより調整することができる。鉱石層の厚み方向の制御は、炉頂バンカー15から落下装入される原料中の低被還元性鉱石原料の割合を制御することにより調整することができる。
炉頂バンカー15の構成は、特に限定しないが、流量調整ゲートを備え、複数の固定ホッパー15aから鉱石原料とコークスを同時に排出するもの、或いは固定ホッパー15aに搬送する前の鉱石ベルトコンベア12又は装入ベルトコンベア14で鉱石原料およびコークスを積層させるなどして、固定ホッパー15aに鉱石原料とコークスの混合原料を貯留するものであってもよい。ここで、鉱石原料の装入を2回以上に分け、かつ1回ごとの低被還元性鉱石及び高被還元性鉱石原料の割合を調整することにより、容易に制御性良く本発明の配置を実現することができる。
すなわち、炉中間領域では上述の2/3下層混合を指向した高炉装入物の分布制御を行い、他の領域では高被還元性鉱石原料のみが堆積する層構造を指向した高炉装入物の分布制御を行うことにより、還元率の向上による還元材比,コークス比の低減及び融着帯の通気抵抗の低減を図ることができる。
11 鉱石槽
12 鉱石ベルトコンベア
13 サージホッパー
14 装入ベルトコンベア
15 炉頂バンカー
16 旋回シュート

Claims (3)

  1. 鉱石原料とコークスとを交互に層状に装入する高炉原料の装入方法であって、
    前記鉱石原料は、1200℃での被還元性に劣る低被還元性鉱石原料と、1200℃での被還元性に優れる高被還元性鉱石原料とからなり、
    鉱石層を層厚方向に均等に上層、中層及び下層に領域分けしたときに、
    炉内の炉半径方向における炉中間領域に堆積される鉱石層については、中下層を高被還元性鉱石原料に低被還元性鉱石原料が混合された混合層とし、上層を低被還元性鉱石原料が存在しない高被還元性鉱石原料のみからなる非混合層とする第1の層構造を指向した装入を行い、
    前記炉中間領域における中下層のみに前記混合層を形成したときに前記混合層中の前記低被還元性鉱石原料の質量比率が50%以下となる場合は、炉内の炉半径方向における前記炉中間領域を除いた他の領域に堆積される鉱石層においては、前記高被還元性鉱石原料のみからなる第2の層構造を指向した装入を行う、
    ことを特徴とする高炉原料の装入方法。
  2. 鉱石原料とコークスとを交互に層状に装入する高炉原料の装入方法であって、
    前記鉱石原料は、1200℃での被還元性に劣る低被還元性鉱石原料と、1200℃での被還元性に優れる高被還元性鉱石原料とからなり、
    鉱石層を層厚方向に均等に上層、中層及び下層に領域分けしたときに、
    炉内の炉半径方向における炉中間領域に堆積される鉱石層については、中下層を高被還元性鉱石原料に低被還元性鉱石原料が混合された混合層とし、上層を低被還元性鉱石原料が存在しない高被還元性鉱石原料のみからなる非混合層とする第1の層構造を指向した装入を行い、
    前記炉中間領域における中下層のみに前記混合層を形成したときに前記混合層中の前記低被還元性鉱石原料の質量比率が50%超となる場合は、炉内の炉半径方向における前記炉中間領域を除いた他の領域に堆積される鉱石層においても、前記第1の層構造を指向した装入を行う、
    ことを特徴とする高炉原料の装入方法。
  3. 炉内の炉半径方向における各位置を、炉中心から各位置までの距離を炉半径で除した無次元半径で表したときに、
    前記炉中間領域における炉中心側の端部位置は無次元半径が0.4であり、前記炉中間領域における炉壁側の端部位置は無次元半径が0.7であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉原料の装入方法。
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