JP5834922B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉の炉頂部から原料を装入してコークス層と鉱石層とを交互に堆積させる際に、鉱石層中にコークスをあらかじめ混合させて装入する、鉱石コークス混合装入法を用いる高炉操業方法に関する。
近年、環境問題の観点から、高炉でのコークスの使用量をできるだけ低減できる技術の開発が求められている。高炉操業では、通常、炉頂から鉱石とコークスとをそれぞれが交互に層状となるように装入して鉱石層とコークス層とを形成している。
高炉の炉頂からのコークス装入量を低減させるためにコークス比を低減させるには、1チャージ当りの鉱石装入量を増加させる方法、または、1チャージ当りのコークス装入量を低下させる方法の2つが考えられる。この場合、前者を実施すると、鉱石層が厚くなるため、鉱石の還元性が悪化して炉下部における未還元鉱石の直接反応による炉熱低下を招いて炉況を悪化させる。一方、後者を実施すると、融着帯でコークススリットを形成するコークス層が薄くなるため、炉下部での通気性が悪化することになる。
そこで従来、これらの悪影響を緩和するために、前記鉱石層中にコークスをあらかじめ混合させて装入(以下、「鉱石コークス混合装入」と記載する。)することで、鉱石層自体の還元性を向上させる方法が開発されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1においては、ベルレス装入装置を用いて鉱石コークス混合装入を行なうために、鉱石とコークスをベルトコンベア上で積層させるように切り出して、炉頂バンカーから高炉内へ装入し、「コークス混合鉱石層」を形成する方法を採用している。
また、特許文献2においては、複数の炉頂バンカーを有するベルレス装入装置を用いて高炉に原料を装入する際に、鉱石とコークスとを別々の炉頂バンカーに装入し、炉頂バンカーからの排出時に鉱石とコークスの一部を同時に排出して高炉内へ装入し、コークス混合鉱石層を形成する方法を採用している。
これらの技術は、コークスの単独装入と、鉱石コークス混合装入を交互に行なう方法であり、鉱石コークス混合装入によりコークス混合鉱石層を形成させることで、炉内の通気性や通液性を改善することにより、炉頂からのコークス装入量を低減させる場合であっても、炉況を安定させることができる。
一方で、高炉のコークスの使用量を減らすために、コークスの一部に代替して羽口から補助還元材吹き込みが行われている。補助還元材としては、コークスに比較して安価な微粉炭が主に使用される他、廃棄物に含まれる合成樹脂等の固体還元材、そして天然ガス等の気体還元材も使用されている。特に、天然ガス等の気体還元材のように水素含有率の高い還元材でコークス等を置換する方策は、例えば、天然ガスのコークス置換率が微粉炭のコークス置換率に比較して高位であることから、非常に有効である。(例えば、非特許文献1参照。)
特開平03−211210号公報 特開2004−107794号公報
日本鉄鋼協会 「材料とプロセス」Vol.18(2005年)、p.984
鉱石コークス混合装入法を用いて高炉の操業を行なう際に、コークス混合鉱石層に混合するコークス量を増加させることで、高炉の通気性と還元効率が向上するが、本発明者らの検討によれば、混合するコークス量が120kg/t−p(溶銑1トンあたり120kgであることを示す。以下、同様)程度になると効果が飽和してしまい、それ以上の向上は見られなくなる。そこで、さらなる通気性や還元効率の向上のために、上記した気体還元材吹き込みと、鉱石コークス混合装入法とを組み合わせることが考えられる。
したがって本発明の目的は、高炉操業において鉱石コークス混合装入法を用いる際に、羽口から吹き込む補助還元材として気体還元材を用いることで、通気性と還元効率を向上させて、より効率的な高炉の操業を可能とする、高炉操業方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)高炉の炉頂部から原料を装入して、炉内にコークス層と、コークスと鉱石とが混合されたコークス混合鉱石層とを交互に堆積させ、かつ、羽口から吹き込む補助還元材として気体還元材を用いる高炉操業方法であって、前記コークス混合鉱石層内でコークスを上部に偏析させることを特徴とする高炉操業方法。
(2)コークス混合鉱石層の上部50体積%内に前記コークス混合鉱石層内に混合されるコークスの60質量%以上が混合されていることを特徴とする(1)に記載の高炉操業方法。
(3)コークス混合鉱石層中に混合されるコークス量を、炉頂から装入する全コークス量に対して10mass%以上とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の高炉操業方法。
(4)ベルレス装入装置を用い、コークスと鉱石とが混合された混合原料が前記ベルレス装入装置の炉頂バンカーから排出される際に、該排出の末期に前記混合原料中のコークスの混合率が増加するような分布を形成し、1バッチの装入を2層として旋回シュートを折り返して前記混合原料を炉内に装入することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の高炉操業方法。
(5)高炉の無次元半径で0.8〜1.0の範囲内に、前記コークス混合鉱石層を堆積させることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の高炉操業方法。
(6)前記コークス混合鉱石層中のコークスの平均粒径が、コークス混合鉱石層中の鉱石の平均粒径の1.3倍以上であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の高炉操業方法。
本発明によれば、コークス混合鉱石層に混合するコークスの混合状態を制御することで、間接還元反応効率の向上に加えて、水素による還元効率を高めることができ、より効率的な高炉の操業が可能となる。
これによりコークスの使用量を低減することができるので、CO2の発生を削減して、地球環境に貢献できる。
コークス混合鉱石層の模式図(上部偏析)。 コークス混合鉱石層の模式図(均一混合)。 鉱石の平均還元率の変化を示すグラフ。 炉頂バンカー内の偏析制御板の設置例(原料が炉頂バンカーの中心付近に落下)。 炉頂バンカー内の偏析制御板の設置例(原料が炉頂バンカーの外周部分に落下)。 炉頂バンカーから排出される原料のコークス混合率の経時変化を示すグラフ。
本発明者らの検討により、高炉の炉頂部から原料を装入してコークス層と鉱石層とを交互に堆積させる際に、鉱石層中にコークスをあらかじめ混合させて装入する、鉱石コークス混合装入法に、羽口からの水素含有率の高い(通常は「水素含有率14mass%以上)気体還元材吹き込みを組み合わせると、単なる両者の組み合わせから予想される以上に還元効率が向上し、より一層コークスの使用量を低減できることが見出された。この原理を以下に説明する。
水素含有率の高い気体還元材を羽口から吹き込むことによる高炉操業へおよぼす影響として、主に水素還元における還元速度上昇による還元効率の改善(シャフト効率の改善)、還元性向上による融着帯での鉱石の溶け落ち性改善による炉内圧損の低減、等が挙げられる。これらの複合的な効果と、吹込み還元材の組成、発熱量の影響を受けてコークス置換率が決定する。そのため高炉操業として、還元効率を高めることによって、コークスとの置換率をさらに高めることができると考えられる。
水素含有率の高い気体還元材を吹き込む際の、水素による還元効率改善については、一般に水素による還元速度が速いこと、そして水素還元により生成した水蒸気とカーボンとのガス化反応により再生成した水素により再び水素還元が発生することによると考えられる。したがって水素による還元促進効果を最大限に発揮するためには、水素還元により生成した水蒸気がコークスと反応する頻度を高めることが不可欠である。
通常の高炉操業では、コークス層と鉱石層が交互に装入されているため、水素還元により発生した水蒸気がコークスと反応するためには、鉱石層を抜けて隣接するコークス層まで到達しなければならない。しかし、鉱石層をコークス混合鉱石層とすることで、水蒸気が生成した直後に鉱石層内に存在するコークスと反応して水素を再生成し、その水素が再度還元反応に寄与することができる。そこで水素含有率の高い気体還元材吹込み時に、炉内にコークス混合鉱石層を形成させることによって、還元効率が大幅に向上する。
さらに、コークス混合鉱石層内の混合状態について検討すると、通常の鉱石コークス混合装入法においては、コークス混合鉱石層では、鉱石とコークスとが均一に混合されていることが前提である。しかし、コークス層とコークス混合鉱石層とが層状に重なる炉内において、マクロ的にはコークス層とその上部に積層されたコークス混合鉱石層との境界では、コークス層近傍の鉱石量に対して、還元ガスの量が余剰であるため、還元効率(ガス利用率)が低下するという問題がある。そこで、更なる還元効率の向上のために、本発明では鉱石とコークスとを均一に混合せずに、図1に示すように、コークス混合鉱石層の上方をコークスが密の状態に、下方をコークスが粗の状態とする。図1はコークス混合鉱石層の模式図であり、コークス混合鉱石層内でコークス2が上部に偏析している状態である。図2は従来の鉱石1とコークス2とが均一に混合されているコークス混合鉱石層の模式図である。このようにコークス混合鉱石層内でコークスを偏析させることで、下方ではコークス層からの還元ガスを、上方ではコークス混合鉱石層内に混合されたコークスから発生する還元ガスを、鉱石の還元に利用することができ、還元ガスを効率的に利用することができるので、トータルの還元効率が向上することになる。
以上のことから本発明では、高炉の炉頂部から原料を装入してコークス層とコークス混合鉱石層とを交互に堆積させ、かつ、羽口から吹き込む補助還元材として気体還元材を用いる際に、コークス混合鉱石層内でコークスを上部に偏析させることとした。
上記についての検証を行なうために、荷重軟化試験装置を用いて、羽口からの気体還元材吹き込みと、コークス混合鉱石層におけるコークス上部偏析の効果を測定した。荷重軟化試験装置は高炉内で原料が受ける温度、雰囲気、荷重を再現するものであり、直径100mmの黒鉛るつぼ内に装入した原料を還元ガス雰囲気で所定の温度に加熱して試験を行った。コークス層には平均粒径15〜25mmの塊コークスを、コークス混合鉱石層には平均粒径8〜10mmの鉱石と、平均粒径8〜10mmのコークスを用いた。コークス混合鉱石層のコークス混合率は120kg/t−p相当とした。還元ガスが水素を含有しない場合と、水素を4体積%含有する場合について、コークスの上に鉱石のみを積層した場合を「混合なし」、コークス層の上にコークスと鉱石とを均一に混合した(図2)コークス混合鉱石層を積層した場合を「均一混合」、更にコークス混合鉱石層上部にコークスを偏析させた、図1と同様の場合を「上部偏析」とした。コークス混合鉱石層の平均コークス混合率は120kg/t−p相当とし、上部偏析の場合は、上部50体積%内の平均コークス混合率は144kg/t−p相当、下部50体積%内の平均コークス混合率は96kg/t−p相当とした。それぞれの場合の鉱石の平均還元率の測定結果を図3に示す。図3によれば、混合装入を行なうことで還元率が向上し、さらにコークスを上部に偏析させることで、還元率がより一層向上するが、還元ガスを水素含有ガスとすることで、還元率がさらに一層向上することが分かる。
上記のように、コークス混合鉱石層は、上方をコークスが密の状態に、下方をコークスが粗の状態に偏析させる。コークス混合鉱石層内の上部ほどコークス密度の高い状態であることが好ましく、コークス混合鉱石層の上半分(上部50体積%)内に、コークス混合鉱石層内に混合されるコークスの60質量%以上が混合されていることが好ましい。さらに好ましくは、コークス混合鉱石層の上半分(上部50体積%)内に、コークス混合鉱石層内に混合されるコークスの70質量%以上が混合されていることであり、コークス混合鉱石層の上部33体積%内にコークス混合鉱石層内に混合されるコークスの50質量%以上を混合させることが、より好ましい。なお、コークス混合鉱石層の上部に100質量%混合させると、下部は0質量%となり鉱石のみの層が存在することになる。従って、コークス混合鉱石層の上部に100質量%混合させる状態は本発明には含まれず、100質量%未満である。好ましい上限は、90%であり、更に好ましい上限は80%である。炉半径方向でコークスの混合率が変化する場合は、鉱石が集中する炉内半径方向中間部でコークスの混合率を高めることが好ましい。
なお、実際に高炉内に形成されるコークス混合鉱石層の表面は水平ではなく高さ分布を有し、炉内半径位置により、その上面高さ位置は異なるものとなる。コークス混合鉱石層の上半分である上部50体積%とは、コークス混合鉱石層の任意の範囲における、コークス混合鉱石層の上面から、コークス混合鉱石層の垂直方向の厚さの50%に相当する距離だけ垂直下方向に離れた点を結んで形成される曲面を仮想した場合、該曲面より上部に位置するコークス混合鉱石層の体積である。
コークス混合鉱石層内に混合させるコークス量については、コークス量が多いほど、水素還元により発生した水蒸気とコークスとの接触頻度が高くなるため、還元効率の向上効果が高いと予測される。したがって、コークス混合鉱石層内に混合させるコークス量は、多いことが好ましく、実高炉での検討から、コークスを炉頂から装入する全コークス量に対して10mass%以上、特に好ましくは30mass%以上コークス混合鉱石層内に混合すると還元効率向上の効果が高い。一方で、コークスをコークス混合鉱石層内に混合する量が多すぎると、コークス層が薄くなり、融着帯でコークススリットが薄くなり炉下部での通気性が悪化し、また還元率の向上効果が飽和することから、コークス混合鉱石層内に混合するコークスは、コークスを炉頂から装入する全コークス量に対して50mass%以下とすることが好ましい。
次に、コークスを鉱石層内に偏析させる方法について説明する。コークスを鉱石層内に均一に混合させる方法については、炉頂バンカーと旋回シュートを有するベルレス装入装置を用い、鉱石とコークスをベルトコンベア上で積層させるように切り出して、炉頂バンカーから高炉内へ装入し、コークス混合鉱石層を形成する方法、複数の炉頂バンカーからの排出時に鉱石とコークスの一部を同時に排出して高炉内へ装入し、コークス混合鉱石層を形成する方法等が知られている。
コークスを鉱石層内に偏析させるには、例えば上記において、切り出しの際にコークスの混合量を変更したり、複数の炉頂バンカーから鉱石とコークスの一部を同時に排出する際に、炉頂バンカーからの排出量を、流量調整ゲート等を用いて調節して、コークスの混合割合を変えたりすることで対応できる。しかしこのような方法では、原料装入工程が複雑となり、非効率な操業となる恐れがある。また、流量調整ゲートを有していない設備では対応が困難な場合もある。
より簡易に上部偏析させる方法として、ベルレス装入装置を用い、コークスと鉱石との混合原料を炉頂バンカーに装入し、旋回シュートを用いて炉内に装入する際に、炉頂バンカーからの排出の末期にコークスの混合率が増加するような原料分布を形成して装入する装入方法を用いることができる。炉頂バンカーからの排出の末期にコークスの混合率が増加するような分布を形成するためには、例えば、炉頂バンカー内上部に偏析制御板等を設置して、炉頂バンカーに装入される混合原料が炉頂バンカーの排出口に近い高炉の中心軸寄りに落下するような原料流れを形成しながら装入すればよい。このような偏析制御板の設置例を、図4に示す。この操作により、鉱石より粒径の大きなコークスが炉頂バンカーの排出口から最も遠くなり、排出末期にコークスの混合率が増加する。
炉頂バンカー3内の偏析制御板4の角度を図4に示すように設定することで、炉頂バンカーに装入される混合原料は炉頂バンカーの排出口に近い高炉の中心軸寄りに落下し、鉱石はバンカー中心部に堆積するが、鉱石より粒径が大であるコークスはバンカーの排出口から遠い高炉の外周寄りに流れ込む。これに対して、図5に示すように炉頂バンカー3内の偏析制御板4の角度を設定すると、炉頂バンカーに装入される混合原料は炉頂バンカーの排出口から遠い高炉の外周寄りに落下する。炉頂バンカー中に堆積した混合原料は、高炉の中心軸寄りに有る排出口の直上が先に排出されるので、偏析制御板4を図4に示すように調整することで炉頂バンカーから排出される原料のコークス混合率を排出末期で増加可能であることが分かる。従って、図4に示す場合には、図5に示す場合よりもコークスが排出終盤に多く排出されるようになる。
なお、図4は炉頂バンカーが並列に設置された場合の例であり、上部のホッパーから下部の炉頂バンカーへポート等を経由して原料を供給するセンターフィード型においても同様に原料落下位置を制御することで炉頂バンカーからの排出の末期にコークスの混合率が増加するような原料分布を形成することができる。
なお、上記で説明した炉頂バンカー内での偏析効果は、コークス混合鉱石層中のコークスの平均粒径が鉱石の粒径よりも大きい場合に発生するが、粒径比率を変えて偏析効果を調べる装入・排出試験を行った結果、コークス混合鉱石層中のコークスの平均粒径が、コークス混合鉱石層中の鉱石の平均粒径の1.3倍以上の場合に偏析効果が大きく、より好ましいことがわかった。
炉頂バンカーに装入される混合原料が炉頂バンカーの中心付近に落下する場合と、周辺部分に落下する場合との、炉頂バンカーから排出される混合原料中の排出初期から排出末期にかけてのコークス混合率の変化の比較を図6に示す。図6は模型試験の結果であり、鉱石の平均粒径は15mm、コークスの平均粒径は25mmとした。装入原料が炉頂バンカーの中心付近に落下する場合が太線、周辺部分に落下する場合が点線である。図6によれば、炉頂バンカーに装入される混合原料が炉頂バンカーの中心付近に落下すると、周辺部分に落下する場合に比べて、炉頂バンカーから排出される原料のコークス混合率が排出末期で増加することが分かる。
炉頂バンカーから炉内に装入されるコークスと鉱石との混合原料のコークスの混合率が排出の末期に増加するような分布を形成して、1バッチの装入を2層として旋回シュートを折り返して移動させて炉内に装入することで、炉周辺部に上部のコークスの混合率の高い上部偏析したコークス混合鉱石層を形成することができる。
羽口から吹き込む補助還元材としては、気体還元材だけでなく、固体還元材も用いることができる。固体還元材および気体還元材を羽口から吹き込む際には、それぞれを別の羽口から吹き込むこともできるが、例えば、固体還元材ホッパーから固体還元材を切り出して吹き込みランスから熱風と共に炉内に吹き込み、気体還元材吹き込み装置から別のランスを用いて気体還元材を熱風と共に炉内に吹き込むことで、同一羽口から固体還元材と気体還元材とを混合して炉内に吹き込むことができる。固体還元材としては微粉炭、合成樹脂材を、気体還元材としては、メタンガス、メタンガスを主成分とする天然ガス、プロパンを主成分とするLPG、都市ガス、コークス炉ガス、水素ガス、ジメチルエーテルなど、高炉内で還元材として働く、水素を含有する気体を使用することができる。
本発明においては、コークスを鉱石層内に混合させる方法については、特定の方法に限定しない。鉱石とコークスとが混合状態で高炉内に装入されてコークスが上部に偏析したコークス混合鉱石層が形成されれば良い。
内容積5000m3の高炉において、比較的ガス利用率が低い傾向がある高炉の無次元半径で0.7〜1.0の範囲に、コークス層と、コークスと鉱石とが混合されたコークス混合鉱石層とを交互に堆積させる操業を行った。羽口から吹き込む補助還元材としては、気体還元材および固体還元材を用いた。気体還元材として天然ガスを、固体還元材として微粉炭を使用した。出銑比がほぼ一定となるように、操業条件を一定にして、混合コークス量を変更して、操業No.2〜6の操業を行った。
操業No.2〜4は参考例であり、コークス混合鉱石層は、鉱石とコークスをベルトコンベア上で積層させるように切り出して、サージホッパーを介してベルレス装入装置の炉頂バンカーに装入して、旋回シュートを用いて高炉内へ装入することで形成した。コークスがほぼ均一に分布したコークス混合鉱石層が形成された。操業No.5、6が本発明例であり、操業No.2〜4のコークス混合鉱石層が均一混合であるのに対して、コークス混合鉱石層に混合されたコークスの量を層の下部で少し減らした場合に相当する、コークスを上部に偏析させたコークス混合鉱石層を形成した操業を行った。上部偏析したコークス混合鉱石層は、図4に示すように炉頂バンカー3内の偏析制御板4の角度を設定し、コークス混合鉱石層を逆傾動(炉中心から炉壁方向へと傾動)で1層目(下層)を装入した後、折り返して2層目(上層)を装入することで炉の無次元半径で0.7〜1.0の範囲に形成した。形成されたコークス混合鉱石層は、高炉の無次元半径0.8〜1.0の範囲で、上部50体積%内にコークス60質量%が混合されている状態であった。操業No.1は比較例であり、コークス混合鉱石層が均一混合であり、補助還元材として、気体還元材を用いずに、固体還元材のみを用いた場合である。操業条件及び結果を表1に示す。
Figure 0005834922
表1において、「混合コークス量」は、炉頂から装入する全コークス量に対するコークス混合鉱石層中に混合されるコークス量の割合である。また、通気抵抗指数は、高炉シャフト部での通気抵抗を指数化した指標であり、下記(a)式より計算する。
通気抵抗指数=((A2−B2)/C)×(1/D1.7)×(273/E) ・・・(a)
但し、A=((BP/98.0665)+1.033)×10000
B=((TP/98.0665)+1.033)×10000
C=1.033×10000×LST
D=BGV/SAVE
E=((SGT+273)/2)+273
であり、BPは送風圧力(kPa)、TPは炉頂圧力(kPa)、LSTはストックラインから羽口までの距離(m)、BGVはボッシュガス流量(Nm3/min)、SAVEは高炉シャフト部の平均水平断面積(m2)、SGTは高炉シャフト部の代表ガス温度(1000℃に固定)、である。
また、ガス利用率は炉頂ガス中のCOとCO2の量に対するCO2の比率であり、シャフト効率はリスト線図で示される高炉の還元効率の度合いを表す指数である。
表1において操業No.1と操業No.2を比較すると、天然ガスを吹き込むことで通気抵抗指数が低下し、ガス利用率が増加し、シャフト効率が向上して、還元効率の改善がなされていることが分かる。天然ガスのコークス置換率は1.15である。
一方、混合コークス量が9.5mass%である操業No.2に対して、混合コークス量が10.5mass%である操業No.3においては、通気抵抗指数がさらに低下しており、コークス混合鉱石層中に混合されるコークス量を、炉頂から装入する全コークス量に対して10mass%以上とすることで、通気抵抗指数が低下し、還元効率の改善(シャフト効率の改善)が顕著となった。
また、混合コークス量が30.6mass%である操業No.4においては、通気抵抗指数がより一層低下しており、コークス混合鉱石層中に混合されるコークス量を、炉頂から装入する全コークス量に対して30mass%以上とすることで、更なる通気抵抗指数の低下、および、還元効率の改善(シャフト効率の改善)がなされたことが分かる。
そして、操業No.3と操業No.5とを、操業No.4と操業No.6とを比較すると、コークス混合鉱石層を上部偏析とすることで、より一層、ガス利用率が増加し、通気抵抗指数が低下し、還元効率の改善(シャフト効率の改善)がなされたことが分かる。
以上の結果より、本発明は、高炉の還元効率の改善(シャフト効率の改善)技術として有効であり、さらに、低還元材比(低コークス比)操業技術としても有効であることが確認された。
1 鉱石
2 コークス
3 炉頂バンカー
4 偏析制御板

Claims (7)

  1. 高炉の炉頂部から原料を装入して、炉内にコークス層と、コークスと鉱石とが混合されたコークス混合鉱石層とを交互に堆積させ、かつ、羽口から吹き込む補助還元材として水素含有率14mass%以上の気体還元材を用いる高炉操業方法であって、前記コークス混合鉱石層内でコークスを上部に偏析させることを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記気体還元材は、天然ガスであることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. コークス混合鉱石層の上部50体積%内に前記コークス混合鉱石層内に混合されるコークスの60質量%以上が混合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高炉操業方法。
  4. コークス混合鉱石層中に混合されるコークス量を、炉頂から装入する全コークス量に対して10mass%以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の高炉操業方法。
  5. ベルレス装入装置を用い、コークスと鉱石とが混合された混合原料が前記ベルレス装入装置の炉頂バンカーから排出される際に、該排出の末期に前記混合原料中のコークスの混合率が増加するような分布を形成し、1バッチの装入を2層として旋回シュートを折り返して前記混合原料を炉内に装入することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の高炉操業方法。
  6. 高炉の無次元半径で0.8〜1.0の範囲内に、前記コークス混合鉱石層を堆積させることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の高炉操業方法。
  7. 前記コークス混合鉱石層中のコークスの平均粒径が、コークス混合鉱石層中の鉱石の平均粒径の1.3倍以上であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の高炉操業方法。
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