JP7021736B2 - 渋滞度判定装置、渋滞度判定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

渋滞度判定装置、渋滞度判定方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、渋滞度判定装置、渋滞度判定方法、及びコンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、プローブ車両から受信したプローブ情報に基づいて、渋滞情報を生成する渋滞情報生成装置が記載されている。
この装置は、受信したプローブ情報に基づいてプローブ車両のリンク平均速度を道路のリンクごとに算出し、算出したリンク平均速度を所定の閾値と対比することにより、リンクの渋滞度を判定する装置である。
特開2012-137833号公報
プローブ情報を元データとするリンク平均速度の場合、例えば交差点での信号待ちの停止時間の影響により、距離が短いリンクほどリンク平均速度が低下する傾向にある。
このため、プローブ情報から算出したリンク平均速度を固定値の閾値と対比する従来装置では、リンク長が比較的短いリンクの渋滞度の判定において、実際には交差点で1回の信号待ちしか発生しない順調な交通状況であっても、混雑又は渋滞であると誤判定してしまう可能性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、プローブ情報に基づくリンク平均速度を用いた渋滞度の判定を正確に行える渋滞度判定装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係る装置は、渋滞度判定装置であって、道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置であって、プローブ車両からプローブ情報を受信する通信部と、受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する情報処理部と、を備え、前記情報処理部が用いる前記速度閾値は、次の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる。
Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS}
L(m):リンク長
TS(秒):プローブ車両がリンクを通過するまでに発生する停止要因項(秒)
VS(km/h):車両が道路を通行する場合に想定される速度
(8) 本発明の一態様に係る方法は、道路に対応するリンクの渋滞度を判定する方法であって、プローブ車両からプローブ情報を受信する第1ステップと、受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する第2ステップと、を含み、前記第2ステップで用いる前記速度閾値は、上記の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる。
(9) 本発明の一態様に係るプログラムは、道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、プローブ車両からプローブ情報を受信する第1ステップと、受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する第2ステップと、を実行させ、前記第2ステップで用いる前記速度閾値は、上記の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる。
本発明によれば、プローブ情報に基づくリンク平均速度を用いた渋滞度の判定を正確に行うことができる。
本発明の実施形態に係る情報提供システムの全体構成図である。 情報提供システムを構成する情報提供装置と車載装置のブロック図ある。 交差点における待ち行列と車両の走行軌跡の関係を示すグラフである。 リンク長とリンク平均速度との関係を示すグラフである。 情報提供装置の情報処理部が実行する渋滞度判定処理の一例を示すフローチャートである。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の装置は、道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置であって、プローブ車両からプローブ情報を受信する通信部と、受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する情報処理部と、を備え、前記情報処理部が用いる前記速度閾値は、次の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる。
Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS}
L(m):リンク長
TS(秒):プローブ車両がリンクを通過するまでに発生する停止要因項(秒)
VS(km/h):車両が道路を通行する場合に想定される速度
本実施形態の渋滞度判定装置によれば、リンク長Lに応じて変動する上記の速度閾値Thsを採用するので、閾値が固定値である従来装置に比べて、プローブ情報に基づくリンク平均速度を用いた渋滞度の判定をより正確に行うことができる。
(2) 本実施形態の渋滞度判定装置において、前記リンクが一般道路に対応する場合には、前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Th(k)を採用すればよい。
Th(k)=3.6×L/{(k×C-G)+3.6×L/Vo}
k(回):赤信号で終端交差点の手前で停止した車両が、当該交差点を通過するまでに待たされるサイクル回数
C(秒):終端交差点のサイクル長
G(秒):終端交差点の青時間帯の時間長
Vo(km/h):車両が一般道路を通行する場合に想定される速度
本実施形態の渋滞度判定装置によれば、リンクが一般道路に対応する場合に上記の速度閾値Th(k)を採用するので、サイクル回数kの値を任意に設定することにより、種々の度合いで渋滞度の判定を行うことができる。
(3) 例えば、前記速度閾値Th(k)には、k=1の場合の第1閾値Th(1)とk=2の場合の第2閾値Th(2)のうちの少なくとも1つが含まれることが好ましい。
この場合、リンク平均速度を第1閾値Th(1)と対比することにより、リンクが順調か混雑かを判定でき、リンク平均速度を第2閾値Th(2)と対比することにより、リンクが非渋滞か渋滞かを判定することができる。
(4) 本実施形態の渋滞度判定装置において、前記第1及び第2閾値Th(1),Th(2)には、所定の最大値が設定されており、前記情報処理部は、前記第1及び第2閾値Th(1),Th(2)の算出値が前記最大値を超える場合は、当該最大値を前記速度閾値とすることが好ましい。
その理由は、3.6×L/Voが(C-G)よりも十分に大きいリンク長Lの場合は、速度閾値Th(1)の値が過大になり、順調であるのに混雑と誤判定される可能性が高まるからである。
また、3.6×L/Voが(2×C-G)よりも十分に大きいリンク長Lの場合は、速度閾値Th(2)の値が過大になり、非渋滞であるのに渋滞と誤判定される可能性が高まるからである。
(5) 本実施形態の渋滞度判定装置において、前記想定速度Voは、前記一般道路の道幅及び速度規制の有無のうちの少なくとも1つに応じて異なる値に設定されることが好ましい。
このようにすれば、速度閾値Th(k)を一般道路の道幅や速度規制の有無に応じた正確な値に設定できるので、リンクの渋滞度をより正確に判定できるようになる。
(6) 本実施形態の渋滞度判定装置において、前記リンクがサービスエリア又はパーキングエリアに繋がる高速道路の区間に対応する場合には、前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Thrよりなる。
Thr=3.6×L/{Tr+3.6×L/Vr}
Tr(秒):車両の運転者がエリアで休憩する場合に一般的に想定される停車時間
Vr(km/h):エリアに繋がる高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度
本実施形態の渋滞度判定装置によれば、サービスエリア又はパーキングエリアで休憩する場合に一般的に想定される停止時間Trを停止要因項TSとした上記の速度閾値Thrにより、リンクの渋滞度が判定される。
このため、サービスエリア又はパーキングエリアに繋がる高速道路の区間に対応するリンクの渋滞度を、より正確に判定することができる。
(7) 本実施形態の渋滞度判定装置において、前記リンクが料金所を含む高速道路の区間に対応する場合には、前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Thpよりなる。
Thp=3.6×L/{Tp+3.6×L/Vp}
Tp(秒):車両が料金所で停止する場合の一般的な停車時間
Vp(km/h):料金所を含む高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度
本実施形態の渋滞度判定装置によれば、車両が料金所で停止する場合の一般的な停車時間Tpを停止要因項TSとした上記の速度閾値Thpにより、リンクの渋滞度が判定される。
このため、料金所を含む高速道路の区間に対応するリンクの渋滞度を、より正確に判定することができる。
(8) 本実施形態の渋滞度判定方法は、上述の(1)~(7)の渋滞度判定装置が実行する判定方法である。
従って、本実施形態の渋滞度判定方法は、上述の(1)~(7)の渋滞度判定装置と同様の作用効果を奏する。
(9) 本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の(1)~(7)の渋滞度判定装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
従って、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の(1)~(7)の渋滞度判定装置と同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔用語の定義〕
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本明細書で用いる用語の定義を行う。
「車両」:道路を通行する車両全般のことをいう。従って、自動車、軽車両及びトロリーバスのほか、自動二輪車も車両に該当する。
本実施形態では、単に「車両」というときは、プローブ情報を送信可能な車載装置を有するプローブ車両と、その車載装置を有しない通常の車両の双方を含む。
「プローブ情報」:道路を走行中のプローブ車両がセンシングした当該車両に関する各種の情報のことをいう。プローブ情報は、プローブデータ或いはフローティングカーデータとも称される。プローブ情報には、プローブ車両の識別情報、車両位置、車両速度、車両方位及びこれらの発生時刻などの各種の車両データが含まれる。
「プローブ車両」:プローブ情報をセンシングして外部に送信する車両のことをいう。道路を通行する車両には、プローブ車両とこれ以外の車両の双方が含まれる。
「サイクル長」:交通信号機の青(又は赤)開始時刻から次の青(又は赤)開始時刻までの1サイクルの時間のことをいう。
「青時間帯」:交差点において車両に通行権がある時間帯のことをいう。青時間帯の終了時点は、最も早い場合で青時間の終了時点、最も遅い場合で黄時間の終了時点に設定すればよい。矢印灯器のある交差点の場合は、右折矢印の終了時点であってもよい。
「待ち行列」:赤信号による信号待ちなどのために、交差点の手前で停止している車両の行列のことをいう。
「停止波」:赤信号になると信号待ち行列が発生し、行列の長さが時間とともに増大する。この待ち行列長さを長くする伝達波のことを停止波という。
「発進波」:信号待ち行列の発生中に青信号に切り替わると、交差点に近い前方の車両から順に発進し始める。この信号待ち車両が発進する時の伝達波のことを発進波という。
「発進波速度」:発進波の伝搬速度のことをいう。すなわち、発進波遅れを車両停止位置の一次関数で定義した場合の、当該一次関数の傾きのことである。
「リンク」:交差点などのノード間を繋ぐ、上り又は下りの方向を有する道路区間のことをいう。
ある交差点から見て、当該交差点に向かって流入する方向のリンクのことを流入リンクといい、ある交差点から見て、当該交差点から流出する方向のリンクのことを流出リンクという。流入リンクの下流側のノードに対応する交差点を「終端交差点」という。
「リンク旅行時間」:旅行時間の算出単位の道路区間が「リンク」である場合の旅行時間、すなわち、車両が1つのリンクの始端から終端までを通行するのに必要な旅行時間のことをいう。
「リンク平均速度」:リンク旅行時間をリンク長で除して得られる速度のことをいう。
「渋滞度」:リンクにおける車両の渋滞の度合いを表す指標のことをいう。例えば本実施形態では、リンクの渋滞度を「順調」、「混雑」及び「渋滞」の3つに区分する。
「順調」とは、信号待ちなしで終端交差点を通過できる状況、及び、終端交差点の待ち行列が1回の青信号時間で捌ける状況のことをいう。
「混雑」とは、終端交差点の待ち行列が1回目の青信号時間では捌けず、2回目の青信号時間で捌ける状況のことをいう。
「渋滞」とは、終端交差点の待ち行列が2回目の青信号時間でも捌けない状況のことをいう。なお、渋滞度の識別は、レベル値などで行ってもよい。この場合、例えば、順調をレベル0、混雑をレベル1、渋滞をレベル2などと定義すればよい。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供システム1の全体構成図である。図2は、情報提供システム1に含まれる情報提供装置2と車載装置4のブロック図ある。
図1及び図2に示すように、情報提供システム1は、データセンタなどに設置されたサーバの一種である情報提供装置2と、情報提供装置2と通信する複数のプローブ車両3の車載装置4などを備える。
後述の通り、本実施形態の情報提供装置2は「渋滞度判定装置」として機能する。
この判定装置の機能には、プローブ情報を元データとしてリンク平均速度を算出する処理、算出したリンク平均速度を所定の速度閾値と対比することにより、プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する処理が含まれる。
本実施形態の情報提供システム1は、情報提供装置2が、車両位置とその通過時刻を含むプローブ情報を各プローブ車両3から収集し、収集したプローブ情報から算出したリンク旅行時間及びリンクの渋滞度などの交通情報を、プローブ車両3の車載装置4やその他のユーザ5のユーザ端末6などに配信するシステムである。
本実施形態の情報提供装置2は、車両3の製造メーカ又は各種の情報提供事業を行うIT企業などにより運用されるコンピュータ装置である。情報提供装置2は、オンプレミスサーバ及びクラウドサーバのいずれであってもよい。
プローブ車両3の車載装置4は、各地の無線基地局7(例えば、携帯基地局)との無線通信が可能である。無線基地局7は、インターネットなどの公衆通信網8を介して情報提供装置2と通信可能である。
従って、車載装置4は、情報提供装置2宛てのアップリンク情報S1を無線基地局7に無線送信することができる。情報提供装置2は、特定の車載装置4宛てのダウンリンク情報S2を公衆通信網8に送信することができる。
ユーザ5のユーザ端末6は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型パソコンなどの、ユーザ5が所持するデータ通信端末よりなる。ユーザ端末6は、各地の無線基地局7との無線通信が可能である。
従って、ユーザ端末6は、情報提供装置2宛てのアップリンク情報S1を無線基地局7に無線送信することができる。情報提供装置2は、特定のユーザ端末6宛てのダウンリンク情報S2を公衆通信網8に送信することができる。
図1及び図2では、携帯端末よりなるユーザ端末6が例示されているが、ユーザ端末6は、屋内に設置されたデスクトップパソコンなどのコンピュータ装置であってもよい。
この場合、ユーザ端末6は、光通信回線などにより公衆通信網8に通じる固定通信網を介して、情報提供装置2と通信を行う。
〔情報提供装置の構成〕
図2に示すように、情報提供装置2は、ワークステーションよりなるサーバコンピュータ10と、サーバコンピュータ10に繋がる各種のデータベース21~24とを備える。サーバコンピュータ10は、情報処理部11、記憶部12及び通信部13を備える。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)のうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記憶媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記憶媒体)とを含む記憶装置である。
情報処理部11は、記憶部12の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム14を読み出し、当該プログラム14に従って情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)を含む演算処理装置よりなる。
情報提供装置2のコンピュータプログラム14には、リンク旅行時間の算出処理及びリンクごとの渋滞度判定処理など、所定の交通情報の生成を情報処理部11に実行させるプログラムなどが含まれる。
通信部13は、公衆通信網8を介して無線基地局7と通信する通信インタフェースである。通信部13は、無線基地局7が自装置に送信したアップリンク情報S1を受信可能であり、自装置で生成されたダウンリンク情報S2を無線基地局7に送信可能である。
通信部13は、所定の専用回線16を介して交通管制センターの中央装置15と接続されていてもよい。中央装置15は、所定の交通管制エリアに含まれる交差点の信号制御パラメータを統括的に決定するサーバコンピュータである。
データベース21~24は、サーバコンピュータ10にそれぞれデータ転送可能に接続された、HDD又はSSDなどを含む大容量ストレージよりなる。
データベース21~24には、地図データベース21、プローブデータベース22、会員データベース23、及び信号情報データベース24が含まれる。
地図データベース21には、国内を網羅する道路地図データ25が記録されている。道路地図データ25には、「交差点データ」と「リンクデータ」が含まれる。
「交差点データ」は、国内の交差点に付与された交差点IDと、交差点の位置情報とを対応付けたデータである。「リンクデータ」は、国内の道路に対応して付与された特定リンクのリンクIDに対して、次の情報1)~4)を対応付けたデータよりなる。
情報1)特定リンクの始点・終点・補間点の位置情報
情報2)特定リンクの始点に接続するリンクID
情報3)特定リンクの終点に接続するリンクID
情報4)特定リンクのリンクコスト
道路地図データ25は、実際の道路線形と道路の走行方向に対応したネットワークを構成する。このため、道路地図データ25は、交差点を表すノード間の道路区間を有向リンクl(小文字のエル)で繋いだネットワークになっている。
具体的には、道路地図データ25は、交差点ごとにノードnが設定され、各ノードn間が逆向きの一対の有向リンクlで繋がった有向グラフよりなる。従って、一方通行の道路の場合は、一方向の有向リンクlのみノードnが接続される。
道路地図データ25には、地図上の各道路に対応する特定の有向リンクlが、一般道路であるか有料道路であるかを表す道路種別情報、及び、有向リンクlに含まれる料金所又はパーキングエリアなど施設の種別を表す施設情報なども含まれる。
プローブデータベース22には、情報提供装置2に予め登録されたプローブ車両3から受信したプローブ情報が、当該車両3の識別情報ごとに蓄積される。
蓄積されるプローブ情報には、少なくとも車両位置とその通過時刻が含まれるが、車両速度、車両方位などのその他の車両データを蓄積してもよい。プローブ車両3によるプローブ情報のセンシング周期は、プローブ車両3の走行履歴を特定可能な粒度であり、例えば1秒である。
会員データベース23には、登録会員(ユーザ5)の住所及び氏名などの個人情報、及び、登録会員のユーザ端末6の識別情報(例えば、MACアドレス、メールアドレス及び電話番号などのうちの少なくとも1つ)が含まれる。
信号情報データベース24には、各交差点のサイクル長及び青時間帯の時間長などが有向リンクlごとに蓄積される。
情報処理部11は、中央装置15から情報提供される交差点については、所定時間ごとに受信した交差点のサイクル長及び青時間帯の時間長を、信号情報データベース24に記録する。
情報処理部11は、中央装置15から情報提供されない交差点については、当該交差点の規模などに応じて予め定めた所定のサイクル長及び青時間帯の時間長を、信号情報データベース24に記録する。
〔車載装置の構成〕
図2に示すように、車載装置4は、処理部31、記憶部32及び通信部33などを備えるコンピュータ装置よりなる。
処理部31は、記憶部32の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム34を読み出し、当該プログラム34に従って各種の情報処理を行うCPU及びECU(Electric Control Unit)を含む演算処理装置よりなる。
記憶部32は、HDD及びSSDのうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記憶媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記憶媒体)とを含む記憶装置である。
車載装置4のコンピュータプログラム34には、処理部31のECUに実行させる運転制御プログラム、プローブ車両3の経路探索プログラム、及び、ナビゲーション装置のディスプレイに探索経路を表示する画像処理プログラムなどが含まれる。
通信部33は、プローブ車両3に恒常的に搭載された無線通信機、或いは、プローブ車両3に一時的に搭載されたデータ通信端末(例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はノード型パソコンなど)よりなる。
通信部33は、GPS(Global Positioning System )受信機を有する。処理部31は、通信部33が受信するGPSの位置情報に基づいて、自車両の現在位置をほぼリアルタイムにモニタリングしている。
処理部31は、自車両の車両位置、車両速度、車両方位、及びCAN情報などの車両データを所定のセンシング周期(例えば1秒)ごとに計測し、計測時刻とともに記憶部12に記録する。
記憶部12に所定の記録時間(例えば5分)の分だけ車両データが蓄積されると、通信部33は、蓄積された車両データと自車両の識別情報を含むプローブ情報を生成し、生成したプローブ情報を情報提供装置2宛てにアップリンク送信する。
車両3の車載装置4には、運転者の操作入力を受け付ける入力インタフェース(図示せず)が含まれる。入力インタフェースは、例えばナビゲーション装置に付随する入力機器、或いは、プローブ車両3に搭載されたデータ通信端末の入力機器などよりなる。
〔信号待ちによる平均停止時間〕
図3は、交差点における待ち行列と車両の走行軌跡の関係を示すグラフである。
図3において、横軸は時刻(秒)、縦軸は交差点の停止線からの距離(m)を表す。「C」、「G」及び「R」は、それぞれ交差点のサイクル長、青時間帯及び赤時間を表す。前述の通り、青時間帯の終了時点は、青時間の終了時点、黄時間の終了時点、及び右折矢印の終了時点のいずれでもよい。
図3において、縦ハッチングを施したほぼ三角形の領域は、1サイクル中の赤信号によって形成される「待ち行列」である。この領域の図示左側の傾斜辺SLは、待ち行列に進入した車両の停止位置である。
図3の「車両の走行軌跡」に示す通り、終端交差点に進入した車両は、まず赤開始時点近傍(黄信号を含んでもよい)から延びる待ち行列の末尾に加わって停止する。
三角形の領域の図示右側の傾斜辺SRは、青信号になって交差点から発進する車両の発進位置を表す。青信号になると、車両は待ち行列の先頭から発進する。
上記の停止位置及び発進位置は、それぞれ時間とともに上流側へ延びる伝搬速度を有する。この伝搬速度の傾きを有する各傾斜辺SL,SRが前述の「停止波」及び「発進波」である。
ここで、終端交差点の飽和交通流率をSf(台/秒)とすると、1回以下の信号まちで終端交差点を通過可能な最大到着交通量Q、すなわち、1回の青時間帯Gにより捌ける1サイクルごとの最大交通量Q(台/秒)は、次式によって算出される。
Q=(G/C)×Sf
また、終端交差点に到着する全車両の総停止時間DLは、次式によって算出される。
DL=(1/2)×{(C-G)×Q×C}
=(1/2)×{(C-G)×(G/C)×Sf×C}
=(1/2)×{(C-G)×G×Sf}
1回の青時間帯Gで終端交差点を通過する交通量は、G×Sfであるから、1台の車両あたりの平均停止時間dLは、次式によって算出される。すなわち、1台の車両が終端交差点を通過する場合に必要な平均停止時間は、当該交差点の赤時間Gの半分となる。
dL=DL/(G×Sf)
=(1/2)×(C-G)
=(1/2)×R
〔従来の渋滞度判定処理の問題点〕
プローブ情報に基づくリンク旅行時間を用いた従来の渋滞度判定処理には、次の工程1~3が含まれる。
1)工程1:リンク旅行時間の算出工程
工程1は、プローブデータベース22に蓄積されたプローブ情報を用いて、リンク旅行時間TT(秒)を算出する工程である。具体的には、プローブ車両3のリンクの始端通過時刻をtsとし、プローブ車両3のリンクの終端通過時刻をteとすると、リンク旅行時間TTを、TT=te-tsの算出式によって算出する。
2)工程2:リンク平均速度の算出工程
工程2は、リンク長L(m)をリンク旅行時間TT(秒)で除することにより、プローブ車両3のリンク平均速度Vm(km/h)を算出する工程である。具体的には、プローブ車両3のリンク平均速度Vmを、Vm=3.6×L/TTの算出式によって算出する。
3)工程3:渋滞度の判定工程
工程3は、算出したリンク平均速度Vmを所定の閾値Th1,Th2と対比することにより、当該リンクの渋滞度を判定する工程である。ここでは、2種類の閾値Th1,Th2を採用し、例えば、Th1=20(km/h)、Th2=10(km/h)とする。
閾値Th1は、順調と混雑の境界を表す閾値であり、閾値Th2は、混雑と渋滞の境界を表す閾値である。従って、リンクの渋滞度は、リンク平均速度Vmの閾値Th1,Th2に対する大小関係に応じて次のように判定される。
Vm<Th2の場合:リンクを「渋滞」(レベル2)と判定
Th2≦Vm<Th1の場合:リンクを「混雑」(レベル1)と判定
Th1≦Vm の場合:リンクを「順調」(レベル0)と判定
図4は、リンク長Lとリンク平均速度Vmとの関係を示すグラフである。
第1速度Vaは、プローブ車両3が終端交差点において平均停止時間(=(1/2)×(C-G))だけ停止すると仮定した場合の、リンク平均速度Vmを表す。
第2速度Vbは、プローブ車両3が終端交差点において赤信号の直前に停止すると仮定した場合(赤時間Rの開始から終了まで停止すると仮定した場合)の、リンク平均速度Vmを表す。
図4に示すように、第1及び第2速度Va.Vbは、それぞれ次の算出式となる。
Va=3.6×L/{(1/2)×(C-G)+3.6×L/V}
Vb=3.6×L/{(C-G)+3.6×L/V}
第1速度Vaの中括弧内の第1項(=(1/2)×(C-G))は、終端交差点における平均停止時間である。第2速度Vbの中括弧内の第1項(=(C-G))は、終端交差点において赤信号の直前で停止する場合の停止時間である。
図4の第1及び第2速度Va,Vbの各曲線は、C=120秒、G=50秒、V=50km/hと仮定した場合の、リンク長Lとリンク平均速度Vmとの関係を表す。
図4の曲線Vaに示す通り、プローブ車両3のリンク平均速度Vmが第1速度Vaの場合は、リンク長Lが約300m以下になると、Va<Th1(=20km/h)となり、リンク長Lが約100m以下になると、Va<Th2(=10km/h)となる。
この場合、プローブ車両3が、実際にはリンクをV=50km/hで通行し、交差点の手前で平均停止時間だけ停止してから、1回の信号待ちで終端交差点を通過できた場合(すなわち、「順調」と判定すべき場合)でも、リンク長Lが約300m以下になると「混雑」と判定され、リンク長Lが約100m以下になると「渋滞」と判定される。
図4の曲線Vbに示す通り、プローブ車両3のリンク平均速度Vmが第2速度Vbの場合は、リンク長Lが約650m以下になると、Vb<Th1(=20km/h)となり、リンク長Lが約250m以下になると、Vb<Th2(=10km/h)となる。
この場合、プローブ車両3が、実際にはリンクをV=50km/hで通行し、交差点の手前で赤時間だけ停止してから、1回の信号待ちで終端交差点を通過できた場合(すなわち、「順調」と判定すべき場合)でも、リンク長Lが約650m以下の場合は「混雑」と判定され、リンク長Lが約250m以下になると「渋滞」と判定される。
このように、交差点での信号待ちによる停止時間((1/2)×R又はR)の影響により、距離が短いリンクほどリンク平均速度Vmが低下する。
このため、プローブ情報から算出したリンク平均速度Vmを固定の閾値Th1,Th2と対比する方法では、リンク長Lが比較的短いリンクの渋滞度の判定において、実際には交差点で1回の信号待ちしか発生しない「順調」な交通状況であるのに、「混雑」又は「渋滞」であると誤判定してしまうケースがある。
そこで、本実施形態では、リンク長Lに応じて変動する算出式で定義された速度閾値Thkを採用することにより、プローブ情報を元データとするリンク平均速度Vmを用いた渋滞度の判定をより正確に行えるようにした。以下、本実施形態の情報提供装置2が実行する渋滞度判定処理を説明する。
〔本実施形態の渋滞度判定処理〕
図5は、情報提供装置2の情報処理部11が実行する渋滞度判定処理の一例を示すフローチャートである。
情報提供装置2の情報処理部11は、図5のフローチャートに示す渋滞度判定処理を、所定の制御周期(例えば10分)ごとに実行し、当該制御周期ごとに各リンクに関する渋滞度の判定結果(順調又は渋滞など)を出力する。
図5に示すように、情報提供装置2の情報処理部11は、まず、今回の制御周期にプローブデータベース22に蓄積されたプローブ情報を用いて、プローブ車両3のリンク旅行時間TTを算出する(ステップST11)。
具体的には、プローブ車両3のリンクの始端通過時刻をtsとし、プローブ車両3のリンクの終端通過時刻をteとすると、情報処理部11は、リンク旅行時間TTを、TT=te-tsの算出式によって算出する。
ステップST11の算出処理において、複数のプローブ車両3の走行軌跡が存在するリンクの場合には、複数のプローブ車両3のリンク旅行時間の平均値又は中央値などの統計値を、リンク旅行時間TTとして採用すればよい。
次に、情報処理部11は、プローブ車両3のリンク平均速度Vmを算出する(ステップST12)。
具体的には、情報処理部11は、リンク長L(m)をリンク旅行時間TT(秒)で除することにより、プローブ車両3のリンク平均速度Vm(km/h)を算出する。すなわち、情報処理部11は、プローブ車両3のリンク平均速度Vmを、Vm=3.6×L/TTの算出式によって算出する。
次に、情報処理部11は、リンク平均速度Vmが得られた複数のリンクについて、リンクごとの速度閾値Th(k)を算出する(ステップST13)。リンクが一般道路である場合、速度閾値Th(k)の算出式は次の式(1)の通りである。
Th(k)=3.6×L/{(k×C-G)+3.6×L/Vo} ……(1)
上記の算出式(1)において、「k」は、赤信号で終端交差点の手前で停止した車両が、当該交差点を通過するまでに待たされるサイクル回数を意味する。
上記の算出式(1)において、Vo(km/h)は、車両が一般道路を通行する場合に一般的に想定される速度である。例えば、Voは、法定速度とすればよい。実勢速度が判明している道路の場合は、Voを実勢速度としてもよい。
また、道路の道幅に応じてVoを異なる値としてもよい。この場合、例えば、国道に対応するリンクの場合はVo=60km/hとし、それ以外の小規模の道路に対応するリンクの場合はVo=30km/hとすればよい。
速度規制の有無に応じてVoを異なる値としてもよい。例えば、所定の時間帯又は期間での規制速度が規定された道路の場合は、当該時間帯又は期間内では規制速度を採用し、当該時間帯又は期間外では法定速度とすればよい。
また、規制速度が存在する規制区間を途中に含む道路区間の場合には、規制区間に含まれるリンクについては規制速度を採用し、規制区間に含まれないリンクについては法定速度を採用すればよい。
上記の算出式(1)において、右辺の(k×C-G)は 赤信号で終端交差点の手前に停止した車両が、k回目の青信号で終端交差点を通過する場合の停止時間である。
従って、右辺の{(k×C-G)+3.6×L/Vo}の項は、所定の想定速度Voで走行する車両が終端交差点において赤信号に遭遇し、k回目の青信号で終端交差点を通過する場合の最大のリンク旅行時間を意味する。
本実施形態では、算出式(1)におけるk(回)の値がそれぞれ1及び2である、2種類の閾値Th(1),Th(2)を採用する。
閾値Th(1)は、順調と混雑の境界を表す閾値であり、閾値Th(2)は、混雑と渋滞の境界を表す閾値である。図5に示すように、2つの閾値Th(1),Th(2)の算出式は、それぞれ次の式(2)及び(3)の通りである。
Th(1)=3.6×L/{(C-G)+3.6×L/Vo} ……(2)
ただし、Th(1)の最大値は20(km/h)とする。すなわち、式(2)の算出値が20(km/h)を超える場合は、20(km/h)で頭打ちとする。
Th(2)=3.6×L/{(2×C-G)+3.6×L/Vo} ……(3)
ただし、Th(2)の最大値を10(km/h)とする。すなわち、式(3)の算出値が10(km/h)を超える場合は、10(km/h)で頭打ちとする。
算出式(2)において、右辺の{(C-G)+3.6×L/Vh}は、所定の想定速度Voで走行する車両が終端交差点において赤信号に遭遇し、1回目の青信号で終端交差点を通過する場合の最大のリンク旅行時間を意味する。
従って、リンク平均速度VmがTh(1)以上である場合は、プローブ車両3が走行したリンクは「順調」であると推定でき、リンク平均速度VmがTh(1)未満である場合は、プローブ車両3が走行したリンクは「混雑」であると推定できる。
算出式(3)において、右辺の{(2×C-G)+3.6×L/Vh}は、所定の想定速度Voで走行する車両が終端交差点において赤信号に遭遇し、2回目の青信号で終端交差点を通過する場合の最大のリンク旅行時間を意味する。
従って、リンク平均速度VmがTh(2)以上である場合は、プローブ車両3が走行したリンクは「非渋滞」と推定でき、リンク平均速度VmがTh(2)未満である場合は、プローブ車両3が走行したリンクは「渋滞」であると推定できる。
Th(1)の最大値を規定する理由は、次の通りである。すなわち、3.6×L/Voが(C-G)よりも十分に大きいリンク長Lの場合は、速度閾値Th(1)の値が過大になり、順調であるのに混雑と誤判定される可能性が高まるからである。
Th(2)の最大値を規定する理由も、同様である。すなわち、3.6×L/Voが(2×C-G)よりも十分に大きいリンク長Lの場合は、速度閾値Th(2)の値が過大になり、非渋滞であるのに渋滞と誤判定される可能性が高まるからである。
次に、情報処理部11は、リンク平均速度Vmを速度閾値Th(1),Th(2)と対比して当該リンクの渋滞度を判定する(ステップST14)。具体的には、情報処理部11は、リンク平均速度Vmの閾値Th(1),Th(2)に対する大小関係に応じて、リンクの渋滞度を次のように判定する。
Vm<Th(2)の場合:リンクを「渋滞」(レベル2)と判定
Th(2)≦Vm<Th(1)の場合:リンクを「混雑」(レベル1)と判定
Th(1)≦Vm の場合:リンクを「順調」(レベル0)と判定
情報提供装置2の情報処理部11は、図5の渋滞度判定処理により各リンクの渋滞度を判定すると、その判定結果を車載装置4及びユーザ端末6に配信する。
具体的には、情報処理部11は、リンクの識別番号と当該リンクの判定結果(順調、混雑又は渋滞)を含む交通情報を生成し、生成した交通情報を車載装置4及びユーザ端末6にダウンリンク送信する。
上記の交通情報を受信した車載装置4の処理部31は、自車両のナビゲーション装置のディスプレイに道路地図を表示する場合に、リンクごとの判定結果に応じて異なる表示態様で道路を表示する。この点は、ユーザ端末6の場合も同様である。
例えば、順調が青色、混雑が黄色、渋滞が赤色と定義されている場合、処理部31は、順調のリンクに対応する道路を青色で表示し、混雑のリンクに対応する道路を黄色で表示し、渋滞のリンクに対応する道路を赤色で表示するように、ディスプレイを制御する。
〔第1の変形例〕
上述の実施形態では、2つの速度閾値Th(1),Th(2)を採用し、リンクが順調、混雑又は渋滞のいずれであるかを判定しているが、いずれか1つの速度閾値Th(1),Th(2)のみを採用することにしてもよい。
具体的には、速度閾値Th(1)のみを採用して、リンクが順調又は混雑のいずれであるかを判定してもよいし、速度閾値Th(2)のみを採用して、リンクが非渋滞又は渋滞のいずれであるかを判定してもよい。
上述の実施形態において、さらにk=3である速度閾値Th(3)を採用し、3つの速度閾値Th(1)~Th(3)によってリンクの渋滞度を4種類に区分してもよい。
この場合、情報提供装置2の情報処理部11は、リンク平均速度Vmの閾値Th(1)~Th(3)に対する大小関係に応じて、リンクの渋滞度を次のように判定すればよい。
Vm<Th(3)の場合:「超渋滞」(レベル3)と判定
Th(3)≦Vm<Th(2)の場合:「渋滞」(レベル2)と判定
Th(2)≦Vm<Th(1)の場合:「混雑」(レベル1)と判定
Th(1)≦Vm の場合:「順調」(レベル0)と判定
〔第2の変形例〕
上述の実施形態では、交差点に交通信号機が存在する「一般道路」のリンクの渋滞度を判定する場合を例示したが、リンクは「高速道路」のリンクであってもよい。
例えば、サービスエリア又はパーキングエリア(以下、「エリア」と略記する。)に繋がる高速道路の区間に対応するリンクの場合には、プローブ車両3のリンク旅行時間TTを増加させる停止要因項として、車両の運転者がエリアで休憩する場合に一般的に想定される停車時間Tr(秒)(例えば1800~3600秒)を考慮すればよい。
すなわち、エリアに繋がる高速道路の区間に対応するリンクの場合には、次の算出式(4)で定義される速度閾値Thrを用いて、リンクの渋滞度を判定すればよい。
Thr=3.6×L/{Tr+3.6×L/Vr} ……(4)
上記の算出式(4)において、Vr(km/h)は、エリアに繋がる高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度(例えば80km/h)である。
この場合、情報提供装置2の情報処理部11は、リンク平均速度Vmの閾値Thrに対する大小関係に応じて、高速道路のリンクの渋滞度を次のように判定すればよい。
Vm<Thrの場合:リンクを「非順調(混雑)」(レベル1)と判定
Thr≦Vm の場合:リンクを「順調」(レベル0)と判定
同様に、料金所を含む高速道路の区間に対応するリンクの場合には、プローブ車両3のリンク旅行時間TTを増加させる停止要因項として、車両が料金所で停止する場合の一般的な停車時間Tp(秒)(例えば10~30秒)を考慮すればよい。
すなわち、料金所を含む高速道路の区間に対応するリンクの場合には、次の算出式(5)で定義される速度閾値Thpを用いて、リンクの渋滞度を判定すればよい。
Thp=3.6×L/{Tp+3.6×L/Vp} ……(5)
上記の算出式(5)において、Vp(km/h)は、料金所を含む高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度(例えば80km/h)である。
この場合、情報提供装置2の情報処理部11は、リンク平均速度Vmの閾値Thpに対する大小関係に応じて、高速道路のリンクの渋滞度を次のように判定すればよい。
Vm<Thpの場合:リンクを「非順調(混雑)」(レベル1)と判定
Thp≦Vm の場合:リンクを「順調」(レベル0)と判定
〔速度閾値の算出式の一般化〕
一般道路及び高速道路の双方の場合を総合すると、リンクの渋滞度の判定に用いる速度閾値Thsは、次の式(6)のように一般化することができる。
Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS} ……(6)
ただし、TS(秒)は、プローブ車両3がリンクを通過するまでに発生する「停止要因項」である。VS(km/h)は、車両が道路を通行する場合に一般的に想定される速度である。
この場合、情報提供装置2の情報処理部11は、リンクが一般道路か高速道路かに応じて、停止要因項TS及び想定速度VSを次のように設定すればよい。
1)リンクが一般道路に対応する場合
停止要因項TSを(k×C-G)とする。停止要因項(k×C-G)(秒)は、終端交差点において赤信号で停止した車両が、k回目の青信号で終端交差点を通過する場合の停止時間である。
想定速度VSをVoとする。想定速度Vo(km/h)は、車両が一般道路を通行する場合に一般的に想定される速度(例えば法定速度又は実勢速度)である。
2)リンクがエリアに繋がる高速道路の区間に対応する場合
停止要因項TSをTrとする。停止要因項Tr(秒)は、車両の運転者がエリアで休憩する場合に一般的に想定される停車時間である。
想定速度VSをVrとする。想定速度Vr(km/h)は、エリアに繋がる高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度である。
3)リンクが料金所を含む高速道路の区間に対応する場合
停止要因項TSをTpとする。停止要因項Tp(秒)は、車両が料金所で停止する場合の一般的な停車時間である。
想定速度VSをVrとする。想定速度Vp(km/h)は、料金所を含む高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度である。
〔その他の変形例〕
上述の実施形態(変形例を含む。)は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 情報提供システム
2 情報提供装置(渋滞度判定装置)
3 プローブ車両
4 車載装置
5 ユーザ
6 ユーザ端末
7 無線基地局
8 公衆通信網
10 サーバコンピュータ
11 情報処理部
12 記憶部
13 通信部
14 コンピュータプログラム
15 中央装置
16 専用回線
21 地図データベース
22 プローブデータベース
23 会員データベース
24 情報データベース
25 道路地図データ
31 処理部
32 記憶部
33 通信部
34 コンピュータプログラム

Claims (9)

  1. 道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置であって、
    プローブ車両からプローブ情報を受信する通信部と、
    受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する情報処理部と、を備え、
    前記情報処理部が用いる前記速度閾値は、次の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる渋滞度判定装置。
    Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS}
    L(m):リンク長
    TS(秒):プローブ車両がリンクを通過するまでに発生する停止要因項(秒)
    VS(km/h):車両が道路を通行する場合に想定される速度
  2. 前記リンクが一般道路に対応する場合には、
    前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Th(k)よりなる請求項1に記載の渋滞度判定装置。
    Th(k)=3.6×L/{(k×C-G)+3.6×L/Vo}
    k(回):赤信号で終端交差点の手前で停止した車両が、当該交差点を通過するまでに待たされるサイクル回数
    C(秒):終端交差点のサイクル長
    G(秒):終端交差点の青時間帯の時間長
    Vo(km/h):車両が一般道路を通行する場合に想定される速度
  3. 前記速度閾値Th(k)には、
    k=1の場合の第1閾値Th(1)とk=2の場合の第2閾値Th(2)のうちの少なくとも1つが含まれる請求項2に記載の渋滞度判定装置。
  4. 前記第1及び第2閾値Th(1),Th(2)には、所定の最大値が設定されており、
    前記情報処理部は、
    前記第1及び第2閾値Th(1),Th(2)の算出値が前記最大値を超える場合は、当該最大値を前記速度閾値とする請求項3に記載の渋滞度判定装置。
  5. 前記想定速度Voは、
    前記一般道路の道幅及び速度規制の有無のうちの少なくとも1つに応じて異なる値に設定される請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の渋滞度判定装置。
  6. 前記リンクがサービスエリア又はパーキングエリアに繋がる高速道路の区間に対応する場合には、
    前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Thrよりなる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の渋滞度判定装置。
    Thr=3.6×L/{Tr+3.6×L/Vr}
    Tr(秒):車両の運転者がエリアで休憩する場合に一般的に想定される停車時間
    Vr(km/h):エリアに繋がる高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度
  7. 前記リンクが料金所を含む高速道路の区間に対応する場合には、
    前記速度閾値Thsは、次の算出式で算出される速度閾値Thpよりなる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の渋滞度判定装置。
    Thp=3.6×L/{Tp+3.6×L/Vp}
    Tp(秒):車両が料金所で停止する場合の一般的な停車時間
    Vp(km/h):料金所を含む高速道路の区間を車両が通行する場合に一般的に想定される速度
  8. 道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置が実行する方法であって、
    プローブ車両からプローブ情報を受信する第1ステップと、
    受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する第2ステップと、を含み、
    前記第2ステップで用いる前記速度閾値は、次の算出式で算出される速度閾値Thsよりなる渋滞度判定方法。
    Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS}
    L(m):リンク長
    TS(秒):プローブ車両がリンクを通過するまでに発生する停止要因項(秒)
    VS(km/h):車両が道路を通行する場合に想定される速度
  9. 道路に対応するリンクの渋滞度を判定する装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    プローブ車両からプローブ情報を受信する第1ステップと、
    受信した前記プローブ情報を用いて前記プローブ車両のリンク平均速度を算出し、算出した前記リンク平均速度を速度閾値と対比することにより、前記プローブ車両が通行した道路に対応するリンクの渋滞度を判定する第2ステップと、を実行させ、
    前記第2ステップで用いる前記速度閾値は、次の算出式で算出される速度閾値Thsよりなるコンピュータプログラム。
    Ths=3.6×L/{TS+3.6×L/VS}
    L(m):リンク長
    TS(秒):プローブ車両がリンクを通過するまでに発生する停止要因項(秒)
    VS(km/h):車両が道路を通行する場合に想定される速度
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