本発明は、出発地O(Origin)と目的地D(Destination)との間であるOD間の移動需要の変化に基づいて、将来の交通量を予測するためのものである。例えば、外部システムから取得したOD間の交通量および交通情報から、交通ネットワークの混雑区間とその発生時間を予測する。以下に示す実施形態においては、OD間の経路とその交通量(経路交通量)と、交通情報などから提供される各区間の実所要時間を用いて、当該OD間の交通需要から生じる混雑区間とその発生時間を予測する技術を開示する。その際、経路交通量の予測において、対象経路の所要時間や距離、通行料金などの経路情報を予測変数に、所定の配分モデルに基づき、当該OD交通量を、その区間を移動可能な各経路に配分した経路交通量を用いる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の混雑予測装置が適用される混雑予測システムの実施の一形態を示す図である。
本形態による混雑予測システムは図1に示すように、OD間の交通量とその間の移動に関する交通情報とから混雑区間とその発生時刻を予測する本発明の混雑予測装置1と、通信ネットワーク2と、OD交通量予測装置3と、交通情報や運行情報などの移動に関する情報を取得する外部サーバ8と、を備えている。さらに、混雑予測装置1が予測した混雑区間情報を利用する構成として、旅行計画システムや情報案内システム等の業務システム4が通信ネットワーク2を介して混雑予測装置1に接続可能となっているとともに、移動者の所有する携帯情報端末6や自動車等の移動手段に搭載される車載情報システム7が通信ネットワーク2および基地局5を介して混雑予測装置1に接続可能となっている。
混雑予測装置1は、通信ネットワーク2を介して、OD交通量予測装置3および業務システム4との間にて必要な情報を相互に授受する。OD交通量予測装置3は、移動体の出発点をOゾーン、目的点をDゾーンとしたとき、OゾーンからDゾーンに向かう経路にて発生する交通量であって、道路交通の場合は、道路交通センサス等の調査データを基本に各ODゾーン間の予測交通量を算出する。本形態においては、混雑区間予測装置1は、OD交通量予測装置3から各OD間のOD交通量を取得する。
また、混雑区間予測装置1は、VICSなどの外部サーバ8から、所定区間の所要時間や通行料金、天候情報等の交通移動に関する情報が入力される予測変数を取得し、予測変数に含まれる効用関数を用いて、混雑区間を予測する。混雑予測装置1で予測された混雑区間の情報を含む混雑情報は、通信ネットワーク2を介して旅行計画システムや情報案内システム等の業務システム4に提供され、また、携帯情報端末6や車載情報システム7を介して交通移動者に提供される。さらに、混雑予測装置1で予測された混雑情報は、混雑予測装置1に接続される外部装置9に送られ、地図上に混雑区間を重畳表示したり、混雑区間の数である混雑数を集計したり、混雑区間の長さである混雑長を算出したり、時間の経過に伴う混雑区間の変化(成長する混雑か解消するか)等の分析などに用いられる。また、混雑区間予測装置1は、外部装置9から、交通情報や通行料金、天候情報等の予測変数を受け付けて、混雑区間を予測することもある。このようにすることで、外部装置9では、例えば、所定エリアの所定時間帯の混雑数を最小とする予測変数が得られるようになる。
混雑予測装置1は、例えば、センタCPU(プロセッサ)と、半導体やハードディスク装置からなる記憶装置などを含むいわゆるコンピュータ(情報処理装置)によって構成され、図1に示すように、通信インターフェース101と、OD交通量取得部102と、交通情報取得部103と、経路取得部104と、経路交通量予測部105と、通過交通量予測部106と、混雑予測部107と、入/出力部108と、OD交通量記憶部110と、交通情報記憶部111と、経路情報記憶部112と、経路交通量記憶部113と、地図データ記憶部114と、を備えている。
混雑区間予測装置1において、OD交通量取得部102、交通情報取得部103、経路情報取得部104、経路交通量予測部105、通過交通量予測部106および混雑予測部107の少なくとも1つは、例えばプログラム(例えば、プログラムメモリに格納されたプログラム)によって実現されるようにしても良い。また、OD交通量記憶部110、交通情報記憶部111、経路情報記憶部112、経路交通情報記憶部113および地図データ記憶部114については、複数の記憶装置(半導体メモリやハードディスクなど、それぞれの記憶装置の種類が異なっていても良い)を設け、それぞれのデータを対応する記憶装置に格納するようにしても良いし、1つあるいは複数の記憶装置において記憶領域を分け、それぞれの記憶領域にそれぞれのデータを格納するようにしても良い。なお、図1においては、実線で混雑予測装置1内のデータの流れを示し、破線で情報の参照を示している。
なお、本実施形態では、混雑予測装置1において、道路を利用する自動車のOD交通量を通信ネットワーク2を介してOD交通量予測装置4から取得し、自動車の利用需要を対象とした道路の混雑区間を予測する形態を例に挙げて説明するが、実施形態がそれに限定されることはない。公共交通などでは、交通ICカードの収受システム(不図示)から取得したOD情報に基づいて、公共交通サービス区間の混雑を予測するようにしても良い。また、屋内においても同様に、屋内における人間等の移動体の所定の2地点のOD交通量を取得し、屋内の混雑区間を予測するようにしても良い。いずれもOD交通量や移動経路情報はOD交通量予測装置3や外部サーバ8から取得される。
通信インターフェース101は、混雑予測装置1と通信ネットワーク2との間の通信制御を行うとともに、通信ネットワーク2を介してOD交通量予測装置3や外部サーバ8、旅行計画システムや情報案内システム等の業務システム4とデータの送受信を行う。
OD交通量取得部102は、通信インターフェース101を介してOD交通量予測装置3から、各OD間の交通量の情報を含むOD表を取得する。領域(自治体)の情報(人口等)や路線等のOD付属情報、集計期間や曜日、集計単位(時間単位)等を予めOD交通量推定装置3に人手によって登録し、OD交通量推定装置3がその登録された情報に従ってOD間の交通量(OD交通量)を推定してもよい。また、OD交通量取得部102からOD交通量推定装置3にOD交通量の推定方法を指定するコマンドを送信し、OD交通量推定装置3がそのコマンドに従ってOD交通量を推定することにしてもよい。OD交通量は例えば出発時刻を基準に時間単位毎に集計した値であってよい。OD交通量取得部102がOD表を取得するタイミングは、予めOD交通量推定装置3が設定された時間(時間間隔)でOD交通量(OD表)をOD交通量取得部102に送信してもよいし、OD交通量取得部102がOD交通量推定装置3にOD交通量(OD表)を要求して取得してもよい。取得したOD交通量は、OD交通量記憶部110に保存される。このように、OD交通量取得部102が、出発地から目的地まで移動する移動体の交通量を所定のタイミングで取得することで、取得のタイミングを予め設定しておけば、設定によっては人手による作業を煩雑とすることなく細かな交通量データを取得することができる。
交通情報取得部103は、通信ネットワーク2に接続される外部サーバ8から、所定の道路区間を走行する場合の所要時間または走行速度、規制情報などの交通情報を、通信インターフェース101を介して取得し、交通情報記憶部111に保存する。交通情報記憶部111に保存された交通情報は、経路交通量予測部105にて交通量を複数の経路に分配する際に用いる予測変数となる。
経路情報取得部104は、通信ネットワーク2に接続される外部サーバ8から、所定の出発地から目的地までのOD間の経路を取得する。OD間に複数の経路が存在する場合は、その複数の経路を取得する。経路情報を取得する対象となるODは、経路情報取得部104から経路情報を要求するコマンドにて指定される。経路は、出発地Oから目的地DまでのノードあるいはリンクのIDの他、移動距離、平均的な旅行時間等の経路属性を含んでいる。なお、ノードとは、交差点や道路の結節点等を意味する。リンクとは、2つのノードに挟まれた道路区間(区間の単位)を意味する。経路情報取得部104は、外部サーバ8から取得した経路情報を、経路情報記憶部112に保存する。
経路交通量予測部105は、OD交通量記憶部110から所定のOD間のOD交通量を読み込むとともに、経路情報記憶部112からそのOD間の経路情報を読み込み、OD交通量を各経路に配分して経路交通量を算出し、経路交通量記憶部113に保存する。ここでOD交通量には例えば出発時刻の時間帯の情報が付帯するので、経路交通量はOD交通量の各々の時間帯に対して計算される。そのため、経路交通量記憶部113に保存される経路交通量は、各経路毎の各時間帯における交通量になる。また、経路交通量は、各ODに対応した配分モデルに基づいて計算される。配分モデルには、対応する時間帯の交通情報、天候、通行料金など経路の選択に影響する経路変数(予測変数)が用いられる。それらの経路変数は通信ネットワーク2を介して外部サーバ8より取得される。
通過交通量予測部106は、経路交通量記憶部113から所定OD間の経路交通量を読み込むとともに、経路交通量の経路IDに対応する経路情報を経路情報記憶部112から読み込む。ここで、経路情報記憶部112から読み込んだ各経路情報は、出発地Oから目的地DまでのノードあるいはリンクID列と、経路の距離や旅行時間等の経路属性情報で構成される。本形態では、経路はリンクID列で表現されるものとする。経路を構成する各区間における旅行時間の交通情報を交通情報記憶部111から読み込み、出発地Oから発生した当該経路の交通量が当該区間を順に通過する時刻を算出する。算出した各区間の通過交通量と通過時間を混雑予測部107に出力する。また、通過交通量予測部106は、同一エリアに複数のODが存在する場合、各々のOD交通量から、各区間を通過する交通量と時間を算出し、同じ時間帯に同じ区間を通過する交通量の総和を当該時間帯の当該区間の通過交通量とする。これにより、通過交通量予測部106は、経路交通量と、経路に含まれる各区間の距離である区間距離または各区間を通過するのに要する時間である区間所要時間とに基づいて、各時間帯に各区間を通過する車両などの交通量である時間帯毎区間毎交通量を算出することになる。
混雑予測部107は、通過交通量予測部106から各区間の通過交通量とその通過時間、地図データ記憶部114から対応する区間の交通容量を読み込み、各区間の各時間帯の通過交通量と混雑率を計算する。さらに、所定の混雑判定基準に基づき、各区間の混雑有無あるいは混雑レベルを混雑率から判定し、各区間についての判定結果を混雑区間情報として入/出力部108に出力する。
入/出力部108は、OD交通量予測装置3や外部サーバ8からOD交通量を推定するための情報(OD交通量、交通情報、運行情報、通行料金(運賃)など)を取得したり、それらの情報や実行結果(混雑区間予測情報)を混雑予測装置1の表示部や外部装置9の表示部に出力したり、通信インターフェース101を介して外部システム8や業務システム4、さらに基地局5を介して無線ネットワークで接続される携帯情報端末6や車載情報端末7により移動者に提供したりする。また、入/出力部108は、外部装置9からユーザ入力を受付ける。そして、当該ユーザ入力に応答して、混雑予測装置1のOD交通量取得部102、交通情報取得部103、経路情報取得部104,経路交通量予測部105、通過交通量予測部106及び混雑予測部107の各処理またはそのうちのいずれかが実行される。
図2は、図1に示した混雑予測装置1のハードウェア構成例を示す図である。
図1に示した混雑予測装置1は、図2に示すようにコンピュータ20で構成することができ、バス26と、バス26にそれぞれ接続されたCPU21aと、ROM21bと、RAM21cと、表示部(表示デバイス)22と、操作部24と、記憶部25と、通信インターフェース101と、を備えている。CPU21a、ROM21b、及びRAM21cによって制御部21が構成される。
CPU21aは、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM21bから読み出して実行する。RAM21cには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。表示部22は、例えば液晶ディスプレイモニタが用いられ、コンピュータ20で行われる処理の結果等をユーザに表示する。操作部24は、例えば、キーボードやマウス等が用いられ、ユーザは操作部24を用いて所定の操作入力、指示を行うことができる。
以下に、上記のように構成された混雑予測装置1における処理について説明する。
まず、経路交通量予測部105における経路交通量予測処理について説明する。
図3は、図1に示した混雑予測装置1の経路交通量予測部105において実行される経路別の交通量を予測する処理を説明するためのフローチャートである。
経路交通量予測部105にて実行される経路交通量予測処理は、OD交通量記憶部110に記憶されている各OD間の交通量から、当該OD間を移動可能な複数の経路に交通量を配分して算出する処理である。
経路交通量予測部105はまず、OD交通量記憶部110から所定のOD交通量を読み込む(ステップ301)。OD交通量は、出発地Oから目的地Dを移動する車両などの移動体の交通量であり、OD交通量予測装置3にて算出されたものが、OD交通量取得部102にて取得され、OD交通量記憶部110に保存されている。本形態では、このOからDへの移動をOD間、そのときの交通量をOD交通量と記載する。OD交通量は、ODの組み合わせ(ODペア)に対して予め付与された固有のIDによって識別するか、地図ネットワークのOおよびDの地点IDで識別する。OD交通量を予め付与された固有のIDで識別する場合は、IDと位置情報とを対応づけたテーブルも保有する。OD交通量は、各交通移動の開始日時に基づく所定の時間単位(時間幅)の総和交通量で管理される。OD交通量記憶部110には、複数のODとそのODに対応する時間単位の交通量が保存されている。
ステップ301では、経路交通量予測部105が、処理対象となるOD(ODのID)あるいは所定のエリア(自治体や路線等)と、日時あるいは日種(平日または休日等)、期間(年月日、時間帯)等を条件にOD交通量記憶部110を検索し、条件に一致するOD交通量を読み込む。
なお、当該OおよびDは地点に限られず、所定の領域(ゾーン)であってもよい。その場合、OゾーンからDゾーンに向かう交通量をOD交通量とすればよい。その場合、ゾーンを予め設定し、設定したゾーンとODとを対応づけるためのゾーンIDを付与する。その際、ゾーンIDと位置情報とを対応づけたテーブルも保有することになる。また、ゾーンを固定するのではなく、OD交通量記憶部110の検索条件に、所定地点を中心とする円形領域等のゾーンを指定し、指定したゾーン間の交通量を取得するようにしてもよい。
次に、経路交通量予測部105は、OD数mを初期化する(ステップ302)。mは、ステップ301で読み込んだODペアの数までカウントアップされる。
次に、経路交通量予測部105は、時間数jを初期化する(ステップ303)。jは、ステップ301で読み込んだm番目のOD交通量の時間管理数までカウントアップされる。例えば、OD間の交通量が、TW1,TW2の2時間帯にて存在している場合は、時間単位の処理回数j=2となる。
次に、経路交通量予測部105は、当該OD間の移動に利用可能な経路情報を経路情報記憶部112から読み込む(ステップ304)。経路情報記憶部112は、通行規制など、時間帯によって移動可能な経路が異なる場合は、時間単位で経路情報を保有している。当該OD間の移動に利用可能な経路情報として、時間帯で異なる複数の経路情報が登録されている場合は、その全ての経路情報を読み込む。本形態では、当該ODに対して時間帯に寄らない経路が登録されているものとする。この経路情報には、各経路の付属情報(例えば、その経路に含まれる各区間の距離である区間距離や、各区間を通過するのに要する時間である区間所要時間や、通行料金等)が含まれる。
次に、経路交通量予測部105は、当該OD間の交通量を各経路に配分するための配分パラメータα(i)を経路情報記憶部112から読み込み、所定の配分モデルに設定する(ステップ305)。ここでiはパラメータ数で、ステップ306の予測変数xの数に相当する。
次に、経路交通量予測部105は、ステップ304で読み込んだ各経路の付属情報を、ステップ305にて設定した配分モデルの予測変数x(i,k)に設定する(ステップ306)。ここで、kは各経路を示す通し番号である。さらに、通信ネットワーク2を介して、外部サーバ8より最新の予測変数x(i,k)が取得できる場合は、最新の予測変数x(i,k)を設定する。これにより、経路交通量予測部105は、各区間の区間距離または区間所要時間と区間の通行料金とが入力される予測変数に含まれ、各経路の選ばれやすさに関する効用を出力する効用関数に基づいて、車両などの移動体の交通量を複数の経路に分配することになる。
次に、経路交通量予測部105は、ステップ305のパラメータα(i)およびステップ306の予測変数x(i,k)を設定した配分モデルにより、各経路の交通量を計算する(ステップ307)。ここで、配分モデルの一例を式(1)〜(2)に示す。v(k)は、経路kの効用、Pkは、本実施形態における経路選択確率となる経路kが選ばれる確率、Qは全体の交通量である。経路kの交通量となる経路交通量Qkは式(3)により算出する。
これにより、経路交通量予測部105は、上述した効用関数を用いて、経路の選択される確率を示す経路選択確率を算出し、出発地Oから目的地Dまで移動する車両などの移動体の交通量に経路選択確率を乗算することにより、複数の経路ごとの経路交通量を算出することになる。このような構成とすることで、出発地から目的地への交通量として、時間経過に伴って変化する交通量を用いる場合でも経路交通量を単純な演算により算出することができる。
次に、経路交通量予測部105は、時間数jを更新する(ステップ308)。そして、当該ODの全ての時間帯の交通量が各経路に配分されるまで、ステップ304〜307の処理が繰り返される。
次に、経路交通量予測部105は、OD数mを更新する(ステップ309)。そして、ステップ301で読み込んだ全てのODペアの経路交通量の計算が終了するまで、ステップ303〜308の処理が繰り返される。
次に、経路交通量予測部105は、算出した経路交通量を経路交通量記憶部113に保存し、本処理を終了する(ステップ310)。
図4は、図1に示した混雑予測装置1において経路交通量予測部105で算出された経路交通量の一例を示す図である。
経路交通量予測部105は図3に示した一連の処理によって、図4に示すような経路交通量40を算出する。経路交通量予測部105にて算出された経路交通量40には、OD毎にそのOD間を移動可能な経路が登録されている。移動可能な経路が一つしか無いODは単一の経路、複数ある場合は複数の経路が登録される。各経路には、識別するための経路IDが割り振られ、経路IDに基づいて経路情報記憶部112に保存されている経路情報が取得できるようになっている。経路IDは、全データにおいて固有あるいはOD内で固有になっている。後者の場合は、ODIDと経路IDを組み合わせることで全データ固有となる。
経路交通量40には、各経路に対応した交通量が所定時間帯毎に登録される。本例では、ODID=1のODの経路には、経路IDが各々1112,2435,3331の3つの経路が存在し、その各時間帯の交通量は経路ID1112においては、時間帯TW1にて300台(あるいは人)、TW2にて200台(人)となっている。
次に、通過交通量予測部106における通過交通量の算出処理について説明する。
図5は、図1に示した混雑予測装置1の通過交通量予測部106において実行される所定区間の通過交通量の算出処理を説明するためのフローチャートである。
通過交通量予測部106は、まず、経路交通量記憶部113から所定ODの経路交通量を読み込む(ステップ501)。ここで読み込まれる経路交通量は、図4に示した、OD毎に登録された時間帯毎の経路交通量40である。所定ODは、入出力デバイス等の外部装置9により、入/出力部108を介してユーザ(管理者)によって指定される他、通信ネットワーク2を介して業務システム4あるいは、携帯情報端末6や車載情報端末7より指定されることもある。混雑予測装置1がOD交通量予測装置3から新たにOD情報を取得したタイミングで、追加あるいは更新対象となるODを対象としてもよい。
次に、通過交通量予測部106は、OD数mを初期化する(ステップ502)。mは、ステップ501で読み込んだODペア数までカウントアップされる。
次に、通過交通量予測部106は、当該ODの経路交通量を読み込む(ステップ503)。図4に示した経路交通量40の例では、OD ID=1において、経路ID1112,2435,3331が設定され、これらの経路における経路交通量が読み込まれる。
次に、通過交通量予測部106は、経路数kを初期化する(ステップ504)。kは、ステップ503で設定したODに登録されている経路数までカウントアップされる。図4に示した経路交通量40の例では、k=3になるまで、処理が繰り返される。
次に、通過交通量予測部106は、当該経路IDの構成情報を経路情報記憶部112から読み込む(ステップ505)。経路の構成情報は、経路ID、ノードあるいは区間を示すリンク列、距離や通行料金などの当該経路の属性情報とから成り、経路情報取得部105にて外部サーバ8から取得され、経路情報記憶部112に保存されている。
次に、通過交通量予測部106は、区間数i、当該区間への進入時刻tin、区間から車両が出た進出時刻toutを初期化する(ステップ506)。区間数iは、当該経路を構成する区間の数までカウントアップされる。進入時刻tin(i)=0、進出時刻tout(i)は出発時刻で初期化する。出発時刻は、当該ODの各時間帯から平均時間を設定する。図4に示した経路交通量40の例では、時間帯TW1の経路IDを処理対象とする場合は、TW1の時間枠から設定される。
次に、通過交通量予測部106は、当該区間l(i)の進入時刻tin(i)に、進入側区間の進出時刻tout(i)を設定する(ステップ507)。
次に、通過交通量予測部106は、当該区間l(i)の時刻tin(i)における通過交通量を設定する(ステップ508)。本形態では、当該経路k(=1)の交通量q(1)が設定される。
次に、通過交通量予測部106は、当該区間l(i)の時刻tin(i)における区間所要時間を経路情報記憶部112あるいは交通情報記憶部111から読み込み、当該区間l(i)に時刻tin(i)に車両が進入したときの当該区間の所要時間として、t(l(i),tin(i))を設定する(ステップ509)。
次に、通過交通量予測部106は、当該区間l(i)から車両が出た時刻tout(i)を、式(4)に基づき設定する(ステップ510)。
次に、通過交通量予測部106は、区間数iを更新する(ステップ511)。そして、ステップ506で読み込んだ当該区間の全ての区間の通過交通量と通過時刻の設定を終えるまで、ステップ507から511が繰り返される。
次に、通過交通量予測部106は、経路数kを更新する(ステップ512)。そして、ステップ503で読み込んだ当該区間の全ての経路において各経路を構成する区間の通過交通量と通過時刻の設定を終えるまで、ステップ505から512が繰り返される。
次に、通過交通量予測部106は、OD数mを更新する(ステップ513)。そして、ステップ501で読み込んだODペアの全てにおいて通過交通量と通過時刻の設定を終えるまで、ステップ503〜513の処理が繰り返される。
これにより、通過交通量予測部106は、経路交通量予測部105にて算出された経路交通量と、経路に含まれる各区間の距離である区間距離または前記各区間を通過するのに要する時間である区間所要時間とに基づいて、各時間帯に各区間を通過する移動体の交通量である時間帯毎区間毎交通量を算出することになる。
その後、通過交通量予測部106は、算出した各リンクの通過交通量と通過時刻を混雑予測部107に出力し、本処理を終了する(ステップ514)。
図6は、図1に示した混雑予測装置1において通過交通量予測部106で算出された通過交通量の一例を示す図である。
通過交通量予測部106は図5に示した一連の処理によって、図6に示すような通過交通量60を算出する。通過交通量予測部106にて算出された通過交通量60には、各々のOD間において、移動可能な経路を構成する区間に対して、通過時刻ごとにその通過交通量が設定される。所定OD(=1)の例では、経路ID1112および2345の2つの経路が登録され、その各経路の交通量がq(1),q(2)となっている。経路1112では、時間帯TW1にてリンクID1111によって識別される区間にて発生した交通量q(1)は、時間帯TW2にてリンクID1234によって識別される区間を通過し、時間帯TW3にてリンクID1255によって識別される区間を通過することを示している。また同様に、経路2345では、時間帯TW1にてリンクID1111によって識別される区間にて発生した交通量q(2)は、時間帯TW2にてリンクID1253によって識別される区間を通過し、TW3にてリンクID1260によって識別される区間を通過することを示している。
本例では、リンクID1111および1234は、2つの経路が同時間帯に通過する区間を識別するものである。すなわち、ある区間の通過交通量を扱う場合、複数の経路交通量、すなわち全てのOD間の全ての経路交通量を考慮する必要がある。
ここで、複数経路を考慮した通過交通量の計算処理について説明する。
図7は、図1に示した混雑予測装置1の通過交通量予測部106において複数の経路交通量からの所定区間の通過交通量の算出処理を説明するためのフローチャートである。
下記処理は、通過交通量予測部106において、上述したステップ514を実行する前に実行する。
まず、通過交通量予測部106は、ステップ513を実行して出力された通過交通量(本形態では通過交通量60が相当する)を読み込む(ステップ701)。
次に、通過交通量予測部106は、時間数jを初期化する(ステップ702)。jは、読み込んだ通過交通量の時間帯数(TW1〜)までカウントアップされる。
次に、通過交通量予測部106は、当該時間帯に複数存在するリンクID(重複区間)を検索する(ステップ703)。
次に、通過交通量予測部106は、ステップ703の実行結果で、重複区間が存在するか否かを判定する(ステップ704)。重複区間が存在する場合はステップ705に移行し、重複区間が存在しない場合はステップ714に移行してステップ703以降の処理を繰り返す。図6に示した通過交通量60においては、当該時間j(=TW1の場合)では、経路1112と2345の2つのリンクに存在するリンクID1111が、重複区間を示すものとして検出される。
次に、通過交通量予測部106は、重複区間の数iを初期化する(ステップ705)。iは、ステップ704の実行結果から得られた重複区間の数を上限値として設定される。
次に、通過交通量予測部106は、当該区間l(i)の通過交通量qsumを初期化する(ステップ706)。
次に、通過交通量予測部106は、通過交通量の中から、当該区間l(i)のリンクIDと一致するリンクIDを検索する(ステップ707)。
次に、通過交通量予測部106は、リンクIDが検出された区間数hを初期化する(ステップ708)。hは、ステップ707でリンクIDが検出された区間数を上限値として設定される。
次に、通過交通量予測部106は、ステップS707でリンクIDが検出された区間に対応する交通量をqbufに設定する(ステップ709)。
次に、通過交通量予測部106は、qsumに設定された交通量にqbufを加算して更新する(ステップ710)。
次に、通過交通量予測部106は、検出区間数hを更新する(ステップ711)。全ての検出区間の交通量を加算し終えるまで、ステップ709〜711までの処理を繰り返す。
次に、通過交通量予測部106は、qsumを当該区間l(i)の交通量として設定する(ステップ712)。図6に示した通過交通量60においては、時間j(=TW1の場合)において、経路ID1112のリンクID1111に対応する区間の交通量q(1)と経路ID2345のリンクID1111に対応する区間の交通量q(2)が、TW1におけるリンクID1111に対応する区間の通過交通量となる。
次に、通過交通量予測部106は、重複区間の数iを更新する(ステップ713)。当該時間帯の重複区間の交通量を処理し終えるまで、ステップ706〜713までの処理を繰り返す。
次に、通過交通量予測部106は、時間数iを更新する(ステップ714)。通過交通量に登録されている全ての時間帯の処理を終えるまでステップ703〜714までの処理を繰り返す。本ステップの終了条件を満足したら本処理を終了する。
これにより、通過交通量予測部106は、複数の異なる経路が同じ区間である経路共通区間を含む場合、その複数の経路についての経路共通区間の同一時間帯における時間帯毎区間毎交通量の和を、その時間帯の経路共通区間の時間帯毎区間毎交通量とすることとなる。このような構成とすることで、複数対の出発地と目的地との間の交通量が重なる道路ネットワークの時間帯毎の各区間の交通量を容易に算出することができる。
図8は、図1に示した混雑予測装置1の通過交通量予測部106において複数の経路交通量に対応した所定区間の通過交通量を算出した結果の一例を示す図である。
通過交通量予測部106は図7に示した一連の処理によって、図8に示すような通過交通量80を算出する。通過交通量80は、リンクIDによって識別される区間ごとに各時間帯の通過交通量が登録される。区間は全国エリア固有の区間あるいはエリアに固有IDが付記される。本例では、エリアに固有のリンクIDが付記されるとし、エリア毎のIDを含めている。例えば、リンクID1111に対応する区間では、時間帯TW1における通過交通量は、当該時間帯TW1にリンクID1111に対応する区間を通過する経路交通量の総和q(1)+q(2)となる。ここでは、説明のために式を用いているが、車両台数または人数が登録される。他の通過交通量も同様で、リンクID1234に対応する区間では、TW2にq(1)+q(2)の交通量が当該区間を通過することを示している。
次に、混雑予測部107における混雑区間の予測処理について説明する。
図9は、図1に示した混雑予測装置1の混雑予測部107において実行される混雑区間の予測処理を説明するためのフローチャートである。
混雑予測部107は、通過交通量予測部106から取得した所定区間の通過交通量および通過時刻に基づき混雑区間を予測する。
混雑予測部107は、まず、通過交通量予測部106から通過交通量を読み込む(ステップ901)。
次に、混雑予測部107は、時間数jを初期化する(ステップ902)。jは、ステップ901で読み込んだ通過交通量の時間帯の数n(TW1〜TWn)を上限値として設定される。
次に、混雑予測部107は、リンク数kを初期化する(ステップ903)。kは、通過交通量に登録されているリンクの数を上限値として設定される。
次に、混雑予測部107は、通過交通量のリンクを順次読み込む(ステップ904)。
次に、混雑予測部107は、ステップ904で読み込んだリンクIDに対応する、当該区間の交通容量を地図データ記憶部114から読み込む(ステップ905)。各区間の交通容量が地図データ記憶部114に記憶されていない場合は、通信ネットワーク2を介して外部サーバ8から、道路等の路線ネットワーク情報を取得する。あるいは、路線種別、幅員、車線数等、地図(道路ネットワーク)の属性情報から交通容量を算出するようにしてもよい。
次に、混雑予測部107は、ステップ904で読み込んだ通過交通量とステップ905で読み込んだ交通容量とから混雑度(あるいは混雑率)を算出する(ステップ906)。混雑度は、道路交通の場合、道路の混み具合を示す指標として用いられ、一般的には、交通量を道路設計上の基準交通量で除した式(5)に基づいて算出される。
混雜度=交通量/基準交通量 …(5)
これにより、道路の混雑度を把握することができる。
鉄道等の公共交通では、式(6)で定義される混雜率(乗車率ともいわれる)が一般的に用いられる。
混雜率=輸送人員/輸送力 …(6)
これにより、公共交通の混雑率を把握することができる。
本形態では、道路交通(自動車)を対象例に交通量を扱っているが、OD間交通量や経路交通量を輸送人員として扱い、同様の手順により区間毎の輸送人員を算出することで、混雑率を得ることが可能である。
また、道路交通量を輸送人員として扱う場合(自動車の交通需要から、その区間の公共交通の混雜を見積もる場合などを想定)、車両一台あたりの平均乗員数と道路交通量とから輸送人員を換算し、式(6)により混雜率を算出することも可能である。
次に、混雑予測部107は、ステップ906で算出した混雑度(あるいは混雜率)に基づき、混雜の有無を判定する(ステップ907)。混雑度1(混雑率100%)を超える場合は、所定の定性評価に基づき、混雜を複数のレベル(混雑レベルと記載)に分類する。
次に、混雑予測部107は、時間数jを更新する(ステップ908)。jは、当該区間の全ての時間帯の混雜有無を判定し終えるまで繰り返される。
次に、混雑予測部107は、リンク数kを更新する(ステップ909)。kは、通過交通量に登録されている全ての区間(あるいは所定領域内のリンク等、処理対象として指定された全ての区間)の混雜有無を判定し終えるまで繰り返される。
次に、混雑予測部107は、ステップ901〜909により作成された、リンク毎の混雜度(あるいは混雜率)および、混雜有りの場合はその混雜レベルを、各区間に対応付けて出力し、本処理を終了する(ステップ910)。
上述した一連の処理で生成された混雜区間情報は、入/出力部108により表示装置などの外部装置9に出力、あるいは、通信インターフェース101より通信ネットワーク2を介し、業務システム4、外部サーバ8、携帯情報端末6、車載情報端末7に提供される。
図10は、図1に示した混雑予測装置1の混雜予測部107から出力される混雑予測結果の一例を示す図である。
混雜予測部107からは、図10に示すような混雑予測結果1000が出力される。混雜予測結果1000は、リンクIDによって識別される各区間における各時間帯の混雜度と混雜レベルで示される。本例では、混雜レベルは、ステップ910において混雜度が1を超える区間に対し、混雜度に応じて3段階の混雜レベルが設定されている。
図11は、図1に示した混雑予測装置1の入/出力部108により表示装置などの外部装置9に出力される混雜区間予測結果の表示例を示す図である。
入/出力部108により表示装置などの外部装置9においては、図11に示すような混雜区間予測結果1100が表示される。混雜区間予測結果1100においては、リンクIDによって識別される各区間の時間帯毎の混雜レベルが示される。本例に示すように、混雜レベルに応じて濃度や配色を変えることもできるが、混雜が予想されている区間を含む周辺の地図データ(道路ネットワーク)を地図データ記憶部108から読み込み、地図上(道路区間)に、混雜レベルを対応する区間に重畳するように表示するようにしてもよい。混雑レベルを地図上の対応する区間に重畳するように表示すれば、どの区間が混雑しているかが一目でわかるようになる。
また、外部装置9に接続される入力装置によって、経路交通量予測部105における経路交通量を予測するための予測変数(例えば、速度規制による旅行時間、通行料金等)を変更して混雜予測情報を再生成し、変更前後の混雜区間やレベルを比較表示することも考えられる。
上記のような構成とすることで、上述したような従来技術においては、OD間の交通需要の変化要因として、交通状況(所要時間や移動速度等)を対象としており、料金や交通機関の接続性(待ち時間)等の複数の要因による交通需要の変化を考慮していないため、所要時間以外の理由による経路の選択、例えば、料金割引による経路変更があったとしても、それを反映した交通流の予測は難しく、また、OD交通量から経路の所要時間をシミュレーションにより算出しているので、シミュレーションを実行する道路形状や信号機などのパラメータの精度によって実際の所要時間と異なる場合があり、経路上の混雑区間およびその発生時間を正しく予測できない場合があったが、本形態によれば、交通規制や通行料金等の施策による都市内全体の交通状況の事前評価を行うことができ、時間経過に伴って変化する区間の混雑を高い精度で予測することができる。
なお、上述した実施の形態においては、主に道路上を移動する自動車を対象にその移動経路を推定する構成を例に挙げて説明したが、鉄道やバスなど、所定のネットワーク上を移動する他の移動手段も対象とすることができる。
また、「プログラム」としての各処理部(例えば、経路推定部など)を主語(動作主体)として各処理について説明をしたが、プログラムはプロセッサによって実行されることで定められた処理をメモリ及び通信ポート(通信制御装置)を用いながら行うため、プロセッサを主語とした説明としてもよい。また、プログラムを主語として開示された処理は各種計算機等が行う処理としてもよい。プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、また、モジュール化されていても良い。各種プログラムはプログラム配布サーバや記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。また、本形態は、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
また、本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードのみによっても実現できる。プログラムコードを記録した記憶媒体をシステムあるいは装置に提供し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段またはCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
最後に、ここで述べたプロセスおよび技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。さらに、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した内容に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するのに、専用の装置を構築するのが有益であることが判るかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本発明を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせが可能である。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、上述した実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
加えて、本技術分野の通常の知識を有する者には、本発明のその他の実装がここに開示された本発明の明細書及び実施形態の考察から明らかになる。記述された実施形態の多様な態様および/またはコンポーネントは、単独または如何なる組み合わせでも使用することが出来る。明細書と具体例は典型的なものに過ぎず、本発明の範囲と精神は後続する請求範囲で示される。