JP7021562B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
図6において、交流電源(図示せず)に接続された入力コンデンサCiの両端は、ダイオードD1~D4からなるダイオード整流回路の入力側に接続されている。ダイオード整流回路の直流出力端子間には、主リアクトルLとダイオードD5と直流コンデンサCdとが直列に接続されている。また、ダイオードD5と直流コンデンサCdとの直列回路には、nチャネルMOSFET等の半導体スイッチング素子Qが並列に接続されている。
なお、Ceは入力コンデンサCiに直列に接続された接地コンデンサである。
なお、ダイオードD4の導通時に流れる主電流に比べて漏洩電流Isがごく小さい場合、図示するように、漏洩電流IsはダイオードD4を逆方向に流れ得る。
上記のように主リアクトルの補助巻線に補償電流を流して雑音端子電圧を抑制する従来技術は、例えば特許文献1に記載されている。
このため、リアクトルが高価になり、特注品になることから製品のリードタイムも長くなる等の問題があった。
前記交流電源に接続された整流回路の直流出力電流、または前記交流電源からの交流入力電流が流れる主リアクトルと、
前記主リアクトルに直列に接続された前記スイッチング素子と、
前記スイッチング素子の両端に接続されたダイオードと前記直流コンデンサとの直列回路と、
前記整流回路の交流入力側に接続された接地コンデンサと、
前記交流電源から前記主リアクトルと前記スイッチング素子とを介して流れる電流の経路に設けられ、前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスに流れる漏洩電流を打ち消す補償電流を流すための補償リアクトルと、
を備え、
前記補償リアクトルのインダクタンス値を、前記スイッチング素子と前記主リアクトルとの接続点と接地電位点との間に存在する第1の寄生キャパシタンス及び前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間に存在する第2の寄生キャパシタンスの容量比と前記主リアクトルのインダクタンス値とに基づいて設定することを特徴とする。
前記スイッチング素子としての第1,第2のスイッチング素子の直列回路と第1,第2のダイオードの直列回路とが並列接続され、前記交流電源からの交流入力電流を整流するハーフブリッジ回路と、
前記交流入力電流が流れる主リアクトルと、
前記第1,第2のダイオードの直列回路の両端に接続された前記直流コンデンサと、
前記ハーフブリッジ回路の交流入力側に接続された接地コンデンサと、
前記交流電源から前記主リアクトルと前記スイッチング素子とを介して流れる電流の経路に設けられ、前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスに流れる漏洩電流を打ち消す補償電流を流すための補償リアクトルと、
を備え、
前記補償リアクトルのインダクタンス値を、前記第1,第2のスイッチング素子と前記主リアクトルとの接続点と接地電位点との間に存在する第1の寄生キャパシタンス及び前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間に存在する第2の寄生キャパシタンスの容量比と前記主リアクトルのインダクタンス値とに基づいて設定することを特徴とする。
これにより、装置全体のコストを低減させつつ雑音端子電圧を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の回路図であり、図6と同一の部分には同一の参照符号を付してある。以下では、図6と異なる部分を中心に説明する。
なお、直流コンデンサCdの正側端子と負側端子とは、高周波電流に対しては短絡とみなすことができる。したがって、直流コンデンサCdの負側端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスCdは正側端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスとみなすこともできる。
スイッチング素子Qのスイッチングにより、その両端電圧Vswは図2(a)のように変化する。これに伴い、図2(b),(c)に示す如く、主リアクトルLの電圧(高周波成分)VL及び補償リアクトルLcによる補償電圧(高周波成分)VcがVswと同極性で変化する。
なお、以下の数式において、L,Lcは各リアクトルのインダクタンス値も表すものとする。
[数式1]
VL=Vsw×L/(L+Lc)
[数式2]
Vc=Vsw×Lc/(L+Lc)
また、LがLcより十分に大きいとすると、数式2は数式3となる。
[数式3]
Vc≒Vsw×Lc/L
これらの漏洩電流Is、補償電流Icの振幅は、それぞれ数式4,数式5によって表される。以下の数式において、Cs,Cdsは各寄生キャパシタンスの容量値も表すものとする。
[数式4]
Is=Cs×dVsw/dt
[数式5]
Ic=Cds×dVc/dt
まず、数式3,数式4から数式6を得る。
[数式6]
Is=Cs×d(Vc×L/Lc)/dt=Cs×(L/Lc)×dVc/dt
このIsが数式5のIcと等しくなるには、数式7が成り立てば良い。
[数式7]
Lc=(Cs×L)/Cds=(Cs/Cds)×L
これに対し、本実施形態では、スイッチング周波数に応じて発生する循環電流Isを補償電流Icにより打ち消すことができるため、雑音端子電圧の規格の下限値以上の周波数でスイッチングさせることが可能である。
ここで、高周波数でのスイッチング動作を実現するためには、スイッチング素子Qとして、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)等のWBG(ワイドバンドギャップ)半導体材料からなる素子を使用することが望ましい。
この第2実施形態は、ハーフブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q1,Q2及びダイオードD3,D4を備え、ダイオードD3,D4の直列回路の両端を端子P,Nにそれぞれ接続すると共に、入力コンデンサCiの両端とハーフブリッジ回路の交流入力端子との間に、主リアクトルLと補償リアクトルLcとをそれぞれ接続して構成される。
この第3実施形態は第2実施形態の変形例であり、図3のダイオードD3,D4の代わりにスイッチング素子Q3,Q4を使用してフルブリッジ回路が構成されている。その他の構成及び基本的な動作は図3と同様である。
この第3実施形態は、スイッチング素子Q1~Q4の動作により、直流コンデンサCdの直流電力を交流電力に変換して交流電源に供給するインバータとして動作させることも可能である。
Ce:接地コンデンサ
Cd:直流コンデンサ
Cs:寄生キャパシタンス(第1の寄生キャパシタンス)
Cds:寄生キャパシタンス(第2の寄生キャパシタンス)
D1~D5:ダイオード
L:主リアクトル
Lc:補償リアクトル
Q:スイッチング素子
P:正側端子
N:負側端子
Claims (7)
- スイッチング素子の動作により、交流電源と直流コンデンサとの間で電力を授受する電力変換装置であって、
前記交流電源に接続された整流回路の直流出力電流、または前記交流電源からの交流入力電流が流れる主リアクトルと、
前記主リアクトルに直列に接続された前記スイッチング素子と、
前記スイッチング素子の両端に接続されたダイオードと前記直流コンデンサとの直列回路と、
前記整流回路の交流入力側に接続された接地コンデンサと、
前記交流電源から前記主リアクトルと前記スイッチング素子とを介して流れる電流の経路に設けられ、前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスに流れる漏洩電流を打ち消す補償電流を流すための補償リアクトルと、
を備え、
前記補償リアクトルのインダクタンス値を、前記スイッチング素子と前記主リアクトルとの接続点と接地電位点との間に存在する第1の寄生キャパシタンス及び前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間に存在する第2の寄生キャパシタンスの容量比と前記主リアクトルのインダクタンス値とに基づいて設定することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載した電力変換装置において、
前記補償リアクトルとして配線インダクタンスを用いることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1または2に記載した電力変換装置において、
前記第2の寄生キャパシタンスに代えて、当該寄生キャパシタンスと等しい容量を持つコンデンサを用いることを特徴とする電力変換装置。 - スイッチング素子の動作により、交流電源と直流コンデンサとの間で電力を授受する電力変換装置であって、
前記スイッチング素子としての第1,第2のスイッチング素子の直列回路と第1,第2のダイオードの直列回路とが並列接続され、前記交流電源からの交流入力電流を整流するハーフブリッジ回路と、
前記交流入力電流が流れる主リアクトルと、
前記第1,第2のダイオードの直列回路の両端に接続された前記直流コンデンサと、
前記ハーフブリッジ回路の交流入力側に接続された接地コンデンサと、
前記交流電源から前記主リアクトルと前記スイッチング素子とを介して流れる電流の経路に設けられ、前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間の寄生キャパシタンスに流れる漏洩電流を打ち消す補償電流を流すための補償リアクトルと、
を備え、
前記補償リアクトルのインダクタンス値を、前記第1,第2のスイッチング素子と前記主リアクトルとの接続点と接地電位点との間に存在する第1の寄生キャパシタンス及び前記直流コンデンサの端子と接地電位点との間に存在する第2の寄生キャパシタンスの容量比と前記主リアクトルのインダクタンス値とに基づいて設定することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項4に記載した電力変換装置において、
前記第1,第2のダイオードの直列回路に代えて第3,第4のスイッチング素子の直列回路を設けることにより、前記ハーフブリッジ回路に代わるフルブリッジ回路を備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項5に記載した電力変換装置において、
前記フルブリッジ回路が、前記交流電源と前記直流コンデンサとの間で電力を授受するインバータの主回路を構成することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1~6の何れか1項に記載した電力変換装置において、
前記スイッチング素子としてワイドバンドギャップ半導体材料からなる素子を使用したことを特徴とする電力変換装置。
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JP2001309652A (ja) | 2000-04-18 | 2001-11-02 | Densei Lambda Kk | 電源装置 |
JP2014007840A (ja) | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Mitsubishi Electric Corp | 交流直流変換装置、およびそれを備えた空気調和機 |
JP2016082700A (ja) | 2014-10-16 | 2016-05-16 | ダイキン工業株式会社 | インバータ圧縮機の制御装置 |
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