以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの最良な実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる情報処理システム1の構成例の概要を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、病院に備えられる病院側システム11と、患者(対象者)が所持するデバイスである患者所持デバイス12とに分けられる。病院側システム11は、受付端末2、情報処理装置である医療サーバ3と、検査装置4と、を備える。患者所持デバイス12は、携帯端末5と、ウェアラブル端末6と、を備える。なお、患者ごとに所持している携帯端末5及びウェアラブル端末6の機能が異なることがある。また、携帯端末5及びウェアラブル端末6は、一体であってもよい。
図1に示すように、医療サーバ3と携帯端末5とは、インターネットなどのネットワーク10を介して通信可能に接続されている。また、医療サーバ3は、LAN(Local Area Network)7によって受付端末2及び検査装置4と通信可能に接続されている。携帯端末5は、近距離無線通信によって受付端末2及び検査装置4との間で通信可能に接続されている。また、ウェアラブル端末6は、近距離無線通信によって携帯端末5との間で通信可能に接続されている。
受付端末2は、携帯端末5の処理結果及び受付画面などを表示し、患者からの操作入力を受入れて、来院する患者の受付を行う。医療サーバ3は、患者の情報の管理等の処理を実行する。検査装置4は、病院内に備え付けられて患者の各種の生体情報(後述する表1参照)を計測する装置である。
携帯端末5は、例えばスマートフォンやタブレット端末などである。ウェアラブル端末6は、患者に装着されて患者の各種の生体情報(後述する表1参照)を計測する機能を有する。
まず、ウェアラブル端末6のハードウェア構成について説明する。
図2は、ウェアラブル端末6のハードウェア構成を例示するブロック図である。図2に示すように、ウェアラブル端末6は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、入力装置63、生体センサ64、SSD(Solid State Drive)65、ROM(Read Only Memory)66、表示装置67、通信インターフェイス(I/F)68及び近距離無線通信装置69を有する。
CPU61は、ウェアラブル端末6を構成する各部(RAM62、入力装置63、生体センサ64、SSD65、ROM66、表示装置67、通信インターフェイス(I/F)68及び近距離無線通信装置69)を制御する。RAM62は、ウェアラブル端末6が処理するデータなどを記憶する。入力装置63は、患者からの操作入力を受入れる入力キーやスイッチなどを備える。生体センサ64は、装着された患者の各種の生体情報(表1参照)を検出する。
SSD65は、ウェアラブル端末6が処理した結果やウェアラブル端末6に対して要求可能な情報の一覧(サービス一覧)(後述する表2参照)などを記憶する。ROM66は、ウェアラブル端末6が実行するプログラムなどを記憶している。表示装置67は、ウェアラブル端末6の処理結果などを表示する液晶パネルなどである。なお、入力装置63及び表示装置67は、タッチパネルなどによって一体化されていてもよい。通信I/F68は、外部との通信を行うインターフェイスである。近距離無線通信装置69は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などによって携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。
次に、携帯端末5のハードウェア構成について説明する。
図3は、携帯端末5のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、携帯端末5は、CPU51、RAM52、入力装置53、外部インターフェイス(I/F)54、SSD55、ROM56、表示装置57、通信インターフェイス(I/F)58及び近距離無線通信装置59を有する。
CPU51は、携帯端末5を構成する各部(RAM52、入力装置53、外部インターフェイス(I/F)54、SSD55、ROM56、表示装置57、通信インターフェイス(I/F)58及び近距離無線通信装置59)を制御する。RAM52は、携帯端末5が処理するデータなどを記憶する。入力装置53は、患者からの操作入力を受入れる入力キーやスイッチなどを備える。外部I/F54は、プログラム及びデータを記憶可能にされたメモリカード、CD-ROM、又はDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体540との間で通信を行うインターフェイスである。
SSD55は、携帯端末5が処理した結果などを記憶する。ROM56は、携帯端末5が実行するプログラムなどを記憶している。表示装置57は、携帯端末5の処理結果などを表示する液晶パネルなどである。なお、入力装置53及び表示装置57は、タッチパネルなどによって一体化されていてもよい。通信I/F58は、ネットワーク10を介して医療サーバ3との通信を行うインターフェイスである。近距離無線通信装置59は、NFC、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy:登録商標)、WiFi(登録商標)などによってウェアラブル端末6、受付端末2及び検査装置4との間で近距離無線通信を行う。
次に、受付端末2のハードウェア構成について説明する。
図4は、受付端末2のハードウェア構成を例示するブロック図である。図4に示すように、受付端末2は、CPU21、RAM22、入力装置23、外部インターフェイス(I/F)24、SSD25、ROM26、表示装置27、通信インターフェイス(I/F)28及び近距離無線通信装置29を有する。
CPU21は、受付端末2を構成する各部(RAM22、入力装置23、外部インターフェイス(I/F)24、SSD25、ROM26、表示装置27、通信インターフェイス(I/F)28及び近距離無線通信装置29)を制御する。RAM22は、受付端末2が処理するデータなどを記憶する。入力装置23は、患者からの操作入力を受入れる入力キーやスイッチなどを備える。外部I/F24は、プログラム及びデータを記憶可能にされたメモリカード、CD-ROM、又はDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体との間で通信を行うインターフェイスである。
SSD25は、受付端末2が処理した結果などを記憶する。ROM26は、受付端末2が実行するプログラムなどを記憶している。表示装置27は、受付端末2の処理結果などを表示する液晶パネルなどである。なお、入力装置23及び表示装置27は、タッチパネルなどによって一体化されていてもよい。通信I/F28は、LAN7を介して医療サーバ3との通信を行うインターフェイスである。近距離無線通信装置29は、NFC、Bluetooth、BLE、WiFiなどによって携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。
次に、医療サーバ3のハードウェア構成について説明する。
図5は、医療サーバ3のハードウェア構成を例示するブロック図である。図5に示すように、医療サーバ3は、CPU31、RAM32、入力装置33、外部インターフェイス(I/F)34、HDD(Hard Disc Drive)35、ROM36、表示装置37及び通信インターフェイス(I/F)38を有する。
CPU31は、医療サーバ3を構成する各部(RAM32、入力装置33、外部インターフェイス(I/F)34、HDD35、ROM36、表示装置37及び通信インターフェイス(I/F)38)を制御する。RAM32は、医療サーバ3が処理するデータなどを記憶する。入力装置33は、ユーザからの操作入力を受入れる入力キーやスイッチなどを備える。外部I/F34は、プログラム及びデータを記憶可能にされたメモリカード、CD-ROM、又はDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体との間で通信を行うインターフェイスである。
HDD35は、医療サーバ3が処理した結果などを記憶する。ROM36は、医療サーバ3が実行するプログラムなどを記憶している。表示装置37は、医療サーバ3の処理結果などを表示する液晶パネルなどである。通信I/F38は、LAN7またはネットワーク10を介して受付端末2、検査装置4、携帯端末5との通信を行うインターフェイスである。
次に、検査装置4のハードウェア構成について説明する。
図6は、検査装置4のハードウェア構成を例示するブロック図である。図6に示すように、検査装置4は、CPU41、RAM42、入力装置43、生体センサ44、SSD45、ROM46、表示装置47、通信インターフェイス(I/F)48及び近距離無線通信装置49を有する。
CPU41は、検査装置4を構成する各部(RAM42、入力装置43、生体センサ44、SSD45、ROM46、表示装置47、通信インターフェイス(I/F)48及び近距離無線通信装置49)を制御する。RAM42は、検査装置4が処理するデータなどを記憶する。入力装置43は、患者からの操作入力を受入れる入力キーやスイッチなどを備える。生体センサ44は、患者の各種の生体情報(表1参照)を検出する。
SSD45は、検査装置4が処理した結果などを記憶する。ROM46は、検査装置4が実行するプログラムなどを記憶している。表示装置47は、検査装置4の処理結果などを表示する液晶パネルなどである。なお、入力装置43及び表示装置47は、タッチパネルなどによって一体化されていてもよい。通信I/F48は、LAN7を介して医療サーバ3との通信を行うインターフェイスである。近距離無線通信装置49は、NFC、Bluetooth、BLE、WiFiなどによって携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。
次に、情報処理システム1を構成する各部が有する機能について説明する。
図7は、情報処理システム1を構成する各部が有する機能の概要を示す機能ブロック図である。
受付端末2は、CPU21がROM26またはSSD25に記憶されているプログラムに従って動作することで、受付処理部202、通信部204及び無線通信部206を有する。
受付処理部202は、表示装置27に受付画面などを表示し、患者が所持する診察券IDや携帯端末5の対応付けを行い、患者に対する受付処理をする。また、受付処理部202は、携帯端末5の処理結果を表示装置27に表示する。
通信部204は、LAN7によって医療サーバ3との間で通信を行う。無線通信部206は、携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。例えば、携帯端末5が受付端末2に近づけられたときに近距離無線通信を開始するので、受付端末2は携帯端末5を特定することができる。
医療サーバ3は、CPU31がROM36またはHDD35に記憶されているプログラムに従って動作することで、問診設問制御部300、取得部301、特定部302、判定部304、生体情報処理部306及び通信部308を有する。
問診設問制御部300は、携帯端末5の表示装置57に表示させる問診画面の制御、及び携帯端末5の入力装置53に患者が入力する問診回答に応じて次の質問を変更するなどの問診の実施制御を行う。
取得部301は、通信部308を介して、携帯端末5が送信する情報であって、ウェアラブル端末6に対して要求可能な情報の一覧(サービス一覧)を取得する。サービス一覧については、後述する。
特定部302は、問診設問制御部300における問診結果に基づいて、患者から取得すべき必要な生体情報(事前検査項目)を、表1を用いて特定する。
表1は、予め定められた問診結果に対応する必要な生体情報を例示している。例えば、問診結果が“A”であれば、必要な生体情報は「Pulse Oximeter」である。「Pulse Oximeter」は、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)である。問診結果が“B”であれば、必要な生体情報は「Blood Pressure」である。「Blood Pressure」は、血圧である。問診結果が“C”であれば、必要な生体情報は「Pulse Oximeter/Heart Rate」である。「Pulse Oximeter/Heart Rate」は、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と心拍数である。
判定部304は、特定部302が表1を用いて特定した生体情報(事前検査項目)と、患者が所持するウェアラブル端末6によって取得可能な生体情報(表2)とを比較することにより、特定部302が特定した生体情報(事前検査項目)について、患者が持つウェアラブル端末6を使うべきか病院に備え付けの検査装置4を使うべきかの判定を行う。
ここで、表2は、ウェアラブル端末6に対して要求可能な情報の一覧(サービス一覧)を示すものである。表2に示されるように、ウェアラブル端末6から取得可能な情報は、生体情報に限られるものではない。例えば、表2の「Blood Pressure」は血圧のことを示しており、ウェアラブル端末6が取得する生体情報である。一方、「Device Information」は機器情報であって、このウェアラブル端末6に関する情報を示しており、ウェアラブル端末6が取得する生体情報ではない。
より具体的には、判定部304は、近くにあるウェアラブル端末6を検出し、そのウェアラブル端末6からサービス一覧を取得する。また、判定部304は、ウェアラブル端末6から取得したサービス一覧に示されたウェアラブル端末6から取得可能な生体情報の種類(取得可能情報)のいずれかに、特定部302が特定したそれぞれの生体情報(事前検査項目)が一致するか否かを判定する。そして、判定部304は、検査装置4で検査できる項目と比較して、生体情報を取得する装置を決定する。
生体情報処理部306は、ウェアラブル端末6及び検査装置4から取得したデータの処理・分析を行う。
通信部308は、通信I/F38を制御し、LAN7によって受付端末2及び検査装置4と通信を行い、ネットワーク10を介して携帯端末5と通信を行う。
検査装置4は、CPU41がROM46またはSSD45に記憶されているプログラムに従って動作することで、入出力部400、生体情報計測部402、通信部404及び無線通信部406を有する。
入出力部400は、入力装置43および表示装置47を制御し、患者からの操作入力を受入れ、検査装置4の検査結果などを表示する。
生体情報計測部402は、生体センサ44を制御し、患者の各種生体情報を計測する。
通信部404は、通信I/F48を制御し、LAN7によって医療サーバ3と通信を行う。無線通信部406は、近距離無線通信装置49を制御し、携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。
携帯端末5は、CPU51がROM56またはSSD55に記憶されているプログラムに従って動作することで、問診実行部502、情報取得部503、生体情報取得部513、計測データ処理部508、通信部510及び無線通信部512を有する。なお、問診実行部502、情報取得部503、生体情報取得部513、及び計測データ処理部508は、医療サーバ3からダウンロードされたアプリケーション(専用アプリ)50に含まれる。
通信部510は、通信I/F58を制御して、ネットワーク10を介して医療サーバ3と通信を行う。無線通信部512は、近距離無線通信装置59を制御して、受付端末2、検査装置4及びウェアラブル端末6との間で近距離無線通信を行う。
問診実行部502は、患者が問診を行うための設問と、問診に対する回答の選択肢とを表示装置57に表示させ、入力装置53を介して入力を受入れて問診を実行する。問診実行部502は、通信部510を介して、問診結果を医療サーバ3へ送信する。
また、問診実行部502は、医療サーバ3から受信した過去の回答結果などに応じて設問の変更なども行う。なお、問診実行部502は、医療サーバ3から情報を受信することなく問診の設問を変更してもよいが、最新のデータを反映させるために、医療サーバ3の問診設問制御部300が設問(問診画面)の制御をすることが望ましい。
情報取得部503は、医療サーバ3からの要求に応じて、近くにあるウェアラブル端末6を検出する。情報取得部503は、検出した患者が所持するウェアラブル端末6に対して要求可能な情報の一覧(サービス一覧)(上述した表2)を取得する。情報取得部503は、通信部510を介して、ウェアラブル端末6に対して要求可能な情報の一覧(サービス一覧)を医療サーバ3に送信する。
また、生体情報取得部513は、医療サーバ3の特定部302が特定した生体情報をウェアラブル端末6から取得可能であると判定部304が判定した場合には、特定部302が特定した生体情報をウェアラブル端末6に対して無線通信部512を介して要求する。また、生体情報取得部513は、医療サーバ3の特定部302が特定した生体情報の中でウェアラブル端末6から取得可能でないと判定部304が判定した生体情報を検査装置4から無線通信部512を介して取得する。
計測データ処理部508は、生体情報取得部513から検査装置4又はウェアラブル端末6が計測した生体情報を受け取ると、医療サーバ3へ送信するために、当該生体情報と問診データと診察券No.とを対応付ける処理を行う。計測データ処理部508は、通信部510を介して、生体情報等を医療サーバ3へ送信する。
ウェアラブル端末6は、CPU61がROM66またはSSD65に記憶されているプログラムに従って動作することで、生体情報計測部602、通信部604及び無線通信部606を有する。
通信部604は、通信I/F68を制御して、外部との通信を行う。無線通信部606は、近距離無線通信装置69を制御して、携帯端末5との間で近距離無線通信を行う。
生体情報計測部602は、生体センサ64を制御して、患者の各種生体情報を計測する。
なお、ウェアラブル端末6は、受付端末2及び携帯端末5を介して、医療サーバ3の宛先(IPアドレスやURL)などの連携に必要な情報を取得するようにしてもよい。そして、生体情報計測部602は、計測したデータ等を直接医療サーバ3へ送信するようにしてもよい。
次に、情報処理システム1における診療の受付処理の一例について、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、情報処理システム1における診療の受付処理の一例を示すフローチャートである。図9は、情報処理システム1における診療の受付処理の一例における受付端末2が表示する画面の遷移を示す図である。
まず、受付端末2の受付処理部202は、受付画面(図9:P100)を表示装置27に表示する(図8:S100)。ここで、患者は、受付画面において診察の種類(初めて受診、継続して受診中、以前受診した)を入力装置23を介して選択する。
受付端末2の受付処理部202は、患者が選択した診察の種類が「継続して受診中」であるか否かを判定し(S102)、「継続して受診中」である場合(S102:Yes)にはS112の処理に進み、「継続して受診中」でない場合(S102:No)にはS104の処理に進む。
患者が「継続して受診中」を選択した場合には問診が不要であるため、受付端末2の受付処理部202は、受付処理をして受付No.の画面(P104)を表示装置27に表示して処理を終了する(S112)。
患者が初診又は再診である場合、受付端末2の受付処理部202は、問診実施案内画面(P102)を表示装置27に表示する(S104)。ここで、受付端末2は、問診実施のためのアプリケーション(専用アプリ)50を携帯端末5にインストールすることを案内する。このように問診実施案内画面(P102)を表示するのは、情報処理システム1では個人の携帯端末5を利用するため、事前にアプリケーション50のインストールが必要であるからである。
受付端末2の受付処理部202は、問診実施案内画面のダウンロードURLのボタンが患者に押された場合(S106:Yes)にアプリケーションダウンロード用QRコード(登録商標)を表示装置27に表示する(S114)。QRコードが表示装置27に表示された場合、患者が携帯端末5によってQRコードを読み取る。携帯端末5は、読み取ったQRコードに格納されたURLに従ってアプリケーション販売ページにアクセスし、アプリケーションのインストールが可能な状態になる。
一方、受付端末2の受付処理部202は、問診実施案内画面のダウンロードURLのボタンが患者に押されなかった場合(S106:No)、病院内のインストール手順案内により、患者が事前にアプリケーション50をインストールしたものとして、そのままS108に進む。
患者が携帯端末5上で問診実施のためのアプリケーション50を起動して診察券No.を入力した後に携帯端末5を受付端末2にかざすと、近距離無線通信によって受付端末2と携帯端末5が接続される。受付端末2の受付処理部202は、近距離無線通信により携帯端末5を検出したか否かを判定し(S108)、検出した場合(S108:Yes)にはS110の処理に進み、検出しない場合(S108:No)にはS116の処理に進む。
受付端末2の受付処理部202は、所定時間内に携帯端末5と接続できなかった場合には、タイムアウトとして受付画面に戻る(S116)。
受付端末2の受付処理部202は、携帯端末5が接続されると、受付No.を発行し、診察券No.を携帯端末5から受信して受付No.に対応付けを行う受け付け処理を実行する(S110)。また、受付端末2の受付処理部202は、S110の受け付け処理において、携帯端末5と医療サーバ3の連動が可能になったことを示す画面(P106)を表示装置27に表示し、医療サーバ3のIPアドレス/URLなどを携帯端末5へ送信する。
なお、診察券No.は、個人に対応付けられる情報であるため、個人が所持する携帯端末5から入力されることが望ましいが、受付端末2から入力されてもよい。受付端末2から診察券No.が入力される場合、携帯端末5が受付端末2に接続されたときに、受付端末2が診察券No.を携帯端末5へ送信する。
その後、携帯端末5の問診実行部502は、患者の操作に従って問診を実行する。問診の詳細については、後述する。
問診が終了した場合、携帯端末5の問診実行部502は、問診結果と診察券No.を医療サーバ3に対して送信する。
次に、情報処理システム1における生体情報取得処理の一例について説明する。
図10は、情報処理システム1における生体情報取得処理の一例を示すフローチャートである。例えば、医療サーバ3の特定部302は、携帯端末5から送信された問診結果から患者における疑わしい疾病に関する生体情報を特定する(S200)。より具体的には、医療サーバ3の特定部302は、問診結果に基づいて、患者から取得すべき必要な生体情報を、上述した表1を用いて特定する。以下、医療サーバ3の特定部302が特定した生体情報は、患者における検査すべき項目であることから、検査項目と記すことがある。
医療サーバ3の判定部304は、S200の処理で特定した検査項目を検査可能な装置が、病院に備え付けの検査装置4のみであるか、ウェアラブル端末6により実施可能な項目であるかを判定する(S202)。ここでは、医療サーバ3の判定部304は、ウェアラブル端末6によっては取得できず検査装置4によらなければ取得できない生体情報であることを示すテーブル(検査装置4の検査可能項目テーブル)と、医療サーバ3の特定部302が特定した生体情報とを比較することにより、検査項目を検査可能な装置が病院に備え付けの検査装置4のみであるか否かを判定する。検査装置4の検査可能項目テーブルは、予め医療サーバ3に登録されているものとする。検査装置4によらなければ取得できない生体情報は、例えば特殊で(高価な)検査装置や精度の高い計測が必要な生体情報などである。
S200の処理で特定した検査項目が、検査装置4のみが検査可能な検査項目である場合(S202:Yes)にはS218の処理に進み、ウェアラブル端末6によっても検査可能な検査項目である場合(S202:No)にはS208の処理に進む。
携帯端末5の情報取得部503は、ウェアラブル端末6からサービス一覧を取得する。そして、医療サーバ3の取得部301は、ウェアラブル端末6の持つサービス一覧を携帯端末5から取得する(S208)。例えば、医療サーバ3の取得部301は、表2に示したウェアラブル端末6の持つサービス一覧を、BLEのGATTサービス等で検査可能な項目を判断できる。なお、表2に示したウェアラブル端末6の持つサービス一覧は、ウェアラブル端末6によって取得可能な生体情報に関する情報を含んでいる。したがって、医療サーバ3の取得部301は、検査で取得したい検査項目の情報が、GATTサービスに含まれるかどうかを判断する。
医療サーバ3の判定部304は、ウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中に、S200の処理で特定した検査項目(例えば血圧、血中酸素濃度等)のサービスがあるか否かを判定する(S210)。医療サーバ3の判定部304は、S200の処理で特定した検査項目がウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中にある場合(S210:Yes)にはS212の処理に進み、S200の処理で特定した検査項目がウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中にない場合(S210:No)にはS214の処理に進む。例えば、医療サーバ3の判定部304は、特定部302が特定した検査項目が表1に示した「Blood Pressure」であり、表2に示したウェアラブル端末6のサービス一覧に「Blood Pressure」があるか否かを判定する。
医療サーバ3の生体情報処理部306は、判定部304が取得可能と判定した生体情報の取得を携帯端末5からウェアラブル端末6に対して要求させる。そして、医療サーバ3の生体情報処理部306は、携帯端末5を介してウェアラブル端末6から生体情報を取得し、携帯端末5とウェアラブル端末6との通信を切断させる(S212)。
ただし、医療サーバ3の生体情報処理部306は、ウェアラブル端末6から取得した生体情報が常に有効なデータであるとは限らないので、具体的な生体情報を取得して有効なデータであるか否かを判定してもよい。例えば、医療サーバ3の生体情報処理部306は、ウェアラブル端末6から取得した血圧データが血圧として通常はあり得ない異常値であった場合、ウェアラブル端末6には検査機能はあるが、有効ではないと判定する。
医療サーバ3の判定部304は、検査装置4での検査が必要であるか否かを判定する(S214)。例えば、携帯端末5は、予め検査装置4の種類及び各装置で検査可能な生体情報の種類(検査項目の種類)を取得(記憶)しており、医療サーバ3の特定部302が特定した生体情報の種類のうちウェアラブル端末6が取得できる生体情報の種類以外の生体情報が検査装置4で検査可能な生体情報の種類に含まれるか否かを判定することにより、検査装置4での検査が必要であるか否かを判定する。また、医療サーバ3の判定部304は、生体情報の取得を完了しても、該当サービスがない又は生体情報が有効でない場合、備え付けの検査装置4による検査が必要であるか否かを判定し、必要であれば(S214:Yes)、備え付けの検査装置4で検査してもらうため、患者を検査装置4まで誘導する表示を行う(S218)。
ここでは、医療サーバ3の判定部304は、検査装置4で検査可能な生体情報の種類に含まれると判定した生体情報を計測可能な検査装置4を特定する。携帯端末5は、医療サーバ3の判定部304が特定した検査装置4の配置されている場所をアプリケーション50などによって予め取得(記憶)する。例えば、携帯端末5は、誘導表示のための情報(URL等)を例えば医療サーバ3から通信部510によって取得し、表示する。
例えば、携帯端末5は、問診内容を入力している待合室の位置から検査装置4が設置されている場所へのルート案内の情報(地図)を医療サーバ3から受信してそのまま表示してもよい。
また、携帯端末5は、動的に変更可能なWebページに飛ばして、現在使用可能な検査装置4を併せて指示または図示するなどしてもよい。この場合は、病院に設置された検査装置4や位置情報となるため、医療サーバ3などで地図を保持し、Webページと連動してもよい。
医療サーバ3の判定部304は、検査装置4による検査が必要でないと判定した場合(S214:No)には、S216の処理に進む。
医療サーバ3の生体情報処理部306は、問診結果と生体情報と診察券No.(ID:患者情報)を対応付ける(S216)。
検査装置4での検査が必要である場合には、患者が携帯端末5を検査装置4にかざすと、検査装置4と携帯端末5が近距離無線通信によって接続される(S220)。携帯端末5は、検査装置4の操作案内を表示装置57に表示したり、音声ガイドで検査装置4の画面操作を促したり(計測開始ボタンを押すこと)してもよい。例えば、携帯端末5と近距離無線通信によって接続された検査装置4において、患者は、血圧データの計測が可能と判断すると、音声ガイドに従って表示装置57に表示された計測開始ボタンを押す。
検査装置4による生体情報の計測が完了すると(S222)、医療サーバ3の生体情報処理部306は、携帯端末5を介して生体情報を取得する(S224)。医療サーバ3の生体情報処理部306は、問診結果と生体情報と診察券No.を対応付ける(S226)。なお、問診結果と生体情報と診察券No.を、検査装置4が医療サーバ3へ送信してもよい。
ここで、問診処理における携帯端末5の画面遷移について詳述する。
図11は、問診処理における携帯端末5の画面遷移を示す図である。患者が携帯端末5上のアプリケーション(専用アプリ)50を起動すると、携帯端末5は、問診開始画面(P202)を表示装置57に表示する。患者が問診画面(P204)の質問に応じて回答を行うと、携帯端末5は、専用アプリ50に対する回答結果に応じて、疾病の切り分けのための質問をさらに表示する。
なお、携帯端末5内で設問ロジックを持っていても良いが、医療サーバ3と連携して、医療サーバ3側が設問ロジックを処理して携帯端末5に表示する形態の方が望ましい。
例えば、専用アプリ50は、医療サーバ3の問診設問制御部300の制御に応じて質問を携帯端末5の表示装置57に表示させる。ここで、質問は、医師の知見から疑わしい疾患を絞り込むための設問の階層構造が予め定められており、回答の選択肢に対して次にどの質問を表示するかが決められている。医療サーバ3には、設問内容がどの疾患と関連性があるかを示すノウハウが蓄積されている。設問の回答結果が携帯端末5から医療サーバ3に送信されると、医療サーバ3は、次の設問の表示の指示を携帯端末5に対して送信する。
患者に対して検査が必要であるか否かは、すべての問診が終わった後に医療サーバ3が判定する。つまり、医療サーバ3が図10に示したS200の処理を行う。そして、疾患の有無の判定などに検査装置4による検査が必要であると医療サーバ3が判定した場合、専用アプリ50は、患者を検査装置4へ誘導する表示を携帯端末5の表示装置57に行う(図10:S218参照)。つまり、医療サーバ3は、検査項目を問診結果に応じて決定し、検査を実施する装置を決定する。
医療サーバ3は、質問に対する回答の結果から、ウェアラブル端末6による簡易検査で生体情報を取得する必要があると判定した場合、ウェアラブル端末6に対する操作手順を携帯端末5の表示装置57に表示する(P206)。
携帯端末5は、検査を実施する装置を決定するときに、ウェアラブル端末6が近傍にあるか否かも判定する。例えば、携帯端末5は、BluetoothSmartReadyなどにより、近傍のウェアラブル端末6を探索し、探索結果を一覧表示して患者が所持するウェアラブル端末6を患者自身に選択させる(P208)。携帯端末5は、ウェアラブル端末6が十分に近くにあり、事前のペアリングがされている場合には、一覧表示をしなくてもよい。
携帯端末5は、選択されたウェアラブル端末6に接続し、必要な生体情報(例えば、活動量、血中酸素濃度、脈拍、血圧等)を取得可能であるか、過去のデータがあるかを判定し、データがあれば取得する。検査項目は生体情報に関連付けられており、例えばBluetoothSmartReadyであれば、サービスとしてウェアラブル端末6から取得可能である。よって、ウェアラブル端末6が持っているサービス(表2)からどのようなデータが取得可能であるかを判定することが可能である。
医療サーバ3は、ウェアラブル端末6から取得できるデータ(表2)と、必要な検査項目(表1)とを比較して、ウェアラブル端末6が必要な検査を可能であるかを判定する(図10:S210参照)。医療サーバ3は、ウェアラブル端末6によって検査可能と判定できた場合には、携帯端末5を介して、ウェアラブル端末6の該当サービスから生体情報の取得を開始する(図10:S212参照)。このとき、携帯端末5は、計測中の表示を行う(P210)。なお、計測完了(P212)と同時にウェアラブル端末6から直接医療サーバ3にデータが転送されてもよい。この場合、事前に受付端末2→携帯端末5→ウェアラブル端末6へと医療サーバ3のアクセス先(IPアドレスやURL)を通知し、転送先が分かるようにされていればよい。
医療サーバ3は、ウェアラブル端末6のサービスを取得した結果、該当する検査項目を満たせないと判定した場合(例えば血圧などが計測できないウェアラブル端末6だった場合)、院内に設置されている備え付けの検査装置4(例えば血圧計)により補完できるか否かを、予め検査装置4の機能テーブルと比較することによって判定する(図10:S214参照)。医療サーバ3は、検査装置4によって検査可能である場合、検査装置4の位置情報を携帯端末5の表示装置57に表示し(図10:S218参照)、患者を誘導する(P214,P216)。
医療サーバ3は、検査可能である検査装置4が複数ある場合、どの検査装置4を利用するかを携帯端末5の表示装置57に表示して患者に指定させる。検査可能である検査装置4が複数ある場合、間違った装置が使用される可能性があるので、正しい検査装置4が利用されているかどうかを医療サーバ3が判定する。また、医療サーバ3は、利用していない検査装置4を判断・指定して、専用アプリ50は、患者を検査装置4へ誘導する表示を携帯端末5の表示装置57に行うようにしてもよい。
携帯端末5は、表示装置57に表示された「検査装置と接続する」ボタンが押されると、検査装置4と無線接続してデータの転送を可能にする(P218)。この時、もし複数の検査装置4があり、別の人が他の検査装置4で同様の計測を行っていると、誤接続してしまい、他人の検査データを取得してしまう可能性がある。そこで、患者が携帯端末5を検査装置4にかざし、近距離無線通信による検知によって接続する装置を指定することにより、別の検査装置4と接続してしまって誤った検査データを取得することを防止して、計測が行われる(図10:S220参照)。検査装置4が計測を行っている間には、携帯端末5は、計測中の表示を行う(P220)。
計測が完了すると(図10:S220参照)、携帯端末5は、計測が完了した旨を表示装置57に表示する(P222)。携帯端末5は、検査データを受信し(図10:S224参照)、問診データと検査データと診察券No.を医療サーバ3へ送信することの可否を問う表示を行い(P224)、患者による送信可の操作が行われると問診データと検査データと診察券No.を医療サーバ3へ送信する(図10:S226、S216参照)。計測完了と同時に検査装置4から直接医療サーバ3にデータが送信されてもよい。
このように、第1実施形態にかかる情報処理システム1によれば、アプリケーション50が取得した問診結果に基づいて、患者から取得すべき生体情報を特定し、特定した生体情報をウェアラブル端末6が取得可能であるか否かを判定するので、問診結果に応じた検査項目について、病院の検査装置4により検査を行う前に、患者が所持するウェアラブル端末6によって行うことができる必要な検査があるか否かを判定することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の情報処理システム1は、携帯端末5側で、事前検査項目について患者が持つウェアラブル端末6を使うべきか病院に備え付けの検査装置4を使うべきかの判定を行うようにした点が、第1実施形態の情報処理システム1と異なる。以下、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同一部分の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図12は第2実施形態にかかる情報処理システム1を構成する各部が有する機能の概要を示す機能ブロック図である。
医療サーバ3は、CPU31がROM36またはHDD35に記憶されているプログラムに従って動作することで、問診設問制御部300、生体情報処理部306及び通信部308を有する。
一方、携帯端末5は、CPU51がROM56またはSSD55に記憶されているプログラムに従って動作することで、問診実行部(問診実行手段)502、情報取得部503、特定部(特定手段)504、判定部(判定手段)506、生体情報取得部(生体情報取得手段)513、計測データ処理部508、通信部510及び無線通信部512を有する。なお、問診実行部502、情報取得部503、特定部504、判定部506、及び計測データ処理部508は、医療サーバ3からダウンロードされたアプリケーション(専用アプリ)50に含まれる。
特定部504は、問診結果に基づいて、患者から取得すべき必要な生体情報(事前検査項目)を、表1を用いて特定する。
判定部506は、特定部504が表1を用いて特定した生体情報(事前検査項目)と、患者が所持するウェアラブル端末6によって取得可能な生体情報(表2)とを比較することにより、特定部504が特定した生体情報(事前検査項目)について、患者が持つウェアラブル端末6を使うべきか病院に備え付けの検査装置4を使うべきかの判定を行う。
より具体的には、判定部506は、近くにあるウェアラブル端末6を検出し、そのウェアラブル端末6から取得可能な生体情報の種類(取得可能情報)を取得する。また、判定部506は、ウェアラブル端末6から取得したサービス一覧に示されたウェアラブル端末6から取得可能な生体情報の種類(取得可能情報)のいずれかに、特定部504が特定したそれぞれの生体情報(事前検査項目)が一致するか否かを判定する。そして、判定部506は、検査装置4で検査できる項目と比較して、生体情報を取得する装置を決定する。
次に、情報処理システム1における生体情報取得処理の一例について説明する。
図13は、情報処理システム1における生体情報取得処理の一例を示すフローチャートである。例えば、携帯端末5の特定部504は、問診結果から患者における疑わしい疾病に関する生体情報を特定する(S700)。より具体的には、携帯端末5の特定部504は、問診結果に基づいて、患者から取得すべき必要な生体情報を、表1を用いて特定する。以下、特定部504が特定した生体情報は、患者における検査すべき項目であることから、検査項目と記すことがある。
携帯端末5の情報取得部503は、S700の処理で特定した検査項目を検査可能な装置が、病院に備え付けの検査装置4のみであるか、ウェアラブル端末6により実施可能な項目であるかを判定する(S702)。ここでは、携帯端末5の情報取得部503は、ウェアラブル端末6によっては取得できず検査装置4によらなければ取得できない生体情報であることを示すテーブル(検査装置4の検査可能項目テーブル)と、特定部504が特定した生体情報とを比較することにより、検査項目を検査可能な装置が病院に備え付けの検査装置4のみであるか否かを判定する。検査装置4の検査可能項目テーブルは、予め医療サーバ3に登録されており、携帯端末5が医療サーバ3から事前に取得するものとする。検査装置4によらなければ取得できない生体情報は、例えば特殊で(高価な)検査装置や精度の高い計測が必要な生体情報などである。
携帯端末5の情報取得部503は、S700の処理で特定した検査項目が、検査装置4のみが検査可能な項目である場合(S702:Yes)にはS718の処理に進み、ウェアラブル端末6によっても検査可能な項目である場合(S702:No)にはS704の処理に進む。
携帯端末5の情報取得部503は、当該携帯端末5の近傍にあるウェアラブル端末6の接続を誘導し、近接するウェアラブル端末6を一覧表示する(S704)。携帯端末5の情報取得部503は、患者が選択したウェアラブル端末6に対して無線通信部512によってNFCやBLE、WiFiなどの近距離無線通信を利用して接続する(S706)。携帯端末5の情報取得部503は、ウェアラブル端末6が携帯端末5とペアリング済みであれば、表示せずに直接ウェアラブル端末6を選択してもよい。
携帯端末5の情報取得部503は、ウェアラブル端末6の持つサービス一覧を無線通信部512を介して取得する(S708)。例えば、携帯端末5の情報取得部503は、表2に示したウェアラブル端末6の持つサービス一覧を、BLEのGATTサービス等で検査可能な項目を判断できる。なお、表2に示したウェアラブル端末6の持つサービス一覧は、ウェアラブル端末6によって取得可能な生体情報に関する情報を含んでいる。したがって、携帯端末5の情報取得部503は、検査で取得したい項目データが、GATTサービスに含まれるかどうかを判断する。
携帯端末5の判定部506は、ウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中に、S700の処理で特定した検査項目(例えば血圧、血中酸素濃度等)のサービスがあるか否かを判定する(S710)。携帯端末5の判定部506は、S700の処理で特定した検査項目がウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中にある場合(S710:Yes)にはS712の処理に進み、S700の処理で特定した検査項目がウェアラブル端末6の持つサービス一覧の中にない場合(S710:No)にはS714の処理に進む。例えば、携帯端末5の判定部506は、特定部504が特定した検査項目が表1に示した「Blood Pressure」であり、表2に示したウェアラブル端末6のサービス一覧に「Blood Pressure」があるか否かを判定する。
携帯端末5の計測データ処理部508は、判定部506が取得可能と判定した生体情報データに対応するサービス一覧の中のサービスの取得をウェアラブル端末6に対して要求する。そして、携帯端末5の計測データ処理部508は、ウェアラブル端末6から該当サービスで取得可能な生体情報を取得し、携帯端末5とウェアラブル端末6との通信を切断させる(S712)。
ただし、携帯端末5の計測データ処理部508は、ウェアラブル端末6から取得した生体情報が常に有効なデータであるとは限らないので、具体的な生体情報を取得して有効なデータであるか否かを判定してもよい。例えば、携帯端末5の計測データ処理部508は、ウェアラブル端末6から取得した血圧データが血圧として通常はあり得ない異常値であった場合、ウェアラブル端末6には検査機能はあるが、有効ではないと判定する。
携帯端末5の判定部506は、検査装置4での検査が必要であるか否かを判定する(S714)。例えば、携帯端末5は、予め検査装置4の種類及び各装置で検査可能な生体情報の種類(検査項目の種類)を取得(記憶)しており、携帯端末5の特定部504が特定した生体情報の種類のうちウェアラブル端末6が取得できる生体情報の種類以外の生体情報が検査装置4で検査可能な生体情報の種類に含まれるか否かを判定することにより、検査装置4での検査が必要であるか否かを判定する。また、携帯端末5の判定部506は、生体情報の取得を完了しても、該当サービスがない又は生体情報が有効でない場合、備え付けの検査装置4による検査が必要であるか否かを判定し、必要であれば(S714:Yes)、備え付けの検査装置4で検査してもらうため、患者を検査装置4まで誘導する表示を行う(S718)。
ここでは、携帯端末5の特定部504は、携帯端末5の判定部506が検査装置4で検査可能な生体情報の種類に含まれると判定した生体情報を計測可能な検査装置4を特定する。携帯端末5は、特定部504が特定した検査装置4の配置されている場所をアプリケーション50などによって予め取得(記憶)する。例えば、携帯端末5は、誘導表示のための情報(URL等)を例えば医療サーバ3から通信部510によって取得し、表示する。
例えば、携帯端末5は、問診内容を入力している待合室の位置から検査装置4が設置されている場所へのルート案内の情報(地図)を医療サーバ3から受信してそのまま表示してもよい。
例えば、専用アプリ50は、医療サーバ3の問診設問制御部300の制御に応じて質問を携帯端末5の表示装置57に表示させる。ここで、質問は、医師の知見から疑わしい疾患を絞り込むための設問の階層構造が予め定められており、回答の選択肢に対して次にどの質問を表示するかが決められている。医療サーバ3には、設問内容がどの疾患と関連性があるかを示すノウハウが蓄積されている。設問の回答結果が携帯端末5から医療サーバ3に送信されると、医療サーバ3は、次の設問の表示の指示を携帯端末5に対して送信する。
患者に対して検査が必要であるか否かは、すべての問診が終わった後に携帯端末5が判定する。つまり、携帯端末5などが図13に示したS700の処理を行う。そして、疾患の有無の判定などに検査装置4による検査が必要であると携帯端末5が判定した場合、専用アプリ50は、患者を検査装置4へ誘導する表示を携帯端末5の表示装置57に行う(図13:S718参照)。つまり、携帯端末5は、検査項目を問診結果に応じて決定し、検査を実施する装置を決定する。
携帯端末5の計測データ処理部508は、質問に対する回答の結果から、ウェアラブル端末6による簡易検査で生体情報を取得する必要があると判定した場合、ウェアラブル端末6に対する操作手順を携帯端末5の表示装置57に表示する(図11:P206)。
携帯端末5は、検査を実施する装置を決定するときに、ウェアラブル端末6が近傍にあるか否かも判定する(図13:S704参照)。例えば、携帯端末5は、BluetoothSmartReadyなどにより、近傍のウェアラブル端末6を探索し、探索結果を一覧表示して患者が所持するウェアラブル端末6を患者自身に選択させる(図11:P208)。携帯端末5は、ウェアラブル端末6が十分に近くにあり、事前のペアリングがされている場合には、一覧表示をしなくてもよい。
携帯端末5は、選択されたウェアラブル端末6に接続し(図13:S706参照)、必要な生体情報(例えば、活動量、血中酸素濃度、脈拍、血圧等)を取得可能であるか、過去のデータがあるかを判定し、データがあれば取得する。検査項目は生体情報に関連付けられており、例えばBluetoothSmartReadyであれば、サービスとしてウェアラブル端末6から取得可能である(図13:S708参照)。よって、ウェアラブル端末6が持っているサービス(表2)からどのようなデータが取得可能であるかを判定することが可能である。
携帯端末5は、ウェアラブル端末6から取得できるデータ(表2)と、必要な検査項目(表1)とを比較して、ウェアラブル端末6が必要な検査を可能であるかを判定する(図13:S710参照)。携帯端末5は、ウェアラブル端末6によって検査可能と判定できた場合には、ウェアラブル端末6の該当サービスから生体情報の取得を開始する(図13:S712参照)。このとき、携帯端末5は、計測中の表示を行う(図11:P210)。なお、計測完了(図11:P212)と同時にウェアラブル端末6から直接医療サーバ3にデータが転送されてもよい。この場合、事前に受付端末2→携帯端末5→ウェアラブル端末6へと医療サーバ3のアクセス先(IPアドレスやURL)を通知し、転送先が分かるようにされていればよい。
携帯端末5は、ウェアラブル端末6のサービスを取得した結果、該当する検査項目を満たせないと判定した場合(例えば血圧などが計測できないデバイスだった場合)、院内に設置されている備え付けの検査装置4(例えば血圧計)により補完できるか否かを、予め検査装置4の機能テーブルと比較することによって判定する(図13:S714参照)。携帯端末5は、検査装置4によって検査可能である場合、検査装置4の位置情報を携帯端末5の表示装置57に表示し(図13:S718参照)、患者を誘導する(図11:P214,P216)。
携帯端末5は、検査可能である検査装置4が複数ある場合、どの検査装置4を利用するかを携帯端末5の表示装置57に表示して患者に指定させる。検査可能である検査装置4が複数ある場合、間違った装置が使用される可能性があるので、正しい検査装置4が利用されているかどうかを医療サーバ3が判定する。また、医療サーバ3は、利用していない検査装置4を判断・指定して、専用アプリ50は、患者を検査装置4へ誘導する表示を携帯端末5の表示装置57に行うようにしてもよい。
携帯端末5は、「検査装置と接続する」ボタンが押されると、検査装置4と無線接続してデータの転送を可能にする(図11:P218)。この時、もし複数の検査装置4があり、別の人が他の検査装置4で同様の計測を行っていると、誤接続してしまい、他人の検査データを取得してしまう可能性がある。そこで、患者が携帯端末5を検査装置4にかざし、近距離無線通信による検知によって接続する装置を指定することにより、別の検査装置4と接続してしまって誤った検査データを取得することを防止して、計測が行われる(図13:S720参照)。検査装置4が計測を行っている間には、携帯端末5は、計測中の表示を行う(図11:P220)。
計測が完了すると(図13:S722参照)、携帯端末5は、計測が完了した旨を表示する(図11:P222)。携帯端末5は、検査データを受信し(図13:S724参照)、問診データと検査データと診察券No.を医療サーバ3へ送信することの可否を問う表示を行い(図11:P224)、患者による送信可の操作が行われると問診データと検査データと診察券No.を医療サーバ3へ送信する(図13:S726、S716参照)。計測完了と同時に検査装置4から直接医療サーバ3にデータが送信されてもよい。
このように、第2実施形態にかかる情報処理システム1によれば、アプリケーション50が取得した問診結果に基づいて、患者から取得すべき生体情報を特定し、特定した生体情報をウェアラブル端末6が取得可能であるか否かを判定するので、問診結果に応じた検査項目について、病院の検査装置4により検査を行う前に、患者が所持するウェアラブル端末6によって行うことができる必要な検査があるか否かを判定することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第1実施形態ないし第2実施形態の情報処理システム1は、携帯端末5にダウンロードしてインストールさせた専用のアプリケーション50によってウェアラブル端末6及び医療サーバ3と連携させていた。しかしながら、専用のアプリケーション50を携帯端末5にダウンロードしてインストールすることは患者にとって手間がかかるものとなっている。そこで、第3実施形態の情報処理システム1は、専用のアプリケーション50をダウンロードさせず、予め患者の携帯端末5にインストールされているブラウザを使ってウェアラブル端末6及び医療サーバ3と連携させる点が、第1実施形態ないし第2実施形態の情報処理システム1と異なる。以下、第3実施形態の説明では、第1実施形態ないし第2実施形態と同一部分の説明については省略し、第1実施形態ないし第2実施形態と異なる箇所について説明する。
図14は、第3実施形態にかかる情報処理システム1を構成する各部が有する機能の概要を示す機能ブロック図である。
図14に示すように、医療サーバ3は、CPU31がROM36またはHDD35に記憶されているプログラムに従って動作することで、問診設問制御部300、生体情報処理部306、通信部308、HTML生成部311、管理部312及び判断部313を有する。
HTML生成部311は、各携帯端末5が実行するブラウザ(後述するブラウザ550など)が実行可能なJavaScript(登録商標)を含むHTMLファイル570を予め生成する。HTMLファイル570は、HTML生成部311が生成した後、医療サーバ3内に記憶される。
管理部312は、ウェアラブル端末6から取得可能なデバイス情報(Device Information)サービス(後述する表3参照)、及びウェアラブル端末6の種類とインストールすべきアプリケーションのURLとの対応(後述する表4参照)などを記憶するウェアラブル端末対応アプリケーション一覧情報管理部である。
判断部313は、管理部312が記憶する各情報に基づいて、携帯端末5に対してどのアプリケーションをインストールさせるかを判断する。
また、携帯端末5は、CPU51がROM56またはSSD55に記憶されているプログラムに従って動作することで、ブラウザ550、通信部510、無線通信部512、及びアプリ保存部562及びデータ保存部563を有する。
ブラウザ550は、閲覧部551及びスクリプト実行部552を有する。閲覧部551は、患者の操作入力に応じて医療サーバ3が記憶している特定のウェブページにアクセスすることにより、HTML生成部311が生成したHTMLファイル570を受信する。
スクリプト実行部552は、HTMLファイル570内のJavaScriptを実行する。HTMLファイル570が含むJavaScriptは、予め患者の携帯端末5にインストールされているブラウザ550のスクリプト実行部552によって実行されることにより、問診実行部571、情報取得部572、特定部573、判定部574、及び計測データ処理部575として機能する。なお、問診実行部571、情報取得部572、特定部573、判定部574、及び計測データ処理部575は、1つのスクリプトとして構成されてもよいし、それぞれ異なるHTMLに含まれる異なるスクリプトとして構成されてもよい。
問診実行部571は、患者が問診を行うための設問と、問診に対する回答の選択肢とを表示装置57に表示させ、入力装置53を介して入力を受入れて問診を実行する。また、問診実行部571は、医療サーバ3において受信した過去の回答結果などに応じて設問の変更なども行う。問診実行部571は、第1実施形態の問診実行部502に相当する。
情報取得部572は、近くにあるウェアラブル端末6にウェアラブル端末6が提供可能なサービスの一覧(上述した表2)を要求して取得する。情報取得部572は、第1実施形態の情報取得部503に相当する。
特定部573は、問診結果に基づいて、患者から取得すべき必要な生体情報を、上述した表1を用いて特定する。特定部573は、第2実施形態の特定部504に相当する。
判定部574は、特定部573が表1を用いて特定した生体情報(事前検査項目)と、患者が所持するウェアラブル端末6によって取得可能な生体情報(上述した表2)とを比較することにより、特定部573が特定した生体情報(事前検査項目)について、患者が持つウェアラブル端末6を使うべきか病院に備え付けの検査装置4を使うべきかの判定を行う。判定部574は、第2実施形態の判定部506に相当する。
より具体的には、判定部574は、近くにあるウェアラブル端末6を検出し、そのウェアラブル端末6から取得したサービス一覧に示されたウェアラブル端末6から取得可能な生体情報の種類(取得可能情報)を取得する。また、判定部574は、ウェアラブル端末6から取得可能な生体情報の種類(取得可能情報)のいずれかに、特定部573が特定したそれぞれの生体情報(事前検査項目)が一致するか否かを判定する。そして、判定部574は、検査装置4で検査できる項目と比較して、生体情報を取得する装置をウェアラブル端末6か検査装置4かの何れかに決定する。
また、生体情報取得部576は、特定部573が特定した生体情報をウェアラブル端末6から取得可能であると判定部574が判定した場合には、特定部573が特定した生体情報をウェアラブル端末6に対して無線通信部512を介して要求する。また、生体情報取得部576は、特定部573が特定した生体情報の中でウェアラブル端末6から取得可能でないと判定部574が判定した生体情報を検査装置4から無線通信部512を介して取得する。生体情報取得部576は、第1実施形態の生体情報取得部513に相当する。
計測データ処理部575は、生体情報取得部576から検査装置4又はウェアラブル端末6が計測した生体情報を受け取ると、医療サーバ3へ送信するために、当該生体情報と問診データと診察券No.とを対応付ける処理を行う。計測データ処理部575は、通信部510を介して、生体情報等を医療サーバ3へ送信する。計測データ処理部575は、第1実施形態の計測データ処理部508に相当する。
なお、問診実行部571、特定部573、判定部574は、HTMLファイル570が含むJavaScriptをブラウザ550のスクリプト実行部552によって実行することで実現したが、これに限るものではない。例えば、問診実行部571、特定部573、判定部574は、医療サーバ3側で備えるようにしても良い。この場合、判定部574は、情報取得部572の機能が含まれるJavaScriptがスクリプト実行部552によって実行されることで取得した結果を、携帯端末5から受信することで、特定部573が特定した生体情報をウェアラブル端末6から取得可能かを判断することになる。
また、医療サーバ3側に備えられた問診実行部571は、ブラウザ550を介して携帯端末5から受け付けた回答に基づいて、次の質問事項や問診結果の判断を行うことになる。
アプリ保存部562は、医療サーバ3からダウンロードされたアプリケーション560を例えばSSD55などに保存するウェアラブル端末専用アプリケーション保存部である。データ保存部563は、アプリケーション560が処理に用いる問診データを例えばSSD55などに保存する問診データ保存部である。
情報処理システム1は、予め備えるブラウザ550が第1実施形態で説明したアプリケーション(専用アプリ)50の代わりに動作する機能を有する。情報処理システム1は、ブラウザ550がアプリケーション(専用アプリ)50の代わりに動作することにより、患者にアプリケーション(専用アプリ)50をダウンロードさせることを不要にしている。
図15は、情報処理システム1が携帯端末5のブラウザ550を用いて動作する場合の手順を示すフローチャートである。
患者は、携帯端末5上でブラウザ550を起動し、入力装置53を介して医療サーバ3のURLを入力する。患者は、携帯端末5が医療サーバ3にアクセスして表示された問診画面(図20参照)に回答を記載する。図20は、問診画面101を示す図である。図20に示すように、問診画面101は、患者が問診を行うための設問101aと、問診に対する回答の選択肢101bと、を備える。また、図20に示すように、問診画面101は、問診に対する回答の選択肢101bに応じたメッセージ101cを表示する。すなわち、携帯端末5の問診実行部571は、問診画面101を表示装置57に表示させ(S300)、入力装置53を介して入力を受入れて問診を実行する(S302)。
携帯端末5の特定部573は、問診結果から表1に基づいて生体情報の計測が必要であるか否かを判定し(S304)、必要である場合(S304:Yes)にはS306の処理に進み、必要でない場合(S304:No)にはS328の処理に進む。
なお、携帯端末5の特定部573は、ブラウザ550を介して入力された回答を受信した医療サーバ3が判定した結果を通信部510によって受信するように構成されてもよい。
携帯端末5の判定部574は、必要な生体情報を計測可能なウェアラブル端末6を患者が装着しているか否かを表示装置57に表示される画面に対する入力装置53を介した入力に応じて判定し(S306)、患者が“装着している”を画面内で選択した場合(S306:Yes)にはS308の処理に進み、その他の場合(S306:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。
携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6のスキャンを開始する(S308)。携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6などのデバイスを発見した場合(S310:Yes)にはS312の処理に進み、発見しない場合(S310:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。
携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6などのデバイスを2台以上発見した場合(S312:Yes)にはS314の処理に進み、2台以上発見していない場合(S312:No)にはS316の処理に進む。
携帯端末5の判定部574は、2台以上発見したウェアラブル端末6などのデバイスの選択画面を表示装置57に表示させ、携帯端末5に接続させるウェアラブル端末6を入力装置53を介して選択させる(S314)。
なお、携帯端末5は、アドバタイズメントパケットを送信する全てのウェアラブル端末6などのデバイスと接続を行い、所望の機能(例:心拍数計測)を提供するウェアラブル端末6が複数台存在した場合にのみ、患者に対して選択画面を表示して、ウェアラブル端末6を選択させるように構成されてもよい。
携帯端末5の判定部574は、患者が選択したウェアラブル端末6と接続する(S316)。そして、携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6からサービス情報(提供機能)の一覧を情報取得部572により取得する(S318)。
なお、表3は、ウェアラブル端末6から取得可能なサービス情報(提供機能)の一覧に含まれるデバイス情報(Device Information)サービスを例示しており、ウェアラブル端末6が有する機能の特定に利用可能となっている。
携帯端末5の判定部574は、所望のサービスの情報を取得できたか否かを判定し(S320)、取得できた場合(S320:Yes)にはS322の処理に進み、取得できていない場合(S320:No)には専用のアプリケーションを利用する処理での計測に移行する。専用のアプリケーションを利用する処理については、後述する。ウェアラブル端末6が、標準のBLE仕様に対応しておらず、メーカー独自の仕様が定められている場合がある。この場合、メーカー仕様に対応する専用のアプリケーションを利用することにより、情報処理システム1は、患者のウェアラブル端末6を利用することが可能となる。
携帯端末5の生体情報取得部576は、計測開始の指示画面(図21参照)を表示装置57に表示させ、入力装置53を介した患者の指示に従って、生体情報の計測をウェアラブル端末6に開始させる(S322)。
図21は、計測開始の指示画面102を示す図である。図21に示すように、計測開始の指示画面102は、“お手持ちのウェアラブル端末で心拍数を計測してください。”との表示102aを備える。
携帯端末5の生体情報取得部576は、患者の操作に応じて接続したウェアラブル端末6から生体情報の計測値を取得する(S324)。
携帯端末5の計測データ処理部575は、患者が入力した問診結果と生体情報取得部576により取得した生体情報の計測値と診察券No.とを対応付けて医療サーバ3に送信する(S326)。
また、S328の処理においては、携帯端末5の計測データ処理部575は、患者が入力した問診結果を医療サーバ3に送信する。
次に、携帯端末5の判定部574が所望のサービスの情報を取得できていない場合における(S320:No)、生体情報をウェアラブル端末6から取得可能な専用のアプリケーションを利用した生体情報を取得する処理について説明する。
図16は、専用のアプリケーションを用いる場合の手順を示すフローチャートである。
携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6の表3に示したデバイス情報サービスが情報取得部572によって取得できているか否かを判定し(S400)、取得できた場合(S400:Yes)にはS402の処理に進み、取得できていない場合(S400:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。
携帯端末5の判定部574は、対象機能(例:心拍数)が医療サーバ3に登録されているか否かを判定し(S402)、登録されている場合(S402:Yes)にはS404の処理に進み、登録されていない場合(S402:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。
医療サーバ3の判断部313は、当該ウェアラブル端末6(対象デバイス)に対するアプリケーション情報が医療サーバ3に存在するか否かを、管理部312が記憶している表3及び表4に示した情報を用いて判断し(S404)、存在している場合(S404:Yes)にはS406の処理に進み、存在していない場合(S404:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。なお、表4は、ウェアラブル端末6の種類とインストールすべきアプリケーションのURLとの対応を例示している。
医療サーバ3の判断部313は、表3に基づいてウェアラブル端末6のメーカー名およびモデル番号を特定し、表4に基づいてインストールすべきアプリケーションのURLを算出することができる。
携帯端末5の判定部574は、医療サーバ3の判断部313がS404の処理で判断した結果に基づき、アプリケーションのインストール画面(図22参照)を表示装置57に表示させる(S406)。
図22は、アプリケーションのインストール画面103を示す図である。図22に示すように、インストール画面103は、アプリケーションのインストールを許容するか否かを示す“はい”のボタン103a、“いいえ”のボタン103bを備える。
そして、携帯端末5の判定部574は、患者が“インストールする”を許容する“はい”のボタン103aを入力装置53を介して選択したか否かを判定し(S408)、選択した場合(S408:Yes)にはS410の処理に進み、選択していない場合(S408:No)には院内に備え付けの検査装置4での計測に移行させる。
患者が“インストールする”を許容する“はい”のボタン103aを選択すると、携帯端末5の判定部574は、患者に対して問診データと医療サーバ3のIPアドレスを保存させるメッセージ(図23参照)を表示装置57に表示し、問診結果と医療サーバ3のIPアドレスを保存する(S410)。
図23は、問診結果の保存先を設定させる画面104を示す図である。図23に示すように、問診結果の保存先を設定させる画面104は、保存先として特定の場所をメッセージ104aに表示し、患者にその場所を設定させる。保存のファイル名は、例えば“患者名問診データ”(例:山田太郎問診データ)をつけ、すでに保存済のデータがある場合には上書き更新する。また以後はブラウザ550を利用しないため、この時点でブラウザ550を閉じてもよい。
なお、携帯端末5のデータ保存部563は、患者が専用のアプリケーション560をインストールする前に、表5に例示したデータを一時的に保存するようにされている。
表5に示すように、携帯端末5のデータ保存部563は、患者情報、問診結果、医療サーバ3のIPアドレスなどを保存する。
次いで、患者の操作により携帯端末5に搭載されているアプリストアアプリが起動すると、専用のアプリケーション560のインストールボタンが表示装置57に表示されるので、患者は専用のアプリケーション560のインストールボタンを入力装置53を介して操作する。そして、インストールボタンの操作が有ると、携帯端末5のアプリ保存部562は、SSD55に対する専用のアプリケーション560のダウンロードおよびインストールを実施する(S412)。専用のアプリケーションの形態としては、医療サーバ3へ送信する機能を持つ汎用アプリケーションとメーカー独自仕様のアプリケーションの2つが別々で汎用アプリケーションからメーカー独自仕様のアプリケーションを呼び出す形態と、1つのアプリケーション内に医療サーバ3へ送信する機能とメーカー独自仕様に対応した機能を併せ持つ形態がある。
ここで、図17は、専用のアプリケーション560を携帯端末5にインストール後の情報処理システム1を構成する各部が有する機能の概要を示す機能ブロック図である。
携帯端末5は、CPU51がSSD55に記憶されているプログラム(アプリケーション560)に従って動作することで、生体情報取得部564、計測データ処理部565を有する。
生体情報取得部564は、特定部573が特定した生体情報をウェアラブル端末6に対して無線通信部512を介して要求する。生体情報取得部564は、第1実施形態の生体情報取得部513に相当する。
計測データ処理部565は、生体情報取得部564からウェアラブル端末6が計測した生体情報を受け取ると、医療サーバ3へ送信するために、当該生体情報と問診データと診察券No.とを対応付ける処理を行う。計測データ処理部565は、通信部510を介して、生体情報等を医療サーバ3へ送信する。
患者がインストールした専用のアプリケーション560を起動すると、携帯端末5の生体情報取得部564は、ウェアラブル端末6との接続を行う(S414)。携帯端末5の生体情報取得部564は、表示装置57にデータの計測開始の指示画面を表示させるので、患者は、ウェアラブル端末6上で生体情報の計測を開始する(S416)。計測終了後、携帯端末5の生体情報取得部564は、ウェアラブル端末6から計測値を取得する(S418)。
携帯端末5の計測データ処理部565は、保存した問診結果と医療サーバ3のIPアドレスを取り出す(S420)。そして、携帯端末5の計測データ処理部565は、医療サーバ3に対して問診結果と生体情報を送信する(S422)。
図18は、情報処理システム1が携帯端末5のブラウザ550を用いて動作する場合の手順を示すシーケンス図である。患者が携帯端末5上の起動されたブラウザ550に対して入力装置53を介して医療サーバ3のURLを入力すると、ブラウザ550の閲覧部551は、問診データ入力ページ取得要求を医療サーバ3に対して送信する(S500)。
医療サーバ3のHTML生成部311は、JavaScriptを含むHTMLファイル570を作成する(S502)。これにより、携帯端末5は、表示装置57に問診画面101を表示する(図15:S300参照)。また、医療サーバ3は、当該医療サーバ3のIPアドレス(アプリケーション560からのデータ送信時用)を送信する(S504)。
患者が問診データをブラウザ550に表示された問診画面101に入力すると(図15:S302参照)、携帯端末5の判定部574は、BLEのペリフェラルとなる近傍のデバイス(ウェアラブル端末6など)が送信するアドバタイズメントパケットを取得するためにスキャン(図15:S308参照)を開始する(S506)。患者が装着しているウェアラブル端末6は、セントラルとなる携帯端末5などに対し、提供可能なデバイス情報サービスを識別可能にするUUIDを含むアドバタイズメントパケットを所定のインターバルでブロードキャスト送信する(S508)。携帯端末5の判定部574は、取得したアドバタイズメントパケットを読み取り、問診結果に対応する所望のデバイス情報サービスを示すUUIDを送信したウェアラブル端末6に対して接続(device.connectGATTの接続)を行い(S510、図15:S316参照)、デバイス情報サービスの一覧の取得を完了(Promise.all)する(S512、図15:S318参照)。
そして、携帯端末5の生体情報取得部576は、情報取得部572がウェアラブル端末6から生体情報を取得し(S514、図15:S324参照)、ウェアラブル端末6との接続を切る(S516)。そして、携帯端末5の計測データ処理部575は、問診結果と生体情報を医療サーバ3へ送信する(S518、図15:S326参照)。
図19は、情報処理システム1が専用のアプリケーション560を用いて動作する場合の手順を示すシーケンス図である。携帯端末5の判定部574は、ウェアラブル端末6からデバイス情報サービスの内容を取り出して(S600)、ウェアラブル端末6の情報を医療サーバ3へ送信する(S602)。医療サーバ3は、データベース内からウェアラブル端末6に該当する専用のアプリケーション560のインストールURLを探し(S604)、専用のアプリケーション560のインストールURLを携帯端末5へ送信する(S606)。
携帯端末5のデータ保存部563は、患者が入力した問診結果と医療サーバ3のIPアドレスを保存する(S608)。また、携帯端末5の判定部574は、専用のアプリケーション560のインストール画面103を表示する(S610、図16:S406参照)。
患者が携帯端末5に専用のアプリケーション560をインストールし(図16:S412参照)、専用のアプリケーション560を起動させる。携帯端末5の生体情報取得部564は、ウェアラブル端末6との接続を行う(S612、図16:S414参照)。患者がウェアラブル端末6によって生体情報の計測を行った後、携帯端末5の生体情報取得部564は、ウェアラブル端末6から生体情報を取得し(S614、図16:S418参照)、ウェアラブル端末6との接続を切る(S616)。
携帯端末5の計測データ処理部565は、問診結果と医療サーバ3のIPアドレスを取出す(S618、図16:S420参照)。携帯端末5の計測データ処理部565は、問診結果と生体情報を医療サーバ3へ送信する(S620、図16:S422参照)。
このように、第3実施形態にかかる情報処理システム1によれば、ブラウザ550が実行するJavaScriptが取得した問診結果、又は専用のアプリケーション560が取得した問診結果に基づいて、患者から取得すべき生体情報を特定し、特定した生体情報をウェアラブル端末6が取得可能であるか否かを判定するので、問診結果に応じた検査項目について、病院の検査装置4により検査を行う前に、患者が所持するウェアラブル端末6によって行うことができる必要な検査があるか否かを判定することができる。