JP7020475B2 - 非水系二次電池機能層用組成物、非水系二次電池用機能層および非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池機能層用組成物、非水系二次電池用機能層および非水系二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水系二次電池機能層用組成物、非水系二次電池用機能層および非水系二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池(以下、「二次電池」と略記する場合がある。)は、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能という特性があり、幅広い用途に使用されている。そして非水系二次電池は、一般に、正極、負極、そして正極と負極とを隔離して正極と負極との間の短絡を防ぐセパレータなどの電池部材を備えている。
ここで、従来、リチウムイオン二次電池などの二次電池では、耐熱性や強度、そして接着性等の向上を目的として機能層が設けられた電池部材が用いられている。機能層を備える電池部材としては、集電体と電極合材層を積層してなる電極基材の電極合材層上に、機能層が設けられた電極や、ポリオレフィン製などのセパレータ基材上に、機能層が設けられたセパレータが挙げられる。
そして、近年では二次電池の高性能化を目的として、機能層を備える電池部材の更なる改良が検討されている。
例えば特許文献1では、有機溶媒中に、所定の性状を有する非導電性粒子が分散すると共に、結着材としての所定の重合体が溶解してなるスラリー組成物を用いて、負極基材上に機能層としての多孔膜を形成して、多孔膜を備える負極を製造することが開示されている。そして、特許文献1によれば、当該負極を用いることで、二次電池の信頼性およびサイクル特性を高めることができる。
国際公開第2013/180168号
しかしながら、上記従来の機能層を備える電池部材には、二次電池の出力特性を高めると共に、機能層を介して隣接する他の電池部材と強固に接着することが求められていた。
そこで、本発明は、上述した改善点を有利に解決する手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。本発明者は、機能層の形成に用いる機能層用組成物中の結着材に着目した。そして、本発明者は、有機溶媒を用いた機能層用組成物中において、結着材として用いる重合体が、有機溶媒に対して容易に分散しうる性質(易分散性)を有すれば、得られる機能層の接着性を向上させると共に、当該機能層を備える電池部材によれば二次電池の出力特性を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、結着材および有機溶媒を含む非水系二次電池機能層用組成物であって、前記結着材が重合体Aを含み、前記重合体Aが前記有機溶媒に対して易分散性であることを特徴とする。このように、有機溶媒中に、当該有機溶媒に対して容易に分散しうる結着材を含んでなる機能層用組成物を用いて機能層を形成すれば、得られる機能層の接着性を高めつつ、当該機能層を備える電池部材を有する二次電池に優れた出力特性を発揮させることができる。
なお、本発明において、重合体のある溶媒に対する性質は、「易分散性」、「易溶解性」、および「易析出性」の何れかで定義することができる。そして、重合体が、ある溶媒に対して上記何れの性質を有するかは、本明細書の実施例に記載の方法で測定される「溶媒不溶解分量」および「ろ過後固形分濃度維持率」により決定することができる。
ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、結着材がさらに重合体Bを含み、前記重合体Bが前記有機溶媒に対して易溶解性であることが好ましい。機能層用組成物が、結着材として、有機溶媒に対して容易に溶解しうる重合体Bをさらに含めば、機能層の接着性を一層向上させることができる。
また、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、前記有機溶媒が極性溶媒であることが好ましい。有機溶媒として極性溶媒を用いれば、機能層用組成物の基材への塗工性が高まり、均一な厚みの機能層を得ることができる。そして、当該機能層を備える電池部材を用いれば、二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
そして、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、前記重合体Aが、コア部および前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を備えるコアシェル構造を有することが好ましい。上述したコアシェル構造を有する重合体Aを用いれば、機能層の接着性を一層向上させることができる。
さらに、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、前記コア部が、N-メチル-2-ピロリドン不溶解分量が60質量%以上100質量%以下の重合体からなり、前記シェル部が、N-メチル-2-ピロリドン不溶解分量が0.1質量%以上80質量%未満の重合体からなることが好ましい。コア部の重合体およびシェル部の重合体のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)不溶解分量がそれぞれ上述の範囲内であれば、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
なお、本発明において、「NMP不溶解分量」は、本明細書の実施例に記載の方法で測定することができる。
ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、さらに非導電性粒子を含むことが好ましい。非導電性粒子を含む機能層用組成物を用いれば、得られる機能層の耐熱性および強度を向上させることができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池用機能層は、上述した非水系二次電池機能層用組成物の何れかを用いて形成したことを特徴とする。上述した何れかの機能層用組成物を用いて形成した機能層は、接着性に優れると共に、当該機能層を備える電池部材によれば、二次電池に優れた出力特性を発揮させることができる。
さらに、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の非水系二次電池は、上述した非水系二次電池用機能層を備えることを特徴とする。上述した機能層を備える二次電池は、出力特性などの電池特性に優れる。
本発明によれば、非水系二次電池に優れた出力特性を発揮させると共に、接着性に優れる非水系二次電池用機能層を形成可能な非水系二次電池機能層用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、非水系二次電池に優れた出力特性を発揮させると共に、接着性に優れる非水系二次電池用機能層を提供することができる。
そして、本発明によれば、出力特性に優れる非水系二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の非水系二次電池機能層用組成物は、本発明の非水系二次電池用機能層を調製する際の材料として用いられる。そして、本発明の非水系二次電池用機能層は、本発明の非水系二次電池機能層用組成物を用いて調製され、例えば、電極やセパレータ、好ましくは電極の一部を構成する。また、本発明の非水系二次電池は、少なくとも本発明の非水系二次電池用機能層を備えるものである。
(非水系二次電池機能層用組成物)
本発明の機能層用組成物は、有機溶媒中に、結着材としての重合体Aを含有するスラリー組成物であり、任意に、結着材としての重合体B、非導電性粒子、およびその他の成分をさらに含有する。ここで、本発明の機能層用組成物は、結着材である重合体Aが、有機溶媒に対して易分散性であることを特徴とする。
そして、結着材である重合体Aが有機溶媒中に良好に分散しうる本発明の機能層用組成物を用いれば、接着性に優れる機能層を形成することができる。さらに、当該機能層を備える電池部材を用いれば、二次電池に優れた出力特性を発揮させることができる。
なお、本発明の機能層用組成物を用いることで、機能層の接着性および二次電池の出力特性を高めることができる理由は、以下の通りであると推察される。即ち、機能層用組成物の有機溶媒中で、結着材としての重合体Aが分散していることで、機能層用組成物を乾燥して得られる機能層中において重合体Aは粒子状を呈する。そして、結着材としての重合体Aが粒子状を呈すれば、機能層中で重合体Aが被着体に対し有効に接着し、機能層の接着性を高めることができる。加えて、結着材としての重合体Aが粒子状を呈しているため、機能層中にリチウムイオン等の電荷担体が容易に通過しうる隙間が十分に確保されて、二次電池の出力特性を高めることができる。
<結着材>
結着材は、機能層において、二次電池の電池部材同士、例えばセパレータと電極とを強固に接着させる機能を担う。ここで、本発明の機能層用組成物は、結着材として、有機溶媒に対して易分散性の重合体Aを含み、任意に、有機溶媒に対して易溶解性の重合体Bを含む。なお、重合体の有機溶媒に対する性質(易分散性、易溶解性、易析出性)は、例えば重合体の組成を変更することで調整することができる。
<<重合体A>>
重合体Aは、機能層用組成物の有機溶媒に容易に分散しうる結着材である。
[重合体Aの組成]
重合体Aの組成は、重合体Aが、機能層用組成物に用いる有機溶媒に分散可能であれば特に限定されない。例えば、重合体Aは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、酸性基含有単量体単位、芳香族モノビニル単量体単位、および架橋性単量体単位を含むことが好ましい。なお、重合体Aは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、酸性基含有単量体単位、芳香族モノビニル単量体単位、および架橋性単量体単位以外の単量体単位(その他の単量体単位)を含んでいてもよい。
なお、本発明において、「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の繰り返し単位が含まれている」ことを意味する。
また、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
―(メタ)アクリル酸エステル単量体単位―
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成しうる(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n-テトラデシルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ペンチルメタクリレート、イソペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、n-テトラデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;などが挙げられる。これらは1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、メチルメタクリレート、n-ブチルアクリレートが好ましい。
そして、重合体A中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の割合は、全単量体単位の量を100質量%として、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Aに含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の割合が上記範囲内であれば、重合体Aのガラス転移温度および電解液に対する膨潤性を好適に制御して、機能層の接着性(特に、電解液中での接着性)および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
―酸性基含有単量体単位―
酸性基含有単量体単位を形成しうる酸性基含有単量体としては、カルボン酸基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体などを挙げることができる。
カルボン酸基含有単量体としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸及びその誘導体、エチレン性不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
エチレン性不飽和モノカルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。そして、エチレン性不飽和モノカルボン酸の誘導体の例としては、2-エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α-アセトキシアクリル酸、β-trans-アリールオキシアクリル酸、α-クロロ-β-E一メトキシアクリル酸、β-ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
エチレン性不飽和ジカルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸などが挙げられる。そして、エチレン性不飽和ジカルボン酸の酸無水物の例としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。さらに、エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体の例としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどが挙げられる。
スルホン酸基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸-2-スルホン酸エチル、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
なお、本発明において「(メタ)アリル」とは、アリルおよび/またはメタリルを意味する。
リン酸基含有単量体としては、リン酸-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸メチル-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸エチル-(メタ)アクリロイルオキシエチルなどが挙げられる。
なお、本発明において「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを意味する。
これらは1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
そして、重合体A中の酸性基含有単量体単位の割合は、全単量体単位の量を100質量%として、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Aに含まれる酸性基含有単量体単位の割合が上記範囲内であれば、重合体Aの結着能が高まると共に、有機溶媒中で重合体Aが一層良好に分散し、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
―芳香族モノビニル単量体単位―
芳香族モノビニル単量体単位を形成しうる芳香族モノビニル単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらは1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
そして、重合体A中の芳香族モノビニル単量体単位の割合は、全単量体単位の量を100質量%として、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Aに含まれる芳香族モノビニル単量体単位の割合が上記範囲内であれば、重合体Aのガラス転移温度および電解液に対する膨潤性を好適に制御して、機能層の接着性(特に、電解液中での接着性)および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
―架橋性単量体単位―
架橋性単量体単位を形成しうる架橋性単量体としては、特に限定されることなく、架橋構造を形成し得る単量体が挙げられる。架橋性単量体の例としては、通常、熱架橋性を有する単量体が挙げられる。より具体的には、熱架橋性の架橋性基および1分子あたり1つのオレフィン性二重結合を有する架橋性単量体;1分子あたり2つ以上のオレフィン性二重結合を有する架橋性単量体(但し、後述する脂肪族共役ジエン単量体を除く)が挙げられる。
熱架橋性の架橋性基の例としては、エポキシ基、N-メチロールアミド基、オキセタニル基、オキサゾリン基およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、エポキシ基が、架橋および架橋密度の調節が容易な点でより好ましい。
そして、熱架橋性の架橋性基としてエポキシ基を有し、且つ、オレフィン性二重結合を有する架橋性単量体の例としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o-アリルフェニルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5-エポキシ-2-ペンテン、3,4-エポキシ-1-ビニルシクロヘキセン、1,2-エポキシ-5,9-シクロドデカジエンなどのジエンまたはポリエンのモノエポキシド;3,4-エポキシ-1-ブテン、1,2-エポキシ-5-ヘキセン、1,2-エポキシ-9-デセンなどのアルケニルエポキシド;並びにグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル-4-ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル-4-メチル-3-ペンテノエート、3-シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4-メチル-3-シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類が挙げられる。
また、熱架橋性の架橋性基としてN-メチロールアミド基を有し、且つ、オレフィン性二重結合を有する架橋性単量体の例としては、N-メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有する(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
さらに、熱架橋性の架橋性基としてオキセタニル基を有し、且つ、オレフィン性二重結合を有する架橋性単量体の例としては、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-トリフロロメチルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-フェニルオキセタン、2-((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタンおよび2-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-4-トリフロロメチルオキセタンが挙げられる。
また、熱架橋性の架橋性基としてオキサゾリン基を有し、且つ、オレフィン性二重結合を有する架橋性単量体の例としては、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-メチル-2-オキサゾリンおよび2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリンが挙げられる。
さらに、1分子あたり2つ以上のオレフィン性二重結合を有する架橋性単量体の例としては、アリル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン-トリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパン-ジアリルエーテル、前記以外の多官能性アルコールのアリルまたはビニルエーテル、トリアリルアミン、メチレンビスアクリルアミドおよびジビニルベンゼンが挙げられる。
これらは1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アリルメタクリレート、エチレンジメタクリレートが好ましく、アリルメタクリレートがより好ましい。
そして、重合体A中の架橋性単量体単位の割合は、全単量体単位の量を100質量%として、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Aに含まれる架橋性単量体単位の割合が0.01質量%以上であれば、重合体Aが良好な粒子状を保持しうり、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。一方、重合体Aの架橋性単量体単位の割合が3質量%以下であれば、重合体Aの柔軟性が損なわれることもなく、機能層の接着性を十分に確保することができる。
―その他の単量体単位―
重合体Aのその他の単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族共役ジエン単量体単位が挙げられる。
脂肪族共役ジエン単量体単位を形成しうる脂肪族共役ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられる。
なお、重合体Aのその他の単量体単位を形成しうる、上記脂肪族共役ジエン単量体などのその他の単量体は、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
[重合体Aの構造]
重合体Aの構造は、特に限定されず、実質的に単一の重合体成分で構成される非複合重合体であってもよいし、複数の重合体成分で構成される複合重合体であってもよい。
ここで、複合重合体よりなる粒子は、粒子の内部に互いに異なる重合体部分が存在する異相構造体となる。
異相構造体とは、互いに異なる2つ以上の重合体が物理的または化学的に結合して形成されている単一の粒子であり、ブロック重合体などの単一の重合体から形成された単一相構造からなる粒子ではない。そして、異相構造体の具体例としては、コア部およびコア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を備えるコアシェル構造;2つ以上の重合体が並置された構造であるサイドバイサイド構造;コアシェル構造において中心部の重合体の一部が外殻部に露出した構造である雪ダルマ構造;球状の重合体粒子の表面に別種の重合体粒子が埋め込まれて一体化した構造であるイイダコ構造;などが挙げられる。
これらの中でも、機能層の接着性をさらに向上させる観点から、重合体Aは、コアシェル構造を有する重合体であることが好ましい。以下、コアシェル構造を有する重合体Aについて詳述する。
―コアシェル構造を有する重合体A―
重合体Aがコアシェル構造を有する複合重合体である場合、重合体Aは、コア部と、コア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を有している。ここで、二次電池の出力特性をさらに向上させる観点からは、コアシェル構造を有する重合体Aにおいて、シェル部は、コア部の外表面の全体ではなく、一部を覆っていることが好ましい。
重合体Aのコア部を構成する重合体(以下、「コア部の重合体」という。)は、NMP不溶解分量が、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。コア部の重合体のNMP不溶解分量が60質量%以上であれば、重合体Aが良好な粒子状を保持しうり、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。なお、コア部の重合体のNMP不溶解分量の上限は100質量%である。
また、コア部の重合体は、ガラス転移温度が、0℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、10℃以上であることがさらに好ましく、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがさらに好ましい。コア部の重合体のガラス転移温度が0℃以上であれば、重合体Aが良好な粒子状を保持しうり、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。一方、コア部の重合体のガラス転移温度が120℃以下であれば、重合体Aの熱運動性が高まり、アンカー効果により機能層の接着性をさらに向上させることができる。
上述したコア部の重合体のNMP不溶解分量およびガラス転移温度は、例えば、コア部の重合体の組成を変更することで調整することができる。そして、コア部の重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、酸性基含有単量体単位、および架橋性単量体単位を含むことが好ましい。
重合体Aのシェル部を構成する重合体(以下、「シェル部の重合体」という。)は、NMP不溶解分量が、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%未満であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。シェル部の重合体のNMP不溶解分量が0.1質量%以上であれば、電解液中へのシェル部の重合体の過度な溶出が抑制され、二次電池の出力特性を十分に確保することができる。一方、シェル部の重合体のNMP不溶解分量が80質量%未満であれば、有機溶媒中におけるシェル部の重合体の運動性が確保されて、立体障害による反発で重合体Aが良好な粒子状を保持しうる。そのため、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
また、シェル部の重合体は、ガラス転移温度が、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましく、130℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、110℃以下であることがさらに好ましい。シェル部の重合体のガラス転移温度が60℃以上であれば、機能層を介した電池部材同士のブロッキングを抑制することができる。一方、シェル部の重合体のガラス転移温度が130℃以下であれば、機能層の接着性をさらに向上させることができる。
上述したシェル部の重合体のNMP不溶解分量およびガラス転移温度は、例えば、シェル部の重合体の組成を変更することで調整することができる。そして、シェル部の重合体は、芳香族モノビニル単量体単位および酸性基含有単量体単位を含むことが好ましい。
[重合体Aの調製方法]
重合体Aの調製方法は特に限定されない。例えは、非複合重合体としての重合体Aを調製する際の重合様式は、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法を用いてもよい。また、重合反応としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などの付加重合を用いることができる。そして、重合に使用され得る乳化剤、分散剤、重合開始剤、連鎖移動剤などは、一般に用いられるものを使用することができ、その使用量も、一般に使用される量とすることができる。
また、例えば、コアシェル構造を有する重合体としての重合体Aは、コア部の重合体の単量体と、シェル部の重合体の単量体とを用い、経時的にそれらの単量体の比率を変えて段階的に重合することにより、調製することができる。具体的には、コアシェル構造を有する重合体Aは、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被覆するような連続した多段階乳化重合法および多段階懸濁重合法によって調製することができる。
そこで、以下に、多段階乳化重合法により上記コアシェル構造を有する重合体Aを得る場合の一例を示す。
重合に際しては、常法に従って、乳化剤として、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタンモノラウレート等のノニオン性界面活性剤、またはオクタデシルアミン酢酸塩等のカチオン性界面活性剤を用いることができる。また、重合開始剤として、例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、過硫酸カリウム、キュメンパーオキサイド等の過酸化物、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-(2-ハイドロキシエチル)-プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩等のアゾ化合物を用いることができる。
そして、重合手順としては、まず、コア部を形成する単量体および乳化剤を混合し、一括で乳化重合することによってコア部を構成する粒子状の重合体を得る。さらに、このコア部を構成する粒子状の重合体の存在下にシェル部を形成する単量体の重合を行うことによって、上述したコアシェル構造を有する重合体Aを得ることができる。
この際、コア部の外表面をシェル部によって部分的に覆う観点から、シェル部の重合体を形成する単量体は、複数回に分割して、もしくは、連続して重合系に供給することが好ましい。シェル部の重合体を形成する単量体を重合系に分割して、もしくは、連続で供給することにより、シェル部を構成する重合体が粒子状に形成され、この粒子がコア部と結合することで、コア部を部分的に覆うシェル部を形成することができる。
[重合体AのNMP不溶解分量]
なお、上述のようにして得られる重合体Aは、NMP不溶解分量が、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、64質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以下であることが特に好ましい。重合体AのNMP不溶解分量が60質量%以上であれば、重合体Aが有機溶媒に過度に溶出することもない。そのため良好な機能層用組成物を得ることができ、結果として二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。一方、重合体AのNMP不溶解分量が99質量%以下であれば、有機溶媒中における重合体の運動性が確保されて、立体障害による反発で重合体Aが良好な粒子状を保持しうる。そのため、機能層の接着性および二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
<<重合体B>>
重合体Bは、機能層用組成物の有機溶媒に容易に溶解しうる結着材である。結着材として、上述した重合体Aに加えて、重合体Bを使用することで、機能層の接着性をさらに向上させることができる。
[重合体Bの組成]
重合体Bの組成は、重合体Bが、機能層用組成物に用いる有機溶媒に溶解可能であれば特に限定されない。例えば、重合体Bは、ニトリル基含有単量体単位を含むことが好ましい。なお、重合体Bは、ニトリル基含有単量体単位以外の単量体単位(その他の単量体単位)を含んでいてもよい。
―ニトリル基含有単量体単位―
ニトリル基含有単量体単位を形成し得るニトリル基含有単量体としては、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体が挙げられる。具体的には、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β-エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル;α-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリルなどのα-ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリルなどのα-アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらは1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。
そして、重合体B中のニトリル基含有単量体単位は、全単量体単位の量を100質量%として、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Bに含まれるニトリル基含有単量体単位の割合が5質量%以上であれば、重合体Bの強度が高まり、機能層の接着性をさらに向上させることができる、一方、重合体Bに含まれるニトリル基含有単量体単位の割合が35質量%以下であれば、重合体Bの柔軟性が確保され、機能層の接着性を十分に確保することができる。
―その他の単量体単位―
重合体Bのその他の単量体単位としては、特に限定されず、例えば、「重合体Aの組成」の項で上述した、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、酸性基含有単量体単位、芳香族モノビニル単量体単位、架橋性単量体単位、および脂肪族共役ジエン単量体単位が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、重合体Bのその他の単量体単位としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が好ましい。
そして、重合体B中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。
[重合体Bの調製方法]
重合体Bの調製方法は特に限定されない。例えは、重合体Bを調製する際の重合様式は、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法を用いてもよい。また、重合反応としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などの付加重合を用いることができる。そして、重合に使用され得る乳化剤、分散剤、重合開始剤、連鎖移動剤などは、一般に用いられるものを使用することができ、その使用量も、一般に使用される量とすることができる。
[重合体BのNMP不溶解分量]
なお、上述のようにして得られる重合体Bは、NMP不溶解分量が、2質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。重合体BのNMP不溶解分量が2質量%未満であれば、重合体Bが有機溶媒中に良好に溶解して均一な機能層用組成物を調製することができ、結果として二次電池の出力特性をさらに高めることができる。
<<重合体Aと重合体Bの配合量比>>
ここで、機能層用組成物が重合体Aに加え重合体Bを含む場合、重合体Aと重合体Bの配合量比は特に限定されない。例えば、重合体Bの配合量は、重合体Aと重合体Bの配合量の合計を100質量%として、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。重合体Aと重合体Bの合計に占める重合体Bの割合が10質量%以上であれば、機能層の接着性をさらに高めることができ、60質量%以下であれば、二次電池の出力特性を一層向上させることができる。
<非導電性粒子>
非導電性粒子は、機能層の耐熱性や強度を向上させ得る成分である。ここで、非導電性粒子としては、特に限定されることなく、二次電池に用いられる既知の非導電性粒子を挙げることができる。
具体的には、非導電性粒子としては、無機微粒子と、上述した結着材以外の有機微粒子との双方を用いることができるが、通常は無機微粒子が用いられる。なかでも、非導電性粒子の材料としては、二次電池の使用環境下で安定に存在し、電気化学的に安定である材料が好ましい。このような観点から非導電性粒子の材料の好ましい例を挙げると、酸化アルミニウム(アルミナ)、水和アルミニウム酸化物(ベーマイト)、酸化ケイ素、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化カルシウム、酸化チタン(チタニア)、BaTiO、ZrO、アルミナ-シリカ複合酸化物等の酸化物粒子;窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の窒化物粒子;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;タルク、モンモリロナイト等の粘土微粒子;などが挙げられる。また、これらの粒子は必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等が施されていてもよい。
なお、上述した非導電性粒子は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<有機溶媒>
機能層用組成物が含みうる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、NMPなどのアミド系極性有機溶媒;N,N-ジメチルスルホキシド;トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。そして、有機溶媒としては、機能層用組成物の基材への塗工性を高めて得られる機能層の厚みを均一化し、結果として二次電池の出力特性をさらに向上させる観点から、極性溶媒が好ましく、ケトン類、エステル類、アミド系極性有機溶媒、N,N-ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒がより好ましく、アミド系極性有機溶媒がさらに好ましく、DMAc、NMPが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の機能層用組成物は、上述した成分以外にも、任意のその他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分は、電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られず、公知のものを使用することができる。また、これらのその他の成分は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記その他の成分としては、例えば、電解液添加剤などの既知の添加剤が挙げられる。
<機能層用組成物の調製方法>
機能層用組成物の調製方法は、特に限定はされないが、通常は、上述した重合体Aと、有機溶媒と、必要に応じて用いられる重合体B、非導電性粒子、およびその他の成分とを混合して機能層用組成物を調製する。混合方法は特に制限されないが、既知の混合装置を用いて混合することができる。
なお、上述のようにして得られる機能層用組成物中の重合体Aの濃度は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。また、機能層用組成物が重合体Bを含有する場合、機能層用組成物中の重合体Bの濃度は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
(非水系二次電池用機能層)
本発明の機能層は、上述した機能層用組成物から形成されたものであり、例えば、上述した機能層用組成物を適切な基材の表面に塗布して塗膜を形成した後、形成した塗膜を乾燥することにより、形成することができる。即ち、本発明の機能層は、上述した機能層用組成物の乾燥物よりなり、通常、重合体Aを含有し、任意に、重合体B、非導電性粒子、およびその他の成分を含有する。なお、重合体Aおよび/または重合体Bが架橋性単量体単位を含有する場合には、当該架橋性単量体単位を含有する重合体は、機能層用組成物の乾燥時、或いは、乾燥後に任意に実施される熱処理時などに架橋されていてもよい(即ち、機能層は、重合体Aおよび/または重合体Bの架橋物を含んでいてもよい)。
そして、本発明の機能層は、上述した機能層用組成物を用いて形成しているので、接着性に優れ、さらに、当該機能層を備える二次電池の出力特性を向上させることができる。
<基材>
ここで、機能層用組成物を塗布する基材に制限は無く、例えば離型基材の表面に機能層用組成物の塗膜を形成し、その塗膜を乾燥して機能層を形成し、機能層から離型基材を剥がすようにしてもよい。このように、離型基材から剥がされた機能層を自立膜として二次電池の電池部材の形成に用いることもできる。具体的には、離型基材から剥がした機能層をセパレータ基材の上に積層して機能層を備えるセパレータを形成してもよいし、離型基材から剥がした機能層を電極基材の上に積層して機能層を備える電極を形成してもよい。
しかし、機能層を剥がす工程を省略して電池部材の製造効率を高める観点からは、基材としてセパレータ基材または電極基材を用いることが好ましい。
<<セパレータ基材>>
セパレータ基材としては、特に限定されないが、有機セパレータ基材などの既知のセパレータ基材が挙げられる。有機セパレータ基材は、有機材料からなる多孔性部材であり、有機セパレータ基材の例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などを含む微多孔膜または不織布などが挙げられ、強度に優れることからポリエチレン製の微多孔膜や不織布が好ましい。
<<電極基材>>
電極基材(正極基材及び負極基材)としては、特に限定されないが、集電体上に電極合材層が形成された電極基材が挙げられる。
ここで、集電体、電極合材層中の電極活物質(正極活物質、負極活物質)及び電極合材層用結着材(正極合材層用結着材、負極合材層用結着材)、並びに、集電体上への電極合材層の形成方法には、既知のものを用いることができ、例えば特開2013-145763号公報に記載のものを用いることができる。
<機能層の形成方法>
上述したセパレータ基材、電極基材などの基材上に機能層を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。
1)本発明の機能層用組成物をセパレータ基材または電極基材の表面(電極基材の場合は電極合材層側の表面、以下同じ)に塗布し、次いで乾燥する方法;
2)本発明の機能層用組成物にセパレータ基材または電極基材を浸漬後、これを乾燥する方法;及び
3)本発明の機能層用組成物を離型基材上に塗布し、乾燥して機能層を製造し、得られた機能層をセパレータ基材または電極基材の表面に転写する方法。
これらの中でも、前記1)の方法が、機能層の層厚制御をしやすいことから特に好ましい。前記1)の方法は、詳細には、機能層用組成物を基材上に塗布する工程(塗布工程)と、基材上に塗布された機能層用組成物を乾燥させて機能層を形成する工程(機能層形成工程)を含む。
<<塗布工程>>
そして、塗布工程において、機能層用組成物を基材上に塗布する方法としては、特に制限は無く、例えば、ドクターブレード法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。
<<機能層形成工程>>
また、機能層形成工程において、基材上の機能層用組成物を乾燥する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。乾燥法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度は好ましくは50~150℃で、乾燥時間は好ましくは5~30分である。
<機能層の厚み>
そして、本発明の機能層用組成物を用いて形成される機能層の厚みは、0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。機能層の厚みが0.5μm以上であれば、保護機能をさらに高めることができるので、機能層を設けた電池部材の耐熱性や強度を高めることができる。また、機能層の厚みが5μm以下であれば、二次電池の出力特性をさらに向上させることができる。
(機能層を備える電池部材)
本発明の機能層を備える電池部材(セパレータ及び電極)は、本発明の効果を著しく損なわない限り、セパレータ基材または電極基材と、本発明の機能層との他に、上述した本発明の機能層以外の構成要素を備えていてもよい。ここで、本発明の機能層以外の構成要素としては、本発明の機能層に該当しないものであれば特に限定されることない。
(非水系二次電池)
本発明の二次電池は、上述した本発明の機能層を備えるものである。より具体的には、本発明の二次電池は、正極、負極、セパレータ、及び電解液を備え、上述した機能層が、電池部材である正極、負極及びセパレータの少なくとも一つに含まれる。そして、本発明の非水系二次電池は、優れた電池特性(例えば、出力特性)を発揮し得る。
<正極、負極及びセパレータ>
本発明の二次電池に用いる正極、負極及びセパレータは、少なくとも一つが本発明の機能層を含む。具体的には、機能層を有する正極及び負極としては、集電体上に電極合材層を形成してなる電極基材の上に本発明の機能層を設けてなる電極を用いることができる。また、機能層を有するセパレータとしては、セパレータ基材の上に本発明の機能層を設けてなるセパレータを用いることができる。なお、電極基材及びセパレータ基材としては、「非水系二次電池用機能層」の項で挙げたものと同様のものを用いることができる。
また、機能層を有さない正極、負極及びセパレータとしては、特に限定されることなく、上述した電極基材よりなる電極及び上述したセパレータ基材よりなるセパレータを用いることができる。
<電解液>
電解液としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、例えば、リチウムイオン二次電池においてはリチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどが挙げられる。なかでも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すので、LiPF、LiClO、CFSOLiが好ましい。なお、電解質は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。通常は、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液に使用する有機溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、例えばリチウムイオン二次電池においては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ-ブチロラクトン、ギ酸メチル等のエステル類;1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類;などが好適に用いられる。また、これらの溶媒の混合液を用いてもよい。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いので、カーボネート類が好ましい。通常、用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、溶媒の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
なお、電解液中の電解質の濃度は適宜調整することができる。また、電解液には、既知の添加剤を添加してもよい。
(非水系二次電池の製造方法)
上述した本発明の二次電池は、例えば、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて、巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することで製造することができる。なお、正極、負極、セパレータのうち、少なくとも一つの部材を機能層付きの部材とする。また、電池容器には、必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をしてもよい。電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
また、複数種類の単量体を共重合して製造される重合体において、ある単量体を重合して形成される単量体単位の前記重合体における割合は、別に断らない限り、通常は、その重合体の重合に用いる全単量体に占める当該ある単量体の比率(仕込み比)と一致する。
実施例および比較例において、重合体の溶媒に対する性質、重合体のNMP不溶解分量、重合体のガラス転移温度、コア部の重合体の粒子径、機能層を介した電池部材間の接着性、並びに、二次電池の出力特性および釘刺し試験は、下記の方法で測定および評価した。結果は何れも表1に示す。
<重合体の溶媒に対する性質>
重合体が、溶媒に対して、易分散性、易溶解性、および易析出性の何れの性質を有するかを、以下の方法で溶媒不溶解分量およびろ過後固形分濃度維持率を測定した上で、以下の基準で特定した。
[溶媒不溶解分量]
溶媒中に8%の濃度で重合体が含まれる組成物25gを1Lメタノールに滴下し、重合体を析出させた。析出した重合体を、25℃環境下で24時間真空乾燥することで、乾燥重合体(質量:W1g)を得た。得られた乾燥重合体を、60℃の溶媒中に72時間放置後、200メッシュでろ過することにより不溶解分を分離した。不溶解分をメタノールで洗浄後、25℃環境下で24時間乾燥させて、乾燥不溶解分(質量:W2g)を得た。上記W1とW2から、溶媒不溶解分量(=W2/W1×100(質量%))を算出した。
[ろ過後固形分濃度維持率]
上記溶媒不溶解分量が50%超のものについて、以下の操作を行った。
溶媒中に1%の濃度で重合体が含まれる組成物を調製し、当該組成物を200メッシュでろ過した。そして、ろ過前の固形分濃度W3(%)とろ過後の固形分濃度W4(%)から、ろ過後固形分濃度維持率(=W4/W3×100(%))を算出した。
[基準]
易溶解性:溶媒不溶解分量が50%以下
易分散性:溶媒不溶解分量が50%超であり且つろ過後固形分濃度維持率が50%超
易析出性:溶媒不溶解分量が50%超であり且つろ過後固形分濃度維持率が50%以下
<重合体のNMP不溶解分量>
コアシェル構造を有する重合体のコア部の重合体およびシェル部の重合体については、コア部およびシェル部の形成に用いた単量体および各種添加剤等を使用し、当該コア部およびシェル部の重合条件と同様の重合条件で、測定試料となる重合体(コア部の重合体およびシェル部の重合体)を含む水分散液をそれぞれ調製した。調製した水分散液をNMPで溶媒置換して、NMP中に8%の濃度で重合体が含まれる組成物を準備し、測定試料とした。
また、コアシェル構造を有する重合体、非複合重合体については、当該重合体を含む水分散液を準備した。調製した水分散液をNMPで溶媒置換して、NMP中に8%の濃度で重合体が含まれる組成物を準備し、測定試料とした。
そして、溶媒としてNMPを使用して、上記「溶媒不溶解分量」と同じ手順で、NMP不溶解分量を算出した。
<ガラス転移温度>
コアシェル構造を有する重合体のコア部の重合体およびシェル部の重合体については、コア部およびシェル部の形成に用いた単量体および各種添加剤等を使用し、当該コア部およびシェル部の重合条件と同様の重合条件で、測定試料となる重合体(コア部の重合体およびシェル部の重合体)を含む水分散液をそれぞれ調製した。そして、調製した水分散液を乾固させて、測定試料とした。
また、非複合重合体については、当該非複合重合体を含む水分散液を準備し、当該水分散液を乾固させて、測定試料とした。
測定試料10mgをアルミパンに計量し、示差熱分析測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR DSC6220」)にて、測定温度範囲-100℃~500℃の間で、昇温速度10℃/分で、JIS Z 8703に規定された条件下で測定を実施し、示差走査熱量分析(DSC)曲線を得た。なお、リファレンスとして空のアルミパンを用いた。この昇温過程で、微分信号(DDSC)が0.05mW/分/mg以上となるDSC曲線の吸熱ピークが出る直前のベースラインと、吸熱ピーク後に最初に現れる変曲点でのDSC曲線の接線との交点を、ガラス転移温度(℃)として求めた。
<コア部の重合体の粒子径>
水分散液中のコア部の重合体の体積平均粒子径を測定した。具体的には、体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所社製「SALD-3100」)により測定された粒子径分布において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径とした。
<機能層を介した電池部材間の接着性>
機能層を介した電池部材間(負極およびセパレータ)間の接着性は以下の通りピール強度を測定して評価した。
具体的には、作製された機能層付きの負極と、セパレータとを、それぞれ幅10mm×長さ50mmに切り出した。次に、切り出された機能層付き負極と、セパレータとを、機能層とセパレータが対向するように重ね合わせ、温度90℃下、荷重1MPaの平板プレスで1分間プレスすることにより、負極とセパレータが機能層を介して一体化した試験片を得た。得られた試験片の負極(集電体)側を下にして、集電体表面にセロハンテープを貼り付けた。この際、セロハンテープとしてはJIS Z1522に規定されるものを用い、セロハンテープは水平な試験台に固定した。そして、試験片のうちセパレータ側の一端を、50mm/分の速度で鉛直方向に引っ張って剥がしたときの応力を測定した。同様の測定を3回行い、測定結果の平均値をピール強度とし、以下の基準にて接着性を判定した。ピール強度の値が大きいほど、機能層を介した電池部材間の接着性に優れることを示す。
A:ピール強度が10N/m以上
B:ピール強度が1N/m以上10N/m未満
C:ピール強度が1N/m未満
<出力特性>
製造した800mAh積層型リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下で24時間静置した。その後、25℃の環境下で、0.1Cの充電レートで5時間の充電操作を行い、充電操作後の電圧V0を測定した。
次に、-10℃環境下で、1Cの放電レートにて放電操作を行い、放電開始から15秒後の電圧V1を測定した。そして、電圧変化ΔVを、ΔV=V0-V1の式にて計算した。当該電圧変化ΔVの値が小さいほど、二次電池の低温出力特性が優れていることを示す。
A:電圧変化ΔVが350mV未満
B:電圧変化ΔVが350mV以上550mV未満
C:電圧変化ΔVが550mV以上
<釘刺し試験>
製造した800mAh積層型リチウムイオン二次電池を、90℃、1MPa、2分間プレスした。その後、室温環境下で樹脂製ピンにより積層中央部を突き刺し、1分後の二次電池の状況を確認し、以下の基準にて評価した。釘刺し試験の結果が良好であるほど、電解液中において、機能層を介した電池部材間の接着性に優れることを示す。
A:電池電圧の降下が見られず、発熱が無い。
B:電池電圧が降下するが、発熱が無い。
C:電池電圧が降下し、さらに発熱がある。
(実施例1)
<重合体Aの調製>
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてのメチルメタクリレート32.4部およびn-ブチルアクリレート44部、酸性基含有単量体としてのメタクリル酸3.2部、架橋性単量体としてのアリルメタクリレート0.4部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、イオン交換水150部、および、重合開始剤としての過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、60℃に加温することによりコア部の重合体の重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で、加温を継続しながら、芳香族モノビニル単量体としてのスチレン18部、酸性基含有単量体としてのメタクリル酸2部を添加してシェル部の重合体の重合を開始した。その後、冷却して重合反応を停止することにより、コアシェル構造を有する重合体Aの水分散液を調製した。
得られた水分散液に対し、固形分濃度が14%となるようにNMPを添加し、添加後、攪拌しながら加温、脱水することにより、重合体AのNMP分散液を得た。
<重合体Bの調製>
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名「エマール2F」)0.15部、および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。
一方、別の容器に、イオン交換水50部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてのn-ブチルアクリレート80部、ニトリル基含有単量体としてのアクリロニトリル20部を供給し、混合することにより、単量体混合物を得た。当該単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。なお、単量体混合物の添加中は、温度60℃下で重合反応を続けた。添加終了後、さらに温度70℃下で3時間撹拌して重合反応を終了し、重合体Bを含む水分散液を調製した。
得られた水分散液に対し、固形分濃度が8%となるようにNMPを添加し、添加後、攪拌しながら加温、脱水することにより、重合体BのNMP溶液を得た。
<機能層用組成物の調製>
非導電性粒子としてのアルミナ(住友化学社製、製品名「AKP3000」)を81部(固形分相当)と、上述で得られた重合体BのNMP溶液を6部(固形分相当)混合した。得られた混合液に対し、固形分濃度が42%となるようNMPを追加し、ビーズミルを用いて混合することにより、アルミナを分散させた。その後、重合体AのNMP分散液を13部(固形分相当)添加し、スリーワンモーターで撹拌することにより、機能層用組成物を得た。得られた機能層用組成物中、重合体Aの濃度は5.5%であり、重合体Bの濃度は2.5%であった。
<機能層付き負極の作製>
負極活物質としての人造黒鉛(体積平均粒子径:15.6μm)97部、及び、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(日本製紙社製、製品名「MAC350HC」)の2%水溶液を固形分相当で1部混合し、イオン交換水を加えて固形分濃度を68%に調整した。次いで、温度25℃下で60分間撹拌し、混合液を得た。得られた混合液に、イオン交換水を更に加えて固形分濃度を62%に調整し、その後、温度25℃下で15分間撹拌を行った。
当該混合液に、負極用結着材の水分散液(日本ゼオン社製、製品名「BM-451B」、固形分濃度40%)を固形分相当で2部加え、イオン交換水を加えて、最終固形分濃度を52%にし、10分間撹拌を続けて、重合体混合液を得た。当該重合体混合液を減圧下で脱泡処理し、負極用スラリー組成物を得た。
得られた負極用スラリー組成物を、負極用集電体としての銅箔(厚さ20μm)の一方の面の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるようにコンマコーターを用いて塗布した。次に、負極用スラリー組成物が塗布された銅箔を、0.5m/分の速度で温度60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより、当該負極用スラリー組成物を乾燥させた。その後、負極用スラリー組成物が塗布された銅箔に対し、温度120℃下にて2分間加熱処理を行った。これにより、負極用集電体の一方の面に負極用合材層を形成した。引き続いて、同じ操作を、負極用集電体のもう一方の面に対しても行うことにより、負極用集電体、及びその両面の上に設けられた負極合材層を備える負極原反を得た。当該負極原反をロールプレスで圧延することにより、各面の負極合材層の厚みが80μmである負極を得た。
得られた負極の一方の面に対して、機能層用組成物を乾燥後の膜厚が4μmとなるようにグラビアコーターを用いて塗布した。次に機能層用組成物が塗布された負極を0.5m/分の速度で温度50℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより、機能層用組成物を乾燥させ、負極の一方の面に機能層を形成した。引き続いて、同じ操作を、負極のもう一方の面に対しても行うことにより、負極、及びその両面の上に設けられた機能層を備える負極(機能層付き負極)を得た。
<正極の作製>
正極活物質としてのNMC(LiNi0.8Co0.1Mn0.1)を94部、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業社製、製品名「HS-100」)を3部、及び、正極用結着材としてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、製品名「#7208」)を固形分相当で3部混合し、当該混合物に溶媒としてN-メチルピロリドンを加え、全固形分濃度を70%に調整した混合液を得た。そして、当該混合液をプラネタリーミキサーにより混合した。これにより、正極用スラリー組成物を得た。
得られた正極用スラリー組成物を、正極用集電体としてのアルミニウム箔(厚さ20μm)の一方の面の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるようにコンマコーターを用いて塗布した。次に、正極用スラリー組成物が塗布されたアルミニウム箔を、0.5m/分の速度で温度60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより、当該正極用スラリー組成物を乾燥させた。その後、正極用スラリー組成物が塗布されたアルミニウム箔に対し、温度120℃下にて2分間加熱処理を行った。これにより、正極用集電体の一方の面に正極用合材層を形成した。引き続いて、同じ操作を、正極用集電体のもう一方の面に対しても行うことにより、正極用集電体、及びその両面の上に設けられた正極合材層を備える正極原反を得た。当該正極原反をロールプレスで圧延することにより、各面の正極合材層の厚みが80μmである正極を得た。
<二次電池の製造>
上述で得られた正極を切り出し、4.9cm×5.0cmの正極を10枚得た。また、ポリオレフィン製のセパレータを切り出し、5.5cm×5.5cmのセパレータを20枚得た。また、上述で得られた負極を切り出し、5.0cm×5.2cmの負極を11枚得た。
これらを重ねて、(負極)/(セパレータ)/(正極)/(セパレータ)/(負極)/(セパレータ)/(正極)/・・・・・/(負極)の層構成を有する積層体を得た。得られた積層体を温度70℃及び圧力1.0MPaのプレス条件で8秒間プレスした。
そして、プレス後積層体を、非水系二次電池用の外装材としてのアルミニウム包材で包んだ。続いて、アルミニウム包材が形成する空間に、電解液(電解質:濃度1MのLiPF6、溶媒:エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)/ビニレンカーボネート(VC)=68.5/30/1.5(体積比))を空気が残らないように注入した。さらに、アルミニウム包材の開口を150℃でヒートシールすることにより、アルミニウム外装を密封閉口した。これにより、容量が800mAhである積層型リチウムイオン二次電池を製造した。
(実施例2)
機能層用組成物の調製時に、重合体Bを添加せず、重合体Aを19部添加した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(実施例3)
機能層用組成物の調製時に、重合体Aの量を6部、重合体Bの量を13部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(実施例4)
重合体Aおよび重合体Bの調製時、並びに機能層用組成物の調製時に、NMPに替えてDMAcを使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(実施例5、8)
重合体Aの調製時に、コア部の重合体の組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(実施例6)
重合体Bの調製時に、シェル部の重合体の組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(実施例7)
以下のようにして調製した非複合重合体である重合体Aを使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
<重合体Aの調製>
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名「エマール2F」)0.15部、および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。
一方、別の容器に、イオン交換水50部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてのメチルメタクリレート32.4部およびn-ブチルアクリレート44部、酸性基含有単量体としてのメタクリル酸5.2部、架橋性単量体としてのアリルメタクリレート0.4部、芳香族モノビニル単量体としてのスチレン18部を供給し、混合することにより、単量体混合物を得た。当該単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。なお、単量体混合物の添加中は、温度60℃下で重合反応を続けた。添加終了後、さらに温度70℃下で3時間撹拌して重合反応を終了し、重合体Bを含む水分散液を調製した。
得られた水分散液に対し、固形分濃度が14%となるようにNMPを添加し、添加後、攪拌しながら加温、脱水することにより、重合体AのNMP分散液を得た。
(比較例1)
重合体Aの調製時に、コア部の重合体の組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、重合体B、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(比較例2)
重合体Aの調製時に溶媒置換を行わず、そして、機能層用組成物の調製時にNMPに替えて水を使用し、且つ重合体Bに替えてカルボキシメチルセルロース(日本製紙社製、製品名「MAC200HC」)を使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体A、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(比較例3)
機能層用組成物の調製時、重合体A、Bに替えてカルボキシメチルセルロース(日本製紙社製、製品名「MAC200HC」)を使用し、そしてNMPに替えて水を使用した以外は、実施例1と同様にして、機能層用組成物、機能層付き負極、正極、セパレータ、および二次電池を製造した。そして、各種評価を行った。
(比較例4)
<重合体Aの調製>
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名「エマール2F」)0.15部、および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。
一方、別の容器に、イオン交換水50部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてのメチルメタクリレート40.5部およびn-ブチルアクリレート55部、酸性基含有単量体としてのメタクリル酸4部、架橋性単量体としてのアリルメタクリレート0.3部を供給し、混合することにより、単量体混合物を得た。当該単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。なお、単量体混合物の添加中は、温度60℃下で重合反応を続けた。添加終了後、さらに温度70℃下で3時間撹拌して重合反応を終了し、重合体Aを含む水分散液を調製した。
得られた重合体Aは、NMPに対して易析出性であっため、当該重合体Aを結着材として用いても、二次電池の製造に使用しうる機能層を形成することはできなかった。
なお、以下に示す表1中、
「コアシェル」は、コアシェル構造を有する重合体を示し、
「非複合」は、非複合重合体を示し、
「MMA」は、メチルメタクリレート単位を示し、
「BA」は、n-ブチルアクリレート単位を示し、
「MAA」は、メタクリル酸単位を示し、
「AMA」は、アリルメタクリレート単位を示し、
「BD」は、1,3-ブタジエン単位を示し、
「ST」は、スチレン単位を示し、
「AN」は、アクリロニトリル単位を示し、
「CMC」は、カルボキシメチルセルロースを示す。
Figure 0007020475000001
表1より、有機溶媒と、当該有機溶媒に対して易分散性である重合体Aを含む実施例1~8の機能層用組成物を用いれば、接着性に優れる機能層を形成できると共に、当該機能層を備える負極を使用することで、二次電池に優れた出力特性を発揮させ得ることがわかる。
また、表1より、有機溶媒および当該有機溶媒に対して易溶解性である重合体を含む機能層用組成物を用いた比較例1、水および水に対して易分散性である重合体を含む機能層用組成物を用いた比較例2、並びに、水および水に対して易溶解性である重合体を含む機能層用組成物を用いた比較例3では、機能層の接着性を確保することができず、また二次電池の出力特性も低下することがわかる。そして上述したように、有機溶媒と、当該有機溶媒に対して易析出性である重合体を含む比較例4の機能層用組成物では、二次電池の製造に使用しうる機能層を形成することができなかった。
本発明によれば、非水系二次電池に優れた出力特性を発揮させると共に、接着性に優れる非水系二次電池用機能層を形成可能な非水系二次電池機能層用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、非水系二次電池に優れた出力特性を発揮させると共に、接着性に優れる非水系二次電池用機能層を提供することができる。
そして、本発明によれば、出力特性に優れる非水系二次電池を提供することができる。

Claims (6)

  1. 結着材および有機溶媒を含む非水系二次電池機能層用組成物であって、
    前記結着材が重合体Aを含み、
    前記重合体Aが前記有機溶媒に対して易分散性であり、
    前記重合体Aが、コア部および前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を備えるコアシェル構造を有し、
    前記コア部が、N-メチル-2-ピロリドン不溶解分量が60質量%以上100質量%以下の重合体からなり、
    前記シェル部が、N-メチル-2-ピロリドン不溶解分量が0.1質量%以上80質量%未満の重合体からなる、非水系二次電池機能層用組成物。
  2. 前記結着材がさらに重合体Bを含み、
    前記重合体Bが前記有機溶媒に対して易溶解性である、請求項1に記載の非水系二次電池機能層用組成物。
  3. 前記有機溶媒が極性溶媒である、請求項1または2に記載の非水系二次電池機能層用組成物。
  4. さらに非導電性粒子を含む、請求項1~3の何れかに記載の非水系二次電池機能層用組成物。
  5. 請求項1~4の何れかに記載の非水系二次電池機能層用組成物を用いて形成した、非水系二次電池用機能層。
  6. 請求項5に記載の非水系二次電池用機能層を備える、非水系二次電池。
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