JP7019685B2 - 鏡像異性体混合物から鏡像異性体を濃縮する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融結晶化装置での分別溶融結晶化によって、鏡像異性体混合物から鏡像異性体を濃縮する方法に関する。本発明は、具体的に言うと、特にD/L-イソプレゴールの、鏡像異性体に富むキラルテルペンを生成する方法に関する。
光学活性を除いて、鏡像異性体は同一の物理的性質を有する。したがって、2種の鏡像異性体の混合物は、最も慣例的なプロセスエンジニアリング分離操作、例えば沸点の差に基づく蒸留で、分離することができない。鏡像異性体を分離又は濃縮する分離プロセスは、しばしば、より複雑で費用がかかる。ある慣例的な方法は、DC、GC、又はHPLCによるクロマトグラフィー手段による分離であり、キラル錯化パートナー(a chiral complexing partner)が固定相を形成する。
多くの活性医薬成分の場合、その焦点は、生化学ラセミ化合物の分離に当てられる。酵素は、エナンチオ選択的に基質をしばしば変換するので、これらの又は対応する微生物は、所望の鏡像異性体を保存したまま1種の鏡像異性体を代謝するものが用いられる。
しかし鏡像異性体は、一般に、結晶化によってより単純に且つ高い費用効率で分離することができる。ラセミ化合物を分離する、ある公知の方法は、いわゆる優先又は選好晶析である。このプロセスは、いわゆる集塊形成(conglomerate-forming)系、即ち鏡像異性体が固相に不混和である系が関わることを前提として、ラセミ体混合物の分解を可能にする。
出発混合物が、共晶組成を上回って1種の鏡像異性体に富む場合-例えば、光学活性な出発化合物からの合成によって又は上流クロマトグラフィーステップによって-、エナンチオ選択的結晶化が可能である。これにより、濃縮した鏡像異性体の晶析物及び鏡像異性体の共晶組成を有する母液がもたらされる。
このように、特許文献1は、溶融結晶化によって、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーに富むイソプレゴールを生成する方法を開示する。この方法は、溶媒が存在しない状態で、且つ例えば結晶化核剤のようなさらなる補助物質なしで、単純な装置及びプロセスエンジニアリング条件の下で、鏡像異性体の濃縮をもたらす。
溶融結晶化では、分離される混合物の液体溶融物を結晶化装置に投入する。所望の目標生成物の結晶層を、出発混合物の融点よりも低く冷却した冷却表面に形成する。望ましくない副生成物が、溶融母液中にかなり残る。したがって溶融母液を放出し、第1の精製を実現する。さらなる精製を、いわゆる発汗により行うことができ、この場合、結晶層の温度を、冷却表面を介して融点のすぐ下まで上昇させる。したがって、残りの溶融母液との界面で結晶層の一部が初めに溶融し、非精製溶融母液に取って代わる。さらに、このことが、結晶に捕捉された母液を放出する。溶融した発汗画分を放出し、残りの晶析物のさらなる精製が実現される。発汗が終了すると、残りの結晶層が溶出する。発汗から溶融への切換え点は、重要である。発汗持続時間が短すぎる場合、多結晶質の所望の純度は、実際には実現されない。発汗持続時間が長すぎる場合、所望の純度は実現されるが、最終的には、必要以上に大量の純粋な目標生成物が発汗画分になる。特に高純度の目標生成物が目標とされる場合、不変の動作パラメーターにも関わらず、溶融結晶化の進行が決して完全には再現可能にならないので、切換え点の能動的な制御がさらになお重要である。
特許文献2は、化合物形成システムでラセミ化合物を分離する方法について記述しており、最初に、1種の鏡像異性体が濃縮された画分が、例えばクロマトグラフィーによってラセミ混合物から生成するが、これは第2のステップにおいて、前記画分に所望の鏡像異性体をシーディングし且つそれを選好晶析によって溶媒から濃縮させるためである。個々のプロセスステップのモニタリングは、とりわけ旋光測定によって、好ましくはその他の測定、例えば密度測定と組み合わせて行ってもよい。このモニタリングは、所望の鏡像異性体の結晶化を中断しなければならない点の確認を可能にすると言われる。特に、水溶液からのマンデル酸の結晶化について記述されており、溶液の組成が、複合型オンライン旋光分析及びオンライン密度測定によってモニターされる。
非特許文献1は、特許文献2と同様に、選好晶析をモニタリングするための、複合型オンライン旋光分析及びオンライン密度測定の適用について記述する。
記述される文献では、所望の成分を晶析することができるようにするために、正しい熱力学的相領域が試験されるよう、オンライン旋光計が選好晶析に使用される。溶融結晶化の分野での適用については述べていない。
国際公開第2007/023109号 欧州特許出願公開第1924540号
Lorenz, H., Polenske, D.及びSeidel-Morgenstern, A., Chirality, 18: 828-840 (2006)
分別溶融結晶化による鏡像異性体混合物からの鏡像異性体の濃縮では、少なくとも発汗画分の旋光度が旋光計を用いてオンラインで決定された場合、特に効率的な手法で所望の鏡像異性体の高濃縮が実現され、ステップii)からステップiii)への移行が少なくとも1つの制御ユニットを用いてオンラインで制御されることが、ついに見出された。このことはさらに、所望の鏡像異性体の高光学純度と共に、再現の非常に容易な濃縮を実現することを可能にする。
したがって本発明は、溶融結晶化装置内での分別溶融結晶化により、鏡像異性体混合物から鏡像異性体を濃縮する方法であって、
i)晶析物及び溶融母液を得て、溶融母液を晶析物から除去して、溶融母液画分をもたらす結晶化ステップ、
ii)ステップi)で得られた晶析物の発汗を行って、溶融発汗画分及び発汗済み晶析物をもたらすステップ、及び
iii)その後に発汗済み晶析物を溶融して、溶融晶析物画分をもたらすステップ
を備え、
少なくとも発汗画分の旋光度が、旋光計を使用してオンラインで決定され、ステップii)からステップiii)への移行が、少なくとも1つの制御ユニットを用いてオンラインで制御される方法に関する。
「オンラインで決定する」及び「オンラインで制御する」という用語は、それぞれの場合に、共通の通信ネットワークを介したユーザーの対話による(対話処理)或いはユーザーの対話なし(スタック処理)でのタスクの実行の両方を含んでいてもよい、オンライン処理操作を原則として意味すると理解されよう。特にオンライン処理は、データの自動転送、任意選択でデータの記憶(後のさらなる処理又は文書化のため)、及び/又はデータの即時のさらなる処理による、通信ネットワークという文脈で、コマンドシーケンスの実行を含む。
本発明の文脈で、「オンラインで決定する」という用語は、プロセス中に、それぞれの画分の旋光度であるが少なくとも発汗画分の旋光度が、旋光計を用いて、好ましくは試料をシステムから取り出すことなく、測定された変数として連続的に捕捉されることを意味すると理解される。
「オンラインで制御する」という用語は、ここ及び下記において、データ及び/又は制御変数の転送、ここではそれぞれの画分の旋光度の転送であって、センサー間、ここでは旋光計、及びアクチュエーターの間にあり、共通通信ネットワークを介したアクティブ接続を用いたものを、意味すると理解される。
ステップ(c)で、本発明によれば、発汗画分の旋光度の実測値は、オンライン/インラインで決定される。
本発明の文脈において、「インラインで決定する」という用語は、「オンラインで決定する」という用語と同義で使用され、プロセス中の旋光度が、連続的に、好ましくは試料を実行プロセスから取り出すことなしに、捕捉されることを意味する。
したがって本発明の制御タスクでは、発汗画分の旋光度は、特に、旋光計を用いて、測定値としてオンライン/インラインで捕捉され、付随する鏡像体過剰率の値(EE値)は、例えば事前に作成された較正曲線を使用して旋光度からオンラインで決定され得るものであり、任意選択でオンラインで決定され、ステップii)からステップiii)への変化は、制御ユニットを用いてオンラインで制御される。
原則として、冷却表面での結晶の形成に基づいて機能する、任意の溶融結晶化装置を用いることが可能である。本発明による方法は、動的プロセス若しくは静的プロセス又はこれら2つのプロセスの組合せとして行ってもよい。静的溶融結晶化が好ましい。静的プロセスでは、液相は自然対流によってのみ移動するが、動的プロセスでは、結晶化は、液相の強制対流により行われる。これは、満液式熱交換機の強制流動を通して又は細流液膜を冷却壁面に適用することを通して、行ってもよい。
溶融結晶化が層状結晶化として行われる場合、特に冷却表面での静的層状結晶化として又は流下膜結晶化として行われる場合が好ましい。溶融結晶化装置は、好ましくは流下膜晶析器又はプレート晶析器として構成される。
したがって本発明による方法は、動的層状結晶化の形で行ってもよい。好ましい実施形態の文脈において、この変形例は、例えばG. F. Arkenbout, MeIt Crystallization Technology, Lancater/PA, Technomic Publ. Co., 1995 (chapt. 6.2)に記載されるような管束熱交換機で行われる。溶融物及び冷却剤は、例えば細流液膜の形で、熱交換機の内壁及び外壁に沿って導かれる。このタイプの装置は、重力の作用の下での単純な放出による、循環ポンプ以外のさらなる撹拌手段を必要としない、得られた晶析物の、溶融母液からのより容易な除去/得られた発汗画分の、より容易な除去を可能にする。
分離される混合物の液体溶融物を、典型的には、純粋な鏡像異性体の融点よりも高い、溶融ダイアグラムから認識される温度で、溶融結晶化装置に投入する。動的層状結晶化を行うには、分離される混合物の液体溶融物を投入し、ポンプ循環によって冷却管束熱交換機を通過させる。本発明により好まれる静的層状結晶化では、分離され/濃縮される鏡像異性体混合物の液体溶融物を、任意選択でフィンを備える、例えば冷却されたプレート又は管の形をとる冷却可能な表面を有する結晶化装置に投入する。
冷却された表面は、出発混合物の融点よりも低く冷却され、ある過冷却後、所望の鏡像異性体を含む結晶層が表面に形成される。有利な結晶化の結果を実現するには、約5時間から約24時間かけて、好ましくは約7時間から約19時間かけて、約1mmから約50mm、好ましくは約5mmから約30mmの厚さを有する結晶層が形成されるように、冷媒温度を低減させることが好ましく選択される。そのために必要な冷却剤の温度は、それぞれの溶融温度よりも一般に約2Kから約32K、好ましくは約4Kから約15K低い。
望ましくない鏡像異性体及び任意のその他の不純物が、溶融母液中にかなり残される。溶融物を、ある終了温度までさらに冷却する。次いで残されたままの溶融母液を放出する。ある量の不純物が含まれる溶融母液が結晶層上に残り、場合によっては結晶中に捕捉されることもある。さらなる精製のため、本発明による方法は、発汗ステップを設ける。この場合、結晶層の温度を、冷却表面を介して融点の直下まで上昇させる。このように残りの溶融母液との界面にある結晶層の一部は、最初に溶融し、不純物を含む溶融母液と入れ替わる。さらに、結晶中に捕捉された母液が放出される。さらに、複合溶融母液を依然として含む結晶層中の細孔が開放され得る。このため残りの晶析物のさらなる精製が実現される。有利な伝熱媒体温度は、それぞれの場合に結晶化に使用される鏡像異性体混合物の融点よりも約0.1Kから約15K低い範囲にある。この「発汗」プロセスにおける純度の要件に応じて、晶析物の約1から約70wt%、しばしば約20から約50wt%が再び溶融する。
発汗中に生成した液体発汗画分を、排出処理により除去する。発汗が終了すると、温度が、純粋な物質の融点よりも高く上昇し、残りの結晶層が溶出する。
本発明による方法は、1つ以上の結晶化段階で行われる。結晶化段階は、一般に、精製段階とストリッピング(stripping)段階に分割し得る。分離効率を高めるため、結晶化段階の後にさらなる精製(結晶化)段階を行ってもよく、それぞれの場合に、先行する段階の晶析物が結晶化される。プロセスの収率を高めるため、液体残留物相がストリッピング(結晶化)段階に供されるいわゆるストリッピング段階を行ってもよい。これは好ましくは、向流の原理に従い進行し、晶析物流が、次に高い段数を持つ段階に供給され、結晶化残留物流が、次に低い段数を持つ段階に供給される。結晶化段階の数、したがって精製及びストリッピング段階の数も分離タスクに依存し、慣例の実験の文脈において当業者により決定され得る。
3種の画分である溶融母液(残留物)、発汗画分、及び溶融晶析物は、一般に、分配ブロックを介して、以後、緩衝容器とも呼ばれる個別の容器に投入される。プロセス構成に応じて、残留物及び溶融晶析物は、廃棄物として又は価値ある生成物としてプロセスから放出され、又は複数の結晶化段階が互いに組み合わされた場合には、画分がさらなるストリッピング若しくは精製段階に入る。発汗画分は、一般に、当初の供給原料の組成に非常に類似した組成を有し、したがって内部で再生利用され、即ち、後続の実験で、元の晶析器に新鮮な供給原料と一緒に送られる。
本発明によれば、少なくとも発汗画分の旋光度は、旋光計によりオンラインで決定される。それに特に適しているのは、磁気光学補償の原理に従い動作するプロセス旋光計である。従来の旋光計は、機械的に回転する分析機を介して旋光度を測定する。機械的回転は、摩耗に繋がり、測定精度の低下を徐々にもたらす。磁気光学補償測定原理は、ファラデー効果に基づき、可動部品を必要としない。磁気コイルの芯を形成するガラス棒は、コイルの中を流れる直流電流に比例して光学的に活性になる。プロセス液体の旋光度は、電流及び極性を調節することによって補償される。
旋光計は、好ましくは、ステップi)からiii)で生成した溶融物に合わせて溶融結晶化装置の放流管内に配置構成されてもよい。或いは、旋光計は、放流管へのバイパス内に設置されてもよい。分配ブロックまでの放流管内の代わりに、分配ブロックから発汗容器まで、放流管内に旋光計を設置することがさらに可能である。しかし、弁ブロックが、旋光計直下の下流に配置構成される場合が好ましい。
ステップii)からステップiii)への移行は、少なくとも1つの制御ユニットを用いてオンラインで制御される。少なくとも1つの制御ユニットは、好ましくは旋光計にデータで連結される。この制御ユニットは、特にコンピューターである。制御ユニットは一般に、放流管内に配置され、且つ放流管に及び生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの緩衝容器に接続された弁ブロックを制御する。制御ユニットは、溶融結晶化装置から、ステップi)からiii)で生成した溶融物用の容器への放出を決定する、弁(又は複数の弁)の位置を制御する。さらに制御ユニットは、特に、溶融結晶化装置の冷却表面の温度を制御するように構成される。このために、制御ユニットは、好ましくは冷却剤の温度を制御する。
特に、ステップii)からステップiii)への移行を制御するために、
(a)発汗画分の旋光度に関する目標値を指定し、
(b)特定の旋光度に関する実測値と、発汗画分の旋光度に関する目標値との最大許容制御差を指定し、
(c)発汗画分の旋光度に関する実測値を、オンライン又はインラインで決定し、
(d)制御ユニットが、目標値へ到達してから、実測値と目標値との最大許容制御差へ到達するまでに、ステップii)からステップiii)への移行を行う。
好ましい実施形態では、最大偏差、即ち実測値と目標値との最大許容制御差は、旋光計の測定セルの長さ1dm、温度25℃、及び用いられた波長589nmに関し、0.3°以下、中でも0.2°以下、特に0.15°以下の旋光度である。目標値に対する実測値のずれが0.12%以下であることが好ましい。本発明による方法が多段階プロセスとして行われる場合、目標値からのより高いずれは、第2の段階、いわゆる生成物段階よりも第1の段階で許容することができる。特に、生成物段階の前の段階/複数の段階での、実測値と目標値との最大許容制御偏差は、0.3°以下、特に0.2°以下であり、一方、最後の段階では、実測値と目標値との制御偏差が0.1°以下、中でも0.05°以下、特に0.025°以下であることが有利であり、それぞれの場合は、旋光計の測定セルの長さ1dm、温度25℃、及び用いられた波長589nmに関するものである。
旋光度に関する目標値は、所望の光学純度(単位%EE(鏡像体過剰率))に依存する。発汗画分の旋光度に関し、少なくとも15%EEのEE値、特に少なくとも20%のEE値に該当する目標値が典型的に選択され、所望の純度に応じて又は多段階結晶化プロセスの場合には結晶化段階に応じて、一般に、15%から99.99%EEの範囲、特に20%から99.9%EEの範囲にあることが典型的には選択される。多段階結晶化の場合、旋光度に関する目標値は、典型的には、最後の結晶化段階で、95%から99.99%EEの範囲、特に98%から99.9%の範囲のEE値に該当することになる。好ましくは、EE単位の制御差は、2%EE以下になり、中でも1%EE以下、特に0.5%EE以下になる。
適切な構成では、溶融結晶化装置は、晶析空間を有し、この晶析空間は、晶析空間内に分別される溶融物を導入するための供給ライン、晶析空間内の溶融物の温度を測定するための温度センサー、並びに導入された溶融鏡像異性体混合物及び/又はそこから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイスを有し、
弁で閉塞可能であり晶析空間に接続され、且つ旋光計が内部に配置され又はバイパス管を介して旋光計に接続される、放流管、
任意選択で、放流管内の溶融物の温度を測定するために、放流管内に配置された温度センサー、
放流管内に配置され、且つ放流管と、生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの容器とに接続された弁ブロック、並びに
温度センサー、旋光計、温度制御デバイス、及び弁ブロックにデータで連結され、晶析空間及び/又は弁ブロック内の固相及び液相の温度が制御可能である、制御ユニットを有する。
本発明はさらに、図2の概略形態で例示的に示されるような、結晶化のための空間(1)を有する溶融結晶化装置に関し、この装置は、
晶析空間(1)内に分別される溶融鏡像異性体混合物を導入するための供給ライン(7)、晶析空間(1)内の溶融物の温度を測定するための温度センサー(11)、
及び導入された溶融鏡像異性体混合物及びそこから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイス(10)
を有し、
溶融結晶化装置はさらに、弁(13)で閉塞可能であり晶析空間に接続され、且つ旋光計(9)が内部に配置され又は旋光計(9)がバイパス管を介して接続される、放流管(2)、
任意選択で、放流管(2)内に、好ましくは旋光計(9)に対して空間的に近位に配置された、例えば旋光計(9)の上流に配置された、放流管内の溶融物の温度を測定するための温度センサー(8)、
放流管(2)内に、好ましくは旋光計(9)の下流に配置され、放流管(2)に、及び生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの緩衝容器(4)、(6)に、任意選択で発汗画分用の緩衝容器(5)に接続された、弁ブロック(6)を備え、
温度センサー(8)、(11)、旋光計(9)、温度制御デバイス(10)、及び弁ブロック(3)にデータで連結され、晶析空間及び/又は弁ブロック内の固相及び液相の温度が制御可能である、制御ユニット(12)を有する。
分別される鏡像異性体混合物は、一般に、ラセミ組成を持たない。言い換えれば、鏡像異性体に富む鏡像異性体混合物は、本発明による方法で出発材料としての役割をする。鏡像異性体に富む鏡像異性体混合物は、2種の鏡像異性体が1:1の比で存在しない混合物を意味することを理解されたい。必要な鏡像体過剰率は、分別される鏡像異性体混合物の化学的性質に依存する。集塊形成系では、ラセミ組成が最も低い融点を有する。したがって結晶化による精製は、出発混合物中の低い鏡像体過剰率の場合にも可能である。化合物形成系では、共晶組成はラセミ化合物に該当せず、結晶化による精製は、出発混合物が、共晶組成を超えて1種の鏡像異性体に富む場合にのみ可能である。一般に、鏡像異性体の1種において、少なくとも10%EE(鏡像体過剰率)、中でも少なくとも12.5%EE、特に少なくとも15%EE、例えば10%から99.5%EEの範囲、中でも12.5%から99.0%EEの範囲、特に15%から98.5%EEの範囲の鏡像体過剰率を有する鏡像異性体の混合物が、結晶化に用いられることになる。
本発明により分別される鏡像異性体混合物は、原則として、それらが共晶混合物を形成できることを前提として任意の制約を受けない。ある好ましい適用例は、キラルテルペンの、特にキラルモノテルペンの鏡像異性体の混合物に関する。企図されるキラルモノテルペンには、特に、ショウノウ及びイソプレゴールが含まれる。ここでイソプレゴールは、イソプレゴールの4種の可能性あるジアステレオマー、即ちn-イソプレゴール、イソイソプレゴール、ネオイソプレゴール、及びネオイソイソプレゴールを意味することを理解されたい。
好ましい実施形態では、キラルモノテルペンがイソプレゴールであり、特にD/L-イソプレゴールである。一般に、少なくとも10%EE(鏡像体過剰率)、中でも少なくとも12.5%EE、特に少なくとも15%EE、例えば10%から99.5%EEの範囲、中でも12.5%から99.0%EEの範囲、特に15%から98.5%EEの範囲の、鏡像異性体の1種の鏡像体過剰率を有するD-イソプレゴール及びL-イソプレゴールの混合物が、分別される鏡像異性体混合物として用いられることになる。
好ましい実施形態の文脈において、本発明による結晶化は、鏡像異性的に濃縮されたL-(-)-n-イソプレゴールを生成するのに適している。合成メントールは、通常、イソプロピル側鎖中の二重結合だけがメントールとは異なる中間体L-(-)-n-イソプレゴールを介して得られる。そこからメントールは、立体特異性を失うことなく水素化によって得られる。L-(-)-n-イソプレゴールは、式(M
Figure 0007019685000001
に準拠し、
式中、は、それぞれの場合に、図示される絶対配置中の不斉炭素原子である。
したがって本発明は、メントールを生成する方法であって、
I)上述の方法によりL-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを与えるステップ、及び
II)ステップI)で得られたL-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを水素化するステップ
を含む方法に関する。
本発明について、添付図面及び下記の実施例を参照しながらより詳細に説明する。
溶融結晶化装置の概略図である。装置は、晶析器1を備える。晶析器1からの画分は、放流管2を介して、続いて複数の弁を備える弁ブロック3を介して、溶融母液4、発汗画分5、及び溶融晶析物6用の緩衝容器に分割される。 静的溶融結晶化プラントへのオンライン旋光計の統合に関する、例示的な実施形態を示す図である。晶析器1が、弁13で閉塞可能な放流管2を介して弁/分配ブロック3に接続される。温度測定手段8及びオンライン旋光計9が、放流管内に配置される。弁/分配ブロックでは、晶析器からの流れが、残留物容器4又は発汗画分容器5又は溶融晶析物用の容器6に分配される。供給原料を、管7を介して晶析器に供給する。制御ユニット12が、温度測定から及びオンライン旋光計から信号を受信する。鏡像異性体の比は、測定された温度及び旋光度から、得られた較正曲線を介して決定される。所望の比に達したら、制御ユニットの弁を切り換えて、流れを所望の容器に通す。制御ユニットはさらに、例えば放出発汗画分のEE値にさらに影響を及ぼすために、晶析器10の温度に影響を及ぼすよう使用されてもよい。図2は、ただ1つの例示的な実施形態を示し、オンライン旋光計は、放流管までバイパスに設置され続けてもよい。放流管において分配ブロックまでの代わりに、管内において分配ブロックから発汗容器まで旋光計を設置することがさらに可能である。 イソプレゴールに関するEE値の関数として、旋光度の値のグラフィカルプロットを示すグラフである。 最後の発汗試料に関するEE値の関数として、生成物に関するEE値のグラフィカルプロットを示すグラフである。 純粋な画分の結晶化、発汗、及び溶融のステップを含む、図2による装置でイソプレゴールの多段階バッチ結晶化の最後の結晶化段階の実施例を使用する、本発明による方法のプロファイルを示す図である。ここでは、晶析器内の充填物質量(=%内部質量)の相対的割合の経時的なプロファイルと、放出イソプレゴール溶融物のEE値(単位EE%)の経時的なプロファイルであって、バッチの相対的な持続時間にわたるプロファイルがプロットされる。垂直な点線は、発汗画分容器5に対する弁が閉鎖し、そこから放出溶融物が溶融晶析物6用の容器に収集される時間を示す。
[実施例1]
旋光度の測定を、系L-及びD-イソプレゴールに関して行った。キュベットの長さが100mmであり波長が589nmの光源を備えたPerkin Elmerモデル343旋光計を、利用した。全ての測定は、25℃の一定温度で行った。最初に、L-及びD-イソプレゴールの鏡像異性体の比(%EE)を、ガスクロマトグラフィーによって決定した。表1は、EE(L-イソプレゴールが過剰)の関数として、旋光度の測定値を報告する。
Figure 0007019685000002
図3は、表1からの測定値のグラフィカルプロットを示す。測定値は、2次多項式回帰に非常によく当て嵌まる。
[実施例2]
L-イソプレゴールの工業的結晶化の最後の結晶化段階からの作業データを評価した。図1による溶融結晶化装置を使用した。試料を、緩衝容器5に通した放出溶融物画分から得た。試料を、ガスクロマトグラフを使用してオンラインで分析した。試料が、ある特定の最小EE値を超えたら、発汗を中断し、晶析物を溶融した。その後、この溶融物を、最終生成物として容器6に通し(図1/図2のように)、生成物流からの試料を同様に得、ガスクロマトグラフィーによって分析した。
表2は、最後の発汗画分試料及び溶融生成物に関する測定EE値を列挙する。
Figure 0007019685000003
図4は、最後の発汗試料に関するEE値の関数として、生成物に関するEE値のグラフィカルプロットを示す。発汗試料のEE値と晶析物のEE値との間に、明らかな関連付けを行うことができる。生成物の所望の純度に応じて、発汗画分の最後の試料の最小EE値を、中断するための基準として指定してもよい。
本発明による方法は、出発EE値の変動に対しても堅牢である。このように、表2は、晶析器に当初から充填される供給原料のEE値も列挙する。供給原料のEE値の変動にも関わらず、発汗試料のEE値と晶析物のEE値との間を関連付けることができる。

本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
溶融結晶化装置内での分別溶融結晶化により、鏡像異性体混合物から鏡像異性体を濃縮する方法であって、
i)晶析物及び溶融母液を得て、前記溶融母液を前記晶析物から除去して、溶融母液画分をもたらす結晶化ステップ、
ii)ステップi)で得られた前記晶析物の発汗を行って、溶融発汗画分及び発汗済み晶析物をもたらすステップ、及び
iii)その後に前記発汗済み晶析物を溶融して、溶融晶析物画分をもたらすステップ
を備え、
少なくとも前記発汗画分の旋光度が、旋光計を使用してオンラインで決定され、ステップii)からステップiii)への移行が、少なくとも1つの制御ユニットを用いてオンラインで制御される、方法。
[項2]
ステップii)からステップiii)への前記移行を制御するために、
(a)前記発汗画分の旋光度に関する目標値を指定し、
(b)前記発汗画分の旋光度に関する、実測値と目標値との最大許容制御差を指定し、
(c)前記発汗画分の旋光度に関する実測値を決定し、
(d)前記制御ユニットが、前記目標値へ到達してから、実測値と目標値との前記最大許容制御差へ到達するまでに、ステップii)からステップiii)への移行を行う、
項1に記載の方法。
[項3]
実測値と目標値との前記最大許容制御差が、前記旋光計の測定セルの長さ1dm、温度25℃、及び用いられた波長589nmに関して、0.3°以下である、項2に記載の方法。
[項4]
前記溶融結晶化装置が、ステップi)からiii)で生成した溶融物用の放流管を備え、前記旋光計が、放流管内に直接配置されており、又は前記旋光計が、バイパス管を介して放流管と接続されている、項1から3のいずれかに記載の方法。
[項5]
前記制御ユニットが、前記放流管内に配置され、且つ前記放流管と、前記生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの容器とに接続された、弁ブロックを制御する、項4に記載の方法。
[項6]
前記溶融結晶化装置が、
-分別される溶融鏡像異性体混合物を晶析空間内に導入するための供給ライン、晶析空間内の溶融物の温度を測定するための温度センサー、並びに導入された溶融鏡像異性体混合物及び/又はそれから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイス、を有する前記晶析空間、
-弁で閉塞可能であり、前記晶析空間に接続され、且つ前記旋光計が内部に配置され又は前記旋光計がバイパス管を介して接続される、放流管、
-任意選択で、前記放流管内の前記溶融物の温度を測定するために、前記放流管内に配置された、温度センサー、
-前記放流管内に配置され、且つ前記放流管と、前記生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの容器とに接続された、弁ブロック、並びに
-前記温度センサー、前記旋光計、前記温度制御デバイス、及び弁ブロックにデータで連結され、前記晶析空間内及び/又は前記弁ブロック内の固相及び液相の温度を制御可能である、制御ユニット
を有する、項1から5のいずれかに記載の方法。
[項7]
特徴x1)からx6)、即ち
x1)少なくとも1つの制御ユニットが、好ましくは前記旋光計にデータで連結され、
x2)前記溶融結晶化が、層状結晶化として行われ、
x3)前記溶融結晶化が、冷却表面での静的層状結晶化として行われ、
x4)前記溶融結晶化が、流下膜結晶化として行われ、
x5)分別される前記鏡像異性体混合物が、ラセミ組成を有しておらず、
x6)分別される前記鏡像異性体混合物が、ラセミ集塊物を形成し得る
ことのうち、少なくとも1つを有する、項1から6のいずれかに記載の方法。
[項8]
分別される前記鏡像異性体混合物が、キラルテルペンの、特にキラルモノテルペンの鏡像異性体の混合物である、項1から7のいずれかに記載の方法。
[項9]
前記キラルモノテルペンが、イソプレゴール、特にD/L-イソプレゴールである、項8に記載の方法。
[項10]
少なくとも10%EE、特に12.5%EEから99%EEの範囲にある、前記鏡像異性体の1種の鏡像体過剰率を有するD-イソプレゴール及びL-イソプレゴールの混合物が、分別される鏡像異性体混合物として用いられる、項9に記載の方法。
[項11]
-晶析空間(1)内に分別される溶融鏡像異性体混合物のための供給ライン(7)、
-前記晶析空間(1)内の溶融鏡像異性体混合物の温度を測定するための温度センサー(11)、
-並びに、導入された溶融鏡像異性体混合物及びそれから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイス(10)
を有している前記晶析空間(1)を有する溶融結晶化装置であって、
前記溶融結晶化装置がさらに、
-弁(13)で閉塞可能であり、前記晶析空間に接続され、且つ旋光計(9)が内部に配置され又は旋光計(9)がバイパス管を介して接続される、放流管(2)、
-任意選択で、前記放流管内の溶融物の温度を測定するために、前記放流管(2)内に、好ましくは前記旋光計(9)に対して空間的に近位に配置された、温度センサー(8)、
-前記放流管(2)内に、好ましくは前記旋光計(9)の下流に配置され、前記放流管(2)と、生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの緩衝容器(4)、(6)とに接続された、弁ブロック(3)
を備え、
前記温度センサー(8)、(11)、前記旋光計(9)、前記温度制御デバイス(10)、及び前記弁ブロック(3)にデータで連結され、前記晶析空間内及び/又は前記弁ブロック内の固相及び液相の温度を制御可能である制御ユニット(12)を有する、
溶融結晶化装置。
[項12]
流下膜晶析器又は静的層状晶析器として構成される、項11に記載の溶融結晶化装置。
[項13]
L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを生成する方法であって、項1から10の一項にしたがってイソプレゴールのD-及びL-鏡像異性体の非ラセミ混合物分別溶融結晶化することを含む方法。
[項14]
少なくとも10%EE、特に12.5%EEから99%EEの範囲にある、前記鏡像異性体の1種の鏡像体過剰率を有する、D-イソプレゴール及びL-イソプレゴールの混合物が用いられる、項13に記載の方法。
[項15]
I)項13又は14のいずれかに記載の方法によって、前記L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを与えるステップ、及び
II)ステップI)で得られた前記L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮された前記イソプレゴールを、水素化するステップ
を含む、メントールを生成する方法。
図1及び2で使用される参照符号は、下記の通りである:
1 晶析空間
2 放流管
3 弁ブロック
4 生成した(母液)溶融物用の緩衝容器
5 溶融物画分用の緩衝容器
6 溶融晶析物用の緩衝容器
7 供給原料管
8 温度センサー
9 旋光計
10 温度制御デバイス
11 温度センサー
12 制御ユニット
13 弁

Claims (15)

  1. 溶融結晶化装置内での分別溶融結晶化により、鏡像異性体混合物から鏡像異性体を濃縮する方法であって、
    i)晶析物及び溶融母液を得て、前記溶融母液を前記晶析物から除去して、溶融母液画分をもたらす結晶化ステップ、
    ii)ステップi)で得られた前記晶析物の発汗を行って、溶融発汗画分及び発汗済み晶析物をもたらすステップ、及び
    iii)その後に前記発汗済み晶析物を溶融して、溶融晶析物画分をもたらすステップ
    を備え、
    少なくとも前記発汗画分の旋光度が、旋光計を使用してオンラインで決定され、ステップii)からステップiii)への移行が、少なくとも1つの制御ユニットを用いてオンラインで制御される、方法。
  2. ステップii)からステップiii)への前記移行を制御するために、
    (a)前記発汗画分の旋光度に関する目標値を指定し、
    (b)前記発汗画分の旋光度に関する、実測値と目標値との最大許容制御差を指定し、
    (c)前記発汗画分の旋光度に関する実測値を決定し、
    (d)前記制御ユニットが、前記目標値へ到達してから、実測値と目標値との前記最大許容制御差へ到達するまでに、ステップii)からステップiii)への移行を行う、
    請求項1に記載の方法。
  3. 実測値と目標値との前記最大許容制御差が、前記旋光計の測定セルの長さ1dm、温度25℃、及び用いられた波長589nmに関して、0.3°以下である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記溶融結晶化装置が、ステップi)からiii)で生成した溶融物用の放流管を備え、前記旋光計が、放流管内に直接配置されており、又は前記旋光計が、バイパス管を介して放流管と接続されている、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記制御ユニットが、前記放流管内に配置され、且つ前記放流管と、前記生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの容器とに接続された、弁ブロックを制御する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記溶融結晶化装置が、
    -分別される溶融鏡像異性体混合物を晶析空間内に導入するための供給ライン、晶析空間内の溶融物の温度を測定するための温度センサー、並びに導入された溶融鏡像異性体混合物及び/又はそれから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイス、を有する前記晶析空間、
    -弁で閉塞可能であり、前記晶析空間に接続され、且つ前記旋光計が内部に配置され又は前記旋光計がバイパス管を介して接続される、放流管、
    -任意選択で、前記放流管内の前記溶融物の温度を測定するために、前記放流管内に配置された、温度センサー、
    -前記放流管内に配置され、且つ前記放流管と、前記生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの容器とに接続された、弁ブロック、並びに
    -前記温度センサー、前記旋光計、前記温度制御デバイス、及び弁ブロックにデータで連結され、前記晶析空間内及び/又は前記弁ブロック内の固相及び液相の温度を制御可能である、制御ユニット
    を有する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 特徴x1)からx6)、即ち
    x1)少なくとも1つの制御ユニットが、前記旋光計にデータで連結され、
    x2)前記溶融結晶化が、層状結晶化として行われ、
    x3)前記溶融結晶化が、冷却表面での静的層状結晶化として行われ、
    x4)前記溶融結晶化が、流下膜結晶化として行われ、
    x5)分別される前記鏡像異性体混合物が、ラセミ組成を有しておらず、
    x6)分別される前記鏡像異性体混合物が、ラセミ集塊物を形成し得る
    ことのうち、少なくとも1つを有する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 分別される前記鏡像異性体混合物が、キラルテルペンの鏡像異性体の混合物である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記キラルテルペンが、イソプレゴールである、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも10%EEの、前記鏡像異性体の1種の鏡像体過剰率を有するD-イソプレゴール及びL-イソプレゴールの混合物が、分別される鏡像異性体混合物として用いられる、請求項9に記載の方法。
  11. -晶析空間(1)内に分別される溶融鏡像異性体混合物を導入するための供給ライン(7)、
    -前記晶析空間(1)内の溶融鏡像異性体混合物の温度を測定するための温度センサー(11)、
    -並びに、導入された溶融鏡像異性体混合物及びそれから部分的に形成された晶析物の温度を変化させるための温度制御デバイス(10)
    を有している前記晶析空間(1)を有する溶融結晶化装置であって、
    前記溶融結晶化装置がさらに、
    -弁(13)で閉塞可能であり、前記晶析空間に接続され、且つ旋光計(9)が内部に配置され又は旋光計(9)がバイパス管を介して接続される、放流管(2)、
    -任意選択で、前記放流管内の溶融物の温度を測定するために、前記放流管(2)内に配置された、温度センサー(8)、
    -前記放流管(2)内に配置され、前記放流管(2)と、生成した溶融物を受容するための少なくとも2つの緩衝容器(4)、(6)とに接続された、弁ブロック(3)
    を備え、
    前記温度センサー(8)、(11)、前記旋光計(9)、前記温度制御デバイス(10)、及び前記弁ブロック(3)にデータで連結され、前記晶析空間内及び/又は前記弁ブロック内の固相及び液相の温度を制御可能である制御ユニット(12)を有する、
    溶融結晶化装置。
  12. 流下膜晶析器又は静的層状晶析器として構成される、請求項11に記載の溶融結晶化装置。
  13. L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを生成する方法であって、請求項1から10のいずれか一項にしたがってイソプレゴールのD-及びL-鏡像異性体の非ラセミ混合物分別溶融結晶化することを含む方法。
  14. 少なくとも10%EEの、前記鏡像異性体の1種の鏡像体過剰率を有する、D-イソプレゴール及びL-イソプレゴールの混合物が用いられる、請求項13に記載の方法。
  15. I)請求項13又は14のいずれかに記載の方法によって、前記L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮されたイソプレゴールを与えるステップ、及び
    II)ステップI)で得られた前記L-又はD-鏡像異性体に関して濃縮された前記イソプレゴールを、水素化するステップ
    を含む、メントールを生成する方法。
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