JP7019679B2 - 十字状内部輪郭を備える内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路シャフト - Google Patents

十字状内部輪郭を備える内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路シャフト Download PDF

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Description

[0001] 本開示は、広くは超音波カテーテルに係り、特には、可撓性、耐捻れ性及びステアリング性を改善すると共に製造の間における位置合わせを容易にするように構造化された心臓内心エコー(ICE)カテーテルシャフトに関する。
[0002] 診断及び治療用超音波カテーテルは、人体の多くの領域内で使用するために設計されている。心臓血管系において、2つの一般的診断超音波法は血管内超音波法(IVUS)及び心臓内心エコー法(ICE)である。典型的に、当該カテーテルの先端において超音波を送信するために単一の回転するトランスジューサ又はトランスジューサ素子のアレイが用いられる。組織からのエコーを受信するために、同一のトランスジューサ(又は別個のトランスジューサ)が使用される。斯かるエコーから発生される信号はコンソールに伝送され、該コンソールは超音波関連データの処理、記憶、表示又は操作を可能にする。
[0003] IVUSカテーテルは、典型的に大きな及び小さな血管(動脈又は静脈)内で使用され、殆ど常に可撓性先端を有するガイドワイヤ上で送り込まれる。ICEカテーテルは、通常、例えば経中隔内腔穿刺法、左心耳閉鎖術、心房細動アブレーション術及び弁修復術等の医療手術を誘導及び容易化のために心臓の内腔及び周囲の構造を撮像するために使用される。市販のICEカテーテルはガイドワイヤ上で送り込まれるように設計されておらず、代わりに、当該カテーテルの近端部におけるハンドル内に配置されたステアリング機構により関節運動され得る遠端部を有している。例えば、ICEカテーテルは、当該解剖構造に接近する場合に大腿又は頸動脈を介して挿入することができ、当該医療手術の安全性に対して必要な画像を取得するために心臓内でステアリングされる。
[0004] 或るタイプのICEカテーテル(EP Medsystems社 ViewFlexTM 心臓内超音波偏向可能カテーテル)は、ハンドルの長軸の回りで回転する単一のホイールにより操作される単一面内の遠端関節部(両方向)を有する。上記ホイールは所望のカテーテル形状を得るために特定の位置まで回転され、該ホイール機構に対する固有の摩擦により定位置に留まる。該カテーテルはトルク伝達可能(torquable)であり、第2面におけるステアリングを容易にするためにハンドルにより回転することができる。カテーテルを同時にトルク駆動し及び回転させるために必要とされる運動は、しばしば、両手操作を必要とする。
[0005] 他のタイプのICEカテーテル(シーメンス社/ACUSON AcuNavTM超音波カテーテル)は追加のステアリング面を有し、各ステアリング面はハンドル上の2つの対応するホイールの一方を回転することにより使用される。これらのホイールはハンドルの長軸の回りに回転する。これもハンドルの長軸の回りに回転する第3のホイールは、上記2つのステアリングホイールの各々を各向きにおいて固定するためのロック機構である。全体のカテーテルはトルク駆動される必要はない。上記2つのステアリング面は、可能なカテーテル形状の大きな組み合わせを可能にする。
[0006] ICEカテーテルは、通常、当該カテーテルの遠端部に先端アセンブリの近傍で固定されたプルワイヤ(引張ワイヤ)を介してステアリングされる。プルワイヤはステアリング線とも称される。プルワイヤはカテーテルの本体を介して延在し、カテーテルの近端部に配置された該カテーテルのハンドルにおける制御ホイールに結合される。例えば、1対のプルワイヤが左右面におけるステアリングを提供することができ、他の対のプルワイヤが前後面におけるステアリングを提供することができる。このように、制御ホイールの操作又は回転は、対応するプルワイヤを作動させて、カテーテルの遠端部を対応する方向に偏向させる。
[0007] ICEカテーテルは、典型的に、音響エネルギを発生及び受信する超音波撮像コアを含んでいる。該撮像コアは、トランスジューサ素子の線形(直線状)アレイ又は何らかの適切な構造に配列されたトランスジューサ素子を含むことができる。該撮像コアは、当該カテーテルの最遠位先端に配置された先端部材内に収納される。該先端部材は音響接着性材料により被覆される。電気ケーブルが、該撮像コアに半田付けされ、当該カテーテルの本体のコアを介して延在する。該電気ケーブルは、心臓解剖構造の撮像を容易にするために制御信号及びエコー信号を伝達することができる。
[0008] 現在の市販のICEカテーテルは、1回使用の使い捨て装置として製造されている。しかしながら、通常、顧客は第三者販売者を利用して使用済装置を特定の限界(例えば、約6回の)までの追加の手術ために再処理する。例えば、カテーテルシャフトは、光干渉トモグラフィ(OCT)、電気生理学的(EP)マッピング及び圧力感知カテーテル、供給カテーテル、ガイドシース並びに治療装置(例えば、アブレーションカテーテル)等の他のタイプの診断カテーテルを含む何らかのステアリング可能な使い捨て器具のための主シャフト及び駆動本体として適応させることができる。
[0009] 本発明は、既存の設計に関する限界を克服する装置、システム及び関連する方法を提供すると共に、耐久性があり且つ可撓性のカテーテルシャフトを提供するものである。
[0010] 本開示の実施態様は、内張り可変ブレードカテーテルシャフトを備えるカテーテルを提供する。上記カテーテルシャフトの本体又は壁部は、遠端側区域と近端側区域との間に高度に差的なデュロメータ硬度を含み、鋭い移行部(遷移部)を形成する。該カテーテルシャフトの本体又は壁部は、埋め込まれた可変編み上げ(ブレード)補強層を含む。例えば、該ブレード層は、遠端側区域において近端側区域におけるよりも大きなインチ当たりカウント(PIC)の編み上げ体(ブレード)を含む。更に、上記の鋭い移行部の周りのブレード層の一部は、変化するPICのブレードを含み、遠端側区域における高PICから近端側区域における低PICへの滑らかな移行部を形成する。該カテーテルシャフトは、製造の間においてプルワイヤ管路(プルワイヤルーメン)の位置合わせを容易にすることができる十字状断面輪郭を備えた中心管路(中心ルーメン)を含む。
[0011] 一実施態様においては、撮像カテーテルが提供される。該撮像カテーテルは、第1ブレードピッチを持つ第1ブレードが埋め込まれた第1材料を有する近端部と、第2ブレードピッチを持つ第2ブレードが埋め込まれた第2材料を有する遠端部であって、前記第2材料は前記第1材料より低いデュロメータ硬度であり、当該遠端部が前記近端部より可撓的となるように、前記第2ブレードピッチが前記第1ブレードピッチより大きなインチ当たりカウントを含む遠端部と、前記近端部及び前記遠端部を少なくとも部分的に介して延在する主(一次)管路と、前記近端部及び前記遠端部を少なくとも部分的に介して延在する複数の副(二次)管路と、を含む可撓性長尺部材;及び該可撓性長尺部材の前記遠端部に結合される撮像部品(要素)を含む。
[0012] 幾つかの実施態様において、前記第1材料は、デュロメータ硬度72Dのポリエーテルブロックアミドを有する。幾つかの実施態様において、前記第2材料は、デュロメータ硬度35D又は45Dのポリエーテルブロックアミドを有する。幾つかの実施態様において、前記第1ブレード及び前記第2ブレードは、フラットワイヤ(平角線)から構成される。幾つかの実施態様において、前記フラットワイヤは、鋼(スチール)から形成される。幾つかの実施態様において、前記第1ブレードピッチは第1インチ当たりカウントを含み、前記第2ブレードピッチは該第1インチ当たりカウントの約2倍である第2インチ当たりカウントを含む。幾つかの実施態様において、前記可撓性長尺部材は、前記近端部と前記遠端部との間の移行部にわたり前記第1材料及び前記第2材料内に埋め込まれた第3ブレードを含み、該第3ブレードは前記第1ブレードピッチの第1インチ当たりカウントと前記第2ブレードピッチの第2インチ当たりカウントとの間で遷移する可変ブレードピッチを含む。幾つかの実施態様において、前記主管路は、十字状断面を含む。幾つかの実施態様において、前記複数の副管路は、前記主管路に対して該十字状断面の腕部と腕部との間に配置される。幾つかの実施態様において、当該撮像カテーテルは、前記撮像要素に結合されると共に前記主管路を介して延びる通信ケーブルを更に含む。幾つかの実施態様において、当該撮像カテーテルは、前記可撓性長尺部材の前記遠端部に結合されると共に前記複数の副管路を介して延びる複数のステアリング線を更に含む。幾つかの実施態様において、前記撮像要素は超音波トランスジューサアレイである。幾つかの実施態様において、前記遠端部は、約14ミリメートル(mm)の曲率半径まで偏向可能である。
[0013] 一実施態様においては、撮像カテーテルを製造する方法が提供される。該方法は、第1ブレードピッチを持つ第1ブレードが埋め込まれた第1材料を備える可撓性長尺部材の近端部を形成するステップであって、該近端部が第1主管路及び第1の複数の副管路を含むステップと、第2ブレードピッチを持つ第2ブレードが埋め込まれた第2材料を備える前記可撓性長尺部材の遠端部を形成するステップであって、前記第2材料は前記第1材料より低いデュロメータ硬度であり、前記第2ブレードピッチが、当該遠端部が前記近端部より可撓的となるように前記第1ブレードピッチより大きいインチ当たりカウントを含むステップと、前記可撓性長尺部材の前記遠端部に撮像要素を結合するステップと、を含む。
[0014] 幾つかの実施態様において、前記第1材料は、デュロメータ硬度72Dのポリエーテルブロックアミドを有する。幾つかの実施態様において、前記第2材料は、デュロメータ硬度35D又は45Dのポリエーテルブロックアミドを有する。幾つかの実施態様において、前記第1ブレード及び前記第2ブレードは、ステンレス鋼フラットワイヤから構成される。幾つかの実施態様において、前記第1ブレードピッチは第1インチ当たりカウントを含み、前記第2ブレードピッチは該第1インチ当たりカウントの約2倍である第2インチ当たりカウントを含む。幾つかの実施態様において、当該方法は、前記近端部と前記遠端部との間の移行部にわたり前記第1材料及び前記第2材料内に第3ブレードを形成するステップを更に含み、該第3ブレードは前記第1ブレードピッチの第1インチ当たりカウントと前記第2ブレードピッチの第2インチ当たりカウントとの間で移行する可変ブレードピッチを含む。幾つかの実施態様において、前記近端部を形成するステップは、前記第1主管路のための十字状断面を画定すると共に該十字状断面の腕部に対して前記第1の複数の副管路を配置するように前記近端部を形成するステップを含む。幾つかの実施態様において、前記遠端部を形成するステップは、前記第1主管路と連通する第2主管路を画定すると共に前記第1の複数の副管路と連通する第2の複数の副管路を画定するように前記遠端部を形成するステップを含む。幾つかの実施態様において、当該方法は、前記撮像要素に通信ケーブルを結合するステップと、前記遠端部の前記第2主管路及び前記近端部の前記第1主管路を介して該通信ケーブルを延在させるステップと、を更に含む。幾つかの実施態様において、当該方法は、前記遠端部に複数のステアリング線を結合するステップと、前記遠端部の前記第2の複数の副管路及び前記近端部の前記第1の複数の副管路を介して該複数のステアリング線を延在させるステップと、を更に含む。幾つかの実施態様において、前記撮像要素は超音波トランスジューサアレイである。
[0015] 本開示の更なる態様、フィーチャ及び利点は、後述する詳細な説明から明らかとなるであろう。
[0016] 以下、本発明の例示的実施態様を、添付図面を参照して説明する。
[0017] 図1は、本開示の実施態様によるICE撮像システムの概略図である。 [0018] 図2は、本開示の実施態様によるICE装置の一部の概略図である。 [0019] 図3は、本開示の実施態様による偏向されたICE装置の一部の概略図である。 [0020] 図4は、本開示の実施態様によるICE装置の偏向面を図示した概略図である。 [0021] 図5は、本開示の実施態様による先端アセンブリと可撓性長尺部材との間におけるICE装置内の相互接続部を図示した概略図である。 [0022] 図6Aは、本開示の実施態様による冠状エレメントの斜視図である。 [0023] 図6Bは、本開示の実施態様による冠状エレメントの底面図である。 [0024] 図6Cは、本開示の実施態様による冠状エレメントの側面図である。 [0025] 図7は、本開示の実施態様によるプルワイヤを定位置に備えた冠状エレメントの側面図である。 [0026] 図8Aは、本開示の実施態様によるスリーブエレメントの斜視図である。 [0027] 図8Bは、本開示の実施態様によるスリーブエレメントの上面図である。 [0028] 図9は、本開示の実施態様によるスリーブエレメントの上面図である。 [0029] 図10は、本開示の態様によるICE装置を組み立てる方法のフローチャートである。 [0030] 図11は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において電気ケーブル上に嵌められた冠状エレメントを図示した概略図である。 [0031] 図12は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において冠状エレメントに固定された1対のプルワイヤを図示した概略図である。 [0032] 図13は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において冠状エレメントに固定されると共に可撓性長尺部材に通された1対のプルワイヤを図示した概略図である。 [0033] 図14は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において結合のために位置決めされた冠状エレメントを図示した概略図である。 [0034] 図15は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において結合のために位置決めされたスリーブエレメントを図示した概略図である。 [0035] 図16は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において先端アセンブリ及び可撓性長尺部材に接着されたスリーブエレメントを図示した概略図である。 [0036] 図17は、本開示の実施態様による先端部材の側面図である。 [0037] 図18は、本開示の実施態様による先端部材の側面斜視図である。 [0038] 図19は、本開示の実施態様による先端部材の断面図である。 [0039] 図20は、本開示の実施態様による先端部材の断面図である。 [0040] 図21は、本開示の実施態様による先端部材の断面図である。 [0041] 図22は、本開示の実施態様による先端部材の断面図である。 [0042] 図23は、本開示の実施態様による先端部材の背面斜視図である。 [0043] 図24は、本開示の実施態様による撮像コアを定位置に備えた先端部材の背面斜視図である。 [0044] 図25は、本開示の実施態様による撮像コアの側断面図である。 [0045] 図26は、本開示の実施態様による結合のために位置決めされた先端アセンブリ及びスリーブエレメントの斜視図である。 [0046] 図27は、本開示の実施態様による先端部材の側面斜視図である。 [0047] 図28は、本開示の実施態様による撮像コアを定位置に備えた先端部材の背面斜視図である。 [0048] 図29は、本開示の実施態様による先端部材の側面斜視図である。 [0049] 図30は、本開示の実施態様による撮像コアを定位置に備えた先端部材の背面斜視図である。 [0050] 図31は、本開示の実施態様による内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフトの断面図である。 [0051] 図32は、本開示の実施態様による内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフトの縦断面図である。 [0052] 図33は、本開示の実施態様による製造の或る段階における複管路内側押出成形部の斜視図である。 [0053] 図34は、本開示の実施態様による製造の或る段階におけるブレード補強内側押出成形部の斜視図である。 [0054] 図35は、本開示の実施態様による製造の或る段階においてブレード内側押出成形部上に被された単一管路外側押出成形部の斜視図である。
[0055] 本開示の原理の理解を促進するために、図面に示される実施態様を参照すると共に、該実施態様を説明するために固有の文言を使用する。それにも拘わらず、本開示の範囲に対する如何なる限定も意図されていないと理解されるものである。記載される装置、システム及び方法に対する如何なる代替例及び更なる変更例、並びに本開示の原理の如何なる他の応用例も、本開示が関係する当業者により通常に思い付くように、本開示内において想定されると共に含まれるものである。例えば、当該ICEシステムは心臓血管撮像に関して説明されるが、この用途に限定されることを意図するものではないと理解される。当該システムは、限られた空洞内での撮像を必要とする如何なる用途にも等しく良好に適するものである。特に、或る実施態様に関して記載されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実施態様に関して記載されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップと組み合わせることができることが十分に考えられる。しかしながら、簡略化のために、これらの組み合わせの多数の繰り返しは、別途記載されるものではない。
[0056] 図1は、本開示の実施態様によるICE撮像システム100の概略図である。該システム100は、ICE装置110、コネクタ124、コンソール及び/又はコンピュータ等の制御及び処理システム130、並びにモニタ132を含むことができる。ICE装置110は、先端アセンブリ102、可撓性長尺部材108及びハンドル120を含む。可撓性長尺部材108は、遠端部104及び近端部106を含む。遠端部104における遠端は、先端アセンブリ102に取り付けられる。近端部106における近端は、ICE装置110の操作及び該ICE装置110の手動制御のために、例えば可撓性歪緩和部112によりハンドル120に取り付けられる。先端アセンブリ102は、超音波トランスジューサ及び関連する回路を備えた撮像コアを含むことができる。ハンドル120は、アクチュエータ116、クラッチ114、及び、本明細書で更に詳細に説明されるような、ICE装置110をステアリングする(先端アセンブリ102及び遠端部104を偏向させる等)ための他のステアリング制御部品を含むことができる。
[0057] ハンドル120は、他の歪緩和部118及び電気ケーブル122を介してコネクタ124に接続される。コネクタ124は、先端アセンブリ102における撮像コアにより発生された信号から得られるデータを処理し、記憶し、分析し、操作し及び表示するために処理システム130及びモニタ132と相互接続するように何らの好適な形態で構成することができる。処理システム130は、1以上のプロセッサ、メモリ、キーボード等の1以上の入力装置及び何らかの好適なコマンド制御インターフェース装置を含むことができる。処理システム130は、本明細書に記載されるICE撮像システム100のフィーチャを実施化するように動作することができる。例えば、前記プロセッサは非一時的有形コンピュータ読取可能な媒体上に記憶されたコンピュータ読取可能な命令を実行することができる。モニタ132は、液晶ディスプレイ(LCD)パネル等の任意の好適な表示装置とすることができる。
[0058] 動作時において、医師又は臨床医は可撓性長尺部材108を心臓生体構造における血管内へと進める。医師又は臨床医は、アクチュエータ116及びハンドル120上のクラッチ114を制御することにより、可撓性長尺部材108を撮像されるべき関心領域の近傍の位置へとステアリングすることができる。例えば、本明細書において詳細に説明されるように、一方のアクチュエータ116は先端アセンブリ102及び遠端部104を左右面内で偏向させることができる一方、他方のアクチュエータ116は先端アセンブリ102及び遠端部104を前後面内で偏向させることができる。クラッチ114は、関心領域を撮像する間に、アクチュエータ116の位置を、従って前記可撓性長尺部材の偏向をロックするためのロック機構を提供する。
[0059] 撮像過程は、超音波エネルギを生成するために先端アセンブリ102上の超音波トランスジューサ素子を駆動するステップを含み得る。該超音波エネルギの一部は当該関心領域及び周囲の生体構造により反射され、超音波エコー信号が該超音波トランスジューサ素子により受信される。コネクタ124は該受信されたエコー信号を処理システム130に伝送し、該処理システムにおいて超音波画像が再構成されると共にモニタ132上に表示される。幾つかの実施態様において、処理システム130は超音波トランスジューサ素子の駆動やエコー信号の補充(repletion)を制御することができる。幾つかの実施態様において、処理システム130及びモニタ132は同一のシステムの一部とすることができる。
[0060] 当該システム100は、経中隔内腔穿刺法、左心耳閉鎖術、心房細動アブレーション術及び弁修復術等の種々の応用例において利用することができると共に、生体内の血管及び構造を撮像するために用いることができる。システム100はICEカテーテル治療手順の前後関係で説明されるが、該システム100は如何なるカテーテル治療手順による使用にも適している。更に、先端アセンブリ102は、診断、治療及び/又は療法のための如何なる好適な生理学的センサ又は部品を含むこともできる。
[0061] 図2は、本発明の実施態様によるICE装置110の一部の概略図である。先端アセンブリ102及び可撓性長尺部材108は、患者身体の血管内に挿入するために成形及び寸法決めされる。可撓性長尺部材108は、ポリエーテルブロックアミド等の如何なる好適な材料から形成することもできる。ポリエーテルブロックアミドは商標名Pebax(登録商標)の下で普通に製造されている。遠端部104及び近端部106は、形状が筒状であり、可撓性長尺部材108に沿って長手方向に延びる主管路(ルーメン)及び1以上のプルワイヤ管路を含むことができる。上記主管路は、トランスジューサ素子から取得されるエコー信号を伝送するための先端アセンブリ102及びコネクタ124を相互接続する電気ケーブルを収容するように寸法決め及び成形される。幾つかの実施態様において、該主管路は、診断及び/又は治療手順のための他の構成部品を収容するように成形及び寸法決めすることもできる。前記プルワイヤ管路は、例えば遠端部104からハンドル120まで延在するプルワイヤを収容するように寸法決め及び成形される。該プルワイヤはアクチュエータ116及びクラッチ114に、可撓性長尺部材108及び先端アセンブリ102がアクチュエータ116及びクラッチ114の駆動に基づいて偏向可能となるように結合することができる。一実施態様において、前記主管路はプルワイヤ管路の位置合わせを容易にするように成形される。更に、可撓性長尺部材108の筒状本体は、可撓性及び耐捻れ性をもたらすように構成される内張り可変編み上げ(ブレード)補強層を含むことができる。上記プルワイヤ、主管路、プルワイヤ管路、先端アセンブリ102及び内張り可変ブレード補強層の配置及び構成は、本明細書において更に詳細に説明する。可撓性長尺部材108の寸法は、異なる実施態様では相違し得る。幾つかの実施態様において、該可撓性長尺部材108は、約8フレンチ(Fr)と約12フレンチとの間の外径を有するカテーテルとすることができると共に、約80センチメートル(cm)と約120cmとの間の全長206を有することができ、その場合において、近端部106は約70cmと約118cmとの間の長さ204を有することができる一方、遠端部104は約2cmと約10cmとの間の長さ202を有することができる。
[0062] 図3は、本発明の実施態様によるICE装置10の偏向された一部の概略図である。例えば、図2に示された可撓性長尺部材108は中立位置と称することができる。図3において、先端アセンブリ102及び可撓性長尺部材108の遠端部104は中立位置から偏向されて(曲げられて)いる。一実施態様において、遠端部104は、約27ミリメートル(mm)~約28mmの曲げ半径まで偏向させることができる。
[0063] 図4は、本開示の実施態様によるICE装置110の偏向面を図示した概略図である。図示されたように、先端アセンブリ102及び遠端部104は、実線矢印により示されるように第1面に及び点線矢印により示されるように第2面に沿って偏向させることができる。図4において、第1面はx-y面により表され、第2面はx-z面により表される。例えば、心臓生体構造を撮像する場合、x-y面は左右面に対応することができる一方、x-z面は前後面に対応することができる。
[0064] 図5は、本開示の実施態様によるICE装置110内における先端アセンブリ102と可撓性長尺部材108との間の相互接続部を図示した概略図である。図示されたように、先端アセンブリ102と可撓性長尺部材108の遠端部104との間の該相互接続部は、冠状エレメント520及びスリーブエレメント540を含む。冠状エレメント520は遠端部104の遠端に結合される。スリーブエレメント540は、冠状エレメント520及び先端アセンブリ102の近端に結合される。先端アセンブリ102は、先端部材560内に収納された撮像コア562を含む。例えば、該撮像コア562は平らな素子である。先端アセンブリ102は、本明細書において更に詳細に説明されるように、製造の間における位置合わせを容易にするように成形された位置合わせ部(図示略)を含むことができる。撮像コア562は、電気相互接続部564を介して電気ケーブル566に接続される。該電気ケーブル566は可撓性長尺部材108に沿って長手方向に延在する。冠状エレメント520及びスリーブエレメント540は、該電気ケーブル566の周りに嵌められる。
[0065] 電気ケーブル566は、1以上のケーブル及び/又はケーブルに形成された1以上のワイヤを含むことができる。特定の実施態様において、上記1以上のケーブル又はワイヤは、自身の長さに沿って少なくとも部分的に熱収縮チューブにより収容され又は取り囲まれる。幾つかの事例において、前記1以上のケーブルは別個の熱収縮チューブ内に分割され又は配置される。該熱収縮チューブは、典型的に、高分子材料である。理想的な高分子材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。該熱収縮チューブ材料は押出工程を用いて製造することができる。理想的には、該チューブは、拡張されたIDが通されるべきケーブルの幅を通過させる一方、収縮されたIDが通されるケーブルと締まり嵌めを形成するようなものとなるように製造される。
[0066] 前記冠状エレメント520の更に詳細な図が図6Aに示され、該冠状エレメント520の寸法が図6B及び図6Cに示されている。冠状エレメント520は、プルワイヤ507の近端方向への駆動に際して先端アセンブリ102及び遠端部104が、図3及び図4に示され且つ本明細書において更に詳細に説明されるように、偏向可能となり得るようにする該プルワイヤ507のためのアンカ(固定具)として機能する。プルワイヤ507の該冠状エレメント520へのアンカ留めは、図7に示されている。スリーブエレメント540は、冠状エレメント520及びプルワイヤ507を当該偏向が、本明細書で更に詳細に説明するように、予測可能な又は予め定められた関節運動ビューをもたらし得るように位置決めするための位置決めエージェント(仲介物)として機能する。スリーブエレメント540の一層詳細な図が、図8Aに示されている。スリーブエレメント540と先端アセンブリ102との間の位置合わせは、図26に示されている。
[0067] 一実施態様において、可撓性長尺部材108は、本明細書で更に詳細に説明するように可撓性及び耐捻れ性を提供するための内張り可変編み上げ(ブレード)補強層を含むことができる。このような実施態様において、当該相互接続部はアンカ留め部503と可撓性長尺部材108の遠端との間に配置される編上体(ブレード)閉込部502を更に含む。ブレード閉込部502はポリエチレンテレフタレート(PET)等の材料又は何らかの好適な材料からなることができる。アンカ留め部503は、可撓性長尺部材108と同様の材料からなることができる。ブレード閉込部502は、前記ブレード補強層のための終端部として機能する。ブレード閉込部502は前記ブレード補強層の材料(例えば、ステンレススチールワイヤ)の終端部を収容して、該材料のICE装置110の外部への露出を防止する。可撓性長尺部材108及び該ブレード補強層の構造は、本明細書において更に詳細に説明する。アンカ留め部503は、ブレード閉込部502を冠状エレメント520及びスリーブエレメント540に結合して、当該相互接続部において部品を接着する際に熱リフローを可能にする。
[0068] 当該相互接続部は、種々の部品の接続部に対する保護を提供するために、薄いスリーブである支持部材508及び509を更に含むことができる。支持部材508及び509は、如何なる好適な高分子材料から形成することもできる。図示されたように、支持部材508は、スリーブエレメント540、先端アセンブリ102、冠状エレメント520及びアンカ留め部503の間の接続部上に配置される。支持部材509は、ブレード閉込部502、アンカ留め部503及び可撓性長尺部材108の遠端部104の間の接続部上に配置される。
[0069] 図6Aは、本開示の実施態様による冠状エレメント520の斜視図である。図6Bは、本開示の実施態様による冠状エレメント520の底面図である。図6Cは、本開示の実施態様による冠状エレメント520の線601に沿って見た側面図である。該冠状エレメント520は環状リング522並びに支持脚部又は支柱528及び529を含んでいる。該冠状エレメント520は、可撓性長尺部材108の材料とは非類似の又は非互換的材料から形成される。例えば、冠状エレメント520は、金属又はプラスチックポリマ等の熱硬化性材料から形成される。環状リング522は、上面524及び底面526を含む。支柱528及び529は、互いに、環状リング524における概ね半径方向反対側に配置されると共に、底面526から略垂直方向に延びる。支柱528及び529の各々は、該支柱528及び529の中心線に各々沿うと共に該支柱528及び529における環状リング524から遠い側の各端部に配置された孔530を有している。前記プルワイヤ507等の1対のプルワイヤを、該冠状エレメント502に支柱528及び529の各々において1つずつ固定することができる。環状リング522のエッジは、多数回の作動の間におけるプルワイヤの破損をなくすために、例えば小半径で湾曲され又は丸められる。
[0070] 冠状エレメント520の寸法は、異なる実施態様では可撓性長尺部材108の寸法に依存して変化し得る。幾つかの実施態様において、環状リング522は、約5FRと約11FRとの間の外半径611及び約4FRと約10FRとの間の内半径612を有することができる。支柱528及び529の各々は、約1mmと3mmとの間の高さ613及び約0.25mmと1.5mmとの間の幅614を有することができる。各孔530は、約0.05mmと0.7mmとの間の半径615を有することができる。幾つかの実施態様において、前記外半径611は可撓性長尺部材108の外径より小さいものとすることができる一方、前記内半径612は可撓性長尺部材108の前記主管路の半径より大きくすることができる。
[0071] 図7は、本開示の実施態様による定位置のプルワイヤ507に類似したプルワイヤ700を伴う図6Bの線601から見た冠状エレメント520の側面図である。プルワイヤ700は、金属、硬質プラスチック又は何らかの好適な材料から形成することができる。図示されたように、プルワイヤ700は、支柱528により分けられる分割部分721及び722を生成する該支柱528における結び目を形成することにより冠状エレメント520にアンカ留めされる。支柱528は、分割部分721及び722が駆動された場合の接続の安全性及び安定性を提供する。支柱528による分割部分721及び722の分離は、分割部分721及び722の駆動が互いに独立になることを可能にし、かくして、分割部分721及び722の多数回の駆動にわたりICE装置110の一貫した曲がりを提供する。例えば、分割部分721の駆動はICE装置110を一方向に偏向させる一方、分割部分722の駆動はICE装置110を他の方向に偏向させる。ICE装置110の別の面に沿う偏向を行うために同様のメカニズムを用いてプルワイヤ700及び507に類似した他のプルワイヤを冠状エレメント520に他方の支柱529においてアンカ留めすることができる。このように、冠状エレメント520は複数のプルワイヤ区分の独立した一貫性のある駆動を可能にする。更に、結び目710の頭部711は冠状エレメント520の内壁側に配置され、接着後に冠状エレメント520とスリーブエレメント540との間の結合を弱め得る該冠状エレメント520の外側の非類似物質の量を最少化する。
[0072] 図8Aは、本開示の実施態様によるスリーブエレメント540の概略図である。図8Bは、本開示の実施態様によるスリーブエレメント540の上面図である。該スリーブエレメント540は、筒状本体を有すると共に、平坦外側表面部分542及び544並びに湾曲外側表面部分546及び548を含んでいる。該スリーブエレメント540は、可撓性長尺部材108及び先端アセンブリ102と同等の材料から形成される。例えば、スリーブエレメント540はプラスチックポリマから形成することができる。平坦外側表面部分542及び544は、略同一の表面積を有する。湾曲外側表面部分546及び548は、略同一の表面積を有する。平坦外側表面部分542は湾曲外側表面部分546及び548に隣接している。平坦外側表面部分544は湾曲外側表面部分546及び548に隣接している。平坦外側表面部分542及び544は互いに対して大凡半径方向の反対側にある。スリーブエレメント540は、筒状本体に沿って長手方向に延びるスロット551及び552を更に含んでいる。スロット551は、平坦外側表面部分542及び湾曲外側表面部分546の近傍に配置される。スロット552は、平坦外側表面部分544及び湾曲外側表面部分548の近傍に配置される。
[0073] 組み立て又は製造の間において、冠状エレメント520の支柱528及び529はスロット551及び552に各々嵌め込まれ、熱的に接着される。該接着の後、孔530はスリーブエレメント540の材料により充填される。このように、孔530は、一層強い接着を可能にすると共に、冠状エレメント520とスリーブエレメント540との間の結合部における引張強度を改善する。プルワイヤは支柱528及び529においてアンカ留めされ、これら支柱528及び529はスロット551及び552に各々嵌め込まれるので、平坦外側表面部分542及び544に対するスロット551及び552の配置は、本明細書で更に詳細に説明されるように、プルワイヤの駆動が一貫性のある関節運動ビューを提供することができるような撮像コア562に対するプルワイヤの位置決めを容易にすることができる。
[0074] スリーブエレメント540の寸法は、異なる実施態様では可撓性長尺部材108の寸法に依存して変化し得る。例えば、外径814は、該スリーブエレメント540を先端部材560の近端側開口568に嵌め込むことができるように該先端部材560の近端側開口568の内径より小さくすることができる。スロット551及び552の幅813は、前記支柱528及び529を該スロット551及び552に各々挿入することができるように該支柱528及び529の幅614より大きくすることができる。例えば、スリーブエレメント540の材料は、柔軟性のものとすることができ、挿入される支柱528及び529に順応するものとすることができる。
[0075] 図9は、本開示の実施態様によるスリーブエレメント900の上面図である。該スリーブエレメント900はICE装置110により前記スリーブエレメント540の代わりに使用することができる。スリーブエレメント900は、スリーブエレメント540と類似するが、スリーブエレメント540におけるような如何なる平らな部分も備えない曲線状外側表面910を有している。スリーブエレメント900は、前記スロット551及び552と同様のスロット921及び922を含むことができ、これらスロットは前記冠状エレメントに接着される際に支柱528及び529を各々嵌め込むために用いることができる。スリーブエレメント900は、先端アセンブリ102が位置合わせのための位置合わせ部を含まない場合に用いることができる。幾つかの実施態様において、スリーブエレメントは位置合わせのために残りの外側表面とは異なる外側表面部分を有するように成形することができ、該外側表面部分は位置合わせに適した如何なる形状にすることもできる。
[0076] ICE装置110を組み立てる方法1000を、図10~図16を参照して説明する。図10は、本開示の態様によるICE装置110を組み立てる方法1000のフローチャートである。該方法1000のステップの前、間及び後に追加のステップを設けることができ、説明されるステップの幾つかは本方法の他の実施態様に関しては置換し又は削除することができると理解される。方法1000のステップは、ICE装置の製造者により実行することができる。図11は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において電気ケーブル566上に嵌められた冠状エレメント520を図示した概略図である。図12は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において冠状エレメント520にアンカ留めされた1対のプルワイヤ700及び740を図示した概略図である。図13は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において冠状エレメント520にアンカ留めされると共に可撓性長尺部材108に通される前記1対のプルワイヤ700及び740を図示した概略図である。図14は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において結合のために位置決めされた冠状エレメント520を図示した概略図である。図15は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において結合のために位置決めされたスリーブエレメント540を図示した概略図である。図16は、本開示の実施態様による組み立ての或る段階において先端アセンブリ102及び可撓性長尺部材108に接着されたスリーブエレメント540を図示した概略図である。
[0077] 方法1000のステップ1005を参照すると、一実施態様において、電気ケーブル566に結合された先端アセンブリ102が得られる。方法1000のステップ1010及び図11を参照すると、一実施態様において、冠状エレメント520が電気ケーブル566の周りに配置される。図11は、冠状エレメント520が予め装着された電気ケーブル566を示す。図示されたように、冠状エレメント520は支柱528及び529が先端アセンブリに向かって延びるように配置される。
[0078] 方法1000のステップ1015及び図12を参照すると、一実施態様において、プルワイヤ700が、該プルワイヤ700を2つの分割部分721及び722を形成するように支柱528の位置において環状リング522の周りでループさせることにより冠状エレメント520に固定される。図12は、冠状エレメント520にアンカ留めされた1対のプルワイヤ700及び740を図示している。プルワイヤ700は支柱528の位置において環状リング522に図7に示したのと同様の結び目手法を用いてアンカ留めされる。同様に、プルワイヤ740は支柱529の位置において環状リング522に、分割部分741及び742を生成する雲雀結び743を形成することによりアンカ留めされる。結び目710及び743の頭部が冠状エレメント520の内壁に隣接して配置されていることに注意されたい。一実施態様において、分割部分721及び722は、遠端部104及び先端アセンブリ102を、左方向及び前方向に各々ステアリングするためのものである。分割部分741及び742は、遠端部104及び先端アセンブリ102を、右方向及び後方向に各々ステアリングするためのものである。
[0079] 方法1000のステップ1020及び図13を参照すると、一実施態様において、分割部分721及び722の各々が、可撓性長尺部材108の複数のプルワイヤ管路582のうちの1つ内に配置される。図13は、冠状エレメント520にアンカ留めされると共に可撓性長尺部材108に通される前記1対のプルワイヤ700及び740を示している。図示されたように、分割部分721は可撓性長尺部材108におけるプルワイヤ管路582のうちの1つに通されている。図示されていないが、分割部分722,741及び742の各々も、プルワイヤ管路582のうちの1つに通すことができる。
[0080] 方法1000のステップ1025並びに図14及び図15を参照すると、一実施態様において、スリーブエレメント540が冠状エレメント520と先端アセンブリ102との間に配置される。図14は、結合のために位置決めされた冠状エレメント520を示す。図示されたように、冠状エレメント520は可撓性長尺部材108の遠端に当接して配置される。図15は、結合のために配置されたスリーブエレメント540を示す。図示されたように、スリーブエレメント540は冠状エレメント520と先端アセンブリ102との間に配置される。
[0081] 方法1000のステップ1030を参照すると、一実施態様において、支柱528及び529がスリーブエレメント540のスロット551及び552に各々嵌め込まれる。
[0082] 方法1000のステップ1035を参照すると、一実施態様において、スリーブエレメント540は長さ的に切断される。
[0083] 方法1000のステップ1040を参照すると、一実施態様において、スリーブエレメント540は電気ケーブル566の周りに装着される。
[0084] 方法1000のステップ1045を参照すると、一実施態様において、平坦外側表面部分542及び544が先端アセンブリ102の平らな部分に位置合わせされる。該位置合わせは、本明細書で更に詳細に説明する。
[0085] 方法1000のステップ1050及び図16を参照すると、一実施態様において、スリーブエレメント540を先端アセンブリ102、冠状エレメント520及び可撓性長尺部材108に接着するために該スリーブエレメント540に熱リフローが付与される。図16において、当該接着は先端アセンブリ102と可撓性長尺部材108との間の接合部1610を形成する。前述したように、スリーブエレメント540は可撓性長尺部材108及び先端アセンブリ102の材料と類似した材料から形成される一方、冠状エレメント520は熱硬化性である非類似な材料から形成される。このように、当該熱リフローはスリーブエレメント540、可撓性長尺部材108及び先端アセンブリ102を一緒に融着させることができる一方、冠状エレメント520は該融着された材料内に埋め込まれる。かくして、スリーブエレメント540は接合部1610における間隙及び/又は空間を充填することができる。スリーブエレメント540は別の部分のリフロー処理の後の接合部1610における陥没を防止することができる。更に、スリーブエレメント540は、接着のレベルを当該接合部1610の表面に維持するために該接合部に接着剤を追加する際のストッパとして機能する。更に、スリーブエレメント540は、接合部1610の引張強度を増加させることができる。幾つかの実施態様において、冠状エレメント520及びスリーブエレメント540は、可撓性長尺部材108の主管路に同軸的に整列される。
[0086] 冠状エレメント520及びスリーブエレメント540は幾つかの利点を提供する。冠状エレメント520は、先端アセンブリ102及び遠端部104を対応する方向に偏向させるためにプルワイヤ分割部分721、722、741又は742が駆動された場合に、個々のプルワイヤ分割部分721、722、741及び742に対する接続の安全性及び安定性を提供する。更に、プルワイヤ700及び740の支柱528及び529における各アンカ留めは、プルワイヤ分割部分721、722、741及び742の駆動が一貫した偏向角をもたらすことを可能にする。前記孔530は、熱リフローの間におけるスリーブエレメント540の冠状エレメント520に対する接着を可能にし、従って、引張強度を増加させる。更に、冠状エレメント520は、丸まったエッジを備えるように成形され、複数の駆動にわたるプルワイヤ700及び740の破断を防止すると共にICE装置110の寿命を増加させる。スリーブエレメント540は、平坦表面部分542及び544を備えて成形され、プルワイヤ700及び740の撮像コア562に対する容易、正確且つ一貫性のある位置合わせを可能にする。このように、スリーブエレメント540の採用は、一貫性のある角度の関節運動を可能にする。更に、スリーブエレメント540は、先端アセンブリ102と可撓性長尺部材108との間の接合部における引張強度を改善することができる。
[0087] 図17は、本開示の実施態様による先端部材1700の側面図である。該先端部材1700は、先端アセンブリ102により前記先端部材560の代わりに採用することができる。先端部材1700は、閉じた丸い(閉鎖丸形)遠位先端1720及び開いた(開放)近端1732を備えた筒状本体1728を有している。先端部材1700は、前記閉鎖丸形遠位先端1720から前記開放近端1732まで順に結合された遠端部1702、テーパ状部分1704及び近端部1706を含んでいる。先端部材1700は、近端部1706における近端側湾曲上部外壁1730に結合された湾曲底部外壁1734を含み、上記近端側湾曲上部外壁1730は遠端部1702における遠端側平坦上部外壁1722へと滑らかに移行する。テーパ状部分1704における滑らかな半径の移行は、遠端側平坦上部外壁1722及び近端側湾曲上部外壁1730を結合するための垂直な表面の必要性を除去する。かくして、該先端部材1700外部幾何学構造は、摩擦を低減すると共に、先端部材1700が患者身体を通過する際に組織構造に引っかかることを防止するための滑らかな表面を提供し、且つ、患者への外傷を低減する。幾つかの実施態様において、先端部材1700は、摩擦を更に減少させるために親水性材料により更に処理することができる。
[0088] 筒状本体1728は、使用時において患者身体の血管内の血液と整合する音響インピーダンスを有するような何らかの好適な生体適合性材料又は熱可塑性エラストマ材料から形成することができる。一実施態様において、先端部材1700は、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックアミド3533 SA 01 MED材料から構築される。先端部材1700の寸法は、異なる実施態様では変化し得る。幾つかの実施態様において、先端部材1700は、約15mm~約30mmの間の長さ1714を含むことができる。遠端側平坦上部外壁1722は、約5mm~約15mmの長さ1712にわたり延在することができる。先端部材1700は、該先端部材1700の外径1711に比例した高さ1710を含むことができる。幾つかの実施態様において、高さ1710は外径1711の少なくとも約50%、幾つかの特別な実施態様によれば、外径1711の約50%~約75%の間である。テーパ状部分1704は、約0.5mm~約2mmの間の長さ1716にわたり延在することができ、該先端部材1700の中心長軸に対して約15度~約75度の間の角度1718で先細る。
[0089] 図18は、本開示の実施態様による先端部材1700の側面斜視図である。該先端部材1700は、開放近端1732から閉鎖丸形遠位先端1720に向かって順に結合されたインターフェース部分1846、位置合わせ部分1844及び収容部分1842を有する内部空洞1800を含んでいる。更に、内部空洞1800は、本明細書で更に詳細に説明されるような切り溝シール材を収容するために使用される前記収容部分1842に対し隣接し且つ遠端側に位置するチェンバ1834を含む。
[0090] インターフェース部分1846は、例えば前記スリーブエレメント540を介して可撓性長尺部材108に結合するように寸法決め及び成形される。位置合わせ部分1844は、前記スリーブエレメント540又は何らかの適切な接続部材に位置合わせするように寸法決め及び成形される。一実施態様において、該位置合わせ部分1844は、当該内部空洞1800の内壁部分に沿って位置合わせ部1830及び1832を形成するようにモールド成形される。一実施態様において、位置合わせ部1830及び1832は、スリーブエレメント540の第2向き決め面(例えば、平坦外側表面部分542及び544)と相互係合する第1向き決め面を有するように構成される。
[0091] 収容部分1842は、前記撮像コア562を収容するように寸法決め及び成形される。該収容部分1842の幾何学構造は、撮像コア562の位置合わせ及び位置決めを容易にするように構成される。収容部分1842は、遠端側平坦上部内壁1826へ滑らかに移行する近端側湾曲上部内壁1828を含む。近端側湾曲上部内壁1828は近端側湾曲上部外壁1730の反対側にあり、遠端側平坦上部内壁1826は遠端側平坦上部外壁1722の反対側にある。一実施態様において、収容部分1842は、該収容部分1842の側壁部分に沿って長手方向に延びる第1段部1822及び第2段部1824を備えた段状の棚部を有する案内部1820を形成するようにモールド成形される。収容部分1842は、該収容部分1842の半径方向反対側の側壁部分に沿って長手方向に延びる前記案内部1820と同様の他の案内部1850(図21に示される)を含むことができる。遠端側平坦上部内壁1826並びに案内部1820及び1850は、当該収容部分1842内での撮像コア562の配置を限定する。一実施態様において、撮像コア562は、超音波トランスジューサ素子のアレイを含み、点線矢印により示されると共に本明細書において更に詳細に説明されるように超音波が遠端側平坦上部内壁1826及び遠端側平坦上部外壁1722に向かって、且つ、これら壁を経て伝搬するように配置される。前記位置合わせ部1830及び1832は、撮像コア562の向きに対して予め定められた関係で配置される。
[0092] 先端部材1700の寸法は、異なる実施態様では様々であり得る。幾つかの実施態様において、先端部材1700は遠端側平坦上部内壁1826と遠端側平坦上部外壁1722との間に200ミクロン未満の均一な厚さ1810を含み、超音波の反射及び減衰等の歪が最小化され得るようにする。収容部分1842は、約10mm~約28mmの間の長さ1812で延在することができる。位置合わせ部分1844は、約1mm~約5mmの間の長さ1814で延在することができる。インターフェース部分1846は、約1mm~約5mmの間の長さ1816で延在することができる。
[0093] 図19は、本開示の実施態様による先端部材1700の図18の線1801に沿う断面図である。図19は、内部空洞1800のインターフェース部分1846の開放近端1732を示す。該開放近端1732の寸法は、異なる実施態様では異なり得る。幾つかの実施態様において、該近端側の開放端1732は実質的に円形の形状を有する。外径1711及び内径1713は、先端部材1700を当該カテーテルシャフトと結合することができるように、該カテーテルシャフトの本体(例えば、可撓性長尺部材108)に合致するように寸法決めすることができる。例えば、約8FRと約12FRとの間のカテーテルシャフト本体は、約100ミクロンと約400ミクロンとの間の壁厚を有し得る。このようなカテーテルシャフトと結合するために、外径1711は約8FRと約12FRとの間とすることができ、外径1711と内径1713との間の差は約100ミクロンと約400ミクロンとの間とすることができる。
[0094] 図20は、本開示の実施態様による先端部材1700の図18の線1802に沿う断面図である。図20は、内部空洞1800の位置合わせ部分1844を示す。先端部材1700は、位置合わせ部分1844の内壁の一部に沿って位置合わせ部1830及び1832を形成するようにモールド形成される。例えば、位置合わせ部1830及び1832は、前記内壁の一部にわたり横方向に延びる棚部であり、互いに半径方向の反対側に配置される。各棚部は、前記撮像コア562の超音波ビーム伝搬方向に対して略垂直な平らな表面2020を有している。これら位置合わせ部1830及び1832の寸法は、異なる実施態様では異なり得る。例えば、該位置合わせ部1830及び1832は前記スリーブエレメント540(例えば、平坦外側表面部分542及び544)に適合するように成形及び寸法決めすることができ、かくして、スリーブエレメント540及び先端部材1700を、位置合わせ部1830及び1832を平坦外側表面部分542及び544と相互係合させることにより位置合わせすることができるようにする。
[0095] 図21は、本開示の実施態様による先端部材1700の線1803に沿う断面図である。図21は、内部空洞1800における当該先端部材1700が近端側湾曲上部外壁1730及び近端側湾曲上部内壁1828を有する箇所の収容部分1842を図示している。先端部材1700は、当該収容部分1842の内壁の一部に沿って案内部1820及び1850を形成するようにモールド成形される。案内部1820及び1850は、当該収容部分1842内で互いに半径方向の反対側に配置される。案内部1820は、第1段部1822及び第2段部1824を備えた段状の棚を含む。同様に、案内部1850は、第1段部1852及び第2段部1854を備えた段状の棚を含む。更に、先端部材1700は、当該収容部分1842に沿って長手方向に延びると共に案内部1820及び1850に結合された高めのU字状底部内壁1856を形成するようにモールド成形される。本明細書で更に詳細に説明されるように、案内部1820及び1850が前記撮像コア562(図示略)の配置を限定する。案内部1820及び1850並びに高めのU字状底部内壁1856の寸法は、異なる実施態様では異なり得る。例えば、案内部1820及び1850の寸法並びに該案内部1820及び1850の間の離隔距離は、撮像コア562を収容するように成形及び寸法決めされる。上記高めのU字状底部内壁1856の壁厚は、音響的減衰を最小化するように構成される。
[0096] 図22は、本開示の実施態様による先端部材1700の線1804に沿う断面図である。図22は、内部空洞1800における当該先端部材1700が遠端側平坦上部外壁1722及び遠端側平坦上部内壁1826を有する箇所の収容部分1842を図示している。案内部1820及び1850並びに遠端側平坦上部内壁1826が、前記撮像コア562の配置を限定する。例えば、撮像コア562は先端部材1700内に、点線ボックスにより示されるように、案内部1820及び1850並びに遠端側平坦上部内壁1826により案内されて配置される。案内部1820及び1850は撮像コア562の配置を第1軸に沿って及び該第1軸に略垂直な第2軸に沿う第1方向において制限する。図22において、上記第1軸はx軸として示され、第2軸はy軸として示されている。遠端側平坦上部内壁1826は、撮像コア562の配置を上記第2軸に沿う反対方向において制限する。前述したように、先端部材1700は、遠端側平坦上部外壁1722と遠端側平坦上部内壁1826との間の厚さ1810が、動作の間において撮像コア562により生成される超音波(点線矢印)の反射及び/又は偏向等の歪を最小にするように200ミクロン未満となるように寸法決めされる。
[0097] 図23は、本開示の実施態様による先端部材1700の背面斜視図である。図23は、線1801により示される開放近端1732から見た内部空洞1800の構造を図示する。図示されたように、内部空洞1800は、位置合わせ部1830及び1832、高めのU字状底部内壁1856、案内部1820及び1850、並びに遠端側平坦上部内壁1826を含んでいる。上記高めのU字状底部内壁1856は、位置合わせ部1832に対して隣接すると共に遠端側にあり、案内部1820及び1850に結合されている。
[0098] 図24は、本開示の実施態様による撮像コア562を定位置に備えた先端部材1700の背面斜視図である。図24は、線1801により示される開放近端1732から見た内部空洞1800内の撮像コア562の配置を図示している。撮像コア562は、案内部1820及び1850並びに遠端側平坦上部内壁1826により案内されて内部空洞1800内に収納される。撮像コア562は、音響積層体2412と裏張り材料層2416との間に埋め込まれたトランスジューサ回路層2414を含むことができる。トランスジューサ回路層2414は、超音波トランスジューサ素子及び関連する回路を含む。音響積層体2412は、上記超音波トランスジューサ素子、伝送媒体及び撮像のための標的組織に音響的に整合された材料から形成される。裏張り材料層2416は音響的に吸収性の材料から形成され、かくして、該裏張り材料層2416はトランスジューサ回路層2414の背後から到来する超音波を吸収又は消すことができる。例えば、音響積層体2412はPZT、単結晶、CMUT、PMUT等の材料を含むことができ、裏張り材料層2416はエポキシ材料を含むことができる。音響積層体2412は前記遠端側平坦上部内壁1826に殆ど当接して配置され、当該超音波の音響的歪を更に最少化するために薄いボンドラインを生成する。内部空洞1800の空間は、撮像コア562を封入するためにカプセル封止材料により充填される。例えば、該カプセル封止材料は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、紫外(UV)接着剤、又は音響特性、接着強度及び製造の間において作業する容易さ等の望ましい特性を有する何からの好適な材料を含むことができる。幾つかの実施態様において、音響積層体2412は、例えば該音響積層体2412の周囲に沿う充填されていない空気切り溝(air kerfs)を含む。このような実施態様において、音響積層体2412の周囲は、内部空洞1800をカプセル封止材料により充填する前に斯かる充填されていない空気切り溝を密閉するためにUV接着剤等の密閉材料により密閉される。図18に示されたチェンバ1834は、斯かる密閉材料を収容するために用いることができる。
[0099] 図25は、本開示の実施態様による撮像コア562の図24の線2402に沿う側断面図である。トランスジューサ回路層2414は、例えば導電路及び/又は関連する回路を介して1以上のマルチプレクサチップ2512に結合された超音波トランスジューサ素子2510のアレイを含む。幾つかの実施態様において、超音波トランスジューサ素子2510の数は、8、16、32、64又は何からの好適な数とすることができる。超音波トランスジューサ素子2510は、圧電材料から形成される。ICEのための例示的トランスジューサは、8メガヘルツ(MHz)の超音波信号が発生されると共に血液を介して1500メートル/秒(m/sec)の典型的速度で伝送されることを可能にするために、圧電材料の0.28mmなる典型的な厚さを有する。トランスジューサの厚さは、組織撮像において十分な侵入深度を生じさせるために約0.56mmから0.19mmまでの範囲の種々の厚さのものであり得る。一般的に、トランスジューサの厚さは、如何なる組織撮像においても所望の侵入深度が得られるような伝送媒体における音の周波数に調整することができる。画像強度はトランスジューサに対する電圧を駆動することにより調整することができる。
[0100] マルチプレクサチップ2512は、例えば処理システム130により発生された制御信号を多重化し、該制御信号を対応する超音波トランスジューサ素子2510に伝送する。上記制御信号は、超音波パルスの放出及び/又はエコー信号の受信を制御することができる。逆方向において、マルチプレクサチップ2512は、標的組織により反射されて超音波トランスジューサ素子2510により受信されたエコー信号を多重化し、該受信されたエコー信号を、例えば、処理及び/又は表示のために処理システム130に伝送する。
[0101] 図26は、本開示の実施態様による結合するために配置された先端アセンブリ102及びスリーブエレメント540の斜視図である。先端アセンブリ102は、撮像コア562を先端部材1700内の定位置に備えて図示されている。撮像コア562は、電気的相互接続部564を介して電気ケーブル566に結合されている。該電気ケーブル566は、内部空洞1800の位置合わせ部分1844及びインターフェース部分1846並びにスリーブエレメント540を介して延びている。該電気ケーブル566は、図5に示されるように、前記可撓性長尺部材108を介して更に延びることができる。製造の間において、インターフェース部分1846はスリーブエレメント540、冠状エレメント520及び可撓性長尺部材108の一部上に延び、これらを被覆することができ、かくして、接着強度を改善する。
[0102] 図示されたように、先端部材1700は、位置合わせ部1830及び1832がスリーブエレメント540の平坦外側表面部分542及び544と位置合わせされるように向けられる。前述したように、スリーブエレメント540は、プルワイヤ700及び740の配置に関連する特定の向きで冠状エレメント520に結合するように構成されたスロット551及び552並びに平坦外側表面部分542及び544を含んでいる。このように、スリーブエレメント540、位置合わせ部1830及び1832並びに冠状エレメント520は、該スリーブエレメント540、位置合わせ部1830及び1832並びに冠状エレメント520の特定の向きでの結合を可能にするように共同して設計することができる。かくして、スリーブエレメント540、位置合わせ部1830及び1832並びに冠状エレメント520は、製造の間において追加の位置合わせ手法又は調整無しで一貫性を以って位置合わせすることができる。位置合わせ部1830及び1832は撮像コア562の超音波ビーム伝搬方向と予め規定された関係で向けられており、且つ、プルワイヤ700及び740は先端アセンブリ102のステアリングを実行するように構成されているので、プルワイヤ700及び740の駆動は、撮像するための一貫性のある関節運動ビューを提供することができる。スリーブエレメント540並びに位置合わせ部1830及び1832の位置合わせ用向き決め手段(keying)は、代わりに、同様の機能を達成すべく当業者により決定されるよう構成することもできることに注意されたい。
[0103] 上述した先端部材1700の構成及び構造は、カテーテル治療の安全且つ容易な提供、ステアリング又はナビゲーションのための改善された引張強度、一貫性のある又は自動的な位置合わせ、及び改善された画像品質等の幾つかの利点を提供する。例えば、先端部材1700の外部幾何学構造は、滑らかな表面及び小さな半径の滑らかなエッジを提供するように構成される。該滑らかなエッジは、先端部材1700が挿入の間に血管を横切る際の摩擦を低減する。前記滑らかな表面は、挿入の間における組織構造に対する裂傷及び/又は損傷を防止する。近端側湾曲上部外壁1730から遠端側平坦上部外壁1722への滑らかな半径遷移は、挿入の間において外側の凹凸に引っ掛かり得る棚部が存在しないことを保証する。更に、上記の滑らかなエッジ及び滑らかな表面は、カテーテル治療手順の間における隔膜又は他の解剖学的構造の横断を容易にし得る。先端部材1700の材料のタイプ及び壁厚(例えば、均一な厚さ1810)は、音響的歪、減衰及び/又は反射を最小にするように選択される。先端部材1700の内部幾何学構造は、製造の間における位置合わせを容易にするように構成される。前述したように、位置合わせ部1830及び1832は、撮像コア562とプルワイヤ700及び740との間の一貫し且つ予測可能な位置合わせを提供する。先端部材1700は、例えばガイドワイヤ管路、孔、又は圧力センサ、薬剤供給メカニズム等の追加の装置若しくはフィーチャを収容するための他の幾何学構造等の他のフィーチャ、及び/又は何らかの適切な介入的フィーチャを含むこともできる。
[0104] 図27~図30は、先端部材1700と実質的に同様の利点を提供することができる代替的な先端部材構造を示す。図27は、本開示の実施態様による先端部材2700の側面斜視図である。該先端部材2700は、先端アセンブリ102により使用することができる。先端部材2700は、閉鎖された丸形の遠端2720及び開放された近端2728を備えた筒状本体2742を有する。先端部材2700は、遠端部2702及び近端部2704を含む。先端部材2700は湾曲した外壁2724を含む。例えば、先端部材2700は一様な外側円形輪郭を有する。幾つかの実施態様において、湾曲外壁2724は超音波を収束させるためのレンズ効果をもたらすように設計することができる。筒状本体2742は、前記先端部材1700の筒状本体1728と同様の材料から構築することができる。
[0105] 先端部材2700は、開放近端2728から閉鎖丸形遠端2720に向かって延びる内部空洞2730を含む。該内部空洞2730は、撮像コア562を収容するように構成される。内部空洞2730は、近端部2704における近端側湾曲上部内壁2726及び遠端部2702における遠端側平坦上部内壁2722を含む。内部空洞2730は、近端側湾曲上部内壁2726及び遠端側平坦上部内壁2722に結合された湾曲底部内壁2738を含む。内部空洞2730は、該内部空洞2730の側壁部分に沿って開放近端2728から閉塞丸形遠端2720に向かって延びる1対のレール2732及び2734を形成するようにモールド成形される。レール2732及び2734は、周方向に互いに離隔されて、撮像コア562を配置するための空間を形成する。内部空洞2730は、該内部空洞2730の半径方向反対側の側壁部分に沿って長手方向に延びる、前記レール2732及び2734と同様の他の対のレール2752及び2754(図28に示される)を更に含む。このように、レール2732、2734、2752及び2754は、撮像コア562の配置を限定するための案内部材として働く。例えば、撮像コア562は、超音波トランスジューサ素子2510が超音波を点線矢印により示されるように遠端側平坦上部内壁2722及び遠端部2702における湾曲外壁2724に向かって且つ斯かる壁を介して放出するように配置される。先端部材2700の寸法は、前記先端部材1700と実質的に同様とすることができるが、遠端部2702における壁厚2720は200ミクロンより大きい。例えば、該壁厚2720は、当該先端部材2700の外径2712の約25%~約50%の間とすることができる。
[0106] 図28は、本開示の実施態様による撮像コア562を定位置に備えた先端部材2700の背面斜視図である。図28は、線2701により示されるように開放近端2728から見た場合の内部空洞2730における撮像コア562の配置を示す。撮像コア562は、第1軸及び該第1軸に略垂直な第2軸に沿って前記レール2732、2734、2752及び2754により案内されて内部空洞2730内に収納される。図28において、第1軸はx軸として示され、第2軸はy軸として示されている。z軸に沿う撮像コア562の配置は、内部空洞2730の最遠端により制限される。内部空洞2730と撮像コア562との間の空間は、前記先端部材1700の内部空洞1800に対して用いられるのと同様のカプセル封止材料により充填される。先端部材2700は、スリーブエレメント540、冠状エレメント520及び可撓性長尺部材108との位置合わせを容易にするために、前記位置合わせ部1830及び1832と同様の位置合わせ部を更に含むことができる。
[0107] 図29は、本開示の実施態様による先端部材2900の側面斜視図である。該先端部材2900は前記先端アセンブリ102により採用することができる。先端部材2900は、前記先端部材2700と類似しているが、異なる内部幾何学構造を有する。先端部材2900は、閉鎖丸形遠端2920及び開放近端2928を備えた筒状本体2942を有する。先端部材2900は遠端部2902及び近端部2904を含む。先端部材2900は湾曲外壁2924を含む。筒状本体2942は、前記先端部材1700の筒状本体1728及び前記先端部材2700の筒状本体2742と同様の材料から構築することができる。
[0108] 先端部材2900は、開放近端2928から閉鎖丸形遠端2920まで延びる内部空洞2930を含んでいる。該内部空洞2930は前記撮像コア562を収容するよう構成される。内部空洞2930は湾曲内壁2926を含む。内部空間2930は、該内部空間2930の側壁部分に沿い開放近端2928から閉鎖丸形遠端2920に向かって延びる1対のレール2932及び2934を形成するようにモールド成形される。レール2932及び2934は周方向に互いに離隔され、撮像コア562を配置するための空間を形成する。内部空洞2930は、該内部空間2930の半径方向反対側の側壁部分に沿って長手方向に延びる前記レール2932及び2934と同様の他の対のレール2952及び2954(図30に示される)を更に含んでいる。このように、レール2932、2934、2952及び2954は、撮像コア562の配置を限定するための案内部材として働く。例えば、撮像コア562は、超音波トランスジューサ素子2510が超音波を点線矢印により示されるように遠端部2902における湾曲内壁2926の一部及び湾曲外壁2924の一部に向かって且つ斯かる部分を介して放出するように配置される。
[0109] 図30は、本開示の実施態様による撮像コア562を定位置に備えた先端部材2900の背面斜視図である。図30は、線2901により示されるように開放近端2928から見た場合の内部空洞2930における撮像コア562の配置を示す。撮像コア562は、第1軸及び該第1軸に略垂直な第2軸に沿って前記レール2932、2934、2952及び2954により案内されて内部空洞2930内に収納される。図30において、第1軸はx軸として示され、第2軸はy軸として示されている。z軸に沿う撮像コア562の配置は、内部空洞2930の最遠端により制限される。内部空洞2930と撮像コア562との間の空間は、前記先端部材1700の内部空洞1800及び前記先端部材2700の内部空洞2730に対して用いられたのと同様のカプセル封止材料により充填される。先端部材2900は、スリーブエレメント540、冠状エレメント520及び可撓性長尺部材108との一貫した位置合わせをもたらするために、前記位置合わせ部1830及び1832と同様の位置合わせ部を更に含むことができる。
[0110] 図31及び図32は、裏打ち可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフト3100を示す。該カテーテルシャフト3100は、ICE装置110により前記可撓性長尺部材108の代わりに採用することができる。図31は、本開示の実施態様による内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフト3100の該カテーテルシャフト3100の横軸に沿う断面図である。図32は、本開示の実施態様による内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフト3100の図31の線3101に沿う縦断面図である。該カテーテルシャフト3100は遠端3202及び近端3204を有している。該カテーテルシャフト3100は、形状が、筒状壁部3102及び主管路3108を備えた筒状である。主管路3108は、例えばカテーテルシャフト3100の中心長軸に沿って遠端3202と近端3204との間に延在する。
[0111] 筒状壁部3102は、遠端側区域3206では高デュロメータ硬度ポリマ材料から、近端側区域3208では低デュロメータ硬度ポリマ材料から形成される。例えば、上記高デュロメータ硬度ポリマ材料は、63D~80Dの間のデュロメータ硬度を有することができ、Pebax(登録商標)72D等の材料又は適切なナイロンを含むことができる。上記低デュロメータ硬度ポリマ材料は、35D~55Dの間のデュロメータ硬度を有することができ、Pebax(登録商標)35D等の材料又は適切なナイロンを含むことができる。遠端側区域3206と近端側区域3208との間での筒状壁部3102の高度に相違するデュロメータ硬度は、当該カテーテルシャフト3100に鋭い遷移部又は高い剛柔(stiff-to-flex)比を生成する。このように、カテーテルシャフト3100は、近端側区域3208において相対的に剛的とすることができる一方、遠端側区域3206において相当に柔軟又は可撓的とすることができる。カテーテルシャフト3100のステアリング性、カテーテルシャフト3100を曲げるための力の量並びに曲げ力及び/又は駆動の局所性は、該カテーテルシャフト3100のデュロメータ硬度に依存し得る。鋭い遷移は、当該カテーテルシャフト3100が使用される際の、ステアリング性、力の量及び/又は該力の局所性を改善することができる。
[0112] カテーテルシャフト3100は、筒状壁部3102の長さを介して長手方向に延びる複数の副管路3106を更に含んでいる。主管路3108は十字状の断面輪郭を有している。この輪郭は、例えば、丸形もの(図31に示されるような)又は矩形とすることができる。副管路3106は、プルワイヤ507、700及び740等のプルワイヤを収容するように成形及び寸法決めされる。このように、副管路3106は、プルワイヤ管路とも称される。副管路3106は、筒状壁部3102内に約90度の角度3180で放射状に離隔されて配置される。当該十字状断面の腕部3110は、副管路3106の角度位置を定めることができる凹部を形成している。例えば、副管路3106は、本明細書で更に詳細に説明するように、製造の間において隣接する腕部3110の間に配置される。主管路3108及び副管路3106は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の滑りやすい内張り材料(図示略)により内張りすることができる。該内張り材料は、プルワイヤ又は何らかの他の適切な診断センサアセンブリの通し、供給及び駆動のための無摩擦面を形成する。更に、該内張り材料は主管路3108及び副管路3106が潰れることを防止する支持構造として機能することもできる。更に、該内張り材料は、プルワイヤの頻繁なずらし又は駆動及び/又は他の診断センサアセンブリの通しにより生じる摩損を防ぐ障壁として機能することもできる。
[0113] カテーテルシャフト3100は、筒状壁部3102に埋め込まれた編み上げ(ブレード)層3104を更に含む。該ブレード層3104は遠端側部分3212、近端側部分3216及び遠端側部分3212と近端側部分3216との間の移行部分3214を含む。該ブレード層3104は、如何なる適切な材料及び幾何学構造で形成することもできる。例えば、ブレード層3104はステンレス鋼フラットワイヤ(平角線)を含むことができ、該ワイヤは半径方向空間の最適利用及び付加的強度をもたらすことができる。ブレード層3104は、筒状壁部3102の長さに沿って変化するピッチのブレード(編み体)を有する。該ブレードは、如何なる好適なブレードパターンを含むこともできる。該ブレードパターンは、トルク伝達(例えば、近端3204から遠端3202への1:1の比)、押し込み性及び/又は耐捩れ性を改善するように選択することができる。
[0114] 遠端側部分3212におけるブレードは、近端側部分3216におけるブレードよりも、例えば約2倍大きいインチ当たりカウント(PIC)を有するよう構成される。遠端側部分3212における一層大きいPICは、遠端側区域3206に大きな柔軟性を付与する。近端側部分3216の一層小さいPICは、近端側区域3208のための一層剛的な支持を形成する。例えば、遠端側部分3212は第1PICを有し、近端側部分3216は第2PICを有し、移行部分3214は第1PICから第2PICに滑らかに変化するような変化するPICを有する。図示されたように、ブレード層3104の遠端側部分3212はカテーテルシャフト3100の遠端側区域3206に位置合わせされ、ブレード層3104の近端側部分3216はカテーテルシャフト3100の近端側区域3208に位置合わせされ、移行部分3214は線3201により示されるように低デュロメータ硬度の遠端側区域3206が高デュロメータ硬度の近端側区域3208と出会う結合点を横切って延在する。該移行部分3214は、例えば約5mm~約20mmの間の長さで延在することができる。該短い移行部分3214における滑らかに変化するブレードピッチは、弱い捩れ点が低デュロメータ硬度の遠端側区域3206と高デュロメータ硬度の近端側区域3208との間の急激な移行から生じることを緩和することができる。
[0115] カテーテルシャフト3100の寸法は、異なる実施態様では変化し得る。幾つかの実施態様において、カテーテルシャフト3100は9Frカテーテルであり得る。このように、カテーテルシャフト3100は、約3mmの外径3182を有することができる。遠端側区域3206は、約70mm~約81mmの間の長さ3282を有することができる。該長さ3282は、カテーテルシャフト3100に対する所要の曲げ半径に基づいて変化し得る。近端側区域3208は、約872mm~約877mmの間の長さ3284を有することができる。十字状主管路3108の寸法は、幾つかの構成において同軸ケーブルをアンカとして使用する代わりに、組み立ての間において該管路1308を介して部品(例えば、印刷回路基板(PCB)及び/又は同軸ケーブル)が通されるのを可能にするように寸法決めすることができ、かくして、操作の間における操作応答性を改善することができる。前記遠端側区域3206に使用される低デュロメータ硬度材料及びブレード層3104は、当該カテーテルシャフト3100が、約27mm~約28mmの代わりに、約13mm~約14mmの間の曲げ半径(例えば、曲げ半径305)まで偏向することを可能にする。
[0116] カテーテルシャフト3100を製造する方法を、図33~図35を参照して説明する。図33は、本開示の実施態様による或る製造段階における複管路内側押出成形部3300の斜視図である。該内側押出成形部3300は、第1材料(例えば、Pebax(登録商標)72D)の高デュロメータ硬度の近端側部分3320及び第2材料(例えば、Pebax(登録商標)35D又はPebax(登録商標)45D)の低デュロメータ硬度の遠端側部分3310を含む。内側押出成形部3300は、高デュロメータ硬度近端側部分3320と低デュロメータ硬度遠端側部分3310との間に延びる主管路3331(例えば、主管路3108)及び複数の副管路3332(例えば、副管路3106)を含む。
[0117] 図34は、本開示の実施態様による或る製造段階におけるブレード補強内側押出成形部3400の斜視図である。図示されたように、ブレード層3410(例えば、前記ブレード層3104)が前記内側押出成形部3300外側表面上に形成される。該ブレード層3410は、高デュロメータ硬度近端側部分3320上に第1ブレードピッチの(例えば、第1PICの)第1ブレード部分3416(例えば、前記近端側部分3216)を有する。ブレード層3410は、低デュロメータ硬度遠端側部分3310上に第2ブレードピッチの(例えば、第2PICの)第2ブレード部分3412(例えば、前記遠端側部分3212)を有する。ブレード層3410は、高デュロメータ硬度近端側部分3320と低デュロメータ硬度遠端側部分3310との間の移行部にわたって変化するブレードピッチの(例えば、第1PICと第2PICとの間で変化する)第3ブレード部分3414(例えば、前記移行部分3214)を有する。
[0118] 図35は、本開示の実施態様による或る製造段階において前記ブレード内側押出成形部上に被せられた単管路外側押出成形部3500の斜視図である。該外側押出成形部3500は、第1材料(例えば、Pebax(登録商標)72D)の高デュロメータ硬度の近端側部分3520及び第2材料(例えば、Pebax(登録商標)35D又はPebax(登録商標)45D)の低デュロメータ硬度の遠端側部分3510を含む。内側押出成形部3300及び外側押出成形部3500は、前記カテーテルシャフト3100の筒状壁部3102を形成する。ブレード層3410は、該筒状壁部3102に埋め込まれたブレード層3104に対応する。
[0119] カテーテルシャフト3100を形成した後、プルワイヤ700及び740等のプルワイヤを、左、右、前及び後のビューを提供するために所定の向きに従って副管路3106に通すことができる。該カテーテルシャフト3100の遠端3202は、前記先端アセンブリ102等の先端アセンブリに結合することができる。例えば、該結合は、ブレード閉込部502等のブレード閉込部内にブレードエレメント3104を閉じ込め又は終端させることを含む。更に、該結合は、図5に示されたように相互接続部を形成することを含むこともできる。前記先端アセンブリに接続する電気ケーブル566等の電気ケーブルを、主管路3108に通すことができる。カテーテルシャフト3100の近端3204は、前記ハンドル120等のステアリング制御ハンドルに結合することができる。
[0120] 該内張り可変ブレード差的デュロメータ硬度複管路カテーテルシャフト3100は、耐捩れ性、可撓性、高トルク伝達性、耐久性、並びに一貫性のある位置合わせ及び関節運動等の幾つかの利点を提供する。低デュロメータ硬度遠端側区域3206と高デュロメータ硬度近端側区域3208との間の鋭い遷移及び変化するブレードPICによるブレードエレメント3104の短い移行部分3214は、耐捩れ性を提供する。低デュロメータ硬度遠端側区域3206、高デュロメータ硬度近端側区域3208、遠端側部分3212における高PICブレード及び近端側部分3216における低PICブレードは、遠端側区域3206における可撓性及び近端側区域3208における剛的支持を提供する。主管路3108の前記十字状断面輪郭は、プルワイヤ管路、即ち副管路3106を、該副管路3106を通されたプルワイヤ507、700及び740等のプルワイヤが駆動の下で一貫性のある関節運動ビューを提供することができるように位置合わせするための位置合わせ介在部として機能する。主管路3108及び副管路3106は、摩擦のない表面を形成するための内張り材料により内張りされ、斯かる表面は多数回の使用にわたる耐久性を改善することができる。筒状壁部3102及びブレードエレメント3104の材料は、機械的特性(例えば、当該カテーテルシャフト3100のステアリング性)を改善するように選択される。
[0121] 如何なる好適な材料も、請求項に記載のプルワイヤに対して使用することができる。特定の事例において、1以上のプルワイヤはパラアラミド撚り糸又は単繊維から形成される。該パラアラミド撚り糸又は単繊維は、編み上げられ、次いでワイヤを形成するために部分的に一緒に融着することができる(例えば、熱融着により)。特別なパラアラミドワイヤは、少なくとも部分的にKevlar(登録商標)から形成することができる。この寸法の構成の最も一般的で信頼性のあるブレードパターンは、ミリ規格A-A-55195/MIL-T-44100により指定されるものである。二次仕上げ熱融着工程は、引張強度のみならず有用性も向上させる助けとなり、個々の撚り糸が、扱い及び通しの間に、ほどけることを防止する。
[0122] パラアラミドの特性は、当該装置の遠端での駆動力分配が終了する点(シャフト圧縮点)(例えば、図6A~図6C)における幾つかのアンカ留め選択枝を可能にする。1つの選択枝は、その位置を包み込むべく材料のリフローを可能にするための隣接する相性のあるポリマ材料との熱融着である。他の選択肢は、当該ワイヤの位置を固定するためにワッシャ又はリング等の追加の部品を使用し、次いで第1選択肢で行ったようなリフローを用いることである(例えば、図7)。これらの選択肢は、パラアラミドワイヤの耐熱及び高張力特性故に利用可能である。
[0123] 当業者であれば、上述した装置、システム及び方法を種々の態様で変更することができることを認識するであろう。従って、当業者は本開示により含まれる実施態様は上述した特定の例示的実施態様に限られるものではないことを理解するであろう。この点に関し、解説的実施態様が図示及び説明されたが、広範囲の修正、変更及び置換を上記開示において想定されるものである。このような変形は上記に対して本開示の範囲から逸脱することなく行うことができると理解される。従って、添付請求項は広く且つ本開示と一貫した態様で解釈されるべきと理解される。

Claims (13)

  1. 第1ブレードが埋め込まれた第1材料を有する近端部と、
    第2ブレードが埋め込まれた第2材料を有する遠端部であって、前記第2材料は前記第1材料より低いデュロメータ硬度であり、当該遠端部が前記近端部より可撓的となるように、前記第2ブレードが前記第1ブレードより大きいインチ当たりのブレードのカウント持ち、遠端部と、
    前記近端部及び前記遠端部を少なくとも部分的に介して延在する主管路と、
    前記近端部及び前記遠端部を少なくとも部分的に介して延在する複数の副管路と、
    を含む可撓性長尺部材、及び
    前記可撓性長尺部材の前記遠端部に結合される撮像要素、
    を有し、
    前記可撓性長尺部材が、前記第1材料のデュロメータ硬度と前記第2材料の前記低いデュロメータ硬度との間の鋭い移行部と、前記第1ブレードのインチ当たりのブレードのカウントと前記第2ブレードの前記大きいインチ当たりのブレードのカウントとの間の滑らかな移行部とを有する、撮像カテーテル。
  2. 前記第1材料がデュロメータ硬度72Dのポリエーテルブロックアミドを有する、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  3. 前記第2材料がデュロメータ硬度35D又は45Dのポリエーテルブロックアミドを有する、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  4. 前記第1ブレード及び前記第2ブレードがフラットワイヤから構成される、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  5. 前記フラットワイヤが鋼から形成される、請求項4に記載の撮像カテーテル。
  6. 前記第1ブレードが第1インチ当たりのブレードのカウント持ち、前記第2ブレードが前記第1インチ当たりのブレードのカウントの約2倍である第2インチ当たりのブレードのカウント持つ、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  7. 前記可撓性長尺部材は前記近端部と前記遠端部との間の移行部にわたり前記第1材料及び前記第2材料内に埋め込まれた第3ブレードを含み、該第3ブレードが前記第1ブレードの第1インチ当たりのブレードのカウントと前記第2ブレードの第2インチ当たりのブレードのカウントとの間で移行する可変のインチ当たりのブレードのカウント持つ、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  8. 前記主管路が十字状断面を含む、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  9. 前記複数の副管路が前記主管路に対して前記十字状断面の腕部と腕部との間に配置される、請求項8に記載の撮像カテーテル。
  10. 前記撮像要素に結合されると共に前記主管路を介して延びる通信ケーブルを更に有する、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  11. 前記可撓性長尺部材の前記遠端部に結合されると共に前記複数の副管路を介して延びる複数のステアリング線を更に有する、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  12. 前記遠端部が約14ミリメートル(mm)の曲率半径まで偏向可能である、請求項1に記載の撮像カテーテル。
  13. 記可変のインチ当たりのブレードのカウント数を持つ前記第3ブレードは、前記第1材料の前記デュロメータ硬度と前記第2材料の前記低いデュロメータ硬度との間の前記鋭い移行部を横切って延在する、請求項7に記載の撮像カテーテル。
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