JP7019541B2 - 保持体、及び物体の連結構造 - Google Patents

保持体、及び物体の連結構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7019541B2
JP7019541B2 JP2018194945A JP2018194945A JP7019541B2 JP 7019541 B2 JP7019541 B2 JP 7019541B2 JP 2018194945 A JP2018194945 A JP 2018194945A JP 2018194945 A JP2018194945 A JP 2018194945A JP 7019541 B2 JP7019541 B2 JP 7019541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holding
bolt
locked
wall portion
base member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018194945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020063758A (ja
Inventor
誠規 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mirai Kogyo KK
Original Assignee
Mirai Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mirai Kogyo KK filed Critical Mirai Kogyo KK
Priority to JP2018194945A priority Critical patent/JP7019541B2/ja
Publication of JP2020063758A publication Critical patent/JP2020063758A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7019541B2 publication Critical patent/JP7019541B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supports For Pipes And Cables (AREA)
  • Clamps And Clips (AREA)
  • Mutual Connection Of Rods And Tubes (AREA)

Description

本発明は、二つの部材が係止構造で一体に連結されて、一方の部材に被保持体を保持可能な保持体、及び二つの物体が係止構造で一体に連結される物体の連結構造に関するものである。
二つの部材を係止により互いに連結する構造として、特許文献1に開示の構造が知られている。吊りボルト1に固定された固定部4に、係止構造により支持部5が連結され、当該支持部5にケーブル2等が支持される。固定部4の径大部4eに、支持部5に設けられた一対の係止爪5eが係止される。
このため、支持部5に支持されるケーブル2等の荷重(支持部5に対しては負荷)は、常に、前記係止爪5eを弾性変形するように作用しているため、経年使用、或いは前記ケーブル2等に衝撃力が加わることで、前記係止が解除される恐れがある。
特開2003-348739号公報
本発明は、二つの部材が係止構造で互いに連結された状態で、一方の部材に作用する負荷により、前記係止が容易に解除されないようにすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、ボルト軸、壁体等の構造物に対する取着部を有するベース部材と、配線・配管材、ボルト軸等の被保持体を保持する保持部を有する保持部材とから成る保持体であって、
前記ベース部材及び保持部材の一方には、円環の一部又は部分的に複数箇所が欠落されることで、当該欠落部よりも長い円環方向の周長を有して、その外側に第2係止部が形成された不完全円環壁部と、当該不完全円環壁部の欠落部に配置されて、前記円環の内外方向に弾性変形可能であって、その外側に第1係止部が形成された弾性壁部と、を備えた第1連結部が形成され、
前記ベース部材及び保持部材の他方には、前記不完全円環壁部及び弾性壁部が挿入配置可能な配置空間部と、当該配置空間部における円環方向に沿った一部に形成されて、前記弾性壁部及び不完全円環壁部の第1及び第2の各係止部のいずれに対しても係止可能な被係止部と、を備えた第2連結部が形成され、
前記第1及び第2の各連結部は、前記第1及び第2の各係止部のいずれか一方と前記被係止部との係止構造により、前記円環の中心を回動中心として、前記係止状態を維持して、相対的に回動可能に連結されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、第1連結部の弾性壁部に形成された第1係止部と、第2連結部に形成された被係止部との円環方向の位置を合致させた状態で、第1及び第2の各連結部を相対的に押圧させると、前記弾性壁部が円環に対して内側に弾性変形された後に、原形状に復元することで、当該弾性壁部の外側の第1係止部と、第2連結部の被係止部とが互いに係止されると共に、第2連結部の配置空間部に、第1連結部の不完全円環壁部及び弾性壁部が挿入配置される。
この状態では、第1及び第2の各連結部、即ち、ベース部材と保持部材は、係止構造により互いに連結されている。不完全円環状の不完全円環壁部の欠落部に弾性壁部が配置されて、両壁部の合成により完全円環壁部を形成しているため、上記連結状態において、ベース部材と保持部材とを相対的に回動させることが可能であり、当該相対回動により、第2連結部に形成された被係止部は、第1連結部の弾性壁部の第1係止部との係止が解除され、当該弾性壁部に隣接配置された不完全円環壁部の第2係止部に係止されることで、ベース部材と保持部材との連結状態は、そのまま維持されている。そして、第2連結部の被係止部は、第1連結部の弾性変形しない不完全円環壁部の第2係止部に係止されているので、互いに係止している第2係止部と被係止部の相互係止部分に負荷が作用しても、不完全円環壁部は、容易には変形しないため、相互係止部分の係止は、容易には解除されない。このため、被保持体を長期間に亘って、安全に保持できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記弾性壁部の弾性変形方向は、前記保持部で保持される被保持体が当該保持部に及ぼす荷重の方向と異なる方向であることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、上記のようにして、第1連結部の弾性壁部の第1係止部と、第2連結部の被係止部とが係止されて、ベース部材と保持部材とが係止構造で連結された状態で、当該保持部材の保持部に被保持体を保持させることで、当該被保持体が当該保持部に及ぼす荷重の方向と、前記弾性壁部の弾性変形方向とは異なるので、前記保持部に作用する荷重によって、弾性壁部が弾性変形されること、即ち、前記係止状態が解除の方向に変化することは、なくなる。よって、係止構造により、ベース部材と保持部材とが連結された状態のままにおいても、前記係止は、容易には解除されなくなって、被保持体を長期に亘って安定して保持できる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記第1及び第2の各連結部の連結状態で、前記不完全円環壁部の内側には、当該不完全円環壁部の変形を防止する変形防止部が設けられていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、変形防止部の存在により、弾性変形しない不完全円環壁部の変形を防止できるので、第1連結部を形成する不完全円環壁部の第2係止部と、第2連結部を形成する被係止部との係止状態を維持できて、保持部材の保持部で被保持体を保持している状態で、前記係止が解除されるのを確実に防止できるので、安全性が高められる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記ベース部材の取着部は、吊りボルトに取着可能であり、前記保持部材の保持部が保持する別のボルト体は、前記吊りボルトに対して交差配置される振止めボルト体であり、前記弾性壁部は、前記保持部が保持する別のボルト体の軸方向に沿って対向して一対形成されていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、前記振止めボルトは、傾斜配置されており、第1連結部を形成する弾性壁部は、当該振止めボルトの軸方向に沿って配置されている。一方、保持部材に保持される被保持体の荷重は、垂直方向に沿っているため、前記弾性壁部の第1係止部と、第2連結部の被係止部との相互係止部分に、前記荷重が直接に作用することはない。よって、前記相互係止部分における第2係止部と被係止部との係止が解除されにくくなる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記ベース部材と保持部材とは、前記吊りボルトと前記振止めボルトとの交差角度を示す角度表示部を有することを特徴としている。
請求項5の発明によれば、第1連結部の弾性壁部の第1係止部と、第2連結部の被係止部とが互いに係止されることで、ベース部材と保持部材とが連結された位置を基準位置とし、保持部材の保持部が、傾斜配置された振止めボルトを保持することで、前記ベース部材と保持部材とは、前記基準位置に対して前記振止めボルトの傾斜角度だけ相対的に回動されて配置される。前記ベース部材と保持部材とは、前記吊りボルトと前記振止めボルトとの交差角度を示す角度表示部を有していて、振止めボルトの傾斜角度と同一角度であるベース部材と保持部材との相対的回動角度は、前記角度表示部に表示されるため、角度測定器を用いることなく、振止めボルトの傾斜角度を視覚的に認識できる。
請求項6の発明は、互いに分離された二つの物体を連結する構造であって、
一方の物体は、他方の物体に形成された円環状の回動ガイド空間部において円環の内外方向に弾性変形する弾性壁部と、前記回動ガイド空間部と同心を保持して当該回動ガイド空間部に挿入配置可能な不完全円環壁部とから成る第1連結部を備え、
他方の物体は、前記回動ガイド空間部と、当該回動ガイド空間部内において形成範囲が円環周長の半分に満たない範囲で前記回動ガイド空間部内に突出形成された被係止部とから成る第2連結部を備え、
前記一方の物体の弾性壁部及び不完全円環壁部には、前記被係止部に係止可能な第1及び第2の各係止部がそれぞれ形成され、
前記二つの物体は、前記第1及び第2のいずれかの係止部と前記被係止部との係止構造により、前記円環の中心を回動中心として、前記係止状態を維持して、相対的に回動可能に連結されていることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1の発明を「物体の連結構造」の面から把握したものであって、その実質的な内容は、請求項1の発明と同等である。
本発明によれば、ベース部材と保持部材とを相対的に回動により、第2連結部に形成された被係止部は、第1連結部の弾性壁部の第1係止部との係止が解除され、当該弾性壁部に隣接配置された不完全円環壁部の第2係止部に係止されることで、ベース部材と保持部材との連結状態は、そのまま維持されている。そして、第2連結部の被係止部は、第1連結部の弾性変形しない不完全円環壁部の第2係止部に係止されているので、互いに係止している第2係止部と被係止部の相互係止部分に、保持部材の保持部に負荷が作用しても、不完全円環壁部は、容易には変形しないため、相互係止部分の係止は、容易には解除されず、被保持体を長期間に亘って、安全に保持できる。
本発明の実施例1の保持体A1 を構成するベース部材V1 と保持部材S1 との分離状態の斜視図である。 (a),(b)は、ベース部材V1 と保持部材S1 との連結状態を異なる方向から見た斜視図である。 同様の連結直後の保持体A1 の一部を破断した斜視図である。 (a),(b),(c)は、それぞれ保持体A1 の正面図、左側面図、及び平面図である。 (a)は、連結直後の保持体A1 の縦断面図であり、(b)は、(a)のX-X線断面図である。 (a)~(d)は、それぞれベース部材V1 と保持部材S1 の連結直後の状態から、15°単位で相対的に回動させた状態の正面断面図である。 (a),(b)は、それぞれ保持体A1 を構成するベース部材V1 と保持部材S1 の模式的正面図、及び左側面図である。 (a)~(c)は、それぞれ保持体A1 を構成するベース部材V1 と保持部材S1 の相対的回動角度の割り出しを示す斜視図及び模式的左側面図を一組の図面として、交差角度が30°,45°及び60°の状態を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ振止めボルトB2 に対して保持体A1 を固定する前後の斜視図である。 パイプ体Pを吊り下げている吊りボルトB1 を、振止めボルトB2 により振止めした状態の斜視図である。 (a)は、パイプ体Pを吊り下げている吊りボルトB1 の側方に、振止めボルトB2 を吊り下げられた状態の図であり、(b)は,振止めボルトB2 の所定位置に保持体A1 が取着された状態の図である。 (c)は、振止めボルトB2 に取着された保持体A1 が吊りボルトB1 に達する位置まで、当該振止めボルトB2 を傾斜させた状態の図であり、(d)は,振止めボルトB2 に取着された保持体A1 の保持部材S1 に吊りボルトB1 を取着させた振止め状態の斜視図である。 隣接する2本の吊りボルトB1 を、水平配置された振止めボルトB3 で連結して振止めを行う状態の正面図である。 2本のボルトB1 ,B2 の交差部において、保持体A1 と各ボルトB1 ,B2 とを結束バンド32で一体に結束した状態の斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ実施例1の改変に係る保持体A1'を構成するベース部材V1'と保持部材S1'の斜視図と平面図を一組とした図面である。 (a),(b)は、それぞれ実施例2の保持体A2 を構成するベース部材V2 と保持部材S2 の模式的正面図、及び左側面図である。 (a)~(c)は、それぞれ保持体A2 を構成するベース部材V2 と保持部材S2 の相対的回動角度の割り出しを示す斜視図及び模式的左側面図を一組の図面として、交差角度が30°,45°及び60°の状態を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ実施例3の保持体A3 により2本のパイプ体P’を異なる交差角度で連結した状態の斜視図である。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
最初に、図1~図5を参照して、本発明の実施例1の保持体A1 について説明する。被保持体であるパイプ体Pは、図10及び図11-B(d)に示されるように、吊りボルトB1 により天井壁Wに吊り下げられ、保持体A1 は、前記吊りボルトB1 と、当該吊りボルトB1 が振れるのを防止する振止め部材である振止めボルトB2 とを連結するために使用されて、前記吊りボルトB1 に対して固定されるベース部材V1 と、当該ベース部材V1 に対して係止構造で一体に連結されて、前記振止めボルトB2 を保持する保持部材S1 とで構成される。ここで、保持部材S1 は、振止めボルトB2 を保持すると表現したが、両者のサイズ、重量等の面からは、「振止めボルトB2 に対して保持部材S1 が保持される」とも表現することができるが、本発明である保持体A1 の本来的な機能の面から、上記のように表現した。ベース部材V1 と保持部材S1 は、いずれも樹脂の射出成形により成形される。
ベース部材V1 及び保持部材S1 は、いずれも同一サイズであって、正面視で正八角形状をなしていて、両者は、係止構造により回動可能な状態で一体に連結される。ベース部材V1 は、正八角形盤状の本体部1を有していて、当該本体部1の内面に、保持部材S1 の不完全円環壁部12及び弾性壁部13を収容して配置可能とする非貫通の円環状の配置空間部2が形成され、当該空間部2の内側に、前記不完全円環壁部12の変形を防止するための当該空間部2と同心の円リング状の変形防止部3が形成されている。円リング状の変形防止部3の端面3aと、本体部1の内面とは、ほぼ同一面上に配置されている。前記配置空間部2の内周面2aにおける対向する部分には、一対の被係止爪5が形成され、本体部1における一対の被係止爪5に対応する部分には、保持部材S1 の第1係止爪14を部分挿入するための貫通孔7が円リング状の前記変形防止部3の半径方向に形成されている。各被係止爪5の円環方向に沿った周長は、円環周長の(1/ 10)程度である。ベース部材V1 と保持部材S1 とを互いに押圧させて、係止構造で連結する際に、一対の被係止爪5における前記各第1係止爪14の傾斜弾接面14aが弾接する部分は、傾斜弾接面5a〔図3及び図5(a)参照〕となっている。図3及び図5に示されるように、前記被係止爪5及び貫通孔7は、前記配置空間部2の深さ方向に沿って手前側及び奥側の各半分の部分に、それぞれ形成されている。前記配置空間部2と前記一対の被係止爪5とで、保持部材S1 の後述の第1連結部C1 と連結される第2連結部C2 が構成される。ベース部材V1 の配置空間部2は、保持部材S1 の不完全円環壁部12及び弾性壁部13を収容配置させて、両部材V1 ,S1 を一体に連結させた状態で、当該保持部材S1 の不完全円環壁部12及び弾性壁部13を回動させる際のガイド空間でもあって、ベース部材V1 と保持部材S1 との相対的な位置関係を変更可能な構成となっているので、当該配置空間部2は、「回動ガイド空間部」と称することもできる。
ベース部材V1 の外面には、吊りボルトB1 に対して取外し可能な状態で固定される一対の取着片8が形成されている。横断面が円弧状をした一対の取着片8は、弾性変形可能であって、互いに反対の方向に挿入開口8aが形成されている。
一方、保持部材S1 は、本体部11の内面に、円環方向に沿って同一周長の一対の分割不完全円環壁部12aから成る不完全円環壁部12が対向配置された状態で突出して形成され、各分割不完全円環壁部12aの間に、一対の弾性壁部13が対向配置された状態で突出して形成されている。換言すると、不完全円環壁部12は、円環の対向する2箇所を欠落させて形成される。一対の弾性壁部13及び一対の分割不完全円環壁部12aの外側には、それぞれベース部材V1 の各被係止爪5が係止される第1及び第2の各係止爪14,15が、円環方向の全周に亘って形成されている。第1係止爪14には、ベース部材V1 と保持部材S1 とを互いに押圧させて、当該保持部材S1 の第1係止爪14をベース部材V1 の被係止爪5に係止させる際に、当該被係止爪5の傾斜弾接面5aを弾接させる傾斜弾接面14aが形成されている。しかし、第2係止爪15と被係止爪5との係止は、ベース部材V1 と保持部材S1 とが、被係止爪5と第1係止爪14との係止構造により連結された後に、両部材V1 ,S1 を相対的に回動させることで、はじめて係止する構造になっているので、当該第2係止爪15における前記第1係止爪14の傾斜弾接面14aに対する面は、本体部11の内面に対して垂直に形成されている(図3参照)。本体部1の外面には、前記ベース部材V1 の一対の取着片8と同一構造の一対の保持片16が形成されている。なお、ベース部材V1 及び保持部材S1 に取着される部材のサイズ又は部材自体が異なる場合は、前記取着片8と保持片16の形状は、当然に異なる。各弾性壁部13は、不完全円環壁部12に比較して薄肉であって、しかも円環方向に沿った周長が短いので、当該円環方向と直交する円環直交方向(円リング状の変形防止部の半径方向)に沿った外力が作用すると、円環直交方向に沿って弾性変形されるが、各分割不完全円環壁部12aは、円環方向に沿った周長が弾性壁部13に比較して遥かに長いので、円環直交方向の外力が作用しても、変形されない構造となっている。なお、図2において、17は、保持部材S1 の本体部11の裏面に形成された部分雌螺子部を示す。
そして、図1に示されるように、ベース部材V1 の一対の被係止爪5と保持部材S1 の各弾性壁部13に形成された一対の第1係止爪14とを、円環方向に沿って位相を合致させた状態で、当該ベース部材V1 と保持部材S1 とを互いに押圧させると、保持部材S1 の各分割不完全円環壁部12aと各弾性壁部13とが円環方向に沿って連続して円環壁部となった部分が、ベース部材V1 の配置空間部2における円リング状の変形防止部3の外側に挿入配置されると共に、保持部材S1 の各弾性壁部13が内方に弾性変形された後に、原形状に復元することで、保持部材S1 の各弾性壁部13の外側に設けられた各第1係止爪14と、ベース部材V1 の各被係止爪5とが互いに係止されて、ベース部材V1 と保持部材S1 は、第1及び第2の各連結部C1 ,C2 を介して互いに連結される。
このため、図6(a)に示されるように、前記保持部材S1 の各弾性壁部13の各第1係止爪14と、前記ベース部材V1 の各被係止爪5とが係止された連結直後の状態から、当該ベース部材V1 と保持部材S1 を相対的に回動させる〔図6(b)~(d)には、保持部材S1 に対してベース部材V1 を15°ずつ回動させる状態が図示されている〕と、前記ベース部材V1 の各被係止爪5は、前記保持部材S1 の弾性壁部13の各第1係止爪14との係止が解除されて、分割不完全円環壁部12aの第2係止爪15に係止されることで、ベース部材V1 と保持部材S1 とが相対的に回動されて、前記係止が維持され、しかも前記保持部材S1 の弾性壁部13の各第1係止爪14と、分割不完全円環壁部12aの第2係止爪15とが係止された状態では、当該分割不完全円環壁部12aは、弾性変形できないので、当該係止の状態が維持されて、ベース部材V1 と保持部材S1 との連結が解除されて、両者が分離されることはない。なお、図6において、Gは、一体に連結された状態でベース部材V1 と保持部材S1 とが相対的に回動する際の回動中心を示す。
また、上記のようにしてベース部材V1 と保持部材S1 とが一体に連結された保持体A1 を振止めボルトB2 に固定するには、図9に示されるように,一対の保持片16の間に振止めボルトB2 を挿入した状態で、当該振止めボルトB2 に対して保持体A1 を所定方向に回動させて、各保持片16を弾性変形させて、当該各保持片16の挿入開口16aから当該振止めボルトB2 の異なる部分を挿入することで、弾性変形された各保持片16が原形状に復元して、当該一対の取着片8に対して吊りボルトB1 が固定される。なお、保持体A1 を構成する保持部材S1 の部分雌螺子部17が振止めボルトB2 に部分螺合されることで、振止めボルトB2 に対して保持体A1 が軸方向にずれなくなる。一方、振止めボルトB2 に対する保持体A1 の固定位置を変更するは、当該振止めボルトB2 に対して当該保持体A1 をいずれかの方向に螺回動させて、いずれかの方向に移動させたり、或いは振止めボルトB2 に対して保持体A1 を強引に軸方向にスライドさせると、一対の取着片8が外方に僅かに弾性変形された後に、原形状に復元することで、振止めボルトB2 に対する固定位置が変更される。更に、当該振止めボルトB2 から保持体A1 を取り外すには、振止めボルトB2 に対して当該保持体A1 を上記と逆方向に回動させるのみでよい。なお、取着片8及び保持片16の内面には、2本の各ボルトB1 ,B2 の螺子溝部に入り込んで係止される係止爪片8b,16bが形成されている。
ベース部材V1 及び保持部材S1 を、いずれも同一サイズであって、正面視で正八角形状にしたのは、図10及び図11-B(d)に示されるように、天井壁Wからパイプ体Pを吊り下げている吊りボルトB1 が振れるのを防止するために、前記保持体A1 を介して振止めボルトB2 を前記吊りボルトB1 に連結した状態で、分度器等の別の角度測定具を用いることなく、当該保持体A1 のみで、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度(θ)を視認可能とするためである。その具体例は、図6及び図7に示されるように、ベース部材V1 及び保持部材S1 を、いずれも同一サイズであって、正面視で正八角形状にした構成に加えて、正面視で正八角形の中心角45°の各面である角度表示面21,22の中央部に、辺幅の1/ 3の幅の視認用凹部23,24を設けることで、ベース部材V1 及び保持部材S1 の相対的な回動角度を15°単位で視認可能とすることである。ここで、複数存在する視認用凹部23,24に関しては、説明上、個々を特定する必要がある場合には、23a,23b,23c,23d(24a,24b,24c,24d)のように表示する。なお、図6及び図7において、クロスハッチングされる部分は、視認用凹部23,24を示す。
天井壁Wからパイプ体Pを吊り下げている吊りボルトB1 の振れ止めを行う振止めボルトである振止めボルトB2 は、当該吊りボルトB1 に対して所定角度で設置すると、振止め効果が高く、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度が45°の場合が最も効果的である。例えば、建築設備耐震設計・施工指針(2014)では、前記交差角度は、(45°±15°)を推奨している。
このため、図7に示されるように、保持体A1 で互いに連結された2本の各ボルトB1 ,B2 が互いに平行で交差していない状態では、保持体A1 を構成するベース部材V1 及び保持部材S1 は、正面視で完全に重なって、各角度表示面21,22が連続した同一面を形成していると共に、各視認用凹部23,24が連続した同一凹部を形成している。この状態で、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を30°回動させると、図8(a)に示されるように、ベース部材V1 に対して保持部材S1 が同一角度だけ回動して、保持部材S1 の各視認用凹部24b,24cの幅方向における回動方向の先端が、ベース部材V1 の各視認用凹部23b,23cの幅方向の一端と合致することで、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を30°回動されたことが視認できる。また、図8(b)に示されるように、ベース部材V1 に対して保持部材S1 が45°回動させると、ベース部材V1 に対して保持部材S1 が同一角度だけ回動されて、保持部材S1 の各視認用凹部24b,24cと、ベース部材V1 の各視認用凹部23a,23bとが完全合致することで、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を45°回動されたことが視認できる。この状態では、ベース部材V1 と保持部材S1 とは、その外形が完全合致しているので、交差角度45°の認識が一層容易となる。更に、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を60°回動させると、図8(c)に示されるように、ベース部材V1 に対して保持部材S1 が同一角度だけ回動して、保持部材S1 の各視認用凹部24b,24cの幅方向における回動方向の後端が、ベース部材V1 の各視認用凹部23a,23bの幅方向の一端と合致することで、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を60°回動されたことが視認できる。
現実の施工では、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度を分度器等で確認しながらの作業は、手間がかかり面倒であるが、本発明に係る保持体A1 を用いると、施工後において、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度を視認できると共に、2本の各ボルトB1 ,B2 を設定された交差角度で交差させて施工することも可能となる。
2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度(θ)を視認可能とする上記具体例を含む技術思想は、以下のように表現できる。
所定角度で交差する2本のボルト軸を交差部で互いに連結した状態で、当該2本のボルト軸の交差角度が視認可能なボルト軸連結具であって、
当該ボルト軸連結具は、各ボルト軸を取着可能な各取着部を有し、しかも連結部を介して互いに回動可能な状態で連結可能な一対の連結具単体から成り、
前記各連結具単体には、当該各連結具単体の相対的な回動角度を視認可能な角度表示部が設けられていることを特徴とするボルト軸連結具。
具体的には、「一対の連結具体体」は、前記ベース部材V1 と保持部材S1 で構成され、「連結部」は、前記第1及び第2の各連結部C1 ,C2 で構成され、「各取着部」は、前記取着片8と前記保持片16とで構成され、更に、「角度表示部」は、正面形状が正八角形状の前記ベース部材V1 と保持部材S1 の各外周端面に形成された各角度表示面21,22及び視認用凹部23,24で構成される。
なお、上記技術思想のボルト軸連結具は、上記構成に限られない。例えば、「連結具」は、互いに回動可能な状態になっておれば、上記の特許文献1に記載の構成でもよく、また「角度表示部」は、正八角形ではなく、円盤状の本体部に角度表示部が付されたものでもよく、その形状は任意である。
そして、図10、図11-A及び図11-Bに示されるように、天井壁Wに固定されるボルト連結具K1 には、上端部が螺合された吊りボルトB1 が吊り下げられ、当該吊りボルトB1 の下端部に吊り金具41を介してパイプ体Pが吊下げ状態で連結されており、当該吊りボルトB1 の振止めは、振止めボルトB2 を用いて、以下のようにして行われる。天井壁Wに固定されたボルト連結具K1 の内部に配置されて、吊りボルトB1 の上端部が螺合される雌螺子体(図示せず)は、固定状態で配置されているが、当該雌螺子体に上端部が螺合された吊りボルトB1 は、その長さが長いために、下端部においては、振れてしまう。一方、振止めボルトB2 を吊り下げるために、天井壁Wに対して前記ボルト連結具K1 に対して所定間隔をおいて固定されたボルト連結具K2 の内部に配置された球形の雌螺子体31(図10参照)は、全方向に回動可能な状態で配置されているため、当該ボルト連結具K2 に上端部が螺合された振止めボルトB2 は、全方向に大きく振らすことができる。各ボルト連結具K1 ,K2 の間隔は、吊りボルトB1 に対して傾斜配置状態で連結した際の、当該振止めボルトB2 の設定傾斜角度θ、当該振止めボルトB2 の長さを考慮して定められる。
まず、図11-A(a)に示されるように、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を所定位置で交差させることで、振止めボルトB2 の交差予定位置Dを定める。当該交差予定位置Dの変更により、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度θは、任意に定められる。次に、振止めボルトB2 の前記交差予定位置Dに、保持体A1 を構成する保持部材S1 を、一対の保持片16を用いて取着させる〔図11-A(b)〕。次に、吊りボルトB1 に対して振止めボルトB2 を交差させて、保持体A1 を構成するベース部材V1 の一対の取着片8の間に吊りボルトB1 を配置させ〔図11-B(c)〕、この状態で、保持体A1 を構成する保持部材S1 に対してベース部材V1 を所定方向に回動させて、一対の取着片8を用いて、当該ベース部材V1 を吊りボルトB1 に取着させる〔図10及び図11-B(d)〕。これにより、吊りボルトB1 と、角度(θ)で傾斜配置された振止め振止めボルトB2 とは、保持体A1 を介して連結されて、振止めボルトB2 により吊りボルトB1 の振れが防止されると共に、保持体A1 を構成するベース部材V1 と保持部材S1 の各外周端面に形成された各視認用凹部23a,23b,23c,23d(24a,24b,24c,24d)の配置位置により、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度θを確認できる。なお、図示の振止めボルトB2 の傾斜角度θは、45°である。
このように、2本の各ボルトB1 ,B2 を交差部で連結するための保持体A1 によって、その交差角度θが分かるので、2本の各ボルトB1 ,B2 の設置作業中に、分度器等の角度測定具をあてがいながら作業する必要がなくなるので、当該設置作業を迅速に行える。また、2本の各ボルトB1 ,B2 の交差角度θの範囲が定められていて、その施工写真の提出を求められる場合には、多数の施工現場毎に、角度測定具により交差角度が分かる状態を撮影する必要があるが、当該保持体A1 によれば、角度測定具を用いることなく、保持体A1 自体で前記交差角度θが分かるので、多数の施工現場における撮影作業も容易となる。
そして、振止めボルトB2 の傾斜角度θが45°の場合には、図6(c)に図示されているように、ベース部材V1 と保持部材S1 とは、第1及び第2の各連結部C1 ,C2 により係止構造を保持して、相対的に回動可能に連結されている。よって、ベース部材V1 の一対の被係止爪5と、保持部材S1 の一対の第1係止爪14とが係止された状態で、保持部材S1 に対してベース部材V1 が45°だけ回動されると、ベース部材V1 の各被係止爪5と、保持部材S1 の各第1係止爪14との係止状態を維持したままで、当該各被係止爪5は、各第1係止爪14に対して円環方向に沿って接続して配置された円環状の各第2係止爪15に部分的に係止された状態〔図6(b)で示される状態〕を経て、各第1係止爪14との係止が解除されて、各第2係止爪15と係止される。このように、ベース部材V1 と保持部材S1 とを相対的に回動させても、両部材V1 ,S1 は、常に係止状態を維持しているので、回動途中で両部材V1 ,S1 が分離される恐れはない。なお、傾斜角度θが30°の場合には、図6(b)に示されるように、ベース部材V1 の被係止爪5は、保持部材S1 の第1及び第2の各係止爪14,15に跨がった状態で係止され、傾斜角度θが60°の場合の係止状態は、図6(d)に示されるように、上記した45°の場合と同様である。
ここで、図6(b)~(d)に示されるように、ベース部材V1 の被係止爪5が、保持部材の第2係止爪15に係止されている状態では、当該第2係止爪15が形成されている分割不完全円環壁部12aは、全体形状が円弧状の弾性壁部13の中心角に比較して、遥かに大きな中心角でもって、円環方向に沿って長い周長が確保され、しかも前記弾性壁部13の肉厚に比較して厚い肉厚に形成されているため、換言すると、高い耐変形剛性を有しているために、振止めボルトB2 の自重が当該第2係止爪15の部分に負荷として作用しても、当該第2係止爪15は、容易には変形しない。従って、保持部材S1 の第2係止爪15の部分に長期に亘って負荷が作用し続けても、保持部材S1 の第2係止爪15と、ベース部材Bの被係止爪5との係止は、容易には解除されないので、前記パイプ体P等の被保持体を安全に吊下げられる。
また、図12に示されるように、所定間隔をおいて隣接して吊り下げられた2本の吊りボルトB1 の振止めを、水平配置された振止めボルトB3 で行う場合においても、前記保持体A1 は、使用可能である。即ち、2本の吊りボルトB1 と、当該各吊りボルトB1 に対して直交配置された振止めボルトB3 とを保持体A1 により連結するのみでよい。
なお、前記保持体A1 のベース部材V1 と保持部材S1 は、当該保持部材S1 の弾性変形しない不完全円環壁部12に形成された一対の第2係止爪15と、当該ベース部材V1 の一対の被係止爪5との係止構造により、必要な連結強度をもって連結されていて、使用中において各部材V1 ,S1 の分離の恐れは少ない。しかし、図13に示されるように、各部材V1 ,S1 と、各ボルトB1 ,B2 を結束バンド32で一体に結束すると、各ボルトB1 ,B2 の交差部で、計4つの部材を一体に結束できるので、各ボルトB1 ,B2 の交差部において、各部材V1 ,S1 が分離されないと共に、各部材V1 ,S1 から各ボルトB1 ,B2 が外れるのを併せて防止できる。特に、図示のように、各ボルトB1 ,B2 が45°で交差する場合には、各部材V1 ,S1 の視認用凹部23、24が合致するので、当該視認用凹部23、24に結束バンド32の一部を嵌め込むことで、当該結束バンド32を滑ることなく、結束できる。
実施例1は、吊りボルトB1 と振止めボルトB2 を連結して使用するものであり、当該吊りボルトB1 と振止めボルトB2 とを交差した状態で使用することを予定していて、平行な状態で連結することは予定していない。そのため、平行となる方向(吊りボルトB1 の軸方向)が、保持部材S1 の一対の弾性壁部13の対向方向となるように、当該吊りボルトB1 に当該保持部材S1 を取着すると、吊りボルトB1 と振止めボルトB2 との交差状態では、弾性壁部13の第1係止爪14のみが、ベース部材V1 の被係止爪5と係止されることはない。なお、ベース部材の被係止部(保持部材の弾性壁部)を三箇所以上となると、特定の一つの被係止部と、特定の弾性壁部の第1係止部とが係止することがあり得るが、残りの1又は複数の被係止部は、不完全円環壁部に形成された第2係止部と係止されるので、係止状態は、安定化する。
また、図14には、上記した保持体A1 の部分的な改変に係る保持体A1'が示されている。この保持体A1'は、保持体A1 のベース部材V1 に一対の被係止爪5が設けられていると共に、保持部材S1 に一対の第1係止爪14が設けられているのに対して、一対の被係止爪5及び一対の第1係止爪14の一方を欠落させて、それぞれ一つのみにすると共に、分断されていた一対の分割不完全円環壁部12aを連続させて不完全円環壁部12’としたものである。換言すると、不完全円環壁部12’は、円環の一部のみを欠落させたものである。保持体A1 において、弾性変形可能な一対の第1係止爪14は、ベース部材V1 と保持部材S1 との連結時のみに必要であって、振止めボルトB2 の使用時においては、一対の第1係止爪14は、弾性変形不能な不完全円環壁部12に形成された第1係止爪14に係止されるので、当該第1係止爪14は、一つのみでも、ベース部材V1'と保持部材S1'との連結が解除されることはない。
ここで、上記保持体A1'のように、第1係止爪14が一つであると、ベース部材V1'と保持部材S1'とに、こじるような力が作用すると、係止構造部の係止が解除されて、外れる恐れがあるが、ベース部材V1'の配置空間部2の深さを深くすることで、両部材V1',S1'のこじれを防止できて、安定した連結が可能となる。なお、前記保持体A1 のように、係止構造部を二箇所又はこれを超える複数箇所に設けることで、両部材V,Sがこじれにくくなって、配置空間部2に対する入り込みの深さを浅くできて、構造物(吊りボルトB1 、壁体等)と被保持体(振止めボルトB2 )との相対距離を小さく(近接)させられる。
なお、実施例1及びその改変例において、第1及び第2の各係止爪14,15と被係止爪5の内外方向の配置を逆にして、保持部材S1 ,S1'の弾性壁部13の内側に第1及び第2の各係止爪14,15を形成して、ベース部材V1 ,V1'の変形防止爪3に被係止部5を形成することも可能である。
次に、図15及び図16を参照して、本発明の実施例2の保持体A2 について説明する。保持体A2 は、上記したように、振止めボルトB2 の傾斜角度θは、設置の制約がない限り、30°~60°の範囲が大部分であって、45°が推奨角度であること、及び振止めボルトB2 の傾斜角度θを数字で判読可能にするためのものであり、傾斜角度判読の原理についてのみ説明する。ベース部材V2 と保持部材S2 は、いずれもサイズが同一で、正面視で正12角形であり、図14(a),(b)に示されるように、両部材V2 ,S2 を相対的に30°又は60°だけ回動させた場合には、正面視において、外形が合致する。
傾斜角度を判読するための角度数値に関しては、図14に示されるように、両部材V2 ,S2 の対向する2つの頂点にそれぞれ「0」が刻印され、当該「0」が刻印された頂点から両方向に向けた2つの各頂点に「30」及び「60」が刻印されている。振止めボルトB2 の傾斜角度が90°であることはないので、「90」の刻印は不用である。また、振止めボルトB2 の推奨傾斜角度である45°を表示する45°表示線分Tは、「30」と「60」が刻印された各頂点で形成される平面において、「30」と「60」の中間に短線分で刻印されている。
また、ベース部材V2 及び保持部材S2 は、正面視で正12角形を成していて、しかも振止めボルトB2 の使用頻度の高い傾斜角度θである30°,45°及び60°は、外形の合致又は頂点と45°表示線分Tの合致により、瞬時にしかも正確に判読でき、その中間の傾斜角度であっても、各部材V2 ,S2 の頂点を判読基準にすることで、類推可能である。
図17に、実施例3の保持体A3 により、2本のパイプ体P’を異なる交差角度で連結した状態が示されている。保持体A3 は、円盤状をしたベース部材V3 と保持部材S3 とが上記した係止構造により回動可能に連結された構成であって、各部材V3 ,S3 に、断面U字状をした弾性変形可能な保持体33がビス34により取付けられている。保持体33の開口部を弾性変形させた状態で、その開口33aからパイプ体P’を内部に挿入すると、当該保持体33の開口部が原形状に復元することで、当該保持体33にパイプ体P’が保持される。
保持体A3 を構成するベース部材V3 と保持部材S3 とは、相対的に回動可能であるため、図17(a),(b)に示されるように、2本のパイプ体P’を任意の角度で交差させた状態で、連結保持できる。
実施例1,3において、ベース部材V1 (V3 )と保持部材S1 (S3 )とを相対的に回動可能に連結して、吊りボルトB1 と振止めボルトB2 とを所定角度で交差させて連結したり、或いは2本のパイプ体P’を所定角度で交差させて連結する例を挙げたが、例えば、ベース部材を壁面に固定配置し、当該ベース部材に対して保持部材を回動させることで、当該保持部材に保持された被保持体の絶対空間に対する配置角度を変更して、当該壁面に配置する場合にも、本発明は適用可能である。
1 ~A3 :保持体
1 :吊りボルト
2 ,B3 :振止めボルト(振止めボルト体)
1 :第1連結部
2 :第2 連結部
F:荷重(負荷)
G:保持体の回動中心
P:パイプ体(被取着体)
1 ~S3 :保持部材
1 ~V3 :ベース部材
W:天井壁
θ:2本の吊りボルトの交差角度
2:配置空間部(回動ガイド空間部)
3:変形防止部
5:ベース部材の被係止爪(被係止部)
12:不完全円環壁部
13:弾性壁部
14:弾性壁部の第1係止爪(第1係止部)
15:不完全円環壁部の第2係止爪(第2係止部)
21:ベース部材の角度表示面(角度表示部)
22:保持部材の角度表示面(角度表示部)
23:ベース部材の視認用凹部(角度表示部)
24:保持部材の視認用凹部(角度表示部)

Claims (6)

  1. ボルト軸、壁体等の構造物に対する取着部を有するベース部材と、配線・配管材、ボルト軸等の被保持体を保持する保持部を有する保持部材とから成る保持体であって、
    前記ベース部材及び保持部材の一方には、円環の一部又は部分的に複数箇所が欠落されることで、当該欠落部よりも長い円環方向の周長を有して、その外側に第2係止部が形成された不完全円環壁部と、当該不完全円環壁部の欠落部に配置されて、前記円環の内外方向に弾性変形可能であって、その外側に第1係止部が形成された弾性壁部と、を備えた第1連結部が形成され、
    前記ベース部材及び保持部材の他方には、前記不完全円環壁部及び弾性壁部が挿入配置可能な配置空間部と、当該配置空間部における円環方向に沿った一部に形成されて、前記弾性壁部及び不完全円環壁部の第1及び第2の各係止部のいずれに対しても係止可能な被係止部と、を備えた第2連結部が形成され、
    前記第1及び第2の各連結部は、前記第1及び第2の各係止部のいずれか一方と前記被係止部との係止構造により、前記円環の中心を回動中心として、前記係止状態を維持して、相対的に回動可能に連結されていることを特徴とする保持体。
  2. 前記弾性壁部の弾性変形方向は、前記保持部で保持される被保持体が当該保持部に及ぼす荷重の方向と異なる方向であることを特徴とする請求項1に記載の保持体。
  3. 前記第1及び第2の各連結部の連結状態で、前記不完全円環壁部の内側には、当該不完全円環壁部の変形を防止する変形防止部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の保持体。
  4. 前記ベース部材の取着部は、吊りボルトに取着可能であり、前記保持部材の保持部が保持する別のボルト体は、前記吊りボルトに対して交差配置される振止めボルト体であり、前記弾性壁部は、前記保持部が保持する別のボルト体の軸方向に沿って対向して一対形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の保持体。
  5. 前記ベース部材と保持部材とは、前記吊りボルトと前記振止めボルトとの交差角度を示す角度表示部を有することを特徴とする請求項4に記載の保持体。
  6. 互いに分離された二つの物体を連結する構造であって、
    一方の物体は、他方の物体に形成された円環状の回動ガイド空間部において円環の内外方向に弾性変形する弾性壁部と、前記回動ガイド空間部と同心を保持して当該回動ガイド空間部に挿入配置可能な不完全円環壁部とから成る第1連結部を備え、
    他方の物体は、前記回動ガイド空間部と、当該回動ガイド空間部内において形成範囲が円環周長の半分に満たない範囲で前記回動ガイド空間部内に突出形成された被係止部とから成る第2連結部を備え、
    前記一方の物体の弾性壁部及び不完全円環壁部には、前記被係止部に係止可能な第1及び第2の各係止部がそれぞれ形成され、
    前記二つの物体は、前記第1及び第2のいずれかの係止部と前記被係止部との係止構造により、前記円環の中心を回動中心として、前記係止状態を維持して、相対的に回動可能に連結されていることを特徴とする物体の連結構造。
JP2018194945A 2018-10-16 2018-10-16 保持体、及び物体の連結構造 Active JP7019541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194945A JP7019541B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 保持体、及び物体の連結構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194945A JP7019541B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 保持体、及び物体の連結構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020063758A JP2020063758A (ja) 2020-04-23
JP7019541B2 true JP7019541B2 (ja) 2022-02-15

Family

ID=70387049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018194945A Active JP7019541B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 保持体、及び物体の連結構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7019541B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121325A (ja) 2015-01-30 2015-07-02 株式会社昭和コーポレーション 交差部支持金具
JP2017089828A (ja) 2015-11-13 2017-05-25 未来工業株式会社 配線・配管材保持具及び配線・配管材の保持部構造
JP6284668B1 (ja) 2017-04-03 2018-02-28 因幡電機産業株式会社 ボルト連結具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121325A (ja) 2015-01-30 2015-07-02 株式会社昭和コーポレーション 交差部支持金具
JP2017089828A (ja) 2015-11-13 2017-05-25 未来工業株式会社 配線・配管材保持具及び配線・配管材の保持部構造
JP6284668B1 (ja) 2017-04-03 2018-02-28 因幡電機産業株式会社 ボルト連結具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020063758A (ja) 2020-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10221994B2 (en) Modular mounting system
JP7019541B2 (ja) 保持体、及び物体の連結構造
CN103216519A (zh) 球接头
KR101223407B1 (ko) 내진용 철근 커플링 구조
JP2013231467A (ja) 減震インサートアンカー
US20160186893A1 (en) Quick attachment assembly for weighing or bend limiter cable assemblies
JP5468746B2 (ja) 抜け止めリング、管継手の接合構造および抜け止めリングの装着方法
JP4749441B2 (ja) 手摺の自在連結具
CN105193168A (zh) 防盗套筒支座
JP6931466B2 (ja) 管継手用の固定リング
JP2023086826A (ja) ケーブル保護管路部材及びケーブル保護管路
KR102366425B1 (ko) 로봇암 확장용 크로스조인트조립체
JP5964601B2 (ja) インサート
KR200492318Y1 (ko) 호스 이탈 방지 장치
JP2016014455A (ja) 流体継手
JP2012087837A (ja) 管継手
JP2003299231A (ja) 角度自在型クランプ
JP5207960B2 (ja) 配線・配管材支持具
JP2021046872A (ja) 配管・配線保護カバー
JP6905690B2 (ja) 管継手の固定方法
JP2020054099A (ja) 配管の接続構造及び配管の接続方法
JP2013010145A (ja) 固定リングの拡径工具
JP7099591B2 (ja) 管継手
JP6912403B2 (ja) ワイヤ中途部の保持構造及びワイヤ保持装置
JP3116006U (ja) 継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7019541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150