JP7018912B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、電気接続箱に関する。
ハイブリッド車両等の電動車両には、IPU(インテリジェントパワーユニット)が搭載されている。IPUは、例えばPCU(パワーコントロールユニット)やバッテリ、ジャンクションボード等により構成されている。ジャンクションボードには、コンタクタやヒューズ等の各種電子部品が搭載されている。ジャンクションボードは、PCUとバッテリとの間に配置され、バッテリとPCUとの間での電力の供給及び遮断を切り替える。
ジャンクションボードにおいて、各種電子部品同士は、バスバーにより接続されている。例えば下記特許文献1には、バスバーを捩じる等して、バスバーの撓み剛性を確保し、バスバーの振動を抑制する構成が開示されている。
特開2001-60415号公報
しかしながら、従来技術にあっては、バスバーの加工が複雑であり、製造コストが嵩むという課題がある。特に、薄型のバスバーでは、捩じり変形に伴う振動抑制の効果を多く望めなかった。
本発明は、低コスト化を図った上で、バスバーの振動を抑制できる電気接続箱を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気接続箱(例えば、実施形態におけるジャンクションボード1)は、支持基台(例えば、実施形態におけるハウジング20)と、前記支持基台に搭載され、電動車両(例えば、実施形態における電動車両2)のバッテリ(例えば、実施形態におけるバッテリ4)及び前記バッテリから供給される電力を制御する電力制御ユニット(例えば、実施形態におけるPCU5)間に接続されるスイッチング素子(例えば、実施形態におけるコンタクタ31,32,35)を含む複数の電子部品(例えば、実施形態における電子部品31~36)と、複数の前記電子部品間を接続する板状の導電部材(例えば、実施形態におけるバスバー41~47)と、前記導電部材及び前記支持基台の間に介在する介在部材(例えば、実施形態における介在部材100)と、を備え、前記支持基台は、前記導電部材を幅方向の両側から取り囲む壁(例えば、実施形態における仕切壁73)を備え、前記介在部材は、前記壁に支持された弾性部(例えば、実施形態における弾性部101)と、前記弾性部に接続されるとともに、前記導電部材を保持する保持部(例えば、実施形態における保持部102)と、を備え、前記保持部は、絶縁性を有し、かつ前記弾性部よりも融点が高い材料により形成されている。
(2)上記(1)の態様に係る電気接続箱において、前記導電部材は、前記幅方向に間隔をあけて複数配設され、前記壁は、前記幅方向で隣り合う複数の前記導電部材同士の間を仕切ってもよい。
(3)上記(1)又は(2)の態様に係る電気接続箱において、前記弾性部は、前記支持基台のうち、前記導電部材の厚さ方向で対向する面に支持されてもよい。
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係る電気接続箱において、前記支持基台は、前記複数の電子部品が搭載される基台本体(例えば、実施形態におけるボード本体21)と、前記基台本体に対して前記導電部材の厚さ方向に対向して配置され、前記導電部材を覆うカバー(例えば、実施形態におけるカバー22)と、を備え、前記壁は、前記カバーに形成されていてもよい。
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係る電気接続箱において、前記保持部には、前記導電部材を収容する保持凹部(例えば、実施形態における保持凹部115)が形成され、前記保持凹部の開口縁には、前記導電部材の厚さ方向において、前記導電部材に係止される爪部(例えば、実施形態における爪部116)が形成されていてもよい。
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係る電気接続箱において、前記弾性部は、前記導電部材の厚さ方向から見た平面視で円形状に形成され、
前記弾性部の外周周面が前記幅方向で対向する前記壁同士の間に嵌合されていてもよい。
上記(1)の態様によれば、導電部材が介在部材を介して支持基台に支持される。これにより、例えば導電部材が端子部のみによって両持ちで架け渡されている構成に比べ、導電部材自体の振動を抑制できる。(1)の態様では、介在部材が弾性部を介して壁に支持されているため、導電部材の幅方向での振動を特に抑制し易い。
また、仮に導電部材の振動が保持部を介して介在部材に伝わったとしても、主に弾性部において減衰される。これにより、支持基台に伝わる振動を軽減できる。
その結果、導電部材の振動が車室内に異音となって伝わるのを抑制できる。
しかも、(1)の態様では、導電部材を保持する保持部が、弾性部よりも融点の高い材料により形成されている。そのため、全体を弾性部により形成する場合に比べ、介在部材の耐熱性を向上させることができる。また、弾性部及び保持部それぞれについて最適な材料や形状を設定できるので、材料選択や設計の自由度等を向上させることができる。
特に、(1)の態様では、介在部材を支持基台や導電部材とは別体で設けることで、例えば導電部材を捩じる等して振動を抑制する構成に比べ、簡単に製造することができる。また、設置場所や設置数等のレイアウトの自由度も向上させることができる。
その結果、低コスト化を図った上で、導電部材の振動を抑制できる。
上記(2)の態様によれば、隣り合う導電部材間の絶縁用の壁と、弾性部を支持するための壁と、を兼用することで、支持基台の簡素化や小型化を図ることができる。
上記(3)の態様によれば、弾性部が、支持基台のうち導電部材の厚さ方向で対向する面に支持されることで、導電部材の厚さ方向での振動も効果的に抑制できる。
上記(4)の態様によれば、カバーに壁が形成されているため、基台本体に搭載された電子部品に対して導電部材を組み付ける際の組付性を向上させることができる。
上記(5)の態様によれば、導電部材が保持凹部内で爪部に係止されるので、介在部材が導電部材から脱落する等を抑制し、介在部材によって導電部材を安定して支持することができる。
上記(6)の態様によれば、弾性部が厚さ方向から見た平面視で円形状に形成されているため、例えば弾性部を矩形状等に形成する場合に比べ、壁間に弾性部を嵌合させる際に、壁と弾性部との接触面積を低減できる。これにより、介在部材の組付性を向上させることができる。
実施形態に係る電動車両のブロック図である。 実施形態に係るジャンクションボードの平面図である。 実施形態に係るジャンクションボードの底面図である。 カバー及びバスバーの分解斜視図である。 実施形態に係るジャンクションボードの回路構成図である。 図3のVI-VI線に相当する断面図である。 図6に相当する部分の分解斜視図である。 実施形態の他の構成に係る図3のVI-VI線に相当する断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、電動車両2のブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のジャンクションボード(電気接続箱)1は、電動車両2に搭載されるIPU3の一部を構成している。なお、本実施形態において、電動車両2とは、例えば電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車等である。
<IPU>
IPU3は、電動車両2の電源装置として機能する。IPU3は、電動車両2のフロア下等に配置されている。IPU3は、ジャンクションボード1に加え、バッテリ4やPCU5(電子制御ユニット)等を備えている。
バッテリ4は、例えば電動車両2の動力源である高電圧のバッテリである。バッテリ4は、バッテリケースと、バッテリケース内に収容される複数のバッテリモジュールと、を備える。バッテリモジュールは、複数のバッテリセルが直列接続された構成である。バッテリ4は、例えば電動車両2の駆動源であるモータMに対し電力を供給する。
PCU5は、例えばPDU(パワードライブユニット)や電圧変換ユニット、ECU8(図5参照:電子制御ユニット)等を備えている。
PDUは、モータの駆動回路である。
電圧変換ユニットは、モータMとバッテリ4との間において、直流・交流電圧変換を行うインバータや、交流電圧の昇降圧を行うDC/DCコンバータ等を含む。
ECU8は、電動車両の駆動を統括的に制御する。ECU8は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、インターフェイス回路等を含む電子回路ユニットである。
<ジャンクションボード>
ジャンクションボード1は、上述したバッテリ4とPCU5とを接続して、バッテリ4及びPCU5との電気的な接続及び遮断を切り替える。ジャンクションボード1は、例えばバッテリケースの外側面等に取り付けられる。
図2は、ジャンクションボード1の平面図である。図3は、ジャンクションボード1の底面図である。
図2、図3に示すように、ジャンクションボード1は、ハウジング(支持基台)20と、複数の電子部品31~36と、複数の電子部品21同士を接続する複数のバスバー(導電部材)41~47と、を備えている。
<ハウジング>
ハウジング20は、ボード本体(基台本体)21と、カバー22と、を備えている。
ボード本体21は、例えば樹脂材料等によって平面視長方形状に形成されている。ボード本体21は、ベース部50と、収容部51~56と、バスバー収容部61と、を備えている。
ベース部50は、ボード本体21の平面視外形を構成するものであって、板状に形成されている。ベース部50の表裏面には、ベース部50の厚さ方向に突出する複数のリブ(不図示)等が形成されている。なお、以下の説明では、ベース部50の厚さ方向を単に厚さ方向Zという場合がある。また、厚さ方向Zのうち、一方側(表側)を+Z側といい、他方側(裏側)を-Z側という場合がある。
図2に示すように、収容部51~56は、ベース部50と、ベース部50の表面から+Z側に突出する表側突出壁57と、により画成されている。収容部51~56は、+Z側に開口する箱型に形成されている。収容部51~56は、例えば正極メインコンタクタ収容部51や負極メインコンタクタ収容部52、センサ収容部53、ヒューズ収容部54、プリチャージコンタクタ収容部55、プリチャージ抵抗収容部56等である。各収容部51~56は、ベース部50の面方向(厚さ方向Zに直交する方向)において、それぞれ間隔をあけて形成されている(区画されている)。
図3に示すように、バスバー収容部61は、ベース部50と、ベース部50の裏面から-Z側に突出する裏側突出壁58と、により画成されている。バスバー収容部61は、-Z側に開口する箱型に形成されている。バスバー収容部61は、上述した収容部51~56それぞれに対し、少なくとも一部が平面視で重なり合っている。ベース部50において、バスバー収容部61及び収容部51~56が重なり合う部分には、バスバー収容部61内及び収容部51~56内を連通させる連通孔62が形成されている。連通孔62は、例えば各収容部51~56に対して正極側及び負極側の2つずつ形成されている。
なお、図2に示すように、ベース部50の各角部には、インサート成形等によって座63が埋設されている。座63は、厚さ方向Zを軸方向とする環状に形成されている。ジャンクションボード1は、座63を通じてバッテリケースにねじ止め等により固定されている。但し、ジャンクションボード1の取付位置や取付方法等は適宜変更が可能である。
図4は、カバー22及びバスバー41~47の分解斜視図である。
図4に示すように、カバー22は、バスバー収容部61(図2参照)の開口部を-Z側から閉塞している。カバー22は、閉塞壁部71と、周壁部72と、仕切壁73と、を備えている。
閉塞壁部71は、カバー22がボード本体21に取り付けられた状態において、ベース部50に対して厚さ方向Zで対向している。閉塞壁部71は、平面視においてバスバー収容部61と同等の外形を呈している。但し、閉塞壁部71は、バスバー収容部61と少なくとも一部が重なり合う形状であってもよい。
周壁部72は、閉塞壁部71の外周縁から+Z側に向けて突出している。周壁部72は、上述した裏側突出壁58の内側に嵌合している。これにより、カバー22がボード本体21に取り付けられる。なお、カバー22は、ボード本体21に対してねじ止め等によって取り付けられていてもよい。
仕切壁73は、閉塞壁部71から+Z側に突出している。仕切壁73の形状については後述する。
<電子部品>
図5は、ジャンクションボード1の回路構成図である。
図5に示すように、電子部品31~36は、正極メインコンタクタ(スイッチング素子)31や負極メインコンタクタ(スイッチング素子)32、電流センサ33、ヒューズ34、プリチャージコンタクタ(スイッチング素子)35、プリチャージ抵抗36等である。
正極メインコンタクタ31は、バッテリ4の正極端子と、PCU5と、の間に配置される。正極メインコンタクタ31は、ECU8からの指令によってバッテリ4とPCU5との間の電気的な接続及び遮断を切り替える。
負極メインコンタクタ32は、バッテリ4の負極端子と、PCUと、の間に配置される。負極メインコンタクタ32は、ECU8からの指令によってバッテリ4とPCUとの間の電気的な接続及び遮断を切り替える。
電流センサ33及びヒューズ34は、正極メインコンタクタ31に対して直列接続されている。
電流センサ33は、バッテリ4の充放電電流を検出する。
ヒューズ34は、正極メインコンタク31と電流センサ33との間に配置されている。ヒューズ34は、定格以上の大電流が流れた際に溶断するように構成されている。
プリチャージコンタクタ35及びプリチャージ抵抗36は、互いに直列接続された状態で、正極メインコンタクタ31に対して並列接続されている。プリチャージコンタクタ35及びプリチャージ抵抗36は、高電圧システム起動時においてメイン回路と高電圧補器回路への突入電流を抑制するためのものである。
すなわち、本実施形態のジャンクションボード1では、ECU8の指令によってコンタクタ31,32,35のオンオフが制御される。例えば、高電圧システム起動後では、まずメインコンタクタ32がオン動作し、続いてプリチャージコンタクタ35がオン動作する。プリチャージ回路を流れる電流はプリチャージ抵抗36で制限され、これによりメインコンタクタ31がオン動作しメイン回路が閉成された時のメイン回路、及び高電圧補機回路への突入電流を低減することができる。その後プリチャージコンタクタ35がオフ動作するとともにモータM等への電力の供給が開始される。
図2に示すように、上述した各電子部品31~36は、対応する収容部51~56内に収容されている。具体的に、正極メインコンタクタ31は、正極メインコンタクタ収容部51内に収容されている。負極メインコンタクタ32は、負極メインコンタクタ収容部52内に収容されている。電流センサ33は、センサ収容部53内に収容されている。ヒューズ34は、ヒューズ収容部54内に収容されている。プリチャージコンタクタ35は、プリチャージコンタクタ収容部55内に収容されている。プリチャージ抵抗36は、プリチャージ抵抗収容部56内に収容されている。
<バスバー>
図3、図4に示すように、バスバー41~46は、板状の導電部材である。バスバー41~46は、第1バスバー41、第2バスバー42、第3バスバー43及び複数の信号用バスバー44~47である。
第1~第3バスバー41~43は、ジャンクションボード1内において、各種電子部品31~36同士の間を接続している。具体的に、第1バスバー41は、ヒューズ34とプリチャージ抵抗36との間を接続している。第2バスバー42は、プリチャージコンタクタ35とプリチャージ抵抗36との間を接続している。第3バスバー43は、正極メインコンタクタ31とプリチャージコンタクタ35との間を接続している。第1~第3バスバー41~43は、配索部75と、接続部76と、を備えている。
配索部75は、バスバー収容部61内において、ベース部50に対して厚さ方向Zに間隔をあけた状態で、ベース部50の面方向に蛇行しながら延在している。各バスバー41~43の配索部75同士は、ベース部50の面方向に互いに間隔をあけて配設されている。
接続部76は、配索部75の両端部に連なっている。接続部76は、配索部75に対して+Z側に屈曲されている。接続部76は、対応する連通孔62を通じて収容部内に案内されている。接続部76は、収容部内で対応する電子部品の端子にそれぞれ接続されている。
信号用バスバー44~47は、ECU8と、各コンタクタ31,32,35と、の間をそれぞれ接続している。信号用バスバー44~47は、配索部81と、接続部82と、引出部83と、を備えている。
配索部81は、バスバー収容部61内において、ベース部50に対して厚さ方向Zに間隔をあけた状態で、ベース部50の面方向に蛇行しながら延在している。各信号用バスバー44~47の配索部81同士は、ベース部50の面方向に互いに間隔をあけて配設されている。
接続部82は、配索部81の端部のうち、コンタクタ収容部51,52,55と重なり合う位置に配置された端部に連なっている。接続部82は、配索部81に対して+Z側に屈曲されている。
引出部83は、各信号用バスバー44~47の端部のうち、ボード本体21の外周側に位置する端部である。各信号用バスバー44~47の引出部83は、ベース部50の面方向において、互いに平行に延在している。ボード本体21のうち、引出部83の延在方向で引出部83と対向する部分には、引出部83をジャンクションボード1の外部に露出させる露出開口85が形成されている。露出開口85を通じてコネクタ(不図示)が接続される。
図6は、図3のVI-VI線に相当する断面図である。
図4、図6に示すように、上述した仕切壁73は、各バスバー41~47(配索部75,81)を幅方向の両側から取り囲み、配索部75,81の延在方向に倣って延在している。すなわち、仕切壁73は、隣り合うバスバー41~47における配索部75,81間を仕切っている。本実施形態では、閉塞壁部71と隣り合う仕切壁73同士とにより、+Z側に開口するとともに、配索部75,81の延在方向に倣って延びるバスバー案内部88を構成している。なお、本実施形態では、閉塞壁部71、周壁部72及び仕切壁73によってもバスバー案内部88が構成されている。
<バスバーの支持構造>
図7は、図6に相当する部分の分解斜視図である。なお、以下の説明では、バスバーの支持構造として、各バスバー41~47(配索部75,81)のうち、信号用バスバー44の支持構造を例にして説明する。但し、信号用バスバー44の支持構造は、他のバスバー41~43,45~47についても同様に適用することができる。
図6に示すように、信号用バスバー44の配索部81は、介在部材100により保持された状態で、カバー22に支持されている。介在部材100は、弾性部101と、保持部102と、を備えている。なお、介在部材100は、配索部75の延在方向に沿って間隔をあけて複数配置されていてもよく、単数であってもよい。
弾性部101は、例えばゴム材料等、保持部102よりも弾性率が低い材料により形成されている。弾性部101は、厚さ方向Zを軸方向とする円柱状に形成されている。弾性部101は、バスバー案内部88を構成する仕切壁73間に嵌合されている。すなわち、弾性部101の外周面の一部は、仕切壁73の内側面に接触している。なお、本実施形態では、弾性部101における-Z側を向く面も、閉塞壁部71に接触している。但し、弾性部101は、閉塞壁部71から離間していてもよい。
弾性部101には、弾性部101を厚さ方向Zに貫通する連結孔105が形成されている。連結孔105は、弾性部101と同軸上に配置された丸孔である。但し、連結孔105は、少なくとも+Z側を向く面上で開口していれば、弾性部101を貫通していなくてもよい。また、連結孔105は、円形以外の形状であってもよく、また複数形成されていてもよい。
保持部102は、例えば樹脂材料等、絶縁性を有し、かつ弾性部101よりも融点が高い材料により一体形成されている。このような材料としては、例えばポリプロプレン等が好適に用いられる。なお、弾性部101の弾性率は保持部102の弾性率と同じであってもよい。
保持部102は、台座部110と、連結部111と、を備えている。
台座部110は、+Z側に向かうに従い外径が漸次縮小する円錐台形状に形成されている。台座部110における-Z側端部の外径は、弾性部101の外径以下に設定されている。したがって、台座部110における-Z側端部の外周縁は、仕切壁73に近接又は当接している。
台座部110には、+Z側に向けて開口する保持凹部115が形成されている。保持凹部115は、配索部75の延在方向に沿って台座部110を貫通している。保持凹部115内には、配索部75が通過している。配索部75は、保持凹部115内において、内面における少なくとも一部に接触している。
保持凹部115の開口縁には、爪部116が形成されている。爪部116は、配索部75の幅方向において、保持凹部115の対向する内側面からそれぞれ突出している。配索部81は、保持凹部115内において、爪部116に厚さ方向Zで係止されることで、保持部102に対する信号用バスバー44の厚さ方向Zへの移動が規制されている。
爪部116は、厚さ方向Zに沿う断面視で三角形状に形成されている。具体的に、爪部116は、-Z側を向く面が爪部116の先端に向かうに従い+Z側に向けて傾斜している。但し、爪部116は、+Z側を向く面が爪部116の先端に向かうに従い-Z側に向けて傾斜していてもよい。また、爪部116の断面視形状は、矩形状や半円形状等であってもよい。
連結部111は、台座部110から-Z側に突出している。連結部111は、厚さ方向Zを軸方向とする円柱状に形成されている。連結部111は、弾性部101の上述した連結孔105内に嵌合されている。これにより、弾性部101及び保持部102が一体に連結されている。なお、連結部111の平面視形状は、連結孔105と同様に種々の形状を選択することが可能である。また、連結孔105及び連結部111の平面視形状は、互いに異なっていてもよい。
なお、本実施形態のジャンクションボード1は、バスバー41~47に対して予め介在部材100を取り付けた状態で、カバー22をボード本体21に取り付けることで、組み立ててもよい。また、ジャンクションボード1は、カバー22に対して介在部材100を予め組み付けた状態で、カバー22をボード本体21に取り付けることで、カバー22のボード本体21への組み付けに伴い、介在部材100がバスバー41~47に組み付けられる構成であってもよい。
ところで、上述したバスバー41~47のように長尺で、かつ薄型の導電部材にあっては、例えばコンタクタ31,32,35のオンオフ動作に発生する衝撃によってバスバー41~47が振動する可能性がある。バスバー41~47が振動すると、ハウジング20等を介して車室内に異音となって伝わる可能性がある。
そこで、本実施形態では、バスバー41~47が介在部材100を介してカバー22に支持されている。これにより、例えばバスバーが端子部のみによって両持ちで架け渡されている構成に比べ、バスバー41~47自体の振動を抑制できる。本実施形態では、介在部材100が弾性部101を介して仕切壁73や周壁部72に支持されているため、バスバー41~47の幅方向での振動を特に抑制し易い。
また、仮にバスバー41~47の振動が保持部102を介して介在部材100に伝わったとしても、主に弾性部101において減衰される。これにより、ハウジング20に伝わる振動を軽減できる。
その結果、バスバー41~47の振動が車室内に異音となって伝わるのを抑制できる。
しかも、本実施形態では、バスバー41~47を保持する保持部102が、弾性部101よりも融点の高い材料により形成されている。そのため、全体をゴム材料等により形成する場合に比べ、介在部材100の耐熱性を向上させることができる。また、弾性部101及び保持部102それぞれについて最適な材料や形状を設定できるので、材料選択や設計の自由度等を向上させることができる。
また、本実施形態では、介在部材100をハウジング20やバスバー41~47とは別体で設ける構成とした。
この構成によれば、例えばバスバー自体を捩じる等して振動を抑制する構成に比べ、簡単に製造することができる。また、設置場所や設置数等のレイアウトの自由度も向上させることができる。
その結果、低コスト化を図った上で、バスバー41~47の振動を抑制できる。
本実施形態では、隣り合うバスバー41~47間を仕切る仕切壁73が弾性部101を支持する構成とした。
この構成によれば、隣り合うバスバー41~47間の絶縁用の仕切壁73を弾性部101の固定用の壁と兼用することで、ハウジング20(カバー22)の簡素化や小型化を図ることができる。
本実施形態では、弾性部101がカバー22の閉塞壁部71にも支持される構成とした。
この構成によれば、バスバー41~47の厚さ方向Zでの振動も効果的に抑制できる。
本実施形態では、ハウジング20のカバー22に仕切壁73が形成された構成とした。
この構成によれば、ボード本体21に搭載された電子部品31~36に対してバスバー41~47を組み付ける際の組付性を向上させることができる。
本実施形態では、バスバー41~47が保持凹部115内で爪部116に係止される構成とした。
この構成によれば、介在部材100がバスバー41~47から脱落する等を抑制し、介在部材100によってバスバー41~47を安定して支持することができる。
本実施形態では、弾性部101が厚さ方向Zから見た平面視で円形状に形成された構成とした。
この構成によれば、例えば弾性部101を矩形状等に形成する場合に比べ、仕切壁73間に弾性部101を嵌合させる際に、仕切壁73と弾性部101との接触面積を低減できる。これにより、介在部材100の組付性を向上させることができる。
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、弾性部101が閉塞壁部71を向いた状態で介在部材100がカバー22に組み付けられる構成について説明したが、この構成に限られない。例えば図8に示すように、保持部102が閉塞壁部71を向いた状態で介在部材100がカバー22に組み付けられる構成であってもよい。
上述した実施形態では、隣り合うバスバー41~47間の絶縁用の仕切壁73を弾性部101の固定用の壁と兼用する構成について説明したが、この構成に限られない。仕切壁73とは別に弾性部101の固定用の壁を設けてもよい。この場合、壁は、バスバー41~47の延在方向における一部に配置されていればよい。
上述した実施形態では、カバー22に仕切壁73が設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。ボード本体21に仕切壁が設けられていてもよい。また、カバー22及びボード本体21の何れか一方の部材に仕切壁が設けられ、他方の部材に弾性部101を固定するための壁を設けてもよい。
上述した実施形態では、ボード本体21とカバー22とにより本発明に係る支持基台を構成した場合について説明したが、この構成に限られない。支持基台は、電子部品及びバスバーを支持する構成であればよい。例えば、カバーは必須の構成ではない。
上述した実施形態では、一つのバスバー41~47に対して複数の介在部材100が間隔をあけて設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。介在部材は、バスバーの延在方向に沿ってレール状に設けられていてもよい。
また、介在部材100の平面視形状は、円形状に限らず、矩形状等、適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、保持部102が保持凹部115を備える構成について説明したが、この構成に限られない。保持部102は、バスバー41~47を支持する構成であれば、例えば当接しているだけであってもよい。
上述した実施形態では、弾性部101と保持部102とが連結孔105と連結部111とにより連結された構成について説明したが、この構成に限られない。弾性部101と保持部102との連結方法は、適宜変更が可能である。例えば弾性部101と保持部102は、接着等により連結されていてもよく、弾性部101と保持部102とが互いに接触しているだけでもよい。
上述した実施形態では、弾性部101が向かい合う仕切壁73間に嵌合される構成について説明したが、この構成に限られない。弾性部101の固定方法は適宜選択可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…ジャンクションボード(電気接続箱)
2…電動車両
4…バッテリ
5…PCU(電子制御ユニット)
20…ハウジング(支持基台)
21…ボード本体(基台本体)
22…カバー
31…正極メインコンタクタ(スイッチング素子)
32…負極メインコンタクタ(スイッチング素子)
33…電流センサ33(電子部品)
34…ヒューズ(電子部品)
35…プリチャージコンタクタ(スイッチング素子)
36…プリチャージ抵抗(電子部品)
41…第1バスバー(導電部材)
42…第2バスバー(導電部材)
43…第3バスバー(導電部材)
44…信号用バスバー(導電部材)
45…信号用バスバー(導電部材)
46…信号用バスバー(導電部材)
47…信号用バスバー(導電部材)
72…周壁部(壁)
73…仕切壁(壁)
100…介在部材
101…弾性部
102…保持部
115…保持凹部
116…爪部

Claims (6)

  1. 支持基台と、
    前記支持基台に搭載され、電動車両のバッテリ及び前記バッテリから供給される電力を制御する電力制御ユニット間に接続されるスイッチング素子を含む複数の電子部品と、
    複数の前記電子部品間を接続する板状の導電部材と、
    前記導電部材及び前記支持基台の間に介在する介在部材と、を備え、
    前記支持基台は、前記導電部材を幅方向の両側から取り囲む壁を備え、
    前記介在部材は、
    前記壁に支持された弾性部と、
    前記弾性部に接続されるとともに、前記導電部材を保持する保持部と、を備え、
    前記保持部は、絶縁性を有し、かつ前記弾性部よりも融点が高い材料により形成されている電気接続箱。
  2. 前記導電部材は、前記幅方向に間隔をあけて複数配設され、
    前記壁は、前記幅方向で隣り合う複数の前記導電部材同士の間を仕切る請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記弾性部は、前記支持基台のうち、前記導電部材の厚さ方向で対向する面に支持されている請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱。
  4. 前記支持基台は、
    前記複数の電子部品が搭載される基台本体と、
    前記基台本体に対して前記導電部材の厚さ方向に対向して配置され、前記導電部材を覆うカバーと、を備え、
    前記壁は、前記カバーに形成されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電気接続箱。
  5. 前記保持部には、前記導電部材を収容する保持凹部が形成され、
    前記保持凹部の開口縁には、前記導電部材の厚さ方向において、前記導電部材に係止される爪部が形成されている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電気接続箱。
  6. 前記弾性部は、前記導電部材の厚さ方向から見た平面視で円形状に形成され、
    前記弾性部の外周周面が前記幅方向で対向する前記壁同士の間に嵌合されている請求項1から請求項5の何れか1項に記載の電気接続箱。
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