JP6234716B2 - 車載用の電源装置及び電源装置を備える車両並びにバスバー - Google Patents
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Description
上記構成により、バスバーの金属部分と、半導体素子との熱膨張係数の差によって生じる変形を、バスバーの固定部の間に形成された変形緩衝部で吸収することができ、変形に起因して生じ得る固定の緩みを低減でき、安定した固定状態を維持して接触抵抗の増大などを防止することができる。
上記構成により、バッテリを鉛バッテリと蓄電部で構成し、鉛バッテリと並列に蓄電部を接続することにより、鉛バッテリに流れる充放電の電流を低減して、鉛バッテリの劣化を防止して長寿命にできる。
上記構成により、とくに、熱膨張係数の差が大きくなる半導体素子の樹脂モールド部とバスバーの金属部分との間に生じる変形を、バスバーの変形緩衝部で吸収できる。
以上の電源装置は、ダイオードにより特定方向の電流を抑制することで、バッテリを理想的に保護できる。
上記構成により、半導体素子の第一端子または第二端子のいずれかを固定プレートとすることで、バスバーに固定される固定プレートを介して、半導体素子の一方の端子を外れないように確実にバスバーに電気接続できる。
上記構成により、半導体素子の固定プレートを放熱板とし、この固定プレートをバスバーに熱結合状態で連結させるので、半導体素子の熱を効果的にバスバーに伝導させて放熱できる。
上記構成により、半導体素子の固定プレートを、簡単かつ確実にバスバーに連結して固定できる。
バッテリ1は、図2と図5に示すように、鉛バッテリ10と蓄電部20とを備えている。鉛バッテリ10と蓄電部20は、互いに並列に接続されている。図の電源装置100、200は、回生制動による発電電力を効率よく充電すると共に、鉛バッテリ10に流れる充放電の電流を低減して、鉛バッテリ10の劣化を防止するために、鉛バッテリ10と並列に蓄電部20を接続している。
鉛バッテリ10は、複数の鉛電池セル11を備えている。鉛バッテリ10は、定格電圧を2Vとする鉛電池セル11を6セル、直列に接続して定格電圧を12Vとしている。ただ、本発明は、鉛バッテリの定格電圧を12Vには特定しない。2個の鉛バッテリを直列に接続して定格電圧を24Vとし、または3個の鉛バッテリを直列に接続して36V、4個の鉛バッテリを直列に接続して48Vとして使用することもできるからである。従来の電装機器は、12Vの電源電圧で動作するように設計されているが、24V〜48Vの鉛バッテリを搭載する車両は、この電圧で動作する電装機器を搭載する。
蓄電部20は、鉛バッテリ10と並列に接続されて、鉛バッテリ10と同じ充放電電圧範囲を有する。したがって、12Vの鉛バッテリ10に並列に接続される蓄電部20は、定格電圧を12Vとし、あるいは12Vに近づけている。このように定格電圧が近接した鉛バッテリ10と蓄電部20を並列接続することで、充放電の電圧範囲を広範囲で一致させることができる。蓄電部20は、複数の蓄電器21を備えており、これらの蓄電器21を接続して所定の定格電圧としている。蓄電器21は、例えば、二次電池である。蓄電器21を二次電池とする蓄電部20は、複数の蓄電器21を直列に接続して定格電圧を12Vとする。このような二次電池として、ニッケル水素電池が使用できる。ニッケル水素電池は、鉛バッテリに比較して充電抵抗が極めて小さく、大電流の充電特性に優れるので、回生制動時の大電流で効率よく充電できる特徴がある。ただ、二次電池には、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等の非水系電解液二次電池も使用できる。リチウムイオン電池などの非水系電解液二次電池は、軽くて充放電容量を大きくできる特徴がある。さらに、蓄電器は、キャパシタ等とすることもできる。蓄電器に使用されるキャパシタは、静電容量の大きい電気二重層コンデンサー(EDLC)等のキャパシタである。キャパシタである蓄電器は、充電抵抗を極めて小さくして、回生制動時の蓄電量を鉛バッテリよりも大きくできる。ただ、蓄電器をキャパシタとする蓄電部は、蓄電量、すなわち蓄電される電荷によって電圧が変化するので、双方向性DC/DCコンバータを介して鉛バッテリに接続される。
半導体素子3は、図7のような外観をしており、図2、図3、図5、及び図6に示すように、素子本体30と、この素子本体30を外部接続するために、素子本体30の両極に接続された第一端子31及び第二端子32を備えている。さらに、図の半導体素子3は、少なくとも素子本体30が樹脂モールドでパッケージされており、第一端子31と第二端子32を樹脂モールド部33から外部に表出させている。素子本体30をダイオードとする半導体素子3は、第一端子31及び第二端子32のうち、一方をアノードA、他方をカソードKとしている。
バスバー4は、バッテリ1に電気接続される大電流用の導電部材である。バスバー4は、蓄電部20に接続され、あるいは鉛バッテリ10に接続されて、鉛バッテリ10と蓄電部20とを並列に接続する導電部材の一部として使用される。図2と図5に示す電源装置は、バスバー4を、蓄電部20の出力側に接続している。
さらに、バスバー4は、固定部45同士の間に、変形緩衝部7が形成されている。図4の例では、板状のバスバー4の固定穴46を設けた中間部分に、バスバー4の一部を切り欠いたスリット7Aが形成されている。バスバー4は、このようなスリット7Aを形成することによって、図3及び図6に示すように、熱膨張係数の違いによってバスバー4の固定穴46同士の間に応力(図において矢印Bで表示)が生じても、スリット7Aである変形緩衝部7が変形(図の矢印Cで表示)することで応力を吸収して、固定穴46の部分の変形が抑制される結果、ネジ5の緩みが阻止される。
200…電源装置
1…バッテリ
3…半導体素子
3A…半導体素子
3B…半導体素子
3C…半導体素子
4…バスバー
4A…バスバー
4B…バスバー
4C…バスバー
4D…バスバー
4E…バスバー
5…ネジ
6…ナット
7…変形緩衝部
7A…スリット
7B…開口部
7C…開口部
8…接続スイッチ
9…制御回路
10…鉛バッテリ
11…鉛電池セル
15…リード
20…蓄電部
21…蓄電器
25…リード
30…素子本体
31…第一端子
32…第二端子
33…樹脂モールド部
34…放熱板
35…固定プレート
36…連結穴
37…止ネジ
38…プレート部
45…固定部
46…固定穴
46A…挿通孔
46B…雌ネジ孔
50…電装機器
52…オルタネータ
54…スターターモータ
56…エンジン
57…車輪
93…半導体部品
94…バスバー
95…ネジ
96…ネジ穴
97…固定プレート
98…樹脂モールド部
A…アノード
K…カソード
Claims (13)
- バッテリと、
前記バッテリに接続してなるバスバーと、
前記バスバーに連結してなる半導体素子であって、前記半導体素子が、樹脂モールドされているダイオードと、一方が前記ダイオードのアノードで他方が前記ダイオードのカソードとなる第一端子及び第二端子とを有している、該半導体素子と、を備え、
前記半導体素子は、前記バスバーに固定するための固定プレートを有すると共に、前記固定プレートが前記バスバーに複数箇所で固定されており、
前記バスバーは、前記固定プレートが固定される複数の固定部の間に変形緩衝部を形成してなることを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載の電源装置であって、
前記バッテリが、鉛バッテリと蓄電部とを備え、前記鉛バッテリと前記蓄電部とを前記半導体素子を介して並列に電気接続してなることを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載の電源装置であって、
前記固定プレートが、前記第一端子または前記第二端子のいずれかで、
前記半導体素子の固定プレートが前記バスバーに電気接続されてなることを特徴とする電源装置。 - 請求項1または2に記載の電源装置であって、
前記固定プレートが前記半導体素子の放熱板で、前記半導体素子の固定プレートが前記バスバーに熱結合されてなることを特徴とする電源装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の電源装置であって、
前記固定プレートが、ネジを挿通する複数の連結穴を備えており、前記連結穴を貫通するネジを介して前記固定プレートが前記バスバーに螺合されてなることを特徴とする電源装置。 - 請求項5に記載の電源装置であって、
前記バスバーは、前記半導体素子を固定する面に、前記固定部として、前記固定プレートを固定するための固定穴を離間させて複数形成しており、前記固定穴同士の間に、変形緩衝部を形成してなることを特徴とする電源装置。 - 請求項6に記載の電源装置であって、
前記固定穴が、前記半導体素子をバスバーに螺合により固定するための雌ネジ穴であることを特徴とする電源装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の電源装置であって、
前記変形緩衝部が、前記バスバーの一部を切り欠いたスリットであることを特徴とする電源装置。 - 請求項8に記載の電源装置であって、
前記スリットが複数形成されると共に、互いに隣接するスリット同士の開口部を逆向きに配置してなることを特徴とする電源装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の電源装置であって、
前記変形緩衝部が、前記バスバーの一部を打ち抜いた開口部であることを特徴とする電源装置。 - 請求項10に記載の電源装置であって、
前記開口部が、円形であることを特徴とする電源装置。 - 請求項1から11のいずれかに記載の電源装置を搭載する車両。
- 車両に搭載されるバッテリに接続されると共に、固定プレートを有する半導体素子が連結されるバスバーであって、
前記半導体素子は、樹脂モールドされているダイオードと、一方が前記ダイオードのアノードで他方が前記ダイオードのカソードとなる第一端子及び第二端子とを有しており、
前記半導体素子が連結される連結面に、前記固定プレートが複数箇所で固定されると共に、該固定プレートが固定される複数の固定部の間に変形緩衝部を形成してなることを特徴とするバスバー。
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