JP7018778B2 - 分離装置 - Google Patents

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本開示は、電極付き分離膜、それを用いた分離装置および流体分離方法に関する。
バイオマス発電では廃材や生ゴミなどを腐敗させ、そこで発生したメタン、エタンなどの炭化水素を回収し燃料として使用している。回収した炭化水素を燃焼させて水蒸気を発生させ、タービンを回すことによって電気を発電している。廃材や生ゴミなどを腐敗させると、炭化水素以外に二酸化炭素や水蒸気なども含む混合ガスが発生する。そのため、燃焼効率を上げるには、発生した混合ガスから二酸化炭素や水蒸気など炭化水素以外のガスを効率よく取り除く必要がある。
複数のガス成分を含んだ混合ガスから特定のガス成分を選択的に透過・分離するために、分離膜が使用されている。例えば、特許文献1および2には、このような分離膜に関する技術が開示されている。
特許第5595044号 特開2006-326555号公報
本開示の分離装置は、多孔質支持体およびその表面に設けられている炭素膜を有する分離膜と、前記多孔質支持体と前記炭素膜との間に設けられ、平均粒子径が0.15μm~0.25μmのセラミック粒子および炭素質材料を含む中間層と、前記炭素膜に通電するための少なくとも2つの電極とを備える電極付き分離膜と、流体の入口および出口を有し、前記分離膜の一部の接触領域に前記流体が接触するように構成された流体導入部とを備えており、2つの前記電極が、前記接触領域を挟むように配置されており、前記入口から導入された前記流体の成分のうち前記分離膜を透過しなかった成分が前記出口から排出されるように構成されており、前記分離膜は、前記流体導入部の外側に位置する端部が樹脂で被覆されている。
本開示の一実施形態に係る電極付き分離膜を含む分離装置を示す概略断面図である。 図1に示す分離膜の一部拡大断面図である。
本開示の一実施形態に係る電極付き分離膜を、二酸化炭素とメタンとを分離する分離膜を例に説明する。二酸化炭素とメタンとを分離する分離膜とは、複数の成分を含む混合流体、すなわち二酸化炭素およびメタンを含む混合気体を、分離膜を透過する成分(以下、透過成分という)である二酸化炭素と、分離膜を透過しない成分であるメタンとに分離する分離膜である。一実施形態に係る分離膜1は、図1に示すように、例えば、一実施形態に係る分離装置11に使用される。
分離装置11は、分離膜1と流体導入部2と電源3とを備えている。分離膜1は、図2に示すように、多孔質支持体8と、多孔質支持体8の表面に形成された中間層9と、中間層9の表面に形成された炭素膜10とを含む。
多孔質支持体8は、例えばセラミック粒子を含む層で形成されている。セラミック粒子としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニアなどが挙げられる。このようなセラミック粒子を使用すると、中間層9および炭素膜10の熱膨張差を小さくすることができ、さらに、多孔質支持体8の耐熱性、機械的強度、耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐薬品性などもより向上させることができる。本明細書において、多孔質支持体8に含まれるセラミック粒子は、便宜上「第1のセラミック粒子12」と記載する。
多孔質支持体8に含まれるセラミック粒子(第1のセラミック粒子12)の平均粒子径は特に限定されない。例えば、多孔質支持体8の機械的強度をより向上させるために、第1のセラミック粒子12は、1.0μm~10.0μmの平均粒子径を有していてもよく、1.0μm~5.0μmの平均粒子径を有していてもよい。第1のセラミック粒子12の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による多孔質支持体8の断面写真から、例えばインターセプト方により求められる。
多孔質支持体8の気孔率は特に限定されない。透過成分の透過係数と多孔質支持体8の機械的強度とを考慮して、多孔質支持体8は例えば20%~60%程度の気孔率を有していてもよく、20%~50%程度の気孔率を有していてもよい。多孔質支持体8の気孔率は、例えば水銀圧入法で求められる。多孔質支持体8の厚みは特に限定されず、例えば、透過成分の種類および用途に応じて適宜設定される。
中間層9は、多孔質支持体8の表面に形成されていれば特に限定されず、例えばセラミック粒子を含む層で形成されている。セラミック粒子としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、炭素などが挙げられる。本明細書において、中間層9に含まれるセラミック粒子は、多孔質支持体8に含まれる第1のセラミック粒子12と区別するために、便宜上「第2のセラミック粒子13」と記載する。
中間層9に含まれる第2のセラミック粒子13の平均粒子径は特に限定されない。中間層9と炭素膜10との接触面を平滑にするために、第2のセラミック粒子13は、第1のセラミック粒子12の平均粒子径よりも小さな平均粒子径を有してもよい。中間層9と炭素膜10との接触面を平滑にすると、炭素膜10にピンホールなどの欠陥が発生するのを低減することができる。
具体的には、第2のセラミック粒子13は、0.5μm以下の平均粒子径を有していてもよく、0.25μm以下の平均粒子径を有していてもよい。さらに、透過成分の透過係数を考慮すると、平均粒子径の下限は0.15μm程度であってもよい。中間層9の厚みは特に限定されず、例えば、ピンホールなどの欠陥の発生をより低減し、透過成分の透過係数をより高めることができる点で、中間層9は3.0μm~8.0μm程度の厚みを有していてもよい。
炭素膜10は特に限定されず、例えば、ガラス状炭素を含む膜が挙げられる。ガラス状炭素とは、光学顕微鏡レベルで観察したときに粒界などの内部構造を有さず、均一な外観からなる炭素と定義され、炭素粒子とは全く相違する。本明細書において「ガラス状炭素」とは、内部に微細な細孔が多数存在し、分子ふるいとしての機能を有するものを意味する。例えば、混合流体に含まれる成分の中で分子の小さい成分は、炭素膜10を構成するガラス状炭素の細孔を通過することができる。
炭素膜10は多孔質支持体8の表面に形成される。例えば、図2に示すように、多孔質支持体8の表面に中間層9が形成されていてもよい。中間層9は、第2のセラミック粒子13の間に炭素質材料14を有していてもよい。言い換えると、炭素質材料14が第2のセラミック粒子13間に浸潤していてもよい。炭素質材料14は、図2では炭素膜10と同じ材料として示したが、炭素膜10とは異なる材料を含んでいてもよい。炭素膜10の厚みは特に限定されず、例えば0.1μm~25μmとしてもよい。透過成分の透過速度を高くする為に透過成分が通る経路となる細孔の長さを短くする点で、炭素膜10は0.1μm~2.5μm程度の厚みを有していてもよく、また多孔質支持体8および中間層9を設けず自立体として用いる場合は、炭素膜10の形状を維持できる強度を付与する点で、15μm~25μm程度の厚みを有していてもよい。
分離膜1には、通電するための電極4が2つ設けられている。炭素膜10を有する分離膜1の場合、電極4は炭素膜10に設けられていてもよい。電極4が設けられていることによって、例えば分離装置11に示すように、電極4と電源3とを接続すると分離膜1に電圧をかけることができる。分離膜1に電圧をかけ通電することによって、分離膜1にジュール熱を発生させることができ、透過成分の透過係数を向上させることができる。電極4を設ける位置は特に限定されない。例えば、混合流体に含まれる水蒸気などによる腐食を低減できる点で、電極4は流体導入部2の外側に設けられてもよい。また、分離膜1の混合流体と接触する接触領域の全体に比較的均一な電流を流すという点で、電極4は接触領域、すなわち流体導入部2を挟むように配置されてもよい。分離膜1の接触領域が電極4に挟まれていることで、電極4間の接触領域が均一的に加熱され、温度の異なる部分が生じにくくなる。接触領域全体に対して、一つの電極4を他の一つの電極4の反対に配置することで、接触領域全体に流れる電流をより均一に近づけることができる。電極4は、例えば、銅、銀、アルミニウム、はんだ合金などの導電性金属で形成してもよい。
流体導入部2の外側に位置する分離膜1の端部は、エポキシ樹脂などの樹脂(図示せず)で被覆されていてもよい。分離膜1の端部を樹脂で被覆することによって、流体導入部2からの気体の漏れを防止することができる。
一実施形態に係る分離膜1は、1×10-6Ω・m~1×10-2Ω・mの体積固有抵抗を有していてもよい。一実施形態に係る分離膜1がこのような体積固有抵抗を有することによって、電圧をかけた時に分離膜1に適度な電流が流れ、分離する気体を温めるのに十分なジュール熱を発生させることができ、より透過係数を向上させることができる。分離膜1の体積固有抵抗は、分離膜1を使用する温度、および分離膜1に印加する電圧の大きさなどの使用条件に応じて適宜調整すればよい。例えば、10V~20V程度の電圧で分離膜を50℃~100℃程度の温度に調整する場合、分離膜1の体積固有抵抗は1×10-6Ω・m~1×10-4Ω・mとしてもよい。さらに高電圧または高温で使用する場合、分離膜1の体積固有抵抗は1×10-4Ω・m~1×10-2Ω・mとしてもよい。炭素膜10を有する分離膜1の場合、炭素膜10の体積固有抵抗を上記の範囲としてもよい。
多孔質支持体8、中間層9および炭素膜10を有する分離膜1では、中間層9に含まれる第2のセラミック粒子13を、例えば炭素膜10よりも高抵抗を有する材料としてもよい。中間層9に、炭素膜10よりも高抵抗を有する第2のセラミック粒子13を含むことで、中間層9の体積固有抵抗が炭素膜10よりも高くなる。その結果、炭素膜10に電流が流れやすくなり、分離膜1で発生するジュール熱を調整しやすくなる。
分離膜1を製造する方法は特に限定されない。以下、分離膜1の製造方法の一実施形態を説明する。まず、多孔質支持体8を準備する。多孔質支持体8の詳細については上述のとおりであり省略する。次いで、多孔質支持体8の表面に、第2のセラミック粒子13の層を形成する。具体的には、第2のセラミック粒子13とバインダーと必要に応じて水などの溶媒とを混合してスラリーを得る。得られたスラリーを多孔質支持体8の表面に塗布して乾燥させることによって、第2のセラミック粒子13の層が形成される。スラリーの塗布方法は限定されず、例えば、浸漬法、刷毛塗り法、スプレー法などが挙げられる。
次いで、多孔質支持体8の表面に炭素膜10を形成する。具体的には、炭素膜前駆体と溶媒とを混合して得られる炭素膜前駆体溶液を、第2のセラミック粒子13の層が形成された多孔質支持体8の表面に塗布して乾燥させる。その後、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化させることによって、炭素膜10が形成される。炭素膜前駆体溶液の塗布方法は限定されず、例えば、浸漬法、刷毛塗り法、スプレー法などが挙げられる。塗布された炭素膜前駆体溶液は第2のセラミック粒子13の層に浸潤する。第2のセラミック粒子13の層に浸潤した炭素膜前駆体溶液は炭化して炭素質材料14となり、第2のセラミック粒子13と炭素質材料14とを含む中間層9を形成する。なお、炭素質材料14は多孔質支持体8の第1のセラミック粒子12の表面に存在していてもよい。
炭素膜前駆体としては限定されず、例えば、芳香族ポリイミド、ポリピロロン、ポリフルフリルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂などが挙げられる。これらの炭素膜前駆体の中でもフェノール樹脂は、分子内に親水性の官能基を多く有するため、炭化後に残存する水酸基に二酸化炭素がより吸着しやすく、さらに炭素膜10の細孔内を表面拡散しやすい。
炭素膜10の体積固有抵抗および細孔径は、炭素膜前駆体の種類および熱処理条件により調整される。熱処理は、例えば1℃/分~10℃/分程度の速度で昇温させ、750℃~1000℃程度の温度で行われる。このような条件で熱処理を行うことによって、通電により発熱させることが可能な体積固有抵抗、および透過係数をより高める細孔径を有する炭素膜10が得られる。非酸化性雰囲気に用いる不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。熱処理時間は例えば10分~90分としてもよい。なお、非酸化性雰囲気下で熱処理する前に、空気雰囲気下、150℃~350℃で30分~90分熱処理してもよい。空気雰囲気下で150℃~350℃で熱処理することにより、炭素膜前駆体を熱重合させ、膜の強度を向上させることができる。なお、上記した炭素膜前駆体の熱処理条件は一例であり、これに限定されない。
次いで、炭素膜10に電極4を形成する。電極4は上述のように銅、銀、アルミニウム、はんだ合金などの導電性金属で形成されている。電極4を形成する方法は限定されず、例えば、導電性金属箔を炭素膜10に貼り付けてもよく、導電性金属を含むスラリーを炭素膜10に塗布・乾燥して形成してもよく、めっき処理によって形成してもよい。なお、分離膜1は炭素膜10のみを有し、多孔質支持体8および中間層9を有していなくてもよい。炭素膜10からなる、すなわち自立した炭素膜10からなる分離膜1の製法は、特に限定されない。自立した炭素膜10の製造方法の一実施形態を説明する。
自立した炭素膜10は、炭素膜前駆体を成形した後、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化させることによって得られる。具体的には、まず、炭素膜前駆体を準備する。炭素膜前駆体としては限定されず、芳香族ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、フェノール樹脂などがあげられる。これらの炭素膜前駆体の中でも芳香族ポリイミドは耐熱性が高く、炭化させる際に軟化しにくく、自立した炭素膜10を形成しやすい。
炭素膜前駆体を成形する方法は、例えば射出成形法、押出成形法などを用いればよく、特に限定されない。例えば筒状の成形体を得る場合の成形方法としては、二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルを使用する押出成形法が挙げられる。この押出成形法は、具体的には、炭素膜前駆体が溶媒に溶解した炭素膜前駆体溶液を二重管の外側の管から押し出すとともに、芯液として溶媒を二重管の内側の管から押し出す方法である。押し出された炭素膜前駆体を凝固浴に通して凝固させることで、炭素膜前駆体の成形体が得られる。なお、凝固浴や芯液の温度は0℃~30℃とすればよい。
炭素膜前駆体を溶解する溶媒は、例えば適宜選択されるべきであるが、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどから適宜選択すればよい。凝固浴や芯液に使用する溶媒は、例えば水、硝酸アンモニウム塩水溶液、塩酸アンモニウム塩水溶液などから適宜選択すればよい。熱処理は、上述の多孔質支持体8上に炭素膜10を形成する場合と同様に行えばよい。
また、分離膜1は、多孔質支持体8および中間層9を有し、炭素膜10を有していなくてもよい。すなわち、分離膜1は第2のセラミック粒子13と炭素質材料14とを含む中間層9であってもよい。また、分離膜1は、通電による発熱が可能であればよく、炭素膜10や炭素質材料14を含んでいなくてもよい。
次に、一実施形態に係る分離装置11は、上記のように、分離膜1と流体導入部2と電源3とを備えている。流体導入部2は、流体導入部2の入口5および流体導入部2の出口7が設けられている。流体導入部2は、流体導入部2の入口5から導入された複数の成分を含む混合気体が分離膜1の少なくとも一部と接触するように備えられている。分離膜1と接触した混合気体は分離され、分離膜1の出口6から分離膜1を透過した透過成分が排出され、流体導入部2の出口7から分離膜1を透過しなかった成分が排出される。さらに、流体導入部2の内圧を調整するため、流体導入部2の入口5および流体導入部2の出口7に圧力調整用のバルブが備えられていてもよい。
電源3は、分離膜1に形成された電極4と接続されている。電源3によって分離膜1に電圧をかけることができる。さらに、分離装置11の温度制御を容易にすることができる点で、分離装置11は温度センサー(図示せず)を備えていてもよい。
次に、一実施形態に係る分離装置11を用いて、二酸化炭素およびメタンを含む混合気体から、二酸化炭素とメタンとを分離する方法を説明する。まず、二酸化炭素およびメタンを含む混合気体が流体導入部2の入口5から供給される。混合気体は、流体導入部2で分離膜1と接触する。混合気体に含まれる成分のうち、分離膜1を透過した成分(二酸化炭素)は、分離膜1の出口6から排出される。一方、分離膜1を透過しなかった成分(メタン)は、流体導入部2の出口7から排出される。
本開示の電極付き分離膜は、上述の二酸化炭素およびメタンを含む混合気体に対してのみ用いられるわけではない。本開示の電極付き分離膜は、種々の流体、すなわち種々の気体および液体の分離に使用される。
以上のように、本開示の電極付き分離膜は分離膜および電極を含んでいる。分離膜は内部に微細な細孔が多数存在するため、分子ふるいとして機能する。本開示の電極付き分離膜は、通電することによって分離膜が直接加熱される。通電することによって、分離する気体を温めることができる。その結果、本開示の電極付き分離膜は、耐水性や耐薬品性などの一般的な性能を備えるだけでなく、優れた透過係数を有する。また、そのため、本開示の電極付き分離膜を用いた分離装置は、ヒーターなどの加熱手段を別途備える必要がなく、小型化することができる。また、本開示の電極付き分離膜は、電流が流れた部分の各部が発熱するので、分離膜の面方向および厚さ方向で均一な加熱ができる。これによりヒーターなどの加熱手段を併用した場合でも、より均一的な加熱ができる。
以下、実施例を挙げて本開示の電極付き分離膜を具体的に説明するが、本開示の電極付き分離膜は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、多孔質支持体として、アルミナ多孔質管(外径12mm、内径9mm、長さ150mm、平均細孔径1μm)と、中間層の原料であるアルミナ粉末(平均粒径0.2μm)を含むスラリーとを準備した。スラリーは、アルミナ粉末100質量部に対して、ポリビニルアルコール10質量部および水1900質量部を添加して調製した。次いで、アルミナ多孔質管の一方の端部(開口部)を封止してスラリーに浸漬して、アルミナ多孔質管の表面にスラリーを塗布した。塗布後、80℃で30分乾燥させて、アルミナ多孔質管の表面に中間層となるアルミナ粉末の層を形成した。
次いで、炭素膜の原料であるフェノール樹脂粉末100質量部を、テトラヒドロフラン230質量部に添加して溶解し、炭素膜前駆体溶液を調製した。アルミナ粉末の層が形成されたアルミナ多孔質管を炭素膜前駆体溶液に浸漬して、アルミナ粉末の層が形成されたアルミナ多孔質管の表面に炭素膜前駆体溶液を塗布した。塗布後、80℃で10分乾燥させて、アルミナ多孔質管の表面にフェノール樹脂の被膜を形成した。
その後、フェノール樹脂の被膜が形成されたアルミナ多孔質管を熱処理した。熱処理は窒素雰囲気下で行い、昇温速度が5℃/分、最高温度が表1に記載の温度となるように設定し、最高温度を10分間保持した。このようにして、表1の試料No.1~No.4に示す分離膜を得た。炭素膜の厚みの違いは、炭素膜前駆体溶液からアルミナ多孔質管を引き上げる速度の違いに基づく。得られた分離膜の両端の炭素膜上に、リード線をはんだ合金ではんだ付けして電極とした。
得られた各分離膜について、二酸化炭素またはメタンの透過試験を行うことによって、透過特性を評価した。二酸化炭素またはメタンの供給側(分離膜の炭素膜側)を正圧(大気圧との差圧)0.1MPaとし、透過側(分離膜のアルミナ多孔質側)を大気圧とした。分離膜の炭素膜の外側に存在する二酸化炭素またはメタンをアルミナ多孔質側に透過させ、透過量から透過係数を算出した。試験は、炭素膜に設けた電極に電源を接続し、0V、または15Vの電圧を印加して行った。試験は30℃の環境で行い、印加電圧が0Vの場合の透過係数をP0、印加電圧が15Vの場合の透過係数をP1とし、その比率(P1/P0)を算出した。結果を表1に示す。
さらに、得られた各炭素膜の抵抗値測定を行った。具体的には、装置としてCUSTOM社製の「テスターM-07L」を用い、装置の端子を分離膜の両端の炭素膜上に設けた電極に取り付けて抵抗値を測定した。得られた抵抗値に炭素膜の断面積を乗じて炭素膜の長さで除し、体積固有抵抗値も算出した。測定結果を表1に示す。
Figure 0007018778000001
表1に示すように試料No.1~No.4は、炭素膜に設けた電極に電圧を印加することにより、炭素膜から抵抗加熱によるジュール熱が発生し、分離装置に流れるガスを温めることができ、電圧印加により透過係数が増加していた。特に試料No.3およびNo.4は、炭素膜の体積固有抵抗が1×10-6Ω・m~1×10-4Ω・mの範囲にある為に炭素膜から抵抗加熱によるジュール熱が十分発生し、分離装置に流れるガスを十分に温める事が出来、電圧印加により透過係数が1割以上増加していた。
1 分離膜
2 流体導入部
3 電源
4 電極
5 流体導入部2の入口
6 分離膜1の出口
7 流体導入部2の出口
8 多孔質支持体
9 中間層
10 炭素膜
11 分離装置
12 第1のセラミック粒子
13 第2のセラミック粒子
14 炭素質材料

Claims (9)

  1. 多孔質支持体およびその表面に設けられている炭素膜を有する分離膜と、前記多孔質支持体と前記炭素膜との間に設けられ、平均粒子径が0.15μm~0.25μmのセラミック粒子および炭素質材料を含む中間層と、前記炭素膜に通電するための少なくとも2つの電極とを備える電極付き分離膜と、
    流体の入口および出口を有し、前記分離膜の一部の接触領域に前記流体が接触するように構成された流体導入部とを備えており、
    2つの前記電極が、前記接触領域を挟むように配置されており、前記入口から導入された前記流体の成分のうち前記分離膜を透過しなかった成分が前記出口から排出されるように構成されており
    前記分離膜は、前記流体導入部の外側に位置する端部が樹脂で被覆されている、分離装置。
  2. 前記分離膜の体積固有抵抗が1×10-6Ω・m~1×10-2Ω・mである請求項1に記載の分離装置。
  3. 前記炭素膜が、15μm~25μmの厚みを有する請求項1または2に記載の分離装置。
  4. 前記中間層の体積固有抵抗が、前記炭素膜の体積固有抵抗より大きい請求項1~3のいずれかに記載の分離装置。
  5. 前記電極に接続された電源をさらに備える請求項1~のいずれかに記載の分離装置。
  6. 温度センサーをさらに備える請求項1~のいずれかに記載の分離装置。
  7. 前記中間層は、前記炭素質材料が前記セラミック粒子間に浸潤している請求項1~6のいずれかに記載の分離装置。
  8. 前記多孔質支持体は、セラミック粒子を含み、
    前記中間層に含まれるセラミック粒子は、前記多孔質支持体に含まれるセラミック粒子の平均粒子径よりも小さな平均粒子径を有している請求項1~7のいずれかに記載の分離装置。
  9. 多孔質支持体およびその表面に設けられ、平均粒子径が0.15μm~0.25μmのセラミック粒子および炭素質材料を含む複合層を有する分離膜と、前記複合層に通電するための少なくとも2つの電極と、を備える電極付き分離膜と、
    流体の入口および出口を有し、前記分離膜の一部の接触領域に前記流体が接触するように構成された流体導入部と、を備えており、
    2つの前記電極が、前記接触領域を挟むように配置されており、前記入口から導入された前記流体の成分のうち前記分離膜を透過しなかった成分が前記出口から排出されるように構成されており、
    前記分離膜は、前記流体導入部の外側に位置する端部が樹脂で被覆されている分離装置。
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