JP7017758B2 - リードリレーを利用した直流電流開閉装置 - Google Patents
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Description
しかし、遮断状態ではb接点から高抵抗ではあるがプルアップ抵抗(100kΩ以上)を介してわずかな電流が流れる。その電流はリーク電流となって、遮断時に連続してあるのでリードスイッチの特徴である高抵抗の遮断特性が無くなる問題があった。
前記第1のリードリレー(1)と直列に接続され、前記第1のリードリレー(1)の電流を導通・遮断するMOSFET(5)と、前記第1のリードリレー(1)と前記MOSFET(5)との直列接続回路に並列に接続される第2のリードリレー(3)とを備え、さらに、外部からの指令により前記MOSFET(5)に対してオン/オフを指令する信号を与えるゲート制御回路(4)を備えるとともに、前記ゲート制御回路(4)は、前記直流電源が前記負荷に前記直流電流を供給するときは、前記第1のリードリレー(1)がオンされた後に前記MOSFET(5)をオンし、最後に第2のリードリレー(3)がオンするように制御され、前記直流電流を遮断するときは、前記第2のリードリレー(3)がオフされた後に前記MOSFET(5)をオフして電流を遮断した後に、電流無しの状態で第1のリードリレー(1)をオフするように制御されることを特徴とする開閉装置によって達成される。
負荷の開閉では、インダクタンスの大きな負荷の場合、遮断時過電圧が発生する、またコンデンサの負荷の場合、投入時ラッシュ電流が発生するが、半導体スイッチ回路S2のゲート制御回路4では様々な電流・電圧制御することができる。ゲート制御回路4は例えば過電流、過電圧保護も兼ねた制御を行う、さらに電流パターン制御、再起電圧のパターン制御、過電力保護、半導体スイッチ自身の温度高保護の機能を行うこともできる。ここでは、部品数が少なく、単にドレイン-ゲート間にコンデンサC1を接続してミラー積分回路を構成して半導体スイッチのオン・オフをR1とC1で遅く制御する機能を持ったゲート制御回路を説明する。
これらの動作を一括管理するために、図には書いていないがシーケンス制御回路があって、従来の単独のリードリレーのように外部からの単独のオン・オフ信号によって、内部で決められたシーケンスが動作するプログラム化されたシーケンサーによって、順次動作することで、従来の最大のリードリレーが、耐圧1kV、通電電流2A程度、遮断電流0.1Aだったのが、電流遮断容量が上がることで、電力容量を従来の100W程度から1kW以上と大幅に増やし、直流電力を高速に開閉できる無アーク遮断のリードリレー開閉装置を実現する。
リードリレーをハイブリッド開閉装置に用いれば、電流遮断能力のほとんど期待できないリードリレーが、半導体スイッチとのハイブリッド遮断で、通電能力電流の遮断能力を得ることができ、電力のオン・オフが高速に可能になる。
〔第1実施形態: 図1〕図1は、本発明に係るリードリレーを利用した直流電流開閉装置(以下単に「開閉装置」という。)の実施形態を示す回路図である。(請求項1)
図1は、直流電力回路において、本開閉装置は端子1,2を2線間に結合して開閉装置とする。電流は端子1から端子2へと流すことが出来る。電流を流すには、第1のリードリレーS1をオンし、その後、ゲート制御回路4により半導体スイッチ(MOSFET。以下「MOSFET」という。)5をオンする。そこで電流は端子1から端子2へと流れる。最後に第2のリードリレーS3をオンすると、第2のリードリレーS3の電流路の方が電気抵抗は小さい、又はMOSFET5のオン電圧があるためほとんどの電流は第2のリードリレーS3を流れる。大掛かりな半導体の除熱対策は不要である。
その転流に要する時間Tnは第1のリードリレーS1と半導体スイッチ回路S2、第2のリードリレーS3のループ回路のインダクタンスLnは数10nH程度と電流Iarcは数Aであるので、転流時間Tn=Ln* Iarc/Varcで数10ナノ秒以下と短時間である。この時間ではアークは発生しないか、アークが発生しても、電極の温度は上がらないので電極は消耗しない。
再起電圧はMOSFET5に発生するが、近年のシリコンカーバイド半導体のMOSFETは1kVを超える高い電圧に耐える。また電流遮断時間はMOSFETの高速スイッチング特性によって数十ナノ秒であるので、誘導性の負荷の場合は、L*dI/dtの再起電圧が高くなるがバリスタなどで過電圧を吸収するのが簡単だ。
図3に時間の流れと開閉装置の開状態から、閉状態、その後、開状態に至る各スイッチ状態を示す。
直流電流をMOSFET5のゲート電圧で単純に方形波によって制御すると、開閉装置の電圧の上昇と降下のスピードが数10ナノ秒と速すぎるため、これを従来のアーク電流遮断の数10マイクロ秒と遅くするゲート制御回路を付加する。光結合スイッチS21はそのオフでMOSFET5をオンし、S21がオンでMOSFET5をオフにと制御するが、S21がオンで、R1を介してゲートはソースにつながれる。MOSFET5の活性領域の高い電圧電流制御特性、トランスコンダクタンスがあるので、スレッショルド電圧Vthでのミラー積分効果で(R1×C1)の逆数で決まる再起電圧上昇スピードにすることが出来る。再起電圧Vrは、
Vr=Vth+Vth*(R1×C1)-1*Time
これは、上記特許文献2で、すでに開示されている。
2:半導体スイッチ回路S2
3:第2のリードリレーS3
4:ゲート制御回路
5:半導体スイッチ(MOSFET)
6:ダイオードブリッジ
7:光結合スイッチ(S21,S22)
8:絶縁ゲート駆動電源
Claims (5)
- 直流電源と負荷との間に挿入されて使用される、リードリレーを利用した直流電流の開閉装置(以下単に「開閉装置」という。)であって、該開閉装置は、
第1のリードリレーと、
前記第1のリードリレーと直列に接続され、前記第1のリードリレーの電流を導通・遮断するMOSFETと、
前記第1のリードリレーと前記MOSFETとの直列接続回路に並列に接続される第2のリードリレーとを備え、さらに、
外部からの指令により前記MOSFETに対してオン/オフを指令する信号を与えるゲート制御回路を備えるとともに、
前記ゲート制御回路は、
前記直流電源が前記負荷に前記直流電流を供給するときは、前記第1のリードリレーがオンされた後に前記MOSFETをオンし、最後に第2のリードリレーがオンするように制御され、
前記直流電流を遮断するときは、前記第2のリードリレーがオフされた後に前記MOSFETをオフして電流を遮断した後に、電流無しの状態で第1のリードリレーをオフするように制御されることを特徴とする開閉装置。 - 前記第1のリードリレーのオン後に前記MOSFETをオンさせるまでの時間及び前記MOSFETのオフ後に前記第1のリードリレーをオフさせるまでの時間が、前記第1のリードリレーのオン/オフ時の機械的振動によるチャタリングを起こす時間帯よりも長くなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
- 前記MOSFETのドレイン-ゲート間にコンデンサ、ゲート-ソース間に抵抗をそれ接続してミラー積分回路とすることにより、ゲート電圧の変化スピードを緩やかにするとともに、前記コンデンサを電圧非線形のコンデンサにすることにより、再起電圧の上昇カーブを制御して前記MOSFETのジュール損を削減することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉装置。
- 前記第1のリードリレーの後に、ダイオード整流ブリッジを介して前記MOSFETを接続することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の開閉装置。
- 前記MOSFETの通電損失による発熱を低減するために、前記MOSFETのゲートにスレッショルド電圧より大きな電圧を与えて低オン電圧の飽和駆動とし、さらに、前記MOSFETのオフの際には前記ゲートに負の電圧を与えて完全なゲート遮断状態にすることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の開閉装置。
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