JP6646902B2 - 再起電圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、金属接点(以下「接点」という。)を有する直流電流遮断器の開極時に前記接点間に発生する再起電圧を制御することにより、前記接点の開極時のアーク発生を防止するための再起電圧制御装置に関する。
直流、交流の電力系には多くの金属接点の開閉器、遮断器が制御、保護のために使われているが、それらは、金属電極の接点が機械的に接触して電流が導通して、離れて遮断する。金属接点は空気中、ガス中、オイルあるいは真空中で開極されて電流は遮断されるが、誘導性の負荷遮断の際に火花またはアークとも呼ばれるプラズマが発生する。
金属接点の問題点は、遮断時のアークの発生である。電流が大きくなると接点開極時にアークが連続的に発生し、遮断できないことである。アークまたは火花とも呼ばれるが大気中では電流が10A付近以上になると、気中アークはプラズマの温度を維持するエネルギーバランスを満たし、長時間、安定に持続する。かつ、電極間のアークの存続には大気中、ガス中、圧力、真空中、電極材質により異なるが、20V程度の電圧が必要である。この電極間電圧をアークドロップ電圧と呼ぶが電流と極間距離の関数でもある。アークの安定な存続条件は概略10A以上、20V以上の電圧が必要である。
10A以下電流の金属接点の開極遮断でも火花が発生するが、その火花は短時間で消滅する。それはアークプラズマの存在条件を下回るからであり、電極間隔が広がる間、微小アーク長の過渡的火花が発生する。火花消滅時に電流が瞬断するので高い再起電圧、裁断波といわれる電圧が発生して機器の絶縁を破壊する。
これらの火花やアークは高温の大気圧アークが電極材料を溶かし電極をプラズマ化、ガス化して、電極は溶融、酸化、消耗し、寿命を短くする。
交流では、電流がゼロ点を交差するときアークは消滅する。電流ゼロ点付近でアークは冷却されて消滅し、電流は遮断される。そのとき、電極間の絶縁耐力が回復していれば遮断は完了するので高電圧、大電流でも遮断が可能であるが電極の消耗は問題である。
開閉器、遮断器の無アーク電流遮断の限界は、遮断後の発生電圧が決める。電流遮断時に発生する電圧を再起電圧と呼ぶが、さらに再起電圧の上昇スピードをRRRV(Rate of Rise of Re-strike Voltage)が重要である。これが絶縁を回復しつつある電極間の耐電圧をえてしまうと、再点弧して電流は再び流れて遮断の失敗となる。再起電圧を遮断直後の絶縁回復を超えずに上昇させれば、アーク無しで遮断することができる。
開極時のアークの発生を阻止する目的で、サージ吸収回路又はスナバ回路とも呼ばれる大きな容量のコンデンサを開極する電極間に接続する方法がこれまでもあった。電極を開極すれば、遮断電流は無電圧のコンデンサに流れて電圧が発生するので再起電圧の上昇は電流とコンデンサ容量の関係になる。図2に示す遮断回路では、再起電圧Vは開極してから後のコンデンサに流れ込む電流Iを時間積分したものである。ダイオードの電圧ドロップを無視すれば、次のような関係式が成り立つ。
dV/dt=i/C・・・(1)
V=∫idt/C・・・・(2)
Vの時間変化の概略をあわせて図2に示す。
図2は、RDCスナバ回路と呼ばれる一般的再起電圧の抑制回路であるが電流が大きい場合、電流が小さい場合の再起電圧の時間変化が異なる。
スナバ回路の例として、直流遮断の困難な制御用リレー装置の接点において、直列インダクタンス40mHの電源から電流10Aが流れている電極を開極し、100マイクロ秒後の電圧を100V以下にすることが無アーク開極の条件である。これは参考値であるが多数回の実測による値である。再起電圧を抑えるコンデンサは100Vの10マイクロFのコンデンサでかなり大きな体積を必要とし、電解コンデンサが必要となる。電流が倍の20Aになれば、同じ電圧上昇率にするのにコンデンサの容量も20マイクロFと倍にする必要がある。
この図2の方法は、RDCスナバ回路と呼ばれ、よく知られた方法である。しかし電流値に大きく関わる再起電圧制御法である。最大の欠点は、コンデンサには電流の磁気エネルギーが蓄積されるため、または遮断電圧後の最大で蓄積されているので、コンデンサの電荷を放電しておかないとオン時に電極にはコンデンサの短絡放電となって大電流が流れて、電極を著しく傷めるので好ましくない。そのための放電抵抗をダイオードと共に直列接続して、オンの間にすみやかに放電する。
電流直流の遮断には、金属接点の無アーク遮断を目的としてハイブリッド・リレーと呼ばれる半導体スイッチがある。古くからそのアイデアは特許出願されており、例えば、下記の特許文献1では、開極と半導体スイッチのゲートーコレクタ短絡によるオン・オフのシーケンスが示されている。
また、ハイブリッド・リレーと題する下記の特許文献2では、金属接点と半導体デバイス遮断器の並列で回路を構成し金属接点が開極する前に半導体デバイスをオンさせておき、半導体デバイスで短絡させておくと、金属接点の開極により、アーク電圧が発生して、その電圧で金属接点回路の電流を半導体デバイス側に転流させて、接点の電流を減少させ、アークを消滅させる。所謂、自然転流方式の直流遮断がなされるが、この方式は、半導体デバイスの駆動にゲート制御用絶縁電源、開極のタイミングに同期したゲート制御回路を必要としている。半導体デバイス回路のインダクタンスは数10nHとほとんど無視できるので実用上アークは発生すること無く、短時間で電流は半導体デバイスに転流すると考えられる。
これまで提案されてきたハイブリッド・リレーは半導体スイッチを制御する外部ゲート回路とタイミング回路を別に設ける必要があって、ゲート用別電源など部品数が多くなるという問題がある
そこで、図3に示す未公開の特許出願(特許文献3)で示す方法では、これまでハイブリッド・リレーの方式では不可欠であった半導体デバイスのゲート用外部電源も補助接点回路も不要となり、ゲート駆動回路も不要となるハイブリッド・リレーの例である。特許文献3では1極双投スイッチのa接点とb接点を利用して、a接点で主回路電流をオン・オフして、ゲート回路はb接点に接続されていて、b接点がオフの場合、常に半導体デバイスはスレッシュホルド電圧Vthでオンとなるようにゲートとドレインの間が高抵抗でプルアップされている。
ハイブリッド・リレーと題する特許文献2では、トライアックを半導体スイッチとした交流用が主であるが、そこにおいて、直流回路の実施例の場合、トランジスタに代えての提案がなされている。そこではコレクタ−ベース間の抵抗に流れる電流がれ電流となって問題であると指摘されている。これは半導体スイッチのゲートをVthスレッシュホルド電圧に、高抵抗Rを介してプルアップして導通させる共通の問題である。
ハイブリッドの遮断器では、転流後に最終的に電流を遮断する半導体デバイスの遮断動作は急峻で、インダクタンスのある回路では大きな再起電圧が発生する。そのため、遮断サージ吸収のためにバリスタなど過電圧吸収回路を付加する必要がある。
特開昭61−259416号 特開平4−354374号 特願2015−078094号
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み為されたものであり、それによって以下のよう多くの課題解決するものである
1)補助接点や接点などを必要せず、全ての遮断スイッチに適用できる。
2)さらに半導体を駆動するゲート回路、タイミング回路、その電源が不要。
3)オフ時に漏れ電流がない。
4)再起電圧の上昇スピードを変化させて、接点の絶縁回復に合せる。
5)遮断スピードを抑えてサージ電圧が出ないようにする
金属接点の無アーク遮断を実現する半導体スイッチの補助装置であって、そのためにアークを発生しないように再起電圧は、始め低電圧で、その後の上昇率を時間可変で制御することが可能な再起電圧制御装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る再起電圧制御装置は再起電圧の制御装置として金属接点端子間に接続される。図4に原理説明図を示すが、MOSFETなど絶縁ゲートを持つ半導体デバイスと、MOSFETのドレイン−ゲート間に接続されたコンデンサCと、前記MOSFETのソース−ゲート間に接続された抵抗Rとによって、ブート・ストラップ回路を構成する。MOSFETはゲート電圧のトランス・コンダクタンス値が大きく、OPアンプのような大きな増幅率を持つ。この回路はゲートードレイン間のコンデンサからの電流でゲート電圧がスレッシュホルド電圧Vthに維持されるので、そのためにはドレインとソース間の電圧Vが増加し続ける必要がある。これは、自らの靴ひもを自ら引っ張る形となる正帰還回路で、所謂、ブート・ストラップ回路の一種であると言える。Vの波形が直線的に増加する形から積分回路、またはMiller回路とも呼ばれている。すなわち、パワー用MOSFET、IGBTなどの半導体スイッチのゲート増幅作用を利用して、コンデンサなどでドレイン電圧をゲートにフィードバックすることでドレイン電圧が制御できるが、これで再起電圧を制御する。
ドレイン‐ソース間の電圧Vは図4の場合、計算式のように直線的に増加する。増加スピードが電流の大きさには因らないことが重要で図2のスナバコンデンサと異なる所である。
電流が流れ始めると、スレッシュホルド電圧Vthから始まるので主接点が遮断された時、機械接点に印加される再起電圧はアークの発生がない10V以下から始まることになる。
その後、再起電圧は、金属接点の耐電圧が上昇するにつれて緩やかに上昇させ、再起電圧によって負荷電流は減流して止まる。
再起電圧を10V以下から上昇するように制御すると、金属接点にはアークを発生することなく開極する。本発明のブート・ストラップ回路を応用した再起電圧制御装置を接点に並列に接続するのみで、ハイブリッド遮断器とすることが可能で金属接点を無アークで遮断する。
従来のハイブリッド・スイッチは並列する半導体スイッチを単なる半導体スイッチとして利用するのみであったが、本発明では、MOSFETの絶縁ゲートのスレッシュホルド電圧付近の電圧増幅率を利用してブート・ストラップ回路とする。再起電圧はアークが発生しない低電圧で始まり、絶縁が回復するにあわせて徐々に上昇させることができる。
遮断時の磁気エネルギーを消費して減流するが、本再起電圧を制御する半導体スイッチでは、まず半導体デバイスが吸収するので熱耐量が肝要である。近年のIGBTや、さらに近年実用化が始まったシリコンカーバイドなど、耐電流・耐電圧の大きな半導体スイッチが使えるので数10A、数100Vの直流電流の無アーク遮断が可能になった。
主接点の開閉器に並列に本装置を接続するのみで、2線のみのスイッチでも無アークで遮断できるハイブリッド・スイッチを提供することができる。
また、高電圧の遮断には、多数の半導体スイッチの直列接続が必要になるが、この場合も直列接続の分圧が個々の半導体スイッチの再起電圧の上昇スピードが制御されているので、分圧が適切に配分されて、半導体デバイスで高電圧が遮断できる。
本発明の再起電圧制御装置を一方向の直流電流について説明してきたが、ダイオード・ブリッジを介して金属接点に並列接続すれば、電流方向に因らず、直流電流を無アークで遮断できる。交流電流も電流ゼロ点を待たずに、位相に因らず瞬断することができる。これは、AC遮断器にとって遮断が困難なコンデンサ回路の遮断に適している。
本発明に係る再起電圧制御装置を示す回路図である。 従来のスナバコンデンサによる遮断回路と再起電圧の時間波形を示す図である。 特許文献3のa接点、b接点を使ったハイブリッド・スイッチを示す図である。 本発明の再起電圧制御装置の原理を説明するための図である。 機械接点遮断時の電極間電圧の実測波形を示す図である 実施例1の再起電圧波形の実測波形を示す図である。 本発明に係る再起電圧制御装置の第2実施形態を示す回路図である。 本発明に係る再起電圧制御装置の図7の実施形態を示す回路図である。 本発明に係る図7の再起電圧制御装置を実施した場合の再起電圧波形の図である。 本発明に係る再起電圧制御装置の交流電流への応用回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る再起電圧制御装置の第1実施形態を示す回路図である。電源と負荷の回路に金属機械接点S1が接続されている。負荷はインダクタンスの回路である。S1に並列に再起電圧制御回路が接続されている。再起電圧制御装置はMOSFETのドレインを電圧のプラス側の接点に、MOSFETのソースを接点のマイナス側を接続する。ドレインとゲート間にコンデンサCが、ゲートとソース間に抵抗器(以下「抵抗」という。)Rが接続されている。スイッチS1が開極すると電流がコンデンサCから抵抗Rに流れて、ゲート電圧がVthになるとドレインからソースへと電流が流れだす。その後、ドレイン電圧Vは抵抗RにVthの電圧を維持するように、すなわちコンデンサにVth/Rの電流が流れるようにドレイン電圧Vを高くするようにしなければならない。この動作は靴ひもを引っ張って足を浮かせる動作に似ているのでブート・ストラップ回路と呼ばれる。
コンデンサを介して流れる電流が、Vth=R×i:一定 を発生させるため、Vの再起電圧は直線的に上昇するがVの電圧が直線的に上がる様子から積分回路とも呼ばれる。
数式で説明すると、
th=R×i・・・・・(3)
この電流iは、コンデンサCを介して供給されるので、ドレイン−ソース間電圧Vは上昇しなければならず、電流iは電圧の変化率に静電容量Cを掛けた量である。
i=C×dV/dt・・・(4)
上記(3)及び(4)式から、ドレイン−ソース間の電圧Vの時間変化は、以下のようになる。
V=Vth+Vth/(R×C)×t・・・・(5)
電圧VはVth/(R×C)の傾で上昇する。
ここではVth=3V,R=100Ω、C=0.1μF とすると、
1/RC=10
再起電圧Vの立ち上がり速度は、3×10[V/S]である。
S1の遮断後、30マイクロ秒では、3+9=12Vである。
ここで重要なのは、本回路は再起電圧Vの時間変化にして、電流の大きさに無関係であることである。
機械接点の絶縁回復力は、電極形状や開極スピードによって、また電流の大きさにもよると思われるが、実験により、電圧の上昇スピード1V/μS以下が機械接点の再点弧なしの無アーク条件であるのが分かった。先のC,R定数で十分に無アークで遮断可能である。また半導体デバイスの通電による発熱の問題が生じるので、無アーク条件の中で、高速に遮断される方が有利である。例えば、図1の例では抵抗負荷10Aで電源100Vの遮断電圧の場合、シミュレーション計算で半導体の発熱を求めると、半導体の通電責務は0.11ジュールである。抵抗+10mHのインダクタンス負荷の場合でも、0.88ジュールで、これは近年の半導体デバイスでは可能な許容容量である。
図5は制御用リレーの機械接点の直流電流遮断時の電極間電圧の実測波形を示す。電流は約8A程度であるが開極と同時に10V程度の電圧が発生している。これがアーク発生維持の最低電圧で電流の関数でもあるが電流が大きいと小さくなる傾向がある。その後不規則に脈動して上昇している。アーク電圧は時間と共に大きくなっているのはギャップ長が大きくなるためで、1mS後で23V程度に上昇しているのがわかる。
この実測波形から、金属接点の再起電圧を10V以下に制御すれば、アークは発生しないことがわかる。アークが発生しない場合、ギャップ長が大きくなるに従って耐電圧が上昇する。大気圧中の絶縁耐電圧は、3kV/mm程度であるから、1m/Sのスピードで開極する接点では、3kV/mSで耐電圧が上昇すると概算できる。開極時にアークが発生せず、ギャプ間の耐電圧が上昇する以下に再起電圧を制御すれば再点弧せず、遮断電流はすべて半導体スイッチに流れ、電流は減流して、磁気エネルギーを消費してやがて、電流はゼロになる。
図6は、実施例1の再起電圧波形の実測波形である。
再起電圧Vは約ゼロ付近の電圧(Vth=3V)で始まって、100μS後に、100Vになっているのがわかる。
再点弧なしの無アークの条件が、遮断時に10V以下であって100μS後に300V以下である。この条件を満たしているので、再起電圧はMOSFETの制御による直線波形であって、図5のようなアーク電圧の脈動波形ではないことから、電圧波形から無アーク遮断が実現していることがわかる。
次に、本発明の第2実施形態について図7を用いて説明する。図7は、本発明の第1実施形態の応用例を示す図である。ゲートとソース間の抵抗Rを時間変化させると再起電圧の上昇スピードを変えることができる。抵抗Rを小さくすると図のような形になるがこの再起電圧は低い電圧で長い時間維持し、最後に急激に上昇させる。この形は絶縁回復特性や半導体デバイスの負担となる発熱にとって、理想的な良い形である。また、CとRの組み合わせで、種々の特性をもった再起電圧制御装置が可能である。例えば、再起電圧の上限を設定することもコンデンサCの代わりに電圧をバリスタなど一定電圧でクランプすることで可能である。これは過電圧の保護、または電圧サージの吸収回路でもある。ここでは抵抗Rを変化させたがコンデンサCを時間変化させても再起電圧制御が可能である。例えば電圧がかかると静電容量が小さくなる非線形のコンデンサも利用可能である。
図7の1つの具体的実施形態として図8で示すが、抵抗Rをサイリスタのスイッチで減少させるが、トリガー駆動電力としては、再起電圧から発生する電圧で行う。その電圧で、R2とC2で時間が遅れてサイリスタをオンさせる実施例である。機械遮断器S1がオフすると、電流がMOSFETに流れようとするが、Cを介してRにゲート電圧Vthが現れると導通し、ドレイン−ソース間の電圧もVthになる。再起電圧VがS1のアーク発生に必要な10Vを下回るので、S1の全電流はMOSFETに流れる。その後、再起電圧が直線的に立ち上がるがその時定数はCとRの積である。電流が流れている間中、ゲート電圧Vthはほぼ一定で、約3Vである。VthはMOSFETによって異なるので、半導体の並列運転には注意が必要である。
図7の可変抵抗Rの1実施例が図8の方法のサイリスタスイッチによる時間遅れトリガーである。このサイリスタ方式は一実施例であって抵抗値を変えるのであれば、先の特許文献3の方法をさらに発展させ、b接点を抵抗Rの短絡手段とした本発明での応用である。この場合、先の方法の問題点であった漏れ電流が無いという利点が加わる。さらに、遮断器がオフ状態では、ゲート電圧が短絡されているので、半導体スイッチもオフ状態が担保されるのでノイズに強い回路となる。
図9は本発明に係る図8の再起電圧制御装置の再起電圧波形、各半導体のゲート電圧の波形である。図8の補助回路によって、約1mS後に抵抗が小さくなる。ゲート電圧波形も示すが、このMOSFETのスレッシュホルド電圧、約3Vが遮断と同時に発生していることを示している。再起電圧波形は、数Vで始まっているがアークは発生しなかったことがその後の再起電圧波形にアーク特有のノイズ電圧が無いことからわかる。再起電圧は300Vを超えて発生し、電流が減流され、停止している。
このときの負荷は40mHのインダクタンスである。さらに大きな磁気エネルギーを持った回路の遮断では、半導体デバイスの耐電圧を超えるので、バリスタなどの過電圧保護回路を並列に接続するなどするとよい
図10はダイオード・ブリッジを介してS1スイッチ回路と結べば、電流方向の変わる直流遮断や交流へも応用できる実施例である。ダイオード・ブリッジの電圧降下分の損失や電圧が加わるが10V以下であれば、無アーク遮断が可能である。
三相交流の場合は、これを3セットの遮断接点にそれぞれ並列に3セットを接続する。三相交流電流も遮断器開極時に三相同時に電流が瞬断できる。
1 半導体スイッチ(MOSFET、IGBTなど絶縁ゲートの半導体スイッチ)
2 再起電圧制御型ハイブリッド遮断器
3 コンデンサC
4 抵抗器R
5 Rより小さい抵抗値を持つ第2の抵抗器(R1)
6 S1:金属接点遮断器、又はa接点・b接点の双投スイッチ
7 直流電源
8 負荷
9 過電圧吸収ZnOバリスタなど

Claims (3)

  1. 金属接点(以下「接点」という。)を有する直流電流遮断器の開極時に前記接点間に発生する再起電圧を制御することにより、前記接点の開極時のアーク発生を防止するための再起電圧制御装置であって、前記再起電圧制御装置は、前記接点に並列に接続された絶縁ゲートを有する半導体スイッチと、前記半導体スイッチのゲート端子とドレイン端子間に接続されたコンデンサと、前記半導体スイッチのゲート端子とソース端子間に接続された抵抗器とを備えてブート・ストラップ回路となすとともに、 前記抵抗器の抵抗値を所定の時間遅れをもって減少させることにより、前記再起電圧を所定の時間低く維持しつつ、前記所定の時間経過後に急増させるように制御する手段を備えたことを特徴とする再起電圧制御装置。
  2. 前記手段が、
    第2の抵抗器とサイリスタが接続された直列回路が前記抵抗器に並列に接続され、さらに、
    第3の抵抗器と第2のコンデンサから成る直列回路が、前記第3の抵抗器の開放端が前記接点のプラス側に、前記第2のコンデンサの開放端が前記接点のマイナス側にそれぞれ接続されるとともに、
    前記第3の抵抗器と前記第2のコンデンサの結接点が前記サイリスタのゲートに接続されて構成され、
    前記再起電圧によって、前記第3の抵抗器と前記第2のコンデンサにより時間を遅らせて前記サイリスタのゲートをオンさせることにより、前記半導体スイッチのゲート−ソース間の抵抗値を減少させることを特徴とする、請求項1に記載の再起電圧制御装置。
  3. 接点を有する直流電流遮断器の開極時に前記接点間に発生する再起電圧を制御することにより、前記接点の開極時のアーク発生を防止するための再起電圧制御装置であって、
    前記再起電圧制御装置は、
    前記接点に並列に接続された絶縁ゲートを有する半導体スイッチと、
    前記半導体スイッチのゲート端子とドレイン端子間に接続されたコンデンサと、
    前記半導体スイッチのゲート端子とソース端子間に接続された抵抗器とを備えてブート・ストラップ回路となすとともに、
    前記コンデンサの容量を所定の時間遅れをもって減少させることにより、前記再起電圧を所定の時間低く維持しつつ、前記所定の時間経過後に急増させるように制御する手段を備えたことを特徴とする再起電圧制御装置。
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