JP7017450B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品を与える熱可塑性樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂組成物は、車両、OA(オフィスオートメーション)機器、家庭電化機器、電気・電子機器、建材等の部品の形成等に広く利用されている。これらの分野で用いられる熱可塑性樹脂製部品(「熱可塑性樹脂組成物Xからなる部品」とする)の中には、熱可塑性樹脂組成物Xと同一の若しくは異なる材料からなる熱可塑性樹脂製部品、硬化樹脂製部品、又は、金属若しくは無機化合物からなる無機材料製部品等の他の部品と組み合わせて用いられるものがある。例えば、熱可塑性樹脂製部品と他の部品とを接触配置させたり、これらの部品を、所定の間隔をもって配置させたりするというものである(特許文献1及び2参照)。特に、熱可塑性樹脂製部品どうしが隣接(単に両者が接触している若しくは一部に接着部を有しつつ両者が接触している、あるいは、両者が所定の間隔をもって配置される)している場合、振動、回転、ねじれ、摺動、衝撃等により一方若しくは両方が移動又は変形して動的に接触して、軋み音(擦れ音)が発生することが知られている。この軋み音は、二つの物体が擦れ合った際に発生するスティックスリップ現象に起因する音であるといわれている。尚、スティックスリップ現象は、従来知られているような物体どうしの摺動現象とは異なる現象であるといわれている。
スティックスリップ現象は、図7に示されるように、摩擦力が周期的に大きく変動する現象として理解されており、より具体的には、図8に示されるようにして発生する。即ち、図8(a)のモデルで示されるように駆動速度Vで動く駆動台の上にバネでつながれた物体Mが置かれた場合、物体Mは、先ず、静摩擦力の作用により駆動速度Vで移動する台とともに図8(b)のように右方向に移動する。そして、バネによって元に戻されようとする力が、この静摩擦力と等しくなったとき、物体Mは駆動速度Vと逆の方向に滑り出す。このときに、物体Mは動摩擦力を受けることになるので、バネの力とこの動摩擦力が等しくなった図8(c)の時点で滑りが止まり、即ち、駆動台に付着することになり、再び駆動速度Vと同じ方向に移動することになる(図8(d))。これをスティックスリップ現象といい、図7に示されるように、静摩擦係数μsと、ノコギリ波形下端の摩擦係数μlとの差Δμが大きいと、軋み音が発生しやすくなるといわれている。尚、動摩擦係数は、μs及びμlの中間の値になる。よって、静摩擦係数の絶対値が小さくても、Δμが大きければ、軋み音が発生しやすくなる。軋み音は、自動車室内やオフィス内、住宅室内の快適性や静粛性を損ねる大きな原因となっており、軋み音の発生の抑制や低減が強く要求されている。
近年、軋み音(擦れ音)の発生を抑制する技術が提案されている。
特許文献1には、ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A,B)、結晶性熱可塑性樹脂(C)および繊維状または層状の充填材(D)を含み、JIS K 7121-1987に従って測定した融点が0~100℃および170~280℃に存在し、曲げ弾性率が3,000MPa以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、(A)共役ジエン系ゴム質重合体(a-1)および/またはアクリル系ゴム質重合体(a-2)からなるゴム質重合体(a)存在下に芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物および該芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体からなるビニル系単量体(b)を重合してなるゴム強化スチレン系樹脂(A1)、および/または、該ビニル系単量体(b)のスチレン系(共)重合体(A2)からなるスチレン系樹脂8~93質量%、(B)オレフィン系樹脂5~90質量%、および(C)芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロックと共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロックとを含有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体2~50質量%、からなり、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計が100質量%である熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品が開示されている。
ところで、熱可塑性樹脂製部品と他の部品とが接触を繰り返した際には、熱可塑性樹脂製部品の表面が摩耗して、他の部品との間に隙間が形成されることがあり、これを抑制するために、例えば、ポリアミド樹脂及びポリオレフィン樹脂を主とする熱可塑性樹脂の場合、更に、無機系の充填剤を含有させてなる組成物又は成形品が知られている(特許文献3及び4参照)。
特許文献3には、(A)ポリアミド樹脂80~30重量%、(B)変性ポリオレフィン1~40重量%及び(C)ポリプロピレン樹脂20~70重量%からなる混合物100重量部に対して、(D)ポリテトラフルオロエチレン5~30重量部及び(E)繊維状強化材及び無機充填剤1~200重量部を配合してなる強化ポリアミド・ポリオレフィン樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4には、(A)ポリアミド樹脂20~95重量%、(B)ポリプロピレン樹脂80~90重量%と高密度ポリエチレン樹脂10~20重量%からなる混合物に酸無水物を0.1~5.0重量%付加させて得られる変性ポリオレフィン樹脂3~40重量%、および、(C)未変性ポリオレフィン樹脂1~70重量%からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部と無機充填剤5~150重量部からなる樹脂成形体が開示されている。
WO2014/175332号 特開2011-168186号 特開平4-270758号 特開平5-43795号
本発明の目的は、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
1.(A)エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(a1)と、ビニル系単量体に由来する構造単位を含む樹脂部(a2)とを備えるエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂、(B)ポリアミド樹脂、(C)ポリオレフィン樹脂、及び、(F)充填剤を含有する熱可塑性樹脂組成物において、上記充填剤(F)は、繊維状又は層状を有し、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の含有割合は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、3~40質量%、40~95質量%及び1~30質量%であり、上記充填剤(F)の含有割合は、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)を含む熱可塑性樹脂の全量を100質量部とした場合に5~70質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
2.上記樹脂部(a2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む上記項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3.更に、(D)ジエン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(d1)と、ビニル系単量体(m2)に由来する構造単位を含む樹脂部(d2)とを備えるジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂を含有する上記項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
4.上記樹脂部(d2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む上記項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
5.上記樹脂部(d2)が、更に、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む上記項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
6.更に、(E)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含むビニル系樹脂(但し、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)及び上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を除く。)を含有する上記項1乃至5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
7.上記ビニル系樹脂(E)が、更に、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む上記項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
8.上記項1乃至7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
9.上記成形品が、ドアノブ、ハンドル、グリップ、レバー、取っ手、つまみ、握り玉又は容器である上記項8に記載の成形品。
10.少なくとも二つの部品が接触しつつ複合化された複合物であって、上記部品の少なくとも一つが上記項8に記載の成形品であることを特徴とする複合物。
11.少なくとも二つの部品が接続部材を介して複合化された複合物であって、上記部品の少なくとも一つが上記項8に記載の成形品であることを特徴とする複合物。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を、「(共)重合体」は、単独重合体及び共重合体を意味する。
また、「複合物」は、少なくとも二つの部品からなるものであり、そのうちの少なくとも一つが熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であり、二つの部品からなるものとした場合、以下の態様が挙げられる。
(a)両者が、必要により連結具を用いて、直接接触している態様(いずれか一方又は両者が摺動等の自由な動きが可能であってもよい)
(b)両者の界面の一部に接着層を備え、他の界面において両者が直接接触して一体化している態様
(c)両者が、必要により連結具を用いて、一体化しているが、直接接触しておらず、且つ、他所からの力により、いずれか一方又は両方が移動又は変形して、動的に接触し得る態様
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、更に、ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を含有する場合には、より優れた耐衝撃性を有する成形品を得ることができる。
本発明の複合物(第1複合物)の一例を示す概略断面図である。 本発明の複合物(第1複合物)の他例を示す概略断面図である。 本発明の複合物(第1複合物)の他例を示す概略断面図である。 本発明の複合物(第1複合物)の他例を示す概略断面図である。 ドアノブを備えるドアの一例を示す概略斜視図である。 本発明の複合物(第2複合物)の一例を示す概略断面図である。 スティックスリップ現象の説明図である。 (a)、(b)、(c)、(d)はスティックスリップのモデル図である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(a1)と、ビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(m1)」という)に由来する構造単位を含む樹脂部(a2)とを備えるエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)と、ポリアミド樹脂(B)と、ポリオレフィン樹脂(C)と、繊維状又は層状を有する充填剤(F)とを含有する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、他の熱可塑性樹脂、添加剤(いずれも後述)等の他の成分を含有してもよい。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)は、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(a1)と、ビニル系単量体(m1)に由来する構造単位を含む樹脂部(a2)とを備える樹脂であり、これらの部分が化学的に結合している樹脂である。このエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)は、好ましくは、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体(m1)を重合して得られたゴム強化樹脂に含まれるグラフト樹脂である。
上記ゴム質重合体部(a1)を形成するエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体は、エチレンに由来する構造単位と、α-オレフィンに由来する構造単位とを含む共重合体である。
α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセン等が挙げられる。これらのα-オレフィンは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。α-オレフィンの炭素原子数は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、好ましくは3~20、より好ましくは3~12、更に好ましくは3~8である。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体を構成する、エチレンに由来する構造単位及びα-オレフィンに由来する構造単位の含有割合は、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品が得られることから、両者の合計を100質量%とした場合に、好ましくは5~95質量%及び5~95質量%、より好ましくは50~95質量%及び5~50質量%、更に好ましくは60~95質量%及び5~40質量%である。
本発明において、好ましいエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体は、JIS K 7121-1987に準ずる融点が0℃~100℃の範囲にあるエチレン・α-オレフィン系共重合体であり、その限りにおいて、他の単量体に由来する構造単位を有してもよい。他の単量体としては、アルケニルノルボルネン類、環状ジエン類、脂肪族ジエン類等の非共役ジエン化合物が挙げられる。他の単量体に由来する構造単位の種類は、一種のみでも二種以上でもよい。非共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有割合の上限は、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体を構成する構造単位の全量を100質量%とした場合に、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、更に好ましくは3質量%である。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体の融点は、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品が得られることから、好ましくは10℃~90℃、より好ましくは20℃~80℃である。尚、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体の融点が0℃~100℃の範囲に存在することは、このゴム質重合体が結晶性を有することを意味している。エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体が結晶性部分を有すると、スティックスリップ現象の発生が抑制されて、同一又は他の材料からなる部品との接触による軋み音の発生が低減されるものと考えられる。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体は、本発明の効果が十分に得られることから、エチレンに由来する構造単位と、α-オレフィンに由来する構造単位とからなるエチレン・α-オレフィン共重合体であることが好ましい。本発明においては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体が好ましく、エチレン・プロピレン共重合体が特に好ましい。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)を構成するゴム質重合体部(a1)の含有割合は、本発明の効果が十分に得られることから、ゴム質重合体部(a1)及び樹脂部(a2)の合計を100質量%とした場合に、好ましくは40~90質量%、より好ましくは45~84質量%、更に好ましくは50~77質量%である。
次に、上記樹脂部(a2)を形成するビニル系単量体(m1)は、特に限定されないが、主として、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物等を用いることができ、これらのうち、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含むことが好ましい。上記樹脂部(a2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む場合、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の合計量の割合の下限は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、好ましくは70質量%、より好ましくは80質量%、更に好ましくは90質量%である。
また、上記樹脂部(a2)に含まれる、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の含有量の割合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品の外観性、耐衝撃性及び色調の観点から、それぞれ、好ましくは50~95質量%及び5~50質量%、より好ましくは60~85質量%及び15~40質量%、更に好ましくは65~80質量%及び20~35質量%である。
上記芳香族ビニル化合物は、少なくとも一つのビニル結合と、少なくとも一つの芳香族環とを有する化合物であれば、特に限定されない。但し、官能基等の置換基を有さないものとする。その例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、β-メチルスチレン、エチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、α-イソプロピルアクリロニトリル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
上記マレイミド系化合物としては、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-ドデシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(4-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジメチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ナフチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。尚、重合体鎖に、マレイミド系化合物に由来する構造単位を導入するために、例えば、無水マレイン酸の不飽和ジカルボン酸無水物を共重合した後、イミド化する方法を適用することができる。
また、上記樹脂部(a2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位に加えて、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む場合、このような樹脂部(a2)を含むエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)との相容性に優れた熱可塑性樹脂組成物とすることができる。
カルボキシ基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(カルボキシ基含有不飽和化合物)としては、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられる。
酸無水物基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(不飽和酸無水物)としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;o-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、p-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、m-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、2-ヒドロキシメチル-α-メチルスチレン、3-ヒドロキシメチル-α-メチルスチレン、4-ヒドロキシメチル-α-メチルスチレン、4-ヒドロキシメチル-1-ビニルナフタレン、7-ヒドロキシメチル-1-ビニルナフタレン、8-ヒドロキシメチル-1-ビニルナフタレン、4-ヒドロキシメチル-1-イソプロペニルナフタレン、7-ヒドロキシメチル-1-イソプロペニルナフタレン、8-ヒドロキシメチル-1-イソプロペニルナフタレン、p-ビニルベンジルアルコール、3-ヒドロキシ-1-プロペン、4-ヒドロキシ-1-ブテン、シス-4-ヒドロキシ-2-ブテン、トランス-4-ヒドロキシ-2-ブテン、3-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロペン等が挙げられる。
アミノ基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(アミノ基含有不飽和化合物)としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノメチル、アクリル酸2-ジメチルアミノエチル、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルアミノメチル、メタクリル酸2-ジメチルアミノエチル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、p-アミノスチレン、N-ビニルジエチルアミン、N-アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン等が挙げられる。
エポキシ基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(エポキシ基含有不飽和化合物)としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4-オキシシクロヘキシル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
オキサゾリン基を有する構造単位を与えるビニル系単量体(オキサゾリン基含有不飽和化合物)としては、ビニルオキサゾリン、4-メチル-2-ビニル-2-オキサゾリン、5-メチル-2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、4-メチル-2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、5-メチル-2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン等が挙げられる。
上記樹脂部(a2)としては、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む樹脂部、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位、及び、カルボキシ基を有する構造単位、即ち、カルボキシ基含有不飽和化合物に由来する構造単位を含む樹脂部が好ましい。上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリルが好ましい。上記カルボキシ基含有不飽和化合物としては、メタクリル酸が好ましい。
上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)に含まれるゴム質重合体部(a1)及び樹脂部(a2)の含有割合は、手触り感が良好であり、外観性、剛性及び耐衝撃性に優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際の耐摩耗性にも優れ、同一又は他の材料からなる部品と動的に接触した際に、軋み音(擦れ音)の発生が抑制される成形品が得られることから、両者の合計を100質量%とした場合に、好ましくは40~90質量%及び10~60質量%、より好ましくは45~84質量%及び16~55質量%、更に好ましくは50~77質量%及び23~50質量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)を一種のみ含んでよいし、二種以上を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)の含有割合は、本発明の目的が十分に達成されることから、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計を100質量%とした場合に、3~40質量%であり、好ましくは5~35質量%、より好ましくは7~30質量%である。
上記ポリアミド樹脂(B)は、主鎖に酸アミド結合(-CO-NH-)を有する樹脂であれば、特に限定されない。上記ポリアミド樹脂(B)は、従来、公知の方法、即ち、環構造のラクタム又はアミノ酸の重合、あるいは、ジカルボン酸及びジアミンの縮重合により製造されたものとすることができる。従って、上記ポリアミド樹脂(B)としては、ホモポリアミド、コポリアミド等を用いることができる。製造原料として、単独で重合可能な単量体としては、ε-カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸、9-アミノノナン酸、ピペリドン等が挙げられる。また、ジカルボン酸及びジアミンを縮重合させる場合のジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、テレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。
上記ポリアミド樹脂(B)としては、ナイロン4、6、7、8、11、12、6.6、6.9、6.10、6.11、6.12、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6T/6I等が挙げられる。
尚、ポリアミド樹脂(B)の末端は、カルボン酸、アミン等で封止されていてもよい。カルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第1級アミン等が挙げられる。
本発明において、好ましいポリアミド樹脂(B)は、ナイロン6、12、4.6、6.6、6.10等であり、特に好ましいポリアミド樹脂(B)は、ナイロン6、12、及び、6.6である。
上記ポリアミド樹脂(B)のJIS K 7121-1987に準ずる融点は、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上である。尚、上限は、通常、280℃である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(B)を一種のみ含んでよいし、二種以上を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記ポリアミド樹脂(B)の含有割合は、本発明の目的が十分に達成されることから、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計を100質量%とした場合に、40~95質量%であり、好ましくは50~92質量%、より好ましくは60~87質量%である。
上記ポリオレフィン樹脂(C)は、好ましくは、炭素原子数が2以上のα-オレフィンに由来する構造単位の少なくとも一種を含む変性又は非変性の(共)重合体である。本発明において、特に好ましいポリオレフィン樹脂(C)は、炭素原子数2~10のα-オレフィンに由来する構造単位の少なくとも一種からなる非変性の樹脂である。
上記α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、3-メチルブテン-1、4-メチルペンテン-1、3-メチルヘキセン-1等が挙げられる。これらは、単独であるいは二つ以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、エチレン、プロピレン、ブテン-1、3-メチルブテン-1及び4-メチルペンテン-1が好ましく、プロピレンが特に好ましい。
α-オレフィンに由来する構造単位のみからなるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン-1、エチレン・ブテン-1共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体が好ましく、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、プロピレン単位を全構造単位に対して、85質量%以上含むポリプロピレン系樹脂、即ち、ポリプロピレン、及び、エチレン・プロピレン共重合体がより好ましい。上記エチレン・プロピレン共重合体としては、ランダム共重合体又はブロック共重合体を用いることができる。
上記ポリオレフィン樹脂(C)は、結晶性樹脂であってよいし、非晶性樹脂であってもよい。好ましくは、室温下、X線回折により、20%以上の結晶化度を有するものである。
上記ポリオレフィン樹脂(C)の、JIS K 7121-1987に準ずる融点は、好ましくは40℃以上である。
また、上記ポリオレフィン樹脂(C)の分子量は、特に限定されないが、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、並びに、これを用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、JIS K7210に準ずるメルトマスフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、好ましくは0.01~500g/10分、より好ましくは0.05~100g/10分であり、各値に相当する分子量を有するものが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(C)を一種のみ含んでよいし、二種以上を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記ポリオレフィン樹脂(C)の含有割合は、本発明の目的が十分に達成されることから、上記ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計を100質量%とした場合に、1~30質量%であり、好ましくは2~25質量%、より好ましくは2.5~20質量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、充填剤(F)を含有する。この充填剤(F)は、繊維状又は層状を有し、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、繊維状充填剤及び層状充填剤のいずれか一方を含むものであってよいし、両方を含むものであってもよい。
上記繊維状充填剤は、長尺形状を有する充填剤である。長手方向の形状は、直線状、波線状、ジグザグ状、曲線状、螺旋状等とすることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる繊維状充填剤の平均長さは、好ましくは150~1000μm、より好ましくは200~800μm、更に好ましくは250~700μmである。また、繊維状充填剤のアスペクト比(平均長さ/平均径)は、好ましくは10~1000、より好ましくは25~800、更に好ましくは50~500である。平均長さ及びアスペクト比が上記範囲にあると、成形加工性に優れ、剛性及び手触り感に優れる成形品を効率よく得ることができる。
上記平均長さは、例えば、熱可塑性樹脂組成物からなるペレットの一部を切り出し、これを800℃に加熱して樹脂成分を分解した後、回収された層状充填剤を画像解析することにより測定された平均値とすることができる。
上記繊維状充填剤は、中実体、多孔体、管状体等の構造を有する繊維のみからなるものであってよいし、中実体、多孔体、管状体等の構造を有する基部繊維と、その表面の少なくとも一部に、所定の表面処理等が施されたことにより形成された層とを有するものであってもよい。即ち、上記繊維状充填剤の構成材料は、その構造により、適宜、選択され、一種のみであってよいし、二種以上であってもよい。そして、上記繊維状充填剤の断面形状は、円形、楕円形、多角形、不定形、環形等とすることができる。
上記繊維状充填剤又はその基部繊維の構成材料としては、ガラス(Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Mガラス、ARガラス、Lガラス等)、炭素、硼素、石膏、アスベスト、シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ、ジルコニア、窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、ゾーノトライト、セピオライト、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硅酸カルシウム、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の無機材料、並びに、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等の高融点有機材料が挙げられる。そして、これらの材料が針状等に加工された物(「ウィスカー」と呼ばれるものも含む)又は、合成樹脂エマルジョン、水溶性合成樹脂、カップリング剤(アミン系、シラン系、エポキシ系等)、界面活性剤等による表面処理物とすることができる。
上記層状充填剤は、多層構造を有する、好ましくは板状の充填剤であり、本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる層状充填剤の長径は、好ましくは10~1500μm、より好ましくは25~1000μm、更に好ましくは50~800μmである。層状充填剤の厚さは、好ましくは1~200μm、より好ましくは1~100μm、更に好ましくは1~50μmである。また、層状充填剤のアスペクト比(長径/厚さ)は、好ましくは10~1000、より好ましくは25~800、更に好ましくは50~500である。本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる層状充填剤の長径及びアスペクト比が上記範囲にあると、得られる成形品の剛性及び手触り感に優れる。
上記長径は、例えば、熱可塑性樹脂組成物からなるペレットの一部を切り出し、これを800℃に加熱して樹脂成分を分解した後、回収された層状充填剤を画像解析することにより測定することができる。
上記層状充填剤の構成材料としては、マイカ、タルク、クレー、スメクタイト、ヘクトライト、バーミキュライト、サポナイト等の酸化ケイ素含有物質、フェライト、チタン酸塩、ビスマス化合物、ゼオライト、ジルコニウムのリン酸塩、ハイドロタルサイト、黒鉛、二硫化モリブデン等が挙げられる。
本発明において、好ましい充填剤(F)は、繊維状充填剤であり、特に好ましくはガラス繊維である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、充填剤(F)の含有割合は、本発明の目的が十分に達成されることから、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)を含む熱可塑性樹脂の全量を100質量部とした場合に、5~70質量部であり、好ましくは10~60質量部、より好ましくは20~50質量部である。
尚、本発明の熱可塑性樹脂組成物又は成形品から、充填剤(F)を単離する場合、例えば、空気中、500℃~800℃の温度で加熱して、樹脂成分を灰化させた後、充填剤(F)を回収する方法等を適用することができる。
上記のように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、他の成分(他の熱可塑性樹脂、添加剤)を含有することができる。
他の熱可塑性樹脂としては、ジエン系ゴム質重合体、アクリル系ゴム質重合体、ウレタン系ゴム質重合体、シリコーン系ゴム質重合体、及び、共役ジエン系化合物よりなる単位を含む(共)重合体の水素添加物から選ばれた少なくとも一種に由来するゴム質重合体部と、ビニル系単量体に由来する構造単位を含む樹脂部とを備えるゴム質重合体強化ビニル系樹脂、ビニル系単量体に由来する構造単位のみからなり、ゴム質重合体部を含まないビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、他の熱可塑性樹脂を含有する場合、その含有割合の上限は、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは150質量部、より好ましくは100質量部である
本発明において、他の熱可塑性樹脂は、下記の樹脂であることが好ましい。
(D)ジエン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(d1)と、ビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(m2)」という)に由来する構造単位を含む樹脂部(d2)とを備えるジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂
(E)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含むビニル系樹脂(但し、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)及び上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を除く。)
上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)は、ジエン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(d1)と、ビニル系単量体(m2)に由来する構造単位を含む樹脂部(d2)とを備える樹脂であり、これらの部分が化学的に結合している樹脂である。このジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)は、好ましくは、ジエン系ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体(m2)を重合して得られたゴム強化樹脂に含まれるグラフト樹脂である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を含有する場合には、耐衝撃性が更に向上する。
上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)のゴム質重合体部(d1)を形成するジエン系ゴム質重合体は、25℃でゴム質であれば、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。上記ジエン系ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等の単独重合体;スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体等のスチレン・ブタジエン系共重合体;スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・イソプレン共重合体等のスチレン・イソプレン系共重合体等が挙げられる。これらの共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、ランダム共重合体でもよい。
上記ジエン系ゴム質重合体は、耐衝撃性の観点から、1,3-ブタジエン又はイソプレンに由来する構造単位を有する(共)重合体が好ましい。
上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を構成するゴム質重合体部(d1)の含有割合は、耐衝撃性の観点から、ゴム質重合体部(a1)及び樹脂部(a2)の合計を100質量%とした場合に、好ましくは40~92質量%、より好ましくは45~84質量%、更に好ましくは50~77質量%である。
次に、上記樹脂部(d2)を形成するビニル系単量体(m2)は、特に限定されないが、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)に含まれる樹脂部(a2)を形成するビニル系単量体(m1)の例示化合物を適用することができる。
上記ビニル系単量体(m2)は、主として、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物等を用いることができ、これらのうち、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含むことが好ましい。上記樹脂部(d2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む場合、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の合計量の割合の下限は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、好ましくは70質量%、より好ましくは80質量%、更に好ましくは90質量%である。
また、上記樹脂部(d2)に含まれる、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の含有量の割合は、耐衝撃性の観点から、それぞれ、好ましくは50~95質量%及び5~50質量%、より好ましくは60~85質量%及び15~40質量%、更に好ましくは65~80質量%及び20~35質量%である。
また、上記樹脂部(d2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位に加えて、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む場合、このような樹脂部(d2)を含むジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)は、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)との相容性を向上させることができる。
上記樹脂部(d2)としては、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位とからなる樹脂部、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位と、カルボキシ基を有する構造単位、即ち、カルボキシ基含有不飽和化合物に由来する構造単位とからなる樹脂部が好ましい。上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリルが好ましい。上記カルボキシ基含有不飽和化合物としては、メタクリル酸が好ましい。
上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)に含まれるゴム質重合体部(d1)及び樹脂部(d2)の含有割合は、手触り感が良好であり、外観性及び剛性を維持しつつ、耐衝撃性が更に向上することから、両者の合計を100質量%とした場合に、好ましくは40~92質量%及び8~60質量%、より好ましくは45~84質量%及び16~55質量%、更に好ましくは50~77質量%及び23~50質量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を一種のみ含んでよいし、二種以上を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が上記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を含有する場合、その含有割合は、耐衝撃性の観点から、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計を100質量部とした場合に、好ましくは3~40質量部、より好ましくは4~30質量部である。
上記ビニル系樹脂(E)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む共重合体である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、ビニル系樹脂(E)を含有する場合には、得られる成形品の外観性が更に向上する。
上記ビニル系樹脂(E)に含まれる、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の合計量の割合の下限は、得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、好ましくは75質量%、より好ましくは80質量%、更に好ましくは90質量%である。
また、上記ビニル系樹脂(E)に含まれる、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の含有量の割合は、得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、それぞれ、好ましくは50~95質量%及び5~50質量%、より好ましくは60~85質量%及び15~40質量%、更に好ましくは65~80質量%及び20~35質量%である。
上記ビニル系樹脂(E)は、更に、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物、カルボキシ基含有不飽和化合物、不飽和酸無水物、ヒドロキシ基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物、アミド基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物等に由来する構造単位を含む共重合体であってもよい。
上記ビニル系樹脂(E)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位に加えて、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む共重合体である場合、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)との相容性を向上させることができる。
上記ビニル系樹脂(E)としては、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位とからなる共重合体、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位と、カルボキシ基を有する構造単位、即ち、カルボキシ基含有不飽和化合物に由来する構造単位とからなる共重合体が好ましい。上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリルが好ましい。上記カルボキシ基含有不飽和化合物としては、メタクリル酸が好ましい。
上記ビニル系樹脂(E)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、成形加工性、得られる成形品の外観性の観点から、好ましくは0.2~1.2dl/g、より好ましくは0.25~1.0dl/g、更に好ましくは0.3~0.8dl/gである。尚、ビニル系樹脂(E)の極限粘度[η]は、所定の共重合体をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度の異なるものを5点調製し、ウベローデ粘度管を用いて、30℃で各濃度の還元粘度を測定することにより、求めることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ビニル系樹脂(E)を一種のみ含んでよいし、二種以上を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が上記ビニル系樹脂(E)を含有する場合、その含有割合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、並びに、これを用いて得られる成形品の外観性及び耐衝撃性の観点から、上記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、上記ポリアミド樹脂(B)及び上記ポリオレフィン樹脂(C)の合計を100質量部とした場合に、好ましくは10~100質量部、より好ましくは30~80質量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が添加剤を含有する場合、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、滑剤、安定剤、耐候剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、離型剤、抗菌剤、防腐剤、着色剤(顔料、染料等)、蛍光増白剤、導電性付与剤等を含有することができる。
上記可塑剤としては、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、脂肪族一塩基酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エステル、多価アルコールのエステル、エポキシ系可塑剤、高分子型可塑剤、塩素化パラフィン等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロキノン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、含硫黄化合物、含リン化合物等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記老化防止剤としては、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p-フェニレンジアミン系化合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体系化合物、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系化合物、リン酸系化合物等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記離型剤としては、オレフィン系ワックス、シリコーンオイル、高級脂肪酸、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、蜜蝋等の天然動物系ワックス、カルナバワックス等の天然植物系ワックス、パラフィンワックス等の天然石油系ワックス、モンタンワックス等の天然石炭系ワックス等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を用い、原料成分を混練することにより、製造することができる。混練に際しては、原料成分を一括して混練してよいし、多段添加方式で混練してもよい。混練温度は、好ましくは230℃~280℃、より好ましくは240℃~270℃である。
上記原料成分のうち、熱可塑性樹脂組成物において上記充填剤(F)とするための繊維状充填剤は、アスペクト比(平均長さ/平均径)が、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、更に好ましくは50以上(但し、上限は、通常、1000)の長尺形状を有する充填剤であることが好ましい。アスペクト比が10以上である繊維状充填剤を用いて得られる熱可塑性樹脂組成物は、成形加工性に優れ、剛性及び手触り感に優れる成形品を効率よく得ることができる。尚、繊維状充填剤の長手方向の形状は、直線状、波線状、ジグザグ状、曲線状、螺旋状等とすることができる。上記繊維状充填剤の平均長さは、好ましくは1~10mm、より好ましくは2~6mmであり、平均径は、好ましくは5~25μm、より好ましくは8~20μmmである。
本発明の成形品は、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物、又は、その構成成分を形成することとなる原料成分を、射出成形装置、シート押出成形装置、異形押出成形装置、中空成形装置、圧縮成形装置、真空成形装置、発泡成形装置、ブロー成形装置、射出圧縮成形装置、ガスアシスト成形装置、ウォーターアシスト成形装置等、公知の成形装置で加工することにより製造することができる。即ち、本発明の成形品は、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む。
上記成形装置を用いて、成形品を製造する場合、成形温度及び金型温度は、使用する原料成分(他の熱可塑性樹脂等を含む)の種類等によって、適宜、選択される。
本発明の成形品の形状は、特に限定されず、塊状、板状、線状、球状、環状、管状、網状又はこれらの変形物、更には、不定形状とすることができ、中実体又は中空体のいずれでもよい。また、成形品は、目的、用途等に応じて、任意の位置に、貫通孔、溝、凹部、凸部等を備えてもよい。
本発明の成形品は、手触り感が良好であることから、手に触れる物品(単一物)に好適であり、他の部品とからなる複合物であって、これが手に触れる物品である場合には、成形品及び他の部品のいずれが手に触れるものであってもよい。
本発明の成形品は、好ましくは、ドアノブ、ハンドル、グリップ、レバー、取っ手、つまみ、握り玉又は容器である。尚、容器は、物(文房具、アクセサリー、工具等)を収容するもの、物(電子機器等)を保護するもの、物を被覆するもの等を意味する。
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物と同一又は他の材料からなる部品(他の部品)と動的に接触した際に軋み音(擦れ音)の発生が抑制されるという性質を有する。この性質は、両者が動的に接触した際に、スティックスリップ現象の発生が抑制されるため、軋み音の発生が低減されるものと考えられる。
他の部品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物と同一であってよいし、それと異なる他の材料からなるものであってもよい。後者の場合、他の熱可塑性樹脂組成物、硬化樹脂組成物、架橋ゴム(加硫ゴムを含む)、繊維集合体(木材を含む)、金属(合金を含む)、ガラス、セラミックス等が挙げられ、これらを単独で又は二種以上の組み合わせで含むものとすることができる。
他の熱可塑性樹脂組成物としては、上記ポリアミド樹脂(B)、上記ポリオレフィン樹脂(C)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、PMMA、芳香族ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、生分解性プラスチック等の一種又は二種を含む組成物等とすることができる。
硬化樹脂組成物としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂を含む原料組成物を、熱、光等により硬化させたもの等とすることができる。
架橋ゴム(加硫ゴム)としては、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、SEBS、SBS、SIS等の合成ゴム、天然ゴム等を含む原料組成物を用いて得られた架橋ゴム組成物(加硫ゴム組成物)等とすることができる。
本発明の複合物(以下、「第1複合物」という)は、少なくとも二つの部品が接触しつつ複合化された複合物であって、部品の少なくとも一つが上記本発明の成形品であることを特徴とする。
図1~図4に、二種の部品を組み合わせて複合物を形成した例(断面図)を示す。これらの図は、1の部品10及び他の部品20が接触している態様である。本発明においては、1の部品及び他の部品の少なくとも一方が、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるものである。
図1は、1の部品10と、他の部品20とが隣接している態様である。図2及び図3は、1の部品10が、他の部品20に形成された凹部に嵌挿されている態様である。図4は、1の筒状部品10の内壁面に接触するように他の部品20が配設されている態様である。このような構造を有する第1複合物に対して、振動、ねじれ、衝撃等により一方若しくは両方の部品が移動又は一時的に変形しても、軋み音の発生は抑制される。
図5は、第1複合物の一例として、ドアを示す部分斜視図である。このドアは、ドアノブ31がドア本体35の凹部に嵌挿されたものであり、ドア本体35の表面には、ドアノブ31の根元部を保護するための保護部材33が配設されている。本発明においては、ドアノブ31、保護部材33、及び、ドア本体35の凹部内表面の少なくとも一つが、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であればよい。ドアノブ31は、通常、手に触れる部分であるため、少なくともドアノブ31が上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品である第1複合物は、好適な例である。
また、本発明の複合物(以下、「第2複合物」という)は、少なくとも二つの部品が接続部材を介して複合化された複合物であって、部品の少なくとも一つが上記本発明の成形品であることを特徴とする。
図6は、1の部品10及び他の部品20における各凹部に、本発明の熱可塑性樹脂組成物以外の材料からなる二つの部品24が嵌挿されている態様である。このような構造を有する第2複合物に対して、振動、ねじれ、衝撃等によりいずれか一つの部品が移動又は一時的に変形しても、軋み音の発生は抑制される。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記において、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
1.製造原料
熱可塑性樹脂組成物の製造に用いた原料(樹脂成分及び重合体成分)は、以下の通りである。
1-1.原料〔P〕
この原料〔P〕は、以下の方法で得られた、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂、及び、他の熱可塑性樹脂に相当するビニル系樹脂からなるゴム強化樹脂(P1)を含有する混合物(組成物)である。
<ゴム強化樹脂(P1)を含有する混合物の合成方法>
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計等を装備したステンレス製オートクレーブに、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体として、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=78/22(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):20、融点:40℃、ガラス転移温度(Tg):-50℃)22部と、スチレン55部と、アクリロニトリル23部と、t-ドデシルメルカプタン0.5部と、トルエン110部とを仕込み、内温を75℃に昇温して、1時間攪拌して均一溶液とした。次いで、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温して、100℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら、更に2時間反応を行って重合反応を終了した。重合転化率は98%であった。その後、内温を100℃まで冷却し、酸化防止剤としてオクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)-プロピオネート0.2部と、滑剤として信越シリコーン社製ジメチルシリコーンオイル「KF-96-100cSt」(商品名)0.02部とを添加し、反応混合物をオートクレーブより抜き出した。そして、水蒸気蒸留により未反応物及び溶媒を留去し、更に40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂及びアクリロニトリル・スチレン共重合体からなるゴム強化樹脂(P1)を主とする組成物からなるペレットを得た。
このゴム強化樹脂(P1)に含まれるエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂の含有割合は45%であり、アクリロニトリル・スチレン共重合体の含有割合は55%であった。また、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂を構成するゴム質重合体部の含有量は67%、グラフト率は50%であった。アクリロニトリル・スチレン共重合体は、ゴム強化樹脂(P1)のアセトン可溶分であり、その極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.47dl/gであった。
1-2.原料〔Q〕
この原料〔Q〕は、他の熱可塑性樹脂に相当する成分であり、(Q1)以下の方法で得られた、ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂を含むゴム強化樹脂、(Q2)スチレン単位量が70%、アクリロニトリル単位量が30%である、アクリロニトリル・スチレン共重合体、(Q3)スチレン単位量が70%、アクリロニトリル単位量が25%、メタクリル酸単位量が5%である、アクリロニトリル・スチレン・メタクリル酸共重合体である。
<ゴム強化樹脂(Q1)の合成方法>
攪拌翼を備えたガラス製フラスコに、窒素気流中、ジエン系ゴム質重合体として、ポリブタジエンゴム(数平均粒子径:300nm、ゲル含率:85%)39部と、スチレン15部と、アクリロニトリル5部と、メタクリル酸1部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部と、水酸化カリウム0.01部と、t-ドデシルメルカプタン0.1部と、イオン交換水100部とを仕込み、攪拌しながら昇温した。温度が45℃に達した時点で、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.1部と、硫酸第1鉄0.003部と、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・二水塩0.2部とをイオン交換水15部に溶解した水溶液を加え、更に攪拌した。その後、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、重合を開始した。1時間重合させた後、反応液を撹拌しながら、更に、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、水酸化カリウム0.02部、t-ドデシルメルカプタン0.1部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.2部、スチレン29部、アクリロニトリル9部及びメタクリル酸2部を、3時間に渡って連続的に添加した。そして、これらの添加が終了してから、更に1時間に渡って、攪拌しながら、重合反応させた。その後、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)0.2部を添加して重合反応を終了した。重合転化率は98%であった。
次に、反応生成物を含むラテックスから、樹脂成分を、塩化カリウム2部を用いて凝固させた。そして、得られた凝固物の脱水、水洗及び乾燥を行うことにより、粉末状のゴム強化樹脂(Q1)を得た。
このゴム強化樹脂(Q1)に含まれるジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂の含有割合は58%であり、アクリロニトリル・スチレン・メタクリル酸共重合体の含有割合は42%であった。また、ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂を構成するゴム質重合体部の含有量は67%、グラフト率は45%であった。アクリロニトリル・スチレン・メタクリル酸共重合体は、ゴム強化樹脂(Q1)のアセトン可溶分であり、その極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gであった。
1-3.原料〔R〕
この原料〔R〕は、ポリアミド樹脂であり、東レ社製ナイロン6「アミランCM1017」(商品名)を用いた。この製品の融点は225℃である。
1-4.原料〔S〕
この原料〔S〕は、ポリオレフィン樹脂であり、日本ポリプロ社製ポリプロピレン樹脂「ノバテックPP BC6C」(商品名)を用いた。この製品の融点は165℃である。
1-5.原料〔T〕
この原料〔T〕は、繊維状充填剤であり、オーウェンスコーニング社製ガラス繊維「MA FT698」(商品名)を用いた。このガラス繊維の繊維長は3mm、繊維径は13μmである。
2.熱可塑性樹脂組成物の製造及び評価
実施例1~9及び比較例1~9
原料〔P〕、〔Q〕、〔R〕及び〔S〕を、表1に記載の割合で用いて、ヘンシェルミキサーにより混合した後、この混合物を、日本製鋼社製2軸押出機「TEX44αII」(型式名)に供給して溶融混練し、各熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを得た。尚、溶融混練の際のシリンダー設定温度は、230℃~280℃とした。
その後、下記項目について、評価を行った。
(1)熱変形温度
ISO75に準じて、荷重1.8MPaにて測定した。
(2)曲げ弾性率
島津製作所社製「オートグラフAG5000」(商品名)を用い、ISO178に準じて、スパン間64mm、クロスヘッドスピード2mm/分にて割線法から測定した。データは、5個のサンプルの平均値である。
(3)手触り感
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを、東芝機械社製射出成形機「IS-170FA」(型式名)により射出成形(シリンダー温度270℃、射出圧力80MPa、金型温度60℃)し、長さ150mm、幅75mm、厚さ4mmの板状成形品とした。得られた板状成形品の表面を手で触った感触を5人のパネラーが確認し、下記評価基準により、手触り感を判定した。
<評価基準>
○:パネラー5人全てが滑らかな感触と判定した。
△:パネラー5人の中で1~4人がざらざらした感触と判定した。
×:パネラー5人全てがざらざらした感触と判定した。
(4)外観性
上記(3)で得られた板状成形品の表面を目視にて観察し、下記基準にて外観性を判定した。
<評価基準>
○:成形品表面に曇りがなく、2m上方の蛍光灯を映した際に、その輪郭が明確に認識された。
×:成形品表面に曇りがあり、2m上方の蛍光灯を映した際に、その輪郭がぼやけて見えた。
(5)耐摩耗性
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを、120℃で4時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製射出成形機「NEX-30」(型式名)により射出成形(シリンダー温度240℃、金型温度60℃)し、接触面積2cmの中空円筒試験片とした。そして、JIS K7218の(A)法に準じて、中空円筒試験片同士での摩擦摩耗試験(温度23℃、湿度50%、周速度500mm/秒、加圧荷重500gf)を24時間実施し、同材料に対する摩耗量を、可動側の試験片について測定した。摩耗量は、摩耗減少した重量である。
(6)耐衝撃性
ISO 179に準じて、シャルピー衝撃強さを測定した。
(7)軋み音抑制性
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを、東芝機械社製射出成形機「IS-170FA」(型式名)を用いて射出成形(シリンダー温度250℃、射出圧力50MPa、金型温度60℃)に供し、板状成形品を得た。次いで、この成形品を、ディスクソーを用いて切削加工し、60mm×100mm×4mm及び50mm×25mm×4mmの二種の試験片を切り出した。その後、番手#100のサンドペーパーで試験片の端部を面取りし、細かいバリを除去し、大小2枚の軋み音評価用試験片を作製した。
次に、これらの軋み音評価用試験片を、80℃±5℃に調整したオーブン内に300時間放置した後、取り出して、25℃で24時間静置し、熱老化(エージング)させた試験片を得た。そして、ジグラー(ZIEGLER)社製スティックスリップ試験機「SSP-02」(型式名)に、大小2枚の軋み音評価用試験片をセットし、両者を3回擦り合わせて、異音リスク指数を測定した。測定条件は、温度23℃、湿度50%RH、荷重5~40N、速度:1~10mm/秒、振幅:20mmである。
異音リスク指数が小さいほど、軋み音の発生リスクが低くなる。下記評価基準により、軋み音抑制性を判定した。
○:試験した条件で最も高い異音リスク指数が1~3であった。
△:試験した条件で最も高い異音リスク指数が4~5であった。
×:試験した条件で最も高い異音リスク指数が6~10であった。
Figure 0007017450000001
表1から、以下のことが明らかである。即ち、比較例1は、本発明に係る成分(A)を含有しない例であり、また、比較例2は、本発明に係る成分(A)を含有するものの、本発明の範囲外で少ない例であり、いずれも、軋み音抑制性が劣っていた。比較例3及び4は、本発明に係る成分(A)の含有割合が、本発明の範囲外で多い例であり、成形品の手触り感が劣っていた。比較例5は、本発明に係る成分(A)及び(B)の含有割合が、本発明の範囲外である例であり、耐磨耗性及び軋み音抑制性が劣っていた。比較例6は、本発明に係る成分(C)の含有割合が、本発明の範囲外で少ない例であり、耐磨耗性が劣っていた。比較例7は、本発明に係る成分(C)の含有割合が、本発明の範囲外で多い例であり、成形品の手触り感及び外観性が劣っていた。比較例8は、本発明に係る成分(F)の含有割合が、本発明の範囲外で少ない例であり、剛性が劣っていた。また、比較例9は、本発明に係る成分(F)の含有割合が、本発明の範囲外で多い例であり、成形品の手触り感、外観性及び耐衝撃性が劣っていた。
一方、実施例1~9は、本発明の組成物であり、剛性、手触り感、外観性、耐磨耗性及び耐衝撃性に優れ、軋み音が発生しにくい構成を有することが明らかである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品は、手触り感が良好であるため、手で操作する部品として好適である。また、成形品を単独ではなく、他の部品と併用した場合であって、これらが接触状態にあるとき、振動、回転、ねじれ、摺動、衝撃等により一方若しくは両者が移動又は変形して、両者が動的に接触(面接触、線接触又は点接触)しても、発生する軋み音を低減させることができる。従って、本発明の成形品及びこれを用いた複合物は、車両、OA機器、家庭電化機器、電機・電子機器又は建材を構成する部品だけでなく、船舶、日用雑貨、スポーツ用品、文具等を構成する部品とすることもできる。
本発明の成形品は、特に、ドアノブ、ハンドル、グリップ、レバー、取っ手、つまみ、握り玉又は容器に好適である。
10:1の部品、20:他の部品、24:接続部材、31:ドアノブ、33:保護部材、35:ドア本体

Claims (10)

  1. (A)エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(a1)と、ビニル系単量体に由来する構造単位を含む樹脂部(a2)とを備えるエチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂、
    (B)ポリアミド樹脂、
    (C)ポリオレフィン樹脂、
    (D)ジエン系ゴム質重合体に由来するゴム質重合体部(d1)と、ビニル系単量体に由来する構造単位を含む樹脂部(d2)とを備えるジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂、及び、
    (F)充填剤
    を含有する熱可塑性樹脂組成物において、
    前記充填剤(F)は、繊維状又は層状を有し、
    前記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、前記ポリアミド樹脂(B)及び前記ポリオレフィン樹脂(C)の含有割合は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、3~40質量%、40~95質量%及び1~30質量%であり、
    前記充填剤(F)の含有割合は、前記エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)、前記ポリアミド樹脂(B)及び前記ポリオレフィン樹脂(C)を含む熱可塑性樹脂の全量を100質量部とした場合に5~70質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂部(a2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記樹脂部(d2)が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含む請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記樹脂部(d2)が、更に、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 更に、
    (E)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位を含むビニル系樹脂(但し、前記
    エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A)及び前記ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(D)を除く。)
    を含有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記ビニル系樹脂(E)が、更に、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種を有する構造単位を含む請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
  8. 前記成形品が、ドアノブ、ハンドル、グリップ、レバー、取っ手、つまみ、握り玉又は容器である請求項に記載の成形品。
  9. 少なくとも二つの部品が接触しつつ複合化された複合物であって、前記部品の少なくとも一つが請求項に記載の成形品であることを特徴とする複合物。
  10. 少なくとも二つの部品が接続部材を介して複合化された複合物であって、前記部品の少なくとも一つが請求項に記載の成形品であることを特徴とする複合物。
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