JP2011178880A - 軋み音を低減した自動車内装部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、下記の熱可塑性樹脂(B)5〜300質量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品である:
(A)繰り返し単位として、脂肪族ジオールおよび/または脂環式ジオールから形成される単位と脂肪族ジカルボン酸および/または脂環式ジカルボン酸から形成される単位とを有する脂肪族ポリエステル系樹脂、
(B)スチレン系樹脂(B−1)、オレフィン系樹脂(B−2)、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂(B−3)およびポリアセタール系樹脂(B−4)から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂。
【選択図】なし
Description
され、かつ高温下に長時間置かれた場合においても軋み音低減効果が低下せず維持され、さらには耐衝撃性及び成形品表面外観性に優れたからなる自動車内装部品の提供を目的とする。
1.下記の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、下記の熱可塑性樹脂(B)5〜300質量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品:
(A)繰り返し単位として、脂肪族ジオールおよび/または脂環式ジオールから形成される単位と脂肪族ジカルボン酸および/または脂環式ジカルボン酸から形成される単位とを有する脂肪族ポリエステル系樹脂、
(B)スチレン系樹脂(B−1)、オレフィン系樹脂(B−2)、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂(B−3)およびポリアセタール系樹脂(B−4)から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂。
2.脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下で且つ融点(Tm)が130℃以下であることを特徴とする上記1記載の自動車内装部品。
3.上記1または2記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロックと共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロックとを含有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体(C)を5〜150質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
4.上記1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、低分子量酸化ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンから選ばれた少なくとも1種のポリエチレン系樹脂(D)を0.1〜30質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
5.上記1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、シリコーンオイル(E)を0.1〜8質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
6.自動車用ベンチレーターに使用されることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の自動車内装部品。
7.自動車用エアコンに使用されることを特徴とする上記1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装部品。
尚、本明細書において、「(共)重合」とは、単独重合および共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/またはメタクリルを意味する。
また、軋み音低減性および耐衝撃性から、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下で且つ融点(Tm)が130℃以下であることが好ましい。
ここで使用されるスチレン系樹脂(B−1)としては、ゴム質重合体(a)の存在下または非存在下に芳香族芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物及び該芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体からなるビニル系単量体(b)を重合してなる重合体であり、ゴム質重合体(a)の存在下に前記ビニル系単量体(b)をグラフト重合して得たスチレン系樹脂(B−1−X)、ゴム質重合体の非存在下に前記ビニル系単量体(b)を重合して得たスチレン系樹脂(B−1−Y)を単独あるいは2種以上を組み合わせて使用するころが出来る。
本発明の(B−1)成分は、耐衝撃性及び軋み音低減性から、ゴム質重合体(a)の存在下にビニル系単量体(b)グラフト重合させた重合体の少なくとも1種を含むものが好ましい。ゴム質重合体(a)の含有量は、(B−1)成分を100質量%として、好ましくは3〜80質量%、更に好ましくは5〜70質量%、特に好ましくは10〜60質量%である。
これらの中では、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴムおよび天然ゴムが好ましく、更に好ましくはポリブタジエン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、エチレン・プロピレン共重合、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体およびアクリルゴムである。
ここで、固体形状のゴム質重合体、例えばエチレン・プロピレン系ゴム質重合体を使用した(B−1−X)成分を製造する場合、当該ゴム質重合体を乳化する必要があるが、乳化の方法としては特開2002−265772号公報記載のゴム質重合体を溶剤に溶解し、乳化剤・水等を添加攪拌後、溶剤を留去し、ゴム質重合体ラテックスを得、その後、ゴム質重合体に架橋反応を行うことにより得た架橋ゴムラテックスを(B−1−X)成分の製造に用いる方法、及び特開2006−45467号公報記載の押出機にゴム質重合体、乳化剤、水等を添加混練後、温水中に添加しラテックスを得、その後、ゴム質重合体に架橋反応を行うことにより得た架橋ゴムラテックスを(B−1−X)成分の製造に用いる方法等がある。
ゲル含率は、ゴム質重合体(a)の製造時に、分子量調節剤の種類および量、重合時間、重合温度、重合転化率、多官能性単量体の種類および量、過酸化物の種類および量等を適宜設定する公知の方法で調整される。また、上記ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。
ここで使用される芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらのうちスチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
尚、このマレイミド化合物からなる単量体を重合体に導入する方法としては、予め、無水マレイン酸を共重合させ、その後、イミド化する方法も好ましく使用される。
ここで、芳香族ビニル化合物/マレイミド化合物からなる共重合体には、芳香族ビニル化合部物/無水マレイン酸共重合体の酸無水物をアミン化合物(例えばアニリン等)でイミド化したものも含まれる。その際、完全にイミド化されず酸無水物基が一部残る場合があるが、このものも芳香族ビニル化合物/マレイミド化合物共重合体に含まれる。
また、ゴム質重合体の非存在下に上記ビニル系単量体(b)を重合してなる( 共) 重合体であるスチレン系樹脂(B−1−Y)は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合体のいずれの方法でもよいが、生産性から溶液重合、懸濁重合及び塊状重合が好ましく、生産時に発生するゲルの問題からは懸濁重合及び乳化重合が好ましい。
本発明の(B−1−X)に分散しているゴム質重合体(a)の体積平均粒子径は、通常50〜3,000nmの範囲であり、好ましくは80〜2,000nm、更に好ましくは80〜1,000nmの範囲であり、この範囲において特に耐衝撃性および成形品表面外観性のバランスに優れる。これらの体積平均粒子径は透過型電子顕微鏡観察の分散粒子の径を測定する画像解析方法等で測定することができる。
グラフト率(質量%)=〔(S−T)/T〕×100 (6)
上記オレフィン系樹脂(B−2)の形成に用いるオレフィン類の例としては、エチレン、及びプロピレン,ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、3−メチルブテン−1、4- メチルペンテン−1、3−メチルへキセン−1等のα−オレフィン、更にノルボルネン等の環状オレフィン等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらのうち、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテンー1及びノルボルネンが好ましい。
オレフィン系樹脂(B―2)の形成において必要に応じて用いることのできる他の単量体としては、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デカジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。
更に、本発明で使用されるオレフィン系樹脂としては、重合触媒を脱触媒としたもの、または、酸無水物基、カルボキシル基、エポキシ基等で変性したものを用いることができる。
また、オレフィン系樹脂(B−2)のJISK7121に準拠して測定した融点が40℃以上であるものを少なくとも1種用いることが好ましい。
本発明の( B−2) 成分としてポリプロピレン系樹脂を使用する場合、JISK7210:1999(230℃、荷重2.16kg)に準拠して測定したメルトフローレートは、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分であり、ポリエチレン系樹脂を使用する場合は、JISK6922−2(190℃、荷重2.16kg)に準拠して測定したメルトフローレートは、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分である。
上記(B)成分を配合すると本発明の目的のうち、軋み音低減性と耐衝撃性のバランスを一層向上できるが、(B)成分が上記範囲外ではその効果が不十分となり好ましくない。
また、ここで使用される共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等があり、好ましくはブタジエン、イソプレンである。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。更に、重合体ブロック(C−2)は、2種以上の共役ジエン化合物を使用し、それらが、ランダム状、ブロック状、テーパー状の形態で結合したブロックであってもよい。また、(C−2)は、芳香族ビニル化合物及び芳香族化合物が漸増するテーパーブロックを1〜10個の範囲で含有していてもよく、重合体ブロック(C−2)の共役ジエン化合物に由来するビニル結合含有量の異なる重合体ブロック等が、適宜共重合していてもよい。
(A−B)Y (I)
(A−B)Y−X (II)
A−(B−A)Z (III)
構造式(I)〜(III) 中、Aは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで、実質的に芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックであれば、一部共役ジエン化合物が含まれていてもよい。好ましくは芳香族ビニル化合物を90質量%以上、更に好ましくは99質量%以上含有する重合体ブロックである。Bは共役ジエン化合物の単独重合体または芳香族ビニル化合物等の他の単量体と共役ジエン化合物との共重合体であり、Xはカップリング剤の残基であり、Yは1〜5の整数、Zは1〜5の整数をそれぞれ表わす。Bが芳香族ビニル化合物等の他の単量体と共役ジエン化合物との共重合体である場合、B中の当該他の単量体の含有量は、共役ジエン化合物と当該他の単量体との合計に対して50質量%以下であることが好ましい。
上記本発明の低分子量酸価ポリエチレレンは、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
本発明の上記超高分子量ポリチレンは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記した本発明のポリテトラフルオロエチレン樹脂は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
尚、これらのシリコーンオイルは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記無機または有機充填材は、本発明の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1〜200質量部の範囲で通常使用される。
ここで熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル、PC及びまたはPBT/ABS樹脂、PC及びまたはPBT/AES樹脂、PA/ABS樹脂、PA/AES樹脂等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、金属材料としては、鉄、アルミニウム、銅、各種の合金等が挙げられる。
上記した本発明の自動車内装部品が接触する他の部材において、本発明の目的である軋み音低減の効果が特に大きいものは、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、上記ゴムが好ましく、更に好ましくは、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、及びPCとの組成物である。
実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
株式会社日本製鋼所製の射出成形機「J−100E」 (型式名)を用い、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物およびテクノポリマー株式会社製のPC/ABS樹脂「CK43」(商品名)からなる、ISOダンベル試験片を140〜230℃で射出成形した。次に、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるISOダンベル試験片5枚と、「CK43」からなるISOダンベル試験片5枚を交互に重ね合わせ、この両端を手でひねって軋み音の発生の状況を評価した。評価は5回行い、下記評価基準に基づき判定を行った。
◎:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生はなかった。
〇:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生は僅かであった。
△:5回の評価において、軋み音の発生が顕著な場合が含まれていた。
×:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生が顕著であった。
(1−2)軋み音評価−2:
上記で得た試験片を80℃のギアオーブンに400時間放置した。その試験片を用い、上記(1−1)軋み音評価1と同じ方法で軋み音の発生状況を評価した。
日精樹脂工業株式会社製の電動射出成形機「エルジェクトNEX30」(型式)を用い、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、ISO179に準拠した規定の成形品を140〜230℃で成形し、シャルピー衝撃強さ(KJ/m2 )を測定した。
日精樹脂工業株式会社製の電動射出成形機「エルジェクトNEX30」(型式)を用い80mm×55mm×1.6mmの平板形の試験片を140〜230℃で射出成形した。
試験片の表面を目視観察し、下記判断基準で評価した。
〇:フローマーク等の外観不良がなく良好である。
△:フローマーク等の外観不良が少しある。
×:フローマーク等の外観不良が顕著であり外観性が劣る。
下記の脂肪族ポリエステル系樹脂を使用した。
A1;三菱化学社製GSPlaAZ91T(商品名)
コハク酸/1.4−ブタンジオールを主体とする脂肪族ポリエステル樹脂
ガラス転移温度(Tg)は−32℃、融点(Tm)は110℃である。
(3−1)スチレン系樹脂(B−1)
(3−1−1)製造例1;重合体B−1−X1(共役ジエン系ゴム質重合体/スチレン/アクリロニトリル共重合体)
攪拌翼を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水120部、ロジン酸カリウム0.5部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス( 平均粒子径200nm、ゲル含率85%) 30部( 固形分) 、ブタジエン・スチレンランダム共重合体ラテックス(平均粒子径600nm、ゲル含率60%、スチレン含量25%)10部(固形分)、スチレン14.6部、アクリロニトリル5.4部を添加し、攪拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加え重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン29.2部、アクリロニトリル10.8部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部およびクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた。このときの重合体転化率は98%であった。
その後、2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を完結させた。重合体B−1−X1のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥して重合体B−1−X1を得た。この重合体B−1−X1のグラフト率は66%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.44dl/gであった。
(3−1−2)製造例2;重合体B−1−X2(エチレン・プロピレン共重合体/スチレン/アクリロニトリル共重合体)
リボン攪拌翼を備えた内容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロピレンゴム〔エチレン/プロピレン=78/22(%)、ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)20〕22部、スチレン55部、アクリロニトリル23部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、とルエン110部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一に溶解した。その後、十分に窒素置換を行った後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温して110℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合反応を終了した。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、更に、スクリュー径40mmのベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱揮させペレット化し重合体B−1−X2を得た。本重合体B−1−2のグラフト率は70%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.47dl/g、エチレン・プロピレンゴム含有量は23%であった。
(3−1−3)製造例3;エチレン・プロピレン系ゴム質共重合体ラテックス
ステンレス製容器にエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンゴム〔エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン=75/20/5(%)〕100部をn−ヘキサン566部に溶解した後、三井化学社製酸変性ポリエチレン(ハイワックス2203A)10部を添加し、更にオレイン酸4.5部を加え、完全に溶解した。別に水700部に水酸化カリウム0.9部を溶解した水溶液にエチレングリコール0.6部を加え60℃に保ち、これに先に調製した上記重合体溶液を少しずつ加え乳化した後、ホモミキサーで攪拌した。次いで、溶剤と水の一部を留去して粒子径400〜600nmのラテックスを得た。このラテックスにゴム成分100部に対して、架橋剤としてジビニルベンゼン1.5部、ジ−tert−ブチルパーオキシトリメチルシクロヘキサン1.0部を添加して、120℃で1時間反応させて、架橋エチレン・プロピレン共重合体ラテックスを得た。
製造例2で用いたステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、窒素気流中で製造例3で調製したエチレン・プロピレン共重合体ラテックス50部( 固体形分) 、水170部、水酸化ナトリウム0.01部、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖0.2部からなる水溶液を仕込んだ。重合温度80℃で一定温度として、アクリロニトリル8部、スチレン22部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部からなる溶液とクメンハイドロパーオキサイド0.1部を3時間かけて連続的に添加しながら重合を行い、その後、重合温度を維持したまま1時間重合を継続し重合体B−1−3のラテックスを得た。得られたラテックスの重合転化率は、98%であった。このラテックスに2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を終了させた。この反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥して重合体B−1−X3を得た。本重合体のグラフト率は63%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.4dl/gであった。
(3−1−4))製造例4;重合体B−1−Y1(スチレン/アクリロニトリル共重合体)
内容積30リットルのリボン翼を備えたステンレス製オートクレーブを2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン73部、アクリロニトリル27部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert−ドデシルメルカプタン0.12部、トルエン5部の溶液、および重合開始剤として、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部およびトルエン5部からなる溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は110℃にコントロールした。平均滞留時間は2.0時間、重合体転化率は57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外に設けられたポンプによりスチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤および重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は130℃で行った。2基目の反応基での重合体転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48dl/gの重合体B−1−Y1を得た。
(3−2−1)ポリプロピレン系樹脂として日本ポリプロ社製の下記のものを用いた。
B−2−1; ノバテックPPBC6C(商品名)
ブロックタイプポリプロピレン、メルトフローレート2.5g/10分
(3−2−2)ポリエチレン系樹脂として日本ポリエチレン社製の下記のものを用いた。
B−2−2;ノバテックHDHJ560(商品名)
高密度ポリエチレン、メルトフローレート7g/10分
ポリ乳酸系脂肪族ポリエステルとして下記のものを用いた。
B−3−1;三井化学社製LACEAH−100J(商品名)
ポリアセタール系樹脂として下記のものを用いた。
B−4−1;ポリプラスチックス社製ジュラコンM90S(商品名)
本発明の(C)成分として下記のものを用いた。
C1;旭化成ケミカルズ社製タフテックH1041(商品名)
スチレン/ブタジエン比30/70のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体の完全水素添加物、メルトフローレート5.0g/10分〔JISK7
210(230℃、荷重2.16kgf)に準拠〕
本発明の(D)成分として下記のものを用いた。
(5−1)低分子量酸化ポリエチレン
D1;三洋化成工業社製サンワックスEP−250P(商品名)
酸価20mgKOH/g、平均分子量2000
下記のシリコーンオイルを用いた。
E1;信越シリコーン株式会社製KF−96H−1万cSt
ジメチルシリコーンオイル、25℃における動粘度10,000cSt
表1記載の配合割合で各構成成分をヘンシェルミキサーにより混合した後、ベント付き二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX44、バレル設定温度140〜230℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥したのち、このペレットを用いて前記方法で試験片を成形し、そして得られた試験片を用いて、前記方法で評価した。評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜12で代表される本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的とする軋み音が低減され、更に、耐衝撃性と成形品表面外観性をバランスよく備えた成形品を提供する。
これに対して比較例1は、本発明の(A)成分の脂肪族ポリエステル以外の脂肪族ポリエステルを使用した例であり、軋み音低減性(軋み音評価−1、軋み音評価−2とも)及び耐衝撃性が劣る。
Claims (7)
- 下記の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、下記の熱可塑性樹脂(B)5〜300質量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品:
(A)繰り返し単位として、脂肪族ジオールおよび/または脂環式ジオールから形成される単位と脂肪族ジカルボン酸および/または脂環式ジカルボン酸から形成される単位とを有する脂肪族ポリエステル系樹脂、
(B)スチレン系樹脂(B−1)、オレフィン系樹脂(B−2)、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂(B−3)およびポリアセタール系樹脂(B−4)から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂。 - 脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下で且つ融点(Tm)が130℃以下であることを特徴とする請求項1記載の自動車内装部品。
- 請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロックと共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロックとを含有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体(C)を5〜150質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、低分子量酸化ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンから選ばれた少なくとも1種のポリエチレン系樹脂(D)を0.1〜30質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、シリコーンオイル(E)を0.1〜8質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする自動車内装部品。
- 自動車用ベンチレーターに使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装部品。
- 自動車用エアコンに使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装部品。
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