JP7015704B2 - 苗木保護カバー - Google Patents

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Description

本発明は、山林等に植樹した苗木が、シカ、サル、イノシシ、ウサギ、ネズミなどの野生動物によって食べられるのを防止でき、かつ苗木の生長を阻害しない苗木保護カバーに関する。
従来から、野生動物の食害を防止するために、苗木を保護カバーで被覆する方法が知られている。この方法では、苗木保護カバーを苗木が植わっている場所まで運搬し、現場で組み立てて苗木ひとつずつに苗木保護カバーを被せるといった作業が必要である。苗木保護カバーとしては、軽量で組み立て易いものが求められており、また、苗木の生長を阻害しないように光を透過でき(透光性)、屋外で長期使用に耐えられ(耐候性)、動物による衝撃にも耐えうる(耐衝撃性)ものが使用されている。例えば、透明性のある合成樹脂製のシート、或いはネット状のものなどが使用されている。
また、苗木がある程度生長すると、苗木保護カバーを撤去する必要がある。その際、使用済みのカバーを回収し、山から運搬して、その後に焼却処分をするか、埋め立て処分することが行われている。なお、使用済みの合成樹脂シートは耐候劣化により脆くなっており、回収が困難となる。
このような処分の手間を軽減するため、当該保護カバーに生分解性樹脂シートが使用されている。生分解性樹脂シートを用いれば、その場に放置しても微生物によって分解されるため、使用後にシートを回収する必要がなくなる。例えば、特許文献1では、ポリ乳酸を主成分とした生分解性樹脂シートが開示されている。
また、シート状の苗木保護カバーを使用する場合、例えば筒体として自立させて使用するが、自立させるためにはシートに厚みや硬さが必要となる。ただし、シートの厚みが増すと透明性が低くなってしまい、苗木の生長を阻害する虞があり、また重くなり運搬や取扱いが難しくなる。一方、シートが硬いと耐衝撃性に優れ、動物による衝撃に耐えられるものの、硬すぎると筒体にするのが難しく、組み立てにくくなる。
生分解性樹脂シートの場合、シート厚みを抑えつつ、自立できるように硬さを調整するために、2種類以上の生分解性樹脂を混合して使用している(特許文献1)。
或いは、苗木保護カバーには、シートが薄くても筒体を倒れ難くするために、支柱と一緒に提供されるものが一般的である。しかしながら、該支柱に筒体を固定するために、別途、紐、結束バンド、固定リング等の固定具が必要となり、また、該固定具を用いて筒体を固定する作業が必要となるため、作業が煩雑になり且つコスト高になるという問題がある。
その問題に対し、本出願人は、長期に亘って筒体の形状を保持することができ且つ支柱に筒体を固定するための固定具を必要としない苗木保護カバー具を発明した(特許文献2)。
特開2006-136201号公報 特願2016-203886号
さらに、本出願人が検討をすすめたところ、特許文献2のように筒体の形状を保持するために当該シートの端部に係止構造が設けられている場合、シートの選定が必要であることがわかった。例えば、ポリ乳酸を多く含む生分解性樹脂シートは硬く自立性に優れるが、硬すぎると折り曲げたりすると割れるおそれがあり、特に、係止部では、割れる可能性があった。また、係止部の形状によっては、係止が外れる場合もあり、筒体の形状を保持することが困難であった。一方、シートが柔らかすぎると、シートを筒体にしても自立しないシートとなり、係止も外れ易く筒体の形状を保持しづらいものであった。
そこで、本発明は、円柱や多角柱などの筒状に湾曲、又は折り曲げても、割れを生じることがなく、さらに筒体の形状を保持できる苗木保護カバーを提供することを課題とする。
本発明は、生分解性樹脂、紫外線吸収剤、及び光安定剤を含む湾曲或いは折り曲げ可能な生分解性樹脂シートからなり、樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が20~70重量%、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が30~80重量%含有してなることを特徴とする。
樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が20~70重量%含有しているため、適度な柔軟性を有し、円柱や多角柱などの筒状に湾曲、又は折り曲げても割れが生じない苗木保護カバーが得られる。
また、樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が50~60重量%、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が40~50重量%含有してなることが好ましい。
当該苗木保護カバーは、筒状に湾曲、又は折り曲げられることはもちろんのこと、透明性も問題なく、苗木保護カバーの組み立てが容易である。
また、本発明の苗木保護カバーは、当該生分解性樹脂シートの両端部に、当該シートの湾曲又は折曲により形成される筒体の形状を保持可能な複数の係止部を備えるものであり、当該係止部は支柱が通り抜け可能であることを特徴とする。
当該シートに備えられた係止部によって筒体の形状を保持及び支柱の固定ができるため、その他の支柱固定具が不要となる。また、特定の生分解性樹脂シートを用いることで、組み立て時、特にシートを筒状に係止する際、或いは支柱を係止部に挿通する際のシート割れが生じず、現場での組み立てが容易である。
本発明は、樹脂成分中のポリ乳酸の含有量を特定の範囲とする生分解性樹脂シートからなり、適度な柔軟性を有し、円柱や多角柱などの筒状に湾曲、又は折り曲げても割れが生じない苗木保護カバーを得ることができる。
また、本発明の苗木保護カバーは、特定の生分解性樹脂シートを用いるとともに、シートに備えられた係止部によって筒体の形状を保持及び支柱の固定ができるため、その他の支柱固定具が不要となり、現場での組み立てが容易である。
本発明の苗木保護カバーであって、実施態様のひとつを説明する図である。 図1で示す実施態様の使用状態を説明する図である。 図2中の係止部〔X〕、〔Y〕を説明する図である。
本発明は、生分解性樹脂、紫外線吸収剤、及び光安定剤を含む湾曲或いは折り曲げ可能な生分解性樹脂シートからなる苗木保護カバーである。
本発明を構成する生分解性樹脂シートは、生分解性樹脂としてポリ乳酸を必須としており、樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が20~70重量%含有してなるものである。ポリ乳酸の含有量が20重量%未満であると、柔らかすぎてシートを筒体にしても自立しないシートとなり、また透明性も劣るため苗木保護カバーとしては適さない。一方、ポリ乳酸が70重量%を超えてしまうと、硬すぎてシートを湾曲或いは折り曲げにくいものとなる。特に、後述する係止が外れてしまい、筒体の形状を保持することができず、苗木保護カバーとしては適さない。さらに、ポリ乳酸が100重量%であると、耐衝撃性に劣るものとなり、例えばシートを折り曲げたときや後述するように係止時、支柱を挿通するときなど苗木保護カバーを組み立てるときにシートが割れてしまう。
本発明において、生分解性樹脂シートとして好ましくは、樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が50~60重量%含有してなるものである。ポリ乳酸の含有量がこの範囲であれば、適度な柔軟性を有し、シートとしての透明性も問題なく、後述するシートを筒状に形状を保持することも可能となり、苗木保護カバーの組み立てが容易となる。
ポリ乳酸以外の生分解性樹脂としては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピオラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートバリレート、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体などの生分解性脂肪族ポリエステル、または、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレートなどの生分解性脂肪族芳香族ポリエステルが挙げられ、単独あるいはこれらを2種以上組み合わせてもよい。
ポリ乳酸以外の生分解性樹脂は、樹脂成分100重量%に対し、30~80重量%含有してなり、好ましくは40~50重量%である。
苗木保護カバーは、苗木がある程度生長するまで使用されるため、耐候性、耐光性が必要であり、本発明では紫外線吸収剤及び光安定剤を含有している。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリロニトリル置換体等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。具体的には、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾール)フェノール等の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3’,5’-ジ-tert-4’-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等のオキザニリド類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類が挙げられる。
また、光安定剤としてはヒンダートアミン系光安定剤が挙げられ、具体的には、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピリジルベンゾエート、N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピリジル)ドデシルコハク酸イミド、1-[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9-ビス{1,1-ジメチル-2-[トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス{1,1-ジメチル-2-[トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,5,8,12-テトラキス{4,6-ビス[N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2-tert-オクチルアミノ-4,6-ジクロロ-s-トリアジン/N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等のヒンダートアミン系光安定剤等を挙げることができる。
これら紫外線吸収剤ならびに光安定剤の配合量は、生分解性樹脂100重量部に対してそれぞれ0.1~1重量部配合するのがよい。0.1重量部未満であると効果が得られず、また1重量部を超えて配合してもそれ以上の効果は認められず、かえってコスト高になるばかりか、ブルームにより植物苗木保護カバーの透明性が損なわれることとなり、好ましくない。
本発明は、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、無機充填剤、有機充填剤、顔料、可塑剤、防曇剤、難燃剤等を挙げることができる。
本発明の苗木保護カバーは、保護する苗木の大きさにより変わり得るものであるが、高さは100~200cmの範囲が好ましく、125~175cmの範囲がより好ましく、幅は30~80cmの範囲が好ましく、40~60cmの範囲がより好ましい。
また、厚みは、0.1~2.0mmであることが好ましい。当該範囲より厚すぎると透明性が低下し、苗木の生長を阻害する虞があり、重量も大きくなり運搬や取扱いが難しくなる。当該範囲より薄すぎると、シートが自立できず、取扱いも難しいうえ、耐候性が低下し、長期暴露により苗木が生長する前に割れてしまう。
また、本発明の苗木保護カバーは、生分解性樹脂シートの両端部に、当該シートの湾曲又は折曲により形成される筒体の形状を保持可能な複数の係止部を備えている。係止部の形状についてはシートの両端部を係止できるものであれば特に限定されないが、例えば、一方の端部に切れ込みを設け、それに対向する他方の端部には当該切れ込みに挿入するための切れ込みを設けることができる。或いは、切れ込み以外にも貫通孔を設けてもよい。当該係止部は、1枚のシートに2~5対設けられていればよい。
また、筒体の断面形状は、円形又は多角形であり得るが、円形であるのが好ましい。
本発明の苗木保護カバーの係止部は、支柱が通り抜け可能である。そのため、別途支柱の固定具を必要としないため、組み立てが容易となる。なお、当該支柱は、苗木保護カバーを固定するための支柱として使用されるものであれば特に限定されない。
本発明の苗木保護カバーには、通風孔を複数設けてもよい。この通風孔を介してカバー内部への空気の流入が容易であり、苗木の生育に良い。
本発明の苗木保護カバーの下端部には、押さえ杭挿入孔を設けることができる。押さえ杭とは、苗木保護カバーを地面に固定するものであり、筒体が風を受けても回転するようなことがないため、筒体の回転によって生じる苗木の枝葉の傷つきを防止することができる。
図1~3に本発明の実施態様のひとつを示す。本発明の苗木保護カバー1は、生分解性樹脂シートの両端部に、当該シートの湾曲又は折曲により形成される筒体の形状を保持可能な複数の係止部を備えるものである。具体的には、一方の端部に略平行な2本の切れ込み2a、それに対向する他方の端部に貫通孔3が3対、一方の端部に直線状の切れ込み2b、それに対向する他方の端部に略半円形の切れ込み2cが2対、形成されている。これら切れ込み2aと貫通孔3、切れ込み2bと切れ込み2cをそれぞれ係止すると、図2、3に示す通りとなる。すなわち、切れ込み2aと貫通孔3の係止部〔X〕は、切れ込み2aによって形成された帯状部2a’が貫通孔3を通って表面に露出する状態で係止される。当該帯状部2a’の下部には隙間ができ、そこに支柱が通り抜け可能である。切れ込み2bと切れ込み2cの係止部〔Y〕は、直線状の切れ込み2bに切れ込み2cで切り出された略半円形を挿入して係止される。当該切れ込み2bの下部には隙間ができ、そこに支柱が通り抜け可能である。
本発明の苗木保護カバーは、T-ダイ法やカレンダー法、インフレーション法などにより成形した生分解性樹脂シートを打ち抜き加工することで形成される。
本発明の苗木保護カバーは、シート状のまま、苗木が植樹されている山林等まで運搬され、そこで組み立てられる。組み立て方法としては、まず、苗木保護カバーを丸めて円筒状とし、端部に設けられた係止部を係止する。次いで、苗木保護カバー上端部から係止部を通り抜けるよう支柱を挿通し、支柱の先端を下端部から突き出す。そして、苗木に被せて、支柱を地面に40~50cm程度突き刺して、苗木保護カバーを地面に固定する。なお、図2は苗木保護カバー1に支柱5を突き刺した状態を示しているが、支柱5の先端が尖った方が地面に突き刺さる部分である。
以下本発明を、実施例ならびに比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~5、比較例1~5〕
下記表1、2に示した樹脂組成の配合処方により、T-ダイ押出成型機にて0.4mm厚のシートを成形した。次いで、得られたシートを図1に示す形状に打ち抜き、苗木保護カバーを形成した。なお、苗木保護カバーの大きさは、高さ150cm、幅50cmとした。得られた苗木保護カバーについて、耐候性、耐衝撃性、及び実用性を評価した。それらの結果をあわせて表中に示した。
〔樹脂組成〕
生分解性樹脂
PLA:ポリ乳酸(浙江海正生物材料社製、商品名「レヴォダ101B」)
PBAT:ポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製、商品名「エコフ レックス」)
PBS:ポリブチレンサクシネート (三菱ケミカル社製、商品名「BioPBS FZ91PB」)
紫外線吸収剤
UVA:ベンゾトリアゾール系(ケミプロ化成社製、商品名「KEMISORB12」)
光安定剤
HALS:ヒンダードアミン系(ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-63」)
〔耐候性〕
スーパーUVテスター(岩崎電気社製、商品名「SUV-W161」、光源 メタルハライドランプ、紫外線照度150mW/cm)を用いて、シート面に光を100時間または200時間照射後、シートに発生した割れの状態を目視で確認した。評価基準は以下の通りである。
○:割れの発生がない。
×:割れの発生が認められた。
〔耐衝撃性〕
ダート衝撃試験法(JIS K7124)B法に基づき、320gのダートを使用して試料が割れたか割れないかを確認した。10試料について試験を行った。評価基準は以下の通りである。
○:割れなかった試料が80%以上である。
×:割れなかった試料が80%未満である。
〔実用性〕
苗木保護カバーを以下の手順で組み立てた際の作業性を加えて総合的に評価した。
手順(1)苗木保護カバーを丸めて円筒状にする。
(2)カバー端部を係止する。
(3)上端部から係止部に支柱を通す。
(4)(3)の状態で苗木にかぶせて、支柱を土に40~50cm程度突き刺す。

評価基準は以下の通りである。
○:作業しやすく、組み立て時にシートの割れもなく実用性有り
△:作業し難いが、組み立て時にシートの割れもなく実用性有り
×:作業性悪い、組み立て時にシートの割れあり、耐候性悪く経時で割れる可能性あり、のいずれかに該当するため、実用性無し
Figure 0007015704000001
Figure 0007015704000002
実施例1~3では、透明性を有し、耐候性及び耐衝撃性に優れるシートが得られた。また、シートが丸めやすく、しっかり係止され円筒を保持でき、支柱を係止部に通すにも問題なく通すことができ、作業しやすいものであったため、実用性の評価は○であった。
実施例4では、透明性を有し、耐候性及び耐衝撃性に優れるシートが得られた。また、シートが丸めやすく、支柱を係止部に通すことは問題ないが、比較的柔らかいので係止が外れやすいことから、作業が若干し難くかったため、実用性の評価は△であった。
実施例5では、透明性を有し、耐候性及び耐衝撃性に優れるシートが得られた。また、比較的硬いのでシートを丸めて係止する作業や支柱の挿入も若干し難いものの、シートの割れはなかったため、実用性の評価は△であった。
一方、比較例1は、生分解性樹脂がポリ乳酸のみのため耐衝撃性に劣るものであり、丸める際や係止の際、さらには支柱を係止部に通す際にも割れが生じたため、実用性の評価は×であった。
比較例2及び3は、実施例1及び2と同様に作業しやすいものであったが、耐候性に劣り経時で割れる可能性があったため、実用性の評価は×であった。
比較例4は、耐候性及び耐衝撃性に優れるが、透明性に劣るものであった。また、柔らかすぎて係止の際や支柱を係止部に通す際に係止が外れてしまい、さらに支柱を入れて立てても、シートが自立せずへたってしまったため、実用性の評価は×であった。
比較例5は、透明性、耐候性及び耐衝撃性に優れるものであったが、シートを丸めることはできるものの、硬すぎて係止作業がし難く、係止の形状によっては反発力が強すぎて外れてしまったため、実用性の評価は×であった。
以上の結果から、ポリ乳酸の含有率は、20~70重量%がよく、好ましくは50~60重量%である。
1 苗木保護カバー
2a、2b、2c 切れ込み
2a’ 帯状部
3 貫通孔
4 通風孔
5 支柱
6 押さえ杭挿入孔

Claims (3)

  1. 生分解性樹脂、紫外線吸収剤、及び光安定剤を含む湾曲或いは折り曲げ可能な生分解性樹脂シートからなり、
    樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が20~70重量%、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が30~80重量%含有してなることを特徴とする苗木保護カバー。
  2. 前記生分解性樹脂シートが、樹脂成分100重量%に対し、ポリ乳酸が50~60重量%、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が40~50重量%含有してなることを特徴とする苗木保護カバー。
  3. 前記生分解性樹脂シートの両端部に、前記樹脂シートの湾曲又は折曲により形成される筒体の形状を保持可能な複数の係止部を備えるものであり、
    前記係止部は支柱が通り抜け可能であることを特徴とする苗木保護カバー。
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