JP7014972B2 - 軸流ファン及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
図1には、冷凍サイクル装置の例として、空気調和機1が示されている。空気調和機1は、熱源となる室外機2と、室外機2で得られる熱を利用する室内機3とを備えている。室外機2と室内機3は、冷媒連絡配管4,5で接続されている。室外機2は、冷媒連絡配管4,5と接続するための閉鎖弁26,27を有している。
室外機2は、図2及び図3に示されているように、実質的に直方体の外観を持つケーシング28を有している。室外機2では、ケーシング28の内部空間が、仕切板29により送風機室S1と機械室S2とに分割されている。機械室S2には、図3に示されている圧縮機21以外に、図3では図示を省略されているが、例えば、四方弁22と膨張弁24とアキュムレータ25とが配置される。送風機室S1には、室外熱交換器23と室外ファン40とが配されている。この室外熱交換器23は、平面視において、L字型の形状を有する。ただし、室外機2に用いられる室外熱交換器23の形状は、L字型の形状を有するものには限られない。
室外ファン40は、軸流ファンである。室外ファン40は、ハブ80と、ハブ80から径方向に延びる複数の羽根42を備えている。図4には、室外ファン40を背面側(室外熱交換器23の側)から見た状態が示されている。図4に描かれている羽根42の面が、負圧面49である。言い換えると、負圧面49は、室外ファン40を回転させたときに空気が流入する側(空気の流通方向の上流)の面である。また、圧力面48は、室外ファン40を回転させたときに空気が流出する側(空気の流通方向の下流)の面である。
室外ファン40は、プロペラファンである。室外ファン40は、ファンモータ90の回転軸91に取り付けられるハブ80を備えている。ハブ80は、円筒状の外壁81を備えている。円筒状の外壁81は、実質的に一定の厚みを持っている。複数の羽根42は、ハブ80の外壁81に固定されている。言い換えると、複数の羽根42は、ハブ80の外周縁から突出するように形成されている。ハブ80と複数の羽根42は、樹脂製である。ハブ80と複数の羽根42は、一体成形されている。ハブ80と複数の羽根42は、例えば、射出成形により一体的に成形される。
(5-1)変形例A
上記実施形態では、補強用凸部60の後端部reが第1縁部51及び第2縁部52に掛からない場合について説明している。しかし、図9に示されているように、後端部reが第1縁部51及び第2縁部52に掛かるように構成されてもよい。ただし、後端部reが長すぎると騒音が大きくなるので、後端部reは、第1縁部51及び第2縁部52の途中までにする。後端部reは、第1縁部51及び第2縁部52の中間点を越えないように形成するのが好ましい。なお、図9において、II-II線に沿って切断した場合の断面形状は、実施形態と同様に、図6に示されているようになる。
上記実施形態では、補強用凸部60が、羽根42と同じ樹脂で、羽根42と一体に成形される場合について説明した。しかし、補強用凸部60は、羽根42とは異なる材質の部材を貼り付けてもよい。例えば、羽根42に、樹脂、金属またはセラミックの薄板を接着して補強用凸部60を形成してもよい。
(6-1)
上述の軸流ファンである室外ファン40は、各羽根42の後縁44に、回転方向に向って凹んだ窪み部50を有している。室外ファン40は、窪み部50により、送風性能の向上及び騒音の抑制を図っている。室外ファン40は、窪み部50の回転方向の最も前方に配置された補強用凸部60を回転軸91に近づく方向と遠ざかる方向に延ばすことで、羽根42の窪み部50の周辺を補強することができている。室外ファン40は、具体的には、角部53に集中する応力を、図10に示されている、扇面形状の補強用凸部60の内周側に在る周囲の一部61a、補強用凸部60の中央部分60b及び補強用凸部60の外周側に在る周囲の一部61bなどの広い範囲に分散できる。その結果、室外ファン40は、羽根42を薄型化して送風性能を向上させ易くなる。
上述の室外ファン40は、補強用凸部60の最も厚い部分の肉厚th1を補強用凸部60の周囲の最も薄い部分の肉厚th2の1.5倍以下に抑えることで、補強用凸部60に起因する騒音の増加を抑えている。逆に、(th1÷th2)の値が1.6以上であると、顕著な騒音の増加が観測される場合がある。
上述の室外ファン40は、補強用凸部60の高さh1を3mm以下に抑えることで、補強用凸部60に起因する騒音の増加を抑えられる。例えば、補強用凸部60の高さh1を4mm以上にすると、顕著な騒音の増加が観測される場合がある。
上述の室外ファン40は、図8に示されているように、補強用凸部60の窪み部50回転方向前端50aよりも前の部分の長さLg1を後の部分の長さLg2よりも長くすることで、騒音の増加の抑制と角部53の周囲の補強を両立させ易くなる。
上述の室外ファン40の角部53は、回転軸方向に見て弓形である。補強用凸部60は、角部53の径方向内側における回転方向の最後尾の第3端点P3よりも後方に位置する部分及び角部53の径方向外側における最後尾の第4端点P4よりも後方に位置する部分を有していない。その結果、第1縁部51と第2縁部52に沿って延びる部分をなくすことができ、補強用凸部60に起因する騒音の増加を抑えることができる。具体的には、回転軸方向に見た形状のみが異なる、図8に示されている補強用凸部60の方が、図9に示されている補強用凸部60よりも送風音が小さくなる。なお、ここで弓形とは、弓のように曲がった形をいう。弓形には、例えば、円弧、楕円弧、卵形から一部を切り取った形、長円から一部を切り取った形が含まれる。
上述の室外ファン40の補強用凸部60は、負圧面59には膨出していない。このように、補強用凸部60を負圧面59に設けないことで、室外ファン40は、圧力面58と負圧面59の両方にも受ける場合に比べて、騒音の増加を抑制することができる。
上述の室外ファン40は、冷凍サイクル装置に備えられる。冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルを実施する装置である。冷凍サイクル装置は、空気調和機1以外に、例えば、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫、及び庫内を冷却する冷却装置に適用することができる。空気調和機1は、冷凍サイクルが行われる冷媒回路10に設けられ、冷媒回路10を循環する冷媒と空気との間の熱交換を行う熱交換器である室外熱交換器23を備えている。室外ファン40は、室外熱交換器23に空気の流れを生じさせる軸流ファンである。
10 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器の例)
40 室外ファン(軸流ファンの例)
42 羽根
43 前縁
44 後縁
50 窪み部
51 第1縁部
52 第2縁部
53 角部
60 補強用凸部
Claims (7)
- 回転軸を中心に回転する軸流ファン(40)であって、
ハブ(80)と、
前記ハブから径方向に延びる複数の羽根(42)と
を備え、
前記各羽根は、回転方向の前方に位置する前縁(43)と後方に位置する後縁(44)とを有し、
前記後縁は、回転方向の前方に向って凹んだ窪み部(50)を有し、
前記各羽根は、少なくとも前記窪み部の回転方向の最も前方に位置し且つ肉厚が周囲の部分よりも厚い補強用凸部(60)を有し、
前記補強用凸部は、回転軸方向に見て、前記窪み部の一部のみと重なる後端部(re)の径方向内側における回転方向の最後尾の第1端点(P1)と前記後端部の径方向外側における最後尾の第2端点(P2)とをそれぞれ通り且つ径方向に対して垂直な第1仮想線と第2仮想線を引いたときに、前記第1仮想線よりも径方向内側に延び、且つ前記第2仮想線よりも径方向外側に延び、
前記補強用凸部は、径方向に対して垂直な方向の長さについて、前記窪み部の回転方向前端よりも回転方向の前の部分の長さが、前記窪み部の回転方向前端よりも回転方向の後の部分の長さよりも長く、
前記補強用凸部は、前記後端部が円弧形状であり、前記回転軸に近い内周端(P5)と前記後端部の円弧形状の中心点とを結ぶ第1線分を引くとともに前記回転軸から遠い外周端(P6)と前記中心点とを結ぶ第2線分を引いたときに、前記第1線分と前記第2線分の前記後端部の側のなす角が60度以上150度以下である、軸流ファン(40)。 - 前記各羽根の前記補強用凸部を含む箇所の最も厚い部分の肉厚が、前記補強用凸部の周囲の最も薄い部分の前記各羽根の肉厚に対して1.5倍以下である、
請求項1に記載の軸流ファン。 - 前記補強用凸部は、前記各羽根の圧力面からの高さが3mm以下である、
請求項1または請求項2に記載の軸流ファン。 - 前記窪み部は、回転方向前端よりも回転方向の前の部分の長さが、10mm以上50mm以下である、
請求項1に記載の軸流ファン。 - 前記窪み部は、回転方向の最も前方に位置する弓形の角部(53)と、前記角部の径方向内側に位置する第1縁部(51)と、前記角部の径方向外側に位置する第2縁部(52)とに区画され、
前記補強用凸部は、前記角部の径方向内側における回転方向の最後尾の第3端点(P3)よりも後方に位置する部分及び前記角部の径方向外側における最後尾の第4端点(P4)よりも後方に位置する部分を有さない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の軸流ファン。 - 前記補強用凸部は、前記各羽根の圧力面(48)から膨出し、負圧面(49)には膨出していない、
請求項1から5のいずれか一項に記載の軸流ファン。 - 熱交換器(23)を有し、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(10)と、
請求項1から6のいずれかに記載の軸流ファン(40)と、
を備える、冷凍サイクル装置(1)。
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