JP7014417B2 - 調光カーテン及び布帛 - Google Patents
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Description
前記ベース地の少なくとも一方の面に、該面から少なくとも一部が突出した態様で水平方向に延設された複数の庇部と、を備え、
前記ベース地および前記複数の庇部は、製織により一体に形成されたものであり、
前記庇部は、遮光性を有し、
前記複数の庇部は、上下方向に離間して設けられていることを特徴とする調光カーテン。
前記庇部を構成する緯糸の太さが160デシテックス~1700デシテックスであり、前記庇部を構成する経糸の太さが20デシテックス~340デシテックスであり、
かつ、前記庇部を構成する緯糸の太さは、前記ベース地の織地を構成する緯糸の太さより大きい前項1~4のいずれか1項に記載の調光カーテン。
1.2≦(X/Y)≦2.8
の関係式を満たす前項1~5のいずれか1項に記載の調光カーテン。
前記ベース地の少なくとも一方の面に、該面から少なくとも一部が突出した態様で水平方向に延設された複数の庇部と、を備え、
前記ベース地および前記複数の庇部は、製織により一体に形成されたものであり、
前記庇部は、遮光性を有し、
前記複数の庇部は、上下方向に離間して設けられていることを特徴とする布帛。
1.2≦(X/Y)≦2.8
の関係式を満たす構成になっているのが好ましい(図2参照)。この場合には、太陽高度が60度程度でも十分に遮光することが可能になる。
a)ベース地の平織地を構成する緯糸11:84デシテックスのセミダル糸
b)ベース地の平織地を構成する経糸12:84デシテックスのセミダル糸(追撚をS方向に1mあたり1000回かけた構成;1インチあたりに70本の経糸を配置)
c)庇部を構成する緯糸13A、13B:334デシテックスのフルダル糸
d)庇部を構成する経糸14:84デシテックスのセミダル糸(追撚をS方向に1mあたり1000回かけた構成;1インチあたりに70本の経糸を配置)
上記構成からなる緯糸および経糸を用いて製織することによって、透光性を有する平織地からなるベース地2の前面に、該前面から少なくとも一部が前方側に突出した態様で水平方向に延設された複数の庇部3が、製織により一体に形成された一体製織品からなる調光カーテン1を得た(図1、2参照)。この実施例1の調光カーテンの庇部の織組織図を図6に示す。なお、庇部3は、水平方向に延びるように配置されたベース地側緯糸13Aと、該ベース地側緯糸の前面に水平方向に延びるように配置された先端側緯糸13Bと、これら前後に並列配置された一対の緯糸をまとめて経糸14が包囲した二重織り組織からなる構成である(図2参照)。また、庇部3の二重織り組織において、該庇部3を構成する多数本の経糸14のうち一部(約16.6%)の経糸は、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bの間に通された織り構造になっている(図4参照)。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bを二重織りで入れた基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている(図2参照)。
ベース地の平織地を構成する緯糸として、84デシテックスのセミダル糸に代えて、22デシテックスのセミダル糸を用い、庇部3として、二重織り組織に代えて、水平方向に延びるように配置された1002デシテックスのフルダル糸(太緯糸)によって形成された庇部構造(二重織り組織ではない)を採用し、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを0.61mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.39mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、庇部3用の太緯糸を1本打ち込んだ基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている。
庇部3として、二重織り組織に代えて、水平方向に延びるように配置された334デシテックスのフルダル糸(太緯糸)によって形成された庇部構造(二重織り組織ではない)を採用し、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを0.64mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.27mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、庇部3用の太緯糸を1本打ち込んだ基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている。
庇部における経糸の閉じ率を66.6%(実施例1での庇部における経糸の閉じ率を100%としたとき)に変更し、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを0.90mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.36mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1、2に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bを二重織りで入れた基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている(図2参照)。この実施例4の調光カーテンの庇部の織組織図を図7に示す。
庇部における経糸の閉じ率を83.3%(実施例1での庇部における経糸の閉じ率を100%としたとき)に変更し、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを1.00mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.37mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1、2に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bを二重織りで入れた基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている(図2参照)。この実施例5の調光カーテンの庇部の織組織図を図8に示す。
ベース地の平織地を構成する緯糸として、84デシテックスのセミダル糸に代えて、22デシテックスのセミダル糸を用い、庇部を構成する緯糸として、334デシテックスのフルダル糸に代えて、1002デシテックスのフルダル糸を用い、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを0.48mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.58mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1、2に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bを二重織りで入れた基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている(図2参照)。
庇部の織組織として、図6に示す「庇部の織組織」に代えて、図9に示す「庇部の織組織」を採用して、上下方向に隣り合う庇部の間隔Xを0.81mmに設定し、庇部3の前面からベース地2の背面までの最短距離Yを0.28mmに設定した以外は、実施例1と同様にして図1、2に示す調光カーテン1を得た。得られた調光カーテン1では、ベース地2用の緯糸11を3本打ち込んだ後に、ベース地側緯糸13Aと先端側緯糸13Bを二重織りで入れた基本構造を上下方向に繰り返した織り構造になっている(図2参照)。
84デシテックスのセミダル糸からなる緯糸および84デシテックスのセミダル糸からなる経糸を用いて製織(平織り)することによって、透光性を有する平織地からなるカーテンを得た。なお、平織地における織り密度は、実施例1のベース地の平織地の織り密度と同じに設定した。
図5に示すような調光性評価システムを構成した。33は、枠形状の支持枠であり、この枠形状の支持枠の片面に調光カーテン1を粘着テープで固定する一方、その上方側にLED光源31を配置し、その下方側に照度計32を配置した評価システムである。前記調光カーテン1の庇部3の長手方向(水平方向)が、図5での水平方向に平行状になるように、調光カーテン1を枠形状の支持枠33に固定した。即ち、LED光源31からの光35が、図3で示す太陽光51、52のような態様で調光カーテン1に照射されるように、調光カーテン1を支持枠33に固定した。
上記計算式により遮光率を求める。なお、角度αは、デジタル角度計を用いて求めるようにした。
(判定基準)
「◎」…角度αが60°において遮光率が80.0%以上であり、角度αが70°において遮光率が90.0%以上であり、角度αが80°において遮光率が98.0%以上であるとともに、角度αが40°において遮光率が80.0%未満である(高角度光をより十分に遮光できていると共に低角度光をより十分に採光できている)
「○」…角度αが60°において遮光率が80.0%以上であり、角度αが70°において遮光率が90.0%以上であり、角度αが80°において遮光率が90.0%以上であるとともに、角度αが40°において遮光率が80.0%以上87.0%未満である(高角度光を十分に遮光できていると共に低角度光を十分に採光できている)
「×」…下記のa)、b)、c)、d)の4つのうち少なくともいずれか1つの要件を満たす(高角度光の遮光性が不十分である、及び/又は、低角度光の採光性が不十分である)
a)角度αが60°において遮光率が80.0%未満である
b)角度αが70°において遮光率が90.0%未満である
c)角度αが80°において遮光率が90.0%未満である
d)角度αが40°において遮光率が87.0%以上である。
実施例1の調光カーテンを用いるが、実施例1の調光カーテンの庇部3の水平方向(長手方向)を上下方向に平行にした態様で支持枠33に固定して、同様に調光性評価を評価した。その結果を表1に示す。
比較例1のカーテンを用いるが、比較例1のカーテンを支持枠33に固定する際に、カーテンの水平方向と上下方向を逆にして支持枠33に固定して、同様に調光性評価を評価した。その結果を表1に示す。
2…ベース地
3…庇部
8…庇部の前面(庇部の突出先端位置)
9…ベース地の背面(ベース地の基面;カーテンの背面)
11…ベース地の緯糸
12…ベース地の経糸
13…庇部の緯糸
13A…背面側緯糸(ベース地側緯糸)
13B…前面側緯糸(先端側緯糸)
14…庇部の経糸
X…隣り合う庇部の間隔
Y…庇部の前面からベース地の背面までの最短距離
Claims (8)
- 透光性を有するベース地と、
前記ベース地の少なくとも一方の面に、該面から少なくとも一部が突出した態様で水平方向に延設された複数の庇部と、を備え、
前記ベース地および前記複数の庇部は、製織により一体に形成されたものであり、
前記庇部は、遮光性を有し、
前記複数の庇部は、上下方向に離間して設けられていることを特徴とする調光カーテン。 - 前記庇部は、水平方向に延びるように配置されたベース地側緯糸と、該ベース地側緯糸に重ね合わせ状で水平方向に延びるように配置された先端側緯糸と、これら前後方向に並列配置された一対の緯糸をまとめて経糸が包囲した二重織り組織からなる請求項1に記載の調光カーテン。
- 前記庇部の二重織り組織において、該庇部を構成する多数本の経糸のうち一部の経糸は、前記ベース地側緯糸と前記先端側緯糸の間に通された織り構造になっている請求項2に記載の調光カーテン。
- 前記ベース地の前面と、前記庇部の下面とがなす角度が、70°~110°の範囲である請求項1~3のいずれか1項に記載の調光カーテン。
- 前記ベース地は、透光性を有する織地からなり、前記ベース地の織地を構成する緯糸の太さが20デシテックス~340デシテックスであり、前記ベース地の織地を構成する経糸の太さが20デシテックス~340デシテックスであり、
前記庇部を構成する緯糸の太さが160デシテックス~1700デシテックスであり、前記庇部を構成する経糸の太さが20デシテックス~340デシテックスであり、
かつ、前記庇部を構成する緯糸の太さは、前記ベース地の織地を構成する緯糸の太さより大きい請求項1~4のいずれか1項に記載の調光カーテン。 - 前記上下方向に隣り合う庇部の間隔を「X」とし、前記庇部の突出先端位置から前記ベース地の基面までの最短距離を「Y」としたとき、
1.2≦(X/Y)≦2.8
の関係式を満たす請求項1~5のいずれか1項に記載の調光カーテン。 - 透光性を有するベース地と、
前記ベース地の少なくとも一方の面に、該面から少なくとも一部が突出した態様で水平方向に延設された複数の庇部と、を備え、
前記ベース地および前記複数の庇部は、製織により一体に形成されたものであり、
前記庇部は、遮光性を有し、
前記複数の庇部は、上下方向に離間して設けられていることを特徴とする布帛。 - 前記庇部は、水平方向に延びるように配置されたベース地側緯糸と、該ベース地側緯糸に重ね合わせ状で水平方向に延びるように配置された先端側緯糸と、これら前後方向に並列配置された一対の緯糸をまとめて経糸が包囲した二重織り組織からなる請求項7に記載の布帛。
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JP2018095110A JP7014417B2 (ja) | 2018-05-17 | 2018-05-17 | 調光カーテン及び布帛 |
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