JP7013906B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
水素を利用する固体高分子形燃料電池を用いる燃料電池システムは、水素タンクと燃料電池スタックとを接続しインジェクタを備える供給流路と、排出弁を備え燃料電池スタックから水素を排出する排出流路とを備えている。特許文献1には、供給流路のうちインジェクタの上流側および下流側に圧力センサを備え、この圧力センサによって検出された圧力の値に基づいてインジェクタの開閉の異常の有無を判定する燃料電池システムが示されている。
特開2017-062927号公報
しかし、このような燃料電池システムでは、排出弁の開閉の異常を判定することができない。また、水素ガスの供給流路は、燃料電池スタックを介して排出流路と接続されている。そのため、インジェクタよりも燃料電池スタック側(すなわち下流側)の供給流路では、排出弁に異常がある場合や排出弁の開閉が実行される場合には内部の圧力が変化することがある。すなわち、このような燃料電池システムでは、圧力センサによってインジェクタの異常を判定するための期間は、排出弁の異常がないという条件下や排出弁の開閉が指示されていない期間に限られることになる。従って、インジェクタおよび排出弁の開閉の異常の有無について、それぞれ独立して判定できる燃料電池システムの提供が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池スタックと;ガスタンクと;前記燃料電池スタックと前記ガスタンクとを接続する供給流路と;前記供給流路に設けられ、前記ガスタンクから供給されたガスの供給量を調整して前記燃料電池スタックに前記ガスを供給するインジェクタと;前記インジェクタよりも前記ガスタンク側の前記供給流路に設けられる第一圧力センサと;前記インジェクタよりも前記燃料電池スタック側の前記供給流路に設けられる第二圧力センサと;前記燃料電池スタックから前記ガスを外部へ排出する排出流路と;前記排出流路に設けられた排出弁と;前記インジェクタの開閉と前記排出弁の開閉とを制御する制御部と、を備える。前記制御部は:前記インジェクタを開弁する制御を指示した場合であって、前記第一圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第一閾値より大きい場合は、前記インジェクタに閉異常があると判定し、第一閾値より小さい場合は、前記インジェクタに閉異常がないと判定し;前記インジェクタを閉弁する制御を指示した場合であって、前記第一圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第二閾値より小さい場合は、前記インジェクタに開異常があると判定し、第二閾値より大きい場合は、前記インジェクタに開異常がないと判定し;前記インジェクタに前記閉異常がないと判定された場合のうち:前記インジェクタを開弁する制御と前記排出弁を閉弁する制御とを指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第三範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し;前記インジェクタおよび前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記インジェクタに前記開異常がないと判定され、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第四範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し;前記インジェクタおよび前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第五閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定し;前記インジェクタを閉弁する制御と前記排出弁を開弁する制御とを指示している期間内に、前記インジェクタに前記開異常がないと判定され、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第六閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定し;前記インジェクタに前記閉異常があると判定された場合のうち:前記インジェクタを開弁する制御と前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第七閾値より小さい場合は、前記排出弁に開異常があると判定し;前記インジェクタおよび前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第八範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し;前記インジェクタに前記開異常があると判定された場合のうち:前記インジェクタおよび前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第九範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し;前記インジェクタを閉弁する制御と前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第十閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定する。
この形態の燃料電池システムによれば、制御部によって指示されたインジェクタの開閉の制御の状態と、インジェクタの上流側の第一圧力センサが検出した圧力変化量とによって、制御部はインジェクタの開閉の異常を判定できる。制御部は、このインジェクタの異常の判定結果と、制御部によって指示された排出弁の開閉の制御の状態と、インジェクタの下流側の第二圧力センサが検出した圧力変化量とによって、インジェクタの動作期間内に排出弁の開閉の異常を判定できる。したがって、この形態の燃料電池システムによれば、インジェクタおよび排出弁の異常の有無についてそれぞれ独立して判定することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
燃料電池システム100の概略構成を示す図である。 予め定められた期間におけるインジェクタ55の開閉の制御と第一圧力センサ96の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。 インジェクタ55の開閉の制御と排出弁60の開閉の制御と第二圧力センサ97の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。 インジェクタ55の開閉の制御と排出弁60の開閉の制御と第二圧力センサ97の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。 燃料電池システム100を起動し、インジェクタ55の開弁制御を実行している期間において燃料電池システム100が実行する制御のフローである。 インジェクタ55の閉弁制御を指示している期間において燃料電池システム100が実行する制御のフローである。
A.実施形態:
第1実施形態
図1は、燃料電池システム100の概略構成を示す図である。燃料電池システム100は、車両1に搭載され、運転者からの要求に応じて車両1の動力となる電力を出力する。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック10と、制御部20と、カソードガス供給排出機構30と、アノードガス供給排出機構50と、を備える。燃料電池システム100は、さらに、DC/DCコンバータ90と、パワーコントロールユニット91(以下、「PCU91」とも呼ぶ)と、2次電池92と、負荷93と、を備える。
燃料電池スタック10は、複数のセル11が積層されて構成されている。各セル11は、電解質膜の両面に電極を配置した膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する1組のセパレータとを有し、反応ガスとしてアノードガス(例えば、水素)とカソードガス(例えば、空気)との供給を受けて発電する。
カソードガス供給排出機構30は、カソード供給流路31と、カソードガスコンプレッサ32と、開閉弁33と、カソード排出流路41と、カソードレギュレータ42と、バイパス流路34と、バイパス弁35と、を備える。
カソード供給流路31は、外部と燃料電池スタック10とを接続するカソードガスの流路である。カソード供給流路31は、カソードガスコンプレッサ32と、開閉弁33とを有する。
カソードガスコンプレッサ32は、外部から取り入れた空気を圧縮し、カソードガスとして燃料電池スタック10側の流路に送出する。開閉弁33は、燃料電池スタック10へのカソードガスの供給の開始と停止を行う。開閉弁33は、カソードガスコンプレッサ32よりも燃料電池スタック10側の流路に設けられている。カソードガスコンプレッサ32と開閉弁33は、制御部20によって制御される。
カソード排出流路41は、燃料電池スタック10から排出されたカソードオフガスと、バイパス流路34から流入されたカソードガスとを、燃料電池システム100の外部へ排出する流路である。カソードレギュレータ42は、制御部20の制御によって、燃料電池スタック10のカソードガス出口の圧力を調整する。
バイパス流路34は、カソードガスコンプレッサ32と開閉弁33との間のカソード供給流路31と、後述する排出流路66との接続位置よりも燃料電池スタック10に近い側のカソード排出流路41と、を接続するカソードガスの流路である。バイパス弁35は、バイパス流路34に設けられ、制御部20の制御によってカソード供給流路31からカソード排出流路41へ流れるカソードガスの流量を調整する。
アノードガス供給排出機構50は、アノード供給流路51と、アノードガスを内部に充填したガスタンク52と、主止弁53と、レギュレータ54と、インジェクタ55と、排出弁60と、アノード排出流路61と、循環流路63と、アノードガスポンプ64と、気液分離器70と、を備える。アノード供給流路51と、燃料電池スタック10と、アノード排出流路61と、気液分離器70と、循環流路63と、で構成されるアノードガスの流路を「アノードガス流路」とも呼ぶ。
アノード供給流路51は、燃料電池スタック10にアノードガスを供給するための流路である。アノード供給流路51は、燃料電池スタック10のアノードガス供給口(マニホールド孔)と、ガスタンク52とを接続している。アノード供給流路51は、主止弁53と、レギュレータ54と、インジェクタ55とを、ガスタンク52に近い側からこの順に備えている。
主止弁53は、制御部20からの制御信号に応じて開閉し、ガスタンク52から燃料電池スタック10へのアノードガスの供給の開始と停止を行う。燃料電池システム100の停止時には主止弁53は閉じられる。レギュレータ54は、制御部20によって制御されて、インジェクタ55よりもガスタンク側(すなわち、上流側)における流路内のアノードガスの圧力を調整する。
インジェクタ55は、制御部20によって設定された駆動周期や開弁時間に応じて、電磁的に駆動する開閉弁である。インジェクタ55は、燃料電池スタック10に供給するアノードガスの供給量を調整する。
アノード供給流路51には、流路内の圧力を計測する2つの圧力センサ(第一圧力センサ96、第二圧力センサ97)が設けられている。第一圧力センサ96は、レギュレータ54とインジェクタ55との間の流路に備えられている。第二圧力センサ97は、アノード供給流路51のインジェクタ55よりも燃料電池スタック10側(すなわち、下流側)であって、循環流路63との接続箇所よりも上流側に備えられている。第一圧力センサ96と第二圧力センサ97とによる圧力の計測結果は、制御部20に送信される。
制御部20は、第一圧力センサ96と第二圧力センサ97の計測値(圧力値)を用いて、インジェクタ55によるアノードガスの供給量を調整するアノードガス供給制御を実行する。具体的には、制御部20は、インジェクタ55の下流側の圧力値が目標圧力値を下回らないように、インジェクタ55の駆動周期や開弁時間を制御し、燃料電池スタック10へのアノードガス供給量を制御する。目標圧力値は、燃料電池スタック10への要求電力に応じて定められる。例えば、目標圧力値が150kPaであり、第二圧力センサ97の圧力値が130kPaである場合には、制御部20は、第二圧力センサ97の圧力値が150kPaに上昇するようにインジェクタ55を制御する。
アノード排出流路61は、燃料電池スタック10からアノードオフガスを排出するための流路である。アノード排出流路61は、燃料電池スタック10のアノードオフガス排出口(マニホールド孔)と気液分離器70とを接続する。アノード排出流路61は、発電反応に用いられることのなかったアノードガス、水および窒素ガスを含むアノードオフガスを気液分離器70へと流通させる。
気液分離器70は、アノード排出流路61と循環流路63との間に接続されている。気液分離器70は、アノード排出流路61内のアノードオフガスから、水を分離して貯水する。
排出弁60は、気液分離器70に接続された開閉弁であり、排出流路66と接続されている。排出弁60は、燃料電池スタック10からアノード排出流路61を介して排出された水及びアノードオフガスを燃料電池システム100の外部へ排出する。本実施形態において、排出弁60を開弁したときのアノードオフガスの排出量は予め定められた一定の流量である。排出弁60から排出された水及びアノードオフガスは、排出流路66を介してカソード排出流路41に流入し、排出されるカソードオフガスの勢いによって、燃料電池システム100の外部へ排出される。排出弁60から排出されたアノードオフガスは、カソードオフガスによりその濃度が低減されて外部へと排出される。
制御部20は、予め定められた開弁条件が成立した場合に排出弁60を開き、予め定められた閉弁条件が成立した場合に排出弁60を閉じる。開弁条件は、気液分離器70に貯水された水が規定値に達したことや、インジェクタ55下流側の窒素濃度が規定値に達したことである。閉弁条件は、排出弁60が開かれてから予め定められた時間が経過したことや、貯留水が規定値未満になったことや、窒素濃度が規定値未満になったことである。なお、排出弁60が一度開弁されてから閉弁されるまでの期間は、インジェクタ55が一度開弁されてから閉弁されるまでの期間よりも長い。
制御部20は、燃料電池スタック10の発電量から、燃料電池スタック10の発電によって生成される水の量を推定して、気液分離器70に貯水された水が規定値に達したか否かを判定してもよい。また、気液分離器70に設けられた水位計の計測結果から、気液分離器70に貯水された水が規定値に達したことや、規定値未満になったことを制御部20が判定してもよい。また、インジェクタ55下流のアノードガス流路に設けられた窒素濃度計の計測結果から、窒素濃度が規定値に達したことや、規定値未満になったことを制御部20が判定してもよい。
循環流路63は、気液分離器70と、アノード供給流路51のインジェクタ55より下流側とを接続する流路である。循環流路63には、制御部20からの制御信号に応じて駆動されるアノードガスポンプ64が設けられている。気液分離器70によって水を分離されたアノードオフガスは、アノードガスポンプ64によって、循環流路63を通じてアノード供給流路51へと送り出される。この燃料電池システム100では、アノードガスを含むアノードオフガスを循環させて、再び燃料電池スタック10に供給することにより、アノードガスの利用効率を向上させている。
DC/DCコンバータ90は、制御部20の制御に応じて燃料電池スタック10から出力された電圧を昇圧してPCU91に電力を供給する。PCU91は、インバータを内蔵し、制御部20からの制御信号に応じてインバータを介して負荷93を制御する。2次電池92には、DC/DCコンバータ90とPCU91とを介して、燃料電池スタック10によって発電された電力が蓄電される。燃料電池スタック10及び2次電池92の電力は、PCU91を含む電源回路を介して、車輪(図示しない)を駆動するためのトラクションモータ(図示しない)等の負荷93や、カソードガスコンプレッサ32、アノードガスポンプ64および各種弁に供給される。また、PCU91は、制御部20の制御に応じて燃料電池スタック10の電流を制限する。
制御部20は、CPUとメモリと、上述した各部品が接続されるインタフェース回路とを備えたコンピュータとして構成されている。制御部20は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、インジェクタ55下流側のアノードガス流路の圧力値が目標圧力値を下回らないように、インジェクタ55によるアノードガスの供給量を調整して燃料電池スタック10の出力を制御する。
制御部20は、上述した制御のほかに、第一圧力センサ96と第二圧力センサ97の計測値(圧力値)を用いて、インジェクタ55および排出弁60における異常の有無について判定を行う。制御部20による具体的な判定方法については後述する。
図2は、予め定められた期間におけるインジェクタ55の開閉の制御と第一圧力センサ96の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。図2の上段には、第一圧力センサ96が検出した圧力と時間との関係を表すグラフが示されている。図2の下段には、インジェクタ55の開閉の制御と時間との関係が表されている。なお、図2の上段に示される横軸の方向における時間と対応させて図2の下段に示されるインジェクタ55の制御の時間を示す。本明細書において、インジェクタ55および後述する排出弁60の制御における「開」とは、制御部20によってインジェクタ55もしくは排出弁60を開弁する制御が指示された状態を示す。インジェクタ55および排出弁60の制御における「閉」とは、制御部20によってインジェクタ55もしくは排出弁60を閉弁する制御が指示された状態を示す。
制御部20によってインジェクタ55の開弁制御が実行された場合(P1)、アノードガスはインジェクタ55を介して燃料電池スタック10に供給される。これにより、インジェクタ55よりもガスタンク52側(すなわち、上流側)の圧力は低下する。制御部20によってインジェクタ55の閉弁制御が実行された場合(P2)、アノードガスの供給が停止され、インジェクタ55の上流側の圧力は上昇する。すなわち、図2の上段には、制御部20によってインジェクタ55が正常に開弁および閉弁された場合における第一圧力センサ96が検出した圧力と時間との関係が例示されている。
制御部20は、第一圧力センサ96によって検出される圧力値から圧力変化量ΔPAを算出する。制御部20は、インジェクタ55を開弁する制御を指示してから閉弁するまでの期間において、単位時間あたりの圧力変化量ΔPA1を算出する。制御部20は、インジェクタ55を開弁する制御を指示した場合であって、第一圧力センサ96によって検出された圧力変化量ΔPA1が、第一閾値ΔA1より大きい場合、インジェクタ55に閉異常があると判定する。一方、制御部20は、圧力変化量ΔPA1が第一閾値ΔA1より小さい場合、インジェクタ55に閉異常がないと判定する。第一閾値ΔA1は、例えば、インジェクタ55が正常に閉弁されている場合の圧力変化量ΔPAの実績値に基づいて定めることができる。なお、本明細書において、「閉異常」とは、制御部20がインジェクタ55もしくは排出弁60を開弁する制御を指示しても実際には開弁されず、インジェクタ55もしくは排出弁60の閉弁された状態が維持される不具合を示す。
制御部20は、インジェクタ55を閉弁する制御を指示してから予め定められた期間において単位時間あたりの圧力変化量ΔPA2を算出する。制御部20は、インジェクタ55を閉弁する制御を指示した場合であって、圧力変化量ΔPA2が、第二閾値ΔA2より小さい場合、インジェクタ55に開異常があると判定する。一方、制御部20は、圧力変化量ΔPA1が第二閾値ΔA2より大きい場合、インジェクタ55に開異常がないと判定する。第二閾値ΔA2は、例えば、インジェクタ55が正常に開弁されている場合の圧力変化量ΔPAの実績値に基づいて定めることができる。なお、本明細書において、「開異常」とは、制御部20がインジェクタ55もしくは排出弁60を閉弁する制御を指示しても実際には閉弁されず、インジェクタ55もしくは排出弁60の開弁された状態が維持される不具合を示す。
図3は、インジェクタ55の開閉の制御と排出弁60の開閉の制御と第二圧力センサ97の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。図3の上段には、第二圧力センサ97が検出した圧力値と時間との関係を表すグラフが示されている。図3の下段には、インジェクタ55の開閉の制御と時間との関係と、排出弁60の開閉の制御と時間との関係と、が表されている。
なお、図3の最上段に示される横軸の方向における時間と対応させて図3の下段に示されるインジェクタ55の制御の時間と、排出弁60の制御の時間とを示す(図4において同じ)。図3では、インジェクタ55が一度正常に開弁されてから閉弁されるまでの期間、排出弁60が正常に閉弁されている場合の圧力の変化が例示されている。
時刻t7において、インジェクタ55が制御部20によって正常に開弁されると(P7)、ガスタンク52内のアノードガスが、インジェクタ55を介して、インジェクタ55よりも下流側のアノード供給流路51に流入する。燃料電池スタック10によるアノードガスの単位時間当たりの消費量に比べて、ガスタンク52からのアノードガスの単位時間当たりの供給量が多いため、インジェクタ55の下流側の流路の圧力は上昇する。時刻t9において、インジェクタ55が制御部20によって正常に閉弁されると(P9)、ガスタンク52からのアノードガスの供給は停止される。一方、燃料電池スタック10によるアノードガスの消費は継続されるため、インジェクタ55の下流側の流路の圧力は低下する。
インジェクタ55によるアノードガスの供給と、排出弁60からのアノードガスの排出と、燃料電池スタック10によるアノードガスの消費とが実行されたとき、以下の式(1)が成立する。なお、インジェクタ55よりも下流側のアノード供給流路51における各部の温度は一定であると仮定する。
ΔPB(1)=C(Va-Vb-Vc) ・・・(1)
ΔPB(1):インジェクタ55よりも下流側のアノード供給流路51の予め定められた期間における圧力変化量
Va:標準状態でのインジェクタ55によるアノードガスの供給量
Vb:標準状態での排出弁60によるアノードガスの排出量
Vc:標準状態での燃料電池スタック10の発電によるアノードガスの消費量
C:気体定数Rと、インジェクタ55よりも下流側のアノード供給流路51の各部の温度によって決まる定数
本明細書において、標準状態(standard-state)では、基準の温度を0℃とし、標準大気圧(1atm=101.325kPa)が用いられる。
図3には、制御部20によってインジェクタ55が正常に開弁されてから予め定められた期間を経過した時刻t3における圧力値P3が例示されている。すなわち、圧力値P3は、制御部20がインジェクタ55を開弁する制御と排出弁60を閉弁する制御を指示している期間内に、インジェクタ55に閉異常がないと判定された場合の圧力値の例である。また、時刻t3における異常判定に使用される第三範囲の上限ΔB32および下限ΔB31が破線によって示されている。第二圧力センサ97によって検出されたP3から予め定められた期間内の圧力変化量をΔPB3としたとき、ΔPB3が第三範囲の上限ΔB32より小さく下限ΔB31よりも大きい場合(すなわち、ΔPB3が第三範囲の範囲内にある場合)、制御部20は、排出弁60に開異常があると判定する。
時刻t3においては、インジェクタ55は「開」であり、排出弁60は「閉」であることから、Va≠0かつVb=0である。一方、燃料電池スタック10におけるアノードガスの消費は、ある程度生じていると考えられる(Vc≠0)。よって、排出弁60が正常に閉弁されている場合の圧力変化量ΔPB(2)は、上記の式(1)に、Vb=0を代入することによって算出できる。
ΔPB(2)=C(Va-Vc) ・・・(2)
時刻t3における判断基準である第三範囲の上限ΔB32は、上記の式(2)によって算出されたΔPB(2)によって設定されることができる。一方、時刻t3における第三範囲の下限ΔB31は、例えば、上記の式(1)(Va≠0,Vb=0,Vc≠0)から得られるΔPB(1)を使用して、決定することができる。
図3には、制御部20によってインジェクタ55が正常に閉弁されてから予め定められた期間を経過した時刻t4における圧力値P4が図示されている。すなわち、圧力値P4は、制御部20がインジェクタ55および排出弁60を閉弁する制御を指示している期間内に、インジェクタ55に開異常がないと判定された場合の圧力値の例である。また、図3には、時刻t4における異常判定に使用される第四範囲の上限ΔB42と下限ΔB41とが破線によって示されている。第二圧力センサ97によって検出されたP4から予め定められた期間内での圧力変化量をΔPB4としたとき、ΔPB4が第四範囲の上限ΔB42より小さく第四範囲の下限ΔB41よりも大きい場合(すなわち、ΔPB4が第四範囲の範囲内にある場合)、制御部20は、排出弁60に開異常があると判定する。
時刻t4においては、インジェクタ55は「閉」であり、排出弁60は「閉」であることから、Va=0かつVb=0である。一方、燃料電池スタック10におけるアノードガスの消費は、ある程度生じていると考えられる(Vc≠0)。よって、インジェクタ55および排出弁60が正常に閉弁されている場合の圧力変化量ΔPB(3)は、以下の式(3)によって算出できる。
ΔPB(3)=C(-Vc) ・・・(3)
第四範囲の上限ΔB42は、上記の式(1)に、Va=0(インジェクタ55が正常に閉弁),Vb=0(排出弁60が正常に開弁),Vc≠0を代入した式(3)によって得られるΔPB(3)に基づいて定めることができる。一方、第四範囲の下限ΔB41は、上記の式(1)に、Va=0(インジェクタ55が正常に閉弁),Vb≠0(排出弁60が閉弁異常),Vc≠0を代入した以下の式(4)に基づいて定めることができる。
ΔPB(4)=C(-Vb-Vc) ・・・(4)
図3には、制御部20がインジェクタ55を開弁する制御を実行した時刻t7での圧力値P7が例示されている。また、図3には、時刻t7における異常判定に使用される第七閾値ΔB7が破線によって例示されている。なお、P7においてインジェクタ55を開弁したとき、上述したインジェクタ55の閉異常の有無の判定が並行して実行される(図2参照)。制御部20は、インジェクタ55に閉異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出されたP7から予め定められた期間内の圧力変化量ΔPB7が第七閾値ΔB7より小さい場合、制御部20は排出弁60に開異常があると判定する。
P7において、インジェクタ55に閉弁異常があり(Va=0)、排出弁60が正常に閉弁されている(Vb=0)場合の圧力変化量は、式(3)によって算出される。したがって、第七閾値ΔB7は、上記の式(3)によって算出されたΔPB(3)を設定することができる。
図3には、制御部20がインジェクタ55を閉弁する制御を実行した時刻t9での圧力値P9が示されている。また、図3には、時刻t9における異常判定に使用される第九範囲の上限ΔB92および下限ΔB91が破線によって示されている。なお、P9においてインジェクタ55を閉弁したとき、制御部20は、上述したインジェクタ55の開異常の判定を並行して実行する(図2参照)。制御部20は、インジェクタ55に開異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出されたP9から予め定められた期間内の圧力変化量ΔPB9が、第九範囲の上限ΔB92より小さく、下限ΔB91より大きい場合(すなわち、第九範囲の範囲内にある場合)、排出弁60に開異常があると判定する。
インジェクタ55および排出弁60が開弁されている場合(Va≠0,Vb≠0)の圧力変化量は、式(1)を用いて算出できる。したがって、第九範囲の下限ΔB91は、上記の式(1)によって算出されたΔPB(1)を設定することができる。一方、第九範囲の上限ΔB92は、排出弁60が開異常(Vb=0)と仮定し、式(2)を用いて算出されるΔPB(2)を設定することができる。
図4は、インジェクタ55の開閉の制御と排出弁60の開閉の制御と第二圧力センサ97の圧力値との関係を模式的に表す説明図である。図4の上段には、第二圧力センサ97が検出した圧力値と時間との関係を表すグラフが示されている。図4の下段には、インジェクタ55の開閉の制御と時間との関係と、排出弁60の開閉の制御と時間との関係と、が表されている。図4では、インジェクタ55が一度正常に開弁されてから閉弁されるまでの期間、排出弁60が正常に開弁されている場合での圧力の変化が例示されている。
図4には、制御部20によってインジェクタ55が正常に開弁されてから予め定められた期間を経過した時刻t5における圧力値P5が例示されている。すなわち、圧力値P5は、制御部20がインジェクタ55および排出弁60を開弁する制御を指示している期間内に、インジェクタ55に閉異常がないと判定された場合の圧力値の例である。また、時刻t5における異常判定に使用される第五閾値ΔB5が破線によって示されている。第二圧力センサ97によって検出されたP5から予め定められた期間内の圧力変化量をΔPB5としたとき、圧力変化量ΔPB5が第五閾値ΔB5よりも大きい場合、制御部20は、排出弁60に閉異常があると判定する。
インジェクタ55および排出弁60が開弁されている場合(Va=0,Vb=0)、圧力変化量は、上記の式(1)によって算出できる。したがって、第五閾値ΔB5は、上記式(1)によって算出されたΔPB(1)に基づいて定めることができる。
図4には、制御部20によってインジェクタ55が正常に閉弁されてから予め定められた期間を経過した時刻t6における圧力値P6が図示されている。すなわち、圧力値P6は、制御部20がインジェクタ55を閉弁する制御と排出弁60を開弁する制御とを指示している期間内に、インジェクタ55に開異常がないと判定された場合の圧力値の例である。また、図4には、時刻t6における異常判定に使用される第六閾値ΔB6が破線によって示されている。第二圧力センサ97によって検出されたP6から予め定められた期間内の圧力変化量をΔPB6としたとき、圧力変化量ΔPB6が第六閾値ΔB6よりも大きい場合、制御部20は、排出弁60に閉異常があると判定する。第六閾値ΔB6は、上記の式(3)を用いて算出したΔPB(3)に基づいて定めることができる。
図4には、制御部20がインジェクタ55を開弁する制御を実行した時刻t8での圧力値P8が示されている。また、図4には、時刻t8における異常判定に使用される第八範囲の下限であるΔB81と第八範囲の上限であるΔB82とが破線によって示されている。制御部20は、インジェクタ55に閉異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出されたP8から予め定められた期間内の圧力変化量ΔPB8が、第八範囲の上限ΔB82より小さく下限ΔB81よりも大きい場合(すなわち、第八範囲の範囲内にある場合)、排出弁60に閉異常があると判定する。第八範囲の上限ΔB82は、上記の式(3)から算出されるΔPB(3)に基づいて定めることができる。下限ΔB81は式(4)から算出されるΔPB(4)に基づいて定めることができる。
図4には、制御部20がインジェクタ55を閉弁する制御を実行した時刻t10での圧力値P10が示されている。また、図4には、時刻t10における異常判定に使用される第十閾値ΔB10が破線によって示されている。制御部20は、インジェクタ55に開異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出されたP10から予め定められた期間内の圧力変化量ΔPB10が第十閾値ΔB10より大きい場合、排出弁60に閉異常があると判定する。第十閾値ΔB10は、式(3)を用いて算出されるΔPB(3)を用いて設定されることができる。
図5は、燃料電池システム100を起動し、インジェクタ55の開弁制御を実行している期間において燃料電池システム100が実行する制御のフローである。燃料電池システム100は、例えば、車両1のイグニションキーをONにすることによって起動し、制御を開始する。
燃料電池システム100が起動されると、制御部20の起動とともに、第一圧力センサ96および第二圧力センサ97が起動される(ステップS100)。第一圧力センサ96と第二圧力センサ97とによる圧力の計測結果は、制御部20に送信される。制御部20は、第一圧力センサ96と第二圧力センサ97によって検出される圧力値から圧力変化量ΔPAおよびΔPBの算出を開始する(ステップS102)。制御部20は、例えば、燃料電池スタック10による発電量を増加させる要求に応じて、インジェクタ55を開弁する制御を実行する(ステップS104)。
制御部20は、インジェクタ55を閉弁する指示を実行してから予め定められた期間において圧力変化量ΔPA1と第一閾値ΔA1とを比較して、インジェクタ55に閉異常があるか否かを判定する(ステップS200)。制御部20は、圧力変化量ΔPA1が、第一閾値ΔA1より大きいである場合において、インジェクタ55に閉異常があると判定する。
インジェクタ55に閉異常がある場合(S200:YES)、制御部20は、排出弁60を開弁する制御がされているか否かを確認する(ステップS202)。排出弁60を開弁する制御がされていない(すなわち、排出弁60を閉弁する制御が指示されている)場合(S202:NO)、制御部20は、排出弁60に開異常があるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、制御部20は、インジェクタ55に閉異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB7が第七閾値ΔB7より小さい場合、排出弁60に開異常があると判定する(図3参照)。インジェクタ55の閉異常および排出弁60に開異常がある場合(S204:YES)、制御部20は、例えば、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止し、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS208)。一方、排出弁60に開異常がない場合(S204:NO)、制御部20は、例えば、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS210)。
制御部20が排出弁60を開弁する制御を指示している場合(S202:YES)、制御部20は、排出弁60に閉異常があるか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、制御部20は、インジェクタ55に閉異常があると判定し、かつ、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB8が第八範囲の上限ΔB82より小さく下限ΔB81よりも大きい場合、排出弁60に閉異常があると判定する。排出弁60に閉異常があると判定した場合(S206:YES)、制御部20は、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止し、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS212)。一方、排出弁60に閉異常がない場合(S206:NO)、制御部20は上述の非常措置(ステップS210)を実行して燃料電池システム100の制御を終了する。
インジェクタ55に閉異常が無いと判定した場合(S200:NO)、制御部20は、排出弁60を開弁する制御の指示がされているか否かを確認する(ステップS252)。排出弁60を開弁する制御が指示されていない(すなわち、排出弁60を閉弁する制御が指示されている)場合(S252:NO)、制御部20は、排出弁60に開異常があるか否かを判定する(ステップS254)。具体的には、制御部20は、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB3が第三範囲の上限ΔB32より小さく下限ΔB31よりも大きい場合、排出弁60に開異常があると判定する(図3参照)。インジェクタ55に閉異常がなく排出弁60に開異常がある場合(S254:YES)、制御部20は、例えば、アノードガスの供給量を低減して燃料電池スタック10による発電量を制限する非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS258)。一方、排出弁60に開異常がない場合(S254:NO)、制御部20は、ステップS300においてインジェクタ55を閉弁するか否かの判定を行う(図6参照)。
制御部20が排出弁60を開弁する制御を指示している場合(S252:YES)、制御部20は、排出弁60に閉異常があるか否かを判定する(ステップS256)。具体的には、制御部20は、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB5が第五閾値ΔB5よりも大きい場合、排出弁60に閉異常があると判定する。排出弁60に閉異常があると判定した場合(S256:YES)、制御部20は、例えば、アノードガスの供給量を低減して燃料電池スタック10による発電量を制限した後に、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止する非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS260)。一方、排出弁60に閉異常がない場合(S256:NO)、制御部20は、ステップS300においてインジェクタ55を閉弁するか否かの判定を行う(図6参照)。
図6は、インジェクタ55の閉弁制御を指示している期間において燃料電池システム100が実行する制御のフローである。制御部20は、インジェクタ55に閉異常がなく、排出弁60に開異常がない場合(S254:NO)および排出弁60に閉異常がない場合(S256:NO)、インジェクタ55を開弁するか否かの判定を行う(ステップS300)。インジェクタ55を閉弁しない場合(S300:NO)、制御部20は、インジェクタ55に閉異常があるか否かについて判定する(ステップS200)(図5参照)。インジェクタ55を閉弁する場合(S300:YES)、制御部20は、インジェクタ55を閉弁する制御を指示する(ステップS302)。
制御部20は、インジェクタ55を閉弁する指示を実行すると、インジェクタ55に開異常があるか否かについて判定する(ステップS400)。具体的には、制御部20は、第一圧力センサ96によって取得した圧力値から、インジェクタ55が開弁されてから予め定められた期間における単位時間あたりの圧力変化量ΔPA2を算出する。制御部20は、圧力変化量ΔPA2が、第二閾値ΔA2より小さいである場合において、インジェクタ55に開異常があると判定する。
インジェクタ55に開異常がある場合(S400:YES)、制御部20は、排出弁60を開弁する制御が指示されているか否かを確認する(ステップS402)。排出弁60を開弁する制御が指示されていない(すなわち、排出弁60を閉弁する制御が指示されている)場合(S402:NO)、制御部20は、排出弁60に開異常があるか否かを判定する(ステップS404)。具体的には、制御部20は、インジェクタ55に開異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB9が、第九範囲の上限ΔB92より小さく、下限ΔB91より大きい場合、排出弁60に開異常があると判定する(図3参照)。インジェクタ55および排出弁60に開異常がある場合(S404:YES)、制御部20は、例えば、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止し、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS408)。一方、排出弁60に開異常がない場合(S404:NO)、制御部20は、例えば、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS410)。
制御部20が排出弁60を開弁する制御を指示している場合(S402:YES)、制御部20は、排出弁60に閉異常があるか否かを判定する(ステップS406)。具体的には、制御部20は、インジェクタ55に開異常があると判定し、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB10が第十閾値ΔB10より大きい場合、排出弁60に閉異常があると判定する(図4参照)。排出弁60に閉異常があると判定した場合(S406:YES)、制御部20は、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止し、2次電池92によるバッテリー走行に切り替える非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS412)。一方、排出弁60に閉異常がない場合(S406:NO)、制御部20は上述の非常措置(ステップS410)を実行して燃料電池システム100の制御を終了する。
インジェクタ55に開異常が無いと判定した場合(S400:NO)、制御部20は、排出弁60を開弁する制御が指示されているか否かを確認する(ステップS452)。排出弁60を開弁する制御が指示されていない(すなわち、排出弁60を閉弁する制御が指示されている)場合(S452:NO)、制御部20は、排出弁60に開異常があるか否かを判定する(ステップS454)。具体的には、制御部20は、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB4が第四範囲の上限ΔB42より小さく第四範囲の下限ΔB41よりも大きい場合、排出弁60に開異常があると判定する(図3参照)。インジェクタ55に開異常がなく排出弁60に開異常がある場合(S454:YES)、制御部20は、例えば、アノードガスの供給量を低減して燃料電池スタック10による発電量を制限する非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS458)。排出弁60に開異常がない場合(S454:NO)、制御部20は、ステップS500において燃料電池システム100の制御を終了するか否かの判定を行う。
一方、制御部20が排出弁60を開弁する制御を指示している場合(S452:YES)、制御部20は、排出弁60に閉異常があるか否かを判定する(ステップS456)。具体的には、制御部20は、第二圧力センサ97によって検出された圧力変化量ΔPB6が第六閾値ΔB6よりも大きい場合、排出弁60に閉異常があると判定する(図4参照)。排出弁60に閉異常があると判定した場合(S456:YES)、制御部20は、例えば、アノードガスの供給量を低減して燃料電池スタック10による発電量を制限した後に、主止弁53を閉弁して燃料電池スタック10による発電を停止する非常措置を実行して燃料電池システム100の制御を終了する(ステップS460)。一方、排出弁60に閉異常がない場合(S456:NO)、制御部20は、ステップS500において燃料電池システム100の制御を終了するか否かの判定を行う。燃料電池システム100の制御を終了する場合とは、例えば専門家が手動による制御の停止を実行した場合である(S500:YES)。燃料電池システム100の制御を終了しない場合(S500:NO)、制御部20は、インジェクタ55を開弁する制御を指示するか否かについて判定する(ステップS502)。インジェクタ55を開弁する制御を指示しない場合(S502:NO)、制御部20は、インジェクタ55の開異常があるか否かについて判定する(ステップS400)。インジェクタ55を開弁する制御を指示する場合(S502:YES)、制御部20は、インジェクタ55を開弁する制御を指示し(ステップS104)、上述のステップS200以降の制御を実行する。
以上のように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、制御部20によって指示されたインジェクタ55の開閉の制御の状態と、インジェクタ55の上流側の第一圧力センサ96が検出した圧力変化量ΔPAとによって、制御部20はインジェクタ55の開閉の異常を判定できる。制御部は、このインジェクタ55の異常の判定結果と、制御部20によって指示された排出弁60の開閉の制御の状態と、インジェクタ55の下流側の第二圧力センサ97が検出した圧力変化量ΔPBとによって、インジェクタ55の動作期間内に排出弁60の開閉の異常を判定できる。したがって、本実施形態の燃料電池システム100によれば、インジェクタ55および排出弁60の異常の有無についてそれぞれ独立して判定することができる。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…車両
10…燃料電池スタック
11…セル
20…制御部
30…カソードガス供給排出機構
31…カソード供給流路
32…カソードガスコンプレッサ
33…開閉弁
34…バイパス流路
35…バイパス弁
41…カソード排出流路
42…カソードレギュレータ
50…アノードガス供給排出機構
51…アノード供給流路
52…ガスタンク
53…主止弁
54…レギュレータ
55…インジェクタ
60…排出弁
61…アノード排出流路
63…循環流路
64…アノードガスポンプ
66…排出流路
70…気液分離器
90…DC/DCコンバータ
91…PCU
92…2次電池
93…負荷
96…第一圧力センサ
97…第二圧力センサ
100…燃料電池システム

Claims (1)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料電池スタックと、
    ガスタンクと、
    前記燃料電池スタックと前記ガスタンクとを接続する供給流路と、
    前記供給流路に設けられ、前記ガスタンクから供給されたガスの供給量を調整して前記燃料電池スタックに前記ガスを供給するインジェクタと、
    前記インジェクタよりも前記ガスタンク側の前記供給流路に設けられる第一圧力センサと、
    前記インジェクタよりも前記燃料電池スタック側の前記供給流路に設けられる第二圧力センサと、
    前記燃料電池スタックから前記ガスを外部へ排出する排出流路と、
    前記排出流路に設けられた排出弁と、
    前記インジェクタの開閉と前記排出弁の開閉とを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記インジェクタを開弁する制御を指示した場合であって、前記第一圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第一閾値より大きい場合は、前記インジェクタに閉異常があると判定し、第一閾値より小さい場合は、前記インジェクタに前記閉異常がないと判定し、
    前記インジェクタを閉弁する制御を指示した場合であって、前記第一圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第二閾値より小さい場合は、前記インジェクタに開異常があると判定し、第二閾値より大きい場合は、前記インジェクタに前記開異常がないと判定し、
    前記インジェクタに前記閉異常がないと判定された場合のうち、
    前記インジェクタを開弁する制御と前記排出弁を閉弁する制御とを指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第三範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し、
    前記インジェクタおよび前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記インジェクタに前記開異常がないと判定され、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第四範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し、
    前記インジェクタおよび前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第五閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定し、
    前記インジェクタを閉弁する制御と前記排出弁を開弁する制御とを指示している期間内に、前記インジェクタに前記開異常がないと判定され、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第六閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定し、
    前記インジェクタに前記閉異常があると判定された場合のうち、
    前記インジェクタを開弁する制御と前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第七閾値より小さい場合は、前記排出弁に開異常があると判定し、
    前記インジェクタおよび前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第八範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し、
    前記インジェクタに前記開異常があると判定された場合のうち、
    前記インジェクタおよび前記排出弁を閉弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第九範囲の範囲内にある場合は、前記排出弁に開異常があると判定し、
    前記インジェクタを閉弁する制御と前記排出弁を開弁する制御を指示している期間内に、前記第二圧力センサによって検出された予め定められた期間内の圧力変化量が第十閾値より大きい場合は、前記排出弁に閉異常があると判定する、燃料電池システム。
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