JP7012255B2 - 電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法 - Google Patents

電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法 Download PDF

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Description

本開示は、電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法に関する。より詳細には、本開示は、放電に用いられる電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法に関する。
従来、放電電極と、対向電極(電極)と、電圧印加回路とを備えた放電装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。
この種の放電装置は、電圧印加回路によって放電電極と対向電極との間に電圧を印加し、放電を発生させる。そして、放電電極に液体が供給された場合には、放電時において静電霧化が行われ、有効成分としてのラジカルを含む帯電微粒子液を生成し得る。
特開2018-022574号公報
上記構成の放電装置では、所望の放電を実現するためには放電電極と対向電極との間の寸法精度が重要である。放電電極と対向電極との間の寸法を測定し、管理する手法の一つとして、例えばカメラを用いた画像検査がある。画像検査で放電電極と対向電極との間の寸法を測定するためには、放電電極及び対向電極の放電点付近の輪郭を検出する必要があるが、放電電極の形状及び光のあたり方などによって輪郭を検出しにくい場合があった。
本開示の目的は、輪郭部分を検出しやすい電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法を提供することにある。
本開示の一態様の電極は、放電電極と隙間を介して配置される放電装置用の電極である。前記電極は、前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有する。前記強調部が、前記電極における前記放電電極と反対側の面にある。
本開示の一態様の電極は、放電装置用の電極である。前記電極は、前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有する。前記強調部の表面の性状が、前記電極の表面において前記強調部と隣接する隣接領域の表面の性状と異なる。
本開示の一態様の電極は、放電装置用の電極である。前記電極は、前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有する。前記強調部の材料が、前記電極において前記強調部と隣接する隣接領域の材料と異なる。
本開示の一態様の放電装置は、前記電極と、前記電極と隙間を介して対向する放電電極と、前記電極と前記放電電極との間に電圧を印加する電圧印加回路と、を備える。
本開示の一態様の電極の製造方法は、前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を形成する工程を含む。
本開示の一態様の電極の検査方法は、前記電極に検査用照明からの光を照射した状態で、観察方向から前記電極の表面を観察した画像を用いて、前記電極の前記外観検査を行う。
本開示によれば、輪郭部分を検出しやすい電極、放電装置、電極の製造方法、及び電極の検査方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る電極を備える放電装置の概略的な断面図である。 図2Aは、同上の放電装置の概略的な上面図である。図2Bは、図2AにおけるA1部拡大図である。 図3は、同上の電極での光の反射を説明する模式図である。 図4は、同上の放電装置のブロック図である。 図5は、同上の放電装置において、放電が発生している状態の模式図である。 図6Aは、同上の放電装置の外観検査で得られた画像の一例を示す説明図である。図6Bは、強調部が設けられていない電極を有する放電装置の外観検査で得られた画像の一例を示す説明図である。 図7は、同上の電極での光の反射を説明する模式図である。 図8は、本開示の一実施形態の変形例2に係る電極での光の反射を説明する模式図である。
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係る電極20及び電極20を備えた放電装置1について、図1~図5を参照して説明する。
本実施形態に係る電極20は、図1及び図2Aに示すように、放電装置1用の電極である。電極20は、観察方向D1(図1参照)から見た電極20の表面20Aのうち、対象領域21(図2B及び図3参照)に強調部23を有する。観察方向D1は、電極20の外観検査を行う場合の方向である。対象領域21は、電極20の少なくとも一部の輪郭部分22を含む。強調部23は、輪郭部分22と周辺部分300(図2A参照)とのコントラストを強調する。
ここにおいて、外観検査とは、例えば図1に示すように、電極20の上方に配置されたカメラ80で電極20を撮影し、カメラ80の画像に基づいて、電極20の寸法及び取付位置などを検査する画像検査である。なお、外観検査は、拡大鏡及び顕微鏡などの光学機器を用いて検査者が電極20を肉眼で観察する目視検査でもよい。目視検査の場合、検査者は、拡大鏡及び顕微鏡などの光学機器を用いて電極20の輪郭部分を目視で識別し、寸法の基準となるスケールなどと比較することで、電極20の位置及び取付位置などを検査する。つまり、電極20の表面20Aの「観察」とは、カメラ80で撮影された電極20の画像を画像処理することによって行われる観察に限定されず、検査者が肉眼、又は光学機器を用いて目視で行う観察でもよい。したがって、外観検査を行う場合の観察方向とは、カメラ80で電極20を撮影する方向でもよいし、検査者が肉眼又は光学装置を用いて電極20を見る方向でもよい。図1の例では、観察方向D1は、上側にあるカメラ80から下側にある放電装置1を見下ろす方向である。なお、図1及び図3は模式図であり、電極20、カメラ80及び検査用照明90の大きさ、電極20、カメラ80及び検査用照明90の位置関係は実際とは異なる。図3では検査用照明90から照射される光を矢印で図示している。また、周辺部分300とは、観察方向から電極20を見た場合に強調部23の周囲に存在する部分のことである。周辺部分300は、強調部23に隣接して存在するように見える電極20以外の部材を含み、電極20の前側又は後側に位置し、観察方向D1から見た場合に強調部23に隣接しているように見えている部材を含む。また、周辺部分300は、電極20の表面20Aにおいて強調部23に隣接する隣接領域24(図2B参照)も含む。
強調部23は、対象領域21に含まれる輪郭部分22と周辺部分300とのコントラストを強調しており、例えば明暗及び色彩の少なくとも一方の差を大きくする。例えば、強調部23は、外観検査において検査用照明90からの光が電極20に照射された場合に、強調部23と周辺部分300とで明暗の差を大きくすることで、強調部23と周辺部分300とのコントラストを強調する。すなわち、強調部23は、例えば電極20の表面20Aのうち強調部23と強調部23以外の部位とで、表面20Aの形状、表面20Aの性状、及び材料のうち少なくとも1つを異ならせることで、周辺部分300とのコントラストを強調する。ここで、表面20Aの性状を異ならせるとは、例えば、表面での光の反射率、表面での光の反射方向、及び表面の色のうち少なくとも1つを異ならせることをいう。なお、強調部23は、対象領域21に含まれる輪郭部分22のみに設けられてもよいし、対象領域21において輪郭部分22を含む一部に設けられてもよいし、対象領域21の全体に設けられてもよい。
また、本実施形態に係る放電装置1は、電極20と、放電電極10と、電圧印加回路30(図4及び図5参照)と、を備える。
放電電極10は、図1及び図2Aに示すように、電極20と隙間(空間)を介して対向する。
電圧印加回路30は、電極20と放電電極10との間に電圧を印加する。電圧印加回路30は、例えば、放電電極10を負極(グランド)、電極20を正極(プラス)として、放電電極10と電極20との間に高電圧を印加する。
また、本実施形態に係る放電装置1は、図4に示すように、液体供給部40を更に備えている。液体供給部40は、放電電極10に液体70(図4参照)を供給する機能を有する。ただし、放電装置1は、電圧印加回路30、放電電極10及び電極20を最低限の構成要素として含んでいればよく、液体供給部40は、放電装置1の構成要素に含まれていなくてもよい。
本実施形態に係る放電装置1は、例えば、放電電極10の表面に液体70が付着することで放電電極10に液体70が保持されている状態において、放電電極10と電極20との間に電圧印加回路30が電圧を印加する。これにより、少なくとも放電電極10にて放電が生じ、放電電極10に保持されている液体70が、放電によって静電霧化される。すなわち、本実施形態に係る放電装置1は、いわゆる静電霧化装置を構成する。本開示において、放電電極10に保持されている液体70、つまり静電霧化の対象となる液体70を、単に「液体70」とも呼ぶ。
上述のように、本実施形態に係る電極20は対象領域21に強調部23を有しているので、観察方向から電極20を見た場合に輪郭部分22と周辺部分とのコントラストが強調されることになり、輪郭部分22を検出しやすいという利点がある。したがって、電極20と放電電極10との間の寸法W1(図2A参照)を計測しやすくなり、電極20と放電電極10との間の寸法W1を精度良く管理することができる、という利点もある。
(2)詳細
(2.1)構成
以下、実施形態に係る電極20及び放電装置1について図1~図4を参照して詳しく説明する。
本実施形態の放電装置1は、図1、図2A、図2B、図4及び図5に示すように、放電電極10と、放電電極10に対向する対向電極である電極20と、電圧印加回路30と、を備える。なお、図4及び図5では、放電電極10及び電極20の形状を模式的に図示している。
また、本実施形態の放電装置1は、液体供給部40と、制御回路50と、放電電極10及び電極20を保持するボディ60(図1及び図2A参照)と、を更に備えている。ただし、放電装置1は、放電電極10と、電極20と、電圧印加回路30とを最低限の構成要素として含んでいればよく、液体供給部40は、放電装置1の構成要素に含まれていなくてもよい。
放電電極10は、棒状の電極である。放電電極10は、図1に示すように、放電電極10の長軸に沿った一端部に先端部101を有し、放電電極10の長軸に沿った他端部(先端部101と反対側の端部)に基端部102を有している。放電電極10は、少なくとも先端部101が先細り形状に形成された針電極である。ここでいう「先細り形状」とは、先端が鋭く尖っている形状に限らず、図1に示すように、先端が丸みを帯びた形状を含む。
対向電極である電極20は、例えば、板状の支持部200と、4つの突出部201とを備えている。支持部200は、平板状であって、円形状に開口する開口部202が形成されている。4つの突出部201は、開口部202の周方向において等間隔で配置されている。各突出部201は、支持部200における開口部202の内周縁から、開口部202の中心に向けて突出する。各突出部201の長手方向の先端部(開口部202の中心側の端部)は半円形に形成されている。各突出部201の出代は例えば2mm以下であるが、各突出部201の寸法及び形状は適宜変更が可能である。なお、電極20は、4つの突出部201を備えているが、突出部201の数は4つに限定されず、1つ、2つ又は3つでもよいし、5つ以上でもよい。
ここで、観察方向D1から見た電極20の表面20Aのうち、各突出部201の先端側の輪郭部分22を含む対象領域21(図2B及び図3参照)には、強調部23が設けられている。対象領域21は、電極20において放電を生じる放電部位とは異なる領域である。電極20の放電部位は、電極20において放電電極10に最も近い部位であり、本実施形態では、電極20の各突出部201において放電電極10側の面(図1では下面)の先端部である。したがって、本実施形態では、電極20の各突出部201において放電電極10とは反対側の面(上面)の先端部分を対象領域21としており、対象領域21にある強調部23が放電部位での放電に影響する可能性を低減できる。
強調部23は、外観検査において検査用照明90からの光が電極20に照射された状態で、第1の光量に比べて第2の光量を増加又は減少させており、本実施形態では、第1の光量に比べて第2の光量を例えば減少させている。第1の光量は、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量である。第2の光量は、電極20の表面20Aのうち強調部23以外の部位によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量である。つまり、強調部23は、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量と、電極20の表面20Aのうち強調部23以外の部位によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量との差を大きくしている。これにより、強調部23は、強調部23と周辺部分300とのコントラストを強調しており、輪郭部分22を検出しやすくしている。
本実施形態の強調部23は、例えば、各突出部201の対象領域21において、各突出部201の上面と側面との角部に形成された傾斜面211を含む。換言すれば、強調部23は、電極20の表面20Aにおいて強調部23と隣接する隣接領域24に対して傾斜する傾斜面211を含む。このように、強調部23が傾斜面211を含んでいるので、傾斜面211で光が反射する方向と、隣接領域24で光が反射する方向とを互いに異ならせることができる。また、傾斜面211は、突出部201の後方にあるカバー63の表面に対しても傾斜しているので、傾斜面211で光が反射する方向と、カバー63で光が反射する方向とを互いに異ならせることができる。したがって、検査用照明90からの光が電極20に照射された状態で、傾斜面211の明るさと周辺部分300(隣接領域24及びカバ63の表面)の明るさとの明暗の差が大きくなり、各突出部201の輪郭部分22を検出しやすくなる。
傾斜面211は、例えば、各突出部201の対象領域21が含む輪郭部分22において、各突出部201の上面と側面との角部に面取り加工(例えば切削、研磨又はつぶし加工などの加工)を施すことによって形成されている。面取り加工によって形成される傾斜面211は、例えば、幅が0.2mm以上の平面である。つまり、傾斜面211は平面を含んでいる。なお、傾斜面211が曲面を含んでもよく、例えば曲率半径が0.2mm以上の曲面でもよい。なお、傾斜面211の寸法及び角度は電極20の寸法などに応じて適宜変更が可能である。また、複数ある突出部201のうち一部の突出部201には平面状の傾斜面211が設けられ、残りの突出部201には曲面状の傾斜面211が設けられてもよい。
ここで、支持部200の厚み方向が放電電極10の長軸と平行し、かつ放電電極10の先端部101が開口部202の中心付近に位置するように、電極20と放電電極10との位置関係が決められている。なお、支持部200の厚み方向が放電電極10の長軸と平行であるとは、同一平面内で支持部200の厚み方向と放電電極10の長軸とが交差しない状態にあることに限定されない。支持部200の厚み方向と放電電極10の長軸とは、人の目で見てほぼ平行しているとみなせる状態であれば、平行な状態から多少(数度程度)ずれていてもよい。
本実施形態では、電極20と放電電極10との間には、少なくとも電極20の開口部202によって隙間(空間)が確保される。言い換えれば、電極20は、放電電極10に対して隙間を介して対向するように配置され、放電電極10とは電気的に絶縁されている。ここにおいて、各電極20の先端部分と放電電極10との間の寸法W1(図2A参照)によって、電極20と放電電極10との間で発生する放電の状態が変化する。本実施形態の電極20では、強調部23を設けることで、電極20の輪郭部分22を検出しやすくしているので、電極20と放電電極10との間の寸法W1を計測しやすくなる。よって、電極20と放電電極10との間の寸法W1をより正確に管理することが可能になり、電極20と放電電極10との間で所望の放電を発生させやすくなる。
電圧印加回路30は、電極20と放電電極10との間に電圧を印加する。具体的には、電圧印加回路30は、電極20と放電電極10との間に、例えば4kV程度の高電圧を印加することによって、電極20と放電電極10との間で放電を発生させる。
液体供給部40は、放電電極10に対して静電霧化用の液体70(図4参照)を供給する。液体供給部40は、一例として、放電電極10を冷却して、放電電極10に結露水を発生させる冷却装置41(図1参照)を用いて実現される。
具体的には、冷却装置41は、一例として、一対のペルチェ素子411と、一対の放熱板412とを備えている。一対のペルチェ素子411は、一対の放熱板412に保持されている。一対のペルチェ素子411は、放電電極10の基端部102に対して、例えば、半田にて機械的かつ電気的に接続されている。一対のペルチェ素子411は、一対の放熱板412に対して、例えば、半田にて機械的かつ電気的に接続されている。一対のペルチェ素子411への通電は、一対の放熱板412及び放電電極10を通じて行われる。したがって、液体供給部40を構成する冷却装置41は、一対のペルチェ素子411への通電によって、基端部102を通じて放電電極10の全体を冷却する。これにより、空気中の水分が凝結して放電電極10の表面に結露水が付着する。すなわち、液体供給部40は、放電電極10を冷却して放電電極10の表面に液体としての結露水を生成するように構成されている。この構成では、液体供給部40は、空気中の水分を利用して、放電電極10に液体(結露水)70を供給できるため、放電装置1への液体の供給、及び補給が不要になる。
制御回路50は、電圧印加回路30及び液体供給部40の動作を制御する。制御回路50は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とする。マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより、制御回路50の各機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネットなどの電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカードなどの非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
ボディ60は、電気絶縁性を有する合成樹脂により、上面に開口部61が設けられた箱形に形成されている。ボディ60は、放電電極10と電極20と冷却装置41とを保持する。
具体的には、一対の放熱板412の一部がボディ60に埋め込まれることによって、一対の放熱板412がボディ60に保持されている。ここで、一対の放熱板412のうち、少なくともペルチェ素子411を保持する部位はボディ60から露出する。一対のペルチェ素子411には放電電極10の基端部102が固定されているので、ボディ60が一対の放熱板412を保持することによって、放電電極10がボディ60に保持されている。放電電極10は、基端部102がボディ60の底壁付近に配置され、先端部101がボディ60の開口部61側に向かうようにして、ボディ60に保持されている。本実施形態では、ボディ60には、ペルチェ素子411を覆う円板状のカバー63が取り付けられている。カバー63の中央には丸孔状の貫通孔64が設けられている。放電電極10はカバー63の貫通孔64を通してカバー63の上側に突出している。
また、ボディ60の開口部61付近には、複数(例えば4つ)の突出部201を有する電極20が取り付けられている。ここで、電極20の外観検査を行う場合の観察方向D1からボディ60を見た場合に、開口部202の中央に放電電極10が位置するように、放電電極10と電極20とがボディ60に保持されている。電極20が備える4つの突出部201は、開口部202の周方向において等間隔に配置され、開口部202の内周縁から、開口部202の中心に向けて突出している。各突出部201の先端部は上側から見た形状が半円形に形成されているので、各突出部201は、先端部側ほど、各突出部201と放電電極10との間の寸法W1が小さくなっている。これにより、各突出部201の先端部で電界集中が発生しやすくなり、その結果、各突出部201の先端部と放電電極10の先端部101との間で、放電が安定的に生じやすくなる。
(2.2)動作
本実施形態の放電装置1では、制御回路50が、液体供給部40の動作を制御することによって、放電電極10に対して液体70を供給する。また、制御回路50が、電圧印加回路30を制御して、放電電極10と電極20との間に電圧を印加させることによって、放電電極10に保持されている液体70は、電界による力を受けてテイラーコーン(Taylor cone)と呼ばれる円錐状の形状を成す。そして、テイラーコーンの先端部(頂点部)に電界が集中することで、放電が発生する。
ところで、本実施形態の放電装置1では、電圧印加回路30が、互いに隙間を介して対向するように配置される放電電極10及び電極20間に電圧を印加することにより、放電を生じさせる。放電装置1は、放電の発生時には、放電電極10と対向電極である電極20との間に、部分的に絶縁破壊された放電経路を形成する。放電経路L1は、第1絶縁破壊領域R1と、第2絶縁破壊領域R2と、を含む(図5参照)。第1絶縁破壊領域R1は、放電電極10の周囲に生成される。第2絶縁破壊領域R2は、対向電極である電極20の周囲に生成される。なお、図5では放電電極10及び電極20を模式的に図示しており、放電電極10に保持されている液体70の図示を省略している。
このように、放電電極10と電極20との間には、全体的にではなく部分的(局所的)に、絶縁破壊された放電経路L1が形成される。本開示でいう「絶縁破壊」は、導体間を隔離している絶縁体(気体を含む)の電気絶縁性が破壊され、絶縁状態が保てなくなることを意味する。気体の絶縁破壊は、例えば、イオン化された分子が電場により加速されて他の気体分子に衝突してイオン化し、イオン濃度が急増して気体放電を起こすために生じる。要するに、本実施形態に係る放電装置1による放電の発生時には、放電電極10と電極20とを結ぶ経路上に存在する気体(空気)において、部分的に、つまり一部でのみ、絶縁破壊が生じることになる。このように、放電電極10と電極20との間に形成される放電経路L1は、全路破壊には至らず、部分的に絶縁破壊された経路である。
そして、放電経路L1は、放電電極10の周囲に生成される第1絶縁破壊領域R1と、電極20の周囲に生成される第2絶縁破壊領域R2と、を含んでいる。つまり、第1絶縁破壊領域R1は、放電電極10の周囲の絶縁破壊された領域であって、第2絶縁破壊領域R2は、電極20の周囲の絶縁破壊された領域である。これら第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2は、互いに接触しないように離れて存在している。そのため、放電経路L1は、少なくとも第1絶縁破壊領域R1と第2絶縁破壊領域R2との間において、絶縁破壊されていない領域(絶縁領域)を含んでいる。よって、放電電極10と電極20との間の放電経路L1は、少なくとも一部に絶縁領域を残しつつ、部分的に絶縁破壊が生じることで電気的な絶縁性が低下した状態になる。
以上説明したような放電装置1によれば、放電電極10と電極20との間に、全体的にではなく部分的に、絶縁破壊された放電経路L1が形成される。このように、部分的な絶縁破壊が生じた放電経路L1、言い換えれば、一部は絶縁破壊されていない放電経路L1であっても、放電電極10と電極20との間には、放電経路L1を通して電流が流れ、放電が生じる。このように、部分的に絶縁破壊された放電経路L1が形成される形態の放電を、以下では「部分破壊放電」と称する。
このような部分破壊放電においては、コロナ放電と比較して大きなエネルギーでラジカルが生成され、コロナ放電と比較して2~10倍程度の大量のラジカルが生成される。このようにして生成されるラジカルは、除菌、脱臭、保湿、保鮮、ウイルスの不活化にとどまらず、様々な場面で有用な効果を奏する基となる。ここで、部分破壊放電によってラジカルが生成される際には、オゾンも発生する。ただし、部分破壊放電では、コロナ放電と比較して2~10倍程度のラジカルが生成されるのに対して、オゾンの発生量はコロナ放電の場合と同程度に抑えられる。
また、部分破壊放電とは別に、コロナ放電から進展して絶縁破壊(全路破壊)に至る、という現象が間欠的に繰り返される形態の放電がある。このような形態の放電を、以下では「全路破壊放電」と称する。全路破壊放電では、コロナ放電から進展して絶縁破壊(全路破壊)に至ると比較的大きな放電電流が瞬間的に流れ、その直後に印加電圧が低下して放電電流が遮断され、また印加電圧が上昇して絶縁破壊に至る、という現象が繰り返される。全路破壊放電においては、部分破壊放電と同様に、コロナ放電と比較して大きなエネルギーでラジカルが生成され、コロナ放電と比較して2~10倍程度の大量のラジカルが生成される。ただし、全路破壊放電のエネルギーは、部分破壊放電のエネルギーに比べても更に大きい。そのため、エネルギー準位が「中」の状態で、オゾンが消失しラジカルが増加することによって、ラジカルが大量に発生したとしても、その後の反応経路においてエネルギー準位が「高」となることで、ラジカルの一部が消失する可能性がある。
言い換えれば、全路破壊放電では、その放電に係るエネルギーが高すぎるが故に、生成されたラジカルなどの有効成分(空気イオン、ラジカル及びこれを含む帯電微粒子液など)の一部が消失して、有効成分の生成効率の低下につながる可能性がある。結果的に、部分破壊放電を採用した本実施形態に係る放電装置1によれば、全路破壊放電と比較しても、有効性分の生成効率の向上を図ることができる。したがって、本実施形態に係る放電装置1では、コロナ放電及び全路破壊放電のいずれの放電形態と比較しても、ラジカルなどの有効性分の生成効率の向上を図ることができる、という利点がある。
(2.3)電極の製造方法
本実施形態の電極20の製造方法は、電極20の外観検査を行う場合の観察方向D1から見た電極20の表面20Aのうち、電極20の少なくとも一部の輪郭部分22を含む対象領域21に強調部23を形成する工程を含む。
本実施形態では、金属(例えばチタン合金など)の板金にプレス加工を施すことによって、開口部202の内周縁に複数の突出部201を有する電極20を形成する。そして、電極20の表面20A(図1の上面)のうち、各突出部201の対象領域21に含まれる輪郭部分22に、面取り加工(例えば切削、研磨、又はつぶし加工などの加工)を施すことで、強調部23となる傾斜面211を形成する。
ここにおいて、本実施形態では、各突出部201の対象領域21に、外観検査での観察方向D1と傾斜面211の法線方向とが90度未満の角度で交差するような平面状の傾斜面211を形成しているが、傾斜面211は平面に限定されない。例えば、強調部23となる傾斜面211は、各突出部201の上面と側面との角部に設けられた、所定の曲率半径の曲面でもよい。
(2.4)電極の外観検査
本実施形態において、ボディ60に放電電極10と電極20とが保持された状態で電極20の外観検査を行う場合、例えば、図1に示すように、放電装置1の上側にカメラ80と検査用照明90とが配置される。
検査用照明90は、カメラ80の全周に例えば発光ダイオード等の光源が配置されたリング照明であり、カメラ80の全周から放電装置1に対して光を照射する。
電極20の外観検査は、検査用照明90からの光を観察方向D1から放電装置1に照射させた状態で、カメラ80で放電装置1を撮影する。カメラ80は、放電装置1において放電電極10及び電極20が配置された領域を少なくとも含む撮影領域を撮影する。そして、カメラ80の映像を例えば画像処理することで、放電電極10と電極20との間の寸法D1を計測することができる。すなわち、本実施形態に係る電極20の検査方法では、電極20に検査用照明90からの光を照射した状態で、観察方向D1から電極20の表面を観察した画像を用いて、電極20の外観検査を行う。
本実施形態では、電極20の表面20Aのうち、電極20の少なくとも一部(例えば各突出部201の先端部分)の輪郭部分22を含む対象領域21に、傾斜面211を含む強調部23が設けられている。このような電極20に、検査用照明90からの光が照射された場合、図3に示すように、傾斜面211(強調部22)以外の領域で反射された光の多くはカメラ80に入射されるが、傾斜面211で反射された光の多くはカメラ80と異なる方向に反射される。また、検査用照明90からの光のうち電極20の開口部202を通して、放電装置1の内部に照射された光は、放電装置1の内部にある部材(例えば、放電電極10及びカバー63など)で反射されてカメラ80に入射する。したがって、傾斜面211(強調部23)で反射されてカメラ80に入射する光の単位面積あたりの光量は、強調部23の周辺部分300で反射されてカメラ80に入射する光の単位面積あたりの光量に比べて少なくなる。
図6Aは、電極20の外観検査を行う場合にカメラ80で撮影された画像G1の一例を示している。画像G1は、例えば、白黒の濃淡画像である。電極20の表面20Aのうち、各突出部201の対象領域21には強調部23として傾斜面211が形成されているので、傾斜面211は、周辺部分300(電極20の隣接領域24及び放電装置1の内部の領域)に比べて暗く映っている。したがって、本実施形態の電極20では、カメラ80の画像G1に基づいて、電極20の輪郭部分22を検出しやすくなる、という利点がある。
ここで、各突出部201の輪郭部分22を含む対象領域21に強調部23が設けられていない場合、カメラ80で撮影された画像は図6Bに示すような画像G2となる。電極20が強調部23を備えていない場合、対象領域21の明るさと、対象領域21の周辺部分の明るさとの差が小さくなり、各突出部201の輪郭部分22が、ぼやけて映ってしまう。このように、図6Bの画像G2では、強調部23が存在しないため、各突出部201の先端部と周辺部分300とで明るさの差が小さくなり、各突出部201の先端部の位置、つまり各突出部201の輪郭部分22を検出しにくくなる。
それに対して、本実施形態の電極20では、各突出部201の対象領域21に強調部23が設けられているので、画像G1において、強調部23の明るさと、周辺部分300の明るさとの差を大きくできる。したがって、カメラ80の画像G1に基づいて電極20の各突出部201の先端部、つまり輪郭部分22の位置を検出しやすくなる。よって、外観検査での観察方向D1から見た電極20の表面20Aのうち、各突出部201の先端部と放電電極10との間の寸法W1を計測しやすくなり、放電電極10と対向電極である電極20との間の寸法W1を適正な範囲に管理することができる。
ところで、図7に示すように、カメラ80による観察方向D1と異なる方向から電極20に光が照射されるように検査用照明90Aが配置されてもよい。この場合、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、電極20の表面20Aのうち強調部23以外の部位によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて増加する。また、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、放電装置1の内部にある部材によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて増加する。したがって、カメラ80の画像において、電極20の対象領域21に設けられた強調部23と周辺部分300とのコントラストを大きくでき、電極20の強調部23、つまり電極20の輪郭部分を検出しやすくなる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(3.1)変形例1
上記実施形態では、電極20の表面20Aのうち対象領域21に設けられた強調部23が、対象領域21の輪郭部分22に形成された傾斜面211であったが、強調部23は傾斜面211に限定されない。
変形例1の電極20では、強調部23の表面の性状が、電極20の表面20Aにおいて強調部23と隣接する隣接領域24の表面の性状と異なっており、この点で変形例1の電極20は上記実施形態と相違する。
ここにおいて、強調部23及び隣接領域24の表面の性状とは、表面の凹凸、面粗さ、表面での光の反射率、表面の色などのうちの少なくとも1つである。
例えば、変形例1の電極20では、対象領域21の表面に例えばローレット加工を施すことによって微小な凹凸形状を形成しており、凹凸形状が形成された部位を強調部23としている。一方、電極20の表面20Aにおいて強調部23に隣接する隣接領域24の表面には凹凸形状が形成されておらず、強調部23に比べて隣接領域24の表面が平坦に形成されている。これにより、強調部23の表面で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量は、隣接領域24の表面で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量よりも少なくなる。したがって、カメラ80の画像において、電極20の対象領域21に設けられた強調部23と隣接領域24とのコントラストを大きくでき、電極20の強調部23、つまり電極20の輪郭部分を検出しやすくなる。
なお、強調部23及び隣接領域24の表面の性状とは、表面の凹凸形状に限定されない。強調部23での反射率が、隣接領域24での反射率よりも低くなるように、強調部23の表面と隣接領域24の表面との少なくともいずれか一方にめっき処理を施してもよい。例えば、電極20の表面20Aにおいて強調部23の表面に防眩性めっきを施すことで、強調部23の表面での反射率を隣接領域24の表面での反射率よりも低下させる。一方、隣接領域24の表面での反射率を強調部23の表面での反射率よりも高くするために、隣接領域24の表面には鏡面反射めっきを形成するか、又は防眩性めっきを施さない。これによって、強調部23での反射率が、隣接領域24での反射率よりも低くなる。したがって、検査用照明90の光を電極20に照射させた状態で、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、隣接領域24によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて減少する。よって、カメラ80の画像において、対象領域21と隣接領域24とのコントラストが強調され、カメラ80の画像に基づいて電極20の対象領域21(つまり対象領域21に含まれる輪郭部分22)を検出しやすくなる。
また、強調部23での反射率を、隣接領域24での反射率よりも低くなるように、強調部23の表面の面粗度と隣接領域24の表面の面粗度とを互いに異ならせてもよい。例えば、強調部23の表面が、隣接領域24の表面よりも粗くなるように、強調部23と隣接領域24との少なくとも一方に切削又は研磨などの表面処理を施してもよい。強調部23の表面を、隣接領域24の表面よりも粗くすることによって、強調部23での反射率が、隣接領域24での反射率が低くなる。これによって、検査用照明90の光を電極20に照射させた状態で、強調部23によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、隣接領域24によって観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて減少する。したがって、カメラ80の画像において、対象領域21と隣接領域24とのコントラスが強調されるので、カメラ80の画像に基づいて電極20の対象領域21を検出しやすくなる。
また、対象領域21と隣接領域24とで色彩のコントラスが強調されるように、強調部23の表面及び隣接領域24の表面の少なくとも一方を、例えば塗装又はレーザー着色などの方法で、互いに異なる色に着色してもよい。この場合、カメラ80はカラー画像を出力するものが好ましい。対象領域21と隣接領域24とで色彩のコントラスが強調されるので、カメラ80の画像に基づいて、電極20の対象領域21に含まれる輪郭部分22を検出しやすくなる。
なお、強調部23で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、隣接領域24で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて増加するように、強調部23と隣接領域24との表面の性状が互いに異なっていてもよい。この場合も、カメラ80の画像において、強調部23と隣接領域24とでコントラストが強調されるので、電極20の対象領域21に含まれる輪郭部分22を検出しやすくできる。
(3.2)変形例2
変形例2の電極20では、図8に示すように、対象領域21が有する強調部23の材料が、電極20において強調部23と隣接する隣接領域24の材料と異なる点で、上記実施形態と相違する。
ここにおいて、強調部23の材料が隣接領域24の材料と異なるとは、強調部23の全体の材料が隣接領域24の全体の材料と異なることに限定されない。例えば、強調部23の表面を構成する部材の材料が、隣接領域24の表面を構成する部材の材料と互いに異なっていればよい。例えば、電極20の対象領域21の表面に積層するように固着された、隣接領域24とは異なる金属で強調部23が構成されていてもよい。
このように、強調部23の材料を、隣接領域24の材料と異なる材料とすることで、強調部23の表面と隣接領域24の表面とで光の反射率と反射方向との少なくとも一方に違いが発生する。例えば、検査用照明90の光を電極20に照射させた状態で、強調部23で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が比べて、隣接領域24で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて減少すると、カメラ80の画像において、対象領域21と隣接領域24とのコントラスが強調される。よって、カメラ80の画像に基づいて電極20の対象領域21を検出しやすくなる。
なお、変形例2においても、強調部23で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量が、隣接領域24で観察方向D1に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて増加するように、強調部23と隣接領域24とで材料を互いに異ならせてもよい。この場合も、強調部23と隣接領域24とでコントラストが強調されるので、電極20の対象領域21を検出しやすくできる。
(3.3)その他の変形例
放電装置1が採用する放電形態は、上記の実施形態で説明した形態に限らない。例えば、放電装置1は、コロナ放電から進展して全路破壊に至る、という現象が間欠的に繰り返される形態の放電、つまり「全路破壊放電」を採用してもよい。この場合、放電装置1においては、コロナ放電から進展して全路破壊に至ると比較的大きな放電電流が瞬間的に流れ、その直後に印加電圧が低下して放電電流が遮断され、また印加電圧が上昇して全路破壊に至る、という現象が繰り返される。
放電装置1は、帯電微粒子液を生成するための液体供給部40が省略されていてもよい。この場合、放電装置1は、放電電極10と電極20との間に生じる放電によって、有効成分としての空気イオンを生成する。
また、電圧印加回路30は、放電電極10を正極(プラス)、電極20を負極(グランド)として、放電電極10と電極20との間に高電圧を印加するように構成されていてもよい。さらに、放電電極10と電極20との間に電位差(電圧)が生じればよいので、電圧印加回路30は、高電位側の電極(正極)をグランドとし、低電位側の電極(負極)をマイナス電位とすることで、放電電極10と電極20との間にマイナスの電圧を印加してもよい。すなわち、電圧印加回路30は、放電電極10をグランドとし、電極20をマイナス電位としてもよいし、又は放電電極10をマイナス電位とし、電極20をグランドとしてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る電極(20)は、放電装置用の電極である。電極(20)は、電極(20)の外観検査を行う場合の観察方向(D1)から見た電極(20)の表面(20A)のうち、電極(20)の少なくとも一部の輪郭部分(22)を含む対象領域(21)に強調部(23)を有する。強調部(23)は、輪郭部分(22)と周辺部分(300)とのコントラストを強調する。
この態様によれば、電極(20)の輪郭部分(22)を検出しやすいという利点がある。
第2の態様に係る電極(20)では、第1の態様において、対象領域(21)は、電極(20)において放電を生じる放電部位とは異なる領域である。
この態様によれば、強調部(23)を設けることによって放電部位での放電が妨げられる可能性を低減できる。
第3の態様に係る電極(20)では、第1又は2の態様において、強調部(23)は、外観検査において検査用照明(90)からの光が電極(20)に照射された状態で、第1の光量を、第2の光量に比べて増加又は減少させる。第1の光量は、強調部(23)によって観察方向(D1)に反射される光の単位面積あたりの光量である。第2の光量は、電極(20)の表面(20A)のうち強調部(23)以外の部位によって観察方向(D1)に反射される光の単位面積あたりの光量である。
この態様によれば、輪郭部分(22)と周辺部分(300)とで明暗を強調することで、電極(20)の輪郭部分(22)を検出しやすくなるという利点がある。
第4の態様に係る電極(20)では、第1~3のいずれかの態様において、強調部(23)は、電極(20)の表面(20A)において強調部(23)と隣接する隣接領域(24)に対して傾斜する傾斜面(211)を含む。
この態様によれば、傾斜面(211)で反射される光の向きと隣接領域(24)で反射される光の向きを互いに異ならせることで、傾斜面(211)と隣接領域(24)とで観察方向(D1)に反射される光の光量を異ならせることができる。
第5の態様に係る電極(20)では、第4の態様において、傾斜面(211)が平面を含む。
この態様によれば、傾斜面(211)で反射される光の向きと隣接領域(24)で反射される光の向きを互いに異ならせることで、傾斜面(211)と隣接領域(24)とで観察方向(D1)に反射される光の光量を異ならせることができる。
第6の態様に係る電極(20)では、第4又は5の態様において、傾斜面(211)が曲面を含む。
この態様によれば、傾斜面(211)で反射される光の向きと隣接領域(24)で反射される光の向きを互いに異ならせることで、傾斜面(211)と隣接領域(24)とで観察方向(D1)に反射される光の光量を異ならせることができる。
第7の態様に係る電極(20)では、第1~6のいずれかの態様において、強調部(23)の表面の性状が、電極(20)の表面(20A)において強調部(23)と隣接する隣接領域(24)の表面の性状と異なる。
この態様によれば、強調部(23)の表面の性状と隣接領域(24)の表面の性状とを異ならせることで、強調部(23)と隣接領域(24)とで光の反射率及び反射方向の少なくとも一方を異ならせることができる。したがって、この態様によれば、傾斜面(211)と隣接領域(24)とで観察方向(D1)に反射される光の光量を異ならせることができる。
第8の態様に係る電極(20)では、第1~7のいずれかの態様において、強調部(23)の材料が、電極(20)において強調部(23)と隣接する隣接領域(24)の材料と異なる。
この態様によれば、強調部(23)の材料と隣接領域(24)の材料とを異ならせることで、強調部(23)と隣接領域(24)とで光の反射率及び反射方向の少なくとも一方を異ならせることができる。したがって、この態様によれば、傾斜面(211)と隣接領域(24)とで観察方向(D1)に反射される光の光量を異ならせることができる。
第9の態様に係る放電装置(1)は、第1~8のいずれかの態様の電極(20)と、電極(20)と隙間を介して対向する放電電極(10)と、電極(20)と放電電極(10)との間に電圧を印加する電圧印加回路(30)と、を備える。
この態様によれば、輪郭部分(22)を検出しやすい電極(20)を備えた放電装置(1)を提供できる。
第10の態様に係る電極の製造方法は、第1~8のいずれかの態様に係る電極(20)の製造方法である。当該製造方法は、電極(20)の外観検査を行う場合の観察方向(D1)から見た電極(20)の表面(20A)のうち、電極(20)の少なくとも一部の輪郭部分(22)を含む対象領域(21)に、強調部(23)を形成する工程を含む。
この態様によれば、輪郭部分(22)を検出しやすい電極(20)の製造方法を提供できる。
第11の態様に係る電極の検査方法は、第1~8のいずれかの態様に係る電極(20)の検査方法である。当該検査方法は、電極(20)に検査用照明(90)からの光を照射した状態で、観察方向(D1)から電極(20)の表面(20A)を観察した画像(G1)を用いて、電極(20)の外観検査を行う。
この態様によれば、輪郭部分(22)を検出しやすい電極(20)の外観検査を行うことができる。
第2~8の態様に係る構成については、電極(20)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
電極、及び放電装置は、ドライヤー、美顔器、加湿器、空気清浄機、空気調和機、扇風機、冷蔵庫、洗濯機、自動車などの多様な用途に適用することができる。
1 放電装置
10 放電電極
20 電極
20A 表面
21 対象領域
22 輪郭部分
23 強調部
24 隣接領域
30 電圧印加回路
90 検査用照明
211 傾斜面
300 周辺部分
D1 観察方向

Claims (11)

  1. 放電電極と隙間を介して配置される放電装置用の電極であって、
    前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有
    前記強調部が、前記電極における前記放電電極と反対側の面にある、
    電極。
  2. 放電装置用の電極であって、
    前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有し、
    前記強調部の表面の性状が、前記電極の表面において前記強調部と隣接する隣接領域の表面の性状と異なる、
    電極。
  3. 放電装置用の電極であって、
    前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を有し、
    前記強調部の材料が、前記電極において前記強調部と隣接する隣接領域の材料と異なる、
    電極。
  4. 前記対象領域は、前記電極において放電を生じる放電部位とは異なる領域である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 前記強調部は、前記外観検査において検査用照明からの光が前記電極に照射された状態で、前記強調部によって前記観察方向に反射される光の単位面積あたりの光量を、前記電極の表面のうち前記強調部以外の部位によって前記観察方向に反射される光の単位面積あたりの光量に比べて増加又は減少させる、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 前記強調部は、前記電極の表面において前記強調部と隣接する隣接領域に対して傾斜する傾斜面を含む、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電極。
  7. 前記傾斜面が平面を含む、
    請求項6に記載の電極。
  8. 前記傾斜面が曲面を含む、
    請求項6又は7に記載の電極。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電極と、
    前記電極と隙間を介して対向する放電電極と、
    前記電極と前記放電電極との間に電圧を印加する電圧印加回路と、を備える、
    放電装置。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電極の製造方法であって、
    前記電極の外観検査を行う場合の観察方向から見た前記電極の表面のうち、前記電極の少なくとも一部の輪郭部分を含む対象領域に、前記輪郭部分と周辺部分とのコントラストを強調するための強調部を形成する工程を含む、
    電極の製造方法。
  11. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電極の検査方法であって、
    前記電極に検査用照明からの光を照射した状態で、観察方向から前記電極の表面を観察した画像を用いて、前記電極の前記外観検査を行う、
    電極の検査方法。
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