JP7008924B2 - マニピュレータおよび手術支援ロボットシステム - Google Patents

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Description

本発明はマニピュレータに関し、例えば、外科手術、特に内視鏡下外科手術を行う際に用いられる、シャフトの先端に姿勢変更可能なエンドエフェクタを備えた医療用のマニピュレータ、および手術支援ロボットシステムに関する。
内視鏡下外科手術(または腹腔鏡下手術とも呼ばれる。)においては、患者の腹部等に複数の孔を開け、これらの孔にトラカール(筒状の器具)を挿入した後、各トラカールを通して、腹腔鏡(カメラ)と複数の鉗子を体腔内に挿入する。鉗子の先端部には、エンドエフェクタとして、生体組織を把持するためのグリッパや、鋏、電気メスのブレード等が取り付けられている。腹腔鏡と鉗子を体腔内に挿入したら、腹腔鏡に接続されたモニタに映る腹腔内の様子を見ながら鉗子を操作して手術を行う。このような手術方法は、開腹を必要としないため、患者への負担が少なく、術後の回復や退院までの日数が大幅に低減される。このため、このような手術方法は、適用分野の拡大が期待されている。
トラカールから挿入される鉗子として、先端部に関節を持たない一般的な鉗子に加えて、先端部に複数の関節を有して先端部の姿勢を変更できる鉗子、いわゆる医療用マニピュレータの開発が行われている。特許文献1に記載された医療用マニピュレータは、エンドエフェクタとしてグリッパを有し、グリッパ全体のピッチ軸回りの回転、ヨー軸回りの回転、グリッパ軸(=ヨー軸)回りのグリッパの開閉が可能である。このような医療用マニピュレータによれば、体腔内で自由度の高い動作が可能であり、手技が容易となり、適用可能な症例が多くなる。
特開2011-200593号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、ピッチ軸とヨー軸(グリッパ軸)の間に、機構干渉が生じる。例えば、ピッチ軸回りにグリッパ全体を回転させると、これに伴ってグリッパにヨー軸回りの回転が発生する。そのため、ピッチ軸を単独で動作させる場合、ヨー軸・グリッパ軸に対して機構干渉に応じた動作(アクチュエータの駆動)を行わなければならない。すなわち、ピッチ軸回りの回転を行う場合には、機構干渉を打ち消すためのヨー軸(グリッパ軸)回りの回転が必要となり、制御系の複雑さが生じる。また、把持力の調整は、生体組織を扱ううえで非常に重要であるが、機構干渉がある場合、ユーザ(医師、術者)の操作力を機械的に伝達してエンドエフェクタ(グリッパ)の把持力を調整することが困難となる。
本発明は、ワイヤの往復動作により駆動される被駆動部への機構干渉の発生を低減もしくは解消することを目的とする。
本発明の一態様によるマニピュレータは、
第1部材と、
前記第1部材を、第1回転軸を中心に回転可能に支持する第2部材と、
前記第1部材と接続し、前記第1部材の回転動作に応じて前記第1回転軸を中心とした円周上を移動する被駆動部と、
前記被駆動部を駆動する力を往復動作により提供する可撓性部材と、
前記第1部材の回転動作に応じて、前記可撓性部材の経路を変更させる弧状のガイド面を有する変更手段と、を備え、
前記弧状のガイド面は、前記第1部材が回転動作する間、前記可撓性部材の前記往復動作における往路と復路のそれぞれの経路長を実質的に維持するように配置されており
前記第2部材は、前記第1部材を支持する側とその反対側とを連通し、前記可撓性部材の経路の一部を提供する連通部を有し、
前記変更手段は、前記連通部の一部を形成し、
前記連通部は、前記可撓性部材の前記往路と前記復路に対応して前記第2部材に別々に設けられた貫通穴を含み、
前記貫通穴は、前記可撓性部材を通した状態で5mmHg~20mmHgの気腹圧を維持できる気密性を有する
本発明によれば、ワイヤの往復動作により駆動される被駆動部への機構干渉の発生が低減もしくは解消される。
図1は、実施形態によるマニピュレータの端部機構を示す斜視図である。 図2は、端部機構を構成する接続部材の構造を説明する図である。 図3は、実施形態によるマニピュレータにおけるワイヤのまき掛け状態を説明する図である。 図4は、弧状ガイド部の配置を説明する図である。 図5は、弧状ガイド部の配置を説明する図である。 図6は、ワイヤ長誤差eに関する計算結果の例を示す図である。 図7は、ワイヤ長誤差eに関する計算結果の例を示す図である。 図8は、ワイヤ長誤差eに関する計算結果の例を示す図である。 図9は、実施形態による医療用マニピュレータの外観を示す模式図(9a)と、操作部の構造を示す模式図(9b)である。 図10は、図9に示した医療用マニピュレータのA-Aからみた模式図である。 図11は、図9に示した医療用マニピュレータのラチェット機構を説明する模式図である。 図12は、全軸の駆動をモータ駆動により行う医療用マニピュレータの外観を示す模式図(12a)と、駆動部の構成例を示す模式図(12b)である。 図13は、全軸の駆動をモータ駆動により行う医療用マニピュレータの他の構成の外観を示す模式図(13a)と、駆動部の構成例を示す模式図(13b~13c)である。 図14は、ワイヤの経路長の変化と機構干渉を説明する図である。 図15は、手術支援ロボットシステムの構成例を示す図である。 図16は、過負荷防止機構の構成例を示す図である。 図17は、過負荷防止機構の他の構成例を示す図である。 図18Aは、医療用マニピュレータの他の例の外観および構造を示す図である。 図18Bは、図18Aに示した医療用マニピュレータにおけるワイヤの経路を説明する図である。 図19Aは、医療用マニピュレータのさらに他の例の外観を示す図である。 図19Bは、図19Aに示した医療用マニピュレータにおけるワイヤの経路を説明する図である。 図20は、図19A,19Bに示した医療用マニピュレータにおける、ワイヤの動作を説明する図である。 図21は、ロール軸回りの回転が可能な医療用マニピュレータの構成例を示す図である。 図22は、ワイヤのオフセット角度を説明する図である。 図23は、ワイヤガイドプーリに代わるガイド部の例を示す図である。 図24は、ワイヤガイド部材の他の例を示す図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では医療用マニピュレータについて説明するが、本発明は医療用に限定されるものではない。また、エンドエフェクタとしてグリッパを適用した例を説明するが、これに限定されるものでもない。また、以下の実施形態では、医療用マニピュレータの先端部に設けられた端部機構を説明するが、本発明は端部機構に限られるものではない。本発明は、ワイヤの往復動作によって駆動される被駆動部を接続する第1部材が、第1回転軸を中心に回転可能に第2部材に支持された構成を有する関節機構に適用され得るものである。
図9の9aは、本実施形態による医療用マニピュレータ1の外観を示す図である。医療用マニピュレータ1は、端部機構10、中空シャフト20、操作部30を有する。端部機構10は中空シャフト20の端部側に接続されており、操作部30は中空シャフト20の基部側に接続されている。
図1は、端部機構10を示す斜視図である。端部機構10は、被駆動部としてのエンドエフェクタ100と、第1部材としての手首部材120と、第2部材としての接続部材140を有する関節機構を備える。エンドエフェクタ100は端部機構10の先端部に設けられる。手首部材120は、エンドエフェクタ100を、第2回転軸としてのヨー軸131を中心に回転可能に支持する。接続部材140は、第1回転軸としてのピッチ軸132を中心に回転可能に手首部材120を支持するとともに中空シャフト20と接続する。なお、ピッチ軸132は、中空シャフト20の長手方向の軸である中心軸133とヨー軸131とを含む面に垂直な方向の軸である。エンドエフェクタ100は、手首部材120とヨー軸131において接続し、手首部材120のピッチ軸132を中心とした回転動作に応じて、ピッチ軸132を中心とした円周上を移動することになる。
本実施形態では、エンドエフェクタ100として、一対のグリッパ部材101a、101bにより構成されたグリッパを用いた例を説明する。グリッパ部材101aとグリッパ部材101bは同様の構造を有しているので、以下、これらを区別しない場合には添え字を省略する。グリッパ部材101は、グリップ部102、ワイヤガイド部103、ワイヤ通路104を有する。グリッパ部材101は、回転軸122によってヨー軸131を中心に回転可能に手首部材120と接続されており、この回転によりグリッパ部材101のヨー方向への回転動作およびグリッパ部材101の開閉動作が実現される。すなわち、グリッパ部材101aとグリッパ部材101bを同時に同じ方向へ回転させることで、エンドエフェクタ100のヨー軸131を中心とした回転動作が実現される。また、グリッパ部材101aとグリッパ部材101bのヨー軸131を中心とした反対方向への回転によりグリッパの開閉動作が実現される。したがって、本実施形態の端部機構10では、ヨー軸131はグリッパ軸を兼ねている。なお、グリッパ部材101の回転動作の力は、ワイヤ通路104を通してワイヤガイド部103に沿って敷設されたワイヤ(図3の参照により後述する第1ワイヤ161と第2ワイヤ162)の往復動作により提供される。なお、ワイヤには、ステンレスやタングステンのような金属ワイヤに限らず、繊維系のロープ(例えばケブラーロープ)などの可撓性部材を用いることができるが、以下ではワイヤと記載する。
手首部材120は、取付部121と回転支持部123を有する。取付部121は、エンドエフェクタ100(グリッパ部材101a、101b)を、ヨー軸131を中心に回転可能に支持する。より具体的には、取付部121は、エンドエフェクタ100のワイヤガイド部103a、103bをヨー軸131の方向に挟み、回転軸122によりワイヤガイド部103を回転可能に保持する。回転支持部123は、接続部材140に対してピッチ軸132を中心とした回転が可能に手首部材120を取り付けるための構成を有する。より具体的には、回転支持部123は、ピッチ軸132の方向へ突出した突起部124と、ピッチ軸132を中心として手首部材120を回転させる力を提供するためのワイヤ(図3により後述する第3ワイヤ163)が敷設されるワイヤガイド部125とを有する。手首部材120を回転する力は第3ワイヤ163の往復動作により提供される。突起部124は接続部材140により回転可能に支持される。なお、回転支持部123の突起部124の代わりに、回転支持部123に穴部を設け、突起部124を軸部材とし、軸と穴の関係の構成にしてもよい。
接続部材140は、中空シャフト20の先端側と接続するための接続部141と、手首部材120を、ピッチ軸を中心として回転可能に支持する支持部142とを含む。図2に接続部材140の構造を示す。接続部141において外径が小さくなっている部分は、中空シャフト20の内径と勘合する。支持部142において、軸受部143は手首部材120の突起部124を回転可能に支持する。手首部材120には、ワイヤガイド部125に沿って敷設されたワイヤによって中空シャフト20の基部側へ向かう力が加わり、これにより手首部材120が接続部材140に回転可能に装着された状態となる。なお、上述のように突起部124を軸部材とする場合には、軸部材を軸受部143に固着してもよい。固着させることでワイヤの張力に関係なく、手首部材120が接続部材140に回転可能に装着された状態とすることができる。
接続部材140には、ワイヤを通すための貫通穴145a~145fが設けられている。グリッパ部材101aを、ヨー軸131を中心として回転させるための第1ワイヤ161(図3)の往復動作の往路と復路には、貫通穴145a、145cが設けられている。また、グリッパ部材101bを、ヨー軸131を中心として回転させるための第2ワイヤ162(図3)の往復動作の往路と復路には貫通穴145b、145dが設けられている。さらに、手首部材120を、ピッチ軸132を中心として回転させるための第3ワイヤ163(図3)の往復動作の往路と復路には貫通穴145eと145fが設けられている。これらの貫通穴145a~145fは、手首部材120を支持する側とその反対側である中空シャフト20の内部とを連通させ、ワイヤが通るための連通部を形成している。なお、貫通穴145a~145dは、ワイヤの経路ごとに別々に設けられているがこれに限られるものではない。手首部材120が回転した際のワイヤの経路を弧状ガイド部144と連携して形成する構成であればよい。したがって、例えば、貫通穴145aと145bを連結した長円形状、矩形形状など、中空シャフト20との間にワイヤを通す連通部があればよい。
弧状ガイド部144a~144dは、エンドエフェクタ100を、手首部材120に対してヨー軸131回りに回転させるためのワイヤ(第1ワイヤ161、第2ワイヤ162)の経路を変更するための弧状のガイド面を有する。弧状のガイド面の形状は、円弧、楕円弧などとすることができるが、本実施形態では円弧を適用する。弧状ガイド部144a~144dは、貫通穴145a~145dを有する連通部において、中心軸133とピッチ軸132を含む平面を上下から挟むように、弧状のガイド面を対向させて配置されている。こうして、弧状ガイド部144a~144dと貫通穴145a~145dは、手首部材120の回転に応じてワイヤの経路を変更する変更手段として機能する。なお、本実施形態では、弧状ガイド部144a~144dは同じ形状のガイド面を有しており、弧状ガイド部144aと144c、弧状ガイド部144bと144dは、ピッチ軸132と中心軸133を含む平面に対して対称に配置されている。貫通穴145a~145dは、ピッチ軸132と中心軸133を含む平面上において、それぞれピッチ軸と平行に並んでいる。
なお本実施形態では、ピッチ軸132と中心軸133を含む平面を挟んで手首部材120のピッチ軸回りの回転動作範囲が等しく、弧状ガイド部144aと144b、弧状ガイド部144cと144dのガイド面を対称に配置している。しかしながら、図14により後述するように、弧状ガイド部144aと144c、弧状ガイド部144bと144dは、手首部材120の回転動作の間、ワイヤの往路と復路のそれぞれの経路長を維持するように配置されればよい。したがって弧状ガイド部144は必ずしも上記のように対称に配置される必要はなく、また、それらのガイド面の形状が互いに異なってよい。例えば、ピッチ軸132と中心軸133を含む平面を挟んで手首部材120のピッチ軸回りの回転動作範囲が異なる場合は、それぞれの回転動作範囲に応じて、弧状ガイド部144a~144dを配置すればよく、そのガイド面の形状も異なってよい。また、手首部材120が、ピッチ軸132と中心軸133を含む平面の片側のみで回転する場合、その平面の反対側に弧状ガイド部を配置する必要はない。ワイヤの経路、貫通穴145a~145d、弧状ガイド部144a~144dの配置位置については、図4、図5により後述する。
図3は、本実施形態の医療用マニピュレータ1におけるワイヤの捲き付け状態を示す図である。グリッパ部材101a(101b)を、回転軸122(ヨー軸131)を中心として回転させるための力を伝える第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)は、中空シャフト20から貫通穴145a(貫通穴145d)を通って外部(手首部材120を支持する側)へ出る。第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)は、ワイヤ通路104a(104b)を通ってワイヤガイド部103a(103b)に捲き付けられる。図示では、第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)がワイヤガイド部103a(103b)におよそ半周だけ捲き付けられているが、1回半程度捲き付けるのが好ましい。また、第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)の少なくとも一部を、ワイヤガイド部103a(103b)に固定することで、ワイヤの滑りのない動力伝達が可能となる。第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)は、貫通穴145c(145b)を通って再び中空シャフト20の内部へ入る。第1ワイヤ161(第2ワイヤ162)の往復動作によりグリッパ部材101a(101b)がヨー軸131を中心に回転する。以上のように、第1ワイヤ161と第2ワイヤ162は、1対のグリッパ部材101a、101bを、ヨー軸131を中心に個別に回転させる。
第3ワイヤ163は、貫通穴145eを経て中空シャフト20の内部から外部(手首部材120を支持する側)へ出て、ワイヤガイド部125に捲き付けられ、貫通穴145fから中空シャフト20の内部へ戻る。第3ワイヤ163の往復動作により、手首部材120が接続部材140に対して、ピッチ軸132を中心として回転する。第1ワイヤ161および第2ワイヤ162と同様に、図示では、第3ワイヤ163がワイヤガイド部125におよそ半周だけ捲き付けられているが、1回半程度捲き付けるのが好ましい。また、第3ワイヤ163の少なくとも一部を、ワイヤガイド部125に固定することで、ワイヤの滑りのない動力伝達が可能となる。上述したように、第3ワイヤ163により手首部材120は中空シャフト20の基部側へ引っ張られ、これにより突起部124が軸受部143に押し当てられて接続部材140に支持される。
以上のような構造によれば、手首部材120がピッチ軸132を中心として回転した場合に、弧状ガイド部144によって第1ワイヤ161および第2ワイヤ162の方向が変更されることになる。しかしながら、後述の通り、弧状ガイド部144による経路の変更は、第1ワイヤ161および第2ワイヤ162の経路長の変化を無視できる程度に微小にすることが可能である。そのため、手首部材120が回転しても、グリッパ部材101を回転させるような力(機構干渉)が発生しない関節機構が得られる。
図14は、経路長の変化と機構干渉を説明する図である。なお、図14では、ピッチ軸が回転軸1402に対応し、ヨー軸が回転軸1401に対応するが、説明をわかりやすくするために回転軸1401と回転軸1402が互いに平行な軸の場合について示している。図14の14aは、特許文献1の構成のように、回転軸1401を中心に回転する第1プーリ1411と回転軸1402を中心に回転する第2プーリ1412によりワイヤ1421の経路が形成される場合である。第1プーリ1411の先端位置1441を境として、ワイヤ1421の往路と復路が規定されるとする。矢印1431のように回転軸1402を中心として回転すると、第1プーリ1411の先端位置1441から第2プーリ1412の位置1442までのワイヤ1421の経路長は、経路長a1から経路長a2に変化する。結果、回転後の経路長a1に対応する位置は、先端位置1441からずれることになり、第1プーリ1411に回転軸1401回りの回転が生じることになる。このように、回転軸1401回りの回転を行う第1プーリ1411とその前段の第2プーリ1412との間で、ワイヤの往路と復路の経路長の比が変動すると、機構干渉が生じる。
一方、図14の14bでは、回転軸1402の位置でワイヤ1421を屈曲させている。この場合、回転前のワイヤ1421の往路の経路長b1と回転後のワイヤ1421の往路の経路長b2は等しい。このように、往路と復路の経路長およびその比に変化は生じない(往路と復路のそれぞれの経路長が維持される)ので、第1プーリ1411の回転軸1401回りの回転は発生しない。但し、ワイヤ1421を図14bのように屈曲させることはできないので、本実施形態では、弧状ガイド部144a~144dを配置して経路を変更させている。図1、図2に示されるように、本実施形態では、貫通穴145a~145dがピッチ軸132と中心軸133を含む平面上においてピッチ軸132と平行に並ぶように設けられている。弧状ガイド部144a~144dの弧状のガイド面は、ワイヤの往路と復路の経路長およびその比に変化が発生しないように設けられる。すなわち、ワイヤの往復動作における往路と復路のそれぞれの経路長を維持するように(経路長の変化が無視できる程度となるように)配置されている。なお、経路長を維持するとは、例えば、ワイヤの伸縮などにより経路長の変化が吸収され、エンドエフェクタ100に影響を与えない、あるいはその影響が無視できる程度に、経路長の変化を抑えることである。
上述のような貫通穴145a~145dと弧状ガイド部144a~144dの適切な配置により、ピッチ軸とヨー軸(グリッパ軸)の間に、機構干渉がほぼ存在しない端部機構10(関節機構)が得られる。そのため端部機構10におけるピッチ軸およびヨー軸を中心とした回転の制御が容易になり、高い制御性が得られる。また、全手動もしくはモータ駆動と手動のハイブリッド駆動のロボット鉗子を提供することが可能になる。そのようなロボット鉗子については、図9の参照により後述する。また、本実施形態の端部機構10によれば、プーリの数が減少し、当然にプーリを支持するための軸の数も減少するなど、特許文献1の構成と比べても明らかなように、部品点数が大幅に減少する。そのため、端部機構10の部品コスト、製造コストが低減される。また、安価にマニピュレータを提供できるため、ディスポーザブルなマニピュレータの提供も可能である。
また、本実施形態の端部機構10は、ピッチ軸132を中心としたプーリが存在せず、且つ、ヨー軸131とピッチ軸132の間にプーリが介在しない構成であるため、ヨー軸131とピッチ軸132の距離(オフセット)を小さくすることができる。その結果、小回りの利く、使いやすいマニピュレータを実現することができる。
また、貫通穴145a~145fの各々は、ワイヤを通した状態で5~20mmHgの気腹圧を維持できる気密性を有している。したがって、図9に示されるような医療用マニピュレータ1の全体において、気腹圧を維持するための気密性を確保する必要がなくなり、容易にかつ低コストに医療用マニピュレータ1を提供できる。なお、接続部材140およびワイヤの部材がステンレスのような金属同士で気密性を有するのが困難な場合は、貫通穴145の基部側にワイヤが通過可能な貫通穴145より細径の貫通穴を有するゴム部材を設ける、または、樹脂コーティングされたワイヤを用いるなどしても良い。
また、手首部材120がピッチ軸回りに回転した場合、第1ワイヤ161と第2ワイヤ162の通路は、弧状ガイド部144の弧状のガイド面に沿ったものとなる。これにより、手首部材120がピッチ軸回りに回転してワイヤの方向が変更されても、ワイヤを屈曲させるようなことはなくワイヤの曲げ半径を確保した状態でグリッパ部材101をスムーズに動かすことができ、ワイヤの寿命を大幅に伸ばすことができる。また、弧状ガイド部としてプーリを用いた場合、接続部材140の外径に納まるようにプーリを配置するためには、プーリ径を小径化しなければならないため、ワイヤの曲げ半径を十分に確保するのが困難となる。なお、ワイヤガイド部103の径、ワイヤガイド部125の径、弧状ガイド部144a~144dの弧状のガイド面の径は、端部機構10に要求される大きさ、巻かれるワイヤの径と必要な耐性(ワイヤの寿命)の関係から適宜決定されればよい。
一方、ガイド面の円弧形状の中心位置や半径が適切でない場合、手首部材120の角度によって第1ワイヤ161、第2ワイヤ162の経路長が変化する。第1ワイヤ161、第2ワイヤ162の経路長の変動量は、弧状ガイド部144のガイド面の円弧形状の中心、半径をパラメータとして変化する。弧状のガイド面の中心、半径を、ワイヤの経路長の変動が極力少なくなるように選択することが好ましい。そこで、以下、弧状のガイド面として円弧形状のガイド面を有する弧状ガイド部144を用いた場合の、ワイヤの経路長の変動を抑えるという上記観点から、弧状ガイド部144の配置に関する適切なパラメータについて説明する。
図4はピッチ軸を中心とした手首部材120(エンドエフェクタ100)の回転動作と、ワイヤの経路長の変動(以下、ワイヤ長誤差という)を説明する図である。
図4の4aは、ピッチ軸を紙面に対して垂直方向とした場合の、第1ワイヤ161の経路の変化を示す図である。図4aでは、エンドエフェクタ100を支持する手首部材120がピッチ軸を中心として90度回転する場合の経路の変化が示されている。また、弧状ガイド部144の円弧形状のガイド面を形成する円601を重ねて表記するとともに、ピッチ軸132の中心からワイヤガイド部103までの距離を半径とした円602を表記している。円602は、手首部材120がピッチ軸132を中心として回転した場合に、エンドエフェクタ100(ワイヤガイド部103)がその上を移動する円周を示している。また、座標系としては、ピッチ軸132に垂直な面上において、ピッチ軸132の位置を原点とし、原点を通り互いに直交する軸をx軸、y軸とした座標系が用いられる。また、x軸とy軸を含む面をxy面と称する。特に、図4aでは、中空シャフト20の長手方向の軸である中心軸133とx軸を一致させた座標系が設定されている。すなわち、中心軸133を含みピッチ軸に垂直な面において、ピッチ軸回転中心を原点(0,0)とし、中心軸133をx軸、x軸に原点位置で直交する軸をy軸とする。円601aと円601bの中心はy軸方向に平行に並び、それらの中心を結ぶ線とx軸の交点を通り、xy面に垂直方向の線上に貫通穴145a~145dが配置される。
図4bは、図4aにおける円601aと円602を抜き出して示した図であり、第1ワイヤ161の経路と貫通穴145a(145c)の位置が模式的に示されている。円601aの半径rは、弧状ガイド部144の半径にワイヤの径の1/2を足した大きさであり、その中心座標を(x,y)とする。y=rとすることで、中空シャフト20の中心軸と円601aが接するようになるため、ワイヤの屈曲を防止する観点からは、y=rまたは-rであることが好ましい。また、円602の半径をrとする。手首部材120の回転角度が-x軸に対して0度の場合、貫通穴145aの位置(座標(x,0))から円602の円周上までの長さはr+xである。手首部材120のピッチ軸回りの回転角度(以下、ピッチ軸動作角度)が30度、60度、90度におけるワイヤの経路は図示のようになる。ピッチ軸動作角度=0度以外では、座標(x,0)から円602の円周上までの長さは、円602の円周上から円601aの円周にワイヤが接するまでの長さlと、円601aの円周に沿った座標(x,0)までの長さlとの和になる。したがって、ワイヤ長誤差eを、e=(r+x)-(l+l)と定義する。
図6の6aは、r=2mm、r=9.2mm、y=r=2mmとした場合に、ピッチ軸動作角度が-x軸に対して0度~90度の範囲でのワイヤ長誤差eの変化を、異なるx座標値xについて計算した結果を示すグラフである。この例では、xを0から1.6mmの間で0.2mmごとに変化させている。いずれのx座標値においても、ピッチ動作角度に応じてワイヤ長誤差eが変化することがわかる。図6の6bは、ピッチ動作角度が0度~90度の範囲のワイヤ長誤差eの二乗平均平方根(RMS)を上記のxごとに計算した結果を示すグラフである。このグラフからもわかるように、ピッチ軸動作角度が0度~90度までのワイヤ長誤差eのRMSが最小になるのはx=1の時である。したがって、ワイヤ誤差長eのRMSを最小にするxとyは、
=r/2、y=rまたは-r ... (1)
となる。よって、(1)式に示される位置(x,y)を中心とした半径r(厳密にはrからワイヤ径の1/2を引いた半径)の円弧形状の面を有する弧状ガイド部144を用いることで、ピッチ軸132を中心に手首部材120を回転させた際のワイヤ長誤差を最小にすることができる。
なお、ピッチ軸動作角度の範囲が90度より小さい場合は、ワイヤ長誤差eのRMSの値が、その範囲に応じて変化する。図7の7aは、ピッチ軸動作角度の上限値と、ワイヤ長誤差eのRMSの値の最小値との関係を示している。図7の7bは、ピッチ軸動作角度の上限と、ワイヤ長誤差eのRMSが最小値となる円601aの中心位置のx座標との関係を示すグラフである。図7bからわかるように、ピッチ軸動作角度の範囲の上限、すなわち、手首部材120のピッチ軸132を中心とした回転動作の最大角度を-x軸に対してn°(|n|≦90)とした場合は、
=(r/2)(|n|/90)、y=rまたは-r ... (2)
のときにワイヤ長誤差eのRMSが最小になる。
なお、ワイヤ長誤差の絶対値の平均値についても、ほぼ同様の傾向にある。したがって、ピッチ軸動作角度の範囲が-x軸に対してn°の場合に、(2)式に示される位置(x,y)を中心とした半径r(厳密にはrからワイヤ径の1/2を引いた半径)の円弧形状の面を有する弧状ガイド部144を用いるのがよい。また、この場合、貫通穴145aの端部側の位置は、(x,0)となる。なお、弧状ガイド部としてプーリを用いた場合も同様の効果が得られる。また、-x軸に対する回転の最大角度は、正方向と負方向で異なっていてもよい。その場合、(2)式から得られるx座標は異なる値となる。したがって、対向する2つの弧状ガイド部144aと144b、弧状ガイド部144cと144dは、ピッチ軸132あるいはピッチ軸132と中心軸133を含む平面に対して対称とはならない。
また、図6bから、x=(r/2)に対して、±30%(0.7x~1.3x)の範囲では、ワイヤ長誤差eのRMSが0.2mm以下となっており、r+x=9.2+1=10.2mmに対して、2%程度以下の誤差に抑えることが可能となる。したがって、好ましいxの範囲の一例として、0.7×(r/2)≦x≦1.3×(r/2)が挙げられるが、これに限定されるものではない。yについては、加工誤差やワイヤのスムーズな動作を阻害しない範囲で、y≒rとするのが望ましい。
以上、弧状ガイド部144の最適な配置について検討した。図4では、ワイヤの屈曲を防止するために貫通穴145と弧状ガイド部144との接続部分における連続性を維持するという観点から、円弧形状の中心位置のy座標が円601aの半径rに固定されている。しかしながら、これに限られるものではなく、yがrより小さくてもよい。図5を参照して説明する。
図5の5aは、上述の(1)式に従って配置された円601aを示しており、その中心位置の座標は(x=r/2,y=r)である。この円601aの中心位置を、上記座標からx座標が増加し、y座標が減少する方向へ移動させた様子を図5の5bに示す。なお、第4象限における弧状ガイド部144の中心位置の場合、y座標は増加する方向へ移動させることになる。円601aとx軸との末端側(手首部材120側)の交点611が貫通穴145aの位置となる。円602の円周上から円601aの円周にワイヤが接するまでの長さをl、ワイヤが円601aに接してから交点611までの距離をl、円602とx軸の交点612から交点611までの長さをlとすると、ワイヤ長誤差eは、e=l-(l+l)と定義できる。
この場合のワイヤ長誤差eの計算例を図8に示す。図8の8aは、計算に用いた円弧形状の中心位置(円601aの中心位置)の座標O、A~Eを示している。この例では、r=1.75であり、座標Oは、上述した式(1)または(2)により求まる座標(r/2,r)=(0.875, 1.75)である。座標A~Eは、それぞれ、(1, 1.7)、(0.9, 1.6)、(1, 1.6)、(1.1, 1.6)、(1, 1.5)である。座標O、座標A~Eを中心位置とした場合のそれぞれのワイヤ長誤差eとピッチ軸動作角度との関係を図8の8bに示す。これらのようなワイヤ長誤差eのRMSを円弧形状の中心位置の座標ごとに作図し、計算してみると、座標A~Eの場合の方が、座標Oの場合よりも小さいRMSが得られる。すなわち、総じて図4bの状態(円弧形状の中心位置が座標O(x=r/2、y=r)の場合)よりも、円弧形状の中心位置が図8aにおける座標A~Eの方が小さいRMSが得られる。したがって、
>(r/2)、y<rまたはy>-r ... (3)
としてもよいことがわかる。また、(2)式のように回転動作の最大角度を|n|°とした場合に、
>(r/2)(n/90)、y<rまたはy>-r ... (4)
としてもよいことがわかる。
なお、(r/2,r)の座標を(0.875, 1.75)としたとき、円601aの中心位置の座標が(1, 1.6)の近傍でワイヤ長誤差eのRMSが最小となる。上記の例では、xの最大(1.1,1.6)、yの最小(1,1.5)について求めており、この範囲に円601aの中心位置がある場合、ワイヤ長誤差eは、中心位置が(0.875, 1.75)にある場合よりも小さくなっている。したがって、たとえば、x=r/2~+30%、y=r1~-30%とすると、x座標の上限値、y座標の下限値は(1.14, 1.23)となり、座標A~Eはすべてこの範囲に収まり、この範囲であればワイヤ誤差長eのRMSが小さくなる。したがって、(3)、(4)式におけるx座標の上限値、y座標の下限値(第4象限の場合は下限値)が以下のように設定されてもよい。すなわち、(3)式に関して、
<(r/2)×1.3(≒1.14)
>r×0.7(≒1.23)またはy<-r×0.7(≒-1.23)
となる。或いは、上記(4)式に関して、
<(r/2)(|n|/90)×1.3
>r×0.7(≒1.23)またはy<-r×0.7(≒-1.23)
となる。なお、かっこ内の≒で示した数値は、中心位置が(r/2=0.875、r=1.75)の場合の値である。
なお、上記の説明では、ピッチ軸の最大動作角度をn°として説明したが、実際の使用時の主たる動作の最大角度を考慮しても良い。例えば、設計上の動作領域が±90°の場合でも、おもな動作領域が±80°であるような場合、この範囲のワイヤ誤差長eのRMSを含めて判断しても良い。例えば、n°=90°の時のRMSが最小でない場合でも、n°=80°の時のRMSがより小さくなるのであれば、n°=80°の時のRMSが最小となる位置を、円弧形状の中心位置としても良い。上記の図8の検討例においては、n=90の場合に、座標C(1, 1.6)に円601aを配置するとRMSが最小になることを示した。しかしながら、座標(1, 1.55)の近傍が、n°=90°の時のRMSは最小ではないが、十分に小さく、さらにn°=80°の時のRMSがより小さくなる。よって、設計上の動作領域が±90°であっても、おもな動作領域が±80°であれば、座標(1, 1.55)を中心として円601aを配置するようにしても良い。
なお、交点611(貫通穴145の出口)においてワイヤの屈曲が発生するが、その角度は鈍角であるため、ワイヤの寿命に与える影響は小さい。好ましくはx軸と円601aの交点における円601aの接線と、x軸とがなす角度を30°程度以下にすると良い。交点611において、ワイヤのよりスムーズな通過を実現させるために、交点611の屈曲部すなわち貫通穴145a~145dのエッジをなくすためのR加工を施してもよい。したがって、弧状ガイド部144のガイド面を式(2)のように設定することで、ワイヤの経路長の変動をきわめて小さくすることができる。また、このような円弧形状の配置はプーリを用いた構成では実現できず、弧状ガイド部144を採用したことにより得られる効果の一つである。
なお、上記では、ワイヤは手首部材120の中心線上に配置されており、手首部材120のピッチ軸回りの回転角度(以下、ピッチ軸動作角度)が0°の時、ワイヤはx軸に一致している状態、つまり、ワイヤが弧状ガイド部144(円601a)に接触していない状態をワイヤの初期位置として、弧状ガイド部144(円601a)の位置を求めたが、これに限られるものではない。たとえば、ワイヤが複数存在する場合など設計上、ワイヤを手首部材120の中心線上に配置するのが困難な場合がある。図22に示されるように、ワイヤ2201の初期角度が、x軸とI°オフセットしている場合は、オフセット角度Iに応じて円弧ガイドの位置を適宜修正すればよい。なお、ワイヤの初期角度とは、手首部材120の中心線2202とx軸とのなす角度が0°の場合に、ワイヤとx軸とのなす角度である。例えば、図22に示されるようにオフセットIが正方向の回転位置に存在する場合、式(2)あるいは式(4)のnを、正方向回転の場合はn+I、負方向回転の場合はn-Iとする。さらに、nがプラス・マイナスの両振りとなる場合は、その平均を取り(n+I+n-I)/2=nとするようにしてもよい。このように、概ね|n|-|I|~|n|+|I|の範囲で式(2)あるいは式(4)のnを適宜設定すればよい。すなわち、式(2)では、xを(r/2)((|n|-|I|)/90)≦x≦(r/2)((|n|+|I|)/90)の範囲で設定すればよく、式(4)では、xを1.3×(r/2)((|n|+|I|)/90)>x>(r/2)((|n|-|I|)/90)の範囲で設定するようにすればよい。これにより、ワイヤのオフセットを考慮した設計が可能となる。
また、ワイヤが複数本ある場合は、各ワイヤのオフセット角度の平均値Iaverage°、または、最大値Imax°、または、最小値Imin°などを考慮して、n-Imax°~n+Imax°の範囲で適宜設定すればよい。あるいは、ワイヤが複数本ある場合、個々のワイヤごとに、中心位置および/または径が異なる円弧ガイドを設定しても良い。例えば、図1に示されるような、複数の駆動部(本例ではグリッパ)を駆動するために複数の可撓性部材が用いられる構成の場合に、弧状ガイド部144が、複数の可撓性部材のそれぞれの経路に沿って独立した弧状のガイド面を提供するようにしてもよい。
次に、図9~図11の参照により、上述した端部機構10を有するロボット鉗子である医療用マニピュレータ1について説明する。上述した端部機構10は中空シャフト20に接続され、中空シャフト20は操作部30に接続される。中空シャフト20は、内部に第1ワイヤ161~第3ワイヤ163の経路を提供することが可能な中空のシャフト部材である。例えば、医療以外の用途で、第1ワイヤ161~第3ワイヤ163を露出させてもよいような場合、シャフト部材は中空でなくてもよいし、シャフト以外の構造物であってもよい。第1ワイヤ161~第3ワイヤ163は、貫通穴145から中空シャフト20の内部に入り、操作部30に到達する。
操作部30は、中空シャフト20を接続し、ユーザの操作に応じて第1ワイヤ161~第3ワイヤ163の往復動作の力を生成する構成を備える。操作部30においてボタン301は、ピッチ軸132を中心とした手首部材120の駆動を指示するための操作スイッチである。すなわち、第3ワイヤ163の往復動作はモータ311(図9の9b)により行われる。なお、ボタン301を反対側にも配置することで、左右どちらの手で操作部30を把持した場合でもボタン301の操作が可能となる。把持部302は、ユーザが医療用マニピュレータ1を保持するために利用可能な部材である。操作レバー303は、ユーザがヨー軸131を中心としたエンドエフェクタ100の回転(グリッパの開閉を含む)を操作するための部材である。操作レバー303は、ユーザの操作に応じて回転可能であり、ユーザによる操作レバー303への回転操作の力は第1ワイヤ161と第2ワイヤ162の往復動作に変換される。
収納部304は、手首部材120を回転させるための第3ワイヤ163を駆動するモータ311、モータの駆動に関わる制御回路(不図示)、バッテリ(不図示)を収納する。なお、軽量化のため、制御回路の一部または全体、バッテリは、ケーブル接続にして外部に配置するなどしてもよい。制御回路は、たとえば、モータを駆動するための駆動回路、ボタン301の操作に応じてモータの駆動を指示するためのモータコントローラを含む。また、収納部304またはモータ311を、操作部30から着脱できる構成としても良い。
図9b、図10に示されるように、モータ311の駆動シャフトにはプーリ312が装着されており、プーリ312には第3ワイヤ163が捲かれている。第3ワイヤ163の方向はプーリ313により中空シャフト20の軸方向に変換され、端部機構10へ向かう。こうして、モータ311は、手首部材120を接続部材140に対して回転するための駆動力を提供する。操作レバー303は図10に示されるように1対の操作レバー303a、303bで構成され、操作レバー303aの回転操作に応じてプーリ316が、操作レバー303bの回転操作に応じてプーリ317が回転する。プーリ316には第1ワイヤ161が捲き付けられており、プーリ314とプーリ313により、中空シャフト20内部を通り、端部機構10へ向かう。同様に、プーリ317には第2ワイヤ162が捲き付けられており、プーリ315とプーリ313により、中空シャフト20内部を通り、端部機構10へ向かう。図10には、図9bのA-Aから見たプーリ313,314,315の配置が模式的に示されている。このように、操作レバー303、プーリ316,317は、ユーザによる操作力を、往復動作を行う駆動力として第1ワイヤ161および第2ワイヤ162に伝える伝達部材として機能する。
ユーザは把持部302を保持しながらボタン301を操作することにより、エンドエフェクタ100のピッチ軸を中心とした回転を行うことができる。なお、ボタン301およびモータ311の代わりに、プーリ312を手動で回転させるためのダイヤルを設けて、ピッチ軸を中心とした手首部材120の回転を、ダイヤルへの手動操作により行うマニュアル駆動の構成としてもよい。また、操作レバー303の回転によりエンドエフェクタ100のヨー軸を中心とした回転を行うことができる。例えば操作レバー303の一方の開閉動作を親指で、他方の開閉動作を人差し指で行うことにより、親指と人差し指で摘まむのに似た操作感覚でグリッパ部材101を開閉させることができ、より直観的な操作感をユーザに与える。プーリ316、317とワイヤガイド部103a、103bの直径比を変えることで、操作レバー303とエンドエフェクタ100の開閉角度の比を変えることができる。つまり、エンドエフェクタ100の開閉角度の拡大または縮小ができ、操作性が向上する。なお、操作レバー303の代わりに、プーリ316とプーリ317を駆動するためのモータを設けて、ボタン操作によりエンドエフェクタ100のヨー軸を中心とした回転(グリッパの回転および開閉)を行わせるようにしてもよい。
また、操作レバー303には、親指、人差し指、中指などを挿入できるリング形状の部材を付加してもよい。この構成を図11の11aと11bを用いて説明する。図11a、図11bに示されるように、ユーザの指を挿入可能なリング形状の部材710a、710bを操作レバー303a、303bに付加することで、操作レバー303を開閉する操作が容易になる。例えば、剥離鉗子として組織の剥離作業を行う場合に、必要に応じて大きな剥離力をエンドエフェクタ100に伝達することが可能となる。また、リング形状の部材710により、医療用マニピュレータ1を保持することも可能なため、把持部302のない操作部30の構成も可能である。なお、医療用マニピュレータ1を持針器と用いる場合は、大きな剥離力は不要なため、操作レバー303を常に開く方向に作用するばねなどを配置することで、湾曲針の取り扱いが容易となる。
また、操作レバー303a、303bに、閉状態を維持するためのラチェット機構を設けてもよい。ラチェット機構について図11の11a~11dを用いて説明する。図11aは、ラチェット機構701により操作レバー303aと303bが閉じた状態に維持されている様子を示す。この状態では、エンドエフェクタ100のグリッパ部材101a、101bが閉じた状態に維持される。ユーザは、グリッパを閉じた状態での、エンドエフェクタ100のヨー軸を中心とした回転を容易に行うことができる。図11bは、ラチェット機構701の維持状態が解除されて、操作レバー303a、303bを開いた状態を示す。この状態において、グリップも開いた状態となる。ラチェット機構701による閉状態の維持を解除するための機構として、例えば、図11cに示されるような解除ボタン702を設けてもよい。あるいは、例えば、図11dに示されるように操作レバー303a、303bを閉じる方向へさらに押し込むことにより、ラチェット機構701の維持状態が解除されるような機構としてもよい。
なお、図9bで、プーリ312を中空シャフト20の側へ偏心させてもよい。前述のとおり、ピッチ軸132を中心とした回転動作により、ワイヤ長誤差eが生じる。ワイヤ長誤差eが正ということは、第1ワイヤ161および第2ワイヤ162が縮むということである。基本的にワイヤは初期張力により伸びている状態なので、縮む方向に姿勢は変化しようとする。例えば、ピッチ軸角度の絶対値が小さい領域においてワイヤ長誤差eが正の傾向にある場合は、ピッチ軸角度の絶対値が大きい方向に変化しようとする。そこで、ピッチ軸角度の絶対値が小さい状態で、プーリ312を先端部側に(図9bでは中空シャフト20の側へ)偏心させてもよい。このようにプーリ312を偏心させることで、ピッチ軸角度の絶対値が大きくなるとともに、第3ワイヤ163が伸びるため、逆に、ピッチ軸角度の絶対値が小さい方向に変化しようとする。前者のピッチ軸角度の絶対値が大きい方向に変化する状況と、後者のピッチ軸角度の絶対値が小さい方向に変化しようとする状況により、両者を相殺することができ、より安定な制御が可能となる。さらに、ピッチ軸回りの回転をモータ駆動ではなく、マニュアル駆動とするときは、ユーザの直接的な操作性にかかわるため、より大きな効果が得られる。
以上のように、上記実施形態の医療用マニピュレータ1によれば、貫通穴145と弧状ガイド部144の構成により、手首部材120の周辺の構造・形状を簡略化できるとともに、部品点数を大幅に削減してコストを低減できる。また、医療用マニピュレータ1によれば、組立が容易となり、組立コストも大幅に削減できる。また、ピッチ軸の動作が、ヨー軸動作に実質的に影響を与えない非干渉駆動機構の実現が可能となる。そのため、医療用マニピュレータ1の制御性が向上し、また、ユーザ(術者)の機械的な操作力のトルクによりエンドエフェクタ(グリッパ)を操作することが可能となり、生体組織のデリケートな取り扱いが可能となる。特に、グリッパにより組織などを挟む操作を術者であるユーザのマニュアル操作により行うことができ、グリッパによる把持力をユーザが直接的に調整できる。さらに、ピッチ軸とヨー軸のオフセット量が低減されており、手術支援ロボットに適用した場合、手首姿勢を含めた動作領域の拡大が可能となる。
なお、本実施形態では、グリッパ部材101の把持動作やヨー軸動作は、ユーザが操作レバー303で操作するため、第1ワイヤ161および第2ワイヤ162には過大な負荷が生じる可能性がある。そこで、操作レバー303からグリッパ部材101までの駆動系に、所定の負荷以上が付加された場合にのみ変形し、所定の負荷が解除された場合には、初期の状態に復帰するような過負荷防止機能を有する部材を備えることが望ましい。以下、そのような過負荷防止機能を提供する構造の一例を図16、図17を用いて説明する。以下では、可撓性部材であるワイヤに加わる負荷が所定以上になると変形することにより、ワイヤに加わる負荷を所定以下に抑える過負荷抑止構造の例について説明する。
図16は、第1ワイヤ161~第3ワイヤ163(以下、ワイヤと記載する)のそれぞれに適用が可能な過負荷防止部1600を示す図である。過負荷防止部1600は、シリンダ部1601、ピストン部1602、弾性部材としてのばね1603を有し、シリンダ部1601の一端とピストン部1602の一端がそれぞれワイヤと接続し、当該ワイヤを中継している。図16の16aに示される状態で、ばね1603は、所定の力Fで縮められた状態でシリンダ部1601に収納されている。ワイヤ張力fがF以下の場合(f≦F)の間は、ばね1603が伸びようとする力が勝るため、図16aの状態(シリンダ部1601にピストン部1602の頭部分が押し付けられた状態)が維持される。ワイヤ張力fがFを超えると(f>F)、ばね1603はさらに縮み、図16の16bに示されるように張力fに応じて過負荷防止部1600の長さがdだけ長くなるように変形する。ワイヤ張力fがF以下になると再び図16aの状態に戻る。このように、張力fに応じて過負荷防止部1600が伸びる結果、ワイヤに加わる張力が制限され、ワイヤの切断などの発生が防止される。所定の力Fは、通常の使用範囲での最大張力と同等以上、ワイヤの破断張力以下とするのが望ましい。また、過負荷防止機構が作用している状態においても、張力fがワイヤの破断張力以下となるように構成するのが望ましい。なお、各ワイヤにそれぞれ2ヶ所配置することが考えられるが、例えば、グリッパを閉じる時など過負荷状態を限定できる場合は、第1ワイヤ161~第2ワイヤ162の把持動作側のみに配置しても良い。
図17は、過負荷防止機構の他の例を示す図である。図17では、操作レバー303を第1レバー321と第2レバー322に分割し、それらを弾性部材720で接続している。ユーザの指による力は、第1レバーに加わり、図9~図11により上述したように、ユーザの操作力に応じてグリッパを開閉させることができる。この状態が図17の17aである。しかしながら、所定の力を超えてエンドエフェクタであるグリッパを閉じようとすると、弾性部材720が屈曲し、図17の17bに示すように操作レバー303は、第1レバー321と第2レバー322の接続部で屈曲することにより変形し、所定の力を超えてグリッパを閉じることができない。したがって、ワイヤには過負荷がかからず、ワイヤの切断などの発生が防止される。
次に、手術支援ロボットシステムにおける医療用のロボットに装着可能な医療用マニピュレータについて、図12、図13を参照して説明する。なお、医療用のロボットは、6軸垂直多関節型アーム、7自由度冗長多関節型アーム、トラカール部に不動点機構を有する極座標型アームなど、特に限定するものではない。手術支援ロボットシステムの例については図15により後述する。医療用ロボットに装着して使用する医療用マニピュレータの場合、第1ワイヤ161~第3ワイヤ163の全てがモータにより駆動される。図12の12aは、端部機構10における全軸(ヨー軸(グリッパ軸)、ピッチ軸)の駆動をモータ駆動により行う医療用マニピュレータ1aの外観を示す図である。医療用マニピュレータ1aは、端部機構10、中空シャフト20、駆動部40を有する。医療用マニピュレータ1aは、医療用マニピュレータ1(図9a)の操作部30を駆動部40で置き換えた構成である。駆動部40は、モータ駆動部401とプーリ収納部402を有する。
図12の12bはモータ駆動部401とプーリ収納部402の内部構成例を示す図である。モータ駆動部401は、エンドエフェクタ100の1対のグリッパ部材101を、ヨー軸131を中心に回転させるための第1モータ411と第2モータ412、および、手首部材120をピッチ軸132を中心に回転させるための第3モータ413を有する。第1モータ411の駆動軸にはプーリ421aが固定されており、駆動軸とともに回転する。プーリ421aには第1ワイヤ161が捲き付けられている。また、第2モータ412の駆動軸にはプーリ422bが固定されており、駆動軸とともに回転する。プーリ422bには第2ワイヤ162が捲き付けられている。プーリ422aは、第2モータ412の駆動軸に対して回転自在に取り付けられており、第1ワイヤ161をガイドする。第3モータ413の駆動軸にはプーリ423cが固定されており、駆動軸とともに回転する。プーリ423cには第3ワイヤ163が捲き付けられている。プーリ423a、423bは、第2モータ412の駆動軸に対して回転自在に取り付けられており、それぞれ第1ワイヤ161、第2ワイヤ162をガイドする。なお、プーリ422a、プーリ423a、423bは、ワイヤと駆動軸に干渉がない場合は省略されても良い。また、モータ駆動部401をプーリ収納部402から着脱できる構成としても良い。あるいは、モータ駆動部401をロボット側に配置し、プーリ収納部402から先端部側を、ロボットに着脱可能な構成としても良い。この場合、例えば、第1モータ411~第3モータ413の駆動軸とプーリ421~423とは、カップリングを介して、着脱が可能に接続される。
図13の13aは端部機構10における全軸(ヨー軸(グリッパ軸)、ピッチ軸)の駆動をモータ駆動により行う医療用マニピュレータ1bの外観を示す図である。医療用マニピュレータ1bは、端部機構10、中空シャフト20、駆動部50を有する。医療用マニピュレータ1bは、医療用マニピュレータ1(図9a)の操作部30を駆動部50で置き換えた構成である。
図13の13b、13cは駆動部50の内部構成を示す図である。駆動部50の内部には、エンドエフェクタ100の1対のグリッパ部材101をヨー軸131を中心に回転させるための第1モータ511と第2モータ512、および、手首部材120をピッチ軸132を中心に回転させるための第3モータ513を有する。第1モータ511の駆動軸にはプーリ521が固定されている。プーリ521には第1ワイヤ161が捲き付けられており、第1ワイヤ161はプーリ524aにより中空シャフト20の軸方向へ方向が変換される。第2モータ512の駆動軸にはプーリ522が固定されている。プーリ522には第2ワイヤ162が捲き付けられており、第2ワイヤ162はプーリ524bにより中空シャフト20の軸方向へ方向が変換される。第3モータ513の駆動軸にはプーリ523が固定されている。プーリ523には、第3ワイヤ163が捲き付けられており、第3ワイヤ163はプーリ524cを介して中空シャフト20の軸方向に沿って端部機構10へ向かうように方向が変換される。なお、図12と同様に、第1モータ511~第3モータ513を含む部分と、プーリ521~524を含む部分とで着脱が可能な構成としてもよい。この場合、例えば、第1モータ511~第3モータ513とプーリ521~523とは、カップリングを介して接続される。
以上説明した医療用マニピュレータ1a、1bは、例えば図15に示すような手術支援ロボットシステム800に適用することができる。以下、医療用マニピュレータ1aを適用した手術支援ロボットシステムの構成例を説明する。手術支援ロボットシステム800は、医療用のロボットの一例としての多関節型のロボットアームである多自由度アーム802と、コンソール804とを有し、マニピュレータ1aは多自由度アーム802の先端に接続されている。多自由度アーム802は、マニピュレータ1aを移動させる手段であればよく、据置型に限らず、例えば自律移動型でもよい。コンソール804は、テーブル型、制御盤型等の構成を採りうる。
多自由度アーム802は、独立的な6以上の関節(回転軸やスライド軸等)を有すると、マニピュレータ1aの位置及び向きを任意に設定できて好適である。マニピュレータ1aは、多自由度アーム802の先端部808と一体化している。多自由度アーム802は、コンソール804の作用下で動作し、プログラムによる自動動作や半自動動作、コンソール804に設けられたジョイスティック806に倣った遠隔操作、及びこれらの複合的な動作をする構成にしてもよい。コンソール804には、操作指令部としての2つのジョイスティック806と、モニタ810が設けられている。図示を省略するが、2つのジョイスティック806により、2台の多自由度アーム802を個別に操作することが可能である。2つのジョイスティック806は、両手で操作しやすい位置に設けられている。モニタ810には、軟性鏡による画像等の情報が表示される。
ジョイスティック806は、上下動作、左右動作、捻り動作、及び傾動動作が可能であり、これらの動作に応じて多自由度アーム802を動かすことができる。ジョイスティック806はマスターアームであってもよい。多自由度アーム802とコンソール804との間の通信手段は、有線、無線、ネットワーク又はこれらの組合せでよい。ジョイスティック806には、トリガレバー832が設けられており、このトリガレバー832を操作することによりグリッパの回転、開閉操作が可能である。なお、トリガレバー832は、図9~図11で説明した操作レバー303のような形態であってもよい。また、ボタンスイッチ834はピッチ軸回りの動作を指示する。ボタンスイッチ834は、図9~図11で説明したボタン301のように、移動方向に応じて分離されたスイッチであってもよい。
なお、マニピュレータ1aは、医療用のものとして説明したが、使用用途はこれに限らず、医療用以外の産業用にも適用できる。例えば、本実施の形態に係るマニピュレータは、エネルギー機器やエネルギー施設などの狭隘部や人が直接作業することのできない場所で、把持感覚や強い把持力を必要とする補修作業やメンテナンス作業を行うロボット、マニピュレータ及び先端動作部に適用することで、同様の効果が得られることはもちろんである。
以上のように、本実施形態によれば、機構干渉が無い、または、無視し得る程度に低減された端部機構10を用いることにより、端部機構10をモータ駆動により制御する場合に機構干渉に関わる制御が不要となる。そのため、医療用のロボットにマニピュレータ1a,1bを装着して用いる場合に、端部機構10の制御が容易になる。また、上述したように、端部機構10の構造は極めて簡素化されており、安価な医療用マニピュレータ1a、1bを提供することができる。
なお、上記実施形態では、エンドエフェクタ100としてグリッパを適用したがこれに限られるものではなく、例えば、エンドエフェクタ100としてプローブを適用してもよい。その場合、エンドエフェクタ100をヨー軸131中心に回転させるためのワイヤは、1本のワイヤがあればよい。上記実施形態では、第1回転軸としてピッチ軸132、第2回転軸としてヨー軸131の場合について示したが、第2回転軸は、ピッチ軸やロール軸の構成でも良い。さらに、第2回転軸と第1回転軸の間に別の回転軸が存在する構成でもよい。その場合、別の回転軸で部材が回転しても被駆動部を駆動するワイヤの経路長が維持されるようにするために、別の回転軸の部分にも、上述した弧状ガイド部材を設ければよい。被駆動部は、実施形態で示したエンドエフェクタのほか、アーム部材、回転軸支持部材、動力伝達部材などが考えられる。また、端部機構10に適用した上述の関節機構は、マニピュレータの任意の位置の関節機構に適用できる。
<他の実施形態>
図9~図11において、端部機構10と中空シャフト20と操作部30を備えた医療用マニピュレータ1の例を上述した。上記の例では、操作部30の把持部302は中空シャフト20に対して固定されていたが、これに限られるものではない。医療用マニピュレータの他の構成例について図18A、図18Bを用いて説明する。なお、図18A,図18Bにおいて、図9~図11に示した構成と同様の機能を有する構成には、同一の参照番号を付してある。
中空シャフト20は、端部機構10を接続し、第1ワイヤ161、第2ワイヤ162、第3ワイヤ163の往路と復路を提供する中空が形成されたシャフト部材である。操作部30は、中空シャフト20を支持する操作部本体1800と、操作部本体1800に対してヨー・グリッパ回転軸1802を軸として回転可能に装着されたハンドル部1801を有する。このように、ハンドル部1801は、中空シャフト20(シャフト部材)の長手方向と略直交する回転軸(ヨー・グリッパ回転軸1802)を中心として回転可能に操作部本体1800と接続されている。ハンドル部1801が操作部本体1800に対してヨー・グリッパ回転軸1802回りに回転自在に支持されていることで、操作者によるヨー軸操作、グリッパ軸操作の操作性が飛躍的に向上する。ハンドル部1801は、ユーザが把持するための把持部302を含む。把持部302の内部には、手首部材120を回転させるための(ピッチ軸回りの回転動作を行うための)モータ311に対して電力を供給するバッテリ(不図示)が格納され得る。モータ311は収納部304に収納されており、プーリ312を回転させることにより第3ワイヤ163を駆動し、結果、手首部材120をピッチ軸回りに回転させる。プーリ312の先端にはストッパ1811が接続されており、手首部材120のピッチ軸回りの動作範囲を規定している。他の実施形態と同様にモータ311、バッテリを着脱可能としても良い。
操作レバー303aはプーリ316に連結されており、操作レバー303aの操作によりプーリ316が回転する。プーリ316の回転は第1ワイヤ161を駆動し、左側のグリッパ部材101a(図1)をグリッパ軸(ヨー軸)回りに回転させる。同様に、操作レバー303bはプーリ317に連結されており、操作レバー303bの操作によりプーリ317が回転する。プーリ317の回転は第2ワイヤ162を駆動し、右側のグリッパ部材101b(図1)をグリッパ軸(ヨー軸)回りに回転させる。
手首部材120をピッチ軸回りに駆動するための第3ワイヤ163は、端部機構10から鉗子シャフトである中空シャフト20の内部を通過し、操作部本体1800のワイヤガイドプーリ1814で上方向にワイヤ経路を変更し、操作部本体1800上部のプーリ312に基本的に滑らない状態で巻き掛けられている。プーリ312は、ピッチ軸駆動用のモータ311に接続された、ピッチ軸駆動用のプーリである。プーリ312の先端部には、ストッパ1811が構成されており、ピッチ軸の動作範囲を制限している。プーリ312と端部機構10のワイヤガイド部125の径は、モータ311の駆動トルク、プーリ312の動作範囲などによって、適宜決定すればよい。
モータ311の駆動電力は、ハンドル部1801内(把持部302内)に内臓されたバッテリ(不図示)から、不図示の配線を介して供給される。なお、ハンドル部1801内には、バッテリの他、必要に応じて、電気回路・マイコン・センサなどが収納されても良い。もちろん、別途、別置きのコントローラを設置し、ケーブルなどにより接続しても良い。
ヨー軸およびグリッパ軸回りの駆動を行うための第1ワイヤ161、第2ワイヤ162も同様に、端部機構10から鉗子シャフト内(中空シャフト20内)を通過し、操作部本体1800内のワイヤガイドプーリ1814を経由して、操作部本体1800後端部の左および右グリッパ駆動用のプーリ316,317に基本的に滑らない状態で巻き掛けられている。左グリッパ駆動用のプーリ316は左グリッパ操作用のインタフェースである操作レバー303aと一体となっており、操作者の操作力・操作角度は、操作レバー303aを介してプーリ316に伝達される。右グリッパ用のプーリ317は、ヨー・グリッパ回転軸1802に配置された中心軸シャフト(不図示)を介して右グリッパ操作用のインタフェースである操作レバー303bと結合されており、操作者の操作力・操作角度は、操作レバー303bと中心軸シャフトを介して、右グリッパ駆動用のプーリ317に伝達される。なお、右グリッパ駆動用のプーリ317と操作レバー303bと中心軸の三者は、止めねじなどにより固定することで、結合されている。
左グリッパ駆動用のプーリ316と左グリッパ操作用の操作レバー303aは一体化または結合されて、左グリッパ駆動部を構成している。右グリッパ駆動用のプーリ317と中心軸シャフト(不図示)と右グリッパ操作用の操作レバー303bは一体化または結合されて、右グリッパ駆動部を構成している。操作部本体1800、ハンドル部1801、左グリッパ駆動部および右グリッパ駆動部は、それぞれお互いが、ヨー・グリッパ回転軸1802回りに回転自在に接続されている。ヨー・グリッパ回転軸1802は、右グリッパ駆動部の中心軸シャフトの軸と一致する。また、ハンドル部1801、左グリッパ駆動部および右グリッパ駆動部は軸受を介して接続することでよりスムーズな動作が可能となる。このように、図18A,18Bの医療用マニピュレータ1では、ユーザの操作に応じて回転可能な操作レバー303a、303bへの回転操作の力がそれぞれ第1ワイヤ161と第2ワイヤ162の往復動作に変換される。ここで、操作レバー303a、303bの回転軸と、操作部本体1800とハンドル部1801を回転可能に接続するためのヨー・グリッパ回転軸1802とが同軸となっている。結果、コンパクトで使い勝手の良い医療マニピュレータが提供される。
なお、左および右グリッパ駆動用のプーリ316、317と端部機構10のワイヤガイド部103の径は、ヨー・グリッパ軸の操作トルク、ヨー・グリッパ軸の操作範囲などによって、適宜決定すればよい。プーリ316、317の径をワイヤガイド部103の径より大きくすること、すなわち、増速することで、少ない操作角度でヨー・グリッパ軸を駆動することができる。これにより、特に、ヨー軸操作時の操作者手首の動作角度を低減させることができ、操作性が向上する。
操作部本体1800の先端側すなわち中空シャフト20の後端側にワイヤガイドプーリ1814を配置することで、第1ワイヤ161、第2ワイヤ162、第3ワイヤ163の経路を確実にかつ滑らかに、それぞれのプーリへ誘導することができる。なお、ワイヤガイドプーリ1814は回転自在のプーリではなく円弧ガイドにしてもよい。また、中空シャフト20は、割締め部1812により操作部本体1800に固定される。これにより、操作部30全体と中空シャフト20が、所定のワイヤ張力を加えた状態で、固定され得る。
鉗子シャフト内(20中空シャフト)には、ワイヤガイド部材が1個乃至複数個配置されている。図18A、18Bでは、1つのワイヤガイド部材1813が示されている。第1ワイヤ161~第3ワイヤ163をワイヤガイド部材1813に設けられた穴に通過させることにより、ワイヤの引き回しが容易となるとともに、ワイヤのねじれや接触による組立不良や駆動時のトラブルを低減させることができる。また、ワイヤガイド部材1813は気密部材として利用することも可能である。
操作者はハンドル部1801を保持する(把持部302を把持する)ことで、医療用マニピュレータ1全体を安定に保持し、かつ、端部機構10の患者腹腔内の位置を、操作者の意図通りに自在に誘導することができる。端部機構10の姿勢誘導は、操作部30全体を回転させることによる中空シャフト20の軸回りの回転、すなわち、ロール軸と、端部機構10のピッチ軸とヨー軸の3つの姿勢軸により決定することができる。さらに、グリッパ軸によりグリッパ部材101の開閉を行うことができる。したがって、端部機構10の位置・姿勢誘導方法において、別途、操作インタフェースが必要となるのは、ピッチ軸・ヨー軸・グリッパ軸である。
ピッチ軸の構成と操作方法
ピッチ軸操作は、ハンドル部1801を保持し、把持部302に配置されたピッチ軸操作インタフェースとしてのボタン301により行うことができる。例えば、ボタン301(例えば、タクタイルスイッチ)を回転自在ハンドル前面部に上下に配置し、中指で上側のボタンを押すと上方向に、薬指で下側のボタンを押すと下方向にピッチ軸が動作するように構成すると、より、直感的な操作が可能となる。但し、操作する指は特に問わない。また、タクタイルスイッチの代わりにスライド式のスイッチ、ジョイスティックや力覚センサなどがボタン301として用いられても良い。また、非操作時には、モータにブレーキがかかる構成としても良い。モータの角度制御により現在の角度を保持する制御や、モータの電極を短絡させることでブレーキをかけることが可能である。そのほか、ピッチ軸の原点復帰用のボタンなども把持部302に配置しても良い。
ヨー軸・グリッパ軸の構成と操作方法
ヨー軸・グリッパ軸の操作は、ハンドル部1801を保持し、グリッパ操作インタフェースである操作レバー303により行うことができる。例えば、右手でハンドル部1801を保持する場合、人差し指を右グリッパ操作インタフェースとして操作レバー303bの操作指カバー(部材710b)に挿入し、親指を左グリッパ操作インタフェースとしての操作レバー303aの操作指カバー(部材710a)に挿入する。端部機構10のヨー軸を操作する場合は、操作レバー303aと操作レバー303bをともにヨー・グリッパ回転軸に対して右ないし左に回転操作することで、プーリ316、317が同方向に回転され、グリッパ部材101がヨー軸方向に動作する。この時、ハンドル部1801は、操作部本体1800に対してヨー・グリッパ回転軸回りに回転自在に支持されているため、回転自在ハンドルは、操作者のヨー軸操作とともない自然に回転し、操作者にとって違和感のない角度になる。その結果、操作性が飛躍的に向上する。ハンドル部1801の回転角度は、ヨー動作時に支障のない範囲で最小限にするのが望ましい。すなわち、左・右グリッパ操作インタフェースのヨー軸角度と同等が良い。
端部機構10のグリッパ軸を操作する場合は、操作レバー303aと操作レバー303bを、お互いに反対方向になるようにヨー・グリッパ回転軸に対して回転操作する。これにより、プーリ316とプーリ317はお互いに反対方向に回転され、グリッパ部材101を開閉することができる。ヨー軸・グリッパ軸の構成と操作方法により、操作者の手首の動きと指の動きが、端部機構10のヨー・グリッパ軸の動作と同一となり、直感的な操作が可能となる。
図19Aは、医療用マニピュレータ1のさらに別の形態を示す図である。図19Aでは、操作部30のうちの操作部本体1800の一部(後端側)とハンドル部1801が示されている。操作部本体1800の先端側(中空シャフト20との接続部、ピッチ軸駆動用のモータ311を装着する構成など)は図18A,18Bと同様である。また、ハンドル部1801は、中空シャフト20(シャフト部材)の長手方向と略直交する回転軸(ヨー軸回転軸1821)を中心として回転可能に操作部本体1800と接続されている。図18A,18Bで説明した操作部30の構造との差異は、ヨー軸回転軸1821に回転自在にヨー軸プーリ1822が設けられていること、操作レバー303a、303bおよびプーリ316、317の回転軸(グリッパ軸1823)とヨー軸回転軸1821が同軸ではないこと、ハンドル部1801の構成・形状など、である。
図19Bの19bは第1ワイヤ161のプーリへの巻き付け状態を説明する図であり、図19Bの19cは第2ワイヤ162のプーリへの巻き付け状態を説明する図である。第1ワイヤ161、第2ワイヤ162はそれぞれ図19b、図19cに示されるように、矢印a~jの順にプーリ316、317およびヨー軸プーリ1822に巻き付けられている。また、図20の20aと20bは、操作部本体1800に対してハンドル部1801をヨー軸回りに回転させたときの第1ワイヤ161と第2ワイヤ162の動きを示している。本例によるワイヤの巻き付け方式によれば、左右のグリッパ部材101a、101bがそれらの開閉状態(角度)を維持した状態でヨー軸回りに回転する。また、図20の20cと20dは、それぞれ操作レバー303a、303bをグリッパ軸1823周りに回転させたときの第1ワイヤ161と第2ワイヤ162の動きを示している。この場合、左右のグリッパ部材101a、101bのグリッパ軸に対する回転動作は互いに同期し、常に左右のグリッパ部材101a、101bが中心軸133(図1)に対して同じ角度だけ開くことになる。なお、プーリ316とプーリ317部に一対の歯車を配置して同期させることで、ワイヤの巻き付けを簡略化してもよい。
以上のように、図19Aに示した医療用マニピュレータ1では、操作部本体1800とハンドル部1801を回転可能に接続するヨー軸回転軸1821が、操作レバー303a、303bの回転軸(グリッパ軸1823)よりも中空シャフト20から遠い位置にある。このような構成によれば、ヨー軸操作とグリッパ軸操作を分離することができる。また、ヨー軸回転軸1821と操作者の手首関節軸が近くなるので、ヨー軸操作がより直感的になる。さらに、操作レバー303aに連結したプーリ316と、操作レバー303bに連結したプーリ317と、ヨー軸回転軸1821の回りを回転するヨー軸プーリ1822とを有し、1対のグリッパ部材101a、101bの動きが同期するように第1ワイヤ161と第2ワイヤ162がこれらプーリに巻かれている。結果、グリッパの先端を所望の位置で開閉することが容易となり、操作性が向上する。
以上説明した医療用マニピュレータ1では、操作部30と中空シャフト20が固定されており、ロール軸回りの回転は操作者が操作部30を手動で回転させることにより実現していた。しかしながら、医療用マニピュレータ1はこのような構成に限られるものではなく、例えば、ロール軸回りの回転をモータ駆動により実現するようにしてもよい。
図21は、図13で説明した、端部機構10における全軸(ヨー軸(グリッパ軸)、ピッチ軸)の駆動をモータ駆動により行う医療用マニピュレータ1bに、ロール軸駆動用のモータ2102を追加したものである。中空シャフト20は、駆動部50とベアリング2101を介して接続されており、中空シャフト20は駆動部50に対して回転自在に保持される。モータ2102のモータ軸2103の先端にはギア2104が設けられている。ギア2104は、中空シャフト20に設けられたギア2105と噛み合わさっている。モータ2102の駆動によりモータ軸2103が回転するとギア2104が回転し、ギア2105が回転する。これにより、中空シャフト20のロール軸回りの回転が実現する。
一対のギア2104、2105の代わりにベルトやワイヤなどの動力伝達部材を用いても良い。第1ワイヤ161、第2ワイヤ162、第3ワイヤ163の方向転換には、図13で説明したようなプーリ524(あるいは、図18Bに示すワイヤガイドプーリ1814と同様にワイヤの方向を変換する機能を持つ)を用いても良いし、図23に示すような円弧ガイド2301を用いても良い。円弧ガイド2301は、中央の貫通穴と周囲の壁部までを接続する面が所定の径の円弧で形成され、第1ワイヤ161~第3ワイヤ163をそれぞれのモータのプーリへ向かうように方向変換する。なお、円弧ガイド2301の弧状の面は、円弧に限られるものではなく、楕円弧などが用いられてもよい。
また、図12、図13により上述した構成と同様にモータ511、512、513、2102とプーリ521、522、523、モータ軸2103との間で着脱可能とし、駆動部50を分離できるようにしても良い。また、必要に応じ動作角度を制限するストッパ、モータ回転角度や速度検出のためのエンコーダ、原点センサなどを組み込んでも良い。本実施形態においては、ロール軸を駆動することにより、第1ワイヤ161、第2ワイヤ162、第3ワイヤ163がねじれ、ワイヤの経路長が微小に変化する。そこで、図24の24aに示すようなワイヤを通過させる穴が中心部近傍に配置されたワイヤガイド部材2401を中空シャフト20の中間付近に配置してもよい。例えば、図24の24bに示されるように、ワイヤ2402の経路は、ロール軸駆動により、実線で示された経路から破線で示された経路へ変化する。ワイヤガイド部材2401を配置することにより、図24の24cに示されるように、ワイヤガイド部材2401が配置された位置までの区間2403の間は、ロール軸駆動による経路の変化がほとんど生じない。ワイヤガイド部材2401より先端側において、ワイヤ2402の経路は実線で示された経路から破線で示された経路へ変化する。したがって、このような構成によれば、ワイヤ経路長の変化を小さく抑えることが可能となるとともにワイヤのねじれや接触によるトラブルを回避することができる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
本願は、2017年11月1日提出の日本国特許出願特願2017-211891を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (30)

  1. 第1部材と、
    前記第1部材を、第1回転軸を中心に回転可能に支持する第2部材と、
    前記第1部材と接続し、前記第1部材の回転動作に応じて前記第1回転軸を中心とした円周上を移動する被駆動部と、
    前記被駆動部を駆動する力を往復動作により提供する可撓性部材と、
    前記第1部材の回転動作に応じて、前記可撓性部材の経路を変更させる弧状のガイド面を有する変更手段と、を備え、
    前記弧状のガイド面は、前記第1部材が回転動作する間、前記可撓性部材の前記往復動作における往路と復路のそれぞれの経路長を実質的に維持するように配置されており
    前記第2部材は、前記第1部材を支持する側とその反対側とを連通し、前記可撓性部材の経路の一部を提供する連通部を有し、
    前記変更手段は、前記連通部の一部を形成し、
    前記連通部は、前記可撓性部材の前記往路と前記復路に対応して前記第2部材に別々に設けられた貫通穴を含み、
    前記貫通穴は、前記可撓性部材を通した状態で5mmHg~20mmHgの気腹圧を維持できる気密性を有する、ことを特徴とするマニピュレータ。
  2. 前記貫通穴は前記第1回転軸と平行に並ぶことを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ。
  3. 前記弧状のガイド面は、円弧形状の面であることを特徴とする請求項1または2に記載のマニピュレータ。
  4. 前記第1回転軸に垂直な面上において、前記第1回転軸の位置を原点とし、前記原点を通り互いに直交する軸をx軸、y軸とした座標系において、
    前記円弧形状の半径と前記可撓性部材の半径の和をrとした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    =(r/2)
    =r、または、-r
    であることを特徴とする請求項に記載のマニピュレータ。
  5. 前記第1部材の前記第1回転軸を中心とした回転動作の最大角度を前記x軸に対してn°とした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    =(r/2)(|n|/90)
    =r、または、-r
    であることを特徴とする請求項に記載のマニピュレータ。
  6. 前記第1部材の前記第1回転軸を中心とした回転動作の最大角度を前記x軸に対してn°とし、n=0のときの前記可撓性部材と前記x軸のなす角度をI°とした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    (r/2)((|n|-|I|)/90)≦x≦(r/2)((|n|+|I|)/90)
    =r、または、-r
    であることを特徴とする請求項に記載のマニピュレータ。
  7. 第1部材と、
    前記第1部材を、第1回転軸を中心に回転可能に支持する第2部材と、
    前記第1部材と接続し、前記第1部材の回転動作に応じて前記第1回転軸を中心とした円周上を移動する被駆動部と、
    前記被駆動部を駆動する力を往復動作により提供する可撓性部材と、
    前記第1部材の回転動作に応じて、前記可撓性部材の経路を変更させる弧状のガイド面を有する変更手段と、を備え、
    前記弧状のガイド面は、前記第1部材が回転動作する間、前記可撓性部材の前記往復動作における往路と復路のそれぞれの経路長を実質的に維持するように配置されており
    前記弧状のガイド面は、円弧形状の面であり、
    前記第1回転軸に垂直な面上において、前記第1回転軸の位置を原点とし、前記原点を通り互いに直交する軸をx軸、y軸とした座標系において、前記円弧形状の半径と前記可撓性部材の半径の和をr とした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x ,y )が、
    ≧(r /2)
    -r <y <r
    であることを特徴とするマニピュレータ。
  8. 前記第1回転軸に垂直な面上において、前記第1回転軸の位置を原点とし、前記原点を通り互いに直交する軸をx軸、y軸とした座標系において、
    前記円弧形状の半径と前記可撓性部材の半径の和をrとした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    1.3×(r/2)>x>(r/2)
    0.7×r<y<r または、-0.7×r>y>-r
    であることを特徴とする請求項3または7に記載のマニピュレータ。
  9. 前記第1部材の前記第1回転軸を中心とした回転動作の範囲を前記x軸に対してn°とした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    1.3×(r/2)(|n|/90)>x>(r/2)(|n|/90)
    0.7×r<y<r または、-0.7×r>y>-r
    であることを特徴とする請求項に記載のマニピュレータ。
  10. 前記第1部材の前記第1回転軸を中心とした回転動作の範囲を前記x軸に対してn°とし、n=0のときの前記可撓性部材と前記x軸のなす角度をI°とした場合、前記円弧形状の中心位置の座標(x,y)が、
    1.3×(r/2)((|n|+|I|)/90)>x>(r/2)((|n|-|I|)/90)
    0.7×r<y<r または、-0.7×r>y>-r
    であることを特徴とする請求項に記載のマニピュレータ。
  11. 前記第2部材と接続されるシャフト部材をさらに備え、前記x軸と前記シャフト部材の長手方向の中心軸が一致することを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  12. 前記変更手段は、前記x軸と前記第1回転軸とを含む平面を上下から挟むように前記弧状のガイド面を有することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  13. 前記被駆動部は複数の駆動部を含み、
    前記可撓性部材は、前記複数の駆動部を駆動するための第1の可撓性部材と第2の可撓性部材を含み、
    前記変更手段は、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の経路に沿って独立した弧状のガイド面を提供することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  14. 前記被駆動部は、前記第1部材に対して、前記第1回転軸とは別の第2回転軸を中心に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  15. 前記第2回転軸は前記第1回転軸を含む平面に直交することを特徴とする請求項14に記載のマニピュレータ。
  16. 前記被駆動部は、1対のグリッパ部材を有し、
    前記可撓性部材は、前記1対のグリッパ部材を、前記第2回転軸を中心に個別に回転させるための第1の可撓性部材と第2の可撓性部材を含むことを特徴とする請求項14または15に記載のマニピュレータ。
  17. 前記第1部材を、前記第2部材に対して前記第1回転軸を中心として回転させる力を往復動作により伝える第3の可撓性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  18. 前記第3の可撓性部材の往路と復路は、前記第2部材に設けられた貫通穴を通り、前記貫通穴は前記第3の可撓性部材を通した状態で5mmHg~20mmHgの気腹圧を維持できる気密性を有することを特徴とする請求項17に記載のマニピュレータ。
  19. 前記第2部材を接続し、前記往路と前記復路を提供する中空が形成されたシャフト部材と、
    前記シャフト部材を接続し、ユーザの操作に応じて前記可撓性部材の往復動作の力を生成する生成手段を有する操作部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  20. 前記生成手段は、ユーザの操作に応じて回転可能な操作レバーを有し、ユーザによる前記操作レバーへの回転操作の力を前記可撓性部材の往復動作に変換することを特徴とする請求項19に記載のマニピュレータ。
  21. 前記生成手段は、
    前記可撓性部材を往復動作させるためのモータと、
    前記モータの駆動を指示する操作スイッチと、を有することを特徴とする請求項19に記載のマニピュレータ。
  22. 前記第1部材を前記第2部材に対して回転するための駆動力を提供するモータをさらに備え、
    前記操作部は前記モータの駆動を指示する操作スイッチを有することを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  23. 前記操作部は、ユーザの操作力を、前記第1部材を前記第2部材に対して回転するための力に変換する手段をさらに備えることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  24. 前記第2部材を接続し、前記往路と前記復路を提供する中空を持つシャフト部材と、
    前記シャフト部材を接続する駆動部と、を備え、
    前記駆動部は、前記可撓性部材を駆動するためのモータと、前記第3の可撓性部材を駆動するためのモータとを含むことを特徴とする請求項17または18に記載のマニピュレータ。
  25. 前記第2部材を接続し、前記往路と前記復路を提供する中空が形成されたシャフト部材と、
    前記シャフト部材を支持する操作部本体と、
    ユーザが把持するための把持部を含み、前記シャフト部材の長手方向と略直交する第1の回転軸を中心として回転可能に前記操作部本体と接続されたハンドル部と、
    ユーザの操作に応じて前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の往復動作の力を生成する生成手段と、を備え、
    前記生成手段は、ユーザの操作に応じて回転可能な第1の操作レバーおよび第2の操作レバーへの回転操作の力をそれぞれ前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の往復動作に変換し、
    前記第1の操作レバーと前記第2の操作レバーの回転軸と、前記第1の回転軸とが同軸であることを特徴とする請求項16に記載のマニピュレータ。
  26. 前記第2部材を接続し、前記往路と前記復路を提供する中空が形成されたシャフト部材と、
    前記シャフト部材を支持する操作部本体と、
    ユーザが把持するための把持部を含み、前記シャフト部材の軸方向と略直交する第1の回転軸を中心として回転可能に前記操作部本体と接続されたハンドル部と、
    ユーザの操作に応じて前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の往復動作の力を生成する生成手段とを、を備え、
    前記生成手段は、ユーザの操作に応じて回転可能な第1の操作レバーおよび第2の操作レバーへの回転操作の力をそれぞれ前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の往復動作に変換し、
    前記第1の回転軸が、前記第1の操作レバーおよび前記第2の操作レバーの回転軸よりも前記シャフト部材から遠い位置にあることを特徴とする請求項16に記載のマニピュレータ。
  27. 前記第1の操作レバーに連結した第1プーリと、前記第2の操作レバーに連結した第2プーリと、前記第1の回転軸の回りに回転する第3プーリとを有し、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材の移動による前記1対のグリッパ部材の動きが同期するように、前記第1の可撓性部材と前記第2の可撓性部材が前記第1プーリ、前記第2プーリおよび前記第3プーリに巻かれていることを特徴とする請求項26に記載のマニピュレータ。
  28. 前記可撓性部材に加わる負荷が所定以上になると変形することにより、前記可撓性部材に加わる負荷を所定以下に抑える過負荷防止手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  29. 前記シャフト部材を、前記シャフト部材の長手方向の軸回りに回転させる駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
  30. 請求項1乃至1924のいずれか1項に記載されたマニピュレータと、
    前記マニピュレータを装着した多自由度アームと、
    前記多自由度アームおよび前記マニピュレータを遠隔操作、半自動または自動により制御する制御手段と、を備えることを特徴とする手術支援ロボットシステム。
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