JP7007981B2 - 筋力増強用組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には小麦胚芽を有効成分とする筋肉増強用組成物が記載されている。
特許文献3には、小麦蛋白質の加水分解物を含有する、筋肉増加用組成物が記載されている。
握力とは、広辞苑によれば「物を握り締める力」と定義されている。握力は、日常の活動や、スポーツに必要な力であり、これを増強するためのトレーニング方法や、器具が提案されている。例えばハンドグリップのような器具を日常的に握り締めていることで、自ずと握力が増強されるといわれている。
特許文献4及び5には、指を屈曲させるための虫様筋を強化するための弾力性のある構造を持つグローブが記載されている。
これらの提案は、手の筋力を強化するための運動装置にかかる発明であるといえる。
これらの青汁のなかでも大麦の若葉やケールは搾汁液や葉の乾燥粉末が簡便な粉末飲料として日常的に飲用されている。特にケールはその代表である。
ケールは地中海沿岸が原産でキャベツの原種のヤセイカンランに近く、温暖な気候であれば一年中栽培可能で収穫量も多い。キャベツとは違い、結球しないが栄養に富み、ビタミンの含有量は緑黄色野菜の中でも多く、青汁の材料として利用されている。
これらの作用を有するケールは健康維持に有用であると考えられている。
このようにケールには様々な作用が知られているが、ケールが筋力の増強に関わる作用効果を有していることは知られていない。
本発明は、この発見に基づきなされたものである。すなわち、本発明は、筋力増強作用を有する組成物を提供することを課題とする。
(1)ケールおよび/またはケール搾汁液を含有することを特徴とする筋力増強用組成物。
(2)筋力が握力である(1)に記載の筋力増強用組成物。
(3)ケールがケールの生葉を搾汁して得られる搾汁液の乾燥粉末を含むものである(1)または(2)に記載の組成物。
(4)1日当たりの摂取量が、ケールの生葉を搾汁して得られる搾汁液の乾燥粉末として2~20gである(3)に記載の組成物。
また本発明の組成物は、水に溶解すると飲料として摂取することができ簡便な操作で好ましい風味を持つ飲料となる。また児童の生育に必要なビタミンやミネラル分を同時に供給できるため、学校給食の飲料として摂取させることで、筋力が増強され、児童の体力増強を期待できる。
ケールの葉を乾燥して粉末にするためには、最初に付着した泥や異物などを落とすために洗浄する。ケールの葉は収穫後、時間を置かずに、直ちに処理することが望ましい。収穫後、処理までに時間を要するときには、変質を防ぐために冷凍または冷蔵貯蔵などの手段を講じるのが適当である。
洗浄は、水で、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下の冷水で行う。洗浄工程を冷水で実施するのが好ましいのは、後の工程において葉の品温が上昇するのを防止し、酸化反応や酵素反応によって変質するのを防ぐためである。
洗浄後、水気を切った後、カッターやスライサーを用いて、葉部を適当な大きさに裁断する。
ブランチング処理としては熱水処理、水蒸気処理、マイクロウェーブ照射処理などが挙げられる。
ブランチング処理に用いる熱水には0.001~1質量%程度の重曹及び/又は塩化ナトリウム等をあらかじめ含有させておいてもよい。
ブランチング処理後、緑葉を冷却する。冷却工程としては冷水に緑葉を浸漬する、冷蔵、冷風又は温風による気化冷却などが挙げられる。冷却はいずれの方法により行うときでも、急冷することが望ましい。
ついで上述の搾汁濃縮液を乾燥装置により乾燥する。
乾燥は、温風や熱風によるスプレードライ法、凍結乾燥法(フリーズドライ)等、どのような方法を用いても良い。
凍結乾燥する場合、第一段階として予備凍結を行う。予備凍結は保管を兼ねて-30℃以下の凍結庫にて実施する。こうして得られた凍結乾燥物を粗粉砕し、ケール搾汁液の凍結乾燥品を得る。この凍結乾燥品は吸湿性を有しているので、デキストリン、あるいはクラスターデキストリンを20~90質量%添加して造粒することが好ましい。造粒する場合公知の造粒装置を用いて常法で実施する。
中でも本発明には、流動層造粒が好ましく用いられる。流動層造粒は、簡便に且つ大量に造粒物を生産できることから好ましい。さらに、流動層造粒によれば、比較的低温で造粒操作を実施することができるので栄養素の破壊を抑えることができ、また、嵩密度の低い造粒物が得られ、造粒物の風味や食感をソフトにすることができ、また水溶けのよい造粒物が得られることから好ましい。
以下試験例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(1)試験方法
1)試験試料
ケール搾汁液から調製した「ケール粉末」(株式会社ファンケル製、ケール生葉搾汁液の噴霧乾燥粉末70質量%含有品)を試験試料として、長期間摂取による効果試験を行った。
ケール粉末を水に溶解させて調製した青汁飲用群と非飲用群を対象としたオープンラベル試験方法を採用した。試験期間は約9ヶ月とした。試験はベトナム社会主義共和国の協力を得て実施した。
被験者は、下記表1の選択基準により選定した摂取群(介入群)、対照群(非介入群)の2群とし、各群約300名である。被験者はいずれもベトナムの小学校に在籍する2~4年生である。
1日1回1包(10g)を砂糖水100ml(ショ糖4.4%)に溶解して摂取する。
被験者の所属する学校の先生が人数分の砂糖水をまとめて調製する。すなわち、摂取直前に専用シェーカーにケール粉末1包および砂糖水100mlを入れ、1人分ずつ撹拌して調製した。なお、本試験においては、この調製品を「ケールジュース」と称す。
被験者は、学校において摂取し、摂取タイミングは食間(午後または午前中の授業の休憩時間)とした(10-3月の寒い時期には14:00~15:00頃、 4-5月の暑い時期には朝9:30~10:30頃に変更した。クラス毎に順番に提供し、毎日300名に提供するのに約1時間を要した)。
ケールジュースを月~金曜の週5日連続摂取(7ヶ月半)する。
対照群(非介入群)は、生活習慣を9ヶ月の間大きく変更しない。
検査項目は次の5項目とした。検査は試験開始前、試験開始9ヶ月後の2回実施した。
視力
握力
知能検査(WISC-IV)
栄養調査
1)身長・体重
試験開始前後の変化を図1、2に示す。
被験群は、対照群に比して身長、体重が有意に高かった。
視力検査の結果を図3に示す。
なお、視力検査結果は裸眼視力1.0未満の者の割合で示している。
裸眼視力1.0未満の者の割合は、対照群で増加したが被験群では変化がみられず、介入後は対照群と比較して被験群で目が悪い者が有意に少なかった。
握力の測定結果を下記表2に示す。また試験前後の握力の変化量を図4に示す。
なお、介入前の握力について年齢、性別、体重で調整した重回帰分析の結果、両群に差のないことを確認している。
即ち、本試験の実施による握力の増加は、単に体重増加に伴うものでなく、ケール摂取による未知なる効果を示したものと考えられた。
Claims (3)
- 1日当たりの摂取量としてケール搾汁液の粉末4~10gを含有することを特徴とする児童用筋力増強用組成物。
- 筋力が握力である請求項1に記載の児童用筋力増強用組成物。
- ケールがケールの生葉を搾汁して得られる搾汁液の乾燥粉末を含むものである請求項1または2に記載の児童用筋力増強用組成物。
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Country | Link |
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JP (1) | JP7007981B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5955102A (en) * | 1998-09-04 | 1999-09-21 | Amway Corporation | Softgel capsule containing DHA and antioxidants |
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2018
- 2018-04-02 JP JP2018070968A patent/JP7007981B2/ja active Active
Non-Patent Citations (6)
Title |
---|
Aging Clinical and Experimental Research, 2003, Vol.15, pp.482-487 |
Glycative Stress Research, 2016, Vol.3, No.2, pp.81-90 |
Maturitas, 2015, Vol.80, pp.63-68 |
Proceeding of the Nutrition Society, 2012, Vol.71(OCE2), E90 |
日本臨床栄養学会雑誌, 2011, Vol33, No.2, p.152 |
第72回日本栄養・食糧学会大会講演要旨集, 2018.04.27, p.230 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019182748A (ja) | 2019-10-24 |
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