JP7006784B2 - X線イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線イメージング装置に関し、特に、被写体を移動させながら撮像するX線イメージング装置に関する。
従来、被写体を移動させながら撮像するX線イメージング装置が知られている。このようなX線イメージング装置は、たとえば、特開2017-44603号公報に開示されている。
近年、生体軟組織や高分子材料などの物質を対象としたX線イメージング装置のニーズがある。生体軟組織や高分子材料などは、X線の吸収が少ないため、X線の吸収量のコントラストに基づいて画像化する従来のX線撮像では、コントラストの高い画像を得ることが難しい。X線の吸収が少ない生体軟組織や高分子材料などを撮像する手法として、位相コントラスト画像を生成する縞走査法という手法が知られている。縞走査法とは、複数の格子のうちのいずれかを、所定のピッチで並進させながら撮像し、画素ごとに検出されたX線強度に基づいて位相分布を取得し、取得した位相分布に基づいて画像化する方法である。なお、本明細書において、位相コントラスト画像とは、X線画像中の位相分布を用いてコントラストを生じさせた画像を意味する。
従来の縞走査法では、被写体と撮像系との相対位置を固定した状態で格子を並進移動させながら撮像するため、視野サイズが格子の大きさに限られるという不都合がある。そこで、特開2017-44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、被写体を移動させながら撮像するように構成されている。
具体的には、特開2017-44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、X線源と、第1格子と第2格子と第3格子とを含む格子群と、検出部と、被写体を移動させる搬送部と、画像演算部とを備えている。特開2017-44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、X線を照射された複数の格子によって検出面にモアレ縞を生じさせた状態で、搬送部によってモアレ縞の周期方向に被写体を移動させながら複数枚のX線画像を撮像する。そして、画像演算部が、得られた複数枚のX線画像から、吸収像、位相微分像および暗視野像の各位相コントラスト画像を生成する。なお、吸収像とは、X線が被写体を通過した際に生じるX線の減衰に基づいて画像化した像である。また、位相微分像とは、X線が被写体を通過した際に発生するX線の位相のずれをもとに画像化した像である。また、暗視野像とは、物体の小角散乱に基づくVisibilityの変化によって得られる、Visibility像のことである。また、暗視野像は、小角散乱像とも呼ばれる。「Visibility」とは、鮮明度のことである。
特開2017-44603号公報
しかしながら、特開2017-44603号公報では、X線の光軸方向における被写体の厚みが大きくなると、生成される位相コントラスト画像において、被写体中の画像化したい内部構造がぼける(像の輪郭が不明瞭となる)という不都合がある。すなわち、被写体の厚みが大きい場合、被写体の同一部位であっても、たとえば光軸方向の表面側と裏面側とでX線の入射角の差異が大きくなるため、表面側を通ったX線と裏面側を通ったX線とが検出器の異なる位置で検出されることになる。その結果、被写体の厚みに起因する検出位置のずれが位相分布に反映されるため、画像化したい内部構造の像がぼけて視認性が低下してしまう。そこで、厚みが大きい被写体であっても、ぼけの発生に起因して、画像化したい内部構造の視認性が低下することを抑制できるようにすることが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、厚みが大きい被写体であっても、画像化したい内部構造の視認性の低下を抑制することが可能なX線イメージング装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線イメージング装置は、X線源と、X線源から出射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源からX線が照射される第1格子と、第1格子を通過したX線が照射される第2格子とを含む複数の格子と、X線源、検出器および複数の格子を含む撮像系と、被写体とを、X線の光軸方向と交差する所定方向に相対移動させる移動機構と、画像化対象となる断層面の光軸方向における断層位置を取得する位置情報取得部と、所定方向における撮像系と被写体との複数の相対位置で被写体を撮像した複数のX線画像と、取得された断層位置とに基づいて、断層面における位相分布を取得することにより、断層面における位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備える。なお、本明細書において断層位置は、光軸方向における断層面の位置を示す概念である。断層位置は、X線源からの光軸方向の距離と言い換えてもよい。
この発明の一の局面におけるX線イメージング装置では、上記のように、画像化対象となる断層面の光軸方向における断層位置を取得する位置情報取得部と、所定方向における撮像系と被写体との複数の相対位置で被写体を撮像した複数のX線画像と、取得された断層位置とに基づいて、断層面における位相分布を取得することにより、断層面における位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を設ける。これにより、被写体のうちで、画像化したい内部構造が存在する断層面の光軸方向の位置(断層位置)を位置情報取得部によって取得することができる。そして、断層面上の点に対するX線の入射角は撮像系と被写体との相対位置によって決まるので、断層位置の情報と、X線画像が撮像された際の相対位置とにより、個々のX線画像における断層面上の点の位置が特定できる。これにより、画像処理部により、得られた断層位置の情報と、複数の相対位置での各X線画像とに基づいて、断層位置によって示される特定の断層面における位相分布が取得できる。その結果、位置情報取得部により取得された断層位置の断層面における位相分布から、その断層面に含まれる内部構造について画像のぼけが抑制された位相コントラスト画像(断層画像)が得られる。これにより、厚みが大きい被写体であっても、内部構造の視認性の低下を抑制することができる。
なお、位置情報取得部に取得させる断層位置を変更すれば、変更後の断層位置が示す断層面に含まれる内部構造が、画像のぼけが抑制された位相コントラスト画像(断層画像)によって視認可能となる。そのため、上記構成によれば、ユーザが画像化したい断層位置(たとえば、厚みが大きい被写体の表面側の断層面や裏面側の断層面)に応じて、任意の断層面における視認性の高い位相コントラスト画像(断層画像)を得ることができる。画像のぼけによる視認性の低下は、画像化したい内部構造が微細であるほど影響が大きいので、特に微細な構造や、内部構造の詳細な確認を行いたい場合に、上記構成が特に有効である。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、個々のX線画像の撮像時の上記相対位置と、取得された断層位置とに基づいて、個々のX線画像内の位置座標を断層面上の座標系に座標変換し、座標変換後のそれぞれのX線画像の画素値に基づいて、断層面における位相分布を取得するように構成されている。このように、撮像系と被写体との所定方向の相対位置と、光軸方向の断層位置とから、個々のX線画像におけるX線源と被写体と検出器(すなわち、X線画像中の位置座標)との幾何学的な位置関係が決まる。そのため、幾何学的関係を利用して、断層面上における被写体の同一位置がX線画像上で相互に一致するように座標変換すれば、断層面における位相分布を容易に取得することができる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、位置情報取得部は、光軸方向における基準位置に対する断層位置のずれ量を取得し、画像処理部は、光軸方向における基準位置および基準位置に対する断層位置のずれ量と、所定方向における撮像系と被写体との相対位置と、に基づいて、断層面における位相分布を取得するように構成されている。このように構成すれば、たとえば撮像時に、予め設定した基準位置に被写体の中心などの所定位置を配置することによって、光軸方向における被写体の断層位置を基準位置からの距離(ずれ量)として扱うことが可能となる。その結果、被写体における画像化したい断層位置を容易に特定して、所望の位相コントラスト断層画像を容易に得ることができる。
この場合、好ましくは、画像処理部は、光軸方向における基準位置に配置された標識物を、所定方向における複数の相対位置で撮像した複数の位置較正用画像に基づいて、移動機構による移動量とX線画像における相対位置の変化量とを関連付ける位置較正データを生成し、基準位置で取得された位置較正データを用いて上記断層面における位相分布を取得するように構成されている。ここで、位相コントラスト画像における画像のぼけを抑制するためには、撮像系と被写体との相対位置を精度よく特定することが重要となる。そこで、上記構成により位置較正データを生成することによって、基準位置を通る断層面上の点(標識物)の各X線画像上での実際の位置変化を精度よく取得することができる。基準位置を通る断層面上の点の位置を精度よく把握できるので、基準位置の位置較正データと、基準位置からのずれ量とによって、それぞれの断層位置で位置較正データを生成することなく、任意の断層面上の位置座標を精度よく把握できる。その結果、基準位置の位置較正データを生成するだけで、位置情報取得部によって取得される任意の断層面における位相分布を精度よく取得することができる。
上記位置較正データを生成する構成において、好ましくは、移動機構は、被写体を撮像する際、位置較正データの生成時における撮像系と標識物との各相対位置と同じ相対位置に、撮像系と被写体とを相対移動させるように構成されている。このように構成すれば、位置較正データの生成時と同一の相対位置で撮像されたX線画像に基づいて断層面の位相コントラスト画像(断層画像)を生成できる。そのため、位置較正データの誤差要因を極力排除して、個々のX線画像における撮像系と被写体との相対位置をより一層高精度に特定することができる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、位置情報取得部は、光軸方向にずれた複数の断層面の断層位置を取得し、画像処理部は、それぞれの断層面における位相コントラスト画像を取得し、得られた位相コントラスト画像に基づいて、被写体の3次元データを生成するように構成されている。このように構成すれば、複数の断層画像から、被写体内の内部構造の光軸方向における分布を描写した3次元データを得ることができる。また、3次元データを構成する各断層画像について、それぞれ画像のぼけを抑制することができるので、被写体内の3次元構造をより精密に把握することができる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、移動機構は、被写体を撮像する際に、撮像系と被写体とを連続的に相対移動させるように構成されており、画像処理部は、連続的に取得した各X線画像に基づいて、位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、複数の相対位置でX線画像の撮像を行う場合でも、短時間で撮像を完了させることができるので、所望の断層位置の位相コントラスト画像を迅速に得ることができる。また、短時間で撮像を完了させることにより、各X線画像を撮像する間の熱変動による相対位置のずれなどの影響を抑制できる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、移動機構は、被写体を撮像する際に、撮像系と被写体との相対移動と停止とを繰り返して複数の上記相対位置へ移動させるように構成されており、画像処理部は、複数の上記相対位置においてそれぞれ取得した各X線画像に基づいて、位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、各X線画像を静止状態で撮像することができるので、相対位置のずれや画像のブレを極力抑制してX線画像を撮像することができる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、移動機構は、撮像系に対して被写体を上記所定方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、X線源、各格子および検出器を含んだ撮像系の全体を移動させる場合と異なり、被写体だけを移動させればよいので、移動機構を簡素化および小型化することができるとともに、移動時の位置精度を容易に確保することができる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、検出器は、第1格子を通過して到達したX線を検出する第1検出領域と、第1格子を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域とを含み、移動機構は、被写体が第1検出領域および第2検出領域にそれぞれ配置されるように撮像系と被写体とを相対移動させ、画像処理部は、第1検出領域において取得された複数の第1画像に基づいて、位相コントラスト画像を生成するとともに、第2検出領域において取得された複数の第2画像に基づいて、被写体の吸収像を生成するように構成されている。このように構成すれば、X線源と検出器との間に格子を備えた撮像系でありながら、格子を用いた位相コントラスト画像だけでなく、格子を介在させない吸収像を生成することができる。第2検出領域に到達するX線は、格子を通過せずに検出器に到達するので、格子によるX線の減衰、特に低エネルギー側のX線の減衰を抑制することができる。その結果、第1検出領域に到達するX線によって生成された吸収像と比較して、第2検出領域に到達するX線によって生成された吸収像のコントラストを向上させることができる。
この場合、好ましくは、画像処理部は、同一の断層面における位相コントラスト画像と吸収像とを合成した合成画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、同一の断層面における、第2検出領域において検出されたX線によって生成された高コントラストの吸収像と、位相コントラスト画像とを合成した合成画像を取得することができる。その結果、特定の断層面の断層画像とすることによって画像のぼけを抑制しつつ、その断層面における吸収(減衰)分布および位相分布の情報を含んだ高コントラストの断層画像(合成画像)を得ることができる。
上記合成画像を生成する構成において、好ましくは、位置情報取得部は、光軸方向にずれた複数の断層面の断層位置を取得し、画像処理部は、それぞれの断層面における位相コントラスト画像および吸収像を取得して、位相コントラスト画像の3次元データおよび吸収像の3次元データを生成し、それぞれの3次元データを合成した3次元合成データを生成するように構成されている。このように構成すれば、複数の断層面の各々における位相コントラスト画像および吸収像から、被写体内の内部構造の光軸方向における分布を描写した3次元データを得ることができる。また、位相コントラスト画像は、被写体の内部構造のうちでX線の屈折や散乱をもたらす境界部分や微細な構造変化の描写に好適であり、吸収像は、X線の減衰をもたらす中実部分の描写に好適である。そのため、位相コントラスト画像および吸収像の各々で描写可能な部分を合成した3次元合成データを得ることによって、被写体内の3次元構造を、より正確に描写することが可能となる。
上記一の局面におけるX線イメージング装置において、好ましくは、複数の格子は、X線源と第1格子との間に配置された第3格子をさらに含む。このように構成すれば、第3格子によってX線源から照射されるX線の可干渉性を高めることができる。その結果、X線源の焦点径が大きくても第1格子の自己像を形成させることが可能となるので、X線源の選択の自由度を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、厚みが大きい被写体であっても、画像化したい内部構造の視認性の低下を抑制することができる。
X線イメージング装置の全体構成を示した模式図である。 X線イメージング装置の複数の格子を説明するための模式図である。 格子移動機構の構成を説明するための模式図である。 各相対位置において撮像された複数のX線画像の模式図である。 撮像系と被写体との相対位置と、撮像されるX線画像における位置座標との関係を説明するための模式図である。 説明用の被写体のY-Z平面図(A)、X-Z平面図(B)および斜視図(C)である。 X線源と、被写体内の断層面上の点と、検出器との幾何学的関係を示した図である。 複数の位置較正用画像を撮像する際の相対位置を示した模式図である。 位置較正データの取得方法を説明するための模式図である。 モアレ縞の位相情報を取得する方法を説明するための模式図である。 断層面上の被写体内の静止座標系に座標変換した場合の座標変換後の複数のX線画像と位相情報とを示した模式図である。 X線画像の各画素における位相値と画素値との強度信号曲線の模式図である。 第1実施形態による画像処理部が生成する位相コントラスト画像の模式図である。 各断層位置の断層画像における被写体の写り方を説明するための模式図(A)~(C)である。 第1実施形態によるX線イメージング装置による位相コントラスト画像の生成処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態におけるX線画像の各画素における位相値と画素値との強度信号曲線の模式図である。 第3実施形態における被写体の3次元データを説明するための模式図である。 第3実施形態によるX線イメージング装置による3次元データの生成処理を説明するためのフローチャートである。 第4実施形態によるX線イメージング装置の構成を示した模式図である。 位相コントラスト画像と吸収像との合成画像を説明するための図である。 3次元合成データを説明するための図である。 第4実施形態によるX線イメージング装置による3次元合成データの生成処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図15を参照して、第1実施形態によるX線イメージング装置100について説明する。
(X線イメージング装置の構成)
まず、図1~図3を参照して、第1実施形態によるX線イメージング装置100の構成について説明する。
図1に示すように、X線イメージング装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体Tの内部構造を画像化する装置である。X線イメージング装置100は、たとえば、非破壊検査用途では、物体としての被写体Tの内部の画像化に用いることが可能である。
X線イメージング装置100は、X線源1と、第1格子2と、第2格子3と、第3格子4と、検出器5と、画像処理部6と、制御部7と、移動機構8と、格子移動機構9とを備えている。X線源1と、第1格子2と、第2格子3と、第3格子4と、検出器5とによって、X線イメージング装置100の撮像系CSが構成されている。
以下、X線源1から出射されるX線の光軸(X線の光束の中心軸線)方向をZ方向とし、Z方向のうちX線源1から第1格子2に向かう方向をZ2方向、その逆方向の方向をZ1方向とする。Z方向と直交する面内で直交する2方向を、それぞれX方向、Y方向とする。特に限定されないが、以下では、便宜的にY方向を上下方向(鉛直方向)とし、X方向を水平方向とする。図1は、X線イメージング装置100をY方向から見た図である。なお、第1実施形態では、撮像する被写体TのX方向の大きさW1が、第2格子3のX方向の幅W2よりも小さい場合の例を示す。
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させる。X線源1は、発生させたX線をZ2方向(検出器5)に向けて照射するように構成されている。X線源1は、検出器5と対向するように配置されている。X線源1は、たとえばX線源1からのX線の光軸が検出器5の検出面の中心を通る位置に配置される。光軸方向は、検出器5の検出面に対する法線方向と一致する。
第1実施形態では、X線イメージング装置100は、第1格子2と、第2格子3と、第3格子4との、3つ(複数)の格子を備えている。第1格子2は、X線源1と検出器5との間に配置され、X線源1からX線が照射される。第1格子2は、タルボ効果により、第1格子2の自己像を形成するために設けられている。可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成される。これをタルボ効果という。
第2格子3は、第1格子2と検出器5との間に配置されており、第1格子2を通過したX線が照射される。また、第2格子3は、第1格子2から所定のタルボ距離だけ離れた位置に配置される。第2格子3は、第1格子2の自己像と干渉して、モアレ縞30(図4参照)を形成する。
第3格子4は、X線源1と第1格子2との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第3格子4は、複数の各X線透過領域によって、X線源1の焦点径よりも小さな微小光源の配列を形成する。第1格子2および第2格子3に加えて、第3格子4を設ける事によって、いわゆるタルボ・ロー干渉計が構成される。
検出器5は、X線源1から出射されたX線を検出する。検出器5は、検出したX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器5は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器5は、変換素子(図示せず)と変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成された複数の画素を備える。複数の画素は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向にアレイ状に配列されている。また、検出器5は、取得した画像信号を、画像処理部6に出力するように構成されている。
画像処理部6は、検出器5から出力された画像信号に基づいて、位相コントラスト画像16を(図13参照)を生成するように構成されている。画像処理部6は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。
制御部7は、X線イメージング装置100の撮像動作を制御する。具体的には、制御部7は、移動機構8を制御して、撮像系CSと被写体Tとを相対移動させるように構成されている。また、制御部7は、格子移動機構9を制御して、第1格子2を移動させるように構成されている。また、制御部7は、格子移動機構9を制御して第1格子2の位置を調整することにより、モアレ縞30(図4参照)を、検出器5の検出面上に生じさせるように構成されている。制御部7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部とを含む。
第1実施形態では、制御部7は、位置情報取得部7aを含む。位置情報取得部7aは、画像化対象となる断層面40の光軸方向における断層位置を取得するように構成されている。位置情報取得部7aは、たとえば、CPUを位置情報取得部として動作させるプログラムによってソフトウェア的に実現されうる。位置情報取得部7aは、制御部7が備えるキーボードなどの入力装置7bを介して、ユーザにより入力された断層位置を取得する。位置情報取得部7aは、制御部7が備える記憶部や、外部記憶媒体などに予め格納された断層位置の情報を読み出すことにより、断層位置を取得し得る。後述するように、第1実施形態のX線イメージング装置100は、取得された断層位置によって規定される断層面40における位相コントラスト画像16(断層画像)を生成することが可能である。
移動機構8は、撮像系CSと、被写体Tとを、X線の光軸方向と交差する所定方向に相対移動させるように構成されている。第1実施形態では、光軸方向がZ方向であり、所定方向は、光軸方向と直交するX方向である。また、移動機構8は、撮像系CSと被写体Tとを、光軸方向と直交する面内でモアレ縞30(図4参照)の周期方向(X方向)に相対移動させる。移動機構8は、撮像系CSと被写体Tとのうちの一方、または両方を移動させるように構成し得る。第1実施形態では、移動機構8は、撮像系CSに対して被写体TをX方向に移動させる。撮像系CSは、格子移動機構9によって第1格子2が移動される以外は、少なくとも撮像時において固定されている。移動機構8は、たとえば、ベルトコンベア8aまたは各種の直動機構と、電動モータなどの駆動源8bとを含む。直動機構は、たとえばリニアスライダなどの案内機構(図示せず)と、駆動源8bによる動力をX方向の移動に変換するボールねじ機構やラック-ピニオン機構などの変換機構(図示せず)とを含みうる。一例として、第1実施形態では、移動機構8は、ステッピングモータからなる駆動源8bを含む。
格子移動機構9は、第1格子2を移動可能に保持している。格子移動機構9は、制御部7の制御の下、第1格子2を移動させるように構成されている。また、格子移動機構9は、制御部7の制御の下、第1格子2の位置を所定位置に調整した状態で保持可能に構成されている。
(各格子の構造)
図2に示すように、第1格子2は、複数のスリット2aおよびX線位相変化部2bを有している。各スリット2aおよびX線位相変化部2bは、Y方向に所定の周期(ピッチ)D1で配列されている。各スリット2aおよびX線位相変化部2bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット2aおよびX線位相変化部2bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第1格子2は、いわゆる位相格子であるが、いわゆる吸収格子(X線位相変化部2bに代えてX線吸収部を設けたもの)であってもよい。
第2格子3は、複数のX線透過部3aおよびX線吸収部3bを有する。各X線透過部3aおよびX線吸収部3bは、Y方向に所定の周期(ピッチ)D2で配列されている。各X線透過部3aおよびX線吸収部3bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部3aおよびX線吸収部3bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第2格子3は、いわゆる、吸収格子である。
第3格子4は、Y方向に所定の周期(ピッチ)D3で配列される複数のスリット4aおよびX線吸収部4bを有している。各スリット4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。
各格子において、スリットおよびX線透過部はそれぞれX線を透過させる。また、X線吸収部はX線を遮蔽する。また、X線位相変化部はスリットとの屈折率の違いによってX線の位相を変化させる。
(格子移動機構)
図3の構成例では、格子移動機構9は、6軸の移動ステージである。格子移動機構9は、X方向直動機構90と、Y方向直動機構91と、Z方向直動機構92と、直動機構接続部93と、ステージ支持部駆動部94と、ステージ支持部95と、ステージ駆動部96と、ステージ97とを含む。図示を省略するが、格子移動機構9は、ステージ97上において第1格子2を保持している。
格子移動機構9は、X方向直動機構90により、ステージ97(第1格子2)をX方向に移動させる。格子移動機構9は、Y方向直動機構91により、ステージ97(第1格子2)をY方向に移動させる。格子移動機構9は、Z方向直動機構92により、ステージ97(第1格子2)をZ方向に移動させる。それぞれの直動機構は、駆動源として電動モータなどを含む。これにより、格子移動機構9は、ステージ97(第1格子2)をX方向、Y方向、Z方向の各方向へ移動可能に構成されている。
ステージ支持部95は、ステージ97を下方(Y1方向)から支持している。ステージ駆動部96は、ステージ97を概略X方向に移動させる。ステージ97には、ステージ支持部95に向けて凸曲面となる円弧状の底面が形成されており、X方向に移動されることにより、曲面に沿ってZ方向の軸線周り(Rz方向)に回動する。また、ステージ支持部駆動部94は、ステージ支持部95を概略Z方向に移動させる。ステージ支持部95には、直動機構接続部93に向けて凸曲面となる円弧状の底面が形成されており、曲面に沿ってZ方向に移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動する。また、直動機構接続部93は、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動可能にX方向直動機構90に設けられている。これにより、格子移動機構9は、ステージ97(第1格子2)をRx方向、Ry方向およびRz方向の各方向に回動させることができる。
(位相コントラスト画像の生成)
次に、図4~図14を参照して、第1実施形態によるX線イメージング装置100が位相コントラスト画像16(図13参照)を生成する構成について説明する。
第1実施形態では、X線イメージング装置100は、図4に示すように、検出器5の検出面上に予めモアレ縞30を発生させた状態で、モアレ縞30を通過するように撮像系CSに対して被写体Tを移動させながらX線画像10を撮像する。X線イメージング装置100は、それぞれの相対位置で得られた複数のX線画像10に基づいて、位相コントラスト画像16を生成する。位相コントラスト画像16の生成のため、X線イメージング装置100は、画像化対象となる断層位置の情報と、モアレ縞30の位相情報12(図10参照)と、複数のX線画像10が撮像された相対位置の情報と、を取得する。
そして、第1実施形態では、画像処理部6が、所定方向における撮像系CSと被写体Tとの複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数のX線画像10と、取得された断層位置とに基づいて、断層面40(図5参照)における位相分布を取得することにより、断層面40における位相コントラスト画像16(図13参照)を生成する。
〈複数の相対位置でのX線画像の撮像〉
図4は、移動機構8によって被写体TをX方向に直線移動させながら撮像した複数のX線画像10の模式図である。第1実施形態では、移動機構8は、被写体Tを撮像する際に、撮像系CSと被写体Tとの相対移動と停止とを繰り返して複数の相対位置へ移動させるように構成されている。そして、画像処理部6は、複数の相対位置においてそれぞれ取得した各X線画像10に基づいて、位相コントラスト画像16を生成するように構成されている。
具体的には、図4は、被写体Tが撮像範囲の一方側(右側)から他方側(左側)へ、第1撮像位置~第6撮像位置の6か所の相対位置へ移動されて、撮像を行った例である。なお、第1撮像位置では、X方向における被写体Tの一部が検出器5の検出面範囲外に配置され、X線画像10において被写体Tの一部が写っていない。図4において、被写体Tに固定された点Qに着目すると、相対位置の変化に応じて、各X線画像10中の点Qの位置座標が変化する。
制御部7は、各相対位置に被写体Tを位置付けるための移動量に対応した指令値を移動機構8に入力することにより、被写体Tを各撮像位置へ移動させる。移動機構8への指令値は、たとえば移動機構8(駆動源8b)に入力されるパルス数である。制御部7は、移動機構8によって、少なくともモアレ縞30の1周期D4以上の距離だけ、被写体Tを移動させる。つまり、最初の撮像位置である第1撮像位置から最後の撮像位置である第6撮像位置までの間の移動量が、モアレ縞30の1周期D4分以上となる。これにより、それぞれのX線画像10に基づいて、被写体Tの像を構成する画素毎に、モアレ縞30の1周期分以上の画素値変化(すなわち、位相変化)が取得できる。
図5は、上記のように複数の相対位置でX線画像を撮像する際の、被写体TとX線画像10の位置座標との関係を示した図である。図5において、縦軸が光軸方向(Z方向)の位置を示し、横軸が相対移動を行う所定方向(X方向)の位置を示す。光軸方向においてX線源1の焦点位置を原点とする。光軸方向における位置として、焦点から被写体Tの中心位置までの距離SOD(source object distance)だけ離れた位置を基準位置(以下、SODという)とする。焦点から検出器5の検出面までの距離だけ離れた位置を検出面位置SID(source image Distance)とする。
第1実施形態では、被写体Tの断層面40の断層位置が、基準位置SODからのずれ量として表現される。図5では、被写体Tの断層面40として、スライス厚dだけずれた2j+1個の断層面40(基準位置SODの断層面を含む)を設定する。スライス厚dは、各断層面40の間の距離であり、各断層面40は光軸方向にスライス厚dを隔てて等間隔で配列される。jは、断層位置番号であり、基準位置SODに対して正側(検出器5側)に+j個、負側(X線源1側)に-j個の断層面40が設定される。光軸方向におけるSODの座標をzとすると、各断層面40の断層位置は、(z-jd)~(z+jd)で表される。
位置情報取得部7aは、光軸方向における基準位置SODに対する断層位置のずれ量を取得するように構成されている。すなわち、位置情報取得部7aは、画像化対象となる断層面40の光軸方向における断層位置(z±jd)として、スライス厚dと、その断層面40の断層位置番号(j)とを取得する。なお、位置情報取得部7aは、基準位置SODを既知の情報として取得する。
そして、画像処理部6は、光軸方向における基準位置SOD(=z)および基準位置SODに対する断層位置のずれ量(±jd)と、所定方向(X方向)における撮像系CSと被写体Tとの相対位置と、に基づいて、断層面40における位相分布を取得するように構成されている。
ここで、説明の便宜のため、図6に示す形状の被写体Tを仮定する。被写体Tは、光軸方向(Z方向)に厚みH、X方向(所定方向)に幅W1を有する。被写体Tのうち、X方向の同一位置に、3つの点B1、B2、B3を仮定し、これらの各点B1~B3を各断層面40における被写体TのX方向位置座標の基準とする。点B1は、光軸方向にzの位置(断層位置番号=0)にある。点B2は、z+dの位置(断層位置番号=1)にあり、点B3は、z+jdの位置(断層位置番号=j)にある。
なお、図6の被写体Tは、Y方向へ向けて傾斜しており、各点B1~B3はY方向にずれた位置にある。各点B1~B3をY方向にずらしたのは、被写体TのX-Y透視図に相当するX線画像10において各点B1~B3がY方向にずれた位置に写るように便宜的に設定したものである。
図5に示すように、移動機構8により、被写体Tが各相対位置に移動されて撮像される。移動機構8上の座標系における被写体Tの位置をx(x~x)で表す。iは相対位置を特定するための番号であり、たとえばxを初期位置として、図4の第1撮像位置~第6撮像位置がx~xとなる。各位置座標x~xにおける、各断層面40(0~+j)に属する点の検出面(X線画像10)への投影点のX座標を、x´(x´00~x´ji)とする。なお、各断層面40(0~-j)も同様である。
被写体Tの点B1~B3を位置xに移動させたとき、点B1(断層位置番号=0)を通るX線は、検出面(X線画像10)のx´00の座標に写る。一方、点B2(断層位置番号=1)を通るX線は、検出面(X線画像10)のx´10の座標に写り、点B3(断層位置番号=j)を通るX線は、検出面(X線画像10)のx´j0の座標に写る。被写体Tの位置座標xと、断層位置(断層位置番号j)とが決まると、検出面(X線画像10)の位置座標x´jiが特定される。このため、撮像系CSと被写体Tとの相対位置は、移動機構8の座標系ではxで表され、X線画像10の座標系ではx´jiで表される。
図5のように、被写体Tの厚みHが大きい場合、X方向の同一位置における各点B1~B3の写る位置座標x´が、X線画像10上でずれることになるため、単純にSODを基準として各X線画像10から位相コントラスト画像16を生成する場合には、点B2および点B3にぼけが生じ、明瞭に画像化することが困難になる。そこで、第1実施形態では、画像処理部6は、個々のX線画像10の撮像時の相対位置(x´ji)と、取得された断層位置(z+jd)とに基づいて、個々のX線画像10内の位置座標を断層面40上の座標系に座標変換し、座標変換後のそれぞれのX線画像10の画素値に基づいて、断層面40における位相分布を取得するように構成されている。
具体的には、図5において、被写体Tの位置xにおける断層位置番号j=0の点B1と、検出面(X線画像10)上における位置座標x´00とが、図7に示す相似関係から、以下の関係式で表される。xは、検出面(X線画像10)上における光軸(焦点を通る法線)のX座標を表す。
Figure 0007006784000001
ここで、被写体Tの位置xで、基準位置SODからj番目の断層位置z+jdにおける点(点B3)について、検出面(X線画像10)上に写るX座標x´j0が、図7に示す相似関係から、以下の関係式で表される。
Figure 0007006784000002
式(2)から分かるように、基準位置SOD(=z)上の位置座標x´00から任意の断層面40上の位置座標x´j0への変換が可能である。位置座標x´00と位置座標x´j0とは、SIDに依存しない関係で表される。
したがって、移動機構8によって被写体Tが任意のi番目の位置xに移動されたときの、任意のj番目の断層位置の点の位置座標x´jiは、下式(3)で表される。
Figure 0007006784000003
上式(3)を整理すれば、下式(4)が得られる。
Figure 0007006784000004
以上から、移動機構8によって被写体Tが所定方向(X方向)の各相対位置xにおいて撮像された各X線画像10の位置座標を、基準位置SODからずれた任意の断層位置(z+jd)の断層面40上の断層画像の位置座標に変換することが可能である。
このように、画像処理部6は、光軸方向における基準位置SOD(=z)および基準位置SODに対する断層位置のずれ量(jd)と、所定方向(X方向)における撮像系CSと被写体Tとの相対位置(x´0i)と、に基づいて、断層面40における位相分布を取得するように構成されている。
なお、被写体Tの相対位置(x´0i)は、下式(5)により取得される。
Figure 0007006784000005
ここで、また、Xstartは、撮像開始時点の被写体Tの初期位置である。また、p1は、移動機構8に入力される指令値(パルス数)に対するX線画像10中での実際の被写体Tの移動量の変換係数[pixel/pulse]である。また、npは、x~xの各相対位置へ被写体Tを移動させる際に移動機構8に入力される指令値(パルス数)である。
画像処理部6は、得られたX線画像10の各々について、上式(5)によって被写体Tの各相対位置(x´0i)を取得し、上式(4)に代入することにより、断層位置番号jにより特定される断層面40の断層画像となるよう座標変換を行う。
(位置較正データの生成)
上式(5)において、変換係数p1[pixel/pulse]は、移動機構8の設計仕様の一部であり既知の情報として予め取得しうる。これに対して、第1実施形態では、画像処理部6は、移動機構8の移動量とX線画像10における相対位置(x´0i)の変化量とを関連付ける位置較正データ45(図1参照)を生成し、基準位置SODで取得された位置較正データ45を用いて断層面40における位相分布を取得するように構成されている。
具体的には、図8に示すように、画像処理部6は、光軸方向における基準位置SODに配置された標識物Mを、所定方向における複数の相対位置で撮像した複数の位置較正用画像13(図9参照)に基づいて、変換係数p1を含む位置較正データ45を生成する。
標識物Mは、X線画像上で所定方向(X方向)位置座標を識別可能であれば特に限定されないが、たとえばX線の透過率が低く、厚みおよびX方向の幅の小さい物体であることが好ましい。標識物Mは、たとえば線状のワイヤー部材または棒状部材や、樹脂プレートなどに線状に設けられたマーカ部材などであり得る。
位置較正データ45は、移動機構8に入力する指令値と、位置較正用画像13における標識物Mの実際の位置変化dm(図8参照)とに基づいて生成される。位置較正データ45は、指令値と標識物Mの位置変化dmとの関係を表す上式(5)に示した近似式として生成される。
図9は、縦軸が各位置較正用画像13における標識物Mの位置[pixel]であり、横軸が標識物Mを移動させた際の指令値[pulse]であるグラフ31である。グラフ31のプロットmpは、入力した指令値と、実際に移動した標識物Mの相対位置(x´0i)の値とをプロットした点である。画像処理部6は、複数の位置較正用画像13から得られた各プロットmpの値を線形フィッティングすることにより、上式(5)における変換係数p1を取得する。
第1実施形態では、移動機構8は、被写体Tを撮像する際、位置較正データ45の生成時における撮像系CSと標識物Mとの各相対位置と同じ相対位置に、撮像系CSと被写体Tとを相対移動させるように構成されている。すなわち、画像処理部6は、位置較正データ45の生成時に、移動機構8により、標識物Mを相対位置x~xに移動させて、それぞれ位置較正用画像13を取得させる。これにより、基準位置SODの断面上の位置座標(x´00~x´0i)の実測値から、位置較正データ45が生成される。そして、画像処理部6は、被写体Tを撮像する際に、移動機構8により、被写体Tを同じ相対位置x~xに移動させて、それぞれX線画像10を取得させる。これにより、被写体Tの撮像時における、基準位置SODの断面上の位置座標(x´00~x´0i)の誤差が、変換係数p1を含む位置較正データ45(上式(5))を用いて極力低減される。
〈モアレ縞の位相情報〉
次に、断層面40における位相分布を取得するための構成について説明する。X線イメージング装置100は、被写体Tの撮像とは別に、格子移動機構9によって第1格子2を段階的に(ステップ状に)並進移動させることにより、図10に示すような各ステップのモアレ縞画像11を取得する。それぞれのモアレ縞画像11は、第1格子2を並進移動させることによって検出器5の検出面上で移動させたモアレ縞30を撮像したものであり、モアレ縞30の画素値の明暗による縞模様を写した画像である。格子の並進移動は、たとえばモアレ縞30の1周期をM分割した(1/M)周期分のステップ移動をM回行って、合計1周期分の距離を移動させる。画像処理部6は、各モアレ縞画像11に基づいて、モアレ縞30の位相情報12を取得するように構成されている。図10ではM=4の例を示している。
具体的には、図10の第1~第4ステップのモアレ縞画像11をI(x、y)とおき、以下の式(6)のようにS(x、y)を定義する。
Figure 0007006784000006
ここで、kは、各ステップの番号である。xおよびyは、検出器5の検出面上における画素位置(位置座標)である。
上記式(6)を用いると、モアレ縞30の位相情報12は、以下の式(7)によって表される。
Figure 0007006784000007
ここで、φ(x、y)は、モアレ縞30の位相情報12である。なお、I(x、y)をkの関数として、サインカーブ(正弦波)によってフィッティングを行い、そのサインカーブの位相情報をモアレ縞30の位相情報12としてもよい。
図10に示すモアレ縞30の位相情報12は、各画素値がその位置座標における位相値を表す。位相情報12では、モアレ縞30の位相値の2π(1周期)の範囲の変化が縞模様となって現れている。位相情報12により、X線画像10の各位置座標における位相値が取得される。
画像処理部6は、上式(4)および上式(5)を用いて、基準位置SODでの各相対位置におけるX線画像10(x´00~x´0i)の任意の断面位置(z±jd)の断層画像(x´j0~x´ji)への座標変換を行うとともに、モアレ縞30の位相情報12についても相対位置毎に座標変換を行う。この結果、たとえば図5の点B3を含む断層面40では、それぞれのX線画像10および位相情報12について、点B3(被写体T)が写る位置座標が一致した静止座標系へと座標変換される。
図11に示すように、座標変換後の各X線画像14では、被写体T(点B3)の位置が固定されてモアレ縞30が被写体Tに対して相対移動する画像となる。また、座標変換後の位相情報15は、座標変換後の各X線画像10におけるモアレ縞30の移動に応じて、位相値の分布が移動される。すなわち、座標変換後の各撮像位置における画素の位置と位相情報15におけるモアレ縞30の位相値の位置とは被写体Tを基準に1対1の関係で対応付いている。
図12に示すように、画像処理部6は、座標変換後の各X線画像14と、座標変換後の位相情報15とを用いて、複数のX線画像14における各画素値と、各画素の位相値とを1対1の関係で対応付けた画素値の強度信号曲線32を取得する。強度信号曲線32は、横軸が位相値を表し、縦軸が画素値を表す。図12は、一例として、複数のX線画像14の点B3における画素値と、複数の位相情報15における点B3の位相値とに基づくプロットpbを取得し、正弦波によってフィッティングすることにより得られた強度信号曲線32の例である。なお、図11に示した空白の領域Eについてはモアレ縞30の位相情報12もないので、図12においてサンプリングはしない。画像処理部6は、断層面40における位相分布として、座標変換後のX線画像14の画素毎の強度信号曲線32を取得する。
画像処理部6は、取得した強度信号曲線32に基づいて、断層面40における位相コントラスト画像16(断層画像)を生成するように構成されている。具体的には、図13に示すように、画像処理部6は、吸収像16aと、位相微分像16bと、暗視野像16cとを生成する。
画像処理部6は、座標変換後のX線画像14の強度信号曲線32の定数値(平均値)から平均値像(図示せず)を生成する。画像処理部6は、強度信号曲線32の位相値から位相像(図示せず)を生成する。画像処理部6は、強度信号曲線32の振幅/定数値からビジビリティ像(図示せず)を生成する。これらの平均値像、位相像およびビジビリティ像を位相コントラスト画像16として生成するだけでもよい。
画像処理部6は、被写体Tの撮像前、または撮像後のタイミングで、被写体Tを配置せずに撮像したエア画像(図示せず)を取得して、座標変換後のエア画像の画素毎の強度信号曲線33(図12参照)を取得し、被写体Tを撮像した上記X線画像14と同様の手法で、被写体なしの平均値像、位相像およびビジビリティ像を生成する。画像処理部6は、被写体ありと被写体なしの各平均値像の比に基づいて吸収像16aを生成する。画像処理部6は、被写体ありと被写体なしの位相像の差分に基づいて位相微分像16bを生成する。画像処理部6は、被写体ありと被写体なしのビジビリティ像の比に基づいて暗視野像16cを生成する。各画像の生成手法は公知であるので、詳細な説明は省略する。画像処理部6は、以上の座標変換から位相コントラスト像の抽出までの作業(すなわち、X線画像14の座標変換、座標変換後のX線画像14の画素毎の強度信号曲線32の取得、取得した強度信号曲線32に基づく断層面40における位相コントラスト画像16(断層画像)の生成)を、各断層面40に対して行う。
生成される吸収像16a、位相微分像16bおよび暗視野像16cは、位置情報取得部7aにより取得された断層位置(z+jd)の断層画像となる。図14は、位相コントラスト画像16の断層像(位相コントラスト断層画像)の概念図である。図14(A)に示すように、たとえば断層位置として、基準位置SOD(=z)が取得された場合、それぞれのX線画像10および位相情報12が断層位置=zの断層面40上の点B1を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=zの断層面40にピントが合った断層画像(吸収像16a、位相微分像16b、暗視野像16c)が生成される。このとき、異なる断層面40にある点B2および点B3の像には、ぼけが生じる。
図14(B)に示すように、点B2がある断層面40の断層位置(z+d)が取得された場合、断層位置=z+dの断層面40上の点B2を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=z+dの断層面40にピントが合った断層像が生成される。このとき、異なる断層面40にある点B1および点B3の像には、ぼけが生じる。
図14(C)に示すように、点B3がある断層面40の断層位置(z+jd)が取得された場合、断層位置=z+jdの断層面40上の点B3を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=z+jdの断層面40にピントが合った断層像が生成される。このとき、異なる断層面40にある点B1および点B2の像には、ぼけが生じる。
このように、第1実施形態では、ユーザが指定した任意の断層面40においてぼけを抑制した(ピントが合った)位相コントラスト断層画像が得られる。
次に、図15を参照して、第1実施形態によるX線イメージング装置100による位相コントラスト画像16を生成する処理の流れについて説明する。
ステップS1において、制御部7は、移動機構8によって標識物Mを相対位置x~xに移動させながら、それぞれの相対位置で標識物Mの撮像を行う、制御部7は、各相対位置における被写体Tの指令値を取得し、画像処理部6は、それぞれの相対位置における複数の位置較正用画像13を生成する。
ステップS2において、画像処理部6は、制御部7の制御の下、各相対位置の位置較正用画像13における被写体Tの移動量dmを取得し、標識物Mの移動量dmと指令値とに基づいて近似式(位置較正データ45)を取得する。
ステップS3において、画像処理部6は、モアレ縞30の位相情報12を取得する。ステップS4において、画像処理部6は、移動機構8によってX方向における複数の相対位置で複数のX線画像10を取得する。移動機構8は、被写体Tをx~xの各相対位置に移動させる。この際、被写体なしのエア画像(図示せず)も取得される。
ステップS5において、位置情報取得部7aが、断層位置を取得する。位置情報取得部7aは、たとえばユーザにより設定された、SOD(=z)、スライス厚dおよび断層位置番号jの各設定値を取得する。断層位置(z+jd)の取得処理は、ステップS6の前であれば、どのタイミングで実施されてもよい。
ステップS6において、画像処理部6は、被写体Tのうち、取得された断層位置(z+jd)により特定される断層面40上の点を基準として、それぞれの相対位置で取得された各X線画像10および位相情報12の位置座標の座標変換を行う。これにより、画像処理部6は、断層面40上の被写体Tを基準とする静止座標系に座標変換された、座標変換後の各X線画像14および位相情報15を取得する。
ステップS7において、画像処理部6は、座標変換後の各X線画像14および各位相情報15に基づいて、断層面40における位相分布を取得する。すなわち、画像処理部6は、断層面40上の被写体Tを基準とした静止座標系における、各画素(各位置座標)の強度信号曲線32を生成する。
ステップS8において、画像処理部6は、生成した強度信号曲線32に基づいて、位相コントラスト画像16を生成する。画像処理部6は、吸収像16a、位相微分像16bおよび暗視野像16cを生成する。以上により、位相コントラスト画像の生成処理が完了する。
なお、ステップS1およびステップS2における位置較正データ45の取得処理と、ステップS3におけるモアレ縞30の位相情報12の取得処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。位置較正データ45の取得処理は、複数のX線画像10の座標変換を行う前であれば、どのタイミングで行ってもよい。また、モアレ縞30の位相情報12を取得する処理は、位相情報12の座標変換の前であれば、いつ行ってもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、画像化対象となる断層面40の光軸方向における断層位置(z+jd)を取得する位置情報取得部7aと、所定方向における撮像系CSと被写体Tとの複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数のX線画像10と、取得された断層位置(z+jd)とに基づいて、断層面40における位相分布を取得することにより、断層面40における位相コントラスト画像16を生成する画像処理部6と、を設ける。これにより、被写体Tのうちで、画像化したい内部構造が存在する断層面40の光軸方向の位置(z+jd)を位置情報取得部7aによって取得することができる。そして、断層位置(z+jd)の情報と、X線画像10が撮像された際の相対位置(x´0i)とにより、個々のX線画像10における断層面40上の点の位置が特定できる。これにより、画像処理部6により、得られた断層位置(z+jd)の情報と、複数の相対位置での各X線画像10とに基づいて、断層位置(z+jd)によって示される特定の断層面40における位相分布が取得できる。その結果、位置情報取得部7aにより取得された断層位置(z+jd)の断層面40における位相分布から、その断層面40に含まれる内部構造について画像のぼけが抑制された位相コントラスト画像16(位相コントラスト断層画像)が得られる。これにより、厚みが大きい被写体Tであっても、内部構造の視認性の低下を抑制することができる。
なお、位置情報取得部7aに取得させる断層位置(断層位置番号j)を変更すれば、変更後の断層位置が示す断層面40に含まれる内部構造にピントが合った位相コントラスト画像16(断層画像)によって視認可能となる。そのため、第1実施形態では、ユーザが画像化したい断層位置に応じて、任意の断層面40における視認性の高い位相コントラスト画像16(断層画像)を得ることができる。画像のぼけによる視認性の低下は、画像化したい内部構造が微細であるほど影響が大きいので、特に微細な構造や、内部構造の詳細な確認を行いたい場合に、上記構成が特に有効である。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6を、個々のX線画像10の撮像時の上記相対位置(x´0i)と、取得された断層位置(z+jd)とに基づいて、個々のX線画像10内の位置座標を断層面40上の座標系に座標変換し、座標変換後のそれぞれのX線画像14の画素値に基づいて、断層面40における位相分布を取得するように構成する。図7のように、撮像系CSと被写体Tとの相対位置と、断層位置(z+jd)とから、個々のX線画像10におけるX線源1と被写体Tと検出器5(すなわち、X線画像10中の位置座標)との幾何学的な位置関係が決まる。そのため、幾何学的関係を利用して、断層面40上における被写体Tの同一位置がX線画像10上で相互に一致するように各X線画像10の位置座標を座標変換することによって、断層面40における位相分布を容易に取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、光軸方向における基準位置SODに対する断層位置のずれ量(jd)を取得するように位置情報取得部7aを構成し、画像処理部6を、光軸方向における基準位置SOD(=z)および基準位置SODに対する断層位置のずれ量(jd)と、所定方向における撮像系CSと被写体Tとの相対位置と、に基づいて、断層面40における位相分布を取得するように構成する。これにより、撮像時に、予め設定した基準位置SODに被写体Tの中心などの所定位置を配置することによって、光軸方向における被写体Tの断層位置を基準位置SODからの距離(ずれ量jd)として扱うことが可能となる。その結果、被写体Tにおける画像化したい断層位置(z+jd)を容易に特定して、所望の断層画像を容易に得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6を、光軸方向における基準位置SODに配置された標識物Mを、所定方向における複数の相対位置で撮像した複数の位置較正用画像13に基づいて、移動機構8の移動量とX線画像10における相対位置の変化量とを関連付ける位置較正データ45を生成し、基準位置SODで取得された位置較正データ45を用いて上記断層面40における位相分布を取得するように構成する。これにより、基準位置SODを通る断層面40上の点(標識物M)のX線画像10上での実際の位置変化を精度よく取得することができる。基準位置SODを通る断層面40上の点の位置を精度よく把握できるので、それぞれの断層位置(z+jd)で位置較正データ45を生成することなく、任意の断層面40上の位置座標を精度よく把握できる。その結果、基準位置SODの位置較正データ45を生成するだけで、位置情報取得部7aによって取得される任意の断層面40における位相分布を精度よく取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、被写体Tを撮像する際、位置較正データ45の生成時における撮像系CSと標識物Mとの各相対位置(x)と同じ相対位置に、撮像系CSと被写体Tとを相対移動させるように移動機構8を構成する。これにより、位置較正データ45の生成時と同一の相対位置で撮像されたX線画像10に基づいて位相コントラスト断層画像を生成できるので、位置較正データ45の誤差要因を極力排除して、個々のX線画像10における撮像系CSと被写体Tとの相対位置をより一層高精度に特定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、被写体Tを撮像する際に、撮像系CSと被写体Tとの相対移動と停止とを繰り返して複数の相対位置(x)へ移動させるように移動機構8を構成する。これにより、各X線画像10を静止状態で撮像することができるので、相対位置のずれや画像のブレを極力抑制してX線画像10を撮像することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、撮像系CSに対して被写体Tを所定方向に移動させるように移動機構8を構成する。これにより、撮像系CSの全体を移動させる場合と異なり、被写体Tだけを移動させればよいので、移動機構8を簡素化および小型化することができるとともに、移動時の位置精度を容易に確保することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の格子として、X線源1と第1格子2との間に配置された第3格子4を設ける。これにより、第3格子4によってX線源1から照射されるX線の可干渉性を高めることができる。その結果、X線源1の焦点径が大きくても第1格子2の自己像を形成させることが可能となるので、X線源1の選択の自由度を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、図1および図16を参照して、第2実施形態によるX線イメージング装置200(図1参照)について説明する。相対移動と停止とを繰り返して被写体Tを複数の相対位置(xi)へ移動させる上記第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、移動機構8は、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを連続的に移動させる。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(X線イメージング装置の構成)
第2実施形態では、移動機構8(図1参照)は、被写体Tを撮像する際に、撮像系CSと被写体Tとを連続的に相対移動させるように構成されている。また、画像処理部6は、連続的に取得した各X線画像10に基づいて、位相コントラスト画像16を生成するように構成されている。すなわち、第2実施形態では、各X線画像10は、所定のフレームレート(時間間隔)で連続的に撮像した動画像として取得される。
第2実施形態では、X線画像10を動画像として取得するため、画像処理部6は、位置較正データ45として、以下に示す式(8)を取得する。
Figure 0007006784000008
ここで、vpは、移動機構8が被写体Tを移動させる際の速度(pulse/s)である。また、fpsは、動画を撮像する際のフレームレート(frame/s)である。また、iは、動画像におけるフレーム番号である。
第2実施形態では、個々のX線画像10は、動画像の各フレーム画像である。Xstartは、最初のフレームの被写体Tの初期位置である。移動機構8の座標系における被写体Tの位置座標xは、iフレームにおける被写体Tの位置を示す。(x´0i)がj=0断層のiフレームの画像中における被写体Tの位置座標を示す。
画像処理部6は、位置較正データ45を用いて得られた位置座標(x´00~x´0i)を上式(4)に代入することにより、任意の断層位置(z±jd)の断層画像への座標変換を行う。画像処理部6は、第1実施形態と同様に、座標変換後の各X線画像14の画素と、座標変換後の位相情報15とに基づいて、図16に示す強度信号曲線34を取得する。強度信号曲線34は、第1実施形態における強度信号曲線32と同様に、横軸が位相値であり、縦軸が画素値である。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、画像処理部6は、強度信号曲線34に基づいて、位相コントラスト画像16を生成する。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、被写体Tを撮像する際に、撮像系CSと被写体Tとを連続的に相対移動させるように移動機構8を構成し、連続的に取得した各X線画像10に基づいて、位相コントラスト画像16を生成するように画像処理部6を構成する。これにより、複数の相対位置でX線画像10の撮像を行う場合でも、短時間で撮像を完了させることができるので、所望の断層位置(z+jd)の位相コントラスト画像16を迅速に得ることができる。また、短時間で撮像を完了させることにより、各X線画像10を撮像する間の熱変動による相対位置のずれなどの影響を抑制できる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図1、図5、図17および図18を参照して、第3実施形態によるX線イメージング装置300(図1参照)について説明する。第3実施形態では、任意の断層位置の断層面40における位相コントラスト画像16を生成する第1および第2実施形態とは異なり、複数の断層面40における各々の位相コントラスト画像16に基づいて被写体Tの3次元データ50を生成する例を示す。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(X線イメージング装置の構成)
第3実施形態では、位置情報取得部7a(図1参照)は、光軸方向にずれた複数の断層面40の断層位置(z+jd)(図5参照)を取得するように構成されている。断層面40の数や、断層面40の位置については、特に限定はないが、光軸方向に等間隔で並んだ複数の断層面40とすることが好ましい。位置情報取得部7aは、たとえば、上記の基準位置SODおよびスライス厚dと、取得する断層範囲として、断層位置番号jの範囲とを取得する。断層位置番号jの範囲は、たとえば連続する断層位置番号の開始番号と終了番号とのセットにより表される。図5の例で、たとえばj=-2~j=+2とすると、位置情報取得部7aは、j=-2、-1、0、+1、+2の各断層位置番号により特定される5つの断層面40の各断層位置を取得する。
第3実施形態では、画像処理部6は、それぞれの断層面40における位相コントラスト画像16を取得し、得られた位相コントラスト画像16に基づいて、図17に示す被写体Tの3次元データ50を生成するように構成されている。
各断層面40における位相コントラスト画像16の取得方法は、上記第1実施形態または第2実施形態と同様である。画像処理部6は、複数の断層位置(z+jd)の数だけ、断層位置(z+jd)を変更して座標変換を繰り返すことにより、それぞれの断層面40における位相コントラスト画像16を生成する。なお、複数のX線画像10および位相情報12については、1回取得すれば足りる。
図17に示すように、画像処理部6は、得られた各断層面40の位相コントラスト画像16を、断層位置番号順に光軸方向に配列して、被写体Tの3次元データ50を生成する。3次元データ50は、各断層面40の複数の位相コントラスト画像16と、光軸方向における各断層面40の位置情報(断層位置)とを含む。3次元データ50は、単にそれぞれの位相コントラスト画像16を光軸方向の断層位置(z-jd~z+jd)に従って配列したものでもよい。スライス厚dの設定値が小さいほど、断面間の距離が小さく、精密な3次元データが取得できる。画像処理部6は、公知の近似計算および補完処理を行うことにより、各断層面40の位相コントラスト画像16を、断層画像の配列ではなく、各断面間の領域を補完した立体形状の3次元データ50として再構成してもよい。これにより、被写体T内において光軸方向に分布する内部構造ISの3次元的な分布を描写することができる。
次に、図18を参照して、第3実施形態によるX線イメージング装置300において3次元データ50を生成する処理の流れについて説明する。上記第1実施形態と同様の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS10において、画像処理部6は、位置較正データ45を生成する。ステップS10は、図15のステップS1およびステップS2をまとめたものであり、説明を省略する。画像処理部6は、ステップS3においてモアレ縞30の位相情報12を取得し、ステップS4において複数の相対位置におけるX線画像10を取得する。
ステップS11において、位置情報取得部7aが、基準位置SOD、スライス厚dおよび断層範囲(断層位置番号jの範囲)を取得する。ステップS12において、画像処理部6は、取得された断層範囲のうちから、画像化する断層位置(断層位置番号jの値)を選択する。そして、画像処理部6は、ステップS6~S8において、選択した断層位置(z+jd)により特定される断層面40の位置座標に座標変換し、位相分布を取得することにより、選択した断層位置(断層位置番号j)により特定される断層面40の位相コントラスト画像16を生成する。
ステップS13において、画像処理部6は、ステップS11で取得された断層範囲に含まれる全ての断層画像が生成されたか否かを判断する。全ての断層画像が生成されていない場合、画像処理部6は、ステップS12に戻り、取得された断層範囲のうちから、次に画像化する断層位置(断層位置番号jの値)を選択して、選択した断層面40の位相コントラスト画像16を生成する。断層範囲に含まれる全ての断層画像が生成されると、画像処理部6は、ステップS14に進み、それぞれの断層面40の位相コントラスト画像16に基づいて、被写体Tの3次元データ50を生成する。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、光軸方向にずれた複数の断層面40の断層位置(z+jd)を取得する位置情報取得部7aを設け、画像処理部6を、それぞれの断層面40における位相コントラスト画像16を取得し、得られた位相コントラスト画像16に基づいて、被写体Tの3次元データ50を生成するように構成する。これにより、複数の断層画像から、被写体T内の内部構造の光軸方向における分布を描写した3次元データ50を得ることができる。また、3次元データ50を構成する各断層画像について、それぞれ画像のぼけを抑制することができるので、被写体T内の3次元構造をより精密に把握することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図19~図22を参照して、第4実施形態によるX線イメージング装置400について説明する。第1格子2を通過したX線を検出して得られたX線画像10に基づいて位相コントラスト画像16を生成する第1~第3実施形態とは異なり、第4実施形態では、第1格子2を通過して到達したX線を検出する第1検出領域R1で得られた第1画像21により位相コントラスト画像23を生成し、第1格子2を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域R2で得られた第2画像22により吸収像24を生成する例を示す。上記第1~第3実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(X線イメージング装置の構成)
図19に示すように、第4実施形態では、検出器5は、第1格子2を通過して到達したX線を検出する第1検出領域R1と、第1格子2を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域R2とを含む。第1検出領域R1および第2検出領域R2は、移動機構8により被写体Tと撮像系CSとを相対移動させる所定方向(X方向)に並んで配置されている。移動機構8は、被写体Tが第1検出領域R1および第2検出領域R2にそれぞれ配置されるように撮像系CSと被写体Tとを相対移動させる。
第1検出領域R1に入射するX線の光路上には、第1格子2および第2格子3が配置される。図19では、第1検出領域R1に入射するX線の光路上に、第1格子2、第2格子3および第3格子4が配置されている。第1検出領域R1は、少なくともモアレ縞30(図4参照)の1周期D4分が写る大きさを有する。
図19の例では、第2検出領域R2に入射するX線の光路上には、格子(第1格子2、第2格子3および第3格子4)が配置されていない。第2検出領域R2は、格子が介在しない吸収像24(図20参照)を撮像する領域であるため、第2検出領域R2のX方向の大きさは、モアレ縞30の1周期D4分の大きさよりも小さくてもよい。
第3実施形態では、X線イメージング装置300は、コリメータ17を含む。コリメータ17は、第3格子4と第1格子2との間に配置されている。コリメータ17は、X線を遮蔽する遮蔽部材により構成されており、開閉自在に構成されたコリメータ孔17aおよび17bが形成されている。コリメータ孔17aは、X線源1から照射されたX線の内、第1格子2を通過して検出器5に照射されるX線の照射範囲(第1検出領域R1の範囲)を調整することが可能である。コリメータ孔17bは、第1格子2を通過せずに検出器5に照射されるX線の範囲(第2検出領域R2の範囲)を調整することが可能である。
画像処理部6は、第1検出領域R1において取得された複数の第1画像21(図20参照)に基づいて、位相コントラスト画像23(図20参照)を生成するとともに、第2検出領域R2において取得された複数の第2画像22(図20参照)に基づいて、被写体Tの吸収像24(図20参照)を生成するように構成されている。
第3実施形態では、画像処理部6は、第1検出領域R1から、複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数の第1画像21を取得する。画像処理部6は、複数の第1画像21の断層面40における位相分布を取得することにより、図20に示すように、断層面40における位相コントラスト画像23(位相微分像23aおよび暗視野像23b)を生成する。位相微分像23aおよび暗視野像23bの生成手法は、上記第1実施形態と同様である。
また、画像処理部6は、第2検出領域R2から、複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数の第2画像22を取得する。画像処理部6は、複数の第2画像22の断層面40における信号強度の分布を取得することにより、断層面40における吸収像24を生成する。断層面40における吸収像24の生成は、取得された断層位置(z+jd)に基づいて、複数の第2画像22の位置座標を断層面40上の被写体Tを基準とする静止座標系に座標変換し、座標変換後の各第2画像22の画素値を画素毎に加算することによって行われる。
画像処理部6は、図20に示すように、同一の断層面40における位相コントラスト画像23と吸収像24とを合成した合成画像25を生成するように構成されている。画像処理部6は、第1画像21に基づく位相コントラスト画像23(位相微分像23aおよび暗視野像23b)と、第2画像22に基づく吸収像24とを、同一の断層面40において生成する。そして、画像処理部6は、位相コントラスト画像23および吸収像24における被写体Tの位置が一致するように座標変換して合成することにより、合成画像25を生成する。
図21に示すように、第4実施形態においても、位置情報取得部7a(図19参照)は、光軸方向にずれた複数の断層面40の断層位置(断層位置番号jの範囲)を取得することが可能である。画像処理部6は、それぞれの断層面40における位相コントラスト画像23および吸収像24を取得して、位相コントラスト画像23の3次元データ50aおよび50bと、吸収像24の3次元データ51とを生成する。そして、それぞれの3次元データを合成した3次元合成データ52を生成するように構成されている。なお、3次元データ50aは、位相微分像23aの3次元データであり、3次元データ50bは、暗視野像23bの3次元データである。
それぞれの3次元データ50の生成方法は、上記第3実施形態と同様である。画像処理部6は、位相コントラスト画像23の3次元データ50a、50bおよび吸収像24の3次元データ51の各々における被写体Tの位置が一致するように座標変換して合成することにより、3次元合成データ52を生成する。
次に、図22を参照して、第4実施形態によるX線イメージング装置400において3次元合成データ52を生成する処理の流れについて説明する。
ステップS20において、画像処理部6は、位置較正データ45およびモアレ縞30の位相情報12を取得する。ステップS10における位置較正データ45およびモアレ縞30の位相情報12の取得処理は、図15のステップS1~ステップS3の処理と同様である。
ステップS21において、画像処理部6は、被写体Tを移動させながら撮像された複数の第1画像21および複数の第2画像22を取得する。その後、ステップS22において、位置情報取得部7aが、基準位置SOD、スライス厚dおよび断層範囲(断層位置番号jの範囲)を取得する。ステップS23において、画像処理部6は、複数の第1画像21に基づいて、位相コントラスト画像23を生成する。ステップS24において、画像処理部6は、複数の第2画像22に基づいて、吸収像24を生成する。ステップS25において、画像処理部6は、ステップS22で取得された断層範囲に含まれる全ての断層画像が生成されたか否かを判断する。全ての断層画像が生成されていない場合、画像処理部6は、ステップS23に戻り、取得された断層範囲のうちから、次に画像化する断層位置を選択して、選択した断層面40の位相コントラスト画像23および吸収像24を生成する。
断層範囲に含まれる全ての断層画像が生成されると、画像処理部6は、ステップS26に進み、それぞれの断層面40の位相コントラスト画像23に基づいて、位相コントラスト画像23の3次元データ50aおよび50bを生成する。また、ステップS27において、画像処理部6は、それぞれの断層面40の吸収像24に基づいて、吸収像24の3次元データ51を生成する。
その後、ステップS27において、画像処理部6は、位相コントラスト画像23の3次元データ50a、50bと吸収像24の3次元データ51とを合成した3次元合成データ52を生成する。この際、3次元合成データ52に含まれる個々の断層画像は、同一の断層面40における位相コントラスト画像23と吸収像24とを合成した合成画像25として生成される。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1~第3実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記のように、検出器5に、第1格子2を通過して到達したX線を検出する第1検出領域R1と、第1格子2を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域R2とを設ける。そして、移動機構8を、被写体Tが第1検出領域R1および第2検出領域R2にそれぞれ配置されるように撮像系CSと被写体Tとを相対移動させるように構成し、画像処理部6を、第1検出領域R1において取得された複数の第1画像21に基づいて、位相コントラスト画像23を生成するとともに、第2検出領域R2において取得された複数の第2画像22に基づいて、被写体Tの吸収像24を生成するように構成する。これにより、格子を用いた位相コントラスト画像23だけでなく、格子を介在させない吸収像24を生成することができる。第2検出領域R2に到達するX線は、格子を通過せずに検出器5に到達するので、格子によるX線の減衰、特に低エネルギー側のX線の減衰を抑制することができる。その結果、第1検出領域R1に到達するX線によって生成された吸収像24と比較して、第2検出領域R2に到達するX線によって生成された吸収像24のコントラストを向上させることができる。
また、第4実施形態では、上記のように、画像処理部6を、同一の断層面40における位相コントラスト画像23と吸収像24とを合成した合成画像25を生成するように構成する。これにより、同一の断層面40における、第2検出領域R2において検出されたX線によって生成された高コントラストの吸収像24と、位相コントラスト画像23とを合成した合成画像25を取得することができる。その結果、特定の断層面40の断層画像とすることによって画像のぼけを抑制しつつ、その断層面40における吸収(減衰)分布および位相分布の情報を含んだ高コントラストの断層画像(合成画像25)を得ることができる。
また、第4実施形態では、上記のように、位相コントラスト画像23の3次元データ50a、50bおよび吸収像24の3次元データ51を生成し、それぞれの3次元データを合成した3次元合成データ52を生成するように画像処理部6を構成する。これにより、複数の断層面40の各々における位相コントラスト画像23および吸収像24から、被写体T内の内部構造ISの光軸方向における分布を描写した3次元データ50を得ることができる。また、位相コントラスト画像23は、被写体Tの内部構造ISのうちでX線の屈折や散乱をもたらす境界部分や微細な構造変化の描写に好適であり、吸収像24は、X線の減衰をもたらす中実部分の描写に好適である。たとえば図20において、位相微分像23aは、内部構造ISの境界部分にコントラストが生じ易く、暗視野像23bは、内部構造ISのうちに存在する線状部分LSなどの微細構造にコントラストが生じ易い。そのため、位相コントラスト画像23および吸収像24の各々で描写可能な部分を合成した3次元合成データ52を得ることによって、被写体T内の3次元構造を、より正確に描写することが可能となる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第4実施形態では、格子移動機構9が、第1格子2を移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。移動させる格子はいずれの格子であってもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、X線イメージング装置100(200、300、400)が第3格子4を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。X線源1から照射されるX線の可干渉性が第1格子2の自己像を形成することができるほど十分に高い場合は、第3格子4を設けなくてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、第1格子2と第2格子3との間において被写体T(標識物M)を移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3格子4と第1格子2との間において、被写体T(標識物M)を移動させるように構成されていてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、指令値と移動量とに基づく近似式(上式(5)または上式(8))として位置較正データ45を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。各X線画像10における画素の位置を取得することができれば、位置較正データ45はどのようにして生成されてもよい。また、位置較正用画像13により位置較正データ45を生成するのではなく、変換係数p1を既知の定数としてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、位相コントラスト画像16(23)として、吸収像、位相微分像および暗視野像を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。位相コントラスト画像16(23)として、吸収像、位相微分像および暗視野像のいずれか1つまたは2つを生成してもよい。
また、上記第4実施形態では、位相微分像23aおよび暗視野像23bと吸収像24とを合成した合成画像25を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、位相微分像23aおよび暗視野像23bのいずれか一方と吸収像24とを合成して合成画像25を生成してもよい。3次元合成データ52についても同様である。
また、上記第1~第4実施形態において、撮像する被写体TのX方向の大きさW1には、特に制限がない。被写体TのX方向の大きさW1が第2格子3の幅W2や、第1検出領域R1および第2検出領域R2のX方向の幅よりも大きくてもよい。その場合、被写体Tを移動させながら撮像した被写体Tの一部の画像をX方向に接続するように合成することにより、被写体Tの全体が写る画像を生成することができる。
また、上記第1~第4実施形態では、撮像系CSを固定し、移動機構8が被写体Tを移動させて撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動機構8は、被写体Tを固定して、撮像系CSを移動させることにより、被写体Tと撮像系CSとを相対移動させるように構成されていてもよい。移動機構8は、被写体T(標識物M)と撮像系CSとのうち、どちらを移動させてもよい。移動機構8が撮像系CSを移動させる場合、移動機構8は、格子移動機構9およびコリメータ17を移動させるように構成すればよい。
また、上記第1~第4実施形態では、焦点から被写体Tの中心位置までの距離SODだけ離れた位置を基準位置とした例を示したが、本発明はこれに限られない。基準位置は、光軸方向のどのような位置に設定してもよい。たとえば基準位置を、検出面位置SIDとして、断層位置を検出面位置SIDからのずれ量としてもよい。上記の通り、基準位置は、位置較正データ45を生成する際の標識物Mの位置(光軸方向における位置)とすることが、位置精度を確保する上で好ましい。
また、上記第1~第4実施形態において、断層位置を基準位置からのずれ量とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基準位置を設定せずに、それぞれの断層面40の断層位置をたとえばX線源1の焦点からの距離(光軸方向の位置)として定義してもよい。
1 X線源
2 第1格子
3 第2格子
4 第3格子
5 検出器
6 画像処理部
7 制御部
7a 位置情報取得部
8 移動機構
10、14 X線画像
13 位置較正用画像
16、23 位相コントラスト画像
16a 吸収像(位相コントラスト画像)
16b、23a 位相微分像(位相コントラスト画像)
16c、23b 暗視野像(位相コントラスト画像)
21 第1画像
22 第2画像
24 吸収像
25 合成画像
32、34 強度信号曲線(位相分布)
40 断層面
45 位置較正データ
50、50a、50b、51 3次元データ
52 3次元合成データ
100、200、300、400 X線イメージング装置
CS 撮像系
M 標識物
R1 第1検出領域
R2 第2検出領域
SOD 基準位置
T 被写体
X方向(所定方向)
Z方向(光軸方向)

Claims (13)

  1. X線源と、
    前記X線源から出射されたX線を検出する検出器と、
    前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子を通過したX線が照射される第2格子とを含む複数の格子と、
    前記X線源、前記検出器および前記複数の格子を含む撮像系と、被写体とを、X線の光軸方向と交差する所定方向に相対移動させる移動機構と、
    画像化対象となる断層面の前記光軸方向における断層位置を取得する位置情報取得部と、
    前記所定方向における前記撮像系と被写体との複数の相対位置で被写体を撮像した複数のX線画像と、取得された前記断層位置とに基づいて、前記断層面における位相分布を取得することにより、前記断層面における位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備える、X線イメージング装置。
  2. 前記画像処理部は、個々の前記X線画像の撮像時の前記相対位置と、取得された前記断層位置とに基づいて、個々の前記X線画像内の位置座標を前記断層面上の座標系に座標変換し、座標変換後のそれぞれの前記X線画像の画素値に基づいて、前記断層面における位相分布を取得するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  3. 前記位置情報取得部は、前記光軸方向における基準位置に対する前記断層位置のずれ量を取得し、
    前記画像処理部は、前記光軸方向における前記基準位置および前記基準位置に対する前記断層位置のずれ量と、前記所定方向における前記撮像系と被写体との前記相対位置と、に基づいて、前記断層面における位相分布を取得するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  4. 前記画像処理部は、
    前記光軸方向における前記基準位置に配置された標識物を、前記所定方向における複数の前記相対位置で撮像した複数の位置較正用画像に基づいて、前記移動機構による移動量と前記X線画像における前記相対位置の変化量とを関連付ける位置較正データを生成し、
    前記基準位置で取得された前記位置較正データを用いて前記断層面における位相分布を取得するように構成されている、請求項3に記載のX線イメージング装置。
  5. 前記移動機構は、被写体を撮像する際、前記位置較正データの生成時における前記撮像系と前記標識物との各相対位置と同じ相対位置に、前記撮像系と被写体とを相対移動させるように構成されている、請求項4に記載のX線イメージング装置。
  6. 前記位置情報取得部は、前記光軸方向にずれた複数の前記断層面の前記断層位置を取得し、
    前記画像処理部は、それぞれの前記断層面における前記位相コントラスト画像を取得し、得られた前記位相コントラスト画像に基づいて、被写体の3次元データを生成するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  7. 前記移動機構は、被写体を撮像する際に、前記撮像系と被写体とを連続的に相対移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、連続的に取得した各前記X線画像に基づいて、前記位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  8. 前記移動機構は、被写体を撮像する際に、前記撮像系と被写体との相対移動と停止とを繰り返して複数の前記相対位置へ移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、複数の前記相対位置においてそれぞれ取得した各前記X線画像に基づいて、前記位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  9. 前記移動機構は、前記撮像系に対して被写体を前記所定方向に移動させるように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  10. 前記検出器は、前記第1格子を通過して到達したX線を検出する第1検出領域と、前記第1格子を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域とを含み、
    前記移動機構は、被写体が前記第1検出領域および前記第2検出領域にそれぞれ配置されるように前記撮像系と被写体とを相対移動させ、
    前記画像処理部は、前記第1検出領域において取得された複数の第1画像に基づいて、前記位相コントラスト画像を生成するとともに、前記第2検出領域において取得された複数の第2画像に基づいて、被写体の吸収像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  11. 前記画像処理部は、同一の前記断層面における前記位相コントラスト画像と前記吸収像とを合成した合成画像を生成するように構成されている、請求項10に記載のX線イメージング装置。
  12. 前記位置情報取得部は、前記光軸方向にずれた複数の前記断層面の前記断層位置を取得し、
    前記画像処理部は、それぞれの前記断層面における前記位相コントラスト画像および前記吸収像を取得して、前記位相コントラスト画像の3次元データおよび前記吸収像の3次元データを生成し、それぞれの3次元データを合成した3次元合成データを生成するように構成されている、請求項11に記載のX線イメージング装置。
  13. 前記複数の格子は、前記X線源と前記第1格子との間に配置された第3格子をさらに含む、請求項1に記載のX線イメージング装置。
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