JP6969691B2 - X線位相撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、X線位相撮像システムに関し、特に、被写体と撮像系とを相対移動させながら撮像するX線位相撮像システムに関する。
従来、被写体と撮像系とを相対移動させながら撮像するX線位相撮像システムが知られている。このようなX線位相撮像システムは、たとえば、特開2017−44603号公報に開示されている。
特開2017−44603号公報に開示されているX線位相撮像システムは、X線源と、第1格子と第2格子と第3格子とを含む格子群と、検出部と、被写体を移動させる搬送部と、画素演算部と、画像演算部とを備えている。特開2017−44603号公報に開示されているX線位相撮像システムは、X線を照射された複数の格子によって生じさせたモアレ縞の周期方向に被写体を移動させながら複数枚の画像を撮像することにより、吸収像と、位相微分像と、暗視野像とを含む位相コントラスト画像を生成するように構成されている。なお、吸収像とは、X線が被写体を通過した際に生じるX線の減衰に基づいて画像化した像である。また、位相微分像とは、X線が被写体を通過した際に発生するX線の位相のずれをもとに画像化した像である。また、暗視野像とは、物体によるX線の小角散乱(屈折)に基づくVisibilityの変化によって得られる、Visibility像のことである。また、暗視野像は、小角散乱像とも呼ばれる。「Visibility」とは、鮮明度のことである。
ここで、位相微分像および暗視野像は、格子の向き(格子が延びる方向)と直交する方向における、被写体によるX線の位相のずれおよびX線の屈折に基づいて被写体を画像化した像である。すなわち、格子の向きと直交する方向に対しては感度があるが、格子に沿う方向に対しては感度がない。したがって、被写体に対する格子の向きによっては、位相微分像および暗視野像上では画像化されない部分が生じる。そのため、位相微分像および暗視野像を生成する際には、被写体に対する格子の向きを変更して撮像することが好ましい。
特開2017−44603号公報
しかしながら、特開2017−44603号公報の構成では、所定の向きに配置された格子に対して被写体を移動させながら撮像する。そのため、特開2017−44603号公報の構成において、被写体に対する格子の向きを変更して撮像するためには、所定の向きで1度撮像した後に、被写体または格子の向きを変更して再び被写体を移動させながら撮像し直さなければならないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被写体または格子の向きを変更して再び被写体を移動させながら撮像することなく、被写体に対する格子の向きを変更して撮像することが可能なX線位相撮像システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線位相撮像システムは、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間において、格子が延びる方向を第1方向に沿った方向に向けて、X線の光軸方向に沿って配置された複数の格子を含む第1格子群と、X線源と検出器との間において光軸方向と交差する方向に第1格子群と並んで配置され、格子が延びる方向を第1方向と異なる第2方向に沿った方向に向けて、光軸方向に沿って配置された複数の格子を含む第2格子群と、被写体またはX線源と検出器と第1格子群と第2格子群とによって構成される撮像系を相対移動させる移動機構と、検出器によって検出された信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、移動機構は、被写体が、第1格子群が配置された第1格子領域および第2格子群が配置された第2格子領域を通過するように被写体と撮像系とを相対移動させるように構成されており、画像処理部は、被写体が第1格子領域を通過した際の第1位相コントラスト画像と、被写体が第2格子領域を通過した際の第2位相コントラスト画像と、を生成するように構成されている。
この発明の一の局面におけるX線位相撮像システムでは、上記のように、第1格子群が配置された第1格子領域、および、格子が延びる方向が第1格子とは異なる第2格子群が配置された第2格子領域を通過するように被写体と撮像系とを相対移動させる移動機構を備える。これにより、被写体を、第1格子領域および第2格子領域を通過させて撮像することによって、それぞれ格子の延びる方向が異なる第1格子群および第2格子群によって被写体を撮像することができる。その結果、被写体または格子の向きを変更して再び被写体を移動させながら撮像することなく、被写体に対する格子の向きを変更して撮像することができる。これにより、撮像作業を簡略化することができるとともに、撮像時間を短縮することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、第1格子群および第2格子群は、第1方向と第2方向とが略直交する向きとなるように配置されている。このように構成すれば、第1方向と第2方向とが略直交する向きであるため、被写体の配置方向にかかわらず、第1格子群または第2格子群のいずれかにおいて、被写体によるX線の位相のずれまたはX線の屈折を抽出することができる。その結果、被写体の配置方向にかかわらず、第1位相コントラスト画像または第2位相コントラスト画像のいずれかにおいて被写体を画像化することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、画像処理部は、第1位相コントラスト画像と、第2位相コントラスト画像とを合成した第1合成画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、第1方向に感度を有する第2位相コントラスト画像と、第2方向に感度を有する第1位相コントラスト画像とを合成した第1合成画像において、第1方向および第2方向の感度をまとめて把握することができる。その結果、被写体の内部構造を詳細に把握することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、第1格子群を通過したX線および第2格子群を通過したX線は、それぞれ、共通の検出器によって検出される。このように構成すれば、1つの検出器を設けることにより、第1格子群を通過したX線と第2格子を通過したX線とを検出することができる。その結果、第1格子群を通過したX線を検出する検出器および第2格子群を通過したX線を検出する検出器をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、第1格子群および第2格子群は、それぞれ、共通のX線源から照射されるX線の照射範囲内に配置されている。このように構成すれば、1のX線源を設けることにより、第1格子群および第2格子群に対してX線を照射することができる。その結果、第1格子群にX線を照射するX線源および第2格子群にX線を照射するX線源をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、第1格子群および第2格子群は、それぞれ、X線源から照射されるX線の可干渉性を高める第1格子と、自己像を形成するための第2格子と、第2格子の自己像と干渉させるための第3格子とを含み、第1格子群の第1格子および第2格子群の第1格子は、一体的に形成されており、第1格子群の第2格子および第2格子群の第2格子と、第1格子群の第3格子および第2格子群の第3格子とは、それぞれ、別体で形成されている。
このように構成すれば、X線源の近傍に配置される第1格子群の第1格子と第2格子群の第1格子とを一体的に形成することにより、X線源から第1格子群の第1格子までの距離とX線源から第2格子群の第1格子までの距離とを略等しくすることができる。また、たとえば、予めモアレ縞を形成させて撮像する場合、第1格子群によるモアレ縞と、第2格子群によるモアレ縞とで、モアレ縞の周期の方向を略同一にする必要がある。しかしながら、第1格子群と第2格子群とでは、格子の延びる方向が互いに異なるように配置されているため、モアレ縞を形成させるための各格子の相対位置が第1格子群と第2格子群とでそれぞれ異なる。したがって、第1格子群の第2格子と第2格子群の第2格子とをそれぞれ別体で形成すること、および、第1格子群の第3格子と第2格子群の第3格子とをそれぞれ別体で形成することにより、第1格子群の各格子および第2格子群の各格子を、それぞれモアレ縞を形成させるために適した相対位置に配置することができる。
また、たとえば、予め形成させたモアレ縞の位相情報を取得するために、第1格子群および第2格子群の各々において、第2格子または第3格子を並進移動させながら撮像する場合、第1格子群と第2格子群とでは、格子の延びる方向が異なるように配置されているため、格子を並進移動させる方向が第1格子群と第2格子群とでそれぞれ異なる。第1格子群の第2格子と第2格子群の第2格子とをそれぞれ別体で形成すること、および、第1格子群の第3格子と第2格子群の第3格子とをそれぞれ別体で形成することにより、第1格子群および第2格子群の格子のうち、並進移動させる格子にそれぞれ移動機構を設けることが可能になり、第1格子群および第2格子群において、並進移動させる格子を、互いに異なる方向に並進移動させながら撮像することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、画像処理部は、第1格子領域および第2格子領域の各々において、被写体と撮像系とを相対移動させながら撮像した複数の画像と、複数の画像に生じたモアレ縞の位相情報と、に基づいて、複数の画像における被写体の各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞の位相値とを対応付けるとともに、複数の画像における被写体の同一位置の画素の位置情報と、位相値と対応付けた各画素の画素値とに基づいて、複数の画像における被写体の同一位置の画素の位置合わせを、第1格子領域および第2格子領域の各々において行うことにより、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、各画像における被写体の同一位置の画素の画素値と、各画像における被写体の同一位置の画素に対応する各位相値とを対応付けて第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成することができる。したがって、たとえば、モアレ縞の1周期分の領域を領域分割して各領域に含まれる画素値の平均値を用いて第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する場合と比較して、同一位置を写した各画素の画素値を用いて第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成することができる。その結果、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像の生成に用いる画素値に誤差が生じることに起因して第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像の画質が劣化することを抑制することができる。
この場合、好ましくは、移動機構は、被写体を撮像する際に、被写体を連続的に移動させるように構成されており、画像処理部は、取得した連続的な画像に基づいて、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、連続的な第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する際に、たとえば、被写体の移動と撮像とを繰り返すことにより連続的な第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する従来の縞走査法とは異なり、被写体を連続的に移動させながら撮像することにより、連続的な第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成することができる。その結果、従来の縞走査法と比較して、撮像時間を短縮することができる。
上記第被写体の各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞の位相値とを対応付けることにより第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する構成において、好ましくは、移動機構は、被写体を撮像する際に、被写体を所定距離ずつ移動させるように構成されており、画像処理部は、所定距離ずつ移動させながら取得した画像に基づいて、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、被写体を連続的に移動させながら撮像する場合と比較して、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する際の画像の枚数を低減することができる。その結果、撮像時間をより短縮することができる。また、たとえば、医療用途に用いる場合には、被ばく量が増加することを抑制することができる。
上記第被写体の各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞の位相値とを対応付けることにより第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成する構成において、好ましくは、画像処理部は、標識物と撮像系とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像に基づいて、複数の画像における被写体の同一位置の各画素の位置合わせに用いる位置較正データを作成するように構成されている。このように構成すれば、位置較正データを用いることにより、被写体の同一位置の画素の各画像における位置を取得することが可能となるので、被写体の移動量を算出することができる。その結果、たとえば、被写体の移動量と標識物の移動量とが同一でない場合でも、被写体の移動量を取得することが可能となるので、複数の画像における被写体の同一位置の各画素の位置合わせを行うことができる。
上記標識物と撮像系とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像に基づいて位置較正データを作成す構成において、好ましくは、位置較正データは、移動機構によって標識物と撮像系とを相対移動させる際に移動機構に入力される移動量に関する指令値と、指令値に基づいて標識物と撮像系とを相対移動させた際の位置較正用画像中における標識物または撮像系の移動量とに基づいて作成される。このように構成すれば、移動機構に入力される移動量に関する指令値と、標識物または撮像系の移動量との間に誤差が生じていた場合でも、位置較正データによって正確な移動量を取得することができる。その結果、複数の画像における被写体の同一位置の各画素の位置合わせを正確に行うことが可能となるので、得られる位相コントラスト画像の画質が劣化することをより抑制することができる。
この場合、好ましくは、位置較正データは、複数の位置較正用画像における標識物の同一位置の各画素の位置に基づいて、指令値と標識物または撮像系の移動量との関係を示す近似式を取得することにより作成される。このように構成すれば、複数の位置較正用画像における標識物の同一位置の各画素の位置に基づいて近似式を取得することにより、複数の位置較正用画像を撮像した位置とは異なる位置への移動量に関する指令値と標識物または撮像系の移動量との関係を、近似式を用いて算出することができる。その結果、たとえば、被写体を撮像する際に、標識物または撮像系を移動させた位置と異なる位置に被写体を移動させた場合でも、被写体の移動量を取得することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、画像処理部は、被写体が第1格子領域を通過した際の位相微分像と、被写体が第2格子領域を通過した際の位相微分像とに基づいて、位相像を生成するように構成されている。このように構成すれば、第1格子領域を通過した際の位相微分像、または、第2格子領域を通過した際の位相微分像のどちらか一方の画像において、所定の方向に積分することにより位相像を生成する構成と比較して、位相像において、積分方向にアーチファクトが生じることを抑制することができる。その結果、位相像の画質が劣化することを抑制することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、画像化対象となる断層面の光軸方向における断層位置を取得する位置情報取得部をさらに備え、画像処理部は、所定方向における撮像系と被写体との複数の相対位置で被写体を撮像した複数の画像と、取得された断層位置とに基づいて、断層面における位相分布を取得することにより、断層面における第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、被写体のうちで、画像化したい内部構造が存在する断層面の光軸方向の位置(断層位置)を位置情報取得部によって取得することができる。そして、断層面上の点に対するX線の入射角は撮像系と被写体との相対位置によって決まるので、断層位置の情報と、X線画像が撮像された際の相対位置とにより、個々のX線画像における断層面上の点の位置が特定できる。これにより、画像処理部により、得られた断層位置の情報と、複数の相対位置での各X線画像とに基づいて、断層位置によって示される特定の断層面における位相分布が取得できる。その結果、位置情報取得部により取得された断層位置の断層面における位相分布から、その断層面に含まれる内部構造について画像のぼけが抑制された位相コントラスト画像(断層画像)が得られる。これにより、厚みが大きい被写体であっても、内部構造の視認性の低下を抑制することができる。
上記一の局面におけるX線位相撮像システムにおいて、好ましくは、移動機構は、第1格子群および第2格子群が配置されていない格子なし領域を被写体が通過するように被写体と撮像系とを相対移動させるように構成されており、画像処理部は、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像と、格子なし領域を通過した際に取得された吸収像とを並べて表示するか、または、第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像と、吸収像とを合成した第2合成画像を表示するように構成されている。このように構成すれば、第1格子群および第2格子群を退避させて撮像したり、格子を備えていない別のイメージング装置を用いて撮像したりすることなく、格子を介在させない吸収像と格子を用いた第1位相コントラスト画像および第2位相コントラスト画像とを生成することができる。格子なし領域に到達するX線は、格子を通過せずに検出器に到達するので、格子によるX線の減衰、特に低エネルギー側によるX線の減衰を抑制することができる。その結果、第1格子領域および第2格子領域を通過して到達するX線によって生成された吸収像と比較して、格子なし領域を通過して到達するX線によって生成された吸収像のコントラストを向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、被写体または格子の向きを変更して再び被写体を移動させながら撮像することなく、被写体に対する格子の向きを変更して撮像することが可能なX線位相撮像システムを提供することができる。
第1実施形態によるX線位相撮像システムの全体構成を示した模式図である。 第1格子群の構造および配置と第2格子群の構造および配置とを説明するための模式図である。 第1実施形態による格子位置調整機構の構成を説明するための模式図である。 第1実施形態によるX線位相撮像システムが被写体を連続的に移動させながら撮像する画像の模式図である。 第1実施形態によるX線位相撮像システムが取得するモアレ縞の位相情報を取得する構成を説明するための模式図である。 第1実施形態によるX線位相撮像システムが撮像する複数の位置較正用画像の模式図である。 位置較正データを取得するための近似式の取得を説明するための模式図である。 第1実施形態によるX線位相撮像システムが撮像する連続的に撮影した画像のうち、第1〜第6撮影位置において撮影された複数の画像の模式図である。 複数の画像における被写体の同一位置の各画素の位置合わせを説明するための模式図である。 連続的に撮像した画像における被写体の各画素とモアレ縞の位相情報との位置合わせを説明するための模式図である。 第1実施形態による連続的に撮像した画像の各画素の各位相値と各画素値とを1対1の関係で対応付けて得られる強度信号曲線の模式図である。 第1実施形態による画像処理部が生成する吸収像(A)、位相微分像(B)および暗視野像(C)の模式図である。 第1実施形態による画像処理部が生成する第1位相コントラスト画像の模式図(A)および第2位相コントラスト画像の模式図(B)である。 比較例による位相像を説明するための模式図である。 第1実施形態による画像処理部が生成する位相像を説明するための模式図である。 第1実施形態によるX線位相撮像システムによる第1合成画像の生成処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態による複数の画像の各画素の各位相値と各画素値とを1対1の関係で対応付けて得られる強度信号曲線の模式図である。 第2実施形態によるX線位相撮像システムによる第1合成画像の生成処理を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態によるX線位相撮像システムの全体構成を示した模式図である。 撮像系と被写体との相対位置と、撮像されるX線画像における位置座標との関係を説明するための模式図である。 X線源と、被写体内の断層面上の点と、検出器との幾何学的関係を示した模式図である。 各断層位置の断層画像における被写体の写り方を説明するための模式図(A)〜(C)である。 第3実施形態によるX線位相撮像システムによる位相コントラスト画像の生成処理を説明するためのフローチャートである。 第4実施形態によるX線位相撮像システムの全体構成を示した模式図である。 第4実施形態による画像処理部が生成する吸収像(A)、第1位相コントラスト画像(B)、第2位相コントラスト画像(C)およびそれらを合成した第2合成画像(D)の模式図である。 第4実施形態によるX線位相撮像システムによる第2合成画像の生成処理を説明するためのフローチャートである。 第1変形例によるX線位相撮像システムの全体構成を示した模式図である。 第2変形例によるX線位相撮像システムの全体構成を示した模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図15を参照して、本発明の第1実施形態によるX線位相撮像システム100の構成、およびX線位相撮像システム100が第1位相コントラスト画像14a(図13参照)、第2位相コントラスト画像14b(図13参照)および第1合成画像19(図15参照)を生成する方法について説明する。
(X線位相撮像システムの構成)
まず、図1を参照して、第1実施形態によるX線位相撮像システム100の構成について説明する。
図1に示すように、X線位相撮像システム100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体Tの内部を画像化する装置である。X線位相撮像システム100は、たとえば、非破壊検査用途では、物体としての被写体Tの内部の画像化に用いることが可能である。
図1は、X線位相撮像システム100をY方向から見た図である。図1に示すように、X線位相撮像システム100は、X線源1と、検出器2と、第1格子群3と、第2格子群4と、移動機構5と、画像処理部6と、制御部7と、格子移動機構8とを備えている。なお、本明細書において、X線源1から第1格子30に向かう方向をZ2方向、その逆方向の方向をZ1方向とする。図1に示す例では、水平方向に沿う方向をZ方向としている。また、Z方向と直交する面内の左右方向をX方向とし、左方向(図1の紙面の上方向)をX1方向、右方向(図1の紙面の下方向)をX2方向とする。また、Z方向と直交する面内の上下方向をY方向とし、上方向(図1の紙面の奥に向かう方向)をY2方向、下方向(図1の紙面の手前側に向かう方向)をY1方向とする。
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させる。X線源1は、発生させたX線を光軸XRaに沿った方向(Z2方向)に向けて照射するように構成されている。なお、図1に示す例では、X線源1は、直線XR1および直線XR2で囲まれた領域にX線を照射する。
検出器2は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向にアレイ状に配列されている。また、検出器2は、取得した画像信号を、画像処理部6に出力するように構成されている。
第1格子群3は、X線源1と検出器2との間において、格子が延びる方向を第1方向(Y方向)に沿った方向に向けて、X線の光軸XRa方向(Z方向)に沿って配置された複数の格子を含む。具体的には、第1格子群3は、第1格子30と、第2格子31と、第3格子32とを含む。なお、Y方向は、請求の範囲の「第1方向」の一例である。また、Z方向は、請求の範囲の「光軸方向」の一例である。
第2格子群4は、X線源1と検出器2との間においてZ方向と交差する方向(X方向)に第1格子群3と並んで配置され、格子が延びる方向をY方向と異なる第2方向(X方向)に沿った方向に向けて、Z方向に沿って配置された複数の格子を含む。具体的には、第2格子群4は、第1格子40と、第2格子41と、第3格子42とを含む。なお、X方向は、請求の範囲の「光軸方向と交差する方向」および「第2方向」の一例である。
第1格子30は、X線源1と、第2格子31との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第1格子30は、ロー効果により、X線源1から照射されるX線の可干渉性を高めるために設けられている。第1格子30は、各X線透過部30aを通過したX線を線光源とするように構成されている。3枚の格子(第1格子30、第2格子31、および、第3格子32)のピッチと格子間の距離とが一定の条件を満たすことにより、X線源1から照射されるX線の可干渉性を高めることが可能である。これを、ロー効果という。
第2格子31は、タルボ効果により、第2格子31の自己像を形成するために設けられている。可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成される。これをタルボ効果という。
第3格子32は、第2格子31と検出器2との間に配置されており、第2格子31を通過したX線が照射される。また、第3格子32は、第2格子31から所定のタルボ距離だけ離れた位置に配置される。第3格子32は、第2格子31の自己像と干渉して、モアレ縞MF(図4参照)を形成する。
第1格子40、第2格子41、および、第3格子42は、それぞれ、第1格子30、第2格子31、および、第3格子32と同様の目的で配置されている。
移動機構5は、制御部7の制御の下、被写体Tまたは撮像系9をX方向に移動させるように構成されている。撮像系9は、X線源1と検出器2と第1格子群3と第2格子群4とによって構成される。図1に示す例では、移動機構5は、被写体TをX2方向からX1方向に移動させることにより、被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されている。具体的には、移動機構5は、被写体Tが、第1格子群3が配置された第1格子領域R1および第2格子群4が配置された第2格子領域R2を通過するように被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されている。移動機構5は、たとえば、ベルトコンベアまたは各種の直動機構によって構成されている。なお、第1実施形態では、X線源1と検出器2との間において、直線XR1と、X線の光軸XRaとで囲まれた領域を、第1格子領域R1とする。また、X線源1と検出器2との間において、直線XR2と、X線の光軸XRaとで囲まれた領域を、第2格子領域R2とする。
画像処理部6は、検出器2から出力された画像信号に基づいて、位相コントラスト画像14を(図12参照)を生成するように構成されている。画像処理部6は、被写体Tが第1格子領域R1を通過した際の第1位相コントラスト画像14aと、被写体Tが第2格子領域R2を通過した際の第2位相コントラスト画像14bとを生成するように構成されている。また、画像処理部6は、第1位相コントラスト画像14aと、第2位相コントラスト画像14bとを合成した第1合成画像19を生成するように構成されている。画像処理部6は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。画像処理部6が、第1位相コントラスト画像14a、第2位相コントラスト画像14b、および第1合成画像19を生成する詳細な構成については、後述する。
制御部7は、移動機構5を制御して、被写体TをX方向に移動させるように構成されている。また、制御部7は、格子移動機構8を制御して、第2格子31および第2格子41を移動させるように構成されている。また、制御部7は、格子移動機構8を制御して第2格子31および第2格子41の位置を調整することにより、モアレ縞MF(図4参照)を、検出器2の検出面上に生じさせるように構成されている。制御部7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
格子移動機構8は、制御部7の制御の下、第2格子31および第2格子41を移動可能に構成されている。また、格子移動機構8は、制御部7の制御の下、第2格子31および第2格子41の位置を調整することにより、モアレ縞MF(図4参照)を生じさせるように構成されている。格子移動機構8が格子を移動させる詳細な構成については後述する。また、図1に示す例では、2つの格子移動機構8が、それぞれ、第2格子31および第2格子41を保持している。
(各格子の構造)
次に、図2を参照して、第1格子群3に含まれる第1格子30、第2格子31、および、第3格子32の構造、および、第2格子群4に含まれる第1格子40、第2格子41、および、第3格子42の構造について説明する。
(第1格子群)
図2に示すように、第1格子30は、X方向に所定の周期(ピッチ)d1で配列される複数のX線透過部30aおよびX線吸収部30bを有している。各X線透過部30aおよびX線吸収部30bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部30aおよびX線吸収部30bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。また、第1格子30は、各X線透過部30aを通過したX線を、各X線透過部30aの位置に対応する線光源とするように構成されている。
第2格子31は、複数のスリット31aおよびX線位相変化部31bを有している。各スリット31aおよびX線位相変化部31bは、X方向に所定の周期(ピッチ)d2で配列されている。各スリット31aおよびX線位相変化部31bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット31aおよびX線位相変化部31bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第2格子31は、いわゆる位相格子である。
第3格子32は、複数のX線透過部32aおよびX線吸収部32bを有する。各X線透過部32aおよびX線吸収部32bは、X方向に所定の周期(ピッチ)d3で配列されている。各X線透過部32aおよびX線吸収部32bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部32aおよびX線吸収部32bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第2格子31は、いわゆる、吸収格子である。第1格子30、第2格子31はそれぞれ異なる役割を持つ格子であるが、スリット31aおよびX線透過部32aはそれぞれX線を透過させる。また、X線吸収部32bはX線を遮蔽する。また、X線位相変化部31bはスリット31aとの屈折率の違いによってX線の位相を変化させる。
(第2格子群)
図2に示すように、第1格子40は、Y方向に所定の周期(ピッチ)d4で配列される複数のスリット40aおよびX線吸収部40bを有している。第1格子40は、格子の延びる方向が異なるように配置されていることを除いて、第1格子30と同様の構成である。すなわち、スリット40aおよびX線吸収部40bは、X線透過部30aおよびX線吸収部30bと同様の構成である。
第2格子41は、複数のスリット31aおよびX線位相変化部31bを有している。各スリット31aおよびX線位相変化部31bは、Y方向に所定の周期(ピッチ)d5で配列されている。第2格子41は、格子の延びる方向が異なるように配置されていることを除いて、第2格子31と同様の構成である。すなわち、スリット41aおよびX線位相変化部41bは、スリット31aおよびX線位相変化部31bと同様の構成である。
第3格子42は、複数のX線透過部42aおよびX線吸収部42bを有する。各X線透過部42aおよびX線吸収部42bは、Y方向に所定の周期(ピッチ)d6で配列されている。第3格子42は、格子の延びる方向が異なるように配置されていることを除いて、第3格子32と同様の構成である。すなわち、X線透過部42aおよびX線吸収部42bは、X線透過部32aおよびX線吸収部32bと同様の構成である。
第1実施形態では、第1格子群3および第2格子群4は、第1方向と第2方向とが略直交する向きとなるように配置されている。また、第1格子群3を通過したX線および第2格子群4を通過したX線は、それぞれ、共通の検出器2によって検出される。また、第1格子群3および第2格子群4は、それぞれ、共通のX線源1から照射されるX線の照射範囲内に配置されている。また、第1格子群3の第1格子30および第2格子群4の第1格子40は、基板RSによって一体的に形成されており、第1格子群3の第2格子31および第2格子群4の第2格子41と、第1格子群3の第3格子32および第2格子群4の第3格子42とは、それぞれ、別体で形成されている。また、第1格子群3の各格子および第2格子群4の各格子は、それぞれ、平板状形状を有している。
(格子移動機構)
図3に示すように、格子移動機構8は、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz、X方向の軸線周りの回転方向Rx、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ryに第2格子31を移動可能に構成されている。具体的には、格子移動機構8は、X方向直動機構80と、Y方向直動機構81と、Z方向直動機構82と、直動機構接続部83と、ステージ支持部駆動部84と、ステージ支持部85と、ステージ駆動部86と、ステージ87とを含む。X方向直動機構80は、X方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構80は、たとえば、モータなどを含む。Y方向直動機構81は、Y方向に移動可能に構成されている。Y方向直動機構81は、たとえば、モータなどを含む。Z方向直動機構82は、Z方向に移動可能に構成されている。Z方向直動機構82は、たとえば、モータなどを含む。
格子移動機構8は、X方向直動機構80の動作により、第2格子31をX方向に移動させるように構成されている。また、格子移動機構8は、Y方向直動機構81の動作により、第2格子31をY方向に移動させるように構成されている。また、格子移動機構8は、Z方向直動機構82の動作により、第2格子31をZ方向に移動させるように構成されている。なお、格子移動機構8は、第2格子41についても、第2格子31と同様に移動させるように構成されている。格子移動機構8は、第2格子31および第2格子41にそれぞれ設けられており、第2格子31および第2格子41を、それぞれ個別に移動させる。
ステージ支持部85は、ステージ87を下方(Y1方向)から支持している。ステージ駆動部86は、ステージ87をX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ87は、底部がステージ支持部85に向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部84は、ステージ支持部85をZ方向に往復移動させるように構成されている。また、ステージ支持部85は底部が直動機構接続部83に向けて凸曲面状に形成されており、Z方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。また、直動機構接続部83は、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動可能にX方向直動機構80に設けられている。したがって、格子移動機構8は、格子をY方向の中心軸線周りに回動させることができる。
第1実施形態では、X線位相撮像システム100は、予めモアレ縞MFを生じさせた状態で被写体Tを撮像する。第1実施形態では、被写体TをX方向に移動させるため、周期方向がX方向であるモアレ縞MFを生じさせる。具体的には、第1格子群3は、Y方向に延びるように配置されている。そのため、第1格子群3によって周期方向がX方向であるモアレ縞MFを生じさせるためには、第2格子31を、モアレ縞MFが生じない位置からZ方向に所定の距離移動させた位置に配置させる。また、第2格子群4のX方向に延びるように配置されている。そのため、第2格子群4によって周期方向がX方向であるモアレ縞MFを生じさせるためには、第2格子41を、Z方向周りに所定の角度分だけ回転させた状態で配置させる。
(位相コントラスト画像の生成)
次に、図4〜図12を参照して、第1実施形態によるX線位相撮像システム100が位相コントラスト画像14(図12参照)を生成する構成について説明する。
図4に示す例は、移動機構5によって被写体Tを連続的に直線移動させながら撮像した画像10の模式図である。具体的には、図4に示す例は、矩形状の被写体Tが撮像範囲の一方側(右側)から他方側(左側)へ移動する間を連続的に撮像した例である。
図4に示すように、第1実施形態では、制御部7は、モアレ縞MFを生じさせた状態で被写体Tを移動させながら撮像するように構成されている。第1実施形態では、制御部7は、1周期が周期d7となるモアレ縞MFを称させた状態で、被写体Tを移動させながら撮像する。なお、第1格子群3と第2格子群4とでは、モアレ縞MFを生じさせるために行う各格子の相対位置の調整方法が異なるが、互いに周期方向がX方向であるモアレ縞MFを生じさせるように配置されている。したがって、後述するモアレ縞MFの位相情報12の抽出を行う構成は同様であるため、以下では、第1格子群3によって生じたモアレ縞MFを用いて説明する。
図5に示すように、第1実施形態では、画像処理部6は、モアレ縞MFの位相情報12を取得するように構成されている。具体的には、X線位相撮像システム100は、格子移動機構8によって第2格子31を並進移動させることにより図5に示すような各ステップのモアレ縞画像11を取得する。画像処理部6は、各モアレ縞画像11に基づいて、モアレ縞MFの位相情報12を取得するように構成されている。具体的には、図5の第1〜第4ステップのモアレ縞画像11をI(x、y)とおき、以下の式(1)のようにS(x、y)を定義する。
Figure 0006969691
ここで、kは、各ステップの番号である。また、Mは、格子を並進移動させる回数である。また、xおよびyは、検出器2の検出面上におけるX線の照射軸に直交する面内の画素位置(座標)である。
上記式(1)を用いると、モアレ縞MFの位相情報12は、以下の式(2)によって表される。
Figure 0006969691
ここで、φ(x、y)は、モアレ縞MFの位相情報12である。また、第1実施形態では、I(x、y)をkの関数として、サインカーブ(正弦波)によってフィッティングを行い、そのサインカーブの位相情報をモアレ縞MFの位相情報12としてもよい。モアレ縞MFの位相情報12は、モアレ縞MFの位相値の変化が1周期d7毎に繰り返された縞模様の画像である。
第1実施形態では、画像処理部6は、第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々において、被写体Tと撮像系9とを相対移動させながら撮像した複数の画像10と、複数の画像10に生じたモアレ縞MFの位相情報12とに基づいて、複数の画像10における被写体Tの各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞MFの位相値とを対応付けるように構成されている。また、画像処理部6は、複数の画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置情報と、位相値と対応付けた各画素の画素値とに基づいて複数の画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置合わせを、第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々において行うことにより、位相コントラスト画像14を生成するように構成されている。
第1実施形態では、画像処理部6は、標識物Mと撮像系9とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像13(図6参照)に基づいて、複数の画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置合わせに用いる位置較正データを作成するように構成されている。標識物Mは、X線を吸収するものであればどのようなものであってもよい。第1実施形態では、標識物Mは、たとえば、ワイヤなどを含む。
(位置較正データの作成)
図6は、移動機構5によって標識物MをX方向に移動させながら撮像した位置較正用画像13の模式図である。図6に示す位置較正用画像13は、標識物Mを第1撮像位置〜第6撮像位置に移動させながら撮像された画像の例である。また、図6に示す例では、標識物Mを写した各画素のうち、画素Rに着目して標識物Mの移動量dmを取得している。
位置較正データは、移動機構5によって標識物Mと撮像系9とを相対移動させる際に移動機構5に入力される移動量に関する指令値と、指令値に基づいて標識物Mと撮像系9とを相対移動させた際の位置較正用画像13中における標識物Mの実際の移動量dmとに基づいて作成される。具体的には、位置較正データは、複数の位置較正用画像13における標識物Mの同一位置の各画素の位置に基づいて、指令値と標識物Mの移動量dmとの関係を示す近似式を取得することにより作成される。
図7は、縦軸が各位置較正用画像13における標識物Mの位置であり、横軸が標識物Mを移動させた際の指令値であるグラフG1の例である。制御部7は、グラフG1に示す各プロットmpを線形フィッティングすることにより近似式を取得する。
第1実施形態では、移動機構5は、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを連続的に移動させるように構成されている。具体的には、移動機構5は、第1格子領域R1を通過する間および第2格子領域R2を通過する間においては、被写体Tを略一定の速度で移動させることにより、被写体Tを連続的に移動させるように構成されている。また、画像処理部6は、取得した連続的な画像10に基づいて、位相コントラスト画像14を生成するように構成されている。すなわち、第1実施形態では、画像10は、所定のフレームレート(時間間隔)で画像10を連続的に撮像した動画像として取得される。
第1実施形態では、画像10を動画像として取得するため、制御部7は、位置較正データとして、以下に示す式(3)を取得する。
Figure 0006969691
ここで、xは、i番目のフレームの被写体Tの同一位置の画素の位置である。また、xstartは、被写体Tの同一位置の画素のうち、最初のフレームにおける画素の位置である。また、vpは、移動機構5が被写体Tを移動させる際の速度(pulse/s)である。また、fpsは、動画を撮像する際のフレームレート(frame/s)である。また、iは、動画像におけるフレーム番号である。
次に、図8および図9を参照して、連続的に撮像した画像10における画素Qと、位相情報12との位置合わせについて説明する。図8および図9では、簡単のため、各画像10のうち、第1撮像位置〜第6撮像位置に被写体Tが配置された際に撮像された画像10を用いて説明する。
図8に示す例は、移動機構5によって、矩形状の被写体Tが撮像範囲の一方側(右側)から他方側(左側)へ移動する間の6か所(第1撮像位置〜第6撮像位置)の各位置で撮像を行った例である。なお、第1撮像位置では、X方向における被写体Tの一部が検出器2の検出面上に配置されないため、撮像された画像10において、被写体Tの一部が写っていない例である。また、図8に示す例は、複数の画像10における被写体Tを写した各画素のうち、画素Qの位置の変化を示した例である。また、複数の画像10は、請求の範囲の「被写体と撮像系とを相対移動させながら撮像した複数の画像」の一例である。
なお、図8の第2撮像位置における画像10には、被写体Tの移動量dtを把握しやすくするため、第1撮像位置における被写体Tの位置を破線で図示している。移動機構5によって被写体Tを移動させながら撮像することにより、モアレ縞MFと被写体Tとを相対移動させることが可能となり、画像処理部6は、位相コントラスト画像14を生成することができる。なお、第2実施形態では、移動機構5によって、被写体Tを少なくともモアレ縞MFの1周期d7(図4参照)分以上移動させる。
第1実施形態では、画像処理部6は、位置較正データを用いて被写体Tの同一位置の画素の各画像10における位置を取得し、各画像10における画素の位置合わせを行う。具体的には、図9に示すように、各画像10と位相情報12との位置合わせを行い、位置合わせを行った各被写体画像21および位相情報22を取得する。
図9に示す例は、位置合わせを行った各被写体画像21および位相情報22を取得する際に、第1撮像位置〜第6撮像位置における各画像10を、第2撮像位置において位置合わせを行った被写体画像21を示している。なお、第1撮像位置に被写体Tを配置して撮像した画像10には、X方向における被写体Tの全体が写っていないため、位置合わせ後の被写体画像21には空白の領域Eが生じている。位置合わせ後の各被写体画像21において、画素Qに着目した場合、画素Qに対してモアレ縞MFが移動していることがわかる。図9に示す例では、位置合わせ後の各被写体画像21の画素Qの位置に対応する位置を点Uで図示している。すなわち、各撮像位置における画素の位置と位置合わせ後の位相情報22におけるモアレ縞MFの位相値の位置とは1対1の関係で対応付いている。
第1実施形態では、動画像として取得された画像10の各フレームについて、位相情報12との位置合わせを行い、位置合わせを行った各被写体画像21および位相情報22を取得する。すなわち、図10に示すように、連続的に撮像した画像10の各フレームの画素と、位相情報12とを、位置較正データを用いて位置合わせを行う。
画像処理部6は、動画像として取得された画像10の画素と、位相情報12とに基づいて、画像10の各画素の画素値と、モアレ縞MFの位相値とを対応付けて、図11に示す強度信号曲線SC1を取得する。強度信号曲線SC1は、横軸が位相値であり、縦軸が画素値であるグラフである。第1実施形態では、画像処理部6は、強度信号曲線SC1に基づいて、位相コントラスト画像14を生成する。なお、図9に示した空白の領域Eについてはモアレ縞MFの位相情報12もないので、図11においてサンプリングはしない。
図12は、位相コントラスト画像14の模式図である。第1実施形態では、画像処理部6は、取得した強度信号曲線SC1に基づいて、吸収像15と、位相微分像16と、暗視野像17とを生成する。吸収像15と、位相微分像16と、暗視野像17とを生成する手法は、公知の手法で行うことができるので、説明は省略する。
第1実施形態では、画像処理部6および制御部7は、第1格子領域R1において撮像された位相コントラスト画像14の生成と同様に、第2格子領域R2において撮像された画像10から強度信号曲線SC1を取得するように構成されている。また、画像処理部6および制御部7は、第2格子領域R2において取得した強度信号曲線SC1に基づいて、第2格子領域R2における位相コントラスト画像14を生成するように構成されている。
(第1合成画像)
図13(A)に示す例は、第1格子領域R1を通過した際の第1位相微分像16aの模式図である。図13(B)は、第2格子領域R2を通過した際の第2位相微分像16bの模式図である。位相微分像16は、格子が延びる方向と直交する方向に感度があるため、第1位相微分像16aと第2位相微分像16bとでは、強調されるエッジの方向が異なる。すなわち、第1位相微分像16aでは、第1方向(Y方向)と直交する方向(X方向)のエッジが強調される。また、第2位相微分像16bでは、第2方向(X方向)と直交する方向(Y方向)のエッジが強調される。
第1実施形態では、画像処理部6は、第1位相コントラスト画像14aと、第2位相コントラスト画像14bとを合成した第1合成画像19(図15参照)を生成するように構成されている。具体的には、画像処理部6は、被写体Tが第1格子領域R1を通過した際の第1位相微分像16a(第1位相コントラスト画像14a)と、被写体Tが第2格子領域R2を通過した際の第2位相微分像16b(第2位相コントラスト画像14b)とに基づいて、位相像18(第1合成画像19)を生成するように構成されている。
図14は、参考例による位相像20の模式図である。図14に示す例では、X方向またはY方向に感度のある位相微分像を用いて、位相像20を生成する。具体的には、位相微分像において、エッジが強調されているX方向(またはY方向)と交差するY方向(またはX方向)に沿って積分することにより、位相像20を生成する。しかしながら、参考例では、積分を行う位相微分像には、Y方向(またはX方向)にしか感度がないため、感度を有していない方向に含まれるノイズに起因して、生成された位相像20にアーチファクトSPが生じてしまう。そのため、位相像20の画質が劣化する。
図15に示す例は、第1実施形態による画像処理部6が生成する位相像18の模式図である。画像処理部6は、以下に示す式(4)により、位相像18を生成する。
Figure 0006969691
ここで、Φxは、第1格子領域R1において撮像された第1位相微分像16aである。また、Φyは、第2格子領域R2において撮像された第1位相微分像16aである。また、xおよびyは、第1位相微分像16aおよび第2位相微分像16bにおける画素のx座標およびy座標である。また、iは、複素数を表す虚数単位である。また、kおよびlは、周波数空間上での座標である。
第1実施形態では、画像処理部6は、上記式(4)によって、X方向に感度がある第1位相微分像16aおよびY方向に感度がある第2位相微分像16bを用いて位相像18を生成する。画像処理部6は、それぞれ方向において感度がある第1位相微分像16aおよび第2位相微分像16bから位相像18を生成するため、位相像18にアーチファクトSPが生じることを抑制することができる。
次に、図16を参照して、第1実施形態によるX線位相撮像システム100による第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する処理の流れについて説明する。
ステップS1において、画像処理部6は、制御部7の制御の下、移動機構5によって標識物Mを第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々の第1撮像位置〜第6撮像位置に移動させながら、複数の位置較正用画像13を取得する。次に、ステップS2において、制御部7は、標識物Mの移動量dmと指令値とに基づいて近似式を取得する。制御部7は、取得した近似式の傾きに基づいて、位置較正データを取得する。その後、処理は、ステップS3へ進む。
次に、ステップS3において、画像処理部6は、モアレ縞MFの位相情報12を取得する。その後、ステップS4において、画像処理部6は、制御部7の制御の下、第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々において、移動機構5によって被写体Tと撮像系9とを相対移動させながら、画像10を取得する。なお、第1実施形態では、移動機構5は、被写体Tを連続的に移動させる。その後、処理はステップS5へ進む。
次に、ステップS5において、画像処理部6は、画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置合わせを行う。その後、処理はステップS6へ進む。
ステップS6において、画像処理部6は、位相情報12の位置合わせを行い、位相情報22を取得する。その後、ステップS7において、画像処理部6は、連続的に撮像した画像10における被写体Tの画素と、モアレ縞MFの位相値とを対応付けることにより、強度信号曲線SC1を取得する。次に、ステップS8において、画像処理部6は、強度信号曲線SC1に基づいて、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する。
次に、ステップS9において、画像処理部6は、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bから、第1合成画像19を生成し、処理を終了する。
なお、ステップS1およびステップS2における位置較正データの取得処理と、ステップS3におけるモアレ縞MFの位相情報12の取得処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。位置較正データの取得処理は、複数の画像10における画素の位置合わせを行う前であれば、どのタイミングで行ってもよい。また、モアレ縞MFの位相情報12を取得する処理は、位相情報12の位置合わせを行う処理の前であれば、いつ行ってもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、X線位相撮像システム100は、X線源1と、X線源1から照射されたX線を検出する検出器2と、X線源1と検出器2との間において、格子が延びる方向を第1方向(Y方向)に沿った方向に向けて、X線の光軸XRa方向(Z方向)に沿って配置された複数の格子を含む第1格子群3と、X線源1と検出器2との間においてZ方向と交差する方向(X方向)に第1格子群3と並んで配置され、格子が延びる方向をY方向と異なる第2方向(X方向)に沿った方向に向けて、Z方向に沿って配置された複数の格子を含む第2格子群4と、被写体TまたはX線源1と検出器2と第1格子群3と第2格子群4とによって構成される撮像系9を相対移動させる移動機構5と、検出器2によって検出された信号に基づいて位相コントラスト画像14を生成する画像処理部6と、を備え、移動機構5は、被写体Tが、第1格子群3が配置された第1格子領域R1および第2格子群4が配置された第2格子領域R2を通過するように被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されており、画像処理部6は、被写体Tが第1格子領域R1を通過した際の第1位相コントラスト画像14aと、被写体Tが第2格子領域R2を通過した際の第2位相コントラスト画像14bと、を生成するように構成されている。
これにより、被写体Tを、第1格子領域R1および第2格子領域R2を通過させて撮像することにより、それぞれ格子の延びる方向が異なる第1格子群3および第2格子群4によって被写体Tを撮像することができる。その結果、被写体Tまたは格子の向きを変更して再び被写体Tを移動させながら撮像することなく、被写体Tに対する格子の向きを変更して撮像することができる。これにより、撮像作業を簡略化することができるとともに、撮像時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1格子群3および第2格子群4は、Y方向と第2方向(X方向)とが略直交する向きとなるように配置されている。これにより、第1方向(Y方向)と第2方向(X方向)とが略直交する向きであるため、被写体Tの配置方向にかかわらず、第1格子群3または第2格子群4のいずれかにおいて、被写体TによるX線の位相のずれまたはX線の屈折を抽出することができる。その結果、被写体Tの配置方向にかかわらず、第1位相コントラスト画像14aまたは第2位相コントラスト画像14bのいずれかにおいて被写体Tを画像化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6は、第1位相コントラスト画像14aと、第2位相コントラスト画像14bとを合成した第1合成画像19を生成するように構成されている。これにより、第1方向(Y方向)に感度を有する第2位相コントラスト画像14bと、第2方向(X方向)に感度を有する第1位相コントラスト画像14aとを合成した第1合成画像19において、第1方向(Y方向)および第2方向(X方向)の感度をまとめて把握することができる。その結果、被写体Tの内部構造を詳細に把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1格子群3を通過したX線および第2格子群4を通過したX線は、それぞれ、共通の検出器2によって検出される。これにより、1つの検出器2を設けることにより、第1格子群3を通過したX線と第2格子群4を通過したX線とを検出することができる。その結果、第1格子群3を通過したX線を検出する検出器2および第2格子群4を通過したX線を検出する検出器2をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1格子群3および第2格子群4は、それぞれ、共通のX線源1から照射されるX線の照射範囲内に配置されている。これにより、1のX線源1を設けることにより、第1格子群3および第2格子群4に対してX線を照射することができる。その結果、第1格子群3にX線を照射するX線源1および第2格子群4にX線を照射するX線源1をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1格子群3および第2格子群4は、それぞれ、X線源1から照射されるX線の可干渉性を高める第1格子30および第1格子40と、自己像を形成するための第2格子31および第2格子41と、第2格子31の自己像および第2格子41の自己像とそれぞれ干渉させるための第3格子32および第3格子42とを含み、第1格子群3の第1格子30および第2格子群4の第1格子40は、一体的に形成されており、第1格子群3の第2格子31および第2格子群4の第2格子41と、第1格子群3の第3格子32および第2格子群4の第3格子42とは、それぞれ、別体で形成されている。
これにより、X線源1の近傍に配置される第1格子群3の第1格子30と第2格子群4の第1格子40とを一体的に形成することにより、第1格子群3および第2格子群4において、X線源1から第1格子群3の第1格子30までの距離とX線源1から第2格子群4の第1格子40までの距離とを略等しくすることができる。また、たとえば、予めモアレ縞MFを形成させて撮像する場合、第1格子群3によるモアレ縞MFと、第2格子群4によるモアレ縞MFとで、それぞれのモアレ縞MFの方向は、スキャン方向に対して垂直成分が有限である必要がある。しかしながら、第1格子群3と第2格子群4とでは、格子の延びる方向が互いに異なるように配置されているため、モアレ縞MFを形成させるための各格子の相対位置が第1格子群3と第2格子群4とでそれぞれ異なる。したがって、第1格子群3の第2格子31と第2格子群4の第2格子41とをそれぞれ別体で形成すること、および、第1格子群3の第3格子32と第2格子群4の第3格子42とをそれぞれ別体で形成することにより、第1格子群3の各格子および第2格子群4の各格子を、それぞれモアレ縞MFを形成させるために適した相対位置に配置することができる。
また、たとえば、予め形成させたモアレ縞MFの位相情報12を取得するために、第1格子群3および第2格子群4の各々において、第2格子31および第2格子41、または、第3格子32および第3格子42を並進移動させながら撮像する場合、第1格子群3と第2格子群4とでは、格子の延びる方向が異なるように配置されているため、格子を並進移動させる方向が第1格子群3と第2格子群4とでそれぞれ異なる。第1格子群3の第2格子31と第2格子群4の第2格子41とをそれぞれ別体で形成すること、および、第1格子群3の第3格子32と第2格子群4の第3格子42とをそれぞれ別体で形成することにより、第1格子群3および第2格子群4の格子のうち、並進移動させる格子にそれぞれ移動機構5を設けることが可能になり、第1格子群3および第2格子群4において、並進移動させる格子を、互いに異なる方向に並進移動させながら撮像することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6は、第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々において、被写体Tと撮像系9とを相対移動させながら撮像した複数の画像10と、複数の画像10に生じたモアレ縞MFの位相情報22と、に基づいて、複数の画像10における被写体Tの各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞MFの位相値とを対応付けるとともに、複数の画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置情報と、位相値と対応付けた各画素の画素値とに基づいて、複数の画像10における被写体Tの同一位置の画素の位置合わせを、第1格子領域R1および第2格子領域R2の各々において行うことにより、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。これにより、各画像における被写体Tの同一位置の画素の画素値と、各画像における被写体Tの同一位置の画素に対応する各位相値とを対応付けて第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成することができる。したがって、たとえば、モアレ縞MFの1周期分の領域を領域分割して各領域に含まれる画素値の平均値を用いて第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する場合と比較して、同一位置を写した各画素の画素値を用いて第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成することができる。その結果、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bの生成に用いる画素値に誤差が生じることに起因して第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bの画質が劣化することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、移動機構5は、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを連続的に移動させるように構成されており、画像処理部6は、取得した連続的な画像10に基づいて、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。これにより、連続的な第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する際に、たとえば、被写体Tの移動と撮像とを繰り返すことにより連続的な第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する従来の縞走査法とは異なり、被写体Tを連続的に移動させながら撮像することにより、連続的な第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成することができる。その結果、従来の縞走査法と比較して、撮像時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6は、標識物Mと撮像系9とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像13に基づいて、複数の画像10における被写体Tの同一位置の各画素の位置合わせに用いる位置較正データを作成するように構成されている。これにより、位置較正データを用いることにより、被写体Tの同一位置の画素の各画像における位置を取得することが可能となるので、被写体Tの移動量dmを算出することができる。その結果、たとえば、被写体Tの移動量dmと標識物Mの移動量dmとが同一でない場合でも、被写体Tの移動量dmを取得することが可能となるので、複数の画像10における被写体Tの同一位置の各画素の位置合わせを行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、位置較正データは、移動機構5によって標識物Mと撮像系9とを相対移動させる際に移動機構5に入力される移動量dmに関する指令値と、指令値に基づいて標識物Mと撮像系9とを相対移動させた際の位置較正用画像13中における標識物Mまたは撮像系9の移動量dmとに基づいて作成される。これにより、移動機構5に入力される移動量dmに関する指令値と、標識物Mまたは撮像系9の移動量dmとの間に誤差が生じていた場合でも、位置較正データによって正確な移動量dmを取得することができる。その結果、複数の画像10における被写体Tの同一位置の各画素の位置合わせを正確に行うことが可能となるので、得られる位相コントラスト画像14の画質が劣化することをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、位置較正データは、複数の位置較正用画像13における標識物Mの同一位置の各画素の位置に基づいて、指令値と標識物Mまたは撮像系9の移動量dmとの関係を示す近似式を取得することにより作成される。これにより、複数の位置較正用画像13における標識物Mの同一位置の各画素の位置に基づいて近似式を取得することにより、複数の位置較正用画像13を撮像した位置とは異なる位置への移動量dmに関する指令値と標識物Mまたは撮像系9の移動量dmとの関係を、近似式を用いて算出することができる。その結果、たとえば、被写体Tを撮像する際に、標識物Mまたは撮像系9を移動させた位置と異なる位置に被写体Tを移動させた場合でも、被写体Tの移動量dmを取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部6は、被写体Tが第1格子領域R1を通過した際の第1位相微分像16a(第1位相コントラスト画像14a)と、被写体Tが第2格子領域R2を通過した際の第1位相微分像16a(第2位相コントラスト画像14b)とに基づいて、位相像18を生成するように構成されている。これにより、第1格子領域R1を通過した際の第1位相微分像16a(第1位相コントラスト画像14a)、または、第2格子領域R2を通過した際の第1位相微分像16a(第1位相コントラスト画像14a)のどちらか一方の画像において、所定の方向に積分することにより位相像18生成する構成と比較して、位相像20(第1合成画像19)において、積分方向にアーチファクトSPが生じることを抑制することができる。その結果、位相像20(第1合成画像19)の画質が劣化することを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図1、図8、図9および図17を参照して、第2実施形態によるX線位相撮像システム200(図1参照)について説明する。被写体Tを連続的に移動させながら撮像する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、移動機構5は、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを所定距離dt(図8参照)ずつ移動させるように構成されており、画像処理部60(図1参照)は、所定距離dtずつ移動させながら取得した画像10に基づいて、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(X線位相撮像システムの構成)
まず、図1を参照して、第2実施形態によるX線位相撮像システム200の構成について説明する。
第2実施形態では、X線位相撮像システム200は、画像処理部60および制御部70を備える点を除いて、上記第1実施形態と同様の構成である。移動機構5は、制御部70の制御の下、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを所定距離dt(図8参照)ずつ移動させるように構成されている。画像処理部60は、所定距離dtずつ移動させながら取得した画像10に基づいて、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。
第2実施形態では、移動機構5によって、被写体Tを第1撮像位置(図8参照)〜第6撮像位置(図8参照)の各位置に移動させて撮影を行う。第2実施形態では、制御部70は、各撮像位置に被写体Tを配置するための移動量に関する指令値を移動機構5に入力することにより、被写体Tを所定の移動量dtだけ移動させる。移動量に関する指令値は、たとえば、移動機構5が駆動源としてステッピングモータを含む場合、移動機構5に入力されるパルス数である。なお、各画像10と位相情報12との位置合わせを行う構成は、上記第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2実施形態では、制御部70は、位置較正データとして、以下に示す式(5)を取得する。
Figure 0006969691
ここで、xは、被写体Tの同一位置の画素の各画像における位置である。また、xstartは、被写体Tの同一位置の画素のうち、第1撮像位置における画素の位置である。また、p1は、近似式の傾きである。また、npは、被写体Tを移動させる際に移動機構5に入力される指令値(パルス数)である。
第2実施形態では、画像処理部60は、位置合わせ後の各被写体画像21(図9参照)における画素について、位相値と画素値との関係を示す強度信号曲線SC2(図17参照)を取得する。
図17に示す強度信号曲線SC2は、第1実施形態における強度信号曲線SC1と同様に、横軸が位相値であり、縦軸が画素値であるグラフである。画像処理部60は、位置合わせ後の各被写体画像21と、位相情報22(図9参照)とを用いて、複数の被写体画像21における被写体Tの同一位置の画素の各位相値と各画素値とを1対1の関係で対応付けた画素値の強度信号曲線SC2を取得する。画像処理部60が強度信号曲線SC2を取得する構成は、上記第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。画像処理部60は、取得した強度信号曲線SC2に基づいて、位相コントラスト画像14を生成するように構成されている。なお、図9に示した空白の領域Eについてはモアレ縞MFの位相情報12もないので、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、図17においてサンプリングはしない。
次に、図18を参照して、第2実施形態によるX線位相撮像システム200による位相コントラスト画像14を生成する処理の流れについて説明する。なお、第1実施形態と同様のステップの説明については省略する。
ステップS1〜ステップS3において、制御部70は、位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12を取得する。その後、処理は、ステップS10に進む。
ステップS10において、画像処理部60は、制御部70の制御の下、移動機構5によって被写体Tと撮像系9とを相対移動させながら、複数の画像10を取得する。なお、第1実施形態では、移動機構5は、被写体Tを第1撮像位置〜第6撮像位置に移動させる。
その後、処理は、ステップS5〜ステップS9と進み、画像処理部60は、第1合成画像19を生成し、処理を終了する。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、移動機構5は、被写体Tを撮像する際に、被写体Tを所定距離dtずつ移動させるように構成されており、画像処理部60は、所定距離dtずつ移動させながら取得した画像10に基づいて、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。これにより、被写体Tを連続的に移動させながら撮像する場合と比較して、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成する際の画像10の枚数を低減することができる。その結果、撮像時間をより短縮することができる。また、たとえば、医療用途に用いる場合には、被ばく量が増加することを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図19〜図22を参照して、第3実施形態によるX線位相撮像システム300(図19参照)について説明する。第1格子領域R1および第2格子領域R2における複数の画像10から、画像化対象となる全ての断層面FP(図20参照)が含まれる位相コントラスト画像14を生成する上記第1および第2実施形態とは異なり、第3実施形態におけるX線位相撮像システム300は、画像化対象となる所定の断層面FPの第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図19に示すように、第3実施形態におけるX線位相撮像システム300は、制御部170および画像処理部160を備える点を除いて、上記第1実施形態におけるX線位相撮像システム100と同様の構成である。制御部170は、位置情報取得部171を含む。
第3実施形態では、X線位相撮像システム300は、画像化対象となる断層面FPの光軸XRa方向(Z方向)における断層位置を取得する位置情報取得部171をさらに備え、画像処理部160は、所定方向(X方向)における撮像系9と被写体Tとの複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数の画像10と、取得された断層位置とに基づいて、断層面FPにおける位相分布を取得することにより、断層面FPにおける第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。
図20は、上記のように複数の相対位置でX線画像を撮像する際の、被写体Tと画像10の位置座標との関係を示した図である。図20において、縦軸がZ方向の位置を示し、横軸が相対移動を行う所定方向(X方向)の位置を示す。Z方向においてX線源1の焦点位置を原点とする。Z方向における位置として、焦点から被写体Tの中心位置までの距離SOD(source object distance)だけ離れた位置を基準位置(以下、SODという)とする。焦点から検出器2の検出面までの距離だけ離れた位置を検出面位置SID(source image Distance)とする。なお、図20では、便宜上、Z方向を紙面の上下方向として図示している。
第3実施形態では、被写体Tの断層面FPの断層位置が、基準位置SODからのずれ量として表現される。図20では、被写体Tの断層面FPとして、スライス厚dだけずれた2j+1個の断層面FP(基準位置SODの断層面を含む)を設定する。スライス厚dは、各断層面FPの間の距離であり、各断層面FPはZ方向にスライス厚dを隔てて等間隔で配列される。jは、断層位置番号であり、基準位置SODに対して正側(検出器2側)に+j個、負側(X線源1側)に−j個の断層面FPが設定される。Z方向におけるSODの座標をzとすると、各断層面FPの断層位置は、(z−jd)〜(z+jd)で表される。
位置情報取得部171は、画像化対象となる断層面FPのZ方向における断層位置(z±jd)として、スライス厚dと、その断層面FPの断層位置番号(j)とを取得する。なお、位置情報取得部171は、基準位置SODを既知の情報として取得する。
そして、画像処理部160は、Z方向における基準位置SOD(=z)および基準位置SODに対する断層位置のずれ量(±jd)と、所定方向(X方向)における撮像系9と被写体Tとの相対位置と、に基づいて、断層面FPにおける位相分布を取得するように構成されている。
図20に示すように、移動機構5により、被写体Tが各相対位置に移動されて撮像される。移動機構5上の座標系における被写体Tの位置をx(x〜x)で表す。iは相対位置を特定するための番号であり、たとえばxを初期位置として、図8の第1撮像位置〜第6撮像位置がx〜xとなる。各位置座標x〜xにおける、各断層面FP(0〜+j)に属する点の検出面(画像10)への投影点のX座標を、x(xd00〜xdji)とする。なお、各断層面FP(0〜−j)も同様である。また、Xd00からXまでが、第1格子領域R1を通過したX線が検出される領域である。また、XからXd0iまでが、第2格子領域R2を通過したX線が検出される領域である。
被写体Tの点B1〜B3を位置xに移動させたとき、点B1(断層位置番号=0)を通るX線は、検出面(画像10)のxd00の座標に写る。一方、点B2(断層位置番号=1)を通るX線は、検出面(画像10)のxd10の座標に写り、点B3(断層位置番号=j)を通るX線は、検出面(画像10)のxdj0の座標に写る。被写体Tの位置座標xと、断層位置(断層位置番号j)とが決まると、検出面(画像10)の位置座標xdjiが特定される。このため、撮像系9と被写体Tとの相対位置は、移動機構5の座標系ではxで表され、画像10の座標系ではxdjiで表される。
図20において、被写体Tの位置xにおける断層位置番号j=0の点B1と、検出面(画像10)上における位置座標xd00とが、図21に示す相似関係から、以下の関係式(式(6))で表される。xは、検出面(画像10)上における光軸XRa(焦点を通る法線)のX座標を表す。
Figure 0006969691
ここで、被写体Tの位置xで、基準位置SODからj番目の断層位置z+jdにおける点(点B3)について、検出面(画像10)上に写るX座標xdj0が、図21に示す相似関係から、以下の関係式(式(7))で表される。
Figure 0006969691
式(7)から分かるように、基準位置SOD(=z)上の位置座標xd00から任意の断層面FP上の位置座標xdj0への変換が可能である。位置座標xd00と位置座標xdj0とは、SIDに依存しない関係で表される。
したがって、移動機構5によって被写体Tが任意のi番目の位置xに移動されたときの、任意のj番目の断層位置の点の位置座標xdjiは、下式(8)で表される。
Figure 0006969691
上式(8)を整理すれば、下式(9)が得られる。
Figure 0006969691
以上から、移動機構5によって被写体Tが所定方向(X方向)の各相対位置xにおいて撮像された各画像10の位置座標を、基準位置SODからずれた任意の断層位置(z+jd)の断層面FP上の断層画像の位置座標に変換することが可能である。
このように、画像処理部160は、Z方向における基準位置SOD(=z)および基準位置SODに対する断層位置のずれ量(jd)と、所定方向(X方向)における撮像系9と被写体Tとの相対位置(xd0i)と、に基づいて、断層面FPにおける位相分布を取得するように構成されている。
なお、被写体Tの相対位置(xd0i)は、下式(10)により取得される。
Figure 0006969691
ここで、また、Xstartは、撮像開始時点の被写体Tの初期位置である。また、p1は、移動機構5に入力される指令値(パルス数)に対する画像10中での実際の被写体Tの移動量の変換係数[pixel/pulse]である。また、npは、x〜xの各相対位置へ被写体Tを移動させる際に移動機構5に入力される指令値(パルス数)である。
画像処理部160は、得られた画像10の各々について、上式(10)によって被写体Tの各相対位置(xd0i)を取得し、上式(9)に代入することにより、断層位置番号jにより特定される断層面FPの断層画像となるよう座標変換を行う。
(位置較正データの生成)
上式(10)において、変換係数p1[pixel/pulse]は、移動機構5の設計仕様の一部であり既知の情報として予め取得しうる。これに対して、第3実施形態では、画像処理部160は、移動機構5の移動量dmと画像10における相対位置(xd0i)の変化量とを関連付ける位置較正データを生成し、基準位置SODで取得された位置較正データを用いて断層面FPにおける位相分布を取得するように構成されている。画像処理部160が位置較正データを取得する構成は、上記第1および第2実施形態における画像処理部6(60)が位置較正データを取得する構成と同様のであるため、詳細な説明は省略する。
生成される位相コントラスト画像14(第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14b)は、位置情報取得部171により取得された断層位置(z+jd)の断層画像となる。図22は、位相コントラスト画像14の断層像(位相コントラスト断層画像)の概念図である。
図22(A)に示すように、たとえば断層位置として、基準位置SOD(=z)が取得された場合、それぞれの画像10および位相情報12が断層位置=zの断層面FP上の点B1を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=zの断層面FPにピントが合った断層画像(吸収像15、位相微分像16、暗視野像17)が生成される。このとき、異なる断層面FPにある点B2および点B3の像には、ぼけが生じる。
図22(B)に示すように、点B2がある断層面FPの断層位置(z+d)が取得された場合、断層位置=z+dの断層面FP上の点B2を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=z+dの断層面FPにピントが合った断層像が生成される。このとき、異なる断層面FPにある点B1および点B3の像には、ぼけが生じる。
図22(C)に示すように、点B3がある断層面FPの断層位置(z+jd)が取得された場合、断層位置=z+jdの断層面FP上の点B3を基準として被写体Tの静止座標系に変換されることにより、断層位置=z+jdの断層面FPにピントが合った断層像が生成される。このとき、異なる断層面FPにある点B1および点B2の像には、ぼけが生じる。
このように、第3実施形態では、ユーザが指定した任意の断層面FPにおいてぼけを抑制した(ピントが合った)位相コントラスト断層画像が得られる。
第3実施形態では、画像処理部160は、第1格子領域R1と第2格子領域R2とにおいて撮像した複数の画像10に基づいて、それぞれ個別に断層画像を生成するように構成されている。すなわち、画像処理部160は、所定の断層面FPにおける第1位相コントラスト画像14aと、所定の断層面FPにおける第2位相コントラスト画像14bとを、それぞれ個別に生成するように構成されている。また、画像処理部160は、所定の断層面FPにおける第1位相コントラスト画像14aと、所定の断層面FPにおける第2位相コントラスト画像14bとを合成した画像を生成するように構成されていてもよい。
次に、図23を参照して、第3実施形態によるX線位相撮像システム300による位相コントラスト画像14(第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14b)を生成する処理の流れについて説明する。なお、上記第1および第2実施形態と同様の処理を行うステップについては、詳細な説明は省略する。
ステップS1〜S3およびステップS10において、画像処理部160は、それぞれの相対位置における複数の位置較正用画像13を生成する。また、画像処理部160は、標識物Mの移動量dmと指令値とに基づいて近似式(位置較正データ)を取得する。また、画像処理部160は、モアレ縞MFの位相情報12を取得する。また、画像処理部160は、移動機構5によってX方向における複数の相対位置で複数の画像10を取得する。移動機構5は、被写体Tをx〜xの各相対位置に移動させる。
次に、ステップS11において、位置情報取得部171が、断層位置を取得する。位置情報取得部171は、たとえばユーザにより設定された、SOD(=z)、スライス厚dおよび断層位置番号jの各設定値を取得する。断層位置(z+jd)の取得処理は、ステップS12の前であれば、どのタイミングで実施されてもよい。
次に、ステップS12において、画像処理部160は、被写体Tのうち、取得された断層位置(z+jd)により特定される断層面FP上の点を基準として、それぞれの相対位置で取得された各画像10および位相情報12の位置座標の座標変換を行う。これにより、画像処理部160は、断層面FP上の被写体Tを基準とする静止座標系に座標変換された、座標変換後の各被写体画像21(図9参照)および位相情報22(図9参照)を取得する。
次に、ステップS13において、画像処理部160は、座標変換後の各被写体画像21および各位相情報22に基づいて、断層面FPにおける位相分布を取得する。すなわち、画像処理部160は、断層面FP上の被写体Tを基準とした静止座標系における、各画素(各位置座標)の強度信号曲線SC2(図17参照)を生成する。
ステップS14において、画像処理部160は、生成した強度信号曲線SC2に基づいて、所定の断層面FPにおける位相コントラスト画像14(第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14b)を生成する。なお、画像処理部160は、位相コントラスト画像14として、吸収像15、位相微分像16および暗視野像17を生成してもよい。以上により、位相コントラスト画像14の生成処理が完了する。
なお、上記第1および第2実施形態と同様に、ステップS1およびステップS2の処理と、ステップS3における処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。また、位置較正データの取得処理は、複数の画像10の座標変換を行う前であれば、どのタイミングで行ってもよい。また、モアレ縞MFの位相情報12を取得する処理は、位相情報12の座標変換の前であれば、いつ行ってもよい。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、画像化対象となる断層面FPのZ方向における断層位置を取得する位置情報取得部171をさらに備え、画像処理部160は、所定方向における撮像系9と被写体Tとの複数の相対位置で被写体Tを撮像した複数の画像10と、取得された断層位置とに基づいて、断層面FPにおける位相分布を取得することにより、断層面FPにおける第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを生成するように構成されている。これにより、被写体Tのうちで、画像化したい内部構造が存在する断層面FPのZ方向の位置(断層位置)を位置情報取得部171によって取得することができる。そして、断層面FP上の点に対するX線の入射角は撮像系9と被写体Tとの相対位置によって決まるので、断層位置の情報と、画像10が撮像された際の相対位置とにより、個々の画像10における断層面FP上の点の位置が特定できる。これにより、画像処理部160により、得られた断層位置の情報と、複数の相対位置での各画像10とに基づいて、断層位置によって示される特定の断層面FPにおける位相分布が取得できる。その結果、位置情報取得部171により取得された断層位置の断層面FPにおける位相分布から、その断層面FPに含まれる内部構造について画像のぼけが抑制された位相コントラスト画像14(断層画像)が得られる。これにより、厚みが大きい被写体Tであっても、内部構造の視認性の低下を抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図24および図25を参照して、第4実施形態によるX線位相撮像システム400(図24参照)について説明する。被写体Tを、第1格子領域R1および第2格子領域R2を通過させることにより撮像された画像10に基づいて位相コントラスト画像14を生成する上記第1および第2実施形態とは異なり、第4実施形態では、移動機構5は、第1格子群3および第2格子群4が配置されていない格子なし領域R3を被写体Tが通過するように被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されている。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(X線位相撮像システムの構成)
まず、図24を参照して、第4実施形態によるX線位相撮像システム400の構成について説明する。
第4実施形態では、X線位相撮像システム400は、コリメータ50および画像処理部260を備える点を除いて、上記第1実施形態と同様の構成である。移動機構5は、第1格子群3および第2格子群4が配置されていない格子なし領域R3を被写体Tが通過するように被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されている。画像処理部260は、第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)と、格子なし領域R3を通過した際に取得された吸収像150(図25参照)とを合成した第2合成画像23を表示するように構成されている。
コリメータ50は、第1格子30および第1格子40と第2格子31および第2格子41との間に配置されている。コリメータ50は、X線を遮蔽する遮蔽部材により構成されており、開閉自在に構成されたコリメータ孔50aおよび17bが形成されている。コリメータ孔50aは、X線源1から照射されたX線の内、第1格子群3および第2格子群4を通過して検出器2に照射されるX線の照射範囲を調整することが可能である。コリメータ孔50bは、第1格子群3および第2格子群4を通過せずに検出器2に照射されるX線の範囲を調整することが可能である。また、第1格子領域R1および第2格子領域R2のX方向の大きさは、少なくともモアレ縞MF(図4参照)の1周期d7分が写る大きさに調整する。格子なし領域R3は、格子が介在しない吸収像150(図25(A)参照)を撮像する領域であるため、格子なし領域R3のX方向の大きさは、モアレ縞MFの1周期d7分の大きさよりも小さくてもよい。
図24に示す例では、第1格子領域R1は、X線の光軸XRaと、X線源1からコリメータ50までのX線の照射範囲を示す直線XR1と、コリメータ50から検出器2までのX線の照射範囲を示す直線XR3とによって形成される領域である。また、図24に示す例では、第2格子領域R2は、X線の光軸XRaと、X線源1からコリメータ50までのX線の照射範囲を示す直線XR2と、コリメータ50から検出器2までのX線の照射範囲を示す直線XR4とによって形成される領域である。また、図24に示す例では、格子なし領域R3は、コリメータ50から検出器2までのX線の照射範囲を示す直線XR4および直線XR5によって形成される領域である。
図25に示すように、第4実施形態では、画像処理部260は、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bと、吸収像150とを合成した第2合成画像23を表示するように構成されている。なお、図25(B)に示す例では、被写体Tの内部構造として、Y方向に延びる内部構造IS1が描写された第1位相コントラスト画像14aを図示している。また、図25(C)では、被写体Tの内部構造として、X方向に延びる内部構造IS2が描写された第2位相コントラスト画像14bを図示している。内部構造IS1および内部構造IS2のX線の吸収量は、吸収像150においては描写されない程度の大きさである。
第2合成画像23は、吸収像150、第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)を合成することにより生成される。したがって、内部構造IS1によるY方向の感度と、内部構造IS2によるX方向の感度とを、1枚の第2合成画像23内において把握することができる。
次に、図26を参照して、第4実施形態によるX線位相撮像システム400において第2合成画像23を生成する処理の流れについて説明する。
ステップS15において、制御部7は、位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12を取得する。ステップS15における位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12の取得処理は、上記第1実施形態におけるステップS1〜ステップS3の処理と同様であるため、詳しい説明を省略する。その後、処理は、ステップS16へ進む。
ステップS16において、画像処理部260は、第1格子領域R1、第2格子領域R2および格子なし領域R3において、被写体Tを移動させながら撮像された複数の画像10を取得する。その後、ステップS17において、画像処理部260は、第1格子領域R1および第2格子領域R2における複数の画像10に基づいて、第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)を生成する。その後、処理は、ステップS18へ進む。
ステップS18において、画像処理部260は、格子なし領域R3における画像10に基づいて、吸収像150を生成する。その後、ステップS19において、画像処理部260は、第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)と吸収像150とを合成した第2合成画像23を生成し、処理を終了する。
なお、ステップS17の処理と、ステップS18の処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記のように、移動機構5は、第1格子群3および第2格子群4が配置されていない格子なし領域R3を被写体Tが通過するように被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されており、画像処理部260は、第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)と、格子なし領域R3を通過した際に取得された吸収像150とを合成した第2合成画像23を表示するように構成されている。これにより、第1格子群3および第2格子群4を退避させて撮像したり、格子を備えていない別のイメージング装置を用いて撮像したりすることなく、格子を介在させない吸収像150と格子を用いた第1位相コントラスト画像14a(第1位相微分像16a)および第2位相コントラスト画像14b(第2位相微分像16b)とを生成することができる。格子なし領域R3に到達するX線は、格子を通過せずに検出器2に到達するので、格子によるX線の減衰、特に低エネルギー側によるX線の減衰を抑制することができる。その結果、第1格子領域R1および第2格子領域R2を通過して到達するX線によって生成された吸収像15(図12(A)参照)と比較して、格子なし領域R3を通過して到達するX線によって生成された吸収像150のコントラストを向上させることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1、第2および第4実施形態では、Z方向が水平方向であり、撮像系9が水平方向に沿って配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図27に示すX線位相撮像システム500のように、Z方向が垂直方向であり、撮像系9は、垂直方向に沿って配置されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、各格子が平板状である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、撮像する被写体Tが大きい場合、照射するX線の範囲も大きくなり、面積の大きい格子を用いる必要がある。X線の照射範囲が大きくなると、格子に対して斜め方向からX線が入射する場合がある。この場合、各スリットおよび各X線透過部に対しても斜め方向から入射するため、各X線吸収部などにおいて意図しない吸収が生じるため、検出器2に到達するX線の線量が低下し、位相コントラスト画像14のコントラストの低下などが生じる。そこで、図28に示すX線位相撮像システム600のように、格子を湾曲させてもよい。図28に示す例では、第2格子群4の格子を湾曲させる例を示している。格子の大きさに応じて、第1格子40のみを湾曲させてもよい。また、第1格子群3の各格子を湾曲させてもよい。また、第1格子群3の格子を湾曲させてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、X線位相撮像システム100(200、300、400)が第1格子30および第1格子40を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。X線源1から照射されるX線の可干渉性が第2格子31および第2格子41の自己像を形成することができるほど十分に高い場合は、第1格子30および第1格子40を設けなくてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、位相情報12を取得する際に、格子移動機構8が、第2格子31および第2格子41を移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。移動させる格子はいずれの格子であってもよい。
また、上記第2実施形態では、第1撮像位置〜第6撮像位置の6か所に被写体T(標識物M)を移動させながら撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。強度信号曲線SC2を取得することができれば、被写体T(標識物M)を配置する位置は、6か所より少なくてもよいし、多くてもよい。
また、上記第2実施形態では、標識物Mの移動量dmと同一の移動量dtによって被写体Tを移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。被写体Tの移動量dtと、標識物Mの移動量dmとは、同一でなくてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、第2格子31および第2格子41と第3格子32および第3格子42との間において被写体T(標識物M)を移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子30および第1格子40と第2格子31および第2格子41との間において被写体T(標識物M)を移動させるように構成されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、指令値と移動量dmとに基づく近似式を取得することにより位置較正データを作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。各画像10における画素の位置を取得することができれば、位置較正データはどのようにして生成されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、画像処理部6(60)が、第1位相微分像16aおよび第2位相微分像16bから第1合成画像19を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。画像処理部6(60)は、第1格子領域R1において撮像された暗視野像17と、第2格子領域R2において撮像された暗視野像17とを用いて、第1合成画像19を生成するように構成されていてもよい。また、画像処理部6(60)は、第1位相微分像16aおよび第2位相微分像16bと第1格子領域R1において撮像された暗視野像17および第2格子領域R2において撮像された暗視野像17とを組み合わせて合成することにより、第1合成画像19を生成するように構成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、画像処理部6(60)が、第1位相微分像16aおよび第2位相微分像16bから第1合成画像19を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部6(60)は、第1合成画像19を生成せずに、第1位相微分像16a(第1位相コントラスト画像14a)および第2位相微分像16b(第2位相コントラスト画像14b)を生成するだけでもよい。
また、上記第4実施形態では、画像処理部160が吸収像150と、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bとを合成した第2合成画像23を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部160は、吸収像150と、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bとを、外部の表示装置などに出力することにより、吸収像150と、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bとを並べて表示するように構成されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12の取得と、被写体Tを撮像とを続けて行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12を取得する処理をあらかじめ行い、記憶部などに記憶しておいてもよい。位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12を記憶部に記憶しておく較正の場合、画像処理部6(60、160、260)は、位相コントラスト画像14を生成する際に、位置較正データおよびモアレ縞MFの位相情報12を記憶部から取得するように構成すればよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、移動機構5が被写体T(標識物M)をX2方向からX1方向へ移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動機構5は、X1方向からX2方向へ被写体T(標識物M)を移動させるように構成されていてもよい。被写体T(標識物M)をモアレ縞MFの周期方向に移動させることができれば、移動機構5は被写体T(標識物M)をどの様に移動させてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、撮像系9を固定し、移動機構5が被写体Tを移動させて撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動機構5は、被写体Tを固定して、撮像系9を移動させることにより、被写体Tと撮像系9とを相対移動させるように構成されていてもよい。また、標識物Mを固定し、撮像系9を移動させることによって、位置較正用データを取得するように構成されていてもよい。被写体T(標識物M)と撮像系9との相対位置が変化すればよいので、移動機構5は、被写体T(標識物M)と撮像系9とのうち、どちらを移動させてもよい。なお、第1〜第3実施形態において、移動機構5が撮像系9を移動させる場合、移動機構5を、格子とともに格子移動機構8を移動させるように構成すればよい。また、第4実施形態において、移動機構5が撮像系9を移動させる場合は、移動機構5を、撮像系9とともにコリメータ50を移動させるように構成すればよい。
また、上記第1および第2実施形態では、画像処理部6(60)が上記式(4)によって、第1合成画像19を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。画像処理部6(60)は、上記式(4)を用いずに第1合成画像19を生成するように構成されていてもよい。たとえば、画像処理部6(60)は、第1位相コントラスト画像14aおよび第2位相コントラスト画像14bを単純加算することにより、第1合成画像19を生成するように構成されていてもよい。また、画像処理部6(60)は、第1位相コントラスト画像14aの二乗和平方根および第2位相コントラスト画像14bの二乗和平方根を取得することにより、第1合成画像19を生成するように構成されていてもよい。
また、上記第4実施形態では、X2方向からX1方向に向かう方向において、第2格子領域R2、第1格子領域R1および格子なし領域R3の順序で各領域が並ぶように、第1格子群3、第2格子群4およびコリメータ50が配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第1格子領域R1、第2格子領域R2および格子なし領域R3の順序はどのような順序であってもよい。なお、X方向において、第1格子群3を光軸XRaから離れた位置に配置する場合、X線の照射方向に応じて第1格子群3を傾けて配置する必要があるため、第1格子群3は光軸XRaに近い位置(X線源1の正面)に配置することが好ましい。
1 X線源
2 検出器
3 第1格子群
4 第2格子群
5 移動機構
6、60、160、260 画像処理部
7、70、170 制御部
8 格子移動機構
9 撮像系
10、21 画像(被写体と撮像系とを相対移動させながら撮像した複数の画像)
12、22 位相情報
13 位置較正用画像
14 位相コントラスト画像
14a 第1位相コントラスト画像
14b 第2位相コントラスト画像
15 吸収像(位相コントラスト画像)
16 位相微分像(位相コントラスト画像)
17 暗視野像(位相コントラスト画像)
18 位相像
19 第1合成画像
23 第2合成画像
30 第1格子(第1格子群)
31 第2格子(第1格子群)
32 第3格子(第1格子群)
40 第1格子(第2格子群)
41 第2格子(第2格子群)
42 第3格子(第2格子群)
71 位置情報取得部
100、200、300、400、500、600 X線位相撮像システム
FP 画像化対象となる断層面
M 標識物
MF モアレ縞
R1 第1格子領域
R2 第2格子領域
R3 格子なし領域
T 被写体

Claims (15)

  1. X線源と、
    前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
    前記X線源と前記検出器との間において、格子が延びる方向を第1方向に沿った方向に向けて、X線の光軸方向に沿って配置された複数の格子を含む第1格子群と、
    前記X線源と前記検出器との間において前記光軸方向と交差する方向に前記第1格子群と並んで配置され、格子が延びる方向を第1方向と異なる第2方向に沿った方向に向けて、前記光軸方向に沿って配置された複数の格子を含む第2格子群と、
    被写体または前記X線源と前記検出器と前記第1格子群と前記第2格子群とによって構成される撮像系を相対移動させる移動機構と、
    前記検出器によって検出された信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
    前記移動機構は、被写体が、前記第1格子群が配置された第1格子領域および前記第2格子群が配置された第2格子領域を通過するように被写体と前記撮像系とを相対移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、被写体が前記第1格子領域を通過した際の第1位相コントラスト画像と、被写体が前記第2格子領域を通過した際の第2位相コントラスト画像と、を生成するように構成されている、X線位相撮像システム。
  2. 前記第1格子群および前記第2格子群は、前記第1方向と前記第2方向とが略直交する向きとなるように配置されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  3. 前記画像処理部は、前記第1位相コントラスト画像と、前記第2位相コントラスト画像とを合成した第1合成画像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  4. 前記第1格子群を通過したX線および前記第2格子群を通過したX線は、それぞれ、共通の前記検出器によって検出される、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  5. 前記第1格子群および前記第2格子群は、それぞれ、共通の前記X線源から照射されるX線の照射範囲内に配置されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  6. 前記第1格子群および前記第2格子群は、それぞれ、前記X線源から照射されるX線の可干渉性を高める第1格子と、自己像を形成するための第2格子と、前記第2格子の自己像と干渉させるための第3格子とを含み、
    前記第1格子群の前記第1格子および前記第2格子群の前記第1格子は、一体的に形成されており、前記第1格子群の前記第2格子および前記第2格子群の前記第2格子と、前記第1格子群の前記第3格子および前記第2格子群の前記第3格子とは、それぞれ、別体で形成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  7. 前記画像処理部は、前記第1格子領域および前記第2格子領域の各々において、被写体と前記撮像系とを相対移動させながら撮像した複数の画像と、複数の前記画像に生じたモアレ縞の位相情報と、に基づいて、複数の前記画像における被写体の各画素における画素値と、各画素における前記モアレ縞の位相値とを対応付けるとともに、
    複数の前記画像における被写体の同一位置の画素の位置情報と、前記位相値と対応付けた各画素の画素値とに基づいて、複数の前記画像における被写体の同一位置の画素の位置合わせを、前記第1格子領域および前記第2格子領域の各々において行うことにより、前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  8. 前記移動機構は、被写体を撮像する際に、被写体を連続的に移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、取得した連続的な前記画像に基づいて、前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項7に記載のX線位相撮像システム。
  9. 前記移動機構は、被写体を撮像する際に、被写体を所定距離ずつ移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、所定距離ずつ移動させながら取得した前記画像に基づいて、前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項7に記載のX線位相撮像システム。
  10. 前記画像処理部は、標識物と前記撮像系とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像に基づいて、複数の前記画像における被写体の同一位置の各画素の位置合わせに用いる位置較正データを作成するように構成されている、請求項7に記載のX線位相撮像システム。
  11. 前記位置較正データは、前記移動機構によって前記標識物と前記撮像系とを相対移動させる際に前記移動機構に入力される移動量に関する指令値と、前記指令値に基づいて前記標識物と前記撮像系とを相対移動させた際の前記位置較正用画像中における前記標識物または前記撮像系の移動量とに基づいて作成される、請求項10に記載のX線位相撮像システム。
  12. 前記位置較正データは、複数の前記位置較正用画像における前記標識物の同一位置の各画素の位置に基づいて、前記指令値と前記標識物または前記撮像系の移動量との関係を示す近似式を取得することにより作成される、請求項11に記載のX線位相撮像システム。
  13. 前記画像処理部は、被写体が前記第1格子領域を通過した際の位相微分像と、被写体が前記第2格子領域を通過した際の位相微分像とに基づいて、位相像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  14. 画像化対象となる断層面の前記光軸方向における断層位置を取得する位置情報取得部をさらに備え、
    前記画像処理部は、所定方向における前記撮像系と被写体との複数の相対位置で被写体を撮像した複数の画像と、取得された前記断層位置とに基づいて、前記断層面における位相分布を取得することにより、前記断層面における前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
  15. 前記移動機構は、前記第1格子群および前記第2格子群が配置されていない格子なし領域を被写体が通過するように被写体と前記撮像系とを相対移動させるように構成されており、
    前記画像処理部は、前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像と、前記格子なし領域を通過した際に取得された吸収像とを並べて表示するか、または、前記第1位相コントラスト画像および前記第2位相コントラスト画像と、前記吸収像とを合成した第2合成画像を表示するように構成されている、請求項1に記載のX線位相撮像システム。
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