JP7006743B2 - プラスチックボトル、及び充填体 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックボトル、及び充填体に関し、より詳細には、いわゆる丸ボトルと称されるプラスチックボトル、及び充填体に関する。
飲料等が充填される容器として、プラスチックボトル、中でも、PET(PolyEthylene
Terephthalate)ボトルが多く用いられる。PETボトルの用いられる商品の販売形態も多様化している。その中で、例えば冬季に、ホットウォーマーと称される専用の加温器で容器ごと温めることを想定して作られたPETボトル入り飲料がある。
特許文献1には、可撓性を有する合成樹脂製ボトルの内部に飲料が封入されてなる加温保存用の飲料充填ボトルの製造方法において、加熱殺菌処理した後に常温に冷却された飲料を、合成樹脂製ボトルに充填する飲料充填工程と、飲料が充填されたボトルを押圧変形させボトルの容量を所定量減少させた状態でボトルにキャップを冠着して封止する封止工程とを備えることを特徴とする飲料充填ボトルの製造方法が開示されている。
特開2003-212296号公報
特許文献1の加温保存用の飲料充填ボトルの製造方法によれば、内部に充填された飲料及び飲料の上部に形成されている空間内の気体が加温によって膨張しても、ボトルの胴部が外側に膨出することを防止して、加温状態での保存販売を良好に行なうことができるとされている。
しかしながら、特許文献1による方法では、ボトルを押圧する装置が必要であるため生産原価が上昇する。更に、ボトルが押圧変形される際に、ボトルから飲料があふれ出て容器が汚染され、外観不良となる可能性が高まる。更に、ボトルに対する押圧が強すぎると、ボトルが変形して元に戻らずに外観不良となる可能性がある。これらの傾向は、プラスチックボトルが軽量であるほど薄肉となって変形しやすくなり、押圧力の制御がより難しくなるため、より顕著なものとなる。
そこで本発明の目的は、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形が抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトル、及び充填体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、口部と、肩部と、胴部と、底部とを軸方向に順次有するプラスチックボトルにおいて、前記胴部は、胴径の絞られたくびれ部と、前記くびれ部を挟んで前記軸方向の両側に前記胴径が最大の円筒部とを有し、前記くびれ部は、前記軸方向にそれぞれ延びる柱と、パネルとが互い違いに周方向に連なって構成され、前記柱において前記胴径が最小となる位置から前記周方向に、前記パネルを貫いて延び、径方向において前記パネルより内側に位置して直線状であり、内側に屈曲するように形成されているくびれ周回部を有し、前記パネルは、少なくとも前記くびれ周回部を含む領域が、隣り合う前記柱の間を結ぶ線よりも前記プラスチックボトルの内側にくぼむことを特徴とする。
更に、前記プラスチックボトルの中身が、充填時よりも高温状態の加温販売に用いられ
ることを特徴とする。
更に、前記パネルの肉厚が0.15 mm以上、0.50 mm以下であることを特徴とする。
更に、前記柱の肉厚が0.15 mm以上、0.50 mm以下であることを特徴とする。
更に、前記くびれ周回部は、面取りがなされて前記軸方向の断面が円弧状に形成されることを特徴とする。
更に、前記パネルは、前記軸方向、及び前記周方向の断面がいずれも、前記プラスチックボトルの内側に向かって湾曲する凹面部を有することを特徴とする。
更に、前記くびれ周回部には、前記軸方向に隣り合う前記凹面部の間を前記軸方向に連結する連結部が形成されることを特徴とする。
更に、前記円筒部には、前記周方向に延びる横リブが形成されることを特徴とする。
更に、前記横リブの前記軸方向の断面がテーパ状であることを特徴とする。
更に、前記くびれ周回部は、前記柱、及び前記パネルの前記軸方向の中心に位置することを特徴とする。
更に、前記周方向に連なる複数の前記パネルは4以上、12以下で構成されることを特徴とする。
更に、前記円筒部に対して、前記柱の前記くびれ周回部における前記胴径の比が0.83以上、0.95以下であることを特徴とする。
更に、前記円筒部に対して、前記くびれ周回部において前記胴径が最小となる前記パネルの前記胴径の比が0.70以上、0.82以下であることを特徴とする。
更に、中身の温度は、充填時には15℃以上、40℃以下であり、高温状態の際には50℃以上、80℃以下であることを特徴とする。
更に、前記プラスチックボトルを構成する材料がポリエチレンテレフタレートであり、前記ポリエチレンテレフタレートの重合触媒として、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、及びアルミニウム化合物の少なくとも一つが用いられることを特徴とする。
更に、本発明に係る充填体は、上述のプラスチックボトルと、充填される液体とによって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、口部と、肩部と、胴部と、底部とを軸方向に順次有するプラスチックボトルにおいて、胴部は、胴径の絞られたくびれ部と、くびれ部を挟んで軸方向の両側に胴径が最大の円筒部とを有し、くびれ部は、軸方向にそれぞれ延びる柱と、パネルとが互い違いに周方向に連なって構成され、柱において胴径が最小となる位置から周方向に、パネルを貫いて延び、径方向において前記パネルより内側に位置して直線状であり、内側に屈曲するように形成されているくびれ周回部を有し、パネルは、少なくともくびれ周回部を含む領域が、隣り合う柱の間を結ぶ線よりもプラスチックボトルの内側にくぼむことを特徴とするので、径方向の特に外側への変形量を大きくすることができ、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形が抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、パネルは、少なくともくびれ周回部を含む領域が、隣り合う柱の間を結ぶ線よりもプラスチックボトルの内側にくぼむ構成であることで、径方向の特に外側への変形量をより大きくすることができ、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、プラスチックボトルの中身が、充填時よりも高温状態の加温販売に用いられるので、プラスチックボトルが有する内圧の吸収能、及び加温時にもくびれが維持される機能が充分に発揮される。
更に、パネルの肉厚が0.15 mm以上、0.50 mm以下である構成によれば、径方向の特に外側に変形しやすくすることができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、柱の肉厚が0.15 mm以上、0.50 mm以下である構成によれば、パネルが変形しても胴部の形状を維持することができ、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、くびれ周回部は、面取りがなされて軸方向の断面が円弧状に形成されるので、径方向の特に外側に変形しやすくすることができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、パネルは、軸方向、及び周方向の断面がいずれも、プラスチックボトルの内側に向かって湾曲する凹面部を有するので、径方向の特に外側への変形量をより大きくすることができ、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、くびれ周回部には、軸方向に隣り合う凹面部の間を軸方向に連結する連結部が形成されるので、プラスチックボトルの座屈強度を高めることができる。したがって、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、円筒部には、周方向に延びる横リブが形成されるので、内部に生じた圧力を軸(高さ)方向に分散させることができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、加熱等によって内部がより陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、横リブの軸方向の断面がテーパ状である構成によれば、内部に生じた圧力をより分散させることができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、加熱等によって内部がより陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、くびれ周回部は、柱、及びパネルの軸方向の中心に位置する構成によれば、より優れた意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、周方向に連なる複数のパネルは4以上、12以下で構成されるので、径方向の特に外側に変形しやすくすることができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、円筒部に対して、柱のくびれ周回部における胴径の比が0.83以上、0.95以下である構成によれば、胴部の変形がより抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、円筒部に対して、くびれ周回部において胴径が最小となるパネルの胴径の比が0.70以上、0.82以下である構成によれば、特に陽圧の吸収能をより向上させることができ、かつ意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、中身の温度は、充填時には15℃以上、40℃以下であり、高温状態の際には50℃以上、80℃以下であるので、例えば加温販売の際の陽圧を充分に吸収し、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、プラスチックボトルを構成する材料がポリエチレンテレフタレートであり、ポリエチレンテレフタレートの重合触媒として、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、及びアルミニウム化合物の少なくとも一つが用いられる構成によれば、高い透明性を有し、耐熱性に優れ、意匠性と、実用性とを兼ね備えたプラスチックボトルを提供することができる。
更に、本発明に係る充填体は、上述のプラスチックボトルと、充填される液体とによって構成されるので、加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部や、胴部の変形が抑えられ、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えた充填体を提供することができる。
第1の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 PETボトルの平面図である。 図1のIV-IV線断面図である。 PETボトルの底面図である。 第2の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 図6のVIII-VIII線断面図である。 第3の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 図9のXI-XI線断面図である。 第4の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 図12のXIV-XIV線断面図である。 第5の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 図15のXVII-XVII線断面図である。 第6の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトルが示された正面図である。 PETボトルの側面図である。 図18のXX-XX線断面図である。 比較例1のPETボトルの正面図である。
<1.第1の実施形態>
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。まず、第1の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図1は、第1の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル1が示された正面図であり、図2はPETボトル1の側面図であり、図3はPETボトル1の平面図である。PETボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40とを軸方向に順次有する。なお、以下では、説明の便宜上、PETボトル1の軸方向が上下に延びるように正立された図1や図2の状態において容器内への中身の充填が行われる口部10を上とする。
口部10は、中身の充填口や、注出口、飲み口となる。この口部10に図示せぬ蓋が取り付けられることによってPETボトル1が密封される。PETボトル1は、アセプティック充填に用いられることが想定されている。アセプティック充填とは、高温短時間で殺菌した中身をすぐに冷却して常温でボトルに詰める無菌充填のことである。したがって、口部10は、耐熱性が付加されるように、いわゆる結晶化装置での加熱によって白く着色されるまでは結晶化されておらず透明である。しかしながら、口部10の結晶化されたPETボトル1が用いられても構わない。
肩部20は、その上側が口部10に連なり、一方で、その下側が胴部30に連なる。肩部20は、上側から下側に向かって拡径する略円錐台筒状に形成される。肩部20は、PETボトル1の外側に湾曲していることが、PETボトル1の径方向の外側からの荷重に耐える強度である側壁強度や、陽圧に対する耐性、設計された形状への追従性を示す賦形性、容量等の観点で好ましい。ただし、口部10が把持される方式でPETボトル1が搬送される場合に肩部20が干渉したり、ブロー成形によるPETボトル1の形成の際に賦形性が良好でなくなったりすることから、肩部20は、極度に外側、特に上側に湾曲することは好ましくない。
胴部30は、胴径(外径)の絞られたくびれ部50と、くびれ部50を挟んで軸方向の両側に、胴径が最大の円筒部として上側円筒部60と、下側円筒部70とを有する。PETボトル1は、胴部30に、くびれ部50を有する構成によって、PETボトル1の意匠性が高められるとともにその持ちやすさが向上される。
図1等に例示されるように上側円筒部60は肩部20の側に位置しており、下側円筒部70は底部40の側に位置している。そして、上側円筒部60、及び下側円筒部70はいずれも、同軸で、PETボトル1の最大胴径D1を有する。これによって、PETボトル1を横向きにしても、最大胴径D1を有する上側円筒部60、及び下側円筒部70のそれぞれが接地部位となり、安定して置くことができ、例えば、横向きに積載する自動販売機にも適用することができる。
一方で、くびれ部50は、上側円筒部60、及び下側円筒部70よりも胴径が絞られて構成される。くびれ部50は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル52とが互い違いにPETボトル1の周方向に連なって構成される。そして、くびれ部50は、柱51において胴径が最小となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル52を貫いて延びるくびれ周回部53を有する。
図4は図1のIV-IV線断面図である。このIV-IV線はくびれ周回部53を通過している。例示されているくびれ部50は、6個の柱51、及びパネル52をそれぞれ有している。そして、くびれ部50の水平方向の断面形状は図4に示されるように略六角形を呈している。
柱51は、正面視において、軸方向に長い長方形状を有している。そして、PETボトル1の径方向において柱51は、その上端、及び下端が外側に位置し、柱最内部54は内側に位置し、柱最内部54で屈曲するようにして柱最内部54の上下両側で直線状に延びている(図1参照)。柱51は、剛性を有して構成され、PETボトル1の特に軸方向からの荷重を支える機能や、密封されたPETボトル1の内圧に耐えて胴部30の変形を防止する機能を有する。PETボトル1は、柱51を有する構成によって、加熱等によって内部が陽圧化された際にも胴部30が胴径の絞られた形状を維持することができる。
柱51の剛性(変形のしづらさの度合い)にはその肉厚が大きく関与する。柱51の肉厚が薄すぎると剛性が高まらず、荷重や内圧によって胴部30が変形しやすくなってしまう。一方で、柱51の肉厚が厚すぎると材料の使用量が増えて、PETボトル1を軽量化することができないとともに費用が嵩む。そして、柱51の肉厚が0.15 mm以上、
0.50 mm以下であることが好ましい。このように構成されることによって、PET
ボトル1に、軽量性と、外力に対する高い強度とを併有させることができる。
くびれ周回部53を正六角形としてみたときに、中心を通って対向する2つの柱最内部54,54の間が、柱51のくびれ周回部53における胴径(柱部最小胴径D2)と定義される。最大胴径D1に対する柱部最小胴径D2の比が小さすぎ、すなわちくびれの度合いが大きすぎるとPETボトル1の成形時に樹脂が、くびれ部50に集中し、底部40の肉厚が薄くなって底部40が反転しやすくなってしまう。更に、くびれ部50は、軸方向や、径方向からの荷重を支え切れずに変形しやすくなってしまう。一方で、最大胴径D1に対する柱部最小胴径D2の比が大きすぎ、すなわちくびれの度合いが小さすぎると加温時にくびれが保てず意匠性を損なう。
上側円筒部60、及び下側円筒部70に対して、柱51のくびれ周回部53における胴径の比(柱部最小胴径D2/最大胴径D1)が0.83以上、0.95以下であることが好ましい。このように構成されることによって、PETボトル1の変形を抑え、かつ意匠性を高めて、持ちやすさを向上させることができる。
パネル52も、正面視において、軸方向に長い長方形状を有している。ただし、パネル52は、柱51よりも周方向に長い辺を有している。そして、パネル52は各々が、PETボトル1の内外、特に外側に変形可能に構成される。したがって、パネル52は、密封
されたPETボトル1の内圧の変化、特に陽圧に追従して変形して内容積を変化させることによって圧吸収を行う機能を有する。一方で、上述されたように、PETボトル1の内圧が変化した際にも柱51を骨格として、くびれ部50の構造自体は保持される。
このように構成されるくびれ部50は、外力に対する高い強度を有し、かつ内部における陽圧、及び陰圧のいずれも吸収していびつな変形を抑えることができる。そして、PETボトル1が特に陽圧の状態において底部40が下側に膨らむことを防止することができる。
パネル52の剛性にもその肉厚が大きく関与する。パネル52の肉厚が薄すぎると、荷重や内圧によるパネル52の変形が大きくなりすぎてPETボトル1はいびつに変形しやすくなってしまう。一方で、パネル52の肉厚が厚すぎるとパネル52は、変形しにくくなってしまって内圧の変化を吸収することができない。そして、パネル52の肉厚が0.15 mm以上、0.50 mm以下であることが好ましい。このように構成されることによって、内圧の変化を吸収し、PETボトル1がいびつに変形することを防止することができる。
パネル52の周方向の長さは、くびれ部50を構成するパネル52の数との関連が深い。すなわち、パネル52の数が少なすぎると、パネル52が周方向に長くなりすぎる傾向を示す。そして、パネル52のPETボトル1の内外への変形が大きくなりすぎたり、パネル52が外側に反転しやすくなったり、個々のパネル52にかかる軸方向の荷重が大きくなりすぎたりする傾向を示し、PETボトル1はいびつに変形しやすくなってしまう。一方で、パネル52の数が多すぎると、パネル52は、周方向に短くなりすぎる傾向を示し、PETボトル1の内外に変形しにくくなって内圧の変化を吸収しにくくなる。したがって、内圧の変化を吸収し、かつPETボトル1がいびつに変形することを防止する観点から周方向に連なる複数のパネル52は4以上、12以下で構成されることが好ましい。
PETボトル1の径方向においてパネル52も、その上端、及び下端が外側に位置し、くびれ周回部53は内側に位置し、くびれ周回部53で屈曲するようにしてくびれ周回部53の上下両側で直線状に延びている(図2参照)。そして、くびれ周回部53には、PETボトル1の内側に凸の谷線(凹稜線)が形成されている。このように、パネル52は、胴径の絞られたくびれ周回部53を有することによって径方向の特に外側への変形量を大きくすることができる。一方で、くびれ周回部53の谷線は、陽圧によって、PETボトル1の径方向の外側にパネル52が反転することを防ぐことができる。したがって、このような構成によって、特に陽圧の吸収能を向上させるとともに、胴部30が外側に大きく膨らみすぎる等といったようにいびつに変形することを防ぐことができる。
なお、くびれ周回部53は水平方向から傾きを有していると内圧によってパネル52が不均等に変形しやすくなってしまう。したがって、くびれ周回部53は傾きを有さずに水平方向に形成されることが好ましい。すなわち、PETボトル1の軸方向が上下に延びるように正立された状態においてくびれ周回部53は同じ高さで、PETボトル1を1周するように形成されることが好ましい。
くびれ周回部53を正六角形としてみたときに対辺となる2つのパネル52,52の間の距離が、くびれ周回部53において胴径が最小となるパネル52の胴径(パネル部最小胴径D3)と定義される。通常において、パネル部最小胴径D3は、対辺におけるそれぞれの中点の間を結ぶ距離となる。
最大胴径D1に対するパネル部最小胴径D3の比が小さすぎ、すなわちくびれの度合いが大きすぎるとブロー成形の際の延伸距離が短くなってパネル52が、厚肉になりすぎて
内圧の変化を吸収しにくくなり、かつ底部40が薄肉になりすぎる傾向がある。一方で、最大胴径D1に対するパネル部最小胴径D3の比が大きすぎ、すなわちくびれの度合いが小さすぎると陽圧の際にパネル52が外側に反転しやすくなってしまい、PETボトル1の意匠性を高めること、及びその持ちやすさを向上させることができない。そして、上側円筒部60、及び下側円筒部70に対して、くびれ周回部53において胴径が最小となるパネル52の胴径の比(パネル部最小胴径D3/最大胴径D1)が0.70以上、0.82以下であることが好ましい。このように構成されることによって、密封されたPETボトル1の内圧の変化を吸収して変形を抑え、かつ意匠性を高めて、持ちやすさを向上させることができる。
PETボトル1には、パネル52が陽圧によって変形してもなお、くびれが維持されることが必要とされる。したがって、パネル52は全体として少なくとも、最大胴径D1までは膨らまないように構成される。更に、パネル52は、すべての水平断面において、柱51の部分の胴径まで膨らまないように構成されることがより好ましい。これは、パネル52の両隣の柱51が剛性を有するとともに、胴径が最小となる柱最内部54を有するようにくびれて構成され、この柱51が抑えとなって、パネル52がくびれを維持できなくなるまで膨らまないようにされることによって実現されている。
なお、ここでは、最大胴径D1に対する柱部最小胴径D2、及びパネル部最小胴径D3の比の算出にはそれぞれ直径が用いられている。しかしながら、くびれ部50が平面視で非対称、例えば柱51、及びパネル52が奇数で構成されている場合におけるこれらの比の算出には半径が用いられれば良い。半径が用いられることによって、非対称に構成されているくびれ部50においてもこれらの比を同様に算出することができる。
図5はPETボトル1の底面図である。底部40は、胴部30の下側円筒部70の下側に連なる。底部40は、コーナー部41と、底壁42と、ドーム43と、リブ44とを有している。コーナー部41は、PETボトル1の軸方向の下側、及び径方向の外側に向かって湾曲している。略平板環状の底壁42は、胴部30に対して垂直方向に延び、PETボトル1の接地面となる。底壁42は、PETボトル1の加温時の変形を抑えるために径方向の幅が可及的に狭く構成されることが好ましい。ドーム43は、底壁42の内周において底壁42から、PETボトル1の軸方向の内側(上側)に向かって突出しており、底部40の強度を向上させる機能を有する。なお、ドーム43には、ドーム43を補強する機能を有するリブ44が底面視で放射状に複数設けられている。
なお、底部40は、図5等の例示に限らず、熱によって変形しやすい状態において陽圧化されたとしても下側に変形しにくく構成されていれば良い。ドーム43は、熱によって仮に変形したとしても少なくともPETボトル1の接地面よりも高く維持されるように設計される。これによって、底壁42が接地面として保たれ、PETボトル1のがたつきや、転倒を防止することができる。
PETボトル1には、サイズによる限定はなく、種々のサイズに対して適用することができる。例えば、PETボトル1の容積が、加温販売で広く用いられている100 ml
以上、520 ml以下であっても良い。PETボトル1の全高H1は100 mm以上、250 mm以下であっても良く、胴部30の最大胴径D1は30 mm以上、80 mm
以下であっても良い。更に、本実施形態に係るPETボトル1は軽量化ボトルを対象として用いることもできる。PETボトル1の質量は例えば、500 mlに対しては13 g以上、28 g以下、350 mlに対しては12 g以上、25 g以下であると良い。
PETボトル1が例示されたプラスチックボトルの材料としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィンや、エチレン-ビニルアルコール共重合体、植物等を原料としたポリ乳酸等のブロー成形が可能な種々のプラスチックを用いることができる。しかしながら、プラスチックボトルは、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、特に、ポリエチレンテレフタレートが主成分とされることが好ましい。なお、上述された樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤を配合することができる。
PETボトル1を構成するエチレンテレフタレート系熱可塑性樹脂としては、エステル反復部分の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50℃以上、90℃以下であり、融点(Tm)が200℃以上、275℃以下の範囲にあるものが好適である。エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートが耐圧性等の点で特に優れているものの、エチレンテレフタレート単位以外に、イソフタル酸や、ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸と、プロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位を少量含む共重合ポリエステルも使用することができる。
ポリエチレンテレフタレートは熱可塑性の合成樹脂の中では生産量が最も多い。そして、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、耐熱性、耐寒性や、耐薬品性、耐摩耗性に優れる等の種々の特性を有する。更に、ポリエチレンテレフタレート樹脂はその原料に占める石油の割合が他のプラスチックと比べて低く、リサイクルも可能である。このように、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする構成によれば、生産量の多い材料を用いることができ、その優れた種々の特性を活用することができる。
ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコール(エタン-1,2-ジオール)と、精製テレフタル酸との縮合重合によって得られる。ポリエチレンテレフタレートの重合触媒として、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、及びアルミニウム化合物の少なくとも一つが用いられることが好ましい。これらの触媒が用いられることによって、アンチモン化合物が用いられるよりも、高い透明性を有し、耐熱性に優れた容器を形成することができる。
上述された材料が射出成形されたプリフォームがブロー成形されることによってプラスチックボトル、例えばPETボトル1を作製することができる。上述されたような特徴を有するようにPETボトル1が作製されるのであれば、その製造方法は特に限定されない。
PETボトル1と、充填される液体としての飲料とによって充填体が構成される。充填体の製造には、高温短時間で殺菌した中身をすぐに冷却して常温で、PETボトル1に詰める無菌充填、いわゆるアセプティック充填を用いることができる。しかしながら、充填体の製造には、口部10の結晶化されたPETボトル1に、例えば85℃~90℃に熱して滅菌した中身を詰めてPETボトル1とキャップとの殺菌を行うホット充填が用いられても構わない。
PETボトル1は、内圧の変化、特に陽圧を吸収する機能に優れる。したがって、PETボトル1の中身が、充填時よりも高温状態の加温販売に好適に用いることができる。ここで、より具体的に、中身の温度は、充填時には15℃以上、40℃以下であり、高温状態の際には50℃以上、80℃以下である。PETボトル1は、このような温度変化に伴う内圧の変化、すなわち陽圧を充分に吸収する機能を有する。
次に、PETボトル1の作用を詳細に説明する。上述されたように、PETボトル1には、アセプティック充填によって、中身として、例えば30℃の飲料が口部10から詰め
られた後に、蓋が取り付けられることによってPETボトル1が密封される。このようにして製造された充填体は、胴部30へのラベルの装着等が行われた後に段ボール等に箱詰めされて出荷される。
販売店では、ホットウォーマーの中の商品棚に充填体が載置される。ホットウォーマーは、加熱加温用のヒータとしてホットプレートを商品棚の底面に備えている。充填体は、液温が例えば55℃以上となるように70℃に加熱されたホットプレートに載置されることによって加熱加温される。PETボトル1が加熱されることによって、飲料、及び飲料の上部に封入されている気体も加熱され、それぞれの体積が増加する。これによって、密封されたPETボトル1の内部は陽圧化される。内部が陽圧化されることによってPETボトル1の各部が外側に向かって押される。
しかしながら、PETボトル1の径方向の特に外側への変形量が大に構成されたパネル52は陽圧に追従して変形して内容積を変化させることによって効果的に圧吸収を行う。一方で、剛性を有する柱51は、骨格となって、くびれ部50の構造を保持する。更に、柱最内部54を有するようにくびれて構成される柱51は、パネル52がくびれを維持できなくなるまで膨らんでしまうことを防ぐ。したがって、PETボトル1は、加熱されて、その内部が陽圧化されたとしても、底部40が下側に膨らんだり、胴部30が外側に大きく膨らみすぎたりする等といったようにいびつに変形することがなく、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
以上のように、第1の実施形態に係るPETボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40とを軸方向に順次有し、胴部30は、胴径の絞られたくびれ部50と、くびれ部50を挟んで軸方向の両側に胴径が最大の上側円筒部60、及び下側円筒部70とを有し、くびれ部50は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル52とが互い違いに周方向に連なって構成され、柱51において胴径が最小となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル52を貫いて延びるくびれ周回部53を有する。第1の実施形態に係るPETボトル1では、くびれ部50を有しながらパネル52が変形しやすく構成されることによって加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部40や、胴部30の変形が抑えられる。したがって、第1の実施形態によれば、加温時にもくびれが維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたPETボトル1、及び充填体を提供することができる。
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図6は、第2の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル2が示された正面図であり、図7はPETボトル2の側面図であり、図8は図6のVIII-VIII線断面図である。PETボトル2は、PETボトル1とは、くびれ部50のパネル52の形状が異なる他は同じ構成、及び効果を有する。ここでは、PETボトル1と同一の構成には同一の符号を付して適宜、その説明を割愛する。
PETボトル2は、口部10と、肩部20と、胴部130と、底部40とを軸方向に順次有する。胴部130は、胴径の絞られたくびれ部150を有する。くびれ部150は、上側円筒部60、及び下側円筒部70よりも胴径が絞られて構成される。くびれ部150は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル152とが互い違いにPETボトル2の周方向に連なって構成される。そして、くびれ部150は、柱51において胴径が最小(柱部最小胴径D2)となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル152を貫いて延びるくびれ周回部153を有する。
図6のVIII-VIII線はくびれ周回部153を通過している。例示されているくびれ部150は、6個の柱51、及びパネル152をそれぞれ有している。そして、くび
れ部150の水平方向の断面形状は図8に示されるように、凸角と、凹角とが互い違いに6組並んで周回した凹12角形、いわゆる星形を呈している。図8には、隣り合う柱51の間を結ぶ仮想線Lvが示されている。そして、パネル152は、少なくともくびれ周回部153を含む領域が、隣り合う柱51の間を結ぶ仮想線LvよりもPETボトル2の径方向の内側にくぼみ幅Wを有してくぼむように構成される。すなわち、PETボトル2が、PETボトル1と同一の最大胴径D1、及び柱部最小胴径D2を有して構成された場合のパネル部最小胴径D3はパネル152の方がパネル52よりも小となるように構成される(図4、及び図8参照)。
なお、図7の右端に位置する柱51と、パネル152とが示すように、PETボトル2の径方向において、パネル152は、その上端、及び下端の付近が柱51よりも外側に位置し、くびれ周回部153の付近は柱51よりも内側に位置している。すなわち、パネル152は全体が、PETボトル2の径方向の内側にくぼんでいる必要はない。
パネル152は、PETボトル2の径方向の内側にくぼむくびれ周回部153を有することによって径方向の特に外側への変形量をより大きくすることができる。したがって、このような構成によって、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。更に、パネル152は、より小のパネル部最小胴径D3を有して構成されるため、陽圧によって変形しても、最大胴径D1までの距離が長くなっており、くびれがより維持されやすい。したがって、このような構成によって、より高い陽圧の状態においても、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。更に、PETボトル2は、変形の生じやすいより軽量で作製されても陽圧の吸収能に優れるため、内部が陽圧化された状態において、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
くぼみ幅Wが小さすぎると、パネル152の変形量を大きくすることができない。一方で、くぼみ幅Wが大きすぎると、パネル152が、厚肉になりすぎる傾向があり内圧の変化を吸収しにくくなってしまう。したがって、くぼみ幅Wは、0.5 mm以上、5.0 mm以下であることが好ましい。
なお、図6等に例示されるPETボトル2のようにくびれ周回部153は、柱51、及びパネル152の軸方向の中心に位置すると成形されたPETボトル2のくびれ部150における肉厚のむらが減り、加温時にいびつな変形がしにくくなって良い。したがって、PETボトル2の意匠性が高められるとともにその持ちやすさが向上されて良い。
<3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図9は、第3の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル3が示された正面図であり、図10はPETボトル3の側面図であり、図11は図9のXI-XI線断面図である。PETボトル3は、PETボトル2とは、上側円筒部60、及び下側円筒部70の部分の構成が異なる他は同じ構成、及び効果を有する。ここでは、PETボトル2と同一の構成には同一の符号を付して適宜、その説明を割愛する。
PETボトル3は、口部10と、肩部20と、胴部230と、底部40とを軸方向に順次有する。胴部230は、胴径の絞られたくびれ部150と、くびれ部150を挟んで軸方向の両側に、胴径が最大の円筒部として上側円筒部260と、下側円筒部270とを有する。図9等に例示されるように上側円筒部260は肩部20の側に位置しており、下側円筒部270は底部40の側に位置している。そして、上側円筒部260、及び下側円筒部270はいずれも、PETボトル1の最大胴径D1を有する。
上側円筒部260、及び下側円筒部270には、周方向に延びる横リブとして溝状の上
部横リブ261、及び下部横リブ271がそれぞれ形成されている。上部横リブ261、及び下部横リブ271を有する構成によって、PETボトル3の内部が陽圧化された際の上側円筒部260、及び下側円筒部270の変形方向をPETボトル3の径方向から軸(高さ)方向へと転換することができる。これによって、内部に生じた圧力を分散することができ、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、PETボトル3の内部がより陽圧化された際にも、胴部230が外側に大きく膨らみすぎる等といったようにいびつに変形することがなく、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
更に、上部横リブ261、及び下部横リブ271によって、PETボトル3の内部が陽圧化されたとしても、上側円筒部260、及び下側円筒部270の胴径の広がりや、楕円形等への変形が抑えられ、最大胴径D1を安定的に維持することができる。更に、上部横リブ261、及び下部横リブ271によって、上側円筒部260、及び下側円筒部270の座屈強度、及び側壁強度をそれぞれ高めることができる。そして、上側円筒部260、及び下側円筒部270の側壁強度が高まることで、PETボトル3が自動販売機から正常に排出されるか否かの特性であるベンダー適性が向上する。更に、上部横リブ261、及び下部横リブ271には、ラベルの取り付けやすさや、PETボトル3の持ちやすさを向上させる効果も有する。
なお、図9のXI-XI線はくびれ周回部153を通過している。図11にも例示されるようにくびれ部150は、6個の柱51、及びパネル152をそれぞれ有している。そして、パネル152は、少なくともくびれ周回部153を含む領域が、隣り合う柱51の間を結ぶ仮想線LvよりもPETボトル3の径方向の内側にくぼむように構成される。
更に、上部横リブ261、及び下部横リブ271の軸方向の断面がテーパ状に構成されることがより好ましい。テーパ状に形成される上部横リブ261、及び下部横リブ271の各々は、その直線状の溝底面と、直線状の溝側面(上下面)との間を支点として軸方向に伸びるようにその形状が変化しやすく構成されている。そして、PETボトル3が加熱される等してその内部が陽圧化された際に、上部横リブ261、及び下部横リブ271が軸方向に伸びることによって内部の圧力を吸収して、胴部230の変形量を小さく抑えることができる。したがって、このような構成によって、より高い陽圧の状態においても、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。そして、PETボトル3は、更に軽量であっても、内部が陽圧化された状態において、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
上部横リブ261、及び下部横リブ271はいずれも、その深さが浅すぎると、圧力吸収能を高めることができない。一方で、上部横リブ261、及び下部横リブ271はいずれも、その深さが深すぎると、PETボトル3の成形時の賦形性が低下する。上部横リブ261、及び下部横リブ271の深さはそれぞれ、最大胴径D1に対する比が0.005以上、0.09以下であることが好ましく、0.01以上、0.05以下であることがより好ましい。
上部横リブ261、及び下部横リブ271の幅が広すぎると、圧力吸収能を高めることができない。一方で、上部横リブ261、及び下部横リブ271の幅が狭すぎると、PETボトル3の成形時の賦形性が低下する。上部横リブ261、及び下部横リブ271の幅はそれぞれ、最大胴径D1に対する比が0.008以上、0.09以下であることが好ましい。
なお、ここでは、PETボトル2に、上部横リブ261、及び下部横リブ271が付加されている構成がPETボトル3とされた。しかしながら、これは、PETボトル1に、
上部横リブ261、及び下部横リブ271を付加するように構成されていても良い。こうすることで、PETボトル1の圧力吸収能をより向上させることができる。
<4.第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図12は、第4の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル4が示された正面図であり、図13はPETボトル4の側面図であり、図14は図12のXIV-XIV線断面図である。PETボトル4は、PETボトル1とは、くびれ部50のパネル52の形状が異なる他は同じ構成、及び効果を有する。ここでは、PETボトル1と同一の構成には同一の符号を付して適宜、その説明を割愛する。
PETボトル4は、口部10と、肩部20と、胴部330と、底部40とを軸方向に順次有する。胴部330は、胴径の絞られたくびれ部350を有する。くびれ部350は、上側円筒部60、及び下側円筒部70よりも胴径が絞られて構成される。くびれ部350は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル352とが互い違いにPETボトル4の周方向に連なって構成される。そして、くびれ部350は、柱51において胴径が最小(柱部最小胴径D2)となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル352を貫いて延びるくびれ周回部353を有する。
図12のXIV-XIV線はくびれ周回部353を通過している。図14にも例示されるようにくびれ部350は、6個の柱51、及びパネル352をそれぞれ有している。そして、パネル352は、少なくともくびれ周回部353を含む領域が、隣り合う柱51の間を結ぶ仮想線LvよりもPETボトル4の径方向の内側にくぼむように構成されていると良い。図14に例示される各パネル352は円弧状に形成されている。
くびれ周回部353は、面取りがなされて、PETボトル4の軸方向の断面が円弧状に形成される。図12に例示されるように、PETボトル4の径方向において柱51は、その上端、及び下端が外側に位置し、柱最内部54は内側に位置し、柱最内部54で屈曲するようにして柱最内部54の上下両側で直線状に延びている。一方で、PETボトル4の径方向においてパネル352は、その上端、及び下端が外側に位置し、くびれ周回部353は内側に位置し、くびれ周回部353を頂点として、くびれ周回部353の上下両側に向かって曲線状に延びている(図13参照)。すなわち、くびれ周回部353は、パネル352の部分において、PETボトル4の内側に凸の滑らかな曲面に形成されている。
このように、パネル352は、胴径が絞られ、かつ曲面状のくびれ周回部353を有することによって径方向の特に外側に向かって変形しやすくすることができる。したがって、このような構成によって、特に陽圧の吸収能をより向上させることができる。したがって、このような構成によって、より高い陽圧の状態においても、くびれが維持され、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。更に、PETボトル4は、より軽量であっても、内部が陽圧化された状態において、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
<5.第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図15は、第5の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル5が示された正面図であり、図16はPETボトル5の側面図であり、図17は図15のXVII-XVII線断面図である。PETボトル5は、PETボトル1とは、くびれ部50のパネル52の構成が異なる他は同じ構成、及び効果を有する。ここでは、PETボトル1と同一の構成には同一の符号を付して適宜、その説明を割愛する。
PETボトル5は、口部10と、肩部20と、胴部430と、底部40とを軸方向に順次有する。胴部430は、胴径の絞られたくびれ部450を有する。くびれ部450は、上側円筒部60、及び下側円筒部70よりも胴径が絞られて構成される。くびれ部450は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル452とが互い違いにPETボトル5の周方向に連なって構成される。そして、くびれ部450は、柱51において胴径が最小(柱部最小胴径D2)となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル452を貫いて延びるくびれ周回部453を有する。
図15のXVII-XVII線はくびれ周回部453を通過している。図17にも例示されるようにくびれ部450は、6個の柱51、及びパネル452をそれぞれ有している。そして、パネル452は、少なくともくびれ周回部453を含む領域が、隣り合う柱51の間を結ぶ線よりもPETボトル5の径方向の内側にくぼむように構成されていると良い。
PETボトル5の径方向においてパネル452は、その上端、及び下端が外側に位置し、くびれ周回部453は内側に位置し、くびれ周回部453で屈曲するようにしてくびれ周回部453の上下両側で直線状に延びている(図16参照)。そして、くびれ周回部453には、PETボトル5の内側に凸の谷線が形成されている。
このように構成されるパネル452は更に、軸方向、及び周方向の断面がいずれも、PETボトル5の内側に向かって湾曲する凹面部455を有する。図16等の例示において凹面部455は各パネル452に対してくびれ周回部453から軸方向の両側にそれぞれ1つずつ設けられている。パネル452は、PETボトル5の内側に向かって湾曲する凹面部455を有することによって径方向の特に外側への変形量を大きくすることができる。したがって、このような構成によって、特に陽圧の吸収能を向上させるとともに、胴部430が外側に大きく膨らみすぎる等といったようにいびつに変形することを防ぐことができる。
PETボトル5は、このような構成によって、より高い陽圧の状態においても、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。更に、PETボトル5は、より軽量であっても、内部が陽圧化された状態において、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
くびれ周回部453には、軸方向に隣り合う凹面部455の間を軸方向に連結する連結部456が形成されることがより好ましい。くびれ周回部453のように胴径が絞られているとPETボトル5の軸方向の荷重に対する応力がくびれ周回部453に集中しやすくなる。そこで、くびれ周回部453に連結部456が設けられることでくびれ周回部453が屈曲点となってPETボトル5が座屈変形することが防止される。したがって、連結部456はPETボトル5の座屈強度を高め、いびつな変形を防ぐことができる。
<6.第6の実施形態>
次に、第6の実施形態に係るプラスチックボトルの構成を詳細に説明する。図18は、第6の実施形態に係るプラスチックボトルの一例としてのPETボトル6が示された正面図であり、図19はPETボトル6の側面図であり、図20は図18のXX-XX線断面図である。PETボトル6は、PETボトル1とは、くびれ部50のパネル52の構成、及び形状が異なる他は同じ構成、及び効果を有する。なお、PETボトル6は、PETボトル4、及びPETボトル5の双方の特徴を有する。ここでは、PETボトル1と同一の構成には同一の符号を付して適宜、その説明を割愛する。
PETボトル6は、口部10と、肩部20と、胴部530と、底部40とを軸方向に順
次有する。胴部530は、胴径の絞られたくびれ部550を有する。くびれ部550は、上側円筒部60、及び下側円筒部70よりも胴径が絞られて構成される。くびれ部550は、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル552とが互い違いにPETボトル6の周方向に連なって構成される。そして、くびれ部550は、柱51において胴径が最小(柱部最小胴径D2)となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル552を貫いて延びるくびれ周回部553を有する。
図18のXX-XX線はくびれ周回部553を通過している。図20にも例示されるようにくびれ部550は、6個の柱51、及びパネル552をそれぞれ有している。そして、パネル552は、少なくともくびれ周回部553を含む領域が、隣り合う柱51の間を結ぶ線よりもPETボトル6の径方向の内側にくぼむように構成されていても良い。
くびれ周回部553は、面取りがなされて、PETボトル6の軸方向の断面が円弧状に形成される。図18等に例示されるように、PETボトル6の径方向において柱51は、その上端、及び下端が外側に位置し、柱最内部54は内側に位置し、柱最内部54で屈曲するようにして柱最内部54の上下両側で直線状に延びている(図18参照)。一方で、PETボトル6の径方向においてパネル552は、その上端、及び下端が外側に位置し、くびれ周回部553は内側に位置し、くびれ周回部553を頂点として、くびれ周回部553の上下両側に向かって曲線状に延びている。すなわち、くびれ周回部553は、パネル552の部分において、PETボトル6の内側に凸の滑らかな曲面に形成されている。
このように構成されるパネル552は更に、軸方向、及び周方向の断面がいずれも、PETボトル6の内側に向かって湾曲する凹面部555を有する。図18等の例示において凹面部555は各パネル552に対してくびれ周回部553から軸方向の両側にそれぞれ1つずつ設けられている。
なお、図19の右端に位置するパネル552の凹面部555が示すように、PETボトル6の径方向において、凹面部555は、くびれ周回部553よりも内側に位置していても良い。パネル552は、このように構成される凹面部555を有することによって径方向の特に外側への変形量を大きくすることができる。なお、これは、上述されたパネル452の凹面部455に対しても同様に適用することができる。
なお、くびれ周回部553には、軸方向に隣り合う凹面部555の間を軸方向に連結する連結部556が形成されることがより好ましい。

PETボトル6は、このような構成によって、更に高い陽圧の状態においても、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。更に、PETボトル6は、更に軽量であっても、内部が陽圧化された状態において、良好な外観と、持ちやすさとを維持することができる。
なお、以上に説明がなされた本実施形態に係るPETボトル1、2、3、4、5、及び6は矛盾の生じない範囲で自由に組み合わせることができる。例えば、図18等に例示されたPETボトル6は、図9等に例示されたPETボトル3のように、上部横リブ261、及び下部横リブ271を有していても良い。更に、PETボトル6は、くびれ周回部553の水平方向の断面が図8に示されるように明りょうな星形とされていても良い。
本実施形態に係るPETボトル1、2、3、4、5、及び6(以下では、PETボトル1と同様であるため記載を適宜割愛する)では、くびれ部50を有しながらパネル52が変形しやすく構成されることによって加熱等によって内部が陽圧化された際にも底部40や、胴部30の変形が抑えられる。したがって、本実施形態によれば、加温時にもくびれ
が維持され、意匠性と、実用性とを兼ね備えたPETボトル1、及び充填体を提供することができる。
以下に、実施例を示して、本開示を更に詳細、かつ具体的に説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料、及び方法>
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート製で透明の口部10を有する25 gのプリフォームが用
いられ図1等に示される本実施形態に係るPETボトル1が作製された。そして、満注容量が300 mlのPETボトル1と、30℃で充填された280 mlの水とによって構成される充填体が作製された。実施例1に係るPETボトル1、及び充填体は、くびれ部50が、軸方向にそれぞれ延びる柱51と、パネル52とが互い違いに周方向に連なって構成され、柱51において胴径が最小となる位置である柱最内部54から周方向に、パネル52を貫いて延びるくびれ周回部53を有する等といった本実施形態に係る特徴を有していた。
加熱加温用のホットプレートを商品棚の底面に備えるホットウォーマーの商品棚に充填体が載置された。ホットプレートは70℃に設定され、充填体は1週間載置された。
[比較例1]
比較例1では、図21に示されるPETボトル700が用いられた以外は実施例1と同様であった。PETボトル700は、その胴部730にくびれを有しておらず、軸方向に延びる柱751を有し、隣り合う柱751,751の間には長辺が軸方向に延びる略長方形状の圧吸収パネル752を有している。したがって、比較例1に係るPETボトル700、及び充填体は、本実施形態に係る特徴を有していなかった。
<評価方法>
(座屈強度試験)
実施例1、及び比較例1の各充填体についてPETボトル1、及び700の正立した状態での座屈強度が測定された。座屈強度の測定には、AGR社製のテスター、TOP LOADが用いられた。口部10の上から一定速度で荷重が加えられ、いわゆる降伏の状態となる最大荷重が座屈強度とされた。座屈強度の判定には、250 N以上か、未満かが
閾値として設定された。表1には、各充填体における座屈強度の評価の結果が示され、○:座屈強度あり、×:座屈強度不足、で表記されている。
(加温耐圧性能試験)
実施例1、及び比較例1の各充填体の加温耐圧性能が測定された。充填体が加熱された際の影響は底部40に最も顕著に表れるため底部40の変形の有無が加温耐圧性能の指標とされた。表1には、各充填体における加温耐圧性能の評価の結果が示され、○:加温耐圧性能あり、×:加温耐圧性能不足、で表記されている。
(加温時変形量)
加温状態で1週間載置された実施例1、及び比較例1の各充填体の胴部30、及び730の変形(膨張)量が測定された。表1には、各充填体における加温時変形の評価の結果が示され、○:2 mm未満、×:2 mm以上、で表記されている。
(モニタリング調査)
各々に水の充填された実施例1、及び比較例1のそれぞれのPETボトル1、及び70
0が用意され、20代~70代の100人のモニタに、持ちやすさが優れている方を選定していただいた。PETボトル1、及び700から各モニタに選定されたものが一人一点として集計された。表1には、合計点数が表記されている。
(総合評価)
上述された座屈強度試験、耐圧性能試験、加温時変形量、及びモニタリング調査に基づいて、実施例1、及び比較例1のそれぞれのPETボトル1、及び700(各充填体)の総合評価がなされた。表1には、総合評価の結果が示されている。総合評価は、○:良好、×:適性なし、で表記されている。
Figure 0007006743000001
上述された実施例から以下の点が導き出された。表1に示されたように実施例1では、くびれ部50を有して構成されていながら、座屈強度を充分に有し、かつ加温耐圧性能にも優れ、加温時の変形量が2mm未満に抑えられた。そして、多くのモニタからその持ちやすさが支持された。一方で、比較例1では、座屈強度を有し、かつ加温耐圧性能にも優れていたものの、加温時の変形量が大きく、かつくびれを有していないため持ちやすさの点で劣っていた。なお、実施例1では、比較例1に比べて座屈強度が格段に優れていた。
[実施例2]
実施例2では、22 gのプリフォームが用いられ、そして、図6等に示されるPET
ボトル2が用いられた以外は実施例1と同様であった。したがって、実施例2に係るPETボトル2、及び充填体も、実施例1に係るPETボトル1、及び充填体と同様に本実施形態に係る特徴を有していた。
[実施例3]
実施例3では、22 gのプリフォームが用いられ、そして、図12等に示されるPE
Tボトル4が用いられた以外は実施例1と同様であった。したがって、実施例3に係るPETボトル4、及び充填体も、実施例1に係るPETボトル1、及び充填体と同様に本実施形態に係る特徴を有していた。
[実施例4]
実施例4では、22 gのプリフォームが用いられ、そして、図15等に示されるPE
Tボトル5が用いられた以外は実施例1と同様であった。したがって、実施例4に係るPETボトル5、及び充填体も、実施例1に係るPETボトル1、及び充填体と同様に本実施形態に係る特徴を有していた。
Figure 0007006743000002
上述された実施例から以下の点が導き出された。実施例2、実施例3、及び実施例4ではいずれも、軽量化が図られ、かつくびれ部50を有して構成されていながら、実施例1と同様に、座屈強度を充分に有し、かつ加温耐圧性能にも優れていた。そして、実施例2、実施例3、及び実施例4ではいずれも、実施例1と同様に、持ちやすさを有していた。
[実施例5]
実施例5では、22 gのプリフォームが用いられ、そして、図9等に示されるPET
ボトル3が用いられ、充填体が3週間載置された以外は実施例1と同様であった。したがって、実施例5に係るPETボトル3、及び充填体も、実施例1に係るPETボトル1、及び充填体と同様に本実施形態に係る特徴を有していた。
[実施例6]
実施例6では、22 gのプリフォームが用いられ、そして、図18等に示されるPE
Tボトル6が用いられ、充填体が3週間載置された以外は実施例1と同様であった。したがって、実施例6に係るPETボトル6、及び充填体も、実施例1に係るPETボトル1、及び充填体と同様に本実施形態に係る特徴を有していた。
Figure 0007006743000003
上述された実施例から以下の点が導き出された。実施例5、及び実施例6ではいずれも、軽量化が図られ、かつくびれ部50を有して構成されていながら、実施例1と同様に、座屈強度を充分に有し、かつ加温耐圧性能にも優れていた。そして、この加温耐圧性能は3週間に亘って維持された。そして、実施例5、及び実施例6ではいずれも、実施例1と同様に、持ちやすさを有していた。
以上の実施例の結果から、本実施形態に係るPETボトル1、2、3、4、5、及び6、並びに充填体では、くびれ部50を有しながら、加熱加温によって内部が陽圧化された際にも底部40の変形が充分に抑えられることが示された。しかも、PETボトル2、3
、4、5、及び6においては軽量化されてもなおこの効果を発揮することが示され、その中でもPETボトル3、及び6については長期に亘ってこの効果が持続することが示された。したがって、本実施形態では、意匠性と、実用性とを兼ね備えたPETボトル1、2、3、4、5、及び6、並びに充填体を提供することができることが示された。
本開示は、内容物として液体が充填される種々の充填体の製造に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態や実施例に限定されるものではない。本開示の充填体は、内容物に、例えば、水、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁、清涼飲料等の各種非炭酸飲料を含む食品等、工業製品、医薬品、その他を収容した、あらゆる充填体に有用である。特に、陽圧の条件下でも容器の変形が抑えられるため、店舗等での加温販売に適しており、自動販売機での使用にも適している。
1、2、3、4、5、6 PETボトル(プラスチックボトル)
10 口部
20 肩部
30、130、230、330、430、530 胴部
40 底部
50、150、350、450、550 くびれ部
51 柱
52、152、352、452、552 パネル
53、153、353、453、553 くびれ周回部
54 柱最内部
60、260 上側円筒部(円筒部)
70、270 下側円筒部(円筒部)
261 上部横リブ(横リブ)
271 下部横リブ(横リブ)
455、555 凹面部
456、556 連結部
D1 最大胴径
D2 柱部最小胴径
D3 パネル部最小胴径
Lv 仮想線

Claims (16)

  1. 口部と、肩部と、胴部と、底部とを軸方向に順次有するプラスチックボトルにおいて、
    前記胴部は、
    胴径の絞られたくびれ部と、
    前記くびれ部を挟んで前記軸方向の両側に前記胴径が最大の円筒部と
    を有し、
    前記くびれ部は、前記軸方向にそれぞれ延びる柱と、パネルとが互い違いに周方向に連なって構成され、前記柱において前記胴径が最小となる位置から前記周方向に、前記パネルを貫いて延び、径方向において前記パネルより内側に位置して直線状であり、内側に屈曲するように形成されているくびれ周回部を有し、前記パネルは、少なくとも前記くびれ周回部を含む領域が、隣り合う前記柱の間を結ぶ線よりも前記プラスチックボトルの内側にくぼむことを特徴とする
    プラスチックボトル。
  2. 前記プラスチックボトルの中身が、充填時よりも高温状態の加温販売に用いられることを特徴とする
    請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記パネルの肉厚が0.15mm以上、0.50mm以下であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
  4. 前記柱の肉厚が0.15mm以上、0.50mm以下であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  5. 前記くびれ周回部は、面取りがなされて前記軸方向の断面が円弧状に形成されることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  6. 前記パネルは、前記軸方向、及び前記周方向の断面がいずれも、前記プラスチックボトルの内側に向かって湾曲する凹面部を有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  7. 前記くびれ周回部には、前記軸方向に隣り合う前記凹面部の間を前記軸方向に連結する連結部が形成されることを特徴とする
    請求項6に記載のプラスチックボトル。
  8. 前記円筒部には、前記周方向に延びる横リブが形成されることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  9. 前記横リブの前記軸方向の断面がテーパ状であることを特徴とする
    請求項8に記載のプラスチックボトル。
  10. 前記くびれ周回部は、前記柱、及び前記パネルの前記軸方向の中心に位置することを特徴とする
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  11. 前記周方向に連なる複数の前記パネルは4以上、12以下で構成されることを特徴とする
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  12. 前記円筒部に対して、前記柱の前記くびれ周回部における前記胴径の比が0.83以上、0.95以下であることを特徴とする
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  13. 前記円筒部に対して、前記くびれ周回部において前記胴径が最小となる前記パネルの前記胴径の比が0.70以上、0.82以下であることを特徴とする
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  14. 中身の温度は、充填時には15℃以上、40℃以下であり、高温状態の際には50℃以上、80℃以下であることを特徴とする
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  15. 前記プラスチックボトルを構成する材料がポリエチレンテレフタレートであり、前記ポリエチレンテレフタレートの重合触媒として、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、及びアルミニウム化合物の少なくとも一つが用いられることを特徴とする
    請求項1乃至14のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプラスチックボトルと、
    充填される液体と
    によって構成されることを特徴とする
    充填体。
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