JP7006331B2 - 管の肉厚測定位置決定方法および管のコラプス強度予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管の肉厚測定位置決定方法および管のコラプス強度予測方法に関する。
油井またはガス井で用いられる管(以下、単に「油井管」という。)においては、敷設後に周囲の外圧などに対して十分な座屈強度(以下、「コラプス強度」という。)を有することが求められる。油井管のコラプス強度の最小値については、API規格で定められている。コラプス強度に影響する因子には、管の機械的特性のほか、幾何学形状(下記式で定義される楕円率、偏肉率など)、残留応力などがあり、コラプス強度の推定には、これらの因子を考慮する必要がある。
楕円率[%]=(外径最大値-外径最小値)/{(外径最大値+外径最小値)×0.5}×100
偏肉率[%]=(肉厚最大値-肉厚最小値)/{(肉厚最大値+肉厚最小値)×0.5}×100
図1は、継目無管の製造工程の一例を示した図である。加熱炉で加熱されたビレットは、図示しない穿孔機によって穿孔圧延され中空素管10となる。中空素管10は、マンドレルバー11および複数のスタンドからなるマンドレルミル12を用いて延伸圧延され、さらにサイザ13等によって外径・肉厚の調整がなされ、定径圧延される。
継目無管の製造工程において問題となるのが、周方向の管の厚さに偏りが生じるいわゆる偏肉の問題である。偏肉が生じると、肉厚の薄い部分である薄肉部において強度不足となり、高圧環境下で使用する場合、パイプが潰れるいわゆる圧潰の原因ともなり得る。図2を参照して、偏肉には、発生原因に応じた種々の形状が存在する。それぞれ、薄肉化した部分の数によって、1次偏肉、2次偏肉、3次偏肉・・・と呼ばれる。このように、継目無管の製管プロセスにおいては、様々な形態の偏肉が生じる。また、実際の管では種々の次数の偏肉が混合した状態となっている。
ここで、楕円率および偏肉率は、管の外径および肉厚から算出される。管の外径および肉厚の測定には、例えば、キャリパーゲージやマイクロメータなどを用いる方法、超音波測定技術を利用した方法などが採用されている。特許文献1では、測定に利用する放射線源および検出器の位置を設定する技術が開示されている。
特開2017-113790号公報
FEM解析によりコラプス強度を推定する場合、高精度な推定値を得るためには管形状を精緻にモデル化することが必要となる。キャリパーゲージやマイクロメータなどを用いる方法では手作業となるため、管の円周方向または管軸方向に多くの測定点を取ることは容易ではない。よって、これらの方法では管形状を精緻にモデル化することは困難となる。
超音波測定技術を利用した方法では、測定間隔を狭くすれば、多くの肉厚測定データを得ることができるので、より詳細な情報が得られ、管形状の精密なモデル化には役立つ。しかし、当然のことながら肉厚測定データ量も膨大となる。測定間隔を広くすれば、肉厚測定データ量を減らすことができるが、管形状を精密にモデル化することが困難となる。
本発明は、極力小さい肉厚測定データ量で、管形状を精密にモデル化することができる、肉厚測定位置決定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、管形状を精密にモデル化するために最低限必要な肉厚測定位置(最大測定間隔)についての検討を行なった。以下の説明において、管の軸方向に垂直な断面において、管の肉厚を周方向に複数点測定するとき、任意の肉厚測定点aと軸中心とを結んだ直線と、肉厚測定点aに隣接する他の肉厚測定点bと軸中心とを結んだ直線とが構成する角度をθ(°)とする。
2次偏肉を表現するには円周方向に少なくとも4点の肉厚データが必要である。6次偏肉を表現するには円周方向に少なくとも12点の肉厚データが必要である。実際の鋼管では各次数の偏肉が混合した状態であるが、肉厚分布のフーリエ解析からどの偏肉次数が強いかを判定することが可能である。
検討に際して、サイズの異なる2本の管を用意し、それぞれ超音波測定により外径および肉厚を測定した。上記2本の鋼管として、鋼管A(公称外径177.8mm、公称肉厚10.36mmの鋼管)と、鋼管B(公称外径139.7mm、公称肉厚7.72mmの鋼管)を用意した。
鋼管Aについて、θ=2.65°の間隔で肉厚136点、外径68点を測定し、この測定を管軸方向5.25mm間隔で繰り返した。また、鋼管Bについて、θ=3.4°間隔で肉厚106点、外径53点を測定し、この測定を管軸方向5.25mm間隔で繰り返した。
図3は、鋼管Aの円周方向肉厚分布を示し、図4は、そのフーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示している。図3に示すように、円周方向には薄肉部(あるいは厚肉部)が2ヶ所現れており、また、図4に示すように、振幅スペクトルにおいても2次成分が強いことが分かる。これらから、鋼管Aは、2次偏肉が比較的強い鋼管であると判断できる。
図5は、鋼管Bの円周方向肉厚分布を示し、図6は、そのフーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示している。図5に示すように、円周方向には薄肉部(あるいは厚肉部)が6ヶ所現れており、また、図6に示すように、振幅スペクトルにおいても6次成分が強いことが分かる。これらから、鋼管Bは、6次偏肉が比較的強い鋼管であると判断できる。
次に、肉厚測定点をどの程度まで減らすことができるかを検討した。具体的には、鋼管Aおよび鋼管Bの肉厚測定データをもとに、円周方向の測定間隔を変化させた場合の鋼管形状モデルを検討した。
図7は、実際の測定点と、平均化によって得たみなし測定点との関係を示す概念図である。図7を参照して、実際の測定点における肉厚測定データを平均化して、所定の測定間隔における肉厚測定データとみなす。平均化で得られた肉厚測定データの間は線形補間で近似した。
すなわち、鋼管Aにおいて、実際の円周方向の測定間隔θは2.65°である。この場合の肉厚測定点は136点である。円周方向の角度が10°、30°、45°、90°となる範囲で、隣接する複数の肉厚測定点を平均し、得られたそれぞれの平均肉厚を、それぞれ測定間隔θを10°、30°、45°、90°とした時の肉厚測定データであるとみなした。同様に、鋼管Bにおいて、実際の円周方向の測定間隔θは3.4°である。この場合の肉厚測定点は106点である。円周方向の角度が10°、20°、30°、45°となる範囲で、隣接する複数の肉厚測定点を平均し、得られたそれぞれの平均肉厚を、それぞれ測定間隔θを10°、20°、30°、45°とした時の肉厚測定データであるとみなした。
ここで、測定の起点が異なれば、上記のみなし肉厚測定データにも差が生じる。その影響を調査した。図8は、測定の起点を変更した場合の平均化する測定点の変化を示す概念図である。図8を参照して、測定間隔を4分割し、例えば、起点1とした場合の平均値から、各測定間隔θにおける肉厚測定データ(みなし肉厚測定データ)を求め、次に、起点1から0.25θずれた位置にある起点2を起点とした場合の平均値から、各測定間隔θにおける肉厚測定データ(みなし肉厚測定データ)を求める。同様に、起点1から0.50θずれた位置にある起点、および、起点1から0.75θずれた位置にある起点においても、各測定間隔θにおける肉厚測定データ(みなし肉厚測定データ)を求める。例えば、測定間隔θが90°の場合、あるひとつの起点の位置を0°とすると、22.5°、45°、67.5°の位置が他の起点となる。
このようにして、鋼管Aおよび鋼管Bそれぞれについて、四つの起点に基づく、各測定間隔θにおける肉厚測定データを準備した。そして、これらの肉厚測定データからFEM解析によりコラプス強度を求めた。
図9は、FEM解析のモデルを示す概略図である。図9を参照して、FEM解析モデルでは、全長L1が3000mmまたは2790mmである鋼管について、管軸方向をz方向、鉛直方向をy方向、これらに垂直な方向をx方向と定義した場合、鋼管の一方の端部断面では外表面の最上部P1で完全に固定し、最下部P2でx方向およびz方向を固定し、他方では外表面の最上部P3でx方向およびy方向を固定、最下部P4でx方向を固定した。長さL2:2500mmの加圧部には、境界条件として鋼管外表面に外圧を負荷する条件にて解析を行なった。
図10は、鋼管Aにおける測定間隔θとコラプス強度との関係を示し、図11は、鋼管Bにおける測定間隔θとコラプス強度との関係を示す。なお、いずれの図においても、縦軸には、実際の測定間隔θ(鋼管Aの場合、2.65°、鋼管Bの場合、3.4°)におけるコラプス強度に対する各測定間隔θにおけるコラプス強度の比を示している。
図10および図11を参照して、測定間隔が大きくなると分割の起点の違いによるコラプス強度のばらつきが大きくなることが分かる。例えば、鋼管Aに関しては、90°間隔では実際の測定間隔θ(2.65°)の場合と比べて5%以上の差が現れる場合があり、45°間隔でも2%近くの差が現れている。30°間隔では1%以内の差になり、ばらつきがほとんどない。一方、鋼管Bに関しては、45°間隔では実際の測定間隔θ(3.4°)の場合と比べて4%以上の差となる場合がある。鋼管Aではばらつきがない30°間隔でも鋼管Bではばらつきが大きく、測定間隔を10°(測定点数36)まで小さくするとようやくばらつきがなくなる。
このように、鋼管の種類、より具体的には偏肉次数の違いによってコラプス強度を適正に推定できる測定間隔が異なるといえる。すなわち、2次偏肉が強い鋼管Aでは、測定間隔は少なくとも30°間隔(12測定点)が必要であり、6次偏肉が強い鋼管Bでは、測定間隔は少なくとも10°間隔(36測定点)が必要である。
以上より、2.65°または3.4°よりも広い測定間隔、具体的には4°以上の測定間隔であっても、十分に精度よくコラプス強度を推定することができることがわかった。一方、許容できる最大測定間隔θmaxは、偏肉次数をNとするとき、次式より決定できることが分かった。
θmax=60°/N
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記の発明を要旨とする。
〔1〕管の軸方向に垂直な断面において前記管の肉厚を周方向に複数点測定するときの肉厚測定点を決定する方法であって、
前記断面において、任意の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線と、前記任意の肉厚測定点に隣接する他の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線とが構成する角度をθ(°)とするとき、
(1)前記管の偏肉次数Nを決定する工程、および、
(2)4°≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定する工程、
を有する、管の肉厚測定位置決定方法。
〔2〕前記(1)の工程において、
予め得られた管の種類に応じた偏肉次数の統計情報に基づいて、前記管の偏肉次数を決定する、
上記〔1〕の管の肉厚測定位置決定方法。
〔3〕前記(1)の工程において、
前記統計情報が、予め、
(a1)任意の管の肉厚を周方向に複数点測定して、肉厚測定データを得る工程、
(a2)前記肉厚測定データをフーリエ解析して、振幅スペクトルを得る工程、
(a3)前記振幅スペクトルに基づいて、前記任意の管の偏肉次数を判定する工程、および、
(a4)管の種類に応じた偏肉次数を集計する工程、
を実施して得た統計情報である、
上記〔2〕の管の肉厚測定位置決定方法。
〔4〕前記(1)の工程において、
(b1)測定対象となる管の肉厚を、前記θが2°以下となる条件で周方向に複数点測定して、肉厚測定データを得る工程、
(b2)前記肉厚測定データをフーリエ解析して、振幅スペクトルを得る工程、および、
(b3)前記振幅スペクトルに基づいて、前記管の偏肉次数を決定する工程、
を実施し、
前記(2)の工程において、
決定した肉厚測定点以外の測定点の肉厚測定データを削除する、
上記〔1〕の管の肉厚測定位置決定方法。
〔5〕前記測定対象となる管が、継目無鋼管である、
上記〔1〕~〔4〕のいずれかの管の肉厚測定位置決定方法。
〔6〕前記測定対象となる管の肉厚測定データと、その他の因子情報とから有限要素法を用いてコラプス強度を予測するに際して用いる、
上記〔1〕~〔5〕のいずれかの管の肉厚測定位置決定方法。
〔7〕上記〔1〕~〔5〕のいずれかの方法によって決定した肉厚測定点における肉厚測定データと、その他の因子情報とから有限要素法を用いてコラプス強度を予測する、
管のコラプス強度予測方法。
本発明によれば、極力小さい肉厚測定データ量で、管形状を精密にモデル化することができる、肉厚測定位置決定方法を提供することが可能となる。この方法により得られた肉厚測定データは、コラプス強度予測を行う際の肉厚測定データとして有用である。
図1は、継目無管の製造工程の一例を示した図である。 図2は、管に生じる偏肉状況を示す概略図である。 図3は、鋼管Aの円周方向肉厚分布を示す図である。 図4は、鋼管Aにおいて、フーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。 図5は、鋼管Bの円周方向肉厚分布を示す図である。 図6は、鋼管Bにおいて、フーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。 図7は、実際の測定点と、平均化によって得たみなし測定点との関係を示す概念図である。 図8は、測定の起点を変更した場合の平均化する測定点の変化を示す概念図である。 図9は、FEM解析のモデルを示す概略図である。 図10は、鋼管Aにおける測定間隔θとコラプス強度との関係を示す図である。 図11は、鋼管Bにおける測定間隔θとコラプス強度との関係を示す図である。 図12は、鋼管Cの円周方向肉厚分布を示す図である。 図13は、鋼管Cについて、フーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。 図14は、鋼管Dの円周方向肉厚分布を示す図である。 図15は、鋼管Dについて、フーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。
本実施形態に係る肉厚測定位置決定方法は、管の軸方向に垂直な断面において前記管の肉厚を周方向に複数点測定するときの肉厚測定点を決定する方法である。ここで、前記断面において、任意の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線と、前記任意の肉厚測定点に隣接する他の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線とが構成する角度をθ(°)とする。このときの角度は、上記の構成角度のうち、鋭角な方を選択する。測定対象となる管としては、例えば、継目無鋼管である。
そして、本実施形態に係る肉厚測定位置決定方法は、下記の(1)および(2)の工程を有する。
(1)前記管の偏肉次数Nを決定する工程、および、
(2)4°≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定する工程。
大きな偏肉次数Nは、コラプス強度の精度に悪影響を及ぼしにくくなるので、実質的には6以下の正の整数である。
一の実施形態に係る肉厚測定位置決定方法において、上記(1)の工程は、例えば、予め得られた管の種類に応じた偏肉次数の統計情報に基づいて、管の偏肉次数を決定することができる。この統計情報は、例えば、予め、下記の(a1)~(a4)を実施して得ることができる。
(a1)任意の管の肉厚を周方向に複数点測定して、肉厚測定データを得る工程、
(a2)前記肉厚測定データをフーリエ解析して、振幅スペクトルを得る工程、
(a3)前記振幅スペクトルに基づいて、前記任意の管の偏肉次数を判定する工程、および、
(a4)管の種類に応じた偏肉次数を集計する工程。
管の種類とは、管の化学組成、サイズ(外径、肉厚等)などのほか、管の製造条件(マンドレルミル時のロール数等)など、管の偏肉次数に影響を与える因子を考慮した種類を意味する。このように、管の種類毎の偏肉次数の傾向に関する統計情報を用意しておけば、測定対象である管についての偏肉次数が分かる。
そして、測定対象である管の偏肉次数が決定されると、4°≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定すればよい。ここで、肉厚測定点の間隔は、広い方が保存すべき肉厚測定データの量を減らすことができる。そして、本発明者らの検討により、θが4°以上の測定間隔であっても、十分な測定精度でコラプス強度を推定することができることがわかっている。θの好ましい下限は、30°/Nであり、より好ましい下限は、10°である。一方、θが大きすぎると、十分な測定精度でコラプス強度を推定することができなくなる。ただし、θが60°/N(N:偏肉次数)以下の範囲までは許容できる。また、この範囲であれば、測定点の起点によらず、十分な測定精度でコラプス強度を推定することが可能である。
このように予め統計情報を得ておれば、測定対象である管の肉厚測定時に肉厚測定点を減らす(具体的には、測定間隔θを4°以上とする)ことができるので、保存すべき肉厚測定データの量を減らすことができる。
他の実施形態に係る肉厚測定位置決定方法において、上記(1)の工程は、例えば、下記の(b1)~(b3)の工程を実施することにより決定することができる。
(b1)測定対象となる管の肉厚を、前記θが2°以下となる条件で周方向に複数点測定して、肉厚測定データを得る工程、
(b2)前記肉厚測定データをフーリエ解析して、振幅スペクトルを得る工程、および、
(b3)前記振幅スペクトルに基づいて、前記管の偏肉次数を決定する工程。
この実施形態においては、測定対象となる管について、できる限り狭い測定間隔で肉厚測定をし、その結果から偏肉次数を把握するものである。この実施形態は、特に、偏肉次数が未知である管の偏肉次数を決定するのに有用であるが、偏肉次数が既知である管の偏肉次数を決定するのに用いてもよい。ただし、この実施形態では、測定対象となる管の肉厚測定データは膨大となるので、上記(2)の工程において、4°≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定し、決定した肉厚測定点以外の測定点の肉厚測定データを削除することによって、保存すべき肉厚測定データの量を減らすことができる。
そして、本実施形態においては、測定対象となる管の肉厚測定データと、その他の因子情報とから有限要素法(FEM解析)を用いてコラプス強度を予測することができる。
本発明の効果を確認するために、鋼管Cおよび鋼管D(いずれも、公称外径257.18mm、公称肉厚20.19mm)を用意し、それぞれにコラプス試験を実施した。一方、それぞれの鋼管の肉厚を円周方向の測定間隔θを10°、20°および30°とし、管軸方向に300mm間隔で測定した。
図12には、鋼管Cの円周方向肉厚分布を示し、図13には、そのフーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。図14には、鋼管Dの円周方向肉厚分布を示し、図15には、そのフーリエ解析から得られた振幅スペクトルを示す図である。これらの図に示すように、鋼管Cおよび鋼管Dはいずれも、4次偏肉が強い傾向が見られた。そして、よって、これらの鋼管において、許容できる最大測定間隔θmax(=60°/N)は、15°である。
ここで、得られた肉厚測定データと、その他の因子情報とからFEM解析によりコラプス強度を計算した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0007006331000001
表1に示すように、測定間隔θが本発明で規定される範囲内の10°の例では、実管試験における結果との誤差が2%以下であり、両者はよく一致していたが、測定間隔θが本発明で規定される範囲外の20°または30°の例では、いずれも誤差が2%を超えていた。
本発明によれば、極力小さい肉厚測定データ量で、管形状を精密にモデル化することができる、肉厚測定位置決定方法を提供することが可能となる。この方法により得られた肉厚測定データは、コラプス強度予測を行う際の肉厚測定データとして有用である。
10.中空素管
11.マンドレルバー
12.マンドレルミル
13.サイザ

Claims (4)

  1. 測定対象となる管の肉厚測定データと、その他の因子情報とから有限要素法を用いてコラプス強度を予測するに際して、管の軸方向に垂直な断面において前記管の肉厚を周方向に複数点測定するときの肉厚測定点を決定する方法であって、
    予め、下記の(a1)~(a4)の工程を実施して得た、管の種類に応じた偏肉次数の統計情報に基づいて決定した前記管の偏肉次数をNとし、前記断面において、任意の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線と、前記任意の肉厚測定点に隣接する他の肉厚測定点と前記軸中心とを結んだ直線とが構成する角度をθ(°)とするとき
    °≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定する、
    管の肉厚測定位置決定方法
    (a1)任意の管の肉厚を周方向に複数点測定して、肉厚測定データを得る工程、
    (a2)前記肉厚測定データをフーリエ解析して、振幅スペクトルを得る工程、
    (a3)前記振幅スペクトルに基づいて、前記任意の管の偏肉次数を判定する工程、および、
    (a4)管の種類に応じた偏肉次数を集計する工程。
  2. 30°/N≦θ≦60°/Nを満たす範囲となるように肉厚測定点を決定する、
    請求項1に記載の管の肉厚測定位置決定方法。
  3. 前記測定対象となる管が、継目無鋼管である、
    請求項1または2に記載の管の肉厚測定位置決定方法。
  4. 請求項1からまでのいずれかに記載の方法によって決定した肉厚測定点における肉厚測定データと、その他の因子情報とから有限要素法を用いてコラプス強度を予測する、
    管のコラプス強度予測方法。
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