JP7006254B2 - 中空繊維 - Google Patents
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Description
(1) 壁の平均厚みが0.2μm~15.0μmであり、中空率が10%~80%であり、顔料を1~5重量%含有する、ポリエステル系又はポリアミド系の中空繊維。
(2) 前記顔料の平均粒子径が0.5μm以下である、前記(1)に記載の中空繊維。
(3) 実質的に略C型断面繊維である、前記(1)又は(2)に記載の中空繊維。
(4) 中空率が50%~80%であり、ポリエステル系である、前記(3)に記載の中空繊維。
(5) 単糸繊度が0.1~50デシテックスである、前記(1)~(4)のいずれかに記載の中空繊維。
(6) 仮撚糸である、前記(1)~(5)のいずれかに記載の中空繊維。
(7) 前記(1)~(6)のいずれかに記載の中空繊維と、弾性繊維とで構成された複合糸。
(8) 前記弾性繊維が、前記複合糸中に1~70質量%含まれている、前記(8)に記載の複合糸。
(9) 前記(1)~(6)のいずれかに記載の中空繊維及び前記(7)又は(8)に記載の複合糸の少なくとも1種を用いて作られた布帛。
(10)前記(9)の布帛をさらに染色して作られた布帛。
本発明において、「中空繊維」とは、繊維軸方向に連続した空洞が繊維内部に存在する繊維を指す。中空繊維の壁表面に開口部がなく断面形状が実質的に略円形(変形して楕円形などに見えるものを含む)の繊維のほか、後述する略C型断面繊維も含め、繊維軸方向に連続した何らかの形状の空洞がある繊維は、すべて中空繊維に含まれる。1つの繊維内に複数個の空洞が存在していてもよい。
本発明の中空繊維は、繊維の平均厚みが0.2μm~15.0μmであり、中空率が10%~80%であり、カーボンブラックなどの顔料を1~5重量%含有する。黒色顔料として使用されるカーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等、一般的に市販されているカーボンブラックが挙げられる。なお、カーボンブラックに代えて、繊維に使用される一般的な他の黒色顔料を使用してもよい。また、用途に応じて、黒色以外の顔料(例えば、赤色、黄色、青色、緑色の顔料等)を使用してもよい。
本発明は、本発明の中空繊維と弾性繊維とで構成された複合糸も提供する。本発明の複合糸に使用する弾性繊維は、弾性を有する繊維であれば特に限定されないが、具体的には、ポリウレタン系弾性繊維、ポリエーテルエステル系弾性繊維、及びポリエステル系バイメタル複合繊維(ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチルテレフタレート等)や高捲縮仮撚糸等が挙げられる。好ましくは、本発明の弾性繊維は、ポリウレタン系弾性繊維である。
本発明の複合糸は、上述の中空繊維と弾性繊維とで構成される。中空繊維と弾性繊維とは、混繊加工、合撚加工又はカバーリング加工などにより交絡して混用されるが、中でもストレッチ性の均一性とコスト面からエアー混繊加工によって混用することが好ましい。また、エアー混繊加工とカバーリング加工による場合、弾性繊維を2.0~4.0倍で延伸しながら加工すると、加工糸の芯部に弾性繊維が配置されてストレッチ性、伸長回復性が効率よく発揮できることから、特に好ましい。
本発明の中空繊維は、上述したように溶出法によって製造することが好適であるが、中空繊維の芯成分は、一般的な方法によって除去することができ、例えば、アルカリ溶液を用いて溶出される。溶出に用いるアルカリ溶液は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が好ましい。芯成分の方が鞘成分よりも例えばアルカリ溶液に溶解しやすいという性質を利用して、芯成分を除去する。糸の状態で芯成分を溶出させる方法としては、従来の技術である糸染設備を利用し、アルカリ溶液で溶出する方法がある。具体的には、チーズの形状で処理するチーズ染色機、又はカセ形状で処理するカセ染色機、マフ染色機、スター染色機を用い、溶出を行う。溶出の均一性、糸の解舒性から、チーズ染色機を用いることが特に好ましい。
1.中空繊維の状態(すなわち、弾性繊維との複合糸を製造しない状態)で芯成分を溶出させる(以下、「糸溶出法」と称する)。
2.中空繊維を弾性繊維に混繊、合撚又はカバーリングさせて複合糸を製造した後、糸の状態で中空繊維の芯成分を溶出させる(以下、「先混用後溶出法」と称する)。
3.中空繊維の芯成分を溶出させた後、弾性繊維と混繊又は合撚又はカバーリングし、複合糸を製造する(以下、「先溶出後混用法」と称する)。
4.中空繊維を弾性繊維に混繊又は合撚又はカバーリングして複合糸を製造し、続いて製編織して布帛とした後、芯成分を溶出させる(以下、「製編織後溶出法」と称する)。
同じ組成の中空繊維であっても、芯成分の除去方法を変えることにより、種々の用途に適した様々な特性を有する複合糸及び布帛が得られる。なお、以下において「布帛」とは、織物、編物、不織布等の生地をいう。織物の例としては、平織、綾織(斜文織ともいう)、朱子織、二重織等の織物がある。編物の例としては、丸編、経編、横編等の編物がある。
本発明の複合糸は、中央部に弾性繊維が存在し、弾性繊維の周囲に、本発明の中空繊維が交絡しており、大きなループ形状が形成されている。先混用後溶出法では、中空繊維と弾性繊維とを混用した後に中空繊維の芯成分を除去するため、弾性繊維によって中空繊維が伸びきらない状態で保持され、芯成分を除去した後も中空部分の形状が保持されやすい。実際に、この方法で溶出させると、中空繊維の捲縮がきれいに残り、中空繊維同士の間、弾性繊維と中空繊維との間に空気を多く含む。また、細かい捲縮が存在するため、中空繊維のループがつぶれにくいと考えられる。
先溶出後混用法では、中空繊維の芯成分を溶出させた後、弾性繊維と混用する。中央部に弾性繊維が存在し、弾性繊維の周囲に、本発明の中空繊維が交絡しており、大きなループ形状が形成さるが、中空繊維は、比較的滑らかな外観を有しており、捲縮はそれほど大きくない。
糸の状態で中空繊維の芯成分を除去する場合と比較して、製編織後溶出法によって得られる布帛では、中空繊維のループが比較的小さく、均一になる。そのため、得られる布帛は、非常に均一な保温性、膨らみ感、ストレッチ性を有し、寸法安定性が高い。
本発明の複合糸を用いた布帛としては、織物、編物として好適に用いられる。
(1.中空繊維、複合糸、布帛の分析)
本発明の方法によって作成した略C型断面繊維、複合糸及び布帛は、以下の方法によって分析した。
(1)厚み(μm)
中空繊維の単糸を切断し、走査型顕微鏡を用い、倍率2000倍で糸断面を撮影した。得られた顕微鏡写真を用い、中空繊維の壁の厚み(単位:μm)を実測した。1本の糸について繊維断面の任意の10箇所を選んで測定した(n=10)。この測定を10本の繊維について行い、測定値を平均した値を中空繊維の壁の厚み(μm)とした。厚みが小さいほど、糸は軽く、ソフトである。
上記(1)で得られた顕微鏡写真を拡大し、紙にコピーした。次いで、中空部を含めてC型断面を輪郭部分で切り落とし、質量(S0;単位g)を測定した。さらに、中空部を輪郭部分で切り落とし、中空部の質量(S1;単位g)を測定する。10個のC型断面についてS0、S1をそれぞれ測定した。以下の式で中空率を求め、その算術平均値を採用した。なお、C型断面の輪郭は、C字の外周とその外周にある2つの端部を直線で結んで輪郭とし、中空部の輪郭は、C字の内周とその内周にある2つの端部を直線で結んで輪郭とした。
中空率(%)=S1(g)/S0(g)×100
2010年版のJIS L1013の8.5「引張強さ及び伸び率」の8.5.1「標準時試験」(JIS法)に従って測定した
それぞれの糸を初荷重0.5gで、引張試験機でつかみ、引張試験を行う。糸が切断するまでに糸に加えた力(cN)と糸のストローク(ひずみ)の関係をグラフにし、糸切断時の強力(cN)と伸度(%)を得た(n=10の平均値として)。糸の強度を、1デシテックスあたりの強度(cN/dtex)として表した。
[中空繊維の融点+20℃]に加熱したプレパラートに中空糸0.1gを載せ、スライドガラスで挟んでフィルム状に広げ、光学顕微鏡を用いて倍率6000倍で撮影して、確認できる顔料のストラクチャーについて最も長い長径を測定した。1試料から任意に20個測定し、20個の算出平均値を算出した。
TG-DTA(ナノテクノロジー社製 熱重量測定装置SII TG/DTA 6200)、中空繊維の試料1.4mgを用いて、温度範囲:室温~900℃、昇温速度:100℃/min、大気流量 20ml/分の条件で中空繊維の重量変化を計測し、650~900℃の領域で減量した比率から算出した。測定は5回行い、平均値を顔料の含有量とした。
作成した布帛を、以下の方法によって評価した。
黒発色性は、スガ試験機(株)社製カラーメーター CC-iSによって測定した明度(L値)によって表した。L値が小さいほど、黒発色性が高く、L値が大きいほど、黒発色性が低い。布帛の表面、裏面それぞれについて、3箇所ずつL値を測定し、それぞれの平均値として表した。
織物の軽さは、2010年版のJIS L1096の8.3.2に記載のA法(JIS法)に従って測定した織物の目付(g/m2)によって表した。値が小さいほど、軽い。
2010年版のJIS L1096の8.4のA法(JIS法)に従って測定した(一定時間:10秒間、一定圧力:23.5kPa)。
カサ高度(m3/g)は、厚さ(mm)を目付(g/m2)で除し、1000を掛けた値とした。
評価機器:KES-FB4表面試験機(カトーテック(株)製)を用い、織物の裏面の表面粗さSMD値(μm)を測定した。織物の場合、裏面の経糸方向(タテ)と緯糸方向(ヨコ)をそれぞれ3ヶ所測定し、その平均値を求めた。編物の場合、編物のウェール方向とコース方向をそれぞれ5ヶ所測定し、その平均値を求めた。値が小さいほど、布帛に凹凸が少なく、良好である。
評価機器:KES-FB2純曲げ試験機(カトーテック(株)製)を用い、織物の場合には、織物裏面の経糸方向と緯糸方向に曲げた時の織物の平均の曲げ剛性B値(cN・cm2/cm)および曲げヒステリシス2HB値(cN・cm/cm)を測定した(経、緯それぞれN=3)。編物の場合には、編物のウェール方向とコース方向に曲げた時の平均の曲げ剛性B値(cN・cm2/cm)および曲げヒステリシス2HB値(cN・cm/cm)を測定した(それぞれN=5)。B値は小さいほど剛性は低く、ソフトな風合いであることを意味し、2HB値は小さい程曲げの回復性が高く、反発力のある風合いであることを意味する。
2010年版のJIS L1096の8.14.1項、A法(ストリップ法)に従って評価した。織物の場合、経方向と緯方向それぞれ3回測定し、平均値を算出した。編物の場合、ウェール方向及びコース方向に5回測定し、平均値を算出した。値が大きいほど、伸びが大きく良好である。
織物の場合:
2010年版のJIS L1096の8.15.1項、A法のbの「繰り返し定率伸長時伸長弾性率」(5回繰り返し)に従って、織物の緯糸方向又は緯糸方向を測定し評価した。値が高いほど、ストレッチ後の回復性が良好である。
2010年版のJIS L1096の8.16.2項、D法の「繰り返し定伸長法」に従って、編物のウェール方向及びコース方向にそれぞれ5枚測定し、荷重-伸び曲線を描いた。値が高いほど、ストレッチ後の回復性が良好である。
2軸混練機中、ポリエチレンテレフタラートに含有量が20重量%となるようにカーボンブラックを混練し、30μmカットのフィルターを通しつつ吐出させ、マスターバッチを製造した。得られたマスターバッチと、カーボンブラックを含有しないポリエチレンテレフタラートとを1:9の重量比でブレンドし、これを鞘成分として用い、芯成分として、5-スルホイソフタル酸ナトリウム塩4.8モル%及びポリエチレングリコール10.6質量%を共重合成分として含むポリエチレンテレフタレートを用い、芯成分/鞘成分の質量比率が60/40になるように、鞘成分側がC字型となる芯鞘断面用C型口金ノズル(36ホール)から紡糸温度290℃で吐出させ、紡速3000m/分で紡糸し、繊維断面形状が略C型の「部分配向複合繊維」として、総繊度140デシテックス、36フィラメントの糸条を一旦巻き取った。
鞘成分にカーボンブラックを含有しない以外は、実施例1と同じ手順に従って、略C型断面繊維(溶出済)を調製した。
実施例1、比較例1で得られた略C型断面繊維(溶出済)を用い、上述の「1-1.中空繊維又は複合糸の評価方法」に基づき評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)略C型断面繊維(未溶出)とポリウレタン弾性繊維との混繊糸の調製
実施例1の途中で得られた略C型断面複合繊維(未溶出)を6本引き揃え(総繊度504デシテックス)、44デシテックスのポリウレタン弾性繊維「ライクラ」(東レオペロンテックス(株)製)を3.3倍延伸しながら、エアーで交絡させ、混繊した。得られたポリエステル/ポリウレタン弾性繊維の混繊複合糸は、総繊度が548デシテックスであった。
その後、この複合糸を一旦、ソフトなチーズ形状に巻き返し、糸染設備であるチーズ染色機に入れ、2.5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて100℃で40分間処理した。このようにして、芯成分を完全に除去し、中空率が60%の略C型断面繊維(溶出済)を含む実施例2の複合糸を得た。総繊度は246デシテックス、単糸繊度が0.93デシテックスであり、中空繊維の壁の厚みは1.73μmであった。得られた複合糸は、きわめて軽く、ソフトで布帛に広汎に用いられる好適な複合糸であった。
鞘成分にカーボンブラックを含有しない以外は、実施例2と同じ手順に従って、比較例2の複合糸を調製した。
(1)製織
経糸にインディゴ染色した綿の9番単糸を用い、これを糊付け、整経し、これに実施例2で得られた複合糸を緯糸として打ち込み、生機織物にした。織物の組織は3/1の綾組織であり、また、生機幅175cm、経糸密度:68本/2.54cm、緯糸密度:45本/2.54cmであった。
次いでこの織物を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、サンフォライズ加工し、180℃でセットした。黒のスレン染料を20g/lの濃度でパディングをし、その後染料の固着化を行う為、180℃でベーキングを行った。更にこの織物を40℃、10分ワッシャーで洗いを行い(1wash加工)、最終仕上げした。
緯糸に比較例2で得られた複合糸を用いた以外は、実施例3と同じ手順でデニム生地を作成した。
緯糸に丸型断面の同等の繊度の糸を使用し、実施例3と同じ手順でデニム生地を作成した。ただし、生機幅175cm、経糸密度:70本/2.54cm、緯糸密度:48本/2.54cmであった。
(1)略C型断面繊維(未溶出)とポリウレタン弾性繊維との混繊糸の調製
実施例1の途中で得られた略C型断面複合繊維(未溶出)を6本引き揃え(総繊度504デシテックス)、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維「ライクラ」(東レオペロンテックス(株)製)を3.3倍延伸しながら、エアーで交絡させ、混繊した。
経糸に実施例1の途中で得られた略C型断面複合繊維(未溶出)を用い、緯糸に上述の(1)の混繊複合糸を用い、エアー織機を用いて生機織物にした。織物の組織は2/1の綾組織であり、また、生機幅159cm、経糸密度:178本/2.54cm、緯糸密度:100本/2.54cm、目付が148.2g/m2であった。
次いでこの織物を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、180℃でセットした。その後、液流染色機中、2.0%水酸化ナトリウム水溶液を用い、105℃で35分間処理し、中空繊維の芯成分を完全に除去する溶出減量加工を行った。次いで、この織物を、0.5%owfの青色分散染料を用い、130℃で染色した。次いで、160℃でセットし、最終仕上げした。
経糸に丸断面のポリエチレンテレフタレートフィラメント(84デシテックス、36フィラメント)を用い、緯糸に丸断面のポリエチレンテレフタレートフィラメント(84デシテックス、36フィラメント)とポリウレタン弾性繊維(44デシテックス)との複合糸を用いた以外は、実施例4と同様の方法で生機織物にした。生機織物を作成した後に溶出減量加工をせずに、実施例4に従って染色し、最終仕上げした。
実施例1、実施例2の製法に従って、中空率が60%の溶出型中空繊維(溶出済)を含む複合糸を得た。ただし、溶出後の繊度は、202デシテックス-216フィラメント+ウレタン44デシテックスであった。この中空繊維の溶出減量率は60.3%であった。
実施例5の複合糸の代わりに、実施例1の途中で得られた略C型断面複合繊維(未溶出)を緯糸に用いた以外は実施例5と同じ手順を行い、平組織を有する生機織物を得た。
実施例1の途中で得られた略C型断面複合繊維(未溶出)を1本(総繊度84デシテックス、36フィラメント)と、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維「ライクラ」(東レオペロンテックス(株)製)を3.3倍延伸しながら合撚し、ポリエステル/ポリウレタン弾性繊維の混繊複合糸を得た。その後、この混繊複合糸を一旦、ソフトなチーズ形状に巻き返した。その後、糸染設備であるチーズ染色機に入れ、2.0%水酸化ナトリウム水溶液を用い、上述のようにして得た溶出型中空繊維を100℃で45分間処理し、芯成分を完全に除去し、中空率が60%の略C型断面繊維(溶出済)を含む複合糸を得た。
実施例5の中空率が60%の略C型断面繊維(溶出済)を含む複合糸の代わりに、丸断面のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(84デシテックス、36フィラメント)と、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維「ライクラ」(東レオペロンテックス(株)製)を3.3倍延伸しながら合撚し、複合糸を得た。
表5に、実施例6及び比較例7の天竺編物の青色発色性の結果を示す(評価方法は「1-2.布帛の評価方法」を参照)。
実施例3(1)で得られたデニム地の生機織物を、実施例3(2)に従って精練、サンフォライズ、セットした。次いで、この生機織物を起毛加工した。針布起毛機を用い、織物の裏面を3回起毛した。起毛加工後、実施例3(2)に従ってワンウォッシャー加工し、仕上げた。ストレッチ率(ヨコ)31.4%、伸長回復率:89.2%であった。仕上製品は軽く、ソフトな色合いであり、裏面の毛羽は細かく、高密度であり、暖かいものであった。秋冬用途として好適なデニムが得られた。
原料である熱可塑性樹脂から直接溶融紡糸された略C型断面繊維(不溶出)を3本合わせ、44デシテックスのポリウレタン弾性繊維「ライクラ」を3.3倍延伸しながらエアーで交絡させて混繊し、総繊度を246デシテックスとした。
Claims (9)
- 壁の平均厚みが0.2μm~15.0μmであり、中空率が10%~80%であり、顔料を1~5重量%含有する、染色されたポリエステル系又はポリアミド系の中空繊維。
- 前記顔料の平均粒子径が0.5μm以下である、請求項1に記載の中空繊維。
- 実質的に略C型断面繊維である、請求項1又は2に記載の中空繊維。
- 中空率が50%~80%であり、ポリエステル系である、請求項3に記載の中空繊維。
- 単糸繊度が0.1~50デシテックスである、請求項1~4のいずれかに記載の中空繊維。
- 仮撚糸である、請求項1~5のいずれかに記載の中空繊維。
- 請求項1~6のいずれかに記載の中空繊維と、弾性繊維とで構成された複合糸。
- 前記弾性繊維が、前記複合糸中に1~70質量%含まれている、請求項7に記載の複合糸。
- 請求項1~6のいずれかに記載の中空繊維及び請求項7又は8に記載の複合糸の少なくとも1種を用いて作られた染色された布帛。
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