以下、媒体処理装置を印刷装置に具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。印刷装置は、例えば、液体の一例であるインクを吐出して用紙等の媒体に印刷するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、印刷装置(媒体処理装置)11は、媒体99に液体(例えばインク)を吐出して媒体99に印刷する印刷ユニット20と、印刷ユニット20による印刷済みの媒体99を処理対象とする媒体処理ユニット30とを備えている。本例の印刷装置11が扱うインクは、例えば染料インク又は顔料インクからなり、溶媒又は分散媒として例えば水等の蒸発可能な液体成分を含んでいる。媒体処理ユニット30は、印刷済みの媒体99に熱処理を施してこれを乾燥させる。
印刷ユニット20は、媒体99を搬送経路に沿って案内可能に支持する支持面13と、媒体99を支持面13に沿って搬送する搬送機構14と、搬送される媒体99に向かって液体(例えばインク)を吐出して印刷する印刷部の一例としての印刷機構21とを備えている。印刷機構21は、支持面13のうち水平な部分と対向する位置に配置された収容体12内に収容されている。
媒体99は、例えば、長尺状のロール紙である。搬送機構14は、印刷前の長尺状の媒体99が円筒状に巻き重ねられたロール体R1を回転可能に支持する第1回転軸15と、ロール体R2を支持する第2回転軸16とを有している。印刷済みの媒体99は、ロール体R2に、ロール状に巻き取られる。第1回転軸15は、媒体99が搬送される搬送経路の上流側の位置に配置され、第2回転軸16は搬送経路の下流側の位置に配置されている。搬送機構14は、不図示の給送モーターを動力源として第1回転軸15を回転駆動させることによりロール体R1から媒体99を繰り出す。また、搬送機構14は、不図示の巻取モーターを動力源として第2回転軸16を回転駆動させることにより印刷済みの媒体99をロール体R2として巻き取る。
また、搬送機構14は、媒体99の搬送経路の途中の位置に、媒体99に接した状態で回転する複数の搬送ローラー17,18を有している。搬送ローラー17,18は、搬送方向Yに印刷機構21と対向する印刷領域PAを挟む上流側と下流側の各位置に配置されている。複数の搬送ローラー17,18は、不図示の搬送モーターを動力源として印刷機構21の印刷動作に合わせて回転駆動され、媒体99を搬送方向Yに搬送する。
なお、本実施形態では、支持面13に沿って搬送される媒体99の搬送経路に沿う方向を、「搬送方向Y」と呼ぶ。このため、搬送方向Yは、図1に実線の矢印で示すように、搬送経路上の位置に応じて変化する。例えば、印刷領域PAでは搬送方向Yは水平方向であり、搬送ローラー18から送り出された印刷済みの媒体99がロール体R2に巻き取られるまでの搬送領域では、搬送方向Yは下流側ほど低くなる斜め方向である。
ここで、支持面13は、ロール体R1から繰り出された媒体99を支持する第1支持面13Aと、搬送方向Yにおける搬送ローラー17,18の間の区間で媒体99を支持する第2支持面13Bと、下流側の搬送ローラー18よりも下流側で印刷済みの媒体99を支持する第3支持面13Cとからなる。第2支持面13Bは、搬送ローラー17,18の間の区間で媒体99を支持する支持台19(例えばプラテン)の上面からなる。また、媒体処理ユニット30は、搬送中の印刷済みの媒体99を支持する搬送台31と、搬送台31に支持される印刷済みの媒体99を加熱して乾燥させる加熱部の一例としての乾燥装置40とを備えている。搬送台31は、下流側の搬送ローラー18とロール体R2を支持する第2回転軸16との間の搬送経路上の区間に配置されている。そして、第3支持面13Cは、印刷済みの媒体99を支持する搬送台31の上面からなる。
図1に示すように、印刷機構21は、液体(例えばインク)を吐出する印刷ヘッド22を有する。印刷ヘッド22は、吐出した液体を媒体99に付着(着弾)させることで媒体99に印刷する。印刷機構21は、一例としてシリアル印刷方式であり、印刷ヘッド22を保持するキャリッジ23と、キャリッジ23の移動を案内するガイド軸24とを有している。印刷ヘッド22は、媒体99の搬送方向Yと交差(例えば直交)する走査方向(例えば図1に示す幅方向X)にキャリッジ23と共に往復移動しながらインクを吐出する。そして、印刷ヘッド22が走査方向に移動して1走査分の印刷が行われる印字動作と、媒体99を次の印刷位置まで搬送する搬送動作とが繰返し行われることにより、媒体99に画像等の印刷が施される。なお、印刷機構21は、ライン印刷方式であってもよい。ライン印刷方式では、媒体99の幅全域を一度に印刷可能に液体を吐出する長尺状の印刷ヘッド22を有し、搬送機構14により一定速度で搬送中の媒体99に対して印刷ヘッド22から1行分の液体を一斉に吐出して媒体99に印刷する。
図1に示す媒体処理ユニット30は、印刷ユニット20による印刷を終えて液体が付着した印刷済みの媒体99を熱処理により乾燥させる。媒体処理ユニット30は、前述のように、印刷済みの媒体99を支持する搬送台31と、搬送台31の支持面13C(搬送面)に沿って搬送中の印刷済みの媒体99を加熱により乾燥させる乾燥装置40とを備えている。搬送台31は、印刷済みの媒体99を支持する第3支持面13C(以下、単に「支持面13C」ともいう。)を有する支持面部材32と、支持面部材32を支持する図1に示す支持フレーム33とを備えている。支持面部材32は、媒体99の搬送方向Yと交差(例えば直交)する幅方向Xに延在している。本例では支持面部材32は、支持フレーム33により、図1に示す斜めの姿勢で支持されている。支持面13Cは、下流側の搬送ローラー18よりも少し搬送方向Yの下流側の位置(支持開始位置)から下流側ほど低くなる下り勾配の斜面である。
図1に示すように、乾燥装置40は、加熱機構41と、加熱機構41を収容する筐体42と、筐体42内を循環する気流の通路となる送気路46と、気流を発生させる送風機47とを備える。加熱機構41は、支持面13Cに支持された媒体99を加熱可能に、支持面13Cと対向する位置に配置されている。加熱機構41は、発熱体41aを有する。発熱体41aは、例えばヒーター管である。発熱体41aは、支持面13Cと対向する位置に搬送方向Yに間隔を開けて複数(図1の例では2つ)配置されている。発熱体41aに対して支持面13Cと反対側の位置には、凹曲面状の反射面を有する反射板41bが配置され、発熱体41aの熱は支持面13Cに向かって輻射される。
筐体42は、加熱機構41を囲む内壁44と、内壁44の外側に配置される外壁43と、外壁43及び内壁44と交差する一対の側壁45(図1では奥側の一方のみ図示)とを有する。一対の側壁45が互いに対向する方向(例えば幅方向X)における外壁43及び内壁44の両側は、一対の側壁45により塞がれており、外壁43、内壁44及び側壁45により加熱機構41を囲む経路で送気路46が形成されている。送気路46は、外気を取り込む吸気口46aと支持面13Cに向けて開口する吹出口46bとを有している。
送風機47は、送気路46内に配置されたファン48を有する。送風機47は、図1に実線の矢印で示す方向に気流を発生させられる向き(送風方向)に配置され、吸気口46aから送気路46内に取り込んだ気体を吹出口46bに向けて流動させる。吹出口46bにつながる送気路46の下流部分は、吹出口46bに向かって流路が狭められる形状であり、支持面13Cに対して斜め下流側へ向かって気流を吹き付け可能に傾斜する角度で延設されている。このため、吹出口46bから吹き出した気流が、支持面13C上の媒体99の表面(印刷面)に沿って搬送方向Yに流れる。なお、乾燥装置40は搬送方向Yよりも幅方向Xに長い形状を有するため、ファン48は幅方向Xに複数並べて配置されてもよい。
また、加熱機構41は、搬送方向Yに吹出口46bと吸気口46aとの間に相当する位置に配置されている。こうすると、吹出口46bから吹き出した加熱気流が、加熱機構41が加熱する加熱領域HAを通過するので、媒体99の表面からの蒸発が促進される。また、媒体99の表面近傍に蒸気が滞留し飽和蒸気圧に近い拡散層が形成されると、媒体99からの液体の蒸発を阻害する。その点、媒体99の表面近傍の蒸気を加熱気流によって吹き払うので、媒体99から液体を連続的に蒸発させることができる。
筐体42における支持面13Cに対向する加熱口44aには、図1に示すように金網49が配置されている。発熱体41aの熱は金網49越しに支持面13C上の媒体99に伝えられるうえ、吹出口46bから吸気口46aに向かう気流が金網49により支持面13Cに沿って流れるように誘導される。
乾燥装置40では、発熱体41aからの熱及び加熱気流により支持面部材32が加熱される。このため、媒体99は加熱領域HAにおいて発熱体41aからの輻射熱及び加熱気流に加え、支持面13Cから伝達される熱によっても加熱される。このため、媒体99を効率よく乾燥させるうえで、支持面部材32から支持フレーム33等へ熱が逃げる熱損失を小さく抑えることが有効である。
図2、図3は、印刷済みの媒体99を搬送する搬送台31を示す。搬送台31は、搬送方向Yと交差する幅方向Xに延在して媒体99を支持する支持面13Cを有する支持面部材32と、支持面部材32を支持する支持フレーム33とを備えている。支持面部材32は、媒体99の最大幅よりも幅方向Xに長く、かつ乾燥装置40(図1参照)が加熱する加熱領域HAよりも搬送方向Yに長い所定長さを有する略四角板状の板金等である。搬送台31は、支持面部材32に対して搬送方向Yの上流側に隣接して配置された上流側の支持面部材34と、支持面部材32に対して搬送方向Yの下流側に隣接して配置された下流側の支持面部材35とを備えている。
一方、支持フレーム33は、四角板状の支持面部材32の幅方向Xの両端部を支持する一対のサイドフレーム36と、一対のサイドフレーム36の間に幅方向Xに延びる状態で架設された梁部材37とを有している。図2、図3に示す例では、梁部材37は1つのみ設けられているが、搬送方向Yに間隔を開けて複数設けてもよい。一対のサイドフレーム36は、支持面部材32の幅方向Xの両端部と対向する板状のブラケット部36aを有している。また、梁部材37は、支持面部材32を幅方向Xのほぼ全域に亘る範囲で支持する。支持面部材32は、支持フレーム33に対して一対のサイドフレーム36のブラケット部36aと梁部材37とに接触する状態で、固定部材の一例としてのねじ38により複数箇所で固定されている。詳しくは、支持面部材32は、一対のサイドフレーム36のブラケット部36aに対して、搬送方向Yに位置の異なる複数箇所で複数のねじ38によって固定されている。さらに、支持面部材32は、梁部材37に対して、幅方向Xに位置の異なる複数箇所で複数のねじ38によって固定されている。なお、一対のサイドフレーム36は、印刷装置11を構成する不図示の脚部(スタンド)に組み付けられる。
図4に示すように、支持面部材32は、支持フレーム33側に向かって突出する突起部の一例としての絞り部51,52を有している。絞り部51,52は、支持面部材32と支持フレーム33とをねじ38で固定する固定箇所に設けられた突起部である。絞り部51、52により支持面部材32と支持フレーム33との接触面積が小さくなる。本例では、絞り部51,52は、支持面部材32において支持フレーム33に対してねじ38で固定する全ての箇所に設けられている。また、本例では、絞り部51,52は、支持面部材32と支持フレーム33とのうち支持面部材32に設けられている。絞り部51,52は、支持面部材32から、支持面13C(表面)とは反対側となる裏面側へ突出している。本例の絞り部51,52は、支持面部材32におけるねじ固定箇所に絞り加工が施され、裏面側へ突出する形状の、凹状部を含む。
図4に示すように、サイドフレーム36の上端部には、幅方向Xの内側へほぼ直角に折り曲げられた板状のブラケット部36aが形成されている。支持面部材32の幅方向両端部に位置する絞り部51,52は、サイドフレーム36のブラケット部36aと接触している。また、支持フレーム33を構成する梁部材37は、左右一対のサイドフレーム36間に亘る範囲で幅方向Xに延びその両端部が両サイドフレーム36に固定されることにより、支持面部材32の裏面側に横架されている。梁部材37の上面には、支持面部材32の幅方向Xの両端部を除く部分にある他の複数の絞り部52が接触している。このように支持面部材32は、一対のサイドフレーム36及び梁部材37に対して、ねじ38の固定箇所で複数の絞り部51,52を介して接触し、その接触する総面積はかなり小さい。
図2~図4において、支持面部材32における幅方向Xの両端部のうち一方の端部(一端部)に設けられた第1の絞り部51と、第1の絞り部51と幅方向Xにおける位置の異なる第2の絞り部52とでは形状が異なっている。本例では、支持面部材32の幅方向Xの両端部で、異なる形状の絞り部51,52が採用されている。すなわち、支持面部材32の幅方向Xの一端部には第1の絞り部51が形成され、他端部には第2の絞り部52が形成されている。第1の絞り部51と第2の絞り部52とでは、幅方向Xの長さが異なっている。第2の絞り部52は、第1の絞り部51よりも幅方向Xに長い形状を有している。
ここで、図3における支持面部材32の右端部は、キャリッジ23が印刷していないときに待機するホーム位置(ホームポジション)と対応する側に位置する。本例では、支持面部材32は、左右一対のサイドフレーム36に対して幅方向Xの一方(ホーム位置側)の端部(図3における右端部)を基準にして組み付けられている。そして、支持面部材32における組み付けの基準となる一端部には第1の絞り部51が形成され、幅方向Xにその反対側となる他端部(図3における左端部)には第2の絞り部52が形成されている。そして、支持面部材32における梁部材37と相対するねじ固定箇所には、第2の絞り部52が形成されている。
図5に示すように、支持面部材32の幅方向Xの一端部には、搬送方向Yに間隔を開けて複数の第1の絞り部51が裏面側に突出している。そして、支持面部材32の一端部(右端部)は、一方(右側)のサイドフレーム36のブラケット部36aに対して複数の第1の絞り部51が接触する状態で固定されている。なお、図5では示されていないが、支持面部材32の他端部(左端部)には、搬送方向Yに間隔を開けて複数の第2の絞り部52が裏面側に突出している。そして、支持面部材32の他端部は、他方(左側)のサイドフレーム36のブラケット部36aに対して複数の第2の絞り部52が接触する状態で固定されている。
また、図5に示すように、支持面部材32には、その搬送方向Yの上流側端部が裏面側へ屈曲して延出する延出部32aと、その搬送方向Yの下流側端部が裏面側へ屈曲して延出する延出部32bとが形成されている。また、支持面部材32に対して搬送方向Yの上流側に隣接して配置された支持面部材34には、その下流側端部が裏面側へ屈曲して延出する延出部34aが形成されている。さらに支持面部材32に対して搬送方向Yの下流側に隣接して配置された支持面部材35には、その上流側端部が裏面側へ屈曲して延出する延出部35aが形成されている。支持面部材32と支持面部材34とは、双方の延出部32a,34aが重ね合わせられた状態で不図示のねじにより複数箇所で固定されることで、互いに固定されている。また、支持面部材32と支持面部材35とは、双方の延出部32a,35aが重ね合わせられた状態で不図示のねじにより複数箇所で固定されることで、互いに固定されている。
次に、図6~図9を参照して、絞り部の詳細な構成を説明する。図6及び図7は、支持面部材32の幅方向Xの一端部(例えばホーム位置側の端部)に設けられた第1の絞り部51でのねじ固定箇所を示し、図8及び図9は、支持面部材32の幅方向Xの一端部以外の箇所に設けられた第2の絞り部52でのねじ固定箇所を示す。図6~図9に示すように、絞り部51,52は、支持面部材32を構成する板金に絞り加工が施され、支持面13Cと反対側(裏面側)に突出する突状に形成されている。このため、絞り部51,52は、支持面13C側(表面側)からは凹んだ形状である。詳しくは、絞り部51,52は、台錘状に凹んだ凹部51a,52aを有している。絞り部51,52における凹部51a,52aの底部中央部に、ねじ38が挿通可能な孔部51b,52bが貫通している。
図6に示すように、第1の絞り部51は、ねじ38の軸部38aを挿通可能な円形の孔部51bを有している。孔部51bの内径D1は、ねじ38の軸部38aの外径よりも若干大きな内径を有している。
図7に示すように、一方(例えばホーム位置側)のサイドフレーム36のブラケット部36aには、絞り部51の孔部51bと対応する箇所に雌ねじ部55が形成されている。そして、第1の絞り部51の孔部51bに挿通されたねじ38が、ブラケット部36aの雌ねじ部55に螺合されることにより、支持面部材32の幅方向Xの一端部と、一方のサイドフレーム36とが固定されている。円錐台状の絞り部51は、その底面51cがサイドフレーム36のブラケット部36aに接触する。すなわち、絞り部51は、凹部51aの開口面積よりも小さな面積でブラケット部36aに接触する。
図8に示すように、第2の絞り部52は、ねじ38の軸部38aを挿通可能な孔部52bを有している。この孔部52bは、幅方向Xの寸法D2が搬送方向Yの寸法D1よりも長くなっている(D2>D1)。このため、ねじ38の軸部38aは、孔部52b内を幅方向Xに相対移動可能になっている。また、図8に示すように、加熱前の状態において、孔部52bにおいてねじ38の軸部38aが挿通される位置は、孔部52bの幅中心又は幅中心よりもホーム位置側と反対側の反ホーム位置側(図8における左側)へ若干ずれた位置である。なお、支持面部材32は、ホーム位置側を基準に組み付けられる。
図2~図4に示すように、絞り部51,52は、幅方向Xに離間した複数の位置(第1位置と第2位置)に配置されている。このように支持面部材32において幅方向Xに位置の異なる複数の固定位置のうち第1位置に設けられる第1の絞り部51の孔部51bの幅方向Xにおける長さD1と、第2位置に設けられる第2の絞り部52の孔部52bの幅方向Xにおける長さD2とが異なっている。この場合、第1位置は、支持面部材32の幅方向Xにおいて一端部(例えばホーム位置側端部)におけるねじ固定位置であり、第2位置は、第1位置と幅方向Xに離れた位置にあるねじ固定位置である。例えば、支持面部材32の幅方向Xにおける他端部におけるねじ固定位置は、第2位置に相当する。また、支持面部材32の幅方向Xに延びる梁部材37に対するねじ固定位置も、第2位置に相当する。よって、第1位置と第2位置とにある複数の絞り部51,52の孔部51b,52bのうち、特に第2の絞り部52の孔部52bが幅方向Xに長い長孔であることによって、支持面部材32と支持フレーム33とを固定する組み立て時の部品誤差や加熱された際の支持面部材32の熱膨張分の変化が吸収される。
図9に示すように、他方(例えばホーム位置と反対側)のサイドフレーム36のブラケット部36a及び梁部材37には、第2の絞り部52の孔部52bと対応する箇所に雌ねじ部55が形成されている。そして、第2の絞り部52の孔部52bに挿通されたねじ38が、雌ねじ部55に螺合されることにより、支持面部材32と、他方のサイドフレーム36及び梁部材37とが、固定されている。この固定状態では、長円錐台状の絞り部52は、その底面52cがサイドフレーム36のブラケット部36a又は梁部材37に接触する。すなわち、絞り部52は、凹部52aの開口面積よりも小さな面積でブラケット部36a又は梁部材37に接触している。
このように支持面部材32に形成された絞り部51,52の孔部51b,52bを貫通するねじ38が、支持フレーム33(サイドフレーム36及び梁部材37)側の雌ねじ部55に螺着される。このようにして、支持面部材32と支持フレーム33とは、複数のねじ38によって、複数箇所で固定されている。そして、支持面部材32と支持フレーム33とは、ねじ38の固定位置に設けられた複数の絞り部51,52を介して相対的に小さな接触面積で接触している。
図7及び図9に示すように、絞り部51,52の支持面13Cからの突出長さL1は、支持面部材32と支持フレーム33とがねじ38により固定された状態において、ねじ38における支持面13C側へ突出する部分の突出長さL2より大きい。ここでいう絞り部51,52の突出長さL1は、支持面部材32が絞り加工等により支持面13Cと反対側へ突出した面の突出量を指し、絞り部51,52の凹部51a,52aの深さに等しい。また、ねじ38の突出長さL2は、孔部51b,52bに挿通されたねじ38が凹部51a,52a内に突出する部分(ねじ38の一部)の長さを指す。そして、絞り部51,52の突出長さL1は、ねじ38の突出長さL2よりも大きい(L1>L2)。換言すれば、絞り部51,52の凹部51a,52aの深さは、ねじ38が凹部51a,52a内に突出する部分(例えば頭部38b)の突出長さL2よりも長くなっている。このため、支持面部材32と支持フレーム33とを締結固定するねじ38の頭部38bは、支持面13Cよりも凹部51a,52a内側に位置し、支持面13Cから突出していない。
また、図3に示すように、支持面13Cにおいて幅方向Xに媒体99の搬送される領域が搬送領域FAとなる。搬送領域FAは、媒体99の幅方向Xにおけるセット位置のばらつきが考慮された、媒体99の最大幅よりも少し広めの範囲である。ところで、ねじ38の一部が支持面13Cから突出する構成であると、支持面部材32のうち、ねじ38が設けられる箇所は搬送面として利用されない。そのため、搬送領域FAは、支持面13Cから突出したねじが位置する領域を避けた範囲、すなわち幅方向Xの内側に制限された範囲である必要がある。したがって、ねじ38が支持面13Cから突出する場合、所定幅の搬送領域FAが確保されるには、支持面部材32の幅寸法が、搬送領域FAの所定幅より、ねじ38が設けられる箇所の幅方向Xの寸法の分だけ長い必要がある。これにより、媒体処理ユニット30及び印刷装置11の大型化がもたらされる。
これに対して、本実施形態では、ねじ38が支持面13Cから突出していないので、図3に示すように、搬送領域FAは、支持面13Cの幅方向Xの両端部においてねじ38が設けられる箇所にかかる範囲に亘り設定されている。そのため、ねじ38が支持面13Cから突出する場合と比較して、所定幅の搬送領域FAに対して必要とされる支持面部材32の幅寸法が短い。また、ねじ38が支持面13Cから突出しない場合、搬送領域FA内の他の箇所にもねじ38が配置され得る。本実施形態では、支持面部材32の裏面側に横架された梁部材37に対する支持面部材32の固定に、第2の絞り部52の孔部52bに挿通したねじ38を雌ねじ部55に螺着する固定構造が採用される。支持面部材32の裏面に幅方向Xに横断する梁部材37が固定されることで、支持面部材32は撓みに対して補強されている。このため、支持面13Cが撓み変形することが抑制されている。
次に、媒体処理ユニット30を備えた印刷装置11の作用について説明する。印刷が開始される前に、乾燥装置40が稼動され、まず目標設定温度に上昇するまで加熱準備運転が行われる。乾燥装置40の稼動中は、加熱機構41の発熱体41aが発熱するとともに、ファン48が駆動される。
ファン48の駆動により吹出口46bから吹き出された気体は、加熱領域HAを通過した後、その一部が、吸気口46aから吸い込まれる。吸気口46aから吸い込まれた気体は加熱機構41を囲む送気路46を通る過程でさらに加熱され、その加熱された気体(熱風)が吸気口46aから再び吹き出される。こうして気体は加熱領域HAと送気路46とを循環する過程で徐々に加熱される。乾燥装置40内の制御は、例えば不図示の温度センサー(例えば赤外線センサー)により検出される支持面13C又は支持面13C上の媒体99の表面温度に基づき行われる。乾燥装置40内の温度が目標温度に到達した後、印刷が開始される。このときまでに支持面部材32は所定温度に加熱されている。
印刷が開始されると、印刷ヘッド22から媒体99に向かってインクが吐出されることにより媒体99に印刷が施される。印刷済みの媒体99は支持面13Cに沿って乾燥装置40内へ搬入される。加熱領域HAでは、発熱体41aからの輻射熱と、吹出口46bから吹き出す加熱気流(温風)とによって、媒体99に付着又は浸透した液体(インク)の蒸発が促進される。
このとき、支持面部材32は支持フレーム33に固定されているため、支持面部材32から支持フレーム33へ熱が逃げる熱損失が発生する。また、支持面部材32の熱が媒体99に奪われるため、支持面13Cのうち媒体99の搬送領域の温度が低下する。
しかし、本実施形態では、支持面部材32は支持面部材32に形成された絞り部51,52の孔部51b,52bに挿通されたねじ38が支持フレーム33の雌ねじ部55に螺着されることにより支持フレーム33に対して固定されている。このため、支持面部材32は、絞り部51,52と支持フレーム33との接触部分と、ねじ38と雌ねじ部55との螺合部分とで支持フレーム33に接触し、その接触面積が相対的に小さくなっている。このため、支持面部材32から支持フレーム33へ熱が逃げる熱損失が相対的に小さく抑えられる。この結果、支持面13Cにはその幅方向Xの両端部で温度が低下しにくい適正な温度分布が形成される。つまり、支持面13Cの幅方向Xに比較的一様な温度分布が形成されやすい。また、支持面13Cにおいてねじ38の固定箇所が幅方向Xに点在しているので、固定箇所が幅方向Xに点在しない構成に比べ、支持面部材32の組付位置精度を高められるうえ、支持面13Cの加熱むらが発生しにくい。この結果、印刷済みの媒体99の乾燥むらが発生しにくい。
また、媒体99のセットばらつきも考慮して媒体99が搬送される領域が図3に示す搬送領域FAである。ところで、ねじ38が支持面13Cから突出すると、その箇所は搬送領域FAとして利用されない。そのため、支持面13Cのうち突出したねじのある両端部を避けた内側寄りの範囲に搬送領域FAが設定される必要がある。この場合、搬送領域FAを幅方向Xの内側寄りの範囲に制限した分だけ、支持面部材32の幅寸法が相対的に長くなる必要があり、これにより媒体処理ユニット30及び印刷装置11の大型化がもたらされる。これに対して、本実施形態では、図7及び図9に示すように、支持面部材32と支持フレーム33とがねじ38により固定された状態において、絞り部51,52の突出長さL1が、ねじ38における支持面13C側へ突出する部分の突出長さL2より大きい。よって、ねじ38が、支持面13Cから突出することが防止される。ねじ38が支持面13Cから突出しないので、図3に示すように、支持面13Cにおけるねじ38のある両端部も搬送領域FAとして設定される。
このため、印刷装置11が扱う媒体99の最大幅の割に、印刷装置11の幅方向Xのサイズが小型で済む。そして、印刷装置11の幅サイズの割に媒体99の最大幅を大きくすることができるので、装置の小型化と、印刷物の生産性の向上が両立される。また、乾燥効率が上がれば、搬送速度の高速化が可能なため、扱える媒体99の最大幅の向上と、媒体99の搬送速度の向上とにより、さらに印刷装置11による印刷物の生産性が向上される。
さらに支持面部材32の幅寸法が長いと、支持面部材32の撓みが大きくなりやすく、媒体99と支持面13Cとの接触が不均一になる虞がある。媒体と支持面13Cとの接触が不均一になると、支持面13Cから媒体99への熱移動が抑制されてしまうため、媒体99の乾燥効率が低下する。ここで、支持面部材32の撓みを抑えるためには、支持面部材32の板厚を厚くすればよいが、部品コストが高くなるうえ、装置重量が大きくなる。そこで、本実施形態では、支持面部材32の幅寸法を長くした場合に発生する撓みを防ぐために、支持面部材32が板金等からなる梁部材37で支持される。この場合、支持面部材32の裏面側に突出する絞り部52の孔部52bに挿通したねじ38が梁部材37の雌ねじ部55に螺着されることにより、支持面部材32と梁部材37とが固定される。支持面部材32と梁部材37とを固定するねじ38が支持面13Cから突出しないので、支持面部材32を梁部材37で補強することが可能になる。そのため、支持面部材32の板厚が大きい構成に比べ、印刷装置11の製造コスト及び重量の増大を小さく抑えることができる。
ところで、支持面部材32が梁部材37に載せられるだけの構造も考えられる。しかし、支持面部材32が梁部材37に固定されていない場合、何らかの振動源に起因して支持面13Cが振動すると、支持面13Cと媒体99との接触むらが発生して乾燥効率が低下する。また、支持面13Cの振動に起因する部材同士の接触部分の擦れ合いで部品の摩耗が発生する。その点、本実施形態では、支持面部材32が梁部材37に対してねじ38で固定されているので、支持面13Cの振動が抑制され、媒体99と支持面13Cとの接触むらに起因する媒体99の乾燥むらが抑制される。
また、支持面部材32は、搬送方向Yの寸法より幅方向Xの寸法(幅寸法)が長い。支持面部材32は、熱膨張した際に、より長く延在している方向(本例では幅方向X)に延びやすい。本実施形態では、絞り部52の孔部52bは、搬送方向Yよりも幅方向Xに長い長孔であるので、支持面部材32の熱膨張による幅方向Xの変化を吸収できる。例えば支持面部材32の熱膨張による変化が吸収されないと、熱膨張によって支持面13Cが変形し、媒体99と支持面13Cとの接触むらが発生する。この種の接触むらは媒体99の乾燥むらの原因になり得る。これに対して、本実施形態では、支持面部材32が熱膨張しても支持面13Cが変形しにくい構成であり、媒体99は支持面13Cに対して全面で接触するため、印刷装置11は媒体99を効率よく乾燥させることができる。
また、支持面部材32と支持フレーム33との接触による熱損失を低減する構造として、支持面部材32と支持フレーム33との間にスポンジ等の断熱材を介在させる構成も考えられる。しかし、ねじ38で固定する箇所に断熱材が設けられると、断熱材の弾性により、組立誤差が生じやすい。支持面部材32の組立誤差は支持面13Cの面精度に影響する。例えば支持面13Cの面精度の低下は媒体99との接触むらを誘発し、接むらにより、媒体99の乾燥むらが発生する。これに対して、本実施形態では、支持面部材32と支持フレーム33とが両者の間に断熱材を介することなく固定されるので、組立精度がよい。したがって、支持面13Cに対する媒体99の接触むらが起きにくく媒体99の乾燥むらが発生しにくい。この結果、媒体99は効率よくかつ均一に乾燥する。
以上詳述した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)印刷装置11は、液体が付着した媒体99を加熱する乾燥装置40(加熱部の一例)と、媒体99が搬送される搬送方向Yと交差する幅方向Xに延在して媒体99を支持する支持面13Cを有する支持面部材32と、支持面部材32を支持する支持フレーム33とを備える。さらに、印刷装置11は、支持面部材32と支持フレーム33のうちの一方から他方側に向かって突出する絞り部51,52(突起部の一例)を備える。絞り部51,52に設けられる孔部51b、52bを貫通するねじ38(固定部材の一例)が支持フレーム33と支持面部材32とを固定する。よって、支持面部材32と支持フレーム33は、突起部である絞り部51,52で接触する状態でその孔部51b,52bを貫通するねじ38により固定される。このため、支持面部材32と支持フレーム33との接触面積が比較的小さく済むので、支持面部材32と支持フレーム33との間の熱伝達効率が、支持面部材32と支持フレーム33とが絞り部51,52を介さず面接触する固定構造に比べ小さく済む。したがって、加熱機構41により加熱された支持面部材32の熱が支持フレーム33へ伝わる熱損失を低減し、支持面13Cに適正な温度分布を形成できる。この結果、印刷装置11は、インクが付着した媒体99を効率よく乾燥させることができる。
(2)絞り部51,52は、支持面部材32に設けられている。よって、支持面部材32が固定される支持フレーム33側の加工が不要であり、加工による剛性の低下がないので、支持フレーム33の剛性が確保される。このため、支持フレーム33に支持される支持面部材32の支持面13Cの面形状の精度が確保される。これにより媒体99と支持面13Cとの比較的高い密着度を確保されるため、媒体99の乾燥が促進される。
(3)絞り部51,52の突出長さL1は、支持面部材32と支持フレーム33とがねじ38により固定された状態において、ねじ38における支持面13C側へ突出する部分の突出長さL2より大きい。よって、支持面13Cからねじ38の一部が突出することが防止される。よって、支持面13Cに支持される媒体99がねじ38と接触することが防止される。例えば媒体99にねじ38との接触に起因する傷や痕が生じる虞が低減される。
(4)孔部51b,52bは、幅方向Xの長さが搬送方向Yの長さより長い形状である。よって、支持面部材32が加熱により熱膨張したときの幅方向Xの寸法が長くなり、このとき支持面部材32と支持フレーム33との幅方向Xの相対位置が熱膨張差に相当する分だけずれ、孔部51b,52bがねじ38に対して幅方向Xにずれても、孔部51b,52bは幅方向Xへのその熱膨張分のずれを吸収できる。よって、支持面部材32に熱膨張に起因する歪みや変形等が発生することが回避される。このため、支持面部材32の加熱状態において、媒体99が支持面13Cに比較的密着した状態で搬送され、印刷装置11は媒体99を効率よく乾燥できる。
(5)絞り部51,52は、幅方向Xにおいて離間した第1位置と第2位置とに設けられている。よって、支持面部材32と支持フレーム33との固定箇所が幅方向Xに点在するので、支持フレーム33に対する支持面部材32の幅方向Xにおける固定位置精度が向上する。また、支持面部材32の固定箇所が幅方向Xに点在しない構成に比べ、支持面13Cの加熱むらが低減されるため、支持面13Cの加熱むらに起因する媒体99の乾燥むらが低減される。
(6)第1位置に設けられる絞り部51の孔部51bの幅方向Xにおける長さと、第2位置に設けられる絞り部52の孔部52bの幅方向Xにおける長さとが異なる。よって、第1位置と第2位置とにある複数の絞り部51,52の孔部51b,52bのうち、幅方向Xに長い側の孔部52bによって、支持面部材32と支持フレーム33とを固定する組み立て時の部品誤差や加熱された際の支持面部材32の幅方向Xの熱膨張分の変化が吸収される。
(7)印刷装置11は、媒体99に液体を吐出して印刷する印刷機構21(印刷部の一例)を備える。そして、印刷装置11は、印刷機構21が吐出した液体が付着された媒体99を加熱して乾燥させる。よって、支持面部材32から支持フレーム33へ熱が逃げる熱損失を低減し、支持面13Cに適正な温度分布を形成できる。この結果、インクが付着した媒体99を効率よく乾燥させることができる。また、印刷装置11による乾燥むらが低減されるため、印刷機構21により印刷される媒体99の印刷品質が向上する。
上記実施形態は、以下に示す変更例のように変更してもよい。上記実施形態に含まれる構成と、下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・固定部材(例えばねじ38)は支持面13Cから突出してもよい。固定部材が搬送領域以外の位置であれば、固定部材が媒体に当たる心配がない。
・突起部は、支持フレーム33に設けられ、支持フレーム33から支持面部材32側に突出する構成でもよい。この構成でも、支持面部材32と支持フレーム33との接触面積は相対的に小さく、支持面部材32の熱損失が低減される。また、突起部が幅方向Xに間隔を開けて配置されることにより、支持面13Cの加熱むらが低減される。
・全ての突起部(例えば絞り部)の孔部が、幅方向Xの長さが搬送方向Yの長さよりも長い形状であってもよい。
・突起部の孔部に雌ねじ部が設けられ、ねじ38が支持面部材32の裏面側から絞り部51,52の孔部51b,52bに螺着されてもよい。また、絞り部の凹部内にねじ38の軸部38aが突出され、凹部内に当該軸部38aに螺着されるナットが配置されてもよい。これらの構成の場合も、固定部材(ねじ38)の一部が支持面13Cから突出しないことが好ましい。例えば、固定部材を構成するねじの軸部38a、あるいは軸部及びナットを含む部分が凹部51a,52a内に突出する部分の突出長さL2よりも、絞り部の突出長さL1が、大きいことが好ましい。
・突起部(例えば絞り部)は、幅方向Xに離れた第1位置と第2位置とのうち一方の位置のみに設けられてもよい。例えば、支持面部材32の幅方向Xの両端部のうち一方の端部のみに絞り部を設け、支持面部材32を左右一対のサイドフレーム36のうち一方のみと絞り部を介してねじ38により固定してもよい。
・突起部は、絞り部のような絞り加工により形成されたものに限定されず、バーリング加工、曲げ加工により形成されたものでもよい。また、突起部は、内径が深さ方向の位置が変化するに連れて変化する例えば錐台形状に限らず、筒状でもよい。筒状の場合、円筒状が好ましいが、多角筒状でもよい。
・突起部は凹部又は筒状である必要はなく、凹部のない中実なブロックでもよい。例えば突起部が搬送領域FAの外側に位置する場合は、ねじの一部が支持面から突出してもよい。また、幅方向Xの位置の違いに応じて、凹部のある突起部と凹部のない突起部とが混在してもよい。
・梁部材37は、幅方向Xに延びる向きに替え、搬送方向Yに延びる向きに配置されてもよい。この場合、搬送方向Yに延びる向きで1つの梁部材が設けられてもよいし、搬送方向Yに延びる向きで複数の梁部材を幅方向Xに間隔を開けて設けられてもよい。
・ねじ38は、支持面13Cから突出しなければ、皿ねじ以外でもよい。例えばなべねじでもよい。また、固定部材はボルトでもよい。
・加熱部は、送風機47及び送気路46のない加熱機構41でもよい。加熱部は、例えば、発熱体の輻射熱によってのみ印刷済みの媒体を乾燥させる構成でもよい。また、温風(加熱空気)のみを媒体に吹き付ける加熱部でもよい。
・加熱部が備える発熱体41aは、ヒーター管に限らず、電熱線などでもよい。
・支持面13Cは下流側ほど低い傾斜面に限らず、水平面でもよい。
・印刷装置11は、シリアル印刷方式やライン印刷方式に限らず、印刷ヘッド22が主走査方向と副走査方向との2方向に移動可能なラテラルスキャン方式でもよい。
・媒体99は、ロール紙等の長尺状の媒体に限らず、単票紙でもよい。また、媒体99は、紙に限定されず、合成樹脂製のシートやフィルム、布、ホイル等であってもよく、例えば、転写フィルム等のプラスチックフィルムまたは薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛でもよい。
・印刷装置11は、印刷技術(インクジェット技術)を用いて電子部品の一部を製造する工業用の印刷装置でもよい。例えば、印刷機構21が液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられ、電極材または色材(画素材料)などを液体の吐出により形成してもよい。さらに印刷装置11は、樹脂液等の液体を吐出して3次元造形物を製造する3次元用インクジェットプリンターでもよい。3次元造形物を造形する下地のシート(媒体の一例)の上に造形物を形成した後、支持面部材32で支持した状態でシート上の造形物を加熱部で乾燥させる構成でもよい。
・媒体処理ユニット30は、印刷装置11への適用に限定されない。媒体処理ユニット30を、例えば印刷装置11とは別体の単独で用いてもよい。例えば、印刷装置11の下流側の位置に媒体処理ユニット30を含む装置を配置し、印刷装置から排出された印刷済みの媒体を受け取ってその印刷済みの媒体を乾燥させる構成でもよい。さらに印刷以外の目的で媒体に液体を吐出、塗付、スプレー、転写、浸漬等による方法で付着させた媒体を乾燥させる媒体処理ユニット30であってもよい。印刷以外の目的としては、媒体の表面へのコート層の形成(塗装(塗膜形成)を含む)、媒体の着色、媒体への処理液又は処理材(例えば粒子)の含浸、媒体の皺伸ばし処理などが挙げられる。このように媒体処理ユニット30は印刷物以外の媒体の加熱処理(乾燥を含む)に用いられてもよい。