本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1を参照して、本発明の実施形態に係る無線テレメータシステム100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る無線テレメータシステム100のブロック図である。
図1に示すように、無線テレメータシステム100は、複数の計測場所で計測された計測値を収集するシステムである。
無線テレメータシステム100は、サーバ10と、センタ側網制御部20と、複数の設定端末Xと、第1計測装置B1~第N計測装置BNとを備える。複数の設定端末Xは、親機30と、第1子機A1~第N子機ANとを含む。Nは、2以上の整数である。第1子機A1~第N子機ANは、本発明の第1端末~第N端末の一例である。
サーバ10は、親機30、及び第1計測装置B1~第N計測装置BNを介して、第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々が計測した計測値を収集する。
センタ側網制御部20は、サーバ10が親機30と通信するための通信処理を仲介する。センタ側網制御部20とサーバ10とは有線又は無線で接続される。センタ側網制御部20と親機30とは、例えば、PHS網、及びFOMA網のような広域無線網N1に接続される。センタ側網制御部20と親機30とは、広域無線網N1を介して互いに無線通信を行う。
なお、本実施形態では、センタ側網制御部20と親機30とを広域無線網N1により接続するが、本発明はこれに限定されない。センタ側網制御部20と親機30とは、有線のIP網、及び公衆網のような通信網で互いに接続されてもよい。また、センタ側網制御部20と親機30とは、有線接続されてもよい。また、広域無線網N1に複数の親機30が接続されてもよい。
センタ側網制御部20は、例えば、通信事業者の公衆網に設けられる。センタ側網制御部20は、広域無線網N1を介して親機30及び第p子機Apのような端末側の装置の通信を制御する。pは、1以上、N以下の整数である。第p子機Apは、第1子機A1~第N子機ANのうちのいずれかを示す。第p子機Apは、本発明の第p端末の一例である。
センタ側網制御部20がサーバ10から電文を受信した場合、センタ側網制御部20は、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式で端末側の装置へ電文を送信する。また、センタ側網制御部20は、広域無線網N1を介して端末側の装置から電文を受信した場合、受信した電文をサーバ10へ送信する。
親機30は、広域無線網N1を介して、センタ側網制御部20及びサーバ10のようなセンタ側の装置に接続される。親機30は、狭域無線網N2を介して第1子機A1~第N子機ANの各々に接続される。
親機30は、第1子機A1~第N子機ANの各々と無線接続される。親機30は、第1子機A1~第N子機ANの各々と無線通信可能である。具体的には、親機30は、第1子機A1~第N子機ANの各々から電文を受信することができ、かつ、第1子機A1~第N子機ANの各々に対し電文を送信することができる。
第1子機A1~第N子機ANの各々は、互いに無線接続される。第1子機A1~第N子機ANの各々は、互いに無線通信可能である。具体的には、第1子機A1~第N子機ANのうちの1の子機は他の1つの子機に対し電文を送信することができ、かつ、1つの子機は他の1つの子機から電文を受信することができる。
狭域無線網N2、及びセンタ側網制御部20を介して第p子機Apがサーバ10から電文を受信した場合、第p子機Apは、受信した電文が自機宛の電文であるか否かを判定する。第p子機Apが受信した電文の宛先アドレスとして第p子機Apの識別番号が指定されている場合、受信した電文が自機宛の電文であると第p子機Apが判定する。そして、第p子機Apは、受信した電文に含まれるデータの内容に基づいて各種の処理を実行することができる。
第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々は、例えば、需要家に設置される。第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々は、メータを含む。本実施形態では、第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々は、事業体から需要家に対して供給される水道、ガス、及び電気のような供給物の使用量を計測する。
なお、第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々が計測する対象は、特に限定されない。第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々は、例えば、気温、大気汚染、及び地震のような環境の物理量を計測してもよい。
第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々は、例えば、8ビット系メータであり、8ビット系の電文フォーマットによりセンタ側の装置と通信する機能を有する。
第p計測装置Bpは、第p子機Apに接続される。第p計測装置Bpは、第1計測装置B1~第N計測装置BNのうちのいずれかを示す。
第p計測装置Bpは、第p計測装置Bpが計測した供給物の使用量の計測値を第p子機Apに出力する。第p計測装置Bpと第p子機Apとは、電線1を介して有線接続される。なお、第p計測装置Bpと第p子機Apとが無線接続されてもよい。
第p子機Apは、第p計測装置Bpから供給物の使用量の計測値を取得する。その結果、第p計測装置Bpの計測値は、第p子機Ap、及び親機30を介してサーバ10に送信される。
第1計測装置B1~第N計測装置BNの各々の計測値は、サーバ10に収集される。その結果、サーバ10は、複数の需要家の供給物の使用量を把握することができる。
次に、図2を参照して、サーバ10について説明する。図2は、サーバ10のブロック図である。
図2に示すように、サーバ10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13とを有する。
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部11は、制御部12によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。また、記憶部11は、例えば、複数の需要家の識別番号と、複数の需要家の供給物の使用量とをそれぞれ対応付けた顧客情報を記憶する。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部12は、記憶部11に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ10の各要素を制御する。
通信部13は、広域無線網N1を介して親機30と無線通信を行う。通信部13は、例えば、FOMAのような広域通信可能な通信モジュールである。なお、通信部13は、親機30と有線通信を行ってもよい。
次に、図3を参照して、親機30について説明する。図3は、親機30のブロック図である。
図3に示すように、親機30は、記憶部31と、制御部32と、入力部33と、表示部34と、広域無線通信部35と、狭域無線通信部36と、接続部37とを有する。
記憶部31は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部31は、制御部32によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
記憶部31は、親機30を稼働させるための設定情報αを記憶する。親機30の設定情報αは、親機30が第1子機A1~第N子機ANと無線通信を行うために設定される情報とを含む。親機30の設定情報αは、例えば、親機30の識別番号、第1子機A1~第N子機ANの各々の識別番号、現在の時刻、及び/又は、無線チャネルを示す。
制御部32は、プロセッサーを含む。制御部32は、記憶部31に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、親機30の各要素を制御する。
入力部33は、親機30に対する指示を受け付ける。入力部33は、例えば、ディップスイッチのような各種スイッチ、ボタン、及び/又は、タッチパネルを含む。
表示部34は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部34は、例えば、LED、及び液晶表示パネルを含む。
広域無線通信部35は、アンテナ(不図示)を通じて電波を送信及び受信することによって、広域無線網N1を介した無線通信を行う。広域無線通信部35は、例えば、FOMAのような広域通信可能な通信モジュールである。親機30は、例えば、広域無線通信部35を介して第p計測装置Bpの計測値をサーバ10へ送信する。
広域無線通信部35は、アンテナにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより電文を取得する。広域無線通信部35は、デコードして得られる電文を制御部32へ出力する。制御部32は、例えば、広域無線通信部35から出力された電文を取得した場合、取得した電文に応じた処理を行う。制御部32は、例えば、広域無線通信部35から出力された電文を取得した場合、狭域無線通信部36を介して第1子機A1~第N子機ANの各々へ電文を転送する処理を行う。
本実施形態では、広域無線通信部35は親機30に含まれる。しかし、本発明はこれに限定されない。広域無線通信部35は外部の端末に含まれ、親機30に含まれなくてもよい。この場合、親機30から外部の端末に通信を行い、外部の端末の広域無線通信35を経由して電文を送信する。
狭域無線通信部36は、アンテナ(不図示)を介して電波を発信及び受信することによって、第1子機A1~第N子機ANとの間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば、特定小電力無線方式が採用される。特定小電力無線方式では、周波数割当帯域として、426MHz帯域の他、より通信速度の速い920MHz帯域が用いられる。狭域無線通信部36は、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを使用した通信モジュールである。
狭域無線通信部36の電文送信処理の一例を説明する。狭域無線通信部36は、電文の送信先の第p子機Apを探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。ビーコンには、親機30を識別するための無線機番号が含まれている。狭域無線通信部36は、第p子機Apが送信したビーコンを受信した場合、ピーコンに含まれる無線機番号より特定される第p子機Apに電文を送信する。
狭域無線通信部36の電文送信処理の二例を説明する。狭域無線通信部36は、第p子機Apに電文を送信する際に、第p子機Apを起動するための起動信号を送信する。そして、第p子機Apが起動信号に対する応答を返すと、狭域無線通信部36は、第p子機Apに電文を送信する。
接続部37は、設定器50を接続するための1又は複数のポートを有する。親機30は、接続部37を介して設定器50と有線接続可能である。親機30は、例えば、電線1によって設定器50と有線接続される。
親機30に設定器50が有線接続されることで、親機30に対し設定情報αを設定することが可能になる。設定情報αを設定するとは、設定情報αを最初に設定することと、設定情報αを再設定することとの両方の意味を含む。
次に、図4を参照して、第p子機Apについて説明する。図4は、第p子機Apのブロック図である。
図4に示すように、第p子機Apは、第p記憶部41pと、第p制御部42pと、第p入力部43pと、第p表示部44pと、第p狭域無線通信部45pと、第p計測装置用接続部46pと、第p設定器用接続部47pとを有する。
第p記憶部41pは、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。第p記憶部41pは、第p制御部42pによって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
第p記憶部41pは、第p子機Apを稼働させるための第p設定情報βpを記憶する。第p設定情報βpは、第p子機Apが親機30と無線通信を行うために設定される情報を含む。また、第p設定情報βpは、第p子機Apが、他の子機と無線通信を行うために設定される情報を含む。他の子機は、第1子機A1~第N子機ANのうち第p子機Ap以外の子機を示す。
第p設定情報βpは、例えば、親機30の識別番号、第1子機A1~第N子機ANの各々の識別番号、現在の時刻、第p計測装置Bpの計測値を第p子機Apが取得する予定時刻、及び/又は、無線チャネルを示す。
第p制御部42pは、プロセッサーを含む。第p制御部42pは、第p記憶部41pに記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、第p子機Apの各要素を制御する。
第p入力部43pは、第p子機Apに対する指示を受け付ける。第p入力部43pは、例えば、ディップスイッチのような各種スイッチ、ボタン、及び/又は、タッチパネルを含む。
第p表示部44pは、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。第p表示部44pは、例えば、LED、及び液晶表示パネルを含む。
第p狭域無線通信部45pは、アンテナ(不図示)を介して電波を送信及び受信することによって、親機30及び他の子機との間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。第p狭域無線通信部45pは、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを使用した通信モジュールである。第p狭域無線通信部45pは、親機30の狭域無線通信部36と同様の機能を有する。
第p計測装置用接続部46pは、第p計測装置Bpを接続するための1又は複数のポートを備える。第p計測装置用接続部46pは、電線1によって第p計測装置Bpと有線接続される。第p計測装置用接続部46pは、電線1を介して第p計測装置Bpの計測値を取得する。
第p設定器用接続部47pは、設定器50を接続するための1又は複数のポートを有する。第p子機Apは、第p設定器用接続部47pを介して設定器50と有線接続可能である。第p子機Apは、例えば、電線1を介して設定器50と有線接続される。なお、設定器50は、第p設定器用接続部47pの代わりに第p計測装置用接続部46pに接続してもよい。
なお、第1子機A1に設定器50が有線接続された状態は、本実施形態のように、電線1のような電気信号を送信可能な線材を介して第1子機A1と設定器50とが互いに接続された状態に限定されない。第1子機A1に設定器50が有線接続された状態には、電線1のような線材を用いずに、第1子機A1の第2接続部471と、設定器50の接続部55とが互いに連結された状態も含まれる。第1子機A1の第2接続部471と、設定器50の接続部55とが互いに連結された状態は、設定器50の接続部55とが直接に連結された状態と、設定器50の接続部55とがアダプタのような介在部材を介して間接に連結された状態とを含む。
第p子機Apに設定器50が有線接続されることで、第p子機Apに対し第p設定情報βpを設定することが可能になる。第p設定情報βpを設定するとは、第p子機Apに対し第p設定情報βpを最初に設定することと、第p子機Apに対し第p設定情報βpを再設定することとの両方の意味を含む。
第1子機A1~第N子機ANに対しては、それぞれ、第1設定情報β1~第N設定情報βNが設定される。
次に、図5を参照して、設定器50について説明する。図5は、設定器50のブロック図である。
設定器50は、親機30に対し設定情報αを設定するためのデバイスである。また、設定器50は、第1子機A1~第N子機ANに対し、それぞれ、第1設定情報β1~第N設定情報βNを設定するためのデバイスである。
設定器50は、記憶部51と、制御部52と、入力部53と、表示部54と、接続部55とを有する。
記憶部51は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部51は、制御部52によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
制御部52は、プロセッサーを含む。制御部52は、記憶部51に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、設定器50の各要素を制御する。
入力部53は、親機30の設定情報αの入力を受け付ける。また、入力部53は、第p設定情報βpの入力を受け付ける。入力部53は、例えば、ディップスイッチのような各種スイッチ、ボタン、及び/又は、タッチパネルを含む。
表示部54は、例えば、親機30の設定情報αの入力画面、及び第p設定情報βpの入力画面を表示する。表示部54は、例えば、LED、及び液晶表示パネルを含む。
次に、図6から図10を参照して、子機の第p設定情報βpを設定する手順について説明する。図6は、子機の第p設定情報βpを設定する手順を示すフロー図である。
図6に示すように、ステップS10において、第1子機A1~第N子機ANの各々がデフォルトの状態では、第1子機A1~第N子機ANの各々の動作モードが通常モードに設定される。
通常モードは、例えば、第p子機Apが第p計測装置Bpの測定値を取得する動作、及び取得した測定値を親機30へ送信する動作を行い、無線テレメータシステム100の一要素として動作するときの第p子機Apの動作モードを示す。
ステップS20において、第1子機A1に設定器50が有線接続されているか否かを、第1子機A1の第1制御部421が判定する。第1子機A1に設定器50が有線接続されると、設定器50の制御部52が、第1子機A1の第1制御部421に対し、設定器50が有線接続されたことを示す接続情報を送信する。
第1子機A1の第1制御部421は、接続情報を受信した場合、第1子機A1に設定器50が有線接続されていると判定する(ステップS20で、Yes)。ステップS20で、Yesの場合、処理がステップS30に移行する。
これに対し、第1子機A1の第1制御部421は、接続情報を受信しない場合、第1子機A1に設定器50が有線接続されていないと判定する(ステップS20で、No)。ステップS20で、Noの場合、ステップS20に示す処理が繰り返される。
ステップS30において、設定器50の入力部53は、対象子機の指定を受け付ける。つまり、作業者は、設定器50の入力部53を介して、対象子機を指定する。
対象子機は、第1子機A1~第N子機ANのうち、設定情報を設定される子機を示す。
作業者は、例えば、設定器50の入力部53を介して、対象子機の識別番号を入力することで、対象子機を指定する。作業者は、対象子機として第1子機A1を指定する場合、入力部53を介して、第1子機A1の識別番号を入力する。作業者は、対象子機として第q子機Aqを指定する場合、入力部53を介して、第q子機Aqの識別番号を入力する。入力部53が受け付けた対象子機の識別番号は、電線1を介して第1子機A1に有線送信される。qは、2以上、N以下の整数である。
なお、ステップS30において、作業者が第1子機A1を対象子機に指定する場合、作業者は第1子機A1の識別情報を入力しなくてもよく、対象子機の識別情報を入力する作業が不要とされてもよい。そして、作業者が、第2子機A2~第N子機ANのうちのいずれかを対象子機に指定する場合のみ、対象子機の識別情報を入力する作業が必要とされてもよい。
ステップS40において、設定器50の入力部53は、対象子機の設定情報を受け付ける。つまり、作業者は、入力部53を介して、対象子機の設定情報を入力する。例えば、作業者は、第1子機A1を対象子機に指定した場合、入力部53を介して第1設定情報β1を入力する。また、作業者は、第q子機Aqを対象子機に指定した場合、入力部53を介して第q設定情報βqを入力する。入力部53が受け付けた対象子機の識別情報は、電線1を介して第1子機A1に有線送信される。
ステップS50において、第1子機A1の第1制御部421は、第1子機A1の動作モードとして無線設定器モードが選択されたか否かを判定する。詳細には、第1子機A1の第1制御部421は、第1子機A1の動作モードとして、無線設定器モード、及び有線設定器モードのうちいずれが選択されたかを判定する。
無線設定器モードは、第1子機A1を介して第q子機Aqに対し第q設定情報βqが設定されるときの第1子機A1及び第q子機Aqの各々の動作モードを示す。第q子機Aqは、第1子機A1以外の子機であり、第2子機A2~第N子機ANのうちのいずれかを示す。第q子機Aqは、本発明の第q端末の一例である。
有線設定器モードは、第1子機A1に対し第1設定情報β1が設定されるときの第1子機A1の動作モードを示す。
作業者は、設定器50の入力部53を介して、無線設定器モード、及び有線設定器モードのうちのいずれかを選択する。入力部53が受け付けた無線設定器モードを選択することを示す情報、及び有線設定器モードを選択することを示す情報は、電線1を介して第1子機A1の第1制御部421に有線送信される。
図7は、無線設定器モードを示す模式図である。
図7に示すように、作業者は、第q子機Aqに対し第q設定情報βqを設定する場合、無線設定器モードを選択する。この場合、作業者は、設定器50の入力部53を介して無線選択情報を入力する。無線選択情報は、無線設定器モードを選択することを示す情報である。設定器50の入力部53が無線選択情報を受け付けると、設定器50の制御部52は、第1子機A1の第1制御部421に対し電線1を介して無線選択情報を送信する。無線選択情報は、無線設定器モードが選択されたことを示す情報である。第1子機A1の第1制御部421が無線選択情報を受信すると、第1子機A1の第1制御部421は、無線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、Yes)。ステップS50で、Yesの場合、処理がステップS60に移行する。無線選択情報は、本発明の指定情報の一例である。
図8は、有線設定器モードを示す模式図である。
図8に示すように、作業者は、第1子機A1に対し第1設定情報β1を設定する場合、有線設定器モードを選択する。この場合、作業者は、設定器50の入力部53を介して有線選択情報を入力する。有線選択情報は、有線設定器モードを選択することを示す情報である。設定器50の入力部53が有線選択情報を受け付けると、設定器50の制御部52は、第1子機A1の第1制御部421に対し電線1を介して有線選択情報を出力する。有線選択情報は、有線設定器モードが選択されたことを示す情報である。第1子機A1の第1制御部421が有線選択情報を受信すると、第1子機A1の第1制御部421は、有線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、No)。ステップS50で、Noの場合、処理がステップS110に移行する。有線選択情報は、本発明の指定情報の二例である。
なお、設定器50が無線選択情報を送信せずに、第1設定情報β1を送信し、第1子機A1の第1制御部421が無線選択情報を受信せずに第1設定情報β1を受信した場合、第1子機A1の第1制御部421は、有線設定器モードが選択されたと判定してもよい(ステップS50で、No)。言い換えれば、第1子機A1の第1制御部421は、無線選択情報を受信した場合、無線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、Yes)。これに対し、第1子機A1の第1制御部421は、無線選択情報及び有線選択情報を受信することなく第1設定情報β1を受信した場合、有線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、No)。その結果、有線設定情報の入力が不要になる。
また、第1子機A1の第1制御部421は、以下のように、無線設定器モードと有線設定器モードとのうちいずれが選択されたかを判定してもよい。まず、第1子機A1の第1制御部421は、有線選択情報を受信した場合、有線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、No)。これに対し、第1子機A1の第1制御部421は、無線選択情報及び有線選択情報を受信することなく第q設定情報βqを受信した場合、無線設定器モードが選択されたと判定する(ステップS50で、Yes)。その結果、無線設定情報の入力が不要になる。
なお、ユーザーは、対象子機の識別番号(ステップS30参照)と、対象子機の設定情報(ステップS40参照)と、無線選択情報又は有線選択情報(ステップS50参照)とを一括して入力部53に入力する。そして、第1子機A1の第1制御部421は、対象子機の識別番号と、対象子機の設定情報と、無線選択情報又は有線選択情報とを同時に受信してもよい。
図6及び図7に示すように、ステップS60において、第1子機A1の第1制御部421は、第1子機A1の動作モードを無線設定器モードに決定する。その結果、第1子機A1の動作モードが通常モードから無線設定器モードに移行する。
本実施形態では、第1子機A1の動作モードが無線設定器モードのとき、第1子機A1の第1制御部421は、第2子機A2~第N子機ANの各々からの電文を受け付けない。また、第1子機A1の動作モードが無線設定器モードのとき、第1子機A1の第1制御部421は、親機30からの電文を受け付けない。
ステップS70において、第1子機A1の第1制御部421は、第q子機Aqの第q制御部42qに対し、対象子機に指定されたことを示す対象情報を送信する。対象情報は、第1子機A1の第1狭域無線通信部451、及び第q子機Aqの第q狭域無線通信部45qにより、第1子機A1から第q子機Aqへ無線送信される。対象情報は、言い換えれば、第1子機A1が第q子機Aqに対し設定器50の代わりに第q設定情報βqを送信することを、第q子機Aqに認識させるための情報である。
第1狭域無線通信部451は、本発明の第1通信部の一例である。第q狭域無線通信部45qは、本発明の第q通信部の一例である。
第q子機Aqの第q制御部42qが対象情報を受信すると、第q子機Aqの動作モードが通常モードから無線設定器モードに移行する。
本実施形態では、第q子機Aqの動作モードが無線設定器モードのとき、第q子機Aqの第q制御部42qは、他の子機からの電文を受け付けない。また、第q子機Aqの動作モードが無線設定器モードのとき、第q子機Aqの第q制御部42qは、親機30からの電文を受け付けない。また、第q子機Aqの動作モードが無線設定器モードのとき、第q子機Aqの第q制御部42qは、第1子機A1から無線送信される情報は、第q子機Aqでクローズドする情報であり、かつ、第q設定情報βqであると認識する。
ステップS80において、第q子機Aqに対する第q設定情報βqの設定処理(無線制御動作)が行われる。
図9は、第q子機Aqに対する第q設定情報βqの設定処理を示すフロー図である。図7及び図9を参照して、本発明の第1実施形態である第q子機Aqに対する第q設定情報βqの設定処理について説明する。
ステップS81において、第1子機A1の第1制御部421が、第1狭域無線通信部451により第q子機Aqに対し、第q設定情報βqを無線送信する。
ステップS82において、第1子機A1から無線送信された第q設定情報βqを、第q子機Aqの第q制御部42qが第q狭域無線通信部45qにより受信する。
ステップS83において、第q子機Aqの第q制御部42qは、第q設定情報βqを受信することで、第q設定情報βqの設定を受け付ける。その結果、第q子機Aqに対し第q設定情報βqが設定される。
第q制御部42qが第q設定情報βqの設定を受け付けるとは、通常モード時において、第q子機Aqの第q制御部42qが第q設定情報βqに基づいて稼働することを示す。
なお、第q子機Aqに対し第q設定情報βqが設定される際、第q設定情報βqが第q記憶部41qに記憶される。なお、第q設定情報βqが再設定される場合は、第q記憶部41qに記憶される第q設定情報βqが最新のものに更新される。
ステップS83に示す処理が終了すると、処理がステップS90に移行する。
図6及び図7に示すように、ステップS90において、第1子機A1の第1制御部421は、第q設定情報βqの設定処理が終了したか否かを判定する。
第q設定情報βqの設定処理が終了すると、作業者は、設定器50の入力部53を介して、第q設定情報βqの設定処理が終了したことを示す第q終了情報を入力する。第q終了情報は、電線1を介して設定器50から第1子機A1に有線送信される。また、第q終了情報は、第1狭域無線通信部451及び第q狭域無線通信部45qにより、第1子機A1から第q子機Aqに無線送信される。
第1子機A1の第1制御部421は、第q終了情報を受信した場合、第q設定情報βqの設定処理が終了したと判定する(ステップS90で、Yes)。ステップS90で、Yesの場合、処理がステップS100に移行する。
これに対し、第1子機A1の第1制御部421は、第q終了情報を受信しない場合、第q設定情報βqの設定処理が終了していないと判定する(ステップS90で、No)。ステップS90で、Noの場合、処理がステップS80に移行する。
ステップS100において、第1子機A1の第1制御部421が第q終了情報を受信すると、第1子機A1の動作モードが無線設定器モードから通常モードに移行する。また、第q子機Aqの第q制御部42qが第q終了情報を受信すると、第q子機Aqの動作モードが無線設定器モードから通常モードに移行する。その結果、第q子機Aqに対し第q設定情報βqを設定する処理が終了する。
ステップS110において、第1子機A1の第1制御部421は、第1子機A1の動作モードを有線設定器モードに決定する。その結果、第1子機A1の動作モードが通常モードから有線設定器モードに移行する。
ステップS120において、第1子機A1に対する第1設定情報β1の設定処理(有線制御動作)が行われる。
図10は、第1子機A1に対する第1設定情報β1の設定処理を示すフロー図である。図8及び図10を参照して、本発明の第2実施形態である第1子機A1に対する第1設定情報β1の設定処理について説明する。
図8及び図10に示すように、ステップS121において、第1子機A1の第1制御部421は、第1設定情報β1を受信することで、第1設定情報β1の設定を受け付ける。その結果、第1子機A1に対し第1設定情報β1が設定される。
ステップS121に示す処理が終了すると、処理がステップS130に移行する。
図6及び図8に示すように、ステップS130において、第1子機A1の第1制御部421は、第1設定情報β1の設定処理が終了したか否かを判定する。
第1設定情報β1の設定処理が終了すると、作業者は、設定器50の入力部53を介して、第1設定情報β1の設定処理が終了したことを示す第1終了情報を入力する。第1終了情報は、電線1を介して設定器50から第1子機A1に有線送信される。
第1子機A1の第1制御部421は、第1終了情報を受信した場合、第1設定情報β1の設定処理が終了したと判定する(ステップS130で、Yes)。ステップS130で、Yesの場合、処理がステップS140に移行する。
これに対し、第1子機A1の第1制御部421は、第1終了情報を受信しない場合、第1設定情報β1の設定処理が終了していないと判定する(ステップS130で、No)。ステップS130で、Noの場合、処理がステップS120に移行する。
ステップS140において、第1子機A1の第1制御部421が第1終了情報を受信すると、第1子機A1の動作モードが無線設定器モードから通常モードに移行する。その結果、第1子機A1に対し第1設定情報β1を設定する処理が終了する。
以上、図6から図10を参照して説明したように、ステップS81からステップS83において、第1子機A1に設定器50が有線接続された状態で、設定器50を介して第1子機A1に入力された第q子機Aqの第q設定情報βqを、第1制御部421が第1狭域無線通信部451により第q子機Aqに無線送信することで、第q子機Aqに対し第q設定情報βqを設定する。従って、作業者は、第q子機Aqに対し第q設定情報βqを設定する際、第q子機Aqの設置場所まで移動する必要がなく、第1子機A1の設置場所から第q子機Aqに対し第q設定情報βqを設定することができる。その結果、作業者は、第1子機A1の無線通信機能を利用して無線経由で複数の子機に対し設定情報を設定でき、複数の子機に対し設定情報を容易に設定することができる。
なお、設定器50に対し無線通信機能を持たせ、第1子機A1を介することなく、設定器50と第q子機Aqとを無線接続する。そして、第q子機Aqに対し、設定器50から無線信号を送信して、第q設定情報βqを設定する構成が考えられる。しかし、既にある設定器50に無線通信機能を追加して、既にある設定器50を設計変更しなければならず、設定器50の製造コストの点で不利である。また、設定器50の装置構成が複雑になる。これに対し、本実施形態のように、既にある設定器50を設計変更することなく、第1子機A1の無線通信機能を利用することで、第q子機Aqに対し第q設定情報βqを合理的に設定することができる。また、既にある設定器50を利用するので設定器50の製造コストの増加を抑制できる。また、設定器50に無線通信機能を追加する必要がなく、設定器50の装置構成をシンプルにすることができる。
また、ステップS50に示すように、第1制御部421の動作モードを、無線設定器モード及び有線設定器モードのうちのいずれかに決定可能である。従って、作業者は、設定情報の設定対象の子機に合わせて第1制御部421の動作モードを変更することができる。
以上、図面(図1~図10)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において第3実施形態として実施することが可能である(例えば、(1)~(2))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本実施形態では、無線設定器モードにおいて、第1子機A1に設定器50が有線接続された状態で、第1子機A1を介して第q子機Aqに対し無線通信を用いて第q設定情報βqが設定される。しかし、本発明は、これに限定されない。
無線設定器モードにおいて、第1子機A1に設定器50が有線接続された状態で、第1子機A1を介して親機30に対し無線通信を用いて設定情報αが設定されてもよい。つまり、親機30を、本発明の第q端末の一例に含めてもよい。
また、無線設定器モードにおいて、親機30に設定器50が有線接続された状態で、親機30を介して第p子機Apに対し無線通信を用いて第p設定情報βpが設定されてもよい。つまり、親機30を、本発明の第1端末の一例に含めてもよい。
また、親機30が複数の場合、複数の親機30のうちの第1の親機に設定器50が有線接続された状態で、第1の親機を介して第2の親機に対し無線通信を用いて設定情報αが設定されてもよい。つまり、第1の親機を本発明の第1端末の一例に含め、さらに、第2の親機を本発明の第q端末の一例に含めてもよい。
(2)親機30との親子関係の縁組が完了していない第p子機Apが親機30との縁組が完了するまでは、第p子機Apの動作モードが無線機設定モードに移行できないようにしてもよい。また、親機30との親子関係の縁組が完了していない第p子機Apに対し設定器50が有線接続され、設定器50から第p子機Apに信号が送信された場合、設定器50と第p子機Apとの間に親子関係の縁組が成立しないようにしてもよい。この場合、例えば、設定器50からの信号が縁組の信号ではないことを示すフラグを設定器50及び/又は第p子機Apに設けることにより、設定器50と第p子機Apとの間に親子関係の縁組が成立することを防止する。
(3)図6に示すステップS30に示す処理が、ステップS60に示す処理と、ステップS70に示す処理との間に行われてもよい。
(4)図6に示すステップS50で無線設定器モードが選択される場合、ステップS40に示す処理がステップS70に示す処理と、ステップS80に示す処理との間に行われてもよい。しかし、本実施形態のように、ステップS70に示す処理よりも前(第1子機A1と第q子機Aqとが無線接続されるよりも前)にステップS40に示す処理が行われる方が、無線接続後、作業者による設定情報の入力待ちにより、第1子機A1の消費電力が増加することを抑制できる点で有利である。
(5)図6に示すステップS50で有線設定器モードが選択される場合、ステップS40に示す処理がステップS110に示す処理と、ステップS120に示す処理との間に行われてもよい。
(6)本実施形態では、設定器50は、第1子機A1に有線接続され、第1子機A1と有線通信する。しかし、本発明は、これに限定されない。設定器50は、第1子機A1~第N子機ANの各々と限定接続可能であってもよい。そして、設定器50は、第1子機A1に限定接続され、第1子機A1と無線通信を行ってもよい。限定接続は、設定器50と第1子機A1との無線通信可能な距離が所定の距離の範囲内に限られた設定器50と第1子機A1との無線による接続を示す。所定の距離は、例えば、100メートルである。設定器50は、第1子機A1に限定接続されることで、第1子機A1と近距離の範囲で無線通信を行うことができる。
設定器50と第1子機A1とは、例えば、NFC、又はRFIDのような短距離無線用の通信モジュールにより限定接続される。なお、設定器50と第1子機A1とは、Bluetooh、又はZigBee(登録商標)のような無線PAN(WPAN)用の通信モジュールにより限定接続されてもよい。また、設定器50と第1子機A1とは、WiFiのような無線LAN用の通信モジュールにより限定接続されてもよい。
設定器50が第1子機A1に限定接続可能な場合、図6に示すステップS20において、第1子機A1に設定器50が限定接続されているか否かを、第1子機A1の第1制御部421が判定する。
設定器50が第1子機A1に限定接続される場合、有線機設定モードにおいて、設定器50に入力された第1設定情報β1は、設定器50から第1子機A1に無線送信される。その結果、第1子機A1に第1設定情報β1が設定される。
設定器50が第1子機A1に限定接続される場合、無線機設定モードにおいて、設定器50に入力された第q設定情報βqは、設定器50から第1子機A1に無線送信された後、第1子機A1から第q子機Aqに無線送信される。その結果、第q子機Aqに第q設定情報βqが設定される。
なお、第1子機A1と第q子機Aqとの無線通信可能な距離は、限定接続のように限定されない。第1子機A1及び第q子機Aqは、遠距離の無線通信を行うことができ、設定器50及び第1子機A1よりも広い範囲で無線通信を行うことができる。
設定器50が第1子機A1に限定接続されることで、作業者が設定器50と第1子機A1とを有線接続する手間を省くことができる。その結果、作業者は、複数の子機に対し設定情報をより容易に設定することができる。
また、作業者は、設定器50に対し限定接続可能な場所に位置する複数の子機のうち、バッテリの残量が最も多い子機に設定器50を限定接続し、他の子機に対し設定情報を設定することが可能になる。