JP7004121B2 - ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの配索構造 - Google Patents

ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの配索構造 Download PDF

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Description

本開示は、ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの配索構造に関する。
特許文献1は、電気ブレーキ用ケーブルとABSセンサ用ケーブルとを共通の外部シースで被覆して一体化した複合ケーブルを開示している。
特開2013-237428号公報
車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスにおいて、狭スペースへの配索にさらに適するようにすること、及び、耐屈曲性をさらに向上させることが望まれている。
そこで、本開示は、車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスにおいて、狭スペースへの配索に適するようにでき、かつ、耐屈曲性を向上させることを目的とする。
本開示のワイヤーハーネスは、車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスであって、第1配線部材と、第2配線部材と、を備え、前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々に分離している、ワイヤーハーネスである。
本開示のワイヤーハーネスの配索構造は、車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスの配索構造であって、前記ワイヤーハーネスは、第1配線部材と、第2配線部材と、を備え、前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々の経路となるように、前記第1配線部材及び前記第2配線部材が配索されている、ワイヤーハーネスの配索構造である。
本開示によれば、車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスにおいて、狭スペースへの配索に適するようにでき、かつ、耐屈曲性を向上させることができる。
図1は実施形態に係るワイヤーハーネスの配索構造を示す概略側面図である。 図2はワイヤーハーネスを示す概略図である。 図3は図2のIII-III線断面図である。 図4は変形例に係るワイヤーハーネスの配索構造を示す概略側面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤーハーネスは、次の通りである。
(1)車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスであって、第1配線部材と、第2配線部材と、を備え、前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々に分離している、ワイヤーハーネスである。このワイヤーハーネスによると、第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々に分離しているため、それらが束ねられている場合と比較して、耐屈曲性に優れ、別々に狭スペースにも配索し易い。このため、ワイヤーハーネス全体として、狭スペースへの配索に適するようにでき、かつ、耐屈曲性を向上させることができる。
(2)(1)のワイヤーハーネスにおいて、前記第1配線部材は、信号線を含み、前記第2配線部材は、電源線を含み、前記第1配線部材のうちの外部経路長は、前記第2配線部材のうちの外部経路長よりも長くてもよい。信号線を電源線の外部経路長よりも長い外部経路長で容易に配索することができる。電源線については信号線の外部経路長よりも短い外部経路長で容易に配索することができる。
(3)(1)又は(2)のワイヤーハーネスにおいて、前記第1配線部材に含まれる電線は、前記第2配線部材に含まれる電線よりも細く、前記第1配線部材のうちの外部経路長は、前記第2配線部材のうちの外部経路長よりも長くてもよい。細い電線を含む第1配線部材を、太い電線を含む第2配線部材の外部経路長よりも長い外部経路長で容易に配索することができる。太い電線を含む第2配線部材については第1配線部材の外部経路長よりも短い外部経路長で容易に配索することができる。
(4)(1)から(3)のいずれか1つのワイヤーハーネスにおいて、前記第1配線部材及び前記第2配線部材の少なくとも一方の端部は、共通するコネクタに接続されていてもよい。共通するコネクタに接続された前記第1配線部材及び前記第2配線部材を、車体外において、それぞれの耐屈曲性に応じた別々の経路に沿って配設することができる。
(5)(1)から(4)のいずれか1つのワイヤーハーネスにおいて、車輪を上下方向に移動可能に支持するアームに取付可能なブラケットが、前記第1配線部材に取付けられていてもよい。第1配線部材をアームに沿って支持することができる。このため、第1配線部材を、屈曲し易い経路を避けた経路に沿って配設し易い。
(6)(5)のワイヤーハーネスにおいて、前記ブラケットは、前記アームのうち車体側の回転軸寄りの位置に取付けられていてもよい。第1配線部材を、より屈曲し易い経路を避けた経路に沿って配設し易い。
また、本開示のワイヤーハーネスの配索構造は次の通りである。
(7)車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスの配索構造であって、前記ワイヤーハーネスは、第1配線部材と、第2配線部材と、を備え、前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々の経路となるように、前記第1配線部材及び前記第2配線部材が配索されている、ワイヤーハーネスの配索構造である。第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが別々の経路となるように分離しているため、それらが束ねられている場合と比較して、耐屈曲性に優れ、別々に狭スペースにも配索し易い。このため、ワイヤーハーネス全体として、狭スペースへの配索に適するようにでき、かつ、耐屈曲性を向上させることができる。
(8)(7)のワイヤーハーネスの配索構造において、前記第1配線部材及び前記第2配線部材の少なくとも一方の端部は、共通するコネクタに接続されていてもよい。共通するコネクタに接続された前記第1配線部材及び前記第2配線部材が、車体外において、別々の経路に沿って配設される。
(9)(7)又は(8)のワイヤーハーネスの配索構造において、前記第1配線部材は、車輪を上下方向に移動可能に支持するアームの少なくとも一部に沿って配索されていてもよい。第1配線部材がアームに沿って配索される。このため、第1配線部材を、屈曲し易い経路を避けた経路に沿って配設し易い。
(10)(9)のワイヤーハーネスの配索構造において、前記第1配線部材は、前記アームのうち前記アームが車体に支持される際の回転軸寄りの位置を経由してもよい。第1配線部材を、より屈曲し易い経路を避けた経路に沿って配設し易い。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの配索構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態]
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの配索構造について説明する。図1はワイヤーハーネス40の配索構造30を示す概略側面図である。図2はワイヤーハーネス40を示す概略図である。図3は図2のIII-III線断面図である。
ワイヤーハーネス40は、車体側機器18と車輪側機器28とを接続する配線用の部材である。このワイヤーハーネス40は、車体側機器18と車輪側機器28とを接続する経路に沿って配索された状態で車体10に取付けられる。
車体10は、自動車における車体である。図1では、車体10のうち車輪20の周りの部分が図示される。車体10は、フロア部分12と、ボディ部分14とを備える。フロア部分12は、地面に面する部分である。ボディ部分14は、フロア部分12の上側に設けられ、車体10の外装をなす。車体10は、剛性体であるフレームとボディとを一体化したモノコックボディであってもよいし、フレーム上にボディを搭載した構成であってもよい。なお、以下の説明において、自動車が通常走行する場合の走行方向を前、その反対側を後ろという場合がある。
車体10に車輪20が回転可能に支持される。図1に示す例では、フェンダーエプロン16内に車輪20が回転可能に支持される。懸架装置は、車軸懸架方式、独立懸架方式、トーションビーム懸架方式等、如何なる懸架方式で車輪20を支持するものであってもよい。図1に示す例では、アーム32が車輪20を支持している。より具体的には、アーム32は車体10の前後方向に延在するように設けられる。ここでは、アーム32の基端部は、車輪20に対して前方に延びている。アーム32の基端部は、車体側支持部13によって揺れ動き可能に支持される。アーム32の基端部が揺れ動く際に中心となる軸Xは、アーム32が揺れ動く際の車体10側の回転軸Xである。本実施形態では、回転軸Xは、車体10の左右方向に沿っている。アームの基端部は、車輪に対して斜め前方、内側、斜め後方、後方等でフロア部分に揺れ動き可能に支持されていてもよい。これらの場合において、アームが揺れ動く際の車体側の回転軸は、車体の左右方向に沿っていてもよいし、前後方向に沿っていてもよいし、左右方向及び前後方向の両方に対して斜め方向に沿っていてもよい。
アーム32の先端部は、車体側支持部13からフェンダーエプロン16内に向けて(ここでは後方に向けて)延びる。アーム32の先端部には、軸受部34が設けられている。この軸受部34によって、車輪20がフェンダーエプロン16内で回転可能に支持される。アーム32の先端部と車体10との間にバネ35及びダンパー36が設けられている。
上記したように、アーム32の基端部が車体側支持部13によって揺れ動き可能に支持されているため、アーム32は、車輪20を、フェンダーエプロン16内で上下方向に移動可能に支持している。アーム32によって車輪20の移動方向が規制された状態で、バネ35及びダンパー36がアーム32の先端部と車体10との間に介在する。このバネ35及びダンパー36が、走行時における路面の凹凸による衝撃を吸収する。
車体10側に車体側機器18が設けられ、車輪20側に車輪側機器28が設けられる。車輪側機器28は、車輪20に組込まれ、車体10に対して当該車輪20と共に上下方向に動く機器である。かかる車輪側機器28としては、センサ、電動ブレーキ、走行用モータ等であることが想定される。センサは、例えば、車輪の回転速度を検出するセンサである。電動ブレーキは、モータ等を含み、電気を動力として車輪20の回転を制動するブレーキである。電動ブレーキは、自動車の駐停車時に使用される電動パーキングブレーキであってもよいし、自動車の走行時に使用されるブレーキであってもよい。走行用モータは、車輪20に組込まれ、車輪20を回転させるモータであり、いわゆるインホイールモータである。車体側機器18は、車輪側機器28との間で信号を送受したり、電力を供給したりする機器である。例えば、車体側機器18は、センサからの信号を受信したり、上記電動ブレーキ又は走行用モータを制御したりするECU(Electronic Control Unit)である。車体側機器18は、車体10内に設けられてもよいし、車体10外に設けられてもよい。ここでは、車体側機器18は、車体10内に設けられている。
本実施形態では、車体10内に車体側機器18が設けられ、車輪20に2つの車輪側機器28、28が設けられる場合が例示されている。車体側に複数の車体側機器18が設けられてもよい。車輪側に1つ又は3つ以上の車輪側機器が設けられてもよい。また、本実施形態では、ワイヤーハーネス40の一端部が車体側機器18に接続され、他端部が車輪側機器28、28に接続される場合が示される。ワイヤーハーネス40の一端部が他のワイヤーハーネスを介して車体側機器に接続されてもよい。
ワイヤーハーネス40は、第1配線部材50と、第2配線部材60とを備える。第1配線部材50のうちの外部経路部分50aの少なくとも一部と、第2配線部材60のうちの外部経路部分の少なくとも一部とは、車体10の外において別々に配索可能なように分離している。ここでは、第1配線部材50のうちの外部経路部分50aの少なくとも一部と、第2配線部材60のうちの外部経路部分の少なくとも一部とは、車体10の外において別々に分離している。ここで、配線部材50、60のうち車体10の外を通る部分を外部経路部分50a、60aということとする。つまり、配線部材50、60における外部経路部分50a、60aとは、車体10に対して車輪20が変位することによって、車体10と車輪20との間で曲げ変形が生じ得る部分である。自動車における配線部材50、60の経路によって、配線部材50、60の全体が外部経路部分となる場合もあるし、配線部材50、60の一部が外部経路部分となる場合もある。本実施形態では、車体側機器18が車体10内に設けられているため、配線部材50、60は、車体10内から車体10外を経て車輪20に案内される。このため、配線部材50、60の一部が外部経路部分50a、50aである。
上記外部経路部分50aと、外部経路部分60aとは、シース、コルゲートチューブ、粘着テープ等によっては束ねられていない。このため、外部経路部分50aと、外部経路部分60aは、相互に離れて別々の経路に沿って配索可能とされている。なお、第1配線部材50及び第2配線部材60は、車体10内において1つに束ねられていてもよい。図1では外部経路部分50aの全体と外部経路部分50bの全体とが、車体10の外において別々に分離している例が示される。外部経路部分50aの一部と外部経路部分50bの一部とが車体10の外において別々に分離し、外部経路部分50aの他の部分と外部経路部分50bの他の部分とが分離せずに束ねられていてもよい。
外部経路部分50aと、外部経路部分60aとは、それらを1つに束ねた場合と比較して細い。このため、外部経路部分50aと外部経路部分60aとのそれぞれは、比較的狭いスペースに容易に配索され得る。また、外部経路部分50aと外部経路部分60aとのそれぞれは、それらを束ねたものと比較して、容易に曲り得る。
より具体的には、第2配線部材60は、フェンダーエプロン16に形成された孔16hを通って外側に引出される。孔16hは、フェンダーエプロン16のうち車輪20の径方向外側部分に形成されていてもよいし、フェンダーエプロン16のうち車輪20に対して車幅方向内側の部分に形成されていてもよい。第1配線部材50は、車体10のフロア部分12に形成された孔12hを通って外側に引出される。孔12hは、フロア部分12のうち車体側支持部13の周りの部分に形成されている。孔12hは、フロア部分12のうち車輪20と車体側支持部13との間の部分に形成されていてもよく、その他の部分に形成されていてもよい。
配線部材50、60の長手方向の途中にグロメット51、61が設けられている。グロメット51、61は、ゴム等の弾性材によって形成された環状部材であり、配線部材50、60に外嵌めされている。グロメット51、61の外周部に孔12h、16hの縁が嵌る環状溝が形成されてもよい。グロメット51、61は、配線部材50、60と車体10に形成された孔又は隙間との間に介在し、配線部材50、60を保護すると共に水の侵入を抑制することができる。
本実施形態においては、第1配線部材50のうちグロメット51から車輪側機器28に接続される端部に至る部分が外部経路部分50aである。第2配線部材60のうちグロメット61から車輪側機器28に接続される端部に至る部分が外部経路部分60aである。配線部材50、60における外部経路部分は、必ずしもグロメットを基準として区別される必要は無く、例えば、配線部材50、60を車体に取付けるためのブラケット、車体10の取付状態等を手掛りとして区別されてもよい。
第1配線部材50は、第1電線52、52を含む。第1電線52、52は、例えば、信号線である。例えば、例えば、第1配線部材50がセンサに接続される場合、第1電線52、52は、センサの検出信号を出力する信号線であってよい。第1電線52、52は、その他、制御信号を伝送する信号線であってもよい。第1配線部材50は、信号線のみを含んでいてもよい。
第2配線部材60は、第2電線62、62を含む。第2電線62、62は、例えば、電源線である。第2配線部材60が電動ブレーキに接続される場合、第2電線62は、電動ブレーキを駆動するための電力を供給する電源線であってもよい。例えば、第2配線部材60が走行用モータに接続される場合、第2電線62、62は、走行用モータを駆動するための電力を供給する電源線であってもよい。第2配線部材60は、電源線のみを含んでいてもよい。
また、第1配線部材50に含まれる第1電線52、52は、第2配線部材60に含まれる第2電線62、62よりも細くもよい。この場合、電線の太さに応じて第1電線52,52の導体断面積を、第2電線62、62の導体断面積よりも小さくすることができる。このため、上記のように、第1電線52、52を信号線とし、第2電線62、62を電源線とするのに適する。
なお、第1配線部材50が異なる太さの第1電線52、52を含んでいてもよい。第2配線部材60が異なる太さの第2電線62、62を含んでいてもよい。この場合、第1配線部材50に含まれる第1電線52、52のうち最も太い電線が、第2配線部材60に含まれる第2電線62、62のうち最も細い電線よりも細ければよい。また、太さは、芯線及び被覆を含む横断面積(軸に対して直交する面における断面の面積)の大小で評価されるとよい。
第1配線部材50に含まれる第1電線52、52は、芯線52aと、被覆52bとを含む。芯線52aは、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等によって形成される。芯線52aは、複数の素線の集合体(通常は、撚り合せ体)であってもよいし、単一の素線によって構成されていてもよい。被覆52bは、芯線52aの周囲に、樹脂を押出被覆等することによって形成される。
第1電線52、52の周囲にシース53が形成される。シース53は、第1電線52、52を覆う樹脂である。シース53は、第1電線52、52の周囲に、樹脂を押出被覆等することによって形成される。
なお、第1配線部材50が複数の第1電線52、52を含むことは必須ではない。第1電線52、52がシース53によって覆われていることは必須ではない。第1電線52、52は、螺旋状に巻回された粘着テープ、コルゲートチューブ、ゴムチューブ等によって覆われていてもよい。第1配線部材50の延在方向において、第1電線52、52が束ねられていない部分が存在してもよい。
また、第1配線部材50の長手方向の中間部にブラケット58が設けられる。ブラケット58は、金属板をプレス加工等することによって形成される。ブラケット58は、電線取付部58aと、アーム側取付部58bとを含む。電線取付部58aは、第1電線52、52に取付けられる部分である。ここでは、電線取付部58aは、第1電線52、52周りのシース53を囲むように塑性変形加工されることで、当該第1配線部材50に取付けられる。アーム側取付部58bは、上記アーム32に取付けられる部分である。ここでは、アーム側取付部58bは、ネジ孔58bhを有し、アーム32に突設されたネジが当該ネジ孔58bhに挿通されて、ネジにナットが螺合締付されることで、アーム側取付部58bがアーム32に取付けられる。ブラケット58は、ネジ締め構造等によって第1配線部材50に取付けられていてもよい。ブラケット58は、その他、溶接、嵌め込み構造等によってアーム32に取付けられてもよい。
ブラケット58は、アーム32のうち車体10側の回転軸X寄りの位置に取付けられてもよい。アーム32のうちアーム32のうち車体10側の回転軸X寄りの位置とは、アーム32の長手方向の中央よりも回転軸X寄りの位置をいう。アーム32を長手方向に沿って4等分した場合において、ブラケット58は、アーム32のうち回転軸Xに最も近い4等分領域に設けられてもよい。ブラケット58は、アーム32のうちその長手方向において回転軸Xと同じ位置に取付けられてもよい。ブラケット58がアーム32のうち回転軸X寄りの位置に取付けられることによって、第1配線部材50は、アーム32のうち回転軸X寄りの位置を経由して当該アーム32の少なくとも一部に沿って配索される。
第2配線部材60に含まれる第2電線62、62は、芯線62aと、被覆62bとを含む。芯線62aは、上記芯線52aと同様構成であり、被覆62bは、上記被覆52bと同様構成である。ここでは、上記したように、第1電線52、52は、第2電線62、62よりも細い。
第2電線62、62の周囲にはシース等の外装部材は設けられていない。しかしながら、第2電線62、62の周囲にシース、螺旋状に巻回された粘着テープ、コルゲートチューブ、ゴムチューブ等の外装部材が設けられてもよい。
第2電線62、62は、それらの長手方向において部分的な箇所又は全体的な領域で1つに束ねられていてもよい。例えば、後述するグロメット61に対して第2電線62、62が挿通されることで、第2電線62、62が束ねられる。
第1配線部材50のうちの外部経路長L1は、第2配線部材60のうちの外部経路長L2よりも長い。ここで、外部経路部分50a、60aの長さが外部経路長L1、L2である。ここでは、上記したように、第1配線部材50は、孔12hを通って車体10の外に延出し、アーム32を経由するため迂回して車輪側機器28に至る。このため、第1配線部材50の外部経路部分50aの外部経路長L1は、孔12hと車輪側機器28との直線距離よりも迂回した分長くなる。これに対して、第2配線部材60は、車輪20の周りの孔16hから迂回せずに車輪側機器28に至ることができる。このため、第2配線部材60の外部経路部分60aの外部経路長L2は、車輪20が車体10から最も離れた状態において、孔12hと車輪側機器28との直線距離と同等とすることができる。このため、第1配線部材50のうちの外部経路長L1は、第2配線部材60のうちの外部経路長L2よりも長い。
なお、本実施形態では、第1配線部材50の全体長は、第2配線部材60の全体長よりも長い。しかしながら、配線部材50、60における車体10内における長さが異なっていれば、第1配線部材50の全体長と第2配線部材60の全体長とが同じになったり、長短関係が逆になったりする場合もあり得る。
第1配線部材50及び第2配線部材60の一方の端部は、共通するコネクタ70に接続されている。コネクタ70は、樹脂等で形成されたコネクタハウジングを有している。第1電線52、52の端部の端子、第2電線62、62の端部の端子がコネクタハウジングに形成されたキャビティに挿入されている。このコネクタ70が車体側機器18にコネクタ接続されることで、車体側機器18と第1配線部材50、第2配線部材60とが接続される。
第1配線部材の一方の端部及び第2配線部材の一方の端部は、別々のコネクタに接続されてもよい。第1配線部材の一方の端部及び第2配線部材の一方の端部の少なくとも一方は、コネクタ接続を介さず、車体側機器内の電気部品に直接接続されてもよい。
第1配線部材50の他方の端部はコネクタ72に接続され、第2配線部材60の他方の端部はコネクタ72とは別のコネクタ74に接続されている。コネクタ72、74は、上記コネクタ70と同様に、樹脂等で形成されたコネクタハウジングを有しており、第1電線52、52又は第2電線62、62の端部の端子が当該コネクタハウジングに挿入される。コネクタ72、74が車輪側機器28、28に接続されることで、第1配線部材50と第2配線部材60とが別々に車輪側機器28、28に接続される。
第1配線部材50の他方の端部と第2配線部材60の他方の端部とは、共通するコネクタに接続されてもよい。第1配線部材の他方の端部及び第2配線部材の他方の端部の少なくとも一方は、コネクタ接続を介さず、車輪側機器内の電気部品に直接接続されてもよい。
上記ワイヤーハーネス40は、次のようにして自動車における車体10及び車輪20間に配索される。すなわち、車体10内に車体側機器18が設けられる。図1では、車体側機器18は、孔12h、16hの中間に位置している。コネクタ70が車体側機器18に接続されている。コネクタ70から延び出る第1配線部材50がフロア部分12の孔12hに向かい、当該孔12hを通って、車体10外に引出される。ここでは、第1配線部材50に取付けられたグロメット51が孔12hに装着される。第1配線部材50の外部経路部分50aは、アーム32の回転軸X近くからアーム32に沿ってアーム32の先端部に向う。そして、コネクタ72が車輪側機器28に接続される。外部経路部分50aは、アーム32に沿って配索されるように、当該アーム32に対して取付けられる。ここでは、ブラケット58によって外部経路部分60aがアーム32のうち回転軸X寄りの部分に取付けられる。コネクタ70から延び出る第2配線部材60がフェンダーエプロン16の孔16hに向かい、当該孔16hを通って、車体10外に引出される。ここでは、第2配線部材60に取付けられたグロメット61が孔16hに装着される。第2配線部材60の外部経路部分60aは、孔16hから下方に向って車輪20の内側に達する。そして、コネクタ74が車輪側機器28に接続される。外部経路部分60aは、孔16hと車輪側機器28(コネクタ74)間に掛渡すように配索される。
このように構成されたワイヤーハーネス40及びワイヤーハーネス40の配索構造30によると、第1配線部材50のうちの外部経路部分50aの少なくとも一部と、第2配線部材60のうちの外部経路部分60aの少なくとも一部とは、車体10の外において別々に分離している。このため、外部経路部分50a、60aが束ねられて太い束となっている場合と比較して、外部経路部分50a及び外部経路部分60aは、別々に容易に曲ることができ、耐屈曲性に優れることとなる。また、外部経路部分50a、60aが束ねられて太い束となっている場合には、それ相応の大きい配索スペースが必要となる。本実施形態では、外部経路部分50a及び外部経路部分60aは、別々に狭い配索スペースに配索され、従って、狭スペースにも容易に配索され得る。このため、ワイヤーハーネス40全体として、狭スペースへの配索に適するようにでき、かつ、耐屈曲性が向上する。
また、第1配線部材50が第1電線52として信号線を含み、第2配線部材60が第2電線62として電源線を含むとすると、曲り易い信号線を含む第1配線部材50を、長い外部経路長L1で容易に配索することができる。また、曲り難い電源線を、短い外部経路長L2で容易に配索することができる。また、電源線と信号線とは別々に配索されるため、相互間でのノイズの影響を抑制することもできる。
また、第1配線部材50に含まれる第1電線52が、第2配線部材60に含まれる第2電線62よりも細ければ、細くて曲り易い第1電線52を含む第1配線部材50を、長い外部経路長L1で容易に配索することができる。また、細い第1電線52を含む第1配線部材50が、長い外部経路長L1において、狭いスペースに容易に配索され得る。また、太くて曲り難い第2電線62を含む第2配線部材60については、狭スペースに配索し難い。そこで第2配線部材60については、短い外部経路長L2で配索することで、当該第2配線部材60をも容易に配索され得る。
第1配線部材50の全体的な太さが、第2配線部材60の全体的な太さよりも小さくてもよい。この場合において、配線部材50、60の太さは、配線部材50、60の周囲に巻尺を巻付けて測定した周長の大小によって評価されてもよい。
また、第1配線部材50及び第2配線部材60の少なくとも一方の端部が共通するコネクタ70に接続されている場合において、第1配線部材50及び第2配線部材60を、それぞれの耐屈曲性等に応じた別々の経路に沿って配索することができる。
また、第1配線部材50が、ブラケット58によってアーム32に沿って支持されれば、第1配線部材50がアーム32を経由する迂回経路に沿って容易に配設される。これにより、第1配線部材50を、屈曲し易い経路を避けた経路に沿って配索し易い。
また、ブラケット58が回転軸X寄りに設けられていれば、第1配線部材50がアーム32のうち回転軸X寄りの位置を経由することになり、車輪20の上下変動による第1配線部材50の曲げ変形をより抑制することができる。
なお、車体10に対して車輪20を支持する懸架装置は、上記例に限られない。例えば、図4に示すように、アーム32に対応するアーム132の基端部が、車輪20に対して車幅方向内側に向けて延びていてもよい。アーム132の基端部は、車輪20に対して車幅方向内側の位置で、フロア部分12に設けられた車体側支持部113によって揺れ動き可能に支持される。この場合、アーム132の基端部が揺れ動く際に中心となる軸Xは、車体10の前後方向に沿っている。
この場合においても、上記実施形態と同様に、第1配線部材50のブラケット58がアーム132に固定され、第1配線部材50の外部経路部分50aの少なくとも一部がアーム132に沿って配索されるとよい。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10 車体
12 フロア部分
12h 孔
13 車体側支持部
14 ボディ部分
16 フェンダーエプロン
16h 孔
18 車体側機器
20 車輪
28 車輪側機器
30 配索構造
32 アーム
34 軸受部
35 バネ
36 ダンパー
40 ワイヤーハーネス
50 第1配線部材
50a 外部経路部分
51 グロメット
52 第1電線
52a 芯線
52b 被覆
53 シース
58 ブラケット
58a 電線取付部
58b アーム側取付部
58bh ネジ孔
60 第2配線部材
60a 外部経路部分
61 グロメット
62 第2電線
62a 芯線
62b 被覆
70 コネクタ
72 コネクタ
74 コネクタ
113 車体側支持部
132 アーム
L1 外部経路長
L2 外部経路長
X 回転軸

Claims (8)

  1. 車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスであって、
    第1配線部材と、
    第2配線部材と、
    を備え、
    前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々に分離し、
    車輪を上下方向に移動可能に支持するアームに取付可能なブラケットが、前記第1配線部材に取付けられている、ワイヤーハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第1配線部材は、信号線を含み、
    前記第2配線部材は、電源線を含み、
    前記第1配線部材のうちの外部経路長は、前記第2配線部材のうちの外部経路長よりも長い、ワイヤーハーネス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第1配線部材に含まれる電線は、前記第2配線部材に含まれる電線よりも細く、
    前記第1配線部材のうちの外部経路長は、前記第2配線部材のうちの外部経路長よりも長い、ワイヤーハーネス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第1配線部材及び前記第2配線部材の少なくとも一方の端部は、共通するコネクタに接続されている、ワイヤーハーネス。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記ブラケットは、前記アームのうち車体側の回転軸寄りの位置に取付けられる、ワイヤーハーネス。
  6. 車体側機器と車輪側機器とを接続するワイヤーハーネスの配索構造であって、
    前記ワイヤーハーネスは、第1配線部材と、第2配線部材と、を備え、
    前記第1配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部と、前記第2配線部材のうちの外部経路部分の少なくとも一部とが車体外において別々の経路となるように、前記第1配線部材及び前記第2配線部材が配索され、
    前記第1配線部材は、車輪を上下方向に移動可能に支持するアームの少なくとも一部に沿って配索されている、ワイヤーハーネスの配索構造。
  7. 請求項6に記載のワイヤーハーネスの配索構造であって、
    前記第1配線部材及び前記第2配線部材の少なくとも一方の端部は、共通するコネクタに接続されている、ワイヤーハーネスの配索構造。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のワイヤーハーネスの配索構造であって、
    前記第1配線部材は、前記アームのうち前記アームが車体に支持される際の回転軸寄りの位置を経由する、ワイヤーハーネスの配索構造。
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