JP7003810B2 - 内燃機関の過給圧制御装置 - Google Patents
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Description
前記過給圧制御装置は、ウエストゲートバルブと、電動式のアクチュエータと、リンク機構と、回転角度取得手段と、制御ユニットと、を備えている。
前記ウエストゲートバルブは、過給機のタービンをバイパスする経路に設けられている。
前記アクチュエータは、前記ウエストゲートバルブに接続されている。
前記リンク機構は、前記アクチュエータと前記ウエストゲートバルブの間に設けられる。前記リンク機構は、前記アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝達する。前記リンク機構は、ロッドと、第1レバーと、第2レバーと、を備えている。前記第1レバーは、前記ロッドの一端に連結されている。前記第2レバーは、前記ロッドの他端に連結されている。
前記回転角度取得手段は、前記第1レバーまたは前記第2レバーの回転角度を取得する。
前記制御ユニットは、前記アクチュエータの駆動力を制御する。
前記制御ユニットは、
前記回転角度に基づいて前記リンク機構のリンク比の実際の値を示す実リンク比を算出し、
前記リンク比は、前記第1レバーの長さ、前記第2レバーの長さ、前記第1レバーと前記ロッドがなす角度、及び前記第2レバーと前記ロッドがなす角度を用いて定義され、
内燃機関の運転状態に基づいて、前記リンク比の目標の値を示す目標リンク比および前記アクチュエータの目標駆動力を設定し、
前記実リンク比を前記目標リンク比で除した値を用いて、前記目標駆動力を補正する。
前記実リンク比は、下記式(1)により算出される。
実リンク比=(L2/L1)×(sinβ/sinα) ・・・(1)
ただし、L1は前記第1レバーの長さであり、L2は前記第2レバーの長さであり、αは前記第1レバーと前記ロッドがなす角度であり、βは前記第2レバーと前記ロッドがなす角度である。
前記タービンは少なくとも2つ設けられる。
前記タービンのそれぞれは、少なくとも2つの排気通路に並列に設けられる。
前記実リンク比は、前記リンク機構ごとに算出された実リンク比の平均値である。
前記第1レバーは、前記ロッドの前記アクチュエータ側の一端に位置する。
前記回転角度取得手段は、前記第1レバーの回転角度を取得する。
前記制御ユニットは、前記第1レバーの回転角度に基づいて前記実リンク比を算出する。
前記第2レバーは、前記ロッドの前記ウエストゲートバルブ側の一端に位置する。
前記回転角度取得手段は、前記第2レバーの回転角度を取得する。
前記制御ユニットは、前記第2レバーの回転角度に基づいて前記実リンク比を算出する。
先ず、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の過給圧制御装置は、WGVの開閉動作に基づいて過給圧を調整する内燃機関に適用される。図1は、実施の形態1に係る過給圧制御装置に適用されるWGV駆動装置の構成を説明する図である。図1に示すWGV駆動装置は、過給機10に取り付けられている。過給機10は、コンプレッサ12と、タービン14とを備えている。コンプレッサ12は内燃機関の吸気通路に設けられており、タービン14は同内燃機関の排気通路に設けられる。このような過給機10の構成は公知であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態1では、内燃機関の過給圧を目標過給圧にするために、WGVの閉じ力またはWGV開度(以下、「WGVの駆動力」と総称する。)を制御する。WGVの駆動力は、具体的に、DCモータに入力する電流値(以下、「駆動電流IDCM」ともいう。)に基づいて制御する。図3は、DCモータの電流指令値と、DCモータの出力トルクとの関係を示す図である。図3に示すように、電流指令値とモータ出力トルクの関係が線形となる。よって、適切な駆動電流IDCMを設定すれば、DCモータの出力トルクをWGVに伝達してWGVの駆動力を制御できる。
ただし、4節式のリンク機構を使用する場合は、その構成に起因した機差間ばらつきを考慮する必要がある。そこで、本実施の形態1では、リンク機構のリンク比を用いてWGVの駆動力を制御する。このリンク比について、図4を参照して説明する。図4に示すように、リンク比は下記式(1)により定義される。
リンク比=(Lwg/Lact)*(sinβ/sinα) ・・・(1)
ただし、LwgはWGVレバー30の長さであり、LactはACTレバー22の長さであり、βはWGVレバー30とロッド26がなす角度であり、αはACTレバー22とロッド26がなす角度である。
図6は、本実施の形態1において、ECU50が駆動電流IDCMを設定するときの制御構造を説明するブロック図である。なお、この制御構造は、ECU50のメモリに記憶されているプログラムをECU50のCPUが実行することにより実現される。
以上説明した実施の形態1によれば、ACT開度と相関関係を有するリンク比を用いることで、4節式のリンク機構の構成に起因した機差間ばらつきを小さくすることができる。したがって、4節式のリンク機構を用いる場合においても、過給圧制御の制御性を高めることができる。
次に、図7乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。なお、上記実施の形態1と重複する内容の説明については適宜省略する。
上記実施の形態1では、原動回転軸20の回転角度(ACT開度)に基づいて駆動電流IDCMを設定した。本実施の形態2では、従動回転軸16の回転角度に基づいて駆動電流IDCMを設定する。WGVの全閉位置を基準とした従動回転軸16の回転角度を「WGV開度」と定義する。図7は、WGV開度を説明する図である。図7に示すバイパス経路をWGVが閉塞するときの位置が、WGVの全閉位置である。この全閉位置から反時計回りに進む方向がWGV開度である。WGV開度は、従動回転軸16の回転角度を検出する開度センサを別途設けて直接取得してもよい。WGVを全閉操作しているときのACT開度を学習し、従動回転軸16の回転角度を推定してもよい。なお、WGV開度の取得処理は、ECU50が行う。
図8は、本実施の形態2において、ECU50が駆動電流IDCMを設定するときの制御構造を説明するブロック図である。なお、この制御構造は、ECU50のメモリに記憶されているプログラムをECU50のCPUが実行することにより実現される。
以上説明した実施の形態2によれば、WGV開度と相関関係を有するリンク比を用いることで、4節式のリンク機構の構成に起因した機差間ばらつきを小さくすることができる。したがって、上記実施の形態1と同じ効果を得ることができる。
次に、図9乃至図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。なお、上記実施の形態1と重複する内容の説明については適宜省略する。
上記実施の形態1および2では、シングルターボシステムを前提とした。本実施の形態3では、ツインターボシステムを前提とする。図9は、ツインターボシステムの構成を説明する図である。図9に示すシステムは、並列する2つのWGV駆動装置を備えている。これらのWGV駆動装置の構成は、図1および図2で説明したとおりである。なお、図9においては、説明の便宜上、これらのWGV駆動装置の構成要素を「R」および「L」を用いて表現している。
上記実施の形態1では、リンク比RLNK_Aをリンク比RLNK_Tで除すことにより補正係数を算出した。本実施の形態3では、リンク比RLNK_Aとリンク比RLNK_TがWGV駆動装置ごとに算出される。また、本実施の形態3では、各リンク比RLNK_Aの平均値を求める。そして、この平均値を各リンク比RLNK_Tで除すことにより補正係数を算出する。以下、説明の便宜上、タービン14R側のリンク比RLNK_AおよびRLNK_Tを「リンク比RLNK_AR」および「リンク比RLNK_TR」ともいう。また、タービン14L側のリンク比RLNK_AおよびRLNK_Tを「リンク比RLNK_AL」および「リンク比RLNK_TL」ともいう。また、平均値を「平均リンク比RLNK_AVE」ともいう。
平均リンク比RLNK_AVE=(RLNK_AR+RLNK_AL)/2 ・・・(2)
駆動電流IDCM_R=(RLNK_AVE/RLNK_TR)×IDCM_BASE ・・・(3)
駆動電流IDCM_L=(RLNK_AVE/RLNK_TL)×IDCM_BASE ・・・(4)
以上説明した実施の形態3によれば、リンク比RLNK_ARおよびRLNK_ALではなく、これらの平均値である平均リンク比RLNK_AVEを用いて駆動電流IDCM_RおよびIDCM_Lが設定される。上記実施の形態1と同様にリンク比RLNK_ARやRLNK_ALを用いた場合は、左右のリンク比に差が生じることになる。そのため、タービン14Rの上流の背圧とタービン14Lの上流の背圧に差が生じ、または、タービン14Rとタービン14Lの膨張比に差が生じる可能性がある。
上記実施の形態3に係る過給圧制御装置は、以下のように変形することもできる。
12 コンプレッサ
14 タービン
16 従動回転軸
18 電動アクチュエータ
20 原動回転軸
22 ACTレバー
24 原動ピン
26 ロッド
28 従動ピン
30 WGVレバー
40 開度センサ
50 ECU
Claims (5)
- 過給機のタービンをバイパスする経路に設けられたウエストゲートバルブと、
前記ウエストゲートバルブに接続された電動式のアクチュエータと、
前記アクチュエータと前記ウエストゲートバルブの間に設けられて前記アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝達するリンク機構であって、ロッドと、前記ロッドの一端に連結された第1レバーと、前記ロッドの他端に連結された第2レバーと、を備えるリンク機構と、
前記第1レバーまたは前記第2レバーの回転角度を取得する回転角度取得手段と、
前記アクチュエータの駆動力を制御する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、
前記回転角度に基づいて前記リンク機構のリンク比の実際の値を示す実リンク比を算出し、
前記リンク比は、前記第1レバーの長さ、前記第2レバーの長さ、前記第1レバーと前記ロッドがなす角度、及び前記第2レバーと前記ロッドがなす角度を用いて定義され、
内燃機関の運転状態に基づいて、前記リンク比の目標の値を示す目標リンク比および前記アクチュエータの目標駆動力を設定し、
前記実リンク比を前記目標リンク比で除した値を用いて、前記目標駆動力を補正する
ことを特徴とする内燃機関の過給圧制御装置。 - 前記実リンク比が、下記式(1)により算出されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
実リンク比=(L2/L1)×(sinβ/sinα) ・・・(1)
ただし、L1は前記第1レバーの長さであり、L2は前記第2レバーの長さであり、αは前記第1レバーと前記ロッドがなす角度であり、βは前記第2レバーと前記ロッドがなす角度である。 - 前記タービンは少なくとも2つ設けられ、
前記タービンのそれぞれは、少なくとも2つの排気通路に並列に設けられ、
前記実リンク比は、前記リンク機構ごとに算出された実リンク比の平均値である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の過給圧制御装置。 - 前記第1レバーは、前記ロッドの前記アクチュエータ側の一端に位置し、
前記回転角度取得手段は、前記第1レバーの回転角度を取得し、
前記制御ユニットは、前記第1レバーの回転角度に基づいて前記実リンク比を算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の過給圧制御装置。 - 前記第2レバーは、前記ロッドの前記ウエストゲートバルブ側の一端に位置し、
前記回転角度取得手段は、前記第2レバーの回転角度を取得し、
前記制御ユニットは、前記第2レバーの回転角度に基づいて前記実リンク比を算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
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