JP7003634B2 - コアの焼鈍方法、およびコア焼鈍システム - Google Patents

コアの焼鈍方法、およびコア焼鈍システム Download PDF

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Description

本発明は、コアの焼鈍方法、およびコア焼鈍システに関し、特に、ステータコアを焼鈍するために用いて好適なものである。
電動機や発電機等の回転電機に使用されるコアとして、積層コアがある。積層コアを製造する際には、電磁鋼板等の軟磁性体板(板状の軟磁性体)を、積層コアの平面形状に合わせて打ち抜く。そして、このようにして打ち抜かれた複数の軟磁性体板を、相互に隣り合う軟磁性体板の板面が相互に重なり合うように積み重ね、積み重ねた複数の軟磁性体板を、溶接やカシメ等によって接合する。このように積層コアを製造する際には、軟磁性体板を打ち抜いたり接合したりするため、軟磁性体板内に歪みが付与され、鉄損が増加する。そこで、この歪みを低減するために積層コアを焼鈍することが行われる。そして、このような焼鈍を行うために焼鈍炉を用いると、加熱時間が長時間になることから、特許文献1には、ソレノイドコイルの内側に積層コアを配置し、ソレノイドコイルに交流電流を流して積層コアを所定の温度に誘導加熱し、その後、積層コアを徐冷することが記載されている。
特開2013-153612号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、積層コアの最低温度が焼鈍目標温度(積層コアの焼鈍時の温度の目標値)を超えるように加熱を行う。従って、積層コアの内周面と外周面の温度差が大きくなる虞がある。本発明者らは、特許文献1に記載の技術を用いてステータコアを誘導加熱すると、ステータコアの最高温度が焼鈍目標温度よりも300℃以上高くなることがあるという知見を得た。そうすると、ステータコアに所期の温度を大幅に上回る領域が生じる。このため、例えば、ステータコアを構成する軟磁性体板の組織や、軟磁性体板の板面に塗布されている絶縁被膜に悪影響を及ぼす虞がある。また、本発明者らは、特許文献1に記載の技術では、ステータコアの内周面の温度の上昇に時間がかかるという知見を得た。そこで、特許文献1に記載の技術において、ステータコアの内周面の温度の上昇を短縮するためにソレノイドコイルに流す電流を調整すると、ステータコアの最高温度がより高くなる虞がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ステータコアを誘導加熱する際に、ステータコアの温度差が大きくなることを抑制するとともに、ステータコアの内周面の温度が上昇するのに要する時間を低減することを目的とする。
本発明のコアの焼鈍方法は、ステータコアを誘導加熱用コイルの内側に配置して誘導加熱することにより焼鈍するコアの焼鈍方法であって、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度を測定する第1の測定工程と、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度を測定する第2の測定工程と、前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御する制御工程と、前記ステータコアを前記誘導加熱以外の方法で加熱する加熱工程と、を有し、前記ステータコアは、ヨークと、複数のティースとを有し、前記ヨークは、前記ステータコアの周方向に延在する領域であり、前記複数のティースは、前記ステータコアの周方向において間隔を有して配置される領域であって、それぞれが前記ヨークの内周端から前記ステータコアの軸の方向に向かって前記ステータコアの径方向に延在する領域であり、前記加熱工程では、前記ステータコアから発生する輻射熱により加熱される熱輻射体であって、当該加熱による発熱により輻射熱を発生する第1の熱輻射体を用いて前記ステータコアを加熱し、前記第1の熱輻射体は、少なくとも前記ティースの先端面と間隔を有して相互に対向する位置に配置され、且つ、電源装置から電力の供給を受けないことを特徴とする。
本発明のコア焼鈍システムは、ステータコアを誘導加熱用コイルの内側に配置して誘導加熱することにより焼鈍するコア焼鈍システムであって、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度を測定する第1の測定手段と、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度を測定する第2の測定手段と、前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御する制御手段と、前記ステータコアから発生する輻射熱により加熱される第1の熱輻射体であって、当該加熱による発熱により輻射熱を発生する第1の熱輻射体と、を有し、前記ステータコアは、ヨークと、複数のティースとを有し、前記ヨークは、前記ステータコアの周方向に延在する領域であり、前記複数のティースは、前記ステータコアの周方向において間隔を有して配置される領域であって、それぞれが前記ヨークの内周端から前記ステータコアの軸の方向に向かって前記ステータコアの径方向に延在する領域であり、前記第1の熱輻射体は、少なくとも前記ティースの先端面と間隔を有して相互に対向する位置に配置され、且つ、電源装置から電力の供給を受けないことを特徴とする。
本発明によれば、ステータコアを誘導加熱する際に、ステータコアの温度差が大きくなることを抑制するとともに、ステータコアの内周面の温度が上昇するのに要する時間を低減することができる。
図1は、コア焼鈍システムの構成の第1の例を示す図である。 図2は、ステータコア、熱輻射体、および放射温度計の配置の第1の例を示す図である。 図3は、制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 図4は、コア焼鈍システムの構成の第2の例を示す図である。 図5は、ステータコア、熱輻射体、および放射温度計の配置の第2の例を示す図である。 図6は、解析対象領域の第1の例を示す図である。 図7は、解析対象領域の第2の例を示す図である。 図8は、ステータコアの外周面の温度、ステータコアの内周面の温度、および熱輻射体の外周面の温度と、時間との関係の一例を示す図である。 図9は、ソレノイドコイルに流す電流と時間との関係の一例を示す図である。 図10は、ステータコアの解析対象領域の温度分布の第1の例を示す図である。 図11は、ステータコアの解析対象領域の温度分布の第2の例を示す図である。 図12は、熱輻射体の解析対象領域の温度分布の第1の例、第2の例を示す図である。 図13は、ステータコアの内周面の温度と時間との関係を示す図である。 図14は、は、ステータコア、熱輻射体、および放射温度計の配置の第3の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
図1は、コア焼鈍システムの構成の一例を示す図である。尚、各図において、X軸、Y軸、Z軸は、各図の向きの関係を示すものであり、○の中に●が付されているものは、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示し、○の中に×が付されているものは、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
図1において、コア焼鈍システムは、ソレノイドコイル110と、交流電源120と、熱輻射体130と、放射温度計140、150と、制御装置160と、を有する。図2は、ステータコアS、熱輻射体130、および放射温度計140、150の配置の一例を示す図である。図2(a)は、ステータコアSを、Z軸の正の方向から負の方向に向かって見た様子の一例を示す図である。図2(b)は、図2(a)のI-I断面図である。尚、図2では、表記の都合上、ソレノイドコイル110の図示を省略する。図1および図2を参照しながら、コア焼鈍システムの各部の一例を説明する。尚、本実施形態では、加熱対象の積層コアとして、図1に示すステータコアSを用いる場合を例に挙げて説明する。
ステータコアSは、回転電機(電動機、発電機)のステータに使用されるコアである。ステータコアSは、ヨークS1と、複数のティースS2とを有する(図1では、表記の都合上、1つのティースにのみ符号S2を付している)。ヨークS1は、ステータコアSの周方向(図1のステータコアSの傍らに付した両矢印線の方向)に延在する環状の領域である。ティースS2は、ヨークS1の内周端からステータコアSの軸の方向に向かって、ステータコアSの径方向に延在する領域である。複数のティースS2の形状および大きさは同じである。複数のティースS2は、ステータコアSの周方向において等間隔に配置される。尚、以下の説明では、ステータコアSの周方向、軸方向、径方向を、必要に応じて、それぞれ、周方向、軸方向、径方向と略称する。
ステータコアSは、その平面形状に合わせて打ち抜かれた複数の軟磁性体板を、相互に隣接する軟磁性体板の板面が相互に重なり合うように積み重ね、積み重ねた複数の軟磁性体板を、溶接やカシメ等によって接合することにより構成される。軟磁性体板として、例えば、方向性電磁鋼板や無方向性電磁鋼板等、回転電機のステータコアとして使用される軟磁性体板を使用することができる。
ステータコアSは、ステータコアSの中空部分の領域に、ソレノイドコイル110の軸が通るように、ソレノイドコイル110の内側に配置される。このとき、ステータコアSおよびソレノイドコイル110の軸の方向を略平行にするのが好ましく、ステータコアSおよびソレノイドコイル110の軸の方向を平行にするのがより好ましい。更に、ソレノイドコイル110の軸とステータコアSの軸とを略一致させるのが更に好ましく、一致させるのが最も好ましい。ステータコアSの磁束の分布を対称にすることができるからである。図1では、ソレノイドコイル110の軸とステータコアSの軸とが軸Aで一致している場合を例に挙げて示す。尚、軸Aの方向は、Z軸方向である。
また、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置が、ソレノイドコイル110の軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置よりもソレノイドコイル110の軸方向の中央側に位置するように、ステータコアSをソレノイドコイル110の内側に配置するのが好ましく、ステータコアSの軸方向の中央の位置とソレノイドコイル110の軸方向の中央の位置とを一致させるのがより好ましい。磁束密度が高い領域にソレノイドコイル110を置くことができるからである。
交流電源120は、ソレノイドコイル110に交流電流を流す。表皮効果により、ソレノイドコイル110に供給する交流電流の周波数が高いほど、ソレノイドコイル110から発生した磁束によりステータコアSを流れる渦電流の表皮深さは小さくなる。従って、ソレノイドコイル110の表面付近のみに渦電流が流れる。一方、ソレノイドコイル110に供給する交流電流の周波数を低くすれば、ソレノイドコイル110から発生した磁束によりステータコアSに流れる渦電流は、ステータコアSの内部まで流れる。しかしながら、渦電流が流れる領域が広くなるため、所望の電流密度の渦電流を流すためには、交流電源120から発生する交流電力の電力量を大きくする必要がある。そうすると、定格容量の大きな交流電源120が必要になり、交流電源120として特別な交流電源が必要になる。ソレノイドコイル110に供給する交流電流の周波数は、以上の観点から定めることができ、例えば、1[kHz]とすることができる。
熱輻射体130は、ステータコアSの内周面のうち少なくともティースS2の先端面と間隔を有して相互に対向するように、ステータコアSの中空部分の領域に配置される。ティースS2の先端面とは、ティースS2の径方向における端面であって、ステータコアSの軸(軸A)に最も近い位置の面である。
ソレノイドコイル110から発生する磁束によりステータコアSに渦電流が流れる。ステータコアSは、この渦電流により加熱される。そうすると、ステータコアSのティースS2の先端面から輻射熱が発生する。熱輻射体130のステータコアSと対向する面(熱輻射体130の外周面)は、この輻射熱により加熱される。このようにして熱輻射体130が加熱されると、熱輻射体130は、輻射熱を発生する。ステータコアSの内周面(特にティースS2の先端面)は、熱輻射体130から発生する輻射熱により加熱される。このように、熱輻射体130の外周面と、ステータコアSの内周面との間で輻射熱交換が行われる。尚、ステータコアSの内周面は、ステータコアSの軸Aを取り巻く2つの面のうち内周側に位置する面である。具体的にステータコアSの内周面は、ヨークS1の内周面(スロットを構成する面)と、ティースS2の先端面および側面とにより構成される。ティースS2の側面とは、周方向において相互に対向するティースSの2つの面を指す。
このような輻射熱交換の効率を高めるために本実施形態では、熱輻射体130をステータコアSの軸(軸A)に垂直に切った場合に、(少なくともステータコアSと対向する領域では軸方向(Z軸方向)の何れの位置においても)熱輻射体130が周方向において途切れることなく軸Aの周りを周回するようにする。本実施形態では、図2(a)に示すように、熱輻射体130の外周面が、ステータコアSの内周面のうち、ヨークS1の内周面およびティースS2の先端面と間隔を有して相互に対向するようにする。具体的に本実施形態では、熱輻射体130は、軸方向(Z軸方向)の長さが、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の長さよりも長い中空円筒形状を有する。熱輻射体130の外周面は、ステータコアSのティースS2の先端面と間隔を有して相互に対向する。従って、熱輻射体130の外径は、ステータコアSの内径(径方向において相互に対向する2つのティースS2の先端面間の距離)よりも短い。熱輻射体130は、ステータコアSの中空部分の領域に配置されていればよいが、熱輻射体130(中空円筒)の軸方向とステータコアSの軸方向とを略平行にするのが好ましく、熱輻射体130の軸方向とステータコアSの軸方向とを平行にするのがより好ましい。更に、熱輻射体130の軸とステータコアSの軸とを略一致させるのが更に好ましく、一致させるのが最も好ましい。熱輻射体130からの輻射熱によりステータコアSの複数のティースS2を可及的に均等に加熱することができるからである。図1では、熱輻射体130の軸とステータコアSの軸とが軸Aで一致している場合を例に挙げて示す。
また、図2(b)に示すように、熱輻射体130の軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置が、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置よりもステータコアSの外側の位置になるように、熱輻射体130を配置するのが好ましい。ティースS2の軸方向(Z軸方向)の端部を熱輻射体130からの輻射熱により加熱し易くすることができるからである。ただし、熱輻射体130の軸方向の端部の当該軸方向の位置と、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置とを同じにしてもよい。また、熱輻射は、軸方向(Z軸方向)の正の方向にも負の方向にも生じるので、ステータコアSの加熱条件等によっては、熱輻射体130の軸方向の端部の位置が、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の位置よりも、ステータコアSの内側になるようにしてもよい。
以上のような熱輻射を行うために、本実施形態の熱輻射体130は、軟磁性体(軟磁性材料)を用いて構成される。図1に示す構成で、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すと、ステータコアSにおける磁束密度は、ソレノイドコイル110からの距離が近い領域(即ち、ステータコアSの外周面に近い領域)である程高くなり、ソレノイドコイル110からの距離が遠い領域(即ち、ステータコアSの軸Aに近い領域)である程低くなる。このため、ソレノイドコイル110のみの誘導加熱だけでは、ステータコアSの内周側の領域を加熱するのに時間がかかる。しかしながら、熱輻射体130として軟磁性体を用いれば、ソレノイドコイル110から発生する磁束により熱輻射体130に渦電流が発生させることができ、この渦電流によっても熱輻射体130を加熱させることができる。従って、熱輻射体130は、ステータコアSからの輻射熱だけでなく、熱輻射体130自体の発熱によっても加熱される。よって、熱輻射体130から発生する輻射熱の熱量を大きくすることができる。ただし、熱輻射体130は、ステータコアSとの間で輻射熱交換を行うことができれば、必ずしも軟磁性体を用いる必要はない。ここで、熱輻射体130は、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の材料を用いて構成するのが好ましい。ステータコアSからの輻射熱が熱輻射体130の内部に伝わりづらくなるようにして、熱輻射体130から輻射熱を発生させ易くすることができるからである。即ち、熱輻射体130とステータコアSとの間で行われる輻射熱交換によりステータコアSが受ける熱量を大きくすることができる。
ここで、熱輻射体130には、電源装置が接続されておらず、熱輻射体130は、電源装置からの電力の供給を受けて発熱(輻射熱を発生)するものでも、ステータコアSを誘導加熱するためのものでもない。
放射温度計140は、ステータコアSの外周面(ステータコアSの軸Aを取り巻く2つの面のうち外周側に位置する面)の温度を測定する。放射温度計150は、ステータコアSの内周面(ステータコアSの軸Aを取り巻く2つの面のうち内周側に位置する面)の温度を測定する。
前述したように図1に示す構成で、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すと、ステータコアSにおける磁束密度は、ソレノイドコイル110からの距離が近い領域(即ち、ステータコアSの外周面に近い領域)である程高くなり、ソレノイドコイル110からの距離が遠い領域(即ち、ステータコアSの軸Aに近い領域)である程低くなる。また、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部において露出している軟磁性体の板面に近い領域であるほど、放熱され易くなる。
このため、理論的には、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流しているとき、および、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すことを止めた直後においては、以下のような温度分布になる。即ち、ステータSの径方向の温度は、ステータコアSの外周面の温度が最も高く、ティースS2の先端面の温度が最も低くなる。また、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の温度は、ステータコアSの軸方向の中央の温度が最も高く、ステータコアSの軸方向の端部の温度が最も低くなる。
そこで、ステータコアSの温度が過剰に高くならないようにするために、ステータコアSの外周面の領域であって、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の中央の領域の温度を放射温度計140が測定することができるように放射温度計140を配置し、放射温度計140で測定される温度が上限温度TH1を可及的に上回らないようにするのが好ましい。この領域の温度が、最も高いからである。ただし、ステータコアSおよびソレノイドコイル110の形状・大きさ・位置や放射温度計140の大きさ・形状・性能等の要因から、このようにして放射温度計140を配置することができない場合がある。以上のことから、図2(b)において、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の一方の端面と、放射温度計140の測温位置との軸方向(Z軸方向)の距離L1の範囲は、ステータコアSの軸方向の長さLの0.35倍以上、0.65倍以下の範囲にするのが好ましく、この距離L1をステータコアSの軸方向の長さLの0.5倍とするのがより好ましい。尚、放射温度計140の測温位置の適用範囲については、<変形例1>の欄で後述する。
また、本実施形態では、ステータコアSの温度が可及的に焼鈍目標温度以上になるようにするために、ステータコアSのティースS2の先端面の領域であって、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部に可及的に近い領域の温度を放射温度計150が測定することができるように放射温度計150を配置し、放射温度計150で測定される温度が焼鈍目標温度TT(<T1)以上になった時点で焼鈍を終了するのが好ましい。この領域の温度が、最も低いからである。ただし、放射温度計140と同様に、ステータコアSおよびソレノイドコイル110の形状・大きさ・位置や放射温度計150の大きさ・形状・性能等の要因から、このようにして放射温度計150を配置することができない場合がある。以上のことから図2(b)において、ステータコアSの軸方向の一方の端面と、放射温度計150の測温位置との、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の距離L2の範囲は、ステータコアSの軸方向の長さLの0倍以上0.2倍以下の範囲とするのが好ましく、0倍以上0.1倍以下の範囲とするのがより好ましい。尚、放射温度計150の測温位置の適用範囲については、<変形例1>の欄で後述する。
以上のように本実施形態では、放射温度計150は、ティースS2の先端面の領域であって、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部に可及的に近い領域の温度を測定する。従って、放射温度計150が、この領域を測定することができるように、熱輻射体130の外周面とステータコアSの内周面(ティースS2の先端面)との間隔が定められる。
制御装置160は、放射温度計140、150で測定された温度を取得し、交流電源120の動作(ソレノイドコイル110に流れる交流電流)を制御する。制御装置160のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、PLC(Programmable Logic Controller)、または専用のハードウェアを用いることにより実現される。以下に、本実施形態の制御装置160が有する機能の一例を説明する。
制御装置160は、外周面温度取得部161と、内周面温度取得部162と、外周面温度判定部163と、内周面温度判定部164と、電源制御部165と、を有する。
外周面温度取得部161は、放射温度計140により測定されたステータコアSの外周面の温度を取得する。尚、以下の説明では、放射温度計140により測定されるステータコアSの外周面の温度を必要に応じて、ステータコアSの外周面の温度の測定値と称する。
内周面温度取得部162は、放射温度計150により測定されたステータコアSの内周面(本実施形態では、ティースS2の先端面)の温度を取得する。尚、以下の説明では、放射温度計150により測定されるステータコアSの内周面の温度を必要に応じて、ステータコアSの内周面の温度の測定値と称する。
外周面温度取得部161と内周面温度取得部162は、例えば、同じサンプリング周期で温度を繰り返し取得する。
外周面温度判定部163は、外周面温度取得部161で取得されたステータコアSの外周面の温度が、上限温度TH1を上回るか否かと、下限温度TH2を下回るか否かとを判定する。本実施形態では、下限温度TH2は、目標焼鈍温度TTであるものとする。ただし、下限温度TH2は、上限温度TH1を下回る温度(TH1>TH2)であれば、必ずしも目標焼鈍温度TTである必要はない。
内周面温度判定部164は、内周面温度取得部162により取得されたステータコアSの内周面の温度が目標焼鈍温度TT以上であるか否かを判定する。
電源制御部165は、外周面温度判定部163による判定の結果と、内周面温度判定部164による判定の結果とに基づいて、交流電源120からソレノイドコイル110に流す交流電流を制御する。本実施形態では、交流電源120からソレノイドコイル110に流す交流電流の実効値および周波数は一定であるものとする。電源制御部165は、交流電源120からソレノイドコイル110に対する交流電流の通電・非通電(即ち、ソレノイドコイル110に交流電流を流すか流さないか(ゼロを上回る値にするかゼロにするか))を制御する。
次に、本実施形態によるステータコアSの焼鈍方法の概要の一例を説明する。
まず、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すことを開始する。これにより、ステータコアSが誘導加熱される。ステータコアSが誘導加熱されているときは、ステータコアSの外周面の温度が最も高くなる。ただし、ステータコアSの内部の領域には、ステータコアSの外周面に比べて外気に触れる領域(露出している領域)がない。従って、ステータコアSの外周面よりも、その内側の領域の方が、温度が高くなることがあり得る。
その後、時間の経過と共に、ステータコアSの外周側から内周側に向けて熱伝導が起こり、この熱伝導とステータコアSを貫く磁束とによってステータコアSの内周側の温度が上昇する。ステータコアSの内周側における磁束の量は、ステータコアSの外周側における磁束の量に比べて小さい。また、ステータコアSの内周面は雰囲気に曝されているため、ステータコアSの外周側から伝わる熱は抜熱され易くなり、ステータコアSの内周面側の温度が上昇するのに時間を要する。このようなステータコアSの抜熱は、輻射熱となる。そこで、本実施形態では、この輻射熱の一部をステータコアSに戻すために、ステータコアSの中空部分に熱輻射体130を配置する。即ち、前述したように、熱輻射体130は、ステータコアSからの輻射熱により加熱されることにより輻射熱を発生する。この輻射熱がステータコアSの内周面に伝わり、ステータコアSの内周面が加熱される。このため、ステータコアSの内周面の温度が上昇するのに要する時間を短縮することができる。また、熱輻射体130は、電源装置を用いないため、コア焼鈍システムの構成を簡素化することができる。
その後、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回ると、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すことを止める。そうすると、ステータコアSの外周面の温度が低下する。そして、ステータコアSの外周面の温度の測定値が下限温度TH2を下回ると、交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流を流すことを再開する。
以上のようなソレノイドコイル110に対する交流電流の通電・非通電を、ステータコアSの内周面の温度の測定値が、目標焼鈍温度TT以上になるまで繰り返す。このようにすることによって、ステータコアSが過剰に加熱されることを抑制しつつ、ステータコアSの可及的に多くの領域(好ましくは全ての領域)を目標焼鈍温度TT以上に焼鈍することができる。
図3は、本実施形態の制御装置160の動作の一例を説明するフローチャートである。尚、ステータコアSは、図3のフローチャートの開始の前に、ソレノイドコイル110の内側に配置され、固定されているものとする。
ステップS301において、電源制御部165は、交流電源120に対し、ソレノイドコイル110への交流電流の通電を指示する。これにより交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流が流れ、ステータコアSが誘導加熱される。
次に、ステップS302において、外周面温度判定部163は、外周面温度取得部161により、ステータコアSの外周面の温度の測定値が取得されたか否かを判定する。この判定の結果、外周面温度取得部161により、ステータコアSの外周面の温度の測定値が取得されていない場合、処理は、ステップS303~S305を省略し、後述するステップS306に進む。一方、ステップS302の判定の結果、外周面温度取得部161により、ステータコアSの外周面の温度の測定値が取得された場合、処理は、ステップS303に進み、外周面温度判定部163は、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回るか否かを判定する。
この判定の結果、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回る場合、処理は、ステップS304に進み、電源制御部165は、交流電源120に対し、ソレノイドコイル110に流れている交流電流の非通電を指示する。これにより交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流が流れなくなり、ステータSが誘導加熱されなくなる。そして、処理は、後述するステップS306に進む。
一方、ステップS303の判定の結果、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回らない場合、処理は、ステップS305に進み、外周面温度判定部163は、ステータコアSの外周面の温度の測定値が下限温度TH2を下回るか否かを判定する。前述したように本実施形態では、下限温度TH2は、目標焼鈍温度TTである。
この判定の結果、ステータコアSの外周面の温度の測定値が下限温度TH2を下回る場合、処理は、ステップS301に戻る。これにより交流電源120からソレノイドコイル110に交流電流が再び流れ出し、ステータコアSの誘導加熱が再開される。
一方、ステップS305の判定の結果、ステータコアSの外周面の温度の測定値が下限温度TH2を下回らない場合、処理は、ステップS306に進み、内周面温度判定部164は、ステータコアSの内周面の温度の測定値が取得されたか否かを判定する。この判定の結果、ステータコアSの内周面の温度の測定値が取得されていない場合、処理は、ステップS302に戻る。
一方、ステータコアSの内周面の温度の測定値が取得された場合、処理は、ステップS307に進み、内周面温度判定部164は、ステータコアSの内周面の温度の測定値が目標焼鈍温度TT以上であるか否かを判定する。この判定の結果、ステータコアSの内周面の温度の測定値が目標焼鈍温度TT以上でない場合には、ステータコアSの全体が目標焼鈍温度TTになっていないものと判定され、処理は、ステップS302に戻る。一方、ステータコアSの内周面の温度の測定値が目標焼鈍温度TT以上である場合には、ステータコアSの全体が目標焼鈍温度TTになったと判定され、図3のフローチャートによる処理が終了する。
以上のように本実施形態では、ステータコアSの外周面の測温位置の温度が上限温度TH1を上回ると、ソレノイドコイル110に流れている交流電流を非通電にし、ステータコアSの外周面の測温位置の温度が下限温度TH2を下回ると、ソレノイドコイル110に交流電流を通電することを、ステータコアSの内周面の測温位置の温度が目標焼鈍温度TT以上になるまで繰り返す。従って、ソレノイドコイル110によりステータコアSを誘導加熱する際に、ステータコアの温度差が大きくなることを抑制することができる。そして、この際、ステータコアSの中空部分に熱輻射体130を配置し、ステータコアSと熱輻射体130との間で輻射熱交換が起こるようにする。従って、ステータコアSの内周面側の領域(特に、ティースS2の先端面)の温度が目標焼鈍温度TT以上になるまでに要する時間を短縮することができる。また、ソレノイドコイル110と熱輻射体130との間にステータコアSが配置される。従って、ソレノイドコイル110により、主にステータコアSの外周側を加熱し、熱輻射体130により、主にステータコアSの内周側を加熱することになる。よって、ステータコアSの加熱中の径方向の温度分布を対称に近づけることができる。これにより、ステータコアSの温度差をより低減することができる。
また、本実施形態では、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の材料を用いて熱輻射体130を構成する。従って、熱輻射体130とステータコアSとの間で行われる輻射熱交換によりステータコアSが受ける熱量を大きくすることができる。
また、本実施形態では、軟磁性材料を用いて熱輻射体130を構成する。従って、別途の電源装置を用いなくても、熱輻射体130自体を発熱させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、熱輻射体130の形状が中空円筒形状である場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、ステータコアSのティースS2の先端面と熱輻射体130との外周面とを間隔を有して相互に対向させることができる。しかしながら、第1の実施形態の熱輻射体130は、ティースS2の領域のうち、先端面としか対向しない。そこで、本実施形態では、熱輻射体が、ステータコアSの内周面のうち、ティースS2の先端面と、ティースS2の側面の一部と相互に対向する場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、熱輻射体の形状が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図4は、コア焼鈍システムの構成の一例を示す図である。図4は、図1に対応する図である。
図4において、コア焼鈍システムは、ソレノイドコイル110と、交流電源120と、熱輻射体430と、放射温度計140、150と、制御装置160と、を有する。図5は、ステータコアS、熱輻射体430、および放射温度計140、150の配置の一例を示す図である。図5は、図2に対応する図である。図5(a)は、ステータコアSを、Z軸の正の方向から負の方向に向かって見た様子の一例を示す図である。図5(b)は、図5(a)のII-II断面図である。尚、図5では、表記の都合上、ソレノイドコイル110の図示を省略する。また、図5(a)のI-I断面図は、図2(b)において符号130を符号430に置き換えたものとなるので、その図示を省略する。
熱輻射体430は、ステータコアSの内周面のうち少なくともティースS2の先端面と、ティースS2の側面の一部と間隔を有して相互に対向するように、ステータコアSの中空部分の領域に配置される。
ソレノイドコイル110から発生する磁束によりステータコアSに渦電流が流れる。ステータコアSは、この渦電流により加熱される。そうすると、ステータコアSのティースS2の先端面から輻射熱が発生する。熱輻射体430のステータコアSと対向する面(熱輻射体430の外周面)は、この輻射熱により加熱される。このようにして熱輻射体430が加熱されると、熱輻射体430は、輻射熱を発生する。ステータコアSの内周面(特にティースS2の先端面とティースSの側面)は、熱輻射体430から発生する輻射熱により加熱される。このように、熱輻射体430の外周面と、ステータコアSの内周面との間で輻射熱交換が行われる。
本実施形態では、熱輻射体430は、周回部431と、複数の突出部432とを有する。尚、図5(a)では、表記の都合上、複数の突出部432のうち、1つの突出部に対してのみ符号432を付している。また、図5(b)の熱輻射体430の中に付している破線は、周回部431と突出部432との境界を示す仮想線(実際には存在しない線)である。
周回部431は、第1の実施形態の熱輻射体130に対応する部分である。即ち、周回部431は、熱輻射体430をステータコアSの軸(軸A)に垂直に切った場合に、(少なくともステータコアSと対向する領域では軸方向(Z軸方向)の何れの位置においても)熱輻射体430が周方向において途切れることなく軸Aの周りを周回するようにする。具体的に本実施形態では、周回部431は、軸方向(Z軸方向)の長さが、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の長さよりも長い中空円筒形状を有する。
複数の突出部432は、周回部431の外周面に、周方向において間隔を有して配置される。突出部432の一部の領域(先端側の領域)は、周方向において相互に隣り合う位置にある2つのティースS2の間の領域(即ち、スロット)に、当該ティースS2の側面およびヨークS1の内周面と間隔を有した状態で配置される。本実施形態では、全てのスロットにそれぞれ突出部432が1つずつ配置されるものとする。
また、本実施形態でも第1の実施形態の熱輻射体130と同様に、熱輻射体430は、軟磁性体(軟磁性材料)を用いて構成される。熱輻射体430は、ステータコアSとの間で輻射熱交換を行うことができれば、必ずしも軟磁性体を用いる必要はなく、また、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の材料を用いて構成するのが好ましいことは、第1の実施形態で説明した通りである。
以上のようにして熱輻射体430を構成することにより、図5(a)に示すように、熱輻射体430の外周面が、ステータコアSの内周面のうち、ヨークS1の内周面、ティースS2の先端面、およびティースS2の側面の一部(相対的に軸A側の領域)と相互に間隔を有して対向する。また、本実施形態では、周回部431と複数の突出部432とは、一体で形成される。即ち、本実施形態では、熱輻射体430は、軸方向(Z軸方向)の長さが、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の長さよりも長い中空の歯車形状を有する。図5(a)に示すように、熱輻射体430の歯車の歯の部分の領域が、ステータコアSのスロットにヨークS1の内周面およびティースS2の側面と相互に間隔を有した状態で配置され、且つ、周方向で相互に隣接する2つの歯の部分の間の領域が、ティースS2の先端面と相互に間隔を有した状態で配置される。従って、熱輻射体430の歯車の歯の部分の領域における外径は、ステータコアSのヨークS1の内径よりも短く、熱輻射体430の周方向で相互に隣接する2つの歯の部分の間の領域における外径は、ステータコアSの内径(径方向において相互に対向する2つのティースS2の先端面間の距離)よりも短い。
熱輻射体430は、ステータコアSの中空部分の領域に配置されていればよいが、熱輻射体430の軸方向とステータコアSの軸方向とを略平行にするのが好ましく、熱輻射体430の軸方向とステータコアSの軸方向とを平行にするのがより好ましい。更に、熱輻射体430の軸とステータコアSの軸とを略一致させるのが更に好ましく、一致させるのが最も好ましい。熱輻射体430からの輻射熱によりステータコアSの複数のティースS2を可及的に均等に加熱することができるからである。図4では、熱輻射体430の軸とステータコアSの軸とが軸Aで一致している場合を例に挙げて示す。
また、図5(b)に示すように、熱輻射体430の軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置が、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置よりもステータコアSの外側の位置になるように、熱輻射体430を配置するのが好ましい。ティースS2の軸方向(Z軸方向)の端部を熱輻射体430からの輻射熱により加熱し易くすることができるからである。ただし、熱輻射体430の軸方向の端部の当該軸方向の位置と、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の当該軸方向の位置とを同じにしてもよい。また、熱輻射は、軸方向(Z軸方向)の正の方向にも負の方向にも生じるので、ステータコアSの加熱条件等によっては、熱輻射体430の軸方向の端部の位置が、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部の位置よりも、ステータコアSの内側になるようにしてもよい。
本実施形態の熱輻射体430には、電源装置が接続されておらず、熱輻射体430は、電源装置からの電力の供給を受けて発熱(輻射熱を発生)するものでも、ステータコアSを誘導加熱するためのものでもない。
放射温度計140、150の構成および配置は、第1の実施形態で説明した通りである。本実施形態でも、放射温度計150は、ティースS2の先端面の領域であって、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の端部に可及的に近い領域の温度を測定する。従って、放射温度計150が、この領域を測定することができるように、熱輻射体430の周方向で相互に隣接する2つの歯の部分の間の領域と、ステータコアSの内周面(ティースS2の先端面)との間隔が定められる。
以上のように本実施形態では、ティースS2の先端面だけでなく、ティースS2の側面の一部(軸A側の領域)とも間隔を有して相互に対向するように熱輻射体430を構成・配置する。従って、熱輻射体130を用いる場合よりも、ステータコアSの内周面側の領域(特に、ティースS2)の温度が目標焼鈍温度TT以上になるまでに要する時間を短縮することができる。
(解析結果)
次に、ステータコアSの温度の解析結果の一例について説明する。
図6は、解析対象領域の第1の例を示す図であり、図7は、解析対象領域の第2の例を示す図である。図6は、第1の実施形態で説明した熱輻射体130を用いることを想定した場合の解析対象領域を示し、図7は、第2の実施形態で説明した熱輻射体130を用いることを想定した場合の解析対象領域を示す。図6(b)、図7(b)は、それぞれ、図6(a)、図6(b)のI-I断面図である。
図6および図7において、ステータコアSの解析対象領域は、第1の領域と第2の領域とが一体となった領域である。図6および図7において、第1の領域は、ステータコアSの(或る1つの)スロットSLを挟む位置にある2つのティースS2の領域のそれぞれを周方向において2つに等分割して得られる領域のうち、当該スロットSL側に位置する領域である。第2の領域は、ヨークS1の領域のうち、径方向において第1の領域およびスロットSLに繋がる領域である。尚、図6および図7では、2つのティースS2の残りの半分の領域と、当該領域に繋がるヨークS1の領域とを破線で示す。
また、図6および図7において、熱輻射体130、430の解析対象領域は、熱輻射体130、430の領域のうち、ステータコアSの解析対象領域と相互に対向する領域である。
ここでは、以下のステータコアSを、以下のソレノイドコイル110の内側に、それらの軸と、軸方向の中央の位置とが一致するように配置して、以下の条件の交流電流をソレノイドコイル110に流した場合のステータコアSの解析対象領域の各部の温度および熱輻射体130、430の解析対象領域の各部の温度を有限要素法により解析した。尚、ステータコアSの解析対象領域の、ステータコアSの周方向(図6(a)および図7(a)の両矢印線の方向)における端面は、断熱面であるとして解析を行った。また、比較例として、熱輻射体130、430を配置せず、解析対象領域をステータコアSのみとして、ステータコアSの解析対象領域の各部の温度を有限要素法により解析した。
ステータコアSの外径:130mm
ステータコアSの高さ:30mm
ステータコアSのティースの数:24
ステータコアSの材質:35A300(厚み0.35mm)
ソレノイドコイル110の巻数:7
ソレノイドコイル110のループの径:内径:80mm、外径:90mm
ソレノイドコイル110の(軸方向)の長さ:40mm
電流:正弦波(実効値:2500A、周波数:1000Hz)
上限温度TH1:800℃
下限温度TH2:730℃
目標焼鈍温度TT:730℃
上限温度TH1および下限温度TH2と比較する温度は、図6、図7に示したステータコアSの解析対象領域の外周面の位置のうち、周方向および軸方向の中央の位置601、702の温度とした(このことは比較例においても同じである)。以下の説明では、この位置601、701を、必要に応じて、外周面側温度比較位置601、701と称する。目標焼鈍温度TTと比較する温度は、ステータコアSのティースS2の先端面に対応する位置のうち、周方向および軸方向の中央の位置602、702の温度とした(このことは比較例においても同じである)。以下の説明では、この位置602、702を、必要に応じて、内周面側温度比較位置602、702と称する。また、以下の説明では、熱輻射体130、430の解析対象領域の外周面の位置のうち、周方向および軸方向の中央の位置を、熱輻射体温度参照位置603、703と称する。
図8は、ステータコアSの外周面の温度、ステータコアSの内周面の温度、および熱輻射体130、430の外周面の温度と、時間との関係を示す図である。図8(a)は、図6に示した解析対象領域を解析した結果(第1の実施形態の熱輻射体130を用いた場合の結果)を示し、実線のグラフAは、外周面側温度比較位置601、602の温度と時間との関係を示すグラフであり、破線のグラフBは、内周面側温度比較位置602、702の温度と時間との関係を示すグラフであり、一点鎖線のグラフCは、熱輻射体温度参照位置603、703と時間との関係を示すグラフである。図8(b)は、図7に示した解析対象領域を解析した結果(第2の実施形態の熱輻射体430を用いた場合の結果)を示し、実線のグラフDは、外周面側温度比較位置601、602の温度と時間との関係を示すグラフであり、破線のグラフEは、内周面側温度比較位置602、702の温度と時間との関係を示すグラフであり、一点鎖線のグラフFは、熱輻射体温度参照位置603、703と時間との関係を示すグラフである。図8(c)は、比較例(熱輻射体130、430を用いない場合の結果)を示し、実線のグラフGは、外周面側温度比較位置601、602の温度と時間との関係を示すグラフであり、破線のグラフHは、内周面側温度比較位置602、702の温度と時間との関係を示すグラフである。比較例では熱輻射体を用いないので、図8(c)には、熱輻射体温度参照位置603、703と時間との関係を示すグラフ(図8(a)に示すグラフC、図8(b)に示すグラフFに対応するグラフ)は存在しない。
図9は、ソレノイドコイル110に流れる交流電流と時間との関係を示す図である。図9(a)のグラフIは、図6に示した解析対象領域(第1の実施形態の熱輻射体130を用いた場合の温度)を解析する際に用いたソレノイドコイル110に流れる交流電流と時間との関係を示すグラフである。図9(b)のグラフJは、図7に示した解析対象領域(第2の実施形態の熱輻射体430を用いた場合の温度)を解析する際に用いたソレノイドコイル110に流れる交流電流と時間との関係を示すグラフである。図9(c)のグラフKは、比較例(熱輻射体130、430を用いない場合の温度)を解析する際に用いたソレノイドコイル110に流れる交流電流と時間との関係を示すグラフである。
図10、図11は、解析結果の一例として、ステータコアSの解析対象領域の温度分布の第1の例、第2の例を示す図である。図10は、図6に示した解析対象領域を解析した結果(第1の実施形態の熱輻射体130を用いた場合の結果)から得られるステータコアSの解析対象領域の温度分布である。図11は、図7に示した解析対象領域を解析した結果(第2の実施形態の熱輻射体430を用いた場合の結果)から得られるステータコアSの解析対象領域の温度分布である。図12は、熱輻射体130、430の解析対象領域の温度分布の第1の例、第2の例を示す図である。図12(a)は、図6に示した解析対象領域を解析した結果から得られる熱輻射体130の解析対象領域の温度分布である。図12(b)は、図7に示した解析対象領域を解析した結果から得られる熱輻射体430の解析対象領域の温度分布である。
ここでは、図8および図9に示すように、外周面側温度比較位置601、701の温度が800[℃]を上回ると、ソレノイドコイル110に交流電流を流すことを中止し、外周面側温度比較位置601、701の温度が730[℃]を下回ると、ソレノイドコイル110に交流電流を流すことを、内周面側温度比較位置602、702の温度が730[℃]になるまで繰り返した。図10、図11は、この結果、内周面側温度比較位置602、702の温度が初めて730[℃]以上になった時点でのステータコアSの解析対象領域の温度分布を示し、図12は、その時点での熱輻射体130、430の解析対象領域の温度分布を示す。
尚、前述したように、ステータコアSの解析対象領域の周方向(図10(a)、図10(b)、図11(a)、および図11(b)に示す両矢印線の方向)の端面は断熱面としている。従って、図10(a)、図10(b)、図11(a)、および図11(b)において、当該端面の領域の温度の分布は、境界条件に依存するものであり、実際の温度を反映するものではない。
図10(a)、図10(b)において、温度が最も高い位置は、ステータコアSの解析対象領域の外周面の領域のうち、周方向および軸方向の中央の位置(即ち、外周面側温度比較位置601)であり、その温度は、約743℃であった。一方、温度が最も低い位置は、(内周面側温度比較位置602ではなく)ステータコアSの解析対象領域のティースS2の軸方向の端の位置であり、その温度は、約711℃であった。
また、図11(a)、図11(b)において、温度が最も高い位置は、ステータコアSの解析対象領域の外周面の領域のうち、周方向および軸方向の中央の位置(即ち、外周面側温度比較位置701)であり、その温度は、約750℃であった。一方、温度が最も低い位置は、(内周面側温度比較位置702ではなく)ステータコアSの解析対象領域のティースS2の軸方向の端の位置であり、その温度は、約716℃であった。
このように、ステータコアSの温度差は30℃程度になり、ステータコアSに温度分布が生じることを抑制しつつ、ステータコアSの可及的に多くの領域を目標焼鈍温度TT以上で昇温することができることが分かる。また、図12(a)、図12(b)において、熱輻射体130、430が150℃~250℃程度まで加熱されていることが分かる。
図13は、ステータコアSの内周面の温度と時間との関係を示す図である。図13において、実線のグラフLは、比較例(熱輻射体を用いない場合)の内周面側温度比較位置の温度と時間との関係を示すグラフであり、図8(c)に示すグラフHと同じである。また、破線のグラフMは、(第1の実施形態の熱輻射体130を用いた場合の)内周面側温度比較位置602の温度と時間との関係を示すグラフであり、図8(a)に示すグラフBと同じである。また、一点鎖線のグラフNは、(第2の実施形態の熱輻射体430を用いた場合の)内周面側温度比較位置702の温度と時間との関係を示すグラフであり、図8(b)に示すグラフEと同じである。
図13に示すように、熱輻射体130、430を用いると、熱輻射体を用いない場合に比べ、内周面側温度比較位置602、702における温度が目標焼鈍温度TT(=730[℃])になるまでの時間を、それぞれ80秒、110秒程度短縮することができることが分かる(図13のΔt1、Δt2で示す部分を参照)。
(変形例)
次に、変形例について説明する。
<変形例1>
第1、第2の実施形態では、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の一方の端面と、放射温度計140の測温位置との、ステータコアSの軸方向の距離L1が、ステータコアSの軸方向の長さLの0.35倍以上、0.65倍以下になる範囲が好ましいとした。しかしながら、発明が解決しようとする課題の欄で説明した悪影響は、ステータコアSの焼鈍時の温度が過剰に高くなることによるものである。
図10および図11に示す例では、ステータコアSの温度差は30℃で程度ある。この温度差は、第1、第2の実施形態で説明したようにしてステータコアSの外周面の温度を測定し、その測定の結果に基づいてソレノイドコイル110に流す交流電流の通電・非通電を行っていれば、測温位置によって大きく変わることはない。従って、ステータコアSの最も温度が高くなる領域以外の領域を放射温度計140の測温位置としても、ステータコアSの最も温度が高くなる領域の温度が、過剰に高くなることはない。
また、ステータコアSの最も温度が高くなる領域以外の領域の温度を放射温度計140の測温位置としても、ステータコアSの外周面の領域のうち温度が最も高くなる領域の温度が所望の温度を上回らないように、放射温度計140で測定された温度と比較する上限温度TH1を調整することができる。
以上のように、ステータコアSの外周面の領域であれば、上限温度TH1未満とする領域を厳密に定める必要はないから、放射温度計140の測温位置は、ステータコアSの外周面の領域であれば、どの位置であってもよい。
また、以上のことは、放射温度計150についても同じである。即ち、第1、第2の実施形態では、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)の一方の端面と、放射温度計150の測温位置との、ステータコアSの軸方向の距離L2が、ステータコアSの軸方向の長さLの0倍以上、0.2倍以下になる範囲が好ましいとした。しかしながら、ステータコアSの温度差は、ステータコアSの内周面の測温位置によって大きく変わることはない。従って、ステータコアSの最も温度が低くなる領域以外の領域を放射温度計150の測温位置としても、ステータコアSの最も温度が低くなる領域の温度が、所望の温度よりも過剰に低くなることはない。
例えば、図10および図11に示した例では、放射温度計150の測温位置は、内周面側温度比較位置602、702であり、ステータコアSの最も温度が低くなる領域ではない。そして、図10および図11に示した例では、最低温度が約711℃、716℃であり、730℃に比較的近い温度になった。このように、ステータコアSの内周面の領域のうち、ステータコアSの最も温度が低くなる領域以外の領域の温度を放射温度計150の測温領域としても、ステータコアSの最も温度が低くなる領域の温度が、所望の温度よりも過剰に低くなることはない。
また、ステータコアSの最も温度が低くなる領域以外の領域の温度を放射温度計150の測温位置としても、ステータコアSの内周面の領域のうち温度が最も低くなる領域の温度が所望の温度以上になるように、放射温度計150で測定された温度と比較する目標焼鈍温度TTを調整することもできる。
以上のように、ステータコアSの内周面の領域であれば、目標焼鈍温度TT以上とする領域を厳密に定める必要はないから、放射温度計150の測温位置は、ステータコアSの内周面の領域であれば、どの領域であってもよい。
また、第1、第2の実施形態では、放射温度計140、150が1つである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、放射温度計140、150の数は、1つに限定されない。例えば、ステータコアSの周方向において、複数の放射温度計140を配置し、当該複数の放射温度計140で測定された温度の代表値(平均値や中央値等)を、ステータコアSの外周面の温度としてもよい。また、ステータコアSの軸方向において、複数の放射温度計140を配置し、当該複数の放射温度計140で測定された温度の代表値(平均値や中央値等)を、ステータコアSの外周面の温度としてもよい。更に、ステータコアSの軸方向と周方向とのそれぞれの方向において、複数の放射温度計140を配置し、当該複数の放射温度計140で測定された温度の代表値(平均値や中央値等)を、ステータコアSの外周面の温度としてもよい。このようにして複数の放射温度計を配置してもよいことは、放射温度計150についても同じである。
また、ステータコアSの周方向において、放射温度計140、150を1つずつ配置して、ステータコアSの外周面、内周面の周方向における複数の位置での温度を測定してもよい。例えば、ソレノイドコイル110に交流電流を流しているときに、ステータコアSを、その軸Aを回転軸として回転させる。このようにしてステータコアSが一回転する間の複数のタイミングで放射温度計140、150により、ステータコアSの外周面、内周面の温度を測定する。そして、放射温度計140、150で測定された温度の代表値(平均値や中央値等)を、ステータコアSの外周面、内周面の温度とする。このようにすれば、ステータコアSの周方向において、複数の放射温度計140、150を配置する必要はなくなる。一方、ステータコアSの軸方向においては、複数の放射温度計140、150を配置してもよい。尚、このようにする場合、熱輻射体430についてはステータコアSと同期して回転させるようにする。一方、熱輻射体130については回転させてもさせなくてもよい。
また、放射温度計140、150を用いれば、ステータコアSの外周面、内周面の温度を非接触で測定することができる。しかしながら、ステータコアSの外周面、内周面の温度を測定することができれば、必ずしも放射温度計を用いる必要はない。例えば、熱電対を用いてもよい。
<変形例2>
第1、第2の実施形態では、ステータコアSの外周面の温度の測定値が下限温度TH2を下回ると、交流電源120からソレノイドコイル110に電流を流すことを再開する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、交流電源120からソレノイドコイル110に電流を流すことを再開するタイミングは、このような条件が成立した場合に限定されない。例えば、交流電源120からソレノイドコイル110に電流を流すことを中止してから、所定の時間が経過すると、交流電源120からソレノイドコイル110に電流を流すことを再開してもよい。この場合、ステップS305の処理を、所定の時間が経過したか否かを判定する処理に変更すればよい。
<変形例3>
第1、第2の実施形態では、ソレノイドコイル110に流す交流電流の通電、非通電を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、ソレノイドコイル110に流す交流電流を制御していれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、ソレノイドコイル110に対し交流電流を非通電とすることに替えて、ソレノイドコイル110に流す交流電流の実効値を(ゼロを上回る範囲で)小さくすることと、ソレノイドコイル110に流す交流電流の周波数を低くすることとの少なくとも何れか一方を行うことができる。また、ソレノイドコイル110に対し交流電流を通電することに替えて、ソレノイドコイル110に流す交流電流の実効値を大きくすることと、ソレノイドコイル110に流す交流電流の周波数を高くすることとの少なくとも何れか一方を行うことができる。
また、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回るときの当該温度の昇温速度(単位時間当たりの温度の増加量)に応じて、ソレノイドコイル110に流れている交流電流を非通電にすることと、ソレノイドコイル110に流す交流電流を(ゼロを上回る範囲で)調整する(前述した実効値、周波数の変更を行う)こととの何れか一方を選択してもよい。例えば、ステータコアSの外周面の温度の測定値が上限温度TH1を上回るときの当該温度の昇温速度が閾値を上回る場合には、ソレノイドコイル110に流れている交流電流を非通電にし、そうでない場合には、ソレノイドコイル110に流す交流電流を、ゼロを上回る範囲で調整することを行う。
<変形例4>
第1、第2の実施形態では、ステータコアSの内周面と間隔を有して相互に対向する熱輻射体130、430を第1の熱輻射体の一例として用いる場合を例に挙げて説明したが、ステータコアSの上面および下面の少なくとも何れか一方の面と間隔を有して相互に対向する熱輻射体1410、1420を第2の熱輻射体の一例として更に用いてもよい。ステータコアSの上面、下面は、ステータコアSの軸方向(Z軸方向)における端面である。図14を参照しながら、このようにする場合の一例を説明する。図14は、ステータコアS、熱輻射体130、1410、1420、および放射温度計140、150の配置の一例を示す図である。図14(a)は、ステータコアSを、Z軸の正の方向から負の方向に向かって見た様子の一例を示す図である。図14(a)では、熱輻射体1410を取り外した場合に見える部分(熱輻射体1410を透視することにより見える部分)を破線で示す。図14(b)は、図14(a)のI-I断面図である。尚、図14は、図2に対応する図であり、図14でも図2と同様に、表記の都合上、ソレノイドコイル110の図示を省略する。
図14において、熱輻射体1410は、ステータコアSの上面のうち、ティースS2を含む領域と間隔を有して相互に対向する位置に配置される。熱輻射体1420は、ステータコアSの下面のうち、ティースS2を含む領域と間隔を有して相互に対向する位置に配置される。熱輻射体1410、1420の形状、大きさ、および材質は、同一であるものとする(ただし、形状、大きさ、および材質の少なくとも1つが異なるものであってもよい)。熱輻射体1410、1420は、熱輻射体130と同じ材料(第1の実施形態で説明した例では軟磁性体)を用いて構成することができる。ただし、熱輻射体1410、1420は、輻射熱を発生させることができれば、熱輻射体130と同じ材料で構成しなくてもよい。例えば、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の軟磁性体以外の材料を用いて熱輻射体1410、1420を構成することができる。また、第1の実施形態で説明したように熱輻射体130も、例えば、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の軟磁性体以外の材料を用いて構成することができる。熱輻射体1410、1420は、中空円筒形状を有し、当該中空円筒の内周面が、熱輻射体130の外周面と相互に接触した状態で配置される。このようにすることにより、ステータコアSの内周面に加えて上面、下面との間でも熱輻射交換を行うことができるので、ステータコアSの内周面の温度が上昇するのに要する時間をより一層短縮することができる。
尚、熱輻射体1410、1420も、熱輻射体130、430と同様に、電源装置からの電力の供給を受けて発熱(輻射熱を発生)するものでも、ステータコアSを誘導加熱するためのものでもない。
また、図14では、第1の実施形態のコア焼鈍システムに対して熱輻射体1410、1420を適用する場合を例に挙げて示したが、第2の実施形態のコア焼鈍システムに対して熱輻射体1410、1420を適用してもよい。
また、図14では、熱輻射体1410、1420が、ステータコアSの上面、下面の一部の領域と間隔を有して相互に対向する場合を例に挙げて示したが、ステータコアSの上面、下面の全部の領域と間隔を有して相互に対向するように熱輻射体を構成・配置してもよい。
また、熱輻射体1410、1420を熱輻射体130と別の熱輻射体とすることにより、ステータコアSの高さ(軸方向の長さ)に合わせて熱輻射体1410、1420の軸方向の位置を調整することができるので好ましいが、熱輻射体1410、1420を熱輻射体130と一体としてもよい。
<変形例5>
第1、第2の実施形態では、熱輻射体130、周回部431が中空円筒形状である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、熱輻射体130、430をステータコアS1の軸(軸A)に垂直に切った場合に、(少なくともステータコアSと対向する領域では軸方向(Z軸方向)の何れの位置においても)熱輻射体130、430が周方向において途切れることなく軸Aの周りを周回する構成を有していれば、熱輻射体130、周回部431は、必ずしも中空円筒形状である必要はない。例えば、熱輻射体130、周回部431は、中空の角柱形状であってもよい(尚、角柱の底面を構成する多角形は、角の数が多い多角形であるほど好ましい)。
また、以上のように、熱輻射体130、430をステータコアS1の軸(軸A)に垂直に切った場合に、(少なくともステータコアSと対向する領域では軸方向(Z軸方向)の何れの位置においても)熱輻射体130、430が周方向において途切れることなく軸Aの周りを周回する構成を有していれば、ステータコアSの内周面の全体と軸Aとの間に、熱輻射体130、430が隙間なく配置されるようにすることができる。従って、ステータコアSの内周面からの輻射熱が、熱輻射体130、430の中空部分(軸Aに近い部分)に伝わるのを抑制することができるので好ましい。しかしながら、熱輻射体の外周面が、ステータコアSの内周面のうち、少なくとも、ティースS2の先端面と間隔を有して相互に対向するように配置していれば、熱輻射体は、例えば、周方向において間隔を有した状態で配置されてもよい。
<変形例6>
第1、第2の実施形態では、ステータコアSを誘導加熱するための誘導加熱用コイルとしてソレノイドコイル110を例に挙げて説明した。しかしながら、誘導加熱用コイルは、ステータコアSを誘導加熱することができる構成のコイルであれば、ソレノイドコイルに限定されない。例えば、ステータコアSの高さが低い場合には、ステータコアSの軸(Z軸方向)に垂直な平面(X-Y平面)において複数回巻き回されるコイルを誘導加熱用コイルとして用いてもよい。また、ステータコアSの軸に垂直な平面において複数回巻き回した上で、ステータコアSの軸の方向に螺旋状に巻き回したコイルを誘導加熱用コイルとしてもよい。
<変形例7>
その他、特許文献1と同様に、チャンバー内でステータコアSの誘導加熱を行ってもよい。
(その他の実施形態)
以上説明した本発明の実施形態のうち、制御装置160で実行される処理は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
110:ソレノイドコイル、120:交流電源、130、430、1410、1420:熱輻射体、140、150:放射温度計、160:制御装置、161:外周面温度取得部、162:内周面温度取得部、163:外周面温度判定部、164:内周面温度判定部、165:電源制御部

Claims (18)

  1. ステータコアを誘導加熱用コイルの内側に配置して誘導加熱することにより焼鈍するコアの焼鈍方法であって、
    前記ステータコアの外周面の測温位置での温度を測定する第1の測定工程と、
    前記ステータコアの内周面の測温位置での温度を測定する第2の測定工程と、
    前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御する制御工程と、
    前記ステータコアを前記誘導加熱以外の方法で加熱する加熱工程と、を有し、
    前記ステータコアは、ヨークと、複数のティースとを有し、
    前記ヨークは、前記ステータコアの周方向に延在する領域であり、
    前記複数のティースは、前記ステータコアの周方向において間隔を有して配置される領域であって、それぞれが前記ヨークの内周端から前記ステータコアの軸の方向に向かって前記ステータコアの径方向に延在する領域であり、
    前記加熱工程では、前記ステータコアから発生する輻射熱により加熱される熱輻射体であって、当該加熱による発熱により輻射熱を発生する第1の熱輻射体を用いて前記ステータコアを加熱し、
    前記第1の熱輻射体は、少なくとも前記ティースの先端面と間隔を有して相互に対向する位置に配置され、且つ、電源装置から電力の供給を受けないことを特徴とするコアの焼鈍方法。
  2. 前記第1の熱輻射体は、前記第1の熱輻射体を前記ステータコアの軸に垂直に切った場合に、前記ステータコアの軸の周りを途切れることなく周回するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコアの焼鈍方法。
  3. 前記第1の熱輻射体は、周回部と、複数の突出部とを有し、
    前記周回部は、前記第1の熱輻射体を前記ステータコアの軸に垂直に切った場合に、前記ステータコアの軸の周りを途切れることなく周回するように構成され、
    前記周回部の外周面は、前記ティースの先端面と間隔を有して相互に対向し、
    前記複数の突出部は、前記周回部の外周面に、前記ステータコアの周方向において間隔を有して配置され、
    前記突出部の一部の領域は、前記ステータコアの周方向において相互に隣り合う位置にある2つの前記ティースの間の領域に、当該ティースおよび前記ヨークと間隔を有した状態で配置されることを特徴とする請求項1に記載のコアの焼鈍方法。
  4. 前記第1の熱輻射体の、前記ステータコアの軸方向の端部の当該軸方向の位置は、前記ステータコアの軸方向の端部の当該軸方向の位置と同じ、または、前記ステータコアの軸方向の端部の当該軸方向の位置よりも前記ステータコアの外側にあることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  5. 前記第1の熱輻射体は、熱伝導率が30[W/(m・K)]以下の材料を用いて構成されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  6. 前記第1の熱輻射体は、軟磁性体を用いて構成されることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  7. 前記加熱工程では、前記ステータコアから発生する輻射熱により加熱される熱輻射体であって、当該加熱による発熱により輻射熱を発生する第2の熱輻射体を更に用いて前記ステータコアを加熱し、
    前記第2の熱輻射体は、前記ステータコアの軸方向の端面と間隔を有して相互に対向する位置に配置され、且つ、電源装置から電力の供給を受けないことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  8. 前記制御工程では、少なくとも、前記誘導加熱用コイルに対する交流電流の通電、非通電を制御することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  9. 前記制御工程では、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度が第1の閾値を上回ると、前記誘導加熱用コイルに流れている交流電流を非通電にすることと、その後に所定の条件が成立した場合に、前記誘導加熱用コイルに対する交流電流の通電を再開することと、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になった場合に、前記誘導加熱用コイルに流れている交流電流を非通電にすることと、を少なくとも実行することを特徴とする請求項8に記載のコアの焼鈍方法。
  10. 前記制御工程では、少なくとも、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流の実効値および周波数の少なくとも何れか一方を制御することを特徴とする請求項7または8に記載のコアの焼鈍方法。
  11. 前記制御工程では、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度が第1の閾値を上回ると、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流の実効値および周波数の少なくとも何れか一方を低減させることと、その後に所定の条件が成立した場合に、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流の実効値および周波数の少なくとも何れか一方を増加させることと、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になった場合に、前記誘導加熱用コイルに流れている交流電流を非通電にすることと、を少なくとも実行することを特徴とする請求項8に記載のコアの焼鈍方法。
  12. 前記所定の条件は、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を下回ること、または、所定の時間が経過することであることを特徴とする請求項9または11に記載のコアの焼鈍方法。
  13. 前記所定の条件は、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を下回ることであり、
    前記第2の閾値と、前記目標温度は同じ温度であることを特徴とする請求項12に記載のコアの焼鈍方法。
  14. 前記ステータコアの内周面の測温位置での温度は、前記ティースの先端面の測温位置での温度を含むことを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  15. 前記第1の測定工程では、前記ステータコアの外周面の複数の測温位置における温度を測定し、
    前記制御工程では、前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の複数の測温位置での温度の代表値に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御することを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  16. 前記第2の測定工程では、前記ステータコアの内周面の複数の測温位置における温度を測定し、
    前記制御工程では、前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の複数の測温位置での温度の代表値が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御することを特徴とする請求項1~15の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  17. 前記第1の測定工程では、前記ステータコアが、その軸を回転軸として回転されているときの複数のタイミングで、前記ステータコアの外周面の温度を測定し、
    前記第2の測定工程では、前記ステータコアが、その軸を回転軸として回転されているときの複数のタイミングで、前記ステータコアの内周面の温度を測定し、
    前記制御工程では、前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の複数のタイミングにおける温度の代表値が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の複数のタイミングにおける温度の代表値に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御することを特徴とする請求項1~16の何れか1項に記載のコアの焼鈍方法。
  18. ステータコアを誘導加熱用コイルの内側に配置して誘導加熱することにより焼鈍するコア焼鈍システムであって、
    前記ステータコアの外周面の測温位置での温度を測定する第1の測定手段と、
    前記ステータコアの内周面の測温位置での温度を測定する第2の測定手段と、
    前記誘導加熱用コイルに交流電流を流すことを開始した後、前記ステータコアの内周面の測温位置での温度が目標温度以上になるまで、前記ステータコアの外周面の測温位置での温度に基づいて、前記誘導加熱用コイルに流す交流電流を制御する制御手段と、
    前記ステータコアから発生する輻射熱により加熱される第1の熱輻射体であって、当該加熱による発熱により輻射熱を発生する第1の熱輻射体と、
    を有し、
    前記ステータコアは、ヨークと、複数のティースとを有し、
    前記ヨークは、前記ステータコアの周方向に延在する領域であり、
    前記複数のティースは、前記ステータコアの周方向において間隔を有して配置される領域であって、それぞれが前記ヨークの内周端から前記ステータコアの軸の方向に向かって前記ステータコアの径方向に延在する領域であり、
    前記第1の熱輻射体は、少なくとも前記ティースの先端面と間隔を有して相互に対向する位置に配置され、且つ、電源装置から電力の供給を受けないことを特徴とするコア焼鈍システム。
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