以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1の実施形態による、ウェアラブル装置30を装着した状態の使用者10の模式的な正面図である。図中に矢印で示すように、以降の説明においては、使用者10の右手側を右(座標上、-X方向)、使用者10の左手側を左(座標上、+X方向)、使用者10の頭部側を上(座標上、+Y方向)、使用者10の足側を下(座標上、-Y方向)と記載する。また、使用者10の身体の前面(腹部側)が向かう方向を前方(座標上、-Z方向)、使用者10の背面(背中側)が向かう方向と後方(座標上、+Z方向)と記載する場合がある。
概略的には、ウェアラブル装置30は、使用者10の上体(例、腰、腕、背中、腹、胸、頭などの腰から上の部分)の動作(例、姿勢)を反映した物理量と、使用者10の動作(例、姿勢)を維持する筋肉の緊張の程度を反映した物理量とを測定し、使用者10に掛かる負荷の値を算出する。
例えば、上体の姿勢を反映した物理量には、上体の傾きおよび旋回等の姿勢を反映した物理量が含まれる。上体の傾きの姿勢を反映した物理量には、腰の屈曲等に伴う地面に対する脊椎の角度等が含まれる。地面に対する脊椎の角度は、冠状面と矢状面の交わる中心線を指標として測定することができ、簡易的には使用者10の背中に装着した加速度センサ等によって測定することができる。また、上体の旋回の姿勢を反映した物理量には、冠状面または矢状面の回転角等が含まれ、使用者10の背中に装着した加速度センサ等によって測定することができる。
例えば、姿勢を維持する筋肉には、体幹筋が含まれる。体幹筋のうち、後体幹筋または前体幹筋の一部について緊張の程度を反映した値を測定することができれば、使用者10に掛かる負担の値を算出することができる。体幹筋のうち、前体幹筋は測定器の装着による影響を受けやすいため、後体幹筋の緊張の程度を反映した値を測定するのが好ましい。
後体幹筋を測定する場合は、いわゆる「背筋」と呼ばれている広背筋、脊柱起立筋および僧帽筋のうちいずれかの筋肉の緊張の程度を反映した値を測定するのが好ましい。また、前体幹筋を測定する場合は、いわゆる「腹筋」と呼ばれている腹直筋、腹横筋、腹斜筋のうちいずれかの筋肉の緊張の程度を反映した値を測定するのが好ましい。なお、広背筋、脊柱起立筋および僧帽筋をまとめて背筋群と呼ぶ。また、腹直筋、腹横筋、腹斜筋をまとめて腹筋群と呼ぶ。
ただし、活動している使用者10の筋肉が発生する筋力Fを直接に測定することは難しい。そこで、使用者10の筋肉が発生する筋力Fの指標として、筋肉の緊張の程度を反映した物理量を取得し、取得した物理量に基づいて筋力Fを算出することができる。これにより、比較的容易に、活動中の使用者10の筋肉が発生する筋力を測定できる。ここで、筋肉の緊張の程度を反映した物理量は、例えば、筋肉の硬さとして測定できる。
図1を参照すると、任意の衣服20を着用した使用者10が、自身の腰周りに衣服20の上からウェアラブル装置30を装着している様子が示されている。ウェアラブル装置30は、使用者10の上体(この場合、腰)に取り付けられるベルト装置(人体用ベルト装置、腰ベルト装置)200を備える。ベルト装置200は、使用者10の背部(例、背中)から前部(例、腹部)へと使用者10の腰に巻き付けられて、使用者10の腹部上で部分的に重ねられて固定される。固定手段としては、例えば面ファスナ、フック、ボタンなどの任意のものを用いてよい。なお、図1では、単に説明の為に、ベルト装置200を、境界を破線で示すと共に、透けた状態で描いた。図1と同様、後述の図2、図7および図8においても、単に説明の為に、ベルト装置200を、境界を破線で示すと共に、透けた状態で描いた。
図2は、第1の実施形態による、ウェアラブル装置(筋力補助装置)30を装着した状態の使用者10の模式的な背面図である。ウェアラブル装置30は、ベルト装置200に加えて、使用者10の動作(この場合、姿勢)を検出する検出装置100も備える。
検出装置100は、使用者10の腰に巻き付けられたベルト装置200によって部分的に使用者10に押し付けられるように固定される。検出装置100は、ベルト装置200からの押し付けによって使用者10の上体(例、腰)に固定される本体部110と、予め定められた位置に配置される上側部120と、本体部110と上側部120とを結合し、使用者10に向かう方向(例、使用者10に対向する方向)に弾性を有する上側結合部141とを備える。上側部120が配置される予め定められた位置の例は、使用者10の脊椎の延在方向において、本体部110から上側に離れた位置である。上側結合部141は、本体部110を基準位置として、当該基準位置から、使用者10の脊椎の延在方向における上側に延在している部材である。よって、上側部120は、上側結合部141の端部のうち上端側に結合されることによって、上記の予め定められた位置に配置される。なお、上側結合部141は、結合部の一例である。
なお、上側部120が配置される予め定められた位置は、使用者10(使用者10の衣服20を含む)に接触して使用者10の姿勢を検出する位置、すなわち姿勢検出位置とも呼ばれ得る。姿勢検出位置には、使用者10の腰から脊椎の延在方向に離れた位置が含まれてもよく、本体部110から予め定められた方向に離れ、本体部110が使用者10の腰に固定されたときに使用者10の背中に相当する位置が含まれてもよい。
検出装置100は更に、第2の予め定められた位置に配置される下側部130と、本体部110と下側部130とを結合し、使用者10に向かう方向に弾性を有する下側結合部143とを備える。下側部130が配置される第2の予め定められた位置には、使用者10の脊椎の延在方向において本体部110から下側に離れた位置が含まれる。下側結合部143は、本体部110を基準位置として、当該基準位置から、使用者10の脊椎の延在方向における下側に延在している部材である。よって、下側部130は、下側結合部143の端部のうち下端側に結合されることによって、上記の第2の予め定められた位置に配置される。なお、下側結合部143は、第2の結合部の一例である。
上側結合部141および下側結合部143は、例えば形状記憶合金やSUS等の金属からなる線材である。上側結合部141および下側結合部143は、代替的に、プラスチック等の樹脂やばねを有する金属からなる線材であってもよい。
検出装置100は更に、上側部120を本体部110に電気的に接続する上側配線151と、下側部130を本体部110に電気的に接続する下側配線153と、本体部110をベルト装置200に電気的に接続する本体配線155とを備える。
また、ベルト装置200は、使用者10の上体(例、腰)に巻き付けられて固定される布製ベルト(ベルト部)201を備える。ベルト装置200は更に、ベルト201の両平面のうち、後方側の、使用者10に接触しない面(使用者10に対向しない面、使用者10に面しない方)に固定されている制御ユニット220と、使用者10の腰の右側および左側で上下方向に沿って当該面に固定されている2つのアクチュエータ209と、少なくとも制御ユニット220とアクチュエータ209とを電気的に接続するベルト配線255とを備える。また、ベルト201の長手方向(例、巻き付き方向)の中心付近には開口部203が設けられている。なお、制御ユニット220は、ベルト201の内部に設けた空間に配置されてベルト201に固定されていてもよい。また、制御ユニット220は、アクチュエータ(例、ピエゾ、電磁モータなど)209の動作を制御する。
アクチュエータ209は、電圧が印加されると長手方向、すなわち上下方向に伸縮する高分子材料を含む。アクチュエータ209の上下方向の両端は、ベルト201に固定される。アクチュエータ209は、収縮することでベルト201を介して使用者10の腰をベルト201の巻き付き方向(腰周り)に締め付ける。また、アクチュエータ209は、伸長することでベルト201を介して使用者10の腰の締め付けを解放できる。なお、アクチュエータ209が電圧を印加すると伸長する場合においては、電圧の印加を解除した場合に、アクチュエータ209が使用者10の腰部を締め付ける構成としてもよい。また、アクチュエータ209は、例えば電磁モータであって、アクチュエータ209は電圧を印加されると回転方向に回転され、ベルト201を介して使用者10の腰をベルト201の巻き付き方向(腰周り)に締め付ける。
高分子材料の一例は、ポリロタキサン架橋体である。アクチュエータ209は、平面状のポリロタキサン架橋体の両面を伸縮性の電極で挟んだシート部材を巻くことによって作製される。アクチュエータ209は、柔軟性を有するので、着用した状態で歩行したときのユーザの違和感を低減できる。
高分子材料の他の例は、非イオン性ゲルである。この場合、アクチュエータ209は、一対の外側電極と、一対の外側電極の間に配置されたメッシュ状のメッシュ電極と、メッシュ電極と各外側電極との間に設けられた非イオン性ゲルとを有する。非イオン性ゲルの一例は、ジメチルスルホキシドを溶媒とするポリビニルアルコールのゲルである。このアクチュエータ209では、メッシュ電極に外側電極よりも高い電圧を印加すると、外側電極から非イオン性ゲルに負電荷が注入されて、メッシュ電極に引き寄せられる。この結果、一対の外側電極間の距離が収縮する。逆に電圧の印加を停止すると、非イオン性ゲルの弾性力によって、元の状態に戻って伸長する。この外側電極、メッシュ電極及び非イオン性ゲルの組み合わせを複数積層することによって、伸縮量を増加させることができる。
高分子材料の他の例は、ポリピロール膜である。電解液中に浸漬されたポリピロール膜は、電圧が印加されることにより、膨張または収縮する。例えば、正の電圧が印加されると、ポリピロール膜は膨張する。負の電圧が印加されると、ポリピロール膜は収縮する。アクチュエータ209は、ポリピロール膜を含む場合、電解液が必要となるので、アクチュエータ209を封止する必要がある。
次に、図3および図4を用いて、検出装置100およびベルト装置200の各構造の詳細と、検出装置100をベルト装置200に取り付ける方法とを説明する。図3は、第1の実施形態による、検出装置100の模式的な正面図である。図4は、第1の実施形態による、互いに着脱可能な検出装置100およびベルト装置200の模式的な側面図である。
検出装置100の本体部110は、筐体111と、筐体111の前方側に取り付けられる状態検出部112と、筐体111の内部に配される報知部117と、筐体111の後方側に取り付けられる本体カバー119と、検出装置100をベルト装置200に固定するための取り付け部115および取り付け部116とを備える。本体部110の筐体111は、使用者10の腰に対向する表面111aと、表面111aに交差又は直交する側面111bと、表面111aと反対側の裏面111cとを有する。
状態検出部112は、使用者10の腰の状態を検出する。腰の状態とは、例えば腰に負荷が掛かっている状態や、腰が向いている方向を含む。状態検出部112は、使用者10の腰に掛かる負荷を検出する負荷検出部を含む。当該負荷検出部は、使用者10の腰の筋肉の硬さ(以下、「筋硬さ」とも言う。)を検出する左側ロードセル113および右側ロードセル114を含む。筋硬さとは、筋肉の硬さの指標となる数値をいう。例えば、各ロードセルを、測定の対象となる筋肉部位の体表部分に接するように設置した場合に、各ロードセルによって力の値(N)として測定される値をいう。左側ロードセル113および右側ロードセル114は、使用者10の背筋群のいずれかひとつの背筋に重なる位置に配される。例えば、図2では、左側ロードセル113は使用者10の左側の脊柱起立筋に重なる位置に配され、右側ロードセル114は右側の脊柱起立筋に重なる位置に配されている。これにより、腰の屈曲に伴って使用者10の背筋群の硬さが変化した場合に、左側ロードセル113および右側ロードセル114はそれぞれ、筋硬さの変化に応じて出力電圧を変化させる。なお、各ロードセルは、静止状態においても着用に基づいて生じる負荷の値(装着に必要な圧力等)を出力するので、筋硬さは、安静時等における筋肉に負荷がかかっていない状態で測定した値を基準値とし、測定値と基準値との差分を算出した値を用いてもよい。
報知部117は、例えばスピーカやLEDや圧電素子である。報知部117は、報知信号が入力されると、使用者10に報知すべく音声や光や振動を発する。
図3に示すように、検出装置100の上側部120は、背面側が開口している筐体121と、筐体121の前方側に取り付けられる細長な板状の拡張部122と、拡張部122の長手方向の両端側且つ前方側に取り付けられる接触検出部123と、筐体121の内部に配される姿勢検出部126と、上側結合部141を上側部120に固定すべく筐体121の後方側に取り付けられる上側カバー129とを備える。拡張部122は、筐体121への取り付け位置を中心として、概ね対称的に長手方向に延在する。そのため、拡張部122は、少なくとも拡張部122の両端において、使用者10の腰に安定して接触することができる。このような拡張部122を筐体121の前方側に取り付けることによって、検出装置100は、使用者10が側屈したり上体をひねったりした場合であっても、上側部120全体が使用者10の腰の動きに安定して追従するので、姿勢検出部126による姿勢の検出精度を向上できる。
姿勢検出部126は、上側結合部141によって本体部110と結合された上側部120に配されることで本体部110と結合され、上側結合部141に支持された状態において上記の予め定められた位置に配置される。姿勢検出部126は、当該予め定められた位置において使用者10の姿勢を検出する。当該予め定められた位置の例は、使用者10の背中の上部にある胸椎付近の位置である。胸椎付近の例は、使用者10の表皮から伸ばした法線が胸椎に到達する、表皮上の位置である。
また、姿勢検出部126は、上側部120の加速度を検出する加速度センサを含む。加速度センサは、例えば3軸センサであり、水平方向の変位による加速度の他、重力方向の加速度も検出して、検出した加速度を姿勢データとして外部へ出力できる。これにより、使用者10が水平移動したり上体をひねったりした場合に生じる腰の水平方向の変位に起因する加速度の他、使用者10が前後屈したり側屈したり場合に生じる腰の高さ方向の変位に起因する加速度も検出できる。姿勢検出部126は、上側配線151を介して本体部110に電気的に接続されており、検出した姿勢データを本体部110に出力する。
接触検出部123は、姿勢検出部126の、使用者10の上体(例、腰)に対する接触の状態を検出する。接触検出部123には、姿勢検出部126が使用者10の腰から受ける反力を直接的に検出する左側圧力センサ124および右側圧力センサ125が含まれる。左側圧力センサ124は、使用者10の腰の左側に配され、右側圧力センサ125は、腰の右側に配される。
接触検出部123は、上側配線151を介して本体部110に電気的に接続されており、姿勢検出部126が使用者10の腰に接触していないことを検出した場合に、使用者10に報知するための報知信号を本体部110の報知部117に出力する。上記で説明した報知部117は、このように、接触検出部123において、姿勢検出部126が使用者10の腰に接触していないと検出された場合に、接触検出部123から報知信号を入力されて、音声や光や振動を発することで使用者10に報知する。
次に、検出装置100の下側部130は、上側部120と同様の構成として、後方側が開口している筐体131と、筐体131の前方側に取り付けられる細長な板状の拡張部132と、筐体131の内部に配される第2の姿勢検出部136と、下側結合部143を下側部130に固定すべく筐体131の後方側に取り付けられる下側カバー139とを備える。ここでは、第2の姿勢検出部136を除き、上側部120と同様の構成の説明を省略する。
第2の姿勢検出部136は、本体部110から上側結合部141と反対側へ延出する下側結合部143によって本体部110と結合された下側部130に配されることで、本体部110と結合され、下側結合部143に支持された状態において上記の第2の予め定められた位置に配置される。第2の姿勢検出部136は、当該第2の予め定められた位置において使用者10の姿勢を検出する。第2の姿勢検出部136は、下側部130の加速度を検出する下側加速度センサを含む。第2の姿勢検出部136は、下側配線153を介して本体部110に電気的に接続されており、検出した加速度を姿勢データとして本体部110に出力する。
第2の姿勢検出部136が配置される第2の予め定められた位置には、使用者10の仙骨付近の位置が含まれる。仙骨付近の位置とは、使用者10の表皮から伸ばした法線が仙骨に到達する、表皮上の位置を意味する。仙骨は、使用者10が水平移動しない限り、水平方向の変位が生じにくい。一方で、使用者10の胸椎は、使用者10の上体の傾きが変化した場合に、大きく変位する。よって、使用者10が水平移動していないと仮定して、使用者10の胸椎付近の予め定められた位置に配置された姿勢検出部126から出力される姿勢データのみに基づいて、使用者10の姿勢を検出してもよい。一方で、使用者10が水平移動するならば、第2の姿勢検出部136から出力される姿勢データと姿勢検出部126から出力される姿勢データとの差分を用いて使用者10の姿勢を算出することにより、姿勢検出部126から出力される姿勢データのみに基づく場合に比べて使用者10の姿勢をより正確に検出できる。
下側部130は、上側部120と異なる構成として、拡張部122の長手方向の両端側且つ前方側に取り付けられる突起部137および突起部138を備える。突起部137および突起部138は、拡張部132が使用者10の腰の動きに安定して追従することを確実にすべく、すなわち、第2の姿勢検出部136による姿勢の検出精度を高めるべく、使用者10が着用している衣服20の表面で第2の姿勢検出部136が滑ることを防止する。
また、ベルト装置200は、上述した構成に加えて、図4に示す通り、検出装置100をベルト装置(ベルト装置)200に取り付けるときに、検出装置100の本体部110から延出している本体配線155と結合することで、制御ユニット220を検出装置100の本体部110に電気的に接続するベルト配線255と、ベルト装置200を本体部110に固定するための取り付け部215および取り付け部216と、を備える。なお、ベルト201の開口部203には、ベルト201の両平面のうち使用者10に接触しない面(使用者10に対向しない面、使用者10に面しない方)の後方側から使用者10に接触する面(使用者10に対向する面、使用者10に面する方)の前方側へとベルト配線255を予め挿通しておく。これにより、使用者10は、本体配線155とベルト配線255とを、ベルト201の両平面のうち使用者10に対向する面の前方側にて結合できる。また、ベルト201は、例えば、腰に密着させるために、伸縮性を有する布部(例、布製生地)を有する。
図4に示される通り、検出装置100の本体部110は、自身の取り付け部115および取り付け部116をそれぞれ、ベルト装置200の取り付け部215および取り付け部216に取り付けたり取り外したりすることができる。すなわち、本体部110は、ベルト装置200に着脱自在となっている。よって、検出装置100は、ベルト装置200に対して着脱自在となっている。このように、検出装置100の本体部110はベルト装置200(この場合、ベルト装置200のベルト201)に固定され、検出装置100の姿勢検出部126及び第2の姿勢検出部136は結合部(上側結合部141、下側結合部143)に固定されてベルト装置200(ベルト201)に対して非接触である。例えば、姿勢検出部126及び第2の姿勢検出部136は、ベルト装置200(ベルト201)に固定されていなく、結合部を介して本体部110に固定されている。例えば、結合部は、ベルト装置200(ベルト201)に直接的に接続されていない。また、結合部は、本体部110と姿勢検出部(126、136)とを結ぶ仮想的な線(例、曲線、直線)上において、本体部110と姿勢検出部(126、136)との間に配置されている。
図4には、実験によって導出された、上側結合部141および下側結合部143の形状と、検出装置100の寸法とが例示されている。例えば、上側結合部141および下側結合部143はそれぞれ、一方向に長い長手方向と該長手方向に直交する方向に短い短手方向とを有する形状である。上側結合部141および下側結合部143を仮想的に別体と見なした場合に、上側結合部141および下側結合部143のそれぞれの2つの端部の一方は、長手方向が本体部110から延在する方向となるように、本体部110に固定され、2つの端部の他方は、本体部110から長手方向に延在する位置に配置される。また、例えば、結合部(上側結合部141及び/又は下側結合部143)は2つの端部を有し、少なくとも一方の端部側に姿勢検出部(姿勢検出部126又は第2の姿勢検出部136)が配置され固定されており、他方の端部側に本体部110又は別の姿勢検出部(姿勢検出部126又は第2の姿勢検出部136)が配置され固定されている。
また、上側結合部141は、図4に示す通り、本体部110の側面111b(例、使用者10の上体(腰)に対向する表面111aに交差する面)の方向視において少なくとも一部が曲がった形状(例、結合部のうち端部側(姿勢検出部126が配置される側)の部分が本体部110から延びる部分に対し角度を有する形状)であり、本実施形態では本体部110と上側部120との間の一点で屈曲している。下側結合部143も同様に、本体部110の側面111bの方向視において少なくとも一部が曲がった形状(例、結合部のうち端部側(第2の姿勢検出部136が配置される側)の部分が本体部110から延びる部分に対し角度を有する形状)であり、本実施形態では本体部110と下側部130との間の一点で屈曲している。上側結合部141および下側結合部143のそれぞれの当該形状により、使用者10がウェアラブル装置30を装着した場合に、使用者10の腰に各姿勢検出部が押し付けられた状態となる。なお、上側結合部141は、本体部110の側面111bの方向視において本体部110と上側部120との間の複数個所で屈曲していてもよく、下側結合部143も、本体部110の側面111bの方向視において本体部110と下側部130との間の複数個所で屈曲していてもよい。
そして、検出装置100の長手方向の全長は100mm以上、又は100mmから300mmであって、例えば200mmである。上側結合部141の屈曲点から下側結合部143の屈曲点までの本体部110を含む長さは50mmから150mmであって、例えば100mmである。また、上側部120および下側部130が使用者10の腰に押し付けられていない状態(腰に装着されていない状態)において、上側結合部141は、例えば、検出装置100の主方向である鉛直方向から前方に25°だけ屈曲し、下側結合部143は当該鉛直方向から前方に28°だけ屈曲している。両角度は、83名の試験者を直立した状態でレントゲン撮影し、直立状態の試験者の脊椎の角度の中で最大のものを選択して設定した。例えば、本実施形態の上側結合部141及び下側結合部143における屈曲させる上記角度は、10°以上45°以内であってもよい。
図5は、第1の実施形態による、検出装置100の組み立て方法を説明するための模式的な斜視図である。図5を参照して、図1から図4に示されていなかった検出装置100の各構成の詳細も併せて説明する。
本実施形態における上側結合部141および下側結合部143は、図5に示される通り、一体的に単一の部材で形成されている。上側結合部141と下側結合部143との接続箇所は、コの字を形成するように4か所で屈曲し、当該コの字の位置に本体部110が配される。また、上側結合部141および下側結合部143のそれぞれの先端側は、アルファベットJの字を形成するように4か所で屈曲し、上側結合部141のJの字の位置に上側部120が配され、下側結合部143のJの字の位置に下側部130が配される。なお、上側結合部141および下側結合部143は、別個に二部材で形成されていてもよい。
本体部110の筐体111の後方の面(裏面111c)には、上記のコの字に対応する溝が形成されており、当該溝に上側結合部141と下側結合部143との接続箇所(接続部)が収容される。同様に、上側部120の筐体121の後方の面には、上記のJの字に対応する溝が形成されており、当該溝に上側結合部141の先端側が収容される。また同様に、下側部130の筐体131の後方の面には、上記のJの字に対応する溝が形成されており、当該溝に下側結合部143の先端側が収容される。
検出装置100を組み立てる場合には、本体部110の筐体111の後方の面に形成された溝に上側結合部141と下側結合部143との接続箇所を収容し、その上から本体カバー119を押し当てて、本体カバー119を筐体111、取り付け部115および取り付け部116によって共締めする。なお、取り付け部115および取り付け部116の前方には挿入ピンが設けられており、本体カバー119および筐体111のそれぞれに形成されている孔に挿入ピンを挿入することで上記の共締めを行う。
また、上側部120の筐体121の後方の面に形成された溝に上側結合部141の先端側を収容し、その上から上側カバー129を当て、上側カバー129の周囲に形成されている複数の爪の内側で上側結合部141の先端側の外側を固定する。同様に、下側部130の筐体131の後方の面に形成された溝に下側結合部143の先端側を収容し、その上から下側カバー139を当て、下側カバー139の周囲に形成されている複数の爪の内側で下側結合部143の先端側の外側を固定する。
以上の検出装置100の構成および組み立て方法によれば、上側結合部141および下側結合部143と、本体部110、上側部120および下側部130とは、互いに容易に分離可能であることが理解される。これにより、例えば長期的な使用によって生じるものと予想される、上側結合部141および下側結合部143の弾性力の低下に起因した形状変化があった場合に、上側結合部141および下側結合部143のみを新しいものに交換することができ、ウェアラブル装置30全体を交換する場合に比べてコストを削減できる。
次に、本実施形態におけるウェアラブル装置30の機能について説明する。図6は、第1の実施形態による、ウェアラブル装置30のブロック図である。図6に示される通り、ベルト装置(腰ベルト装置)200の制御ユニット220は、使用者10の姿勢を推定する姿勢推定部221と、使用者10の姿勢を推定する計算に用いるパラメータの値を予め記憶しておく記憶部223と、使用者10の腰に掛かる負荷を算出する負荷算出部225と、負荷算出部225によって算出された負荷の値に基づいて2つのアクチュエータ209の動作を制御する制御部227とを備える。上記のパラメータには、姿勢検出部126と第2の姿勢検出部136との相対位置のほか、姿勢を推定するための数式や負荷を算出するための数式に関する情報などが含まれる。
検出装置100の状態検出部112は、負荷検出部、すなわち左側ロードセル113および右側ロードセル114の各検出値を、ベルト装置200の姿勢推定部221および負荷算出部225に出力する。また、姿勢検出部126は、検出した姿勢データを姿勢推定部221に出力する。また、第2の姿勢検出部136は、検出した姿勢データを姿勢推定部221に出力する。また、接触検出部123は、左側圧力センサ124および右側圧力センサ125の両方の検出値が予め設定された閾値以下(例、0)になった場合に報知信号を報知部117に出力する。
姿勢推定部221は、記憶部223に記憶された上記の相対位置や姿勢を推定するための数式に関する情報を参照し、左側ロードセル113、右側ロードセル114、姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136の各々による圧力(圧力データ)、加速度(加速度データ)といった各検出値と、上記の相対位置とに基づいて、使用者10の姿勢を推定する。このとき、姿勢推定部221は、第2の姿勢検出部136から出力される姿勢データと姿勢検出部126から出力される姿勢データとの差分を算出してもよい。姿勢推定部221は、使用者10が自重以外の負荷を受けていない状態(例、物を所持していない状態)においてのみ、左側ロードセル113および右側ロードセル114による圧力データを用いて使用者10の姿勢を推定する構成としてもよい。姿勢推定部221は、推定した使用者10の姿勢に関するデータを、負荷算出部225に出力する。
負荷算出部225は、記憶部223に記憶された負荷を算出するための数式に関する情報を参照し、姿勢推定部221によって推定される使用者10の姿勢に関するデータ、および、左側ロードセル113および右側ロードセル114の各検出値から、所定の演算を実行して使用者10の腰の負荷を算出する。
使用者10の腰に対する負荷の算出方法として、例えば、使用者10の腰の負荷が変化する動作をする場合の腰椎周りの物理モデルを用いる。物理モデルでは、腰椎全体を剛体と見做す。物理モデルにおいて、腰椎の下端は、仙骨に対して回転可能に支持され、腰椎の上端は、胸椎の下端を回転可能に支持する。物理モデルでは、腰椎の前後で腹筋群が生じる筋力と、背筋群が生じる筋力とが、使用者10の腰の負荷が変化する動作の各段階において静的に釣り合うと見做す。このとき、負荷算出部225は、左側ロードセル113および右側ロードセル114の検出値の平均値を用いてもよい。
腰椎に支持された胸椎には、腰椎の背面側で収縮した背筋群が筋力を発生した場合に、当該筋力による胸椎周りの回転モーメントが作用し、これによって胸椎は使用者10の背中側に傾く。また、胸椎には、腰椎の前面側で収縮した腹筋群が筋力を発生した場合に、当該筋力による胸椎周りの回転モーメントが作用し、これによって胸椎は使用者10の前面側に傾く。このような胸椎の傾きにより、使用者10の上体が傾き、腰椎には負荷が作用する。前述の物理モデルに沿って、使用者10の腰椎の負荷を解析すると、腰椎周りでは、背筋群が生じる筋力による回転モーメントと、腹筋群が生じる筋力による回転モーメントと、使用者10の上体の重量による回転モーメントとが釣り合う。なお、使用者10の上体の重量は、使用者10の全重量の60%程度であることから、予め使用者10の体重を測定して記憶部223に記憶させておき、負荷算出部225が参照してもよい。
また、仙骨周りでは、背筋群が生じる筋力による回転モーメントと、腹筋群が生じる筋力による回転モーメントとが釣り合う。また、腰椎に掛かる負荷は、背筋群が生じる筋力と、腹筋群が生じる筋力と、使用者10の上体の重量との合力で表される。
姿勢推定部221によって推定される使用者10の姿勢に関するデータを、使用者10の上体の重量による腰椎周りの回転モーメントの算出に使用し、左側ロードセル113および右側ロードセル114の各検出値を背筋群が生じる筋力の算出に使用する。負荷算出部225は、これらの各算出値を用いて、胸椎周りの回転モーメントの釣り合いの式と、仙骨周りの回転モーメントの釣り合いの式とを連立することで、腹筋群が生じる筋力と使用者10の上体の重量とを算出する。これにより、負荷算出部225は、背筋群が生じる筋力と、腹筋群が生じる筋力と、使用者10の上体の重量との合力で表される、腰椎に掛かる負荷を算出する。
負荷算出部225は、算出した負荷の値を、記憶部223に記憶させる。これにより、記憶部223には、使用者10の腰に掛かる負荷の値が時間情報と共に蓄積されていく。使用者10は、例えばウェアラブル装置30を取り外した後に、記憶部223に蓄積された負荷の情報を、無線又は有線により、外部装置、例えばスマートフォンやパソコンに出力し、確認することができる。
制御部227は、負荷算出部225が算出した負荷の値を使用して、2つのアクチュエータ209に印加する電圧の大きさを制御して、2つのアクチュエータ209の伸縮量を制御する。これにより、ウェアラブル装置30は、使用者10の腰に掛かる負荷に応じて、使用者10の腰に補助力を付与できる。なお、制御部227は、例えば、使用者10の腰に掛かる負荷に対応したアクチュエータ209の締め付け力と、当該締め付け力を発生させる電圧の大きさとの関係式が予め測定されて記憶部223に記憶されている場合には、記憶部223を参照することにより、2つのアクチュエータ209に印加する電圧の大きさを特定してもよい。
次に、図7および図8を用いて、使用者10の動きに伴うウェアラブル装置30の動作を説明する。図7は、第1の実施形態による、ウェアラブル装置30を装着した状態で直立している使用者10の模式的な側面図であり、図8は、第1の実施形態による、ウェアラブル装置30を装着した状態で前屈している使用者10の模式的な側面図である。
図7に示される通り、使用者10がウェアラブル装置30を装着した状態で直立している場合、ウェアラブル装置30の検出装置100は、ベルト装置200によって部分的に使用者10に押し付けられている。より具体的には、ベルト装置200は、姿勢検出部126を覆わずに本体部110を覆うことによって、姿勢検出部126をベルト装置200に固定せずに本体部110をベルト装置200に固定し、また、姿勢検出部126を使用者10の腰に固定せずに本体部110を腰に固定する。
姿勢検出部126は、ベルト装置200によって使用者10の腰に固定されないが、上側結合部141の屈曲状の形状と使用者10の上体(例、腰)に向かう方向の弾性とに起因して、上体(例、腰)の動作を追随して上体(例、腰)に押し付けられた状態(付勢状態)が維持される。第2の姿勢検出部136もまた、ベルト装置200によって使用者10の上体(例、腰)に固定され、且つ、下側結合部143の屈曲状の形状と使用者10の上体(例、腰)に向かう方向の弾性とに起因して、上体(例、腰)の動作を追随して上体(例、腰)に押し付けられた状態(付勢状態)が維持される。上側結合部141および下側結合部143の屈曲状の形状について、より具体的には、図7に示される通り、使用者10の上体(例、腰)に対して角度を有し、すなわち、使用者10の上体(例、腰)に向かって全体的に屈曲する形状である。なお、上側結合部141および下側結合部143が有する弾性は、本体部110が使用者10の上体(例、腰)に固定されたときに使用者10と対向する方向の弾性とも言える。例えば、上側結合部141および下側結合部143が有する弾性は、使用者10がウェアラブル装置30を装着した状態において、使用者10又はウェアラブル装置30の重力方向に直交する方向の弾性を含む。また、結合部(上側結合部141、下側結合部143)は、上体に対向する側(上体に接触する側)の本体部110の面(例、図4に示す筐体111の表面111a)における法線方向の側に弾性を有することを含む。さらに、結合部は、上記の法線方向の側に曲がった形状を有することを含む。また、例えば、結合部は、本体部110(筐体111)の厚さ方向(この場合、本体部110の表面111aから裏面111cまでの幅方向)に弾性を有することを含む。このように、使用者10の上体(例、腰)に向かう方向の弾性は、上記した弾性を含む。
図8には、使用者10がウェアラブル装置30を装着した状態で前屈している場合を示しているが、直立している場合と同様に、姿勢検出部126は、上体(例、腰)に押し付けられた状態が維持されている。使用者10が前屈しても姿勢検出部126が使用者10の上体における腰から離れないで腰(衣服20を含む)に接触して密着している理由は、使用者10が前屈している場合に、結合部の弾性によって、上側結合部141が姿勢検出部126を使用者10に向かう方向に付勢しているためである。
以上、図1から図8を用いて、第1の実施形態によるウェアラブル装置30を説明した。例えば、ウェアラブル装置30によれば、上側結合部141および下側結合部143の屈曲状の形状と使用者10の腰に向かう方向の弾性とによって、上下の姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が腰に接触し続けるようにテンションを掛けているので、上体が前屈する場合にも上下の姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が使用者10の動作(例、前屈など)に追随して腰に接触した状態を維持できるため、腰から離れることを防止できる。したがって、本実施形態の検出装置100は、使用者10の動作(この場合、姿勢)に基づいて、使用者10の姿勢を高精度に正しく検出することができる。
以上の説明では、使用者10の上体が前屈する場合を例に挙げたが、上体が後屈したときはもちろん、側屈やひねりをした場合にも、上下の姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が腰から離れないことが、実験によって立証されている。また、ウェアラブル装置30は、使用者10の固有の情報を利用しないので、異なる身長の複数の使用者10に対しても正しく姿勢を検出できる。例えば、ウェアラブル装置30は、腰に掛かる負荷を正しく算出できる。
次に、図9から図13を用いて、第1の実施形態における検出装置100の上側結合部141および下側結合部143の代替的形態を説明する。以降の説明においては、上側結合部141および下側結合部143の代替的形態を除いた他の構成は、第1の実施形態と同じであるため、簡略化を目的として重複する説明を省略する。
図9は、第2の実施形態による、検出装置300の模式的な斜視図である。検出装置300の上側結合部341および下側結合部343は、例えば形状記憶合金、SUS、又はプラスチックからなる板材である。
図9に示される通り、上側結合部341および下側結合部343はそれぞれ、使用者10の上体における腰に対して角度を有し、すなわち、使用者10の上体における腰に向かって全体的に屈曲する形状を有する。上側結合部341は、第1の実施形態の上側結合部141と同様に、本体部110の側面111bの方向視において本体部110と上側部120との間の一点で屈曲している。下側結合部343も、第1の実施形態の下側結合部143と同様に、本体部110の側面111bの方向視において本体部110と下側部130との間の一点で屈曲している。上側結合部341および下側結合部343のそれぞれの当該形状により、使用者10がウェアラブル装置30を装着した場合に、使用者10の腰に各姿勢検出部が押し付けられる。
なお、板材からなる上側結合部341および下側結合部343は、第1の実施形態の線材からなる上側結合部141および下側結合部143と異なり、線材よりも大きい一定の幅を有するので、上側部120、本体部110および下側部130に取り付けるための留め具170を通す穴がそれぞれの対応箇所に形成されている。
次に、図10は、第3の実施形態による、検出装置400の模式的な斜視図であり、図11は、その側面図である。検出装置400の上側結合部441および下側結合部443は、図9を用いて説明した上側結合部341および下側結合部343と同様に、例えば形状記憶合金、SUS、又はプラスチックからなる板材である。
図10に示される通り、上側結合部441および下側結合部443はそれぞれ、使用者10の上体における腰に対して所定の曲率を有し、すなわち、使用者10の上体における腰に向かって全体的に湾曲する形状を有する。上側結合部441および下側結合部443の曲率半径は、好ましくはR=200である。上側結合部441は、本体部110の側面111bの方向視において全体的に曲がった形状である。下側結合部443も同様に、本体部110の側面111bの方向視において全体的に曲がった形状である。上側結合部341および下側結合部343のそれぞれの当該形状により、使用者10がウェアラブル装置30を装着した場合に、使用者10の腰に各姿勢検出部が押し付けられる。
更に、図11に示される通り、上側結合部441および下側結合部443のそれぞれには、長期的な使用によって生じるものと予想される、弾性力の低下に起因した形状変化を抑止する目的で、弾性補強部460が併設されている。より具体的には、弾性補強部460は、上側結合部441および下側結合部443の長手方向に弾性を有する、例えばゴムからなる弾性体であり、自然長の状態、または、長手方向に引き伸ばされた状態で、図示の通り上側結合部441および下側結合部443のそれぞれの内側曲面441a、443aに貼り付けて設けられている。これにより、使用者10がウェアラブル装置30を長期的に使用する場合に、上側結合部441および下側結合部443がヘタって(消耗による)形状変化することを抑止できる。従って、姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が使用者10の上体(例、腰)から離れることを抑止できる。従って、本実施形態の検出装置400は、使用者10の動作(この場合、姿勢)に基づいて、使用者10の姿勢を高精度に正しく検出することができるだけでなく、検出装置400の長期的な使用に対する耐久性を向上できる。
なお、板材からなる上側結合部441および下側結合部443は、図9を用いて説明した上側結合部341および下側結合部343と同様に、上側部120、本体部110および下側部130に取り付けるための留め具170を通す穴がそれぞれの対応箇所に形成されている。
図12は、第4の実施形態による、検出装置500の模式的な正面図である。検出装置500の上側結合部541および下側結合部543は、第1の実施形態の上側結合部141および下側結合部143と同様に、例えば形状記憶合金、SUS、又はプラスチックからなる線材である。
図12に示される通り、上側結合部541は、本体部110の正面の方向視において並べて配置された2本の(一対の)上側屈曲線材544、545を有し、下側結合部543も、本体部110の正面(表面111a)の方向視において並べて配置された2本の(一対の)下側屈曲線材547、548を有する。上側屈曲線材544および下側屈曲線材547は、第1の実施形態の上側結合部141および下側結合部143と同様に、一体的に単一の部材で形成されている。上側屈曲線材545および下側屈曲線材548も同様に、一体的に単一の部材で形成されている。
上側屈曲線材544および下側屈曲線材547はそれぞれ、第1の実施形態の上側結合部141および下側結合部143と異なり、本体部110の側面111bの方向視だけでなく表面111aの方向視においても少なくとも一部が曲がった形状である。例えば、上側屈曲線材544は、本体部110と上側部120との間において、本体部110の側面111bの方向視では一点で屈曲しており、本体部110の表面111aの方向視では複数個所で屈曲している。同様に、下側屈曲線材547も、本体部110と下側部130との間において、本体部110の側面111bの方向視では一点で屈曲しており、本体部110の表面111aの方向視では複数個所で屈曲している。上側屈曲線材545および下側屈曲線材548は、上側屈曲線材544および下側屈曲線材547と同じ構成なので、説明を省略する。
上側結合部541および下側結合部543のそれぞれの各屈曲線材が、本体部110の側面111bの方向視において一点で屈曲する形状を有することで、第1から第3の実施形態における各結合部と同様、使用者10がウェアラブル装置30を装着した場合に、使用者10の腰に各姿勢検出部が押し付けられる。更に、上側結合部541および下側結合部543はそれぞれ2本の屈曲線材を有することで結合部の強度および耐久性が向上し、使用者10がウェアラブル装置30を長期的に使用する場合に、上側結合部541および下側結合部543がヘタって形状変化することを抑止できる。従って、姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が使用者10の腰から離れることを抑止できる。これにより、本実施形態の検出装置500は、姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136による姿勢の検出精度を向上できる。更に、2本の屈曲線材を本体部110の正面の方向視において並べて配置することで予想される、使用者10の左右方向の動きに対する追従性の低下を抑止すべく、上側結合部541および下側結合部543のそれぞれの各屈曲線材は、本体部110の表面111aの方向視において複数個所で屈曲する形状を有する。これにより、使用者10が側屈したり上体をひねったりしても、上側結合部541および下側結合部543のそれぞれの各屈曲線材が複数の屈曲点で変形することで、姿勢検出部126および第2の姿勢検出部136が使用者10の腰から離れずに追従することができる。従って、検出装置500は、使用者10の姿勢を高精度に正しく検出することができる。
図13は、第5の実施形態による、検出装置600およびベルト装置200を備えるウェアラブル装置30の模式的な正面図である。検出装置600の各構成は、第1の実施形態の検出装置100の各構成と比べて、下側結合部143を備えない点を除いて同一である。ベルト装置200には、追加的に、下側部130をベルト装置200に固定することによって下側部130とベルト装置200との相対位置を固定するための固定部材205、207を備える。このように、本体部110と下側部130とは、上記した線材や板材などで互いに結合されることなく、ベルト201によって相対的に位置決め固定することができる。
なお、固定部材205および固定部材207はそれぞれ、下側部130をベルト装置200に固定する目的を達成できる限りにおいて任意の構成であってもよい。本実施形態では、固定部材205および固定部材207はそれぞれ、図13に破線で示される通り、ベルト201の使用者10に接触しない(面しない、対向しない)側の表面に形成された固定用バンドであって、両端を固定されて中心側でベルト201と共に下側部130の拡張部132を挟持するものであってもよい。
以上の複数の実施形態において、使用者10の姿勢を推定するために、状態検出部(負荷検出部)からの出力データと、上下の姿勢検出部からの出力データと、鉛直方向における上下の姿勢検出部間の距離とを用いた。例えば、これに代えて、姿勢検出部として上側部に加速度センサおよびジャイロセンサを設け、両センサからの出力データのみを用いて姿勢検出してもよい。この場合、上体における腰に掛かる負荷の値を算出するために、下側部にも加速度センサおよびジャイロセンサを設け、上下の各センサからの出力データと、状態検出部からの出力データとを用いてもよい。例えば、本実施形態の検出装置は、加速度センサから前傾斜の角度や側屈角度などを取得し、ジャイロセンサからひねり角を取得する。
以上の複数の実施形態において、姿勢検出部(126、136)の腰への接触を検出する接触検出部は、姿勢検出部が使用者10の上体(例、腰)から受ける反力を直接的に検出するセンサ、具体的には、腰から受ける圧力を検出する左右一対の圧力センサを含むものとして説明した。例えば、これに代えて、接触検出部は、本体部の位置で結合部に加わる力を検出することによって、姿勢検出部が腰から受ける反力を間接的に検出するセンサを含んでもよい。また、上記の検出装置において、接触検出部そのものを設けなくてもよい。この場合に、接触検出部に代えて、下側部の突起部と同じ構成を上側部の拡張部に設けてもよく、上側部の拡張部そのものを不要としてもよい。
以上の複数の実施形態において、負荷算出部によって算出された負荷値のデータは、記憶部に蓄積的に記憶させて、無線又は有線により外部装置、例えばスマートフォンやパソコンに後から出力し、蓄積した負荷値のデータをディスプレイなどに表示させる構成とした。代替的に又は追加的に、ウェアラブル装置は、算出された負荷値のデータを、随時、無線又は有線により外部装置(例、サーバ)に出力し、リアルタイムで負荷値のデータをディスプレイに表示させてもよい。例えば、各実施形態におけるウェアラブル装置と、ディスプレイと、検出装置又はウェアラブル装置から情報(データ)を受信する外部装置と、を備える情報システムを構成してもよい。
以上の複数の実施形態において、追加的に、上側部及び下側部の各筐体に各結合部を収容する溝を複数設け、各結合部の弾性力の低下具合に応じて、各結合部を異なる溝に収容させてもよい。このように調整すれば、長期的な使用によって各結合部の開き具合が大きくなってきても、上下の姿勢検出部の相対位置を維持することができる。
以上の複数の実施形態において、上側部および下側部に2つの姿勢検出部を設けた構成を説明した。追加的に、上記の本体部が3つ目の姿勢検出部を備えてもよい。また、姿勢検出部は、追加的に又は代替的に、上側部の角速度を検出するジャイロセンサを含んでもよい。第2の姿勢検出部も同様に、追加的に又は代替的に、下側部の角速度を検出するジャイロセンサを含んでもよい。このように姿勢検出センサの数を増やすことで、検出装置は、姿勢検出精度をより向上することができる。
以上の複数の実施形態において、負荷検出部は、追加的に又は代替的に、使用者10の腰の筋肉の動きに係る皮膚表面の電位の変化を検出する筋電位センサであってもよい。また、状態検出部は、追加的に又は代替的に、使用者の腰の方向を検出する地磁気センサを含んでもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。